JP2004268564A - ブランケットユニットとブランケット固定装置を有するシリンダとを備えたアセンブリ、対応するシリンダ、ブランケットユニットおよびオフセット印刷機 - Google Patents

Abstract

【課題】 ブランケットユニットとブランケット固定装置を有するシリンダとを備えたアセンブリ、対応するシリンダ、ブランケットユニットおよびオフセット印刷機の提供。
【解決手段】 オフセット印刷機のためのアセンブリであって、該アセンブリは、
ブランケット（６４）およびブランケットサポートプレート（６２）を備えたブランケットユニット（３）であって、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）およびリアエッジ（７２）が、ブランケットのフロントエッジ（６８）およびリアエッジ（７４）部分で曲がり、かつ、そこから延びているブランケットユニット（３）と、
ブランケットサポートプレートのフロントエッジおよびリアエッジを受け入れるための開口（１４）を有するシリンダ（２）であって、ブランケットユニットを引っ張るための少なくとも１つのフック（３０）を備えた、ブランケットユニット（３）をシリンダに固定するための固定装置（２８）を備えたシリンダ（２）と、を備えている。
【選択図】 図６

Description

本発明は、
ブランケットおよびブランケットサポートプレートを備えたブランケットユニットであって、ブランケットサポートプレートのフロントエッジおよびリアエッジが、それぞれフロントベンドの領域およびリアベンドの領域で曲がり、ブランケットサポートプレートのリアエッジが、ブランケットの、リアベンドに隣接して位置付けされたリアエッジを越えて突出したブランケットユニットと、
ブランケットサポートプレートのフロントエッジおよびリアエッジを受け入れるための開口を有するシリンダであって、ブランケットユニットを引っ張るための、ブランケットサポートプレートのリアエッジの開口中への受け入れるように構成された少なくとも１つのフックを備えた、ブランケットユニットをシリンダに固定するための固定装置を備え、ブランケットサポートプレートのリアエッジに実質的に平行な引張り荷重をブランケットサポートプレートに印加するべく、開口中にリアエッジが挿入されるシリンダと、を備えたタイプのオフセット印刷機用アセンブリに関する。

従来、この種の印刷機は、ブランケット搬送シリンダおよびブランケット以外に、プレート搬送シリンダ、プレートおよび圧搾シリンダを備えている。

動作中、プレート搬送シリンダによって搬送されたプレートに湿気が加えられ、続いてインキが施される。プレートによって、プレートの印刷領域からブランケット搬送シリンダによって搬送されたブランケットにインキが引き渡され、次に、ブランケットによって、ブランケット搬送シリンダと圧搾シリンダの間を通過する印刷すべき用紙にインキが引き渡される。

シリンダ上のブランケットを引っ張るために、ブランケットの両端にクリンプされた金属バーが伝統的に使用されている。これらのバーは、シリンダの開口中で係合し、ねじ式の装置によって押し付けられている。

このような構造は、２２ｍｍに及ぶ極めて広い開口幅をもたらしている。

このような大型開口の存在は、ブランケット搬送シリンダが回転する際のプレート搬送シリンダおよび圧搾シリンダに対する衝撃および振動の原因になっている。このような振動により、さまざまなシリンダの回転速度が制限され、ひいてはオフセット印刷機の製造容量が制限されている。

従来技術文献は、上で言及したタイプのアセンブリを提案した。ブランケットのフロントエッジがブランケットサポートプレートのすべてのフロントエッジを覆っており、したがってブランケットのフロントエッジは、シリンダの開口中に延びている。ブランケットのリアエッジは開口中に延びずに、実質的にブランケットユニットのフロントベンド領域に当て付けられている。この方法の場合、シリンダ内に存在する開口による振動を制限するために、ブランケットの始まりとブランケットの終わりとの間の隙間が極端に狭くなっている（例えば、特許文献１参照）。
仏国特許第２５７３３４７号明細書

しかしながら、所望の構成をこのドキュメントに従って得るためには、プレートのフロントエッジおよびブランケットのフロントエッジを曲げることが極端に困難であることが分かっている。

