JP2003279732A - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

位相差フィルムの製造方法

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JP2003279732A
JP2003279732A JP2002078595A JP2002078595A JP2003279732A JP 2003279732 A JP2003279732 A JP 2003279732A JP 2002078595 A JP2002078595 A JP 2002078595A JP 2002078595 A JP2002078595 A JP 2002078595A JP 2003279732 A JP2003279732 A JP 2003279732A
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bis
acid
hydroxyphenyl
resin
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JP2002078595A
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Takuo Sakamoto
卓夫 坂本
Ryoichi Ishinabe
亮一 石鍋
Keijiro Takanishi
慶次郎 高西
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 1枚の配向フィルムで波長依存性にすぐれ、
かつ靭性のあるしなやかな位相差フィルムを製造するう
えの製膜、延伸時の諸問題を解決した位相差フィルムの
製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で示されるホスホン酸残
基、および下記一般式(2)で示される2価フェノール
残基より構成されており、ホスホン酸残基とカーボネー
ト残基のモル分率が式(3)を満足する樹脂組成物を用
い、この樹脂組成物の溶液を基材の上に流延し、乾燥後
基材より剥離してさらに乾燥しながら延伸する流延式製
膜方法で製造されることを特徴とする位相差フィルムの
製造方法。 一般式(1) 一般式(2) [式(1)中Rは炭化水素基、Xは酸素、硫黄あるいは
セレンを表し、式(2)中R’は水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、Yは
単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基等からなる
群から選ばれる。] 1>(a)/[(a)+(b)] ≧ 0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネー
ト残基のモル数を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位相差フィルムの製
造方法に関する。本発明の位相差フィルム製造方法によ
って作られた位相差フィルムは液晶表示装置、有機電界
発光表示装置、防眩フィルムの光学素子に好適に用いら
れる。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムの用途としては液晶表示
装置等の色補償を目的とした、円偏光を直線偏光に、直
線偏光を円偏光に変換することが出来る1/4波長板
(以下λ/4板と略記する)があり、位相差フィルムの
素材としてポリカーボネート、ポリビニルアルコール、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポ
リオレフィンなどの樹脂が一般的に用いられている。
【0003】可視光領域である380nm〜780nm
において位相差がλ/4(nm)となることが位相差フ
ィルムの理想であるが、通常高分子は位相差に波長依存
性をもっており短波長ほど位相差が大きく、長波長ほど
位相差が小さくなる傾向がある。
【0004】したがって、従来の一般的に使用されてい
る前述の素材では可視光領域である380nm〜780
nmにおいて理想的なλ/4(nm)となる位相差特性
を得ることが困難であり、種々の工夫が試みられてき
た。
【0005】例えば、特開平10−68816号公報に
はλ/4(nm)板とλ/2(nm)板を適当な角度で
貼り合わせて用いる例、特開平2−285304号公報
にはアッベ数が異なる2枚のフィルムを積層するといっ
た技術等が開示されている。
【0006】しかし前記した理想的なλ/4(nm)板
となるフィルムを得るためにはフィルムを2枚以上用い
なくてはならない。そのためフィルム貼り合わせ工程等
の工程の増加、コストの増加、光学特性の悪化等の問題
がある。またフィルムの素材となる樹脂の改良について
は特開2002−48919号公報等でフルオレン骨格
を有するポリカーボネート共重合体を用いて1枚の高分
子配向フィルムとすることで測定波長が短いほど位相差
が小さくなる位相差フィルムが提案されている。
【0007】しかし、このフルオレン骨格を有する樹脂
で十分な波長依存性を得るには45モル%以上のフルオ
レン骨格を有するモノマーを用いなくてはならず、係る
フィルムは非常に脆いために製膜時、延伸時の加工上の
制約が多かった。また、波長依存性についても改善の余
地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は1枚のフィル
ムであって、かつ測定波長が短いほど位相差が小さく、
波長依存性にもすぐれた理想的なλ/4(nm)板とし
ての特性を具備した樹脂を用いて、製膜、延伸時の諸問
題を解決し、良好な位相差フィルムの製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】係る本発明の課題を解決
する本発明の本旨とするところは、1枚の配向フィルム
で可視光波長領域において位相差が短波長ほど小さく、
波長依存性にすぐれ、かつ靭性のあるしなやかな位相差
フィルムを得るために、位相差フィルムの製膜・延伸方
法について鋭意検討した結果本願発明を完成させた。す
なわち、位相差フィルム用樹脂として下記一般式(1)
で示されるホスホン酸残基、および下記一般式(2)で
示される2価フェノール残基およびカーボネート残基か
らなり、ホスホン酸残基とカーボネート残基のモル分率
が式(3)を満足する樹脂組成物(これらの樹脂組成物
を総称して単に「ポリホスホネートとポリカーボネート
の共重合樹脂」あるいは単に「樹脂」という場合があ
る)を用いることであって、上記樹脂の溶液を基材の上
に流延し、乾燥後基材より剥離してさらに乾燥しながら
延伸する流延式製膜方法で製造される位相差フィルムの
製造方法、である。 一般式(1)
【0010】
【化4】
【0011】一般式(2)
【0012】
【化5】
【0013】[一般式(1)中Rは炭素数1〜20の炭
化水素基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、Rあ
るいはXの異なるホスホン酸残基をともに含んでもよ
い。一般式(2)中R’は各々独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1
〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選
ばれ、p、qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸
素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シ
クロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換ア
ルキレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキ
リデン基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィ
ンオキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキル
シラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる
群から選ばれる。] 1>(a)/[(a)+(b)] ≧ 0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネー
ト残基のモル数を示す。]
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の位相差フィルム製造方法
において用いる位相差フィルム用樹脂とは、下記一般式
(1)で示されるホスホン酸残基、および下記一般式
(2)で示される2価フェノール残基およびカーボネー
ト残基からなる樹脂である。 一般式(1)
【0015】
【化6】
【0016】一般式(2)
【0017】
【化7】
【0018】上記一般式(1)で表される化合物のリン
原子上の置換基Rの具体例としては、フェニル、ハロ置
換フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、エ
チル、イソプロピル、シクロヘキシル、ビニル、アリ
ル、ベンジル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、
ハロ置換アルキル、アルキルサルファイド基等が挙げら
れる。またこれら一般式(1)で表されるホスホン酸残
基を構成するホスホン酸を具体的に例示すると、メチル
ホスホン酸、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン
酸、イソプロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、
イソブチルホスホン酸、t―ブチルホスホン酸、n−ペ
ンチルホスホン酸、ネオペンチルホスホン酸、シクロヘ
キシルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、クロロメチル
ホスホン酸、ジクロロメチルホスホン酸、ブロモメチル
ホスホン酸、ジブロモメチルホスホン酸、2−クロロエ
チルホスホン酸、1、2−ジクロロエチルホスホン酸、
2―ブロモエチルホスホン酸、1、2−ジブロモエチル
ホスホン酸、3−クロロプロピルホスホン酸、2、3−
ジクロロプロピルホスホン酸3−ブロモプロピルホスホ
ン酸、2、3−ジブロモプロピルホスホン酸、2−クロ
ロー1−メチルエチルホスホン酸、1、2−ジクロロー
1−メチルエチルホスホン酸、2−ブロモー1−メチル
エチルホスホン酸、1、2−ジブロモー1−メチルエチ
ルホスホン酸、4−クロロブチルホスホン酸、3、4−
ジクロロブチルホスホン酸、4−ブロモブチルホスホン
酸、3、4−ジブロモブチルホスホン酸、3−クロロー
1―メチルプロピルホスホン酸、2、3−ジクロロ−1
−メチルプロピルホスホン酸、3−ブロモ−1メチルプ