別の従来技術文献は、ブランケットユニットを固定するための装置が、ブランケットサポートプレートのフロントエッジおよびリアエッジを開口のフロントウォールに当て付ける圧搾スタッドを備えた他の解決法を提供している。ブランケットサポートプレートのこれらのフロントエッジおよびリアエッジは、ブランケットに覆われていない。スタッドによって印加される力は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジおよびリアエッジに対して排他的に直角をなしている（例えば、特許文献２参照）。
仏国第２７３３７１９号明細書

この構造の場合、ブランケットユニットを十分に引っ張ることができないことが分かっている。また、上で説明した固定装置は、オフセット印刷機を運転することによって生じるブランケットユニットの変形を吸収することができない。詳細には、ブランケットサポートプレートの膨張を吸収することができないため、ブランケットサポートプレートのリアベンドに隣接するプレートにクラックが発生している。

また別の従来技術文献では、圧搾スタッドが１つまたは複数の弾発性ブレードに置換されているが、この構造の場合も、ブランケットユニットを十分に引っ張ることができない（例えば、特許文献３参照）。
仏国特許第２７４５５２４号明細書

本発明の目的は、上で言及したタイプの、満足すべき方法でブランケットユニットを引っ張り、かつ、シリンダに固定することができる、単純かつ経済的に製造することができるアセンブリを提供することである。

この目的を達成するべく、本発明は、上で言及したタイプの、ブランケットサポートプレートのフロントエッジが、フロントベンドに隣接して位置付けされたブランケットのフロントエッジを越えて突出していることを特徴とするアセンブリに関している。

本発明の特定の実施形態によれば、アセンブリは、以下に列記する特徴の１つまたは複数をそれぞれ個別に、あるいは技術的に可能なすべての組合せに基づいて備えている。
ブランケットサポートプレートのフロントエッジと共にゼロではない角度を形成しているブランケットサポートプレートのリアエッジの領域に開口が設けられている。
フックが弾発性ブレードからなっている。
アセンブリは、ブランケットサポートプレートのフロントエッジを開口のフロントウォールに当て付けるための、フックから分離された当付け手段を備えている。
当付け手段は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジを押し付けるための、固定装置に付属し、かつ、ブランケットサポートプレートから分離された少なくとも１つの圧搾エレメントを備えている。
圧搾エレメントは、ブランケットサポートプレートのフロントエッジを押し付けるべく、フックを受け入れる開口を通って延びている。
圧搾エレメントは、弾発性ブレードからなっている。
ブランケットサポートプレートのリアエッジが、自身、中間ベンドの領域で曲がって端部領域を画定し、該端部領域に、フックを受け入れるための開口が設けられ、中間領域は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジへ押し付けられるように構成され、それにより当付け手段を形成している。
開口は、シリンダの周囲表面の近傍に、１．５ｍｍ未満の幅を有している。
開口の幅は、１．１ｍｍ未満である。
開口のフロントウォールおよびリアウォールが、シリンダの周囲表面を起点とする２０°未満の角度を形成している。

また、本発明は、上で定義したアセンブリのためのシリンダに関している。

本発明の一変形態様によれば、固定装置は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジを開口のフロントウォールに当て付けるべく、ブランケットサポートプレートのフロントエッジを押し付けるための、フックから分離された少なくとも１つの圧搾エレメントを備えている。

本発明は、さらに、上で定義したアセンブリのためのブランケットユニットに関している。

本発明の一変形態様によれば、ブランケットサポートプレートのリアエッジは、自身、中間ベンドの領域で曲がって端部領域を画定し、該端部領域に、フックを受け入れるための開口が設けられ、中間領域は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジを開口のフロントウォールに当て付けるべく、ブランケットサポートプレートのフロントエッジへ押し付けるように構成されている。

また、本発明は、上で定義したアセンブリを備えたオフセット印刷機に関している。

本発明は、添付の図面を参照した単なる例示として与えられた以下の説明からより良く理解される。

図１は、シリンダ２およびシリンダ２の周囲表面４を覆い、かつ、シリンダ２に支えられたブランケットユニット３を備えた、オフセット印刷機用アセンブリ１を略図で示したものである。

シリンダ２は長手方向軸線Ａに沿って延び、図１では一方のみしか見えないが、シリンダ２の長手方向の両端５は、オフセット印刷機のサポート構造のベアリング中への受け入れられるように構成されている。この方法によれば、シリンダ２は、図には示されていないが従来の駆動手段を使用して、長手方向軸線Ａの周りを図１の矢印６で示す方向に回転させることができる。