ロピルホスホン酸、2、3−ジブロモ−1−メチルホス
ホン酸、1−クロロメチルプロピルホスホン酸、1−ク
ロロー1−クロロメチルプロピルホスホン酸、1−ブロ
モメチルプロピルホスホン酸、1−ブロモ−1−ブロモ
メチルプロピルホスホン酸、5−クロロペンチルホスホ
ン酸、4、5−ジクロロペンチルホスホン酸、5−ブロ
モペンチルホスホン酸、4、5−ジブロモペンチルホス
ホン酸、1−ヒドロキシメチルホスホン酸、2−ヒドロ
キシエチルホスホン酸、3−ヒドロキシプロピルホスホ
ン酸、4−ヒドロキシブチルホスホン酸、5−ヒドロキ
シペンチルホスホン酸、1−アミノメチルホスホン酸、
2−アミノエチルホスホン酸、3−アミノプロピルホス
ホン酸、4−アミノブチルホスホン酸、5−アミノペン
チルホスホン酸、メチルチオメチルホスホン酸、メチル
チオエチルホスホン酸、メチルチオプロピルホスホン
酸、メチルチオブチルホスホン酸、エチルチオメチルホ
スホン酸、エチルチオエチルホスホン酸、エチルチオプ
ロピルホスホン酸、プロピルチオメチルホスホン酸、プ
ロピルチオエチルホスホン酸、ブチルチオメチルホスホ
ン酸、フェニルホスホン酸、4−クロロフェニルホスホ
ン酸、3、4−ジクロロフェニルホスホン酸、3、5−
ジクロロフェニルホスホン酸、4−ブロモフェニルホス
ホン酸、3、4−ブロモフェニルホスホン酸、3、5−
ブロモフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホス
ホン酸、3、4−ジメトキシフェニルホスホン酸、1―
ナフチルホスホン酸、2―ナフチルホスホン酸、ベンジ
ルホスホン酸、4−ブロモフェニルメチルホスホン酸、
3、4−ジブロモフェニルメチルホスホン酸、3、5−
ジブロモフェニルメチルホスホン酸、2−フェニルエチ
ルホスホン酸、2−(4−ブロモフェニル)エチルホスホ
ン酸、2−(3、4−ジブロモフェニル)エチルホスホン
酸、2−(3、5−ジブロモフェニル)エチルホスホン
酸、3−フェニルプロピルホスホン酸、3−(4−ブロ
モフェニル)プロピルホスホン酸、3−(3、4−ジブロ
モフェニル)プロピルホスホン酸、3−(3、5−ジブロ
モフェニル)プロピルホスホン酸、4−フェニルブチル
ホスホン酸、4−(4−ブロモフェニル)ブチルホスホン
酸、4−(3、4−ジブロモフェニル)ブチルホスホン
酸、4−(3、5−ジブロモフェニル)ブチルホスホン
酸、2―ピリジルホスホン酸、3−ピリジルホスホン
酸、4−ピリジルホスホン酸、1−ピロリジノメチルホ
スホン酸、1―ピロリジノエチルホスホン酸、1−ピロ
リジノプロピルホスホン酸、1−ピロリジノブチルホス
ホン酸、ピロール−1−ホスホン酸、ピロール−2―ホ
スホン酸、ピロール−3−ホスホン酸、チオフェン−2
―ホスホン酸、チオフェン−3―ホスホン酸、ジチアン
−2―ホスホン酸、トリチアン−2―ホスホン酸、フラ
ン−2―ホスホン酸、フラン−3―ホスホン酸、ビニル
ホスホン酸、アリルホスホン酸などが挙げられ、またこ
れらのリン原子に2重結合で結合している酸素原子が硫
黄原子に置換されたチオホスホン酸も同様に挙げられ
る。これらは1種類でも、複数種併用することもでき
る。
【0019】また、これらホスホン酸はその酸塩化物、
エステル、アミドなどのホスホン酸誘導体であってもよ
い。またこれらホスホン酸残基については、それぞれ対
応する3価のリン官能基であるホスホナイト残基に一部
置き換えてもよい。これにより樹脂の耐酸化性を付与す
ることができるが、光学特性等の特性安定性を考慮する
と、その置換比率は50%以下が好ましく、より好まし
くは25%以下、さらに好ましくは10%以下である。
【0020】また、一般式(2)で表される2価フェノ
ール残基を構成する2価フェノールを具体的に例示する
と、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
メタン、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプ
ロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−secブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフロー
レン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、
4,4'−〔1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリ
デン)〕−ビス(2−メチルフェノール)、1,1−ビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、4,4'−ジヒドロキシフェニルエーテル、
1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,
4'−メチレンビスフェノール、1,1−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブ
タン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t
ert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−te
rt−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(3,5−ジsecブチル−4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−
ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エ
タン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジtert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル−6
−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−フル
オロフェニル)メタン、2,2−ビス(4ーヒドロキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,
1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−
1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェノール、3,
3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ビフェノー
ル、3,3',5,5'−テトラtert−ブチル−4,
4'−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ケトン、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ビフェノー
ル、3,3',5,5'−テトラフルオロ−4,4'−ビ
フェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチル
シラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオ
エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、1,1−ビ
ス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカ
ン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2
−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエ
ステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン酸エチルエステル、イサチンビスフェノール、イサ
チンビスクレゾール、2,2',3,3',5,5'−ヘ
キサメチル−4,4'−ビフェノール、ビス(2−ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,4'−メチレンビスフェ
ノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3
−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フ
ェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペン
タデカン、1,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロ
キシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)メタン、
2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フ
ルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、3,3',5,5'−テトラtert−ブチル
−2,2'−ビフェノール、2,2'−ジアリル−4,
4'−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル
−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス
(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチル−シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、α、α−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピ
ルベンゼン等が挙げられ、これらは1種類でも、複数種
併用することもできる。これら2価フェノールは得られ
るポリマーの性能に応じて用いることができる。
【0021】また、カーボネート残基とは、炭酸エステ
ル、炭酸ハライドなどを原料として得られる構造単位で
あり、例えばジフェニルカーボネート、ジトリールカー
ボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−
クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシク
ロヘキシルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネー
トなどの炭酸エステル、ホスゲン、トリホスゲンなどの
炭酸ハライドが挙げられる。
【0022】さらに、本発明の樹脂はホスホン酸残基と
カーボネート残基のモル分率が式(3)を満足する樹脂
である。
【0023】 1>(a)/[(a)+(b)]≧0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネー
ト残基のモル数を示す。] さらに、本発明の樹脂は、下記一般式(4)で示される
繰り返し単位からなる樹脂からなり、かつ、m、nは下
式(5)を満足する樹脂である。 一般式(4)
【0024】
【化8】
【0025】[式(4)中、m、nは自然数。]、モル
比は下記式(5)の関係をみたす。 0.95 ≧(m)/(m+n)≧ 0.05 (5) 好ましい(m)/(m+n)は0.4〜0.95であっ
て、より好ましい(m)/(m+n)は0.5から0.
75である。
【0026】本発明のポリホスホネートとポリカーボネ
ート共重合樹脂を用いた位相差フィルムの製膜方法は流
延式製膜法を用いる。
【0027】係る製膜において用いるポリホスホネート
とポリカーボネート共重合樹脂の形態はペレット状、粉
末状どちらでも良好である。用いる樹脂の数平均分子量
(以下Mnという)は20,000以上200,000
以下であれば好適に用いられる。Mnが20,000未
満の場合はフィルムの機械強度特性が不足して製膜時の
基材からの剥離、延伸が出来ないので好ましくない。ま
た、Mnが200,000を超える場合は溶液粘度が高
くなりすぎるために膜厚の制御が困難となり好ましくな
い。より好ましいのはMn50,000以上100,0
00以下である。
【0028】本発明において用いるポリホスホネートと
ポリカーボネート共重合樹脂の溶解に使用する溶剤は溶
解性が良好で低毒性、かつ流延可能な溶液の粘度が得ら
れる溶剤の中から適宜選択出来る。
【0029】係る溶解用の溶剤としては塩化メチレン、
クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、
1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクト
ン、ベンジルアルコール、イソホロン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロパノー
ル等の単独あるいは2以上の混合物が挙げられる。好ま
しい溶剤は塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタンである。最も好ましい溶剤は塩化メチレンで
ある。
【0030】本発明の樹脂溶液の作製においては溶剤を
撹拌しながらポリホスホネートとポリカーボネート共重
合樹脂のペレットまたは粉末を投入して完全に溶解させ
る。あるいは、溶液重合の場合は重合後の溶液を処理し
て用いることができる。
【0031】流延製膜に使用される樹脂溶液中の樹脂の
濃度は流延時の作業性と樹脂のMnによって樹脂濃度を
適宜選択できる。好ましい樹脂溶液の樹脂濃度は5〜2
8重量%である。より好ましい樹脂溶液の樹脂濃度は、
乾燥後のシート状物表面の品位や特性から10〜25重
量%である。
【0032】溶液中に異物等が混入されている場合、フ
ィルムの品位を低下させるため、該異物を除去するため
に溶解後は溶液をろ過することが好ましい。ろ過に使用
するフィルターエレメントの材質はろ紙、ガラス、セラ
ッミックス、フッ素系樹脂、セルロース、羊毛フェル
ト、ポリエステル繊維、焼結金属等が挙げられる。フィ
ルターエレメントは目開きが0.3μm〜440μmの
範囲で目開きの異なるものを複数組み合わせて用いるこ
とが好適である。
【0033】より品位の良好なシート状物を得るために
ろ過後の樹脂溶液は脱泡をおこなうことが好ましい。脱
泡方法は減圧または遠心脱泡が挙げられるが、溶剤の揮
発を防ぐために樹脂溶液温度を15℃以下に保ち可能な
限り短時間でおこなうことが好ましい。
【0034】流延する基材の材質はガラス板または有機
シランカップリング剤で表面処理されたガラス板、平滑
な金属板、硬質ゴム板、フッ素系樹脂板等を用いること
が出来、ドラム状、板状、エンドレスベルトなど種々の
形態が採用しうる。乾燥後のシート状物の均質性の観点
から、鏡面研磨加工された金属製のエンドレスベルトを
用ることが好ましい。また、樹脂溶液を流延して乾燥し
たとき、基材にシート状物が接着して剥離し難い場合が
あり、剥離時に無理な力をかけることにより、シート状
物の破損、傷付き、応力による樹脂の配向等が起こるこ
とがある。このため、基材とシート状物の剥離性を向上
させるために基材表面に界面接着力の低い非接着性材料
を被覆することが好ましい。
【0035】係る非接着性材料としては、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹
脂、シリコーン樹脂が好ましい。より好ましいのはポリ
エチレンテレフタレート樹脂である。
【0036】非接着性材料の基材表面への被覆方法とし
ては、基材表面にフィルム状の非接着性材料を貼り付け
てエンドレスにする方法、フィルム状の材料を流延の手
前から製膜速度に合わせて連続的に基材表面に供給し、
製膜乾燥後の膜の剥離時に巻き取る方法、被覆材料を基
材表面にコーティングする方法が挙げられる。
【0037】本発明における樹脂溶液の膜厚制御にはフ
ィルムアプリケーター、ドクターブレードでの掃け引
き、ロールコーターによる塗り付け、押し出しダイによ
る溶液の押し出し、スプレーによる吹き付け、ノズルか
ら溶液を流す方法が挙げられる。フィルムの厚みおよび
幅の均一性、物理的および光学的欠点の発生が少ないこ
と等から押出ダイによる溶液の押出が好ましい。
【0038】流延後の樹脂溶液の乾燥は自然乾燥、強制
乾燥のいずれでも可能であるが、強制乾燥の方が好まし
い。強制乾燥法としては常圧乾燥法と減圧乾燥法がある