以下、使用されている「フロント」および「リア」という用語は、回転方向６を基準にして理解されたい。

図２に示すように、シリンダ２の周囲表面４からシリンダ２内に向かって長手方向凹所８が設けられている。この凹所８は、断面が実質的に正不等辺四辺形の形をしており、シリンダ２の周囲表面４の一部に対応する側が円形になっている。

凹所８にはインサート１０がねじ込まれている。

このインサート１０は、実質的に長方形の断面を有する長手方向空胴１２および実質的に三角形の断面を有する長手方向開口１４をシリンダ２の内部に画定している。

開口１４は、シリンダ２の周囲表面４および空胴１２に向かって開いている。

図２の拡大円部分に極めて詳細に示すように、開口１４および空胴１２に共通のフロントウォール１６は、幅がたとえば約１ｍｍの面取り部分１８によって周囲表面４に接続されている。

同様に、開口１４のリアウォール２０も、面取り部分２２によって周囲表面４に接続されている。この面取り部分２２の幅は、たとえば約１．４ｍｍである。

開口１４のフロントウォール１６およびリアウォール２０は、空胴１２に向かって、つまり、開口１４の上流側ポイントから下流側ポイントへ向かって広がっている。したがってフロントウォール１６およびリアウォール２０は、典型的には約１４.８°である角度αをそれらの間に形成している。より一般的には、この角度αは２０°未満である。

フロントウォール１６とリアウォール２０の間の開口１４の上流側の幅ｌ、すなわち面取り部分１８および２２の下流側の幅ｌは約１ｍｍである。より一般的には、この幅ｌは１．５ｍｍ未満であり、１．１ｍｍ未満であることが好ましい。

シリンダ２は、ブランケットユニット３をシリンダ２に固定するための装置２６を備えている。この装置２６は空胴１２内に配列され、シリンダ２の軸線Ａに実質的に平行な軸線Ｘ−Ｘに沿って延びたスピンドル２８を備えている。このスピンドル２８は、たとえばシリンダ２の全長さに沿って延びている。

図２および３に示すように、フック３０および圧搾エレメント３２は、スピンドル２８に沿って配分されている。

フック３０は弾発性ブレードによって形成され、その自由端３４は、開口１４に対向して湾曲している。

同様に、圧搾エレメント３２も弾発性ブレードによって形成され、その自由端３６は１８０°曲げられている。

フック３０および圧搾エレメント３２は、それぞれ対の関係で結合されており、結合したフック３０および圧搾エレメント３２が、共通のねじ３８によってスピンドル２８に固定されている。圧搾エレメント３２は、協働するフック３０の上側に配列されている。

フック３０および圧搾エレメント３２からなる複数の対は、互いに長手方向に間隔を隔てており、スピンドル２８に沿って配分されている。

スピンドル２８は、たとえば、スピンドル２８の両端および随意にはその中間領域に設けられたベアリングによって、空胴１２内をスピンドル２８の長手方向軸線Ｘ−Ｘの周りに回転することができるように取り付けられている。

この方法によれば、図２および図６のそれぞれに示す２つの位置の間でスピンドル２８を移動させることができる。

図２に示す位置、すなわちブランケットユニット３が開放される位置では、フック３０および圧搾エレメント３２は、開口１４から離れた位置に移動し、空胴１２へのアクセスを自由にしている。

図６に示す位置、すなわちブランケットユニット３が固定される位置では、フック３０および圧搾エレメント３２は、フロントウォール１６に向けて移動される。

図２に示す位置から図６に示す位置へ移動するべく、スピンドル２８は、これらの図から分かるように反時計方向に枢動する。この枢動回転は、駆動機構４２によってもたらされている。図１には一方の駆動機構４２しか示されていないが、シリンダ２のもう一方の側には、同様の構造を有するもう一方の駆動機構４２が配置されている。したがって、以下、図１に示す駆動機構４２についてのみ説明する。

駆動機構４２は、たとえば、
シリンダのフランクに固定されたサポート４４と、
カラー４８を備え、かつ、スプリング５０に取り囲まれたロッド４６と、
スピンドル２８の対応する長手方向端部５４に固定されたブロック５２と、
図１に一点鎖線で示す移動可能動作レバー５６と、を備えている。

ロッド４６の第１の端部は、ブロック５２に関節連結されている。ロッド４６のもう一方の端部は、シリンダ２の軸線Ａに対して直角をなす平面内での枢動を可能にする関節連結手段によってサポート４４中に取り付けられている。スプリング５０は、一方で、サポート４４を押し付け、他方で、カラー４８を押し付けている。

レバー５６により、ロッド４６をサポート４４に対して２つの安定端位置の間で移動させることができる。

図１は、第１の安定端位置を示している。この位置は、図２に示す、スピンドル２８の開放位置に対応している。

図７は、第２の安定端位置を示している。この位置では、スピンドル２８は、図６に示す固定位置にある。

図１の位置から図７の位置へ移動させるためには、操作者は、図１の矢印６０で示すように、レバー５６を反時計方向に枢動させることになる。

レバー５６を反時計方向にピボットさせることにより、ロッド４６が、ロッド４６の軸線とスピンドル２８の軸線Ｘ−Ｘが交差する不安定な中立位置を通過して移動し、それによりスプリング５０が押し縮められ、ロッド４６をその第２の安定位置、すなわち図７の位置に向けて復帰することになる。レバー５６が図１の位置から図７の位置に移動すると、ブロック５２が、スピンドル２８の角度位置をその固定位置に調整することができる調整可能ストップ５８に押し付けられる。

この方法によれば、中立位置を通過させるための機構４２により、スピンドル２８をその開放位置から固定位置へ向けて、また、固定位置から開放位置へ向けて手動で変位させることができるが、何れか他のタイプの駆動機構４２を使用することも可能であることに留意されたい。

もう一度図２を参照すると、ブランケットユニット３が、サポートプレート６２およびサポートプレート６２に固定されたブランケット６４を備えていることが理解されよう。

サポートプレート６２は、たとえばステンレス鋼でできており、その厚さは約０．２ｍｍである。

ブランケット６４は、従来、たとえば複数のエラストマー層および織物層を備えている。ブランケット６４は、粘着性ボンディングまたは加硫によってサポートプレート６２に固定されている。

サポートプレート６２のフロントエッジ６６は、ブランケット６４のフロントエッジ６８を越えて延びている。サポートプレート６２のフロントエッジ６６は、サポートプレート６２の残りの部分と鋭角βを形成するべく、フロントベンド７０の領域で曲がっている。

ブランケット６４のフロントエッジ６８は、ベンド７０に対してわずかに凹んだ位置に配置されているが、変形態様の中には、ベンド７０を少なくとも部分的に覆うべく、フロントエッジ６８が突出した位置に配置されているものもある。その場合、フロントエッジ６８は、開口１４中に延びないようにするために、ベンド７０に隣接して配置されることになる。

サポートプレート６２のフロントエッジ６６は、ブランケット６４に覆われず、開口１４中に挿入されている。フロントベンド７０は、面取り部分１８を越えて延び、また、サポートプレート６２のフロントエッジ６６は、開口１４のフロントウォール１６に沿って延びている。

ブランケットユニット３の後部の形状構成は、サポートプレート６２のリアエッジ７２の形状構成と類似しており、該リアエッジ７２は、ブランケット６４のリアエッジ７４に覆われていない。リアエッジ７２は、サポートプレート６２の残りの部分に対して、リアベンド７６の領域で曲がっており、ブランケットユニット３のフロント部分の鋭角とは相異して鈍角を形成している。

剥き出しのリアエッジ７２は開口１４に挿入され、開口１４に沿って延び、かつ、開口１４のリアウォール２０にもたれ掛かっている。

ブランケット６４のリアエッジ７４は、開口１４中に延びないよう、また、ブランケット６４のフロントエッジ６８の比較的近傍に位置するよう、リアベンド２２に隣接して配置されている。

サポートプレート６２のフロントエッジ６６およびリアエッジ７２は、開口１４の内部を空胴１２までの延び、相伴ってゼロではない角度を形成している。

図４に示すように、サポートプレート６２のリアエッジ７２の自由端７８には、一連の開口８０が自由端７８に沿って配分されている。これらの開口８０は、実質的に長方形の形をしており、それぞれ、フック３０および圧搾エレメント３２からなる対と対向して配置されている。