が、樹脂溶液に使用される溶剤の沸点で適宜使い分ける
ことができる。どちらの方法にせよ、乾燥速度が重要で
あり、急激な乾燥は溶剤の揮発にともなう膜表面の結露
による膜の白化、膜面の凹凸(ユズ肌)、膜面の発泡等
の欠点を生じる原因となる。また、加熱延伸中の膜面の
発泡、白化、配向不良は膜中の残存溶剤による影響であ
り、乾燥不足に起因している。乾燥時は膜の表面乾燥速
度と膜内部の乾燥速度がほぼ等しくなるようにすること
が望ましい。
【0039】本発明は上記基材上にて乾燥後、乾燥され
たシート状物を剥離する。この剥離されたシート状物中
に含まれる溶剤の含有量は該シート状物重量の1〜10
重量%とすることが好ましい。より好ましいのは該シー
ト状物重量の1〜5重量%である。溶剤の含有量が1重
量%未満だとフィルムの剛性が高いためにフィルムの乾
燥収縮によるカール、基材からの自然剥離、剥離時の破
損、延伸時の破損等取扱い性不良の原因となる。また、
溶剤の含有量が10重量%を超えるとフィルムの柔軟性
による表面の傷つき、剥離不良、加熱延伸中の膜面の発
泡、白化、配向不良の原因となる。
【0040】このように剥離されたシート状物は、更に
乾燥・延伸を行う。このシート状物は通常非晶性である
ため、配向させるために等方的でない延伸をおこなう。
通常は1軸延伸である。1軸延伸は横方向の1軸延伸ま
たは縦方向の1軸延伸のいずれでも可能であるが、製膜
性に優れることから縦1軸延伸が好ましい。なお、2軸
以上ないし他の手段による延伸であっても本発明の効果
を損なわない範囲で、面内屈折率違法性を有しているも
のであれば、用いることに差し支えはない。
【0041】この乾燥・延伸工程おいて、延伸温度は樹
脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg〜
(Tg−20℃)の範囲で延伸することが好ましく、よ
り好ましくは、Tg〜(Tg−15℃)の範囲で延伸す
ることがより好ましい。すなわち、Tg温度以上で延伸
した場合、樹脂の軟化による分子鎖の滑りが発生し、延
伸はするが配向は生じがたく良好な位相差フィルムは得
難い場合がある。また、発泡等でフィルムの表面品位が
低下することがある。(Tg−20℃)以下ではフィル
ムが剛直となるため、引っ張り応力に抗しきれず、延伸
中にフィルムが破断したり、微細なクラックによりフィ
ルム表面が白化したりする場合がある。
【0042】本発明におけるフィルムの延伸倍率は、配
向性の良好なフィルムを得るため、樹脂組成物の構造に
応じて元のフィルム長さの1.1〜3.0倍の範囲で延
伸倍率を変えることができる。しかし、延伸倍率が高い
ほど配向性は良くなるが、フィルムの破断、ネックダウ
ンの増大等加工性の問題が生じる。より好ましくは延伸
倍率は元の長さの1.2〜2.0倍の範囲で延伸するこ
とにより表面品位、配向性の良好な位相差フィルムが得
られる。
【0043】また、乾燥後に基材から剥離されたシート
状物、あるいは、延伸後のフィルム等を溶媒にて抽出
し、ポリマー中に含まれた不純物を除去する工程が組み
合わされたものであって良い。
【0044】
【実施例】本発明の具体的実施態様を以下に実施例をも
って述べるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。 [延伸フィルムの配向状態の確認方法]2枚の偏光板をそ
れぞれを直交方向に積層させて遮光状態にしておき、得
られた延伸フィルムを偏光板の間に、延伸軸の45度の
方向で挿入し光の透過状態を確認した。光が透過すれば
フィルムは配向状態であり、明るいほど配向性が高い。
【0045】実施例1 水平なガラス板(縦15cm×横15cm)の上に100μ
m厚のポリエステルフィルム(以下PETフィルムとい
う)を貼り合わせたものを基材として準備し、この基材
を乾燥機の中に水平になるように水準器で水準を合わせ
て置いた。数平均分子量(Mn)50,000の請求項
1記載のポリホスホネートとポリカーボネート共重合樹
脂5gを塩化メチレン45gに溶解した後、ろ紙(桐山
ろ紙φ40mm、No.5C、1μmカット)を用いて減
圧ろ過、ろ液を減圧して気泡が出なくなるまで脱泡し
た。この溶液27gを前述のPETフィルム基材の上に
駒込ピペットを用いて基材全体に均一に拡がるように流
延した。流延後、温度15℃で0.5時間、温度25℃
で1時間、温度50℃で2時間、温度80℃で1時間の
逐次昇温乾燥して製膜をおこなった。乾燥後、出来たフ
ィルムを基材上から剥離したところ傷つきなく容易に剥
離出来た。フィルム重量を測定したところ、含有溶剤量
が2.5重量%であった。気泡、白濁、凹凸のないクリ
アーで平滑な100μm厚の未延伸フィルムを得た。得
られたフィルムを幅2cm×長さ4cmに裁断し、手回し式
のフィルムストレッチャーに取り付けた。使用した樹脂
のTgより10℃低い130℃に設定したオーブン中に
フィルムを取り付けたストレッチャーを5分間投入後、
4mm/秒の延伸速度で直ちに延伸し、延伸倍率1.2倍
の欠点のない延伸フィルムを得た。延伸フィルムの配向
状態を確認したのち、セルギャップ検査装置(大塚電子
(株)製:RETS-1100)を用いて位相差測定をおこなっ
た。測定波長550nmで位相差は170nmであっ
た。
【0046】比較例1 数平均分子量(Mn)50,000の請求項1記載のポ
リホスホネートとポリカーボネート共重合樹脂のペレッ
トを270℃で溶融、100μmのスリットから押出
し、冷媒温度5℃のキャスティング・ドラムで冷却後、
縦一軸延伸をおこなうために140℃で長手方向に1.