ブランケットユニット３をシリンダ２上に取り付けるための手順は、たとえば次の通りである。

スピンドル２８の開放位置において、先ず、サポートプレート６２のフロントエッジ６６が開口１４中に挿入され、次に、ブランケットユニット３が、サポートプレート６２のリアエッジ７２が開口１４中で係合するまでシリンダ２の周囲に巻き付けられる。この時、ブランケットユニット３は図２の位置にある。

次に、レバー５６および機構４２によって、スピンドル２８が図２の開放位置から図６の固定位置に枢動される。

この回転の間、各フック３０の自由端３４が、サポートプレート６２のリアエッジ７２の対応する開口８０中で係合し、関連する圧搾エレメント３２がその開口８０を通って延びる。これは、図５に示されている。

回転している間、スピンドル２８は移動し続け、対応する開口８０の周囲に堅固に係合したフック３０の各々がサポートプレート６２を徐々に引っ張り、一方では、開口８０を通って延びた関連する圧搾エレメント３２が、サポートプレート６２のフロントエッジ６６を押し付け、サポートプレート６２のフロントエッジ６６を開口１４および空胴１２のフロントウォール１６に押し付ける。

フック３０の各々が、リアエッジ７２に実質的に平行な引張り荷重Ｔを、サポートプレート６２のリアエッジ７２に印加していることに留意されたい。

スピンドル２８の移動が完了すると、サポートプレート６２のリアエッジ７２がフック３０によって引っ張られ、それによりブランケット６４に対する十分な引っ張りが保証され、サポートプレート６２のフロントエッジ６６がフロントウォール１６に当て付けられる。ここでも、リアエッジ７２が、サポートプレート６２のフロントエッジ６６と共に、非零角度を形成していることに留意されたい。

このように、ブランケットユニット３が、満足すべき態様でシリンダ２上に固定され、かつ、引っ張られる。

それにもかかわらず、フック３０および圧搾エレメント３２は、それらが弾発性エレメントの形態で構成されているため、サポートプレート６２のフロントエッジ６６およびリアエッジ７２の若干の移動を可能にしており、それにより、オフセット印刷機のさまざまな動作制限、詳細には、サポートプレート６２の熱膨張現象および「字下がり」として知られている現象に対する適合を可能にしている。

このように、サポートプレート６２のリアエッジ７２は、熱膨張による影響の下で、あるいは「字下がり」として知られている現象の際に、開口１４中にさらに延びることができ、フック３０が、ブランケットユニット３を張力が掛かった状態に維持しつつこの移動を可能にしている。

圧搾エレメント３２は、サポートプレート６２のフロントエッジ６６をフロントウォール１６に当て付けるための手段８２を形成しており、この手段８２により、ブランケットユニット３をシリンダ２上に安定させることができる。

これらの当付け手段８２はフック３０から分離されているため、ブランケットユニット３を比較的単純な態様で確実に安定させ、かつ、固定し、さらに引っ張ることができる。

また、フック３０および圧搾エレメント３２を受け入れるべく同じ開口８０を使用しているため、サポートプレート６２中の開口数を限定することができる。

また、フック３０と協働させるべくサポートプレート６２中の開口８０を使用することにより、サポートプレートは湾曲したリアエッジを有する必要がないため、狭い開口１４幅ｌを維持することができることに留意されたい。また、サポートプレート６２のリアエッジ７２がフロントエッジ６６に対して傾斜しているため、開口１４の上流側の幅ｌを狭くすることができる。

ブランケット６４のフロントエッジ６８およびリアエッジ７４のいずれも開口１４中に延びていないため、この幅ｌは、さらに狭くなっている。

そのために、オフセット印刷機のさまざまなシリンダが回転している間の相互の振動が著しく制限されている。

また、ブランケット６４は、仏国特許第２５７３３４７号明細書の場合と同様、サポートプレート６２のフロントエッジ６６をまったく覆っていないため、動作中の振動が制限されるばかりでなく、ブランケットユニットの構成、詳細にはサポートプレートの曲げ加工が、単純かつ経済的になっている。

図８に示す他の実施形態では、当付け手段８２は、固定装置２６に付属している圧搾エレメント３２ではなく、サポートプレート６２のリアエッジ７２の領域によって