4倍の延伸倍率で延伸をおこなったところ、フィルムが
破断して延伸できなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明により、1枚の配向フィルムで波
長依存性にすぐれ、かつ靭性のあるしなやかな位相差フ
ィルムを製造するうえの製膜、延伸時の諸問題を解決し
た位相差フィルムの製造方法を提供でき、本発明の製造
方法によって作られた位相差フィルムは液晶表示装置、
有機電界発光表示装置、防眩フィルムの光学素子等の分
野に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 69:00 B29K 69:00 B29L 7:00 B29L 7:00 11:00 11:00 C08L 69:00 C08L 69:00 Fターム(参考) 2H049 BA06 BB44 BB50 BC03 BC09 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FD08 FD10 4F071 AA50 AF29 AF35 BA02 BB02 BC01 4F210 AA28 AA35 AG01 AH73 QD01 QD13 QG01 QG18 4J029 AA09 AB01 AB07 AD10 AE04 BB08 BB11 BD01 BH02 DB02 DB11 DC02 HA01 HC01 HC05 JC54 JC57 KE05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示されるホスホン酸残
    基、下記一般式(2)で示される2価フェノール残基お
    よびカーボネート残基からなり、ホスホン酸残基とカー
    ボネート残基のモル分率が式(3)を満足する樹脂を溶
    液状態とし、該樹脂溶液を基材上にシート状に流延し、
    乾燥後基材より剥離し、さらに乾燥しながら延伸するこ
    とを特徴とする位相差フィルムの製造方法。 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 [一般式(1)中Rは炭素数1〜20の炭化水素基、X
    は酸素、硫黄あるいはセレンを表し、RあるいはXの異
    なるホスホン酸残基をともに含んでもよい。一般式
    (2)中R’は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳
    香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、p、
    qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸素原子、硫
    黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキ
    レン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキレン
    基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデン
    基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィンオキ
    シド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラン
    基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群から
    選ばれる。] 1>(a)/[(a)+(b)] ≧ 0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネー
    ト残基のモル数を示す。]
  2. 【請求項2】 一般式(4)で示される繰り返し単位か
    らなる樹脂からなり、かつ、m、nは下式(5)を満足
    する樹脂を溶液状態とし、該樹脂溶液を基材上にシート
    状に流延し、乾燥後基材より剥離し、さらに乾燥しなが
    ら延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方
    法。 一般式(4) 【化3】 [式(4)中、m、nは自然数。]、モル比は下記式
    (5)の関係をみたす。 0.95 ≧(m)/(m+n)≧ 0.05 (5)
  3. 【請求項3】 前記の樹脂は、ホスホン酸残基の一部を
    対応するホスホナイト残基に置換された樹脂であって、
    その置換比率が50%以下であることを特徴とする請求
    項1または2記載の位相差フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記の基材は、非接着性材料で被覆され
    た基材であることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非接着性材料がポリエチレンテレフ
    タレート樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の
    位相差フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂溶液の樹脂濃度が5〜28重量
    %であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに
    記載の位相差フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 乾燥後基材より剥離された際のシート状
    物中に含有される溶剤の含有量が1〜10重量%である
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の位
    相差フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 剥離後の延伸工程において、延伸温度を
    前記樹脂のガラス転移温度(Tg(℃))以下、かつ、
    (Tg−20)℃以上の範囲の温度とし、長手方向に
    1.2〜2倍の範囲で延伸することを特徴とする請求項
    1から7のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方
    法。
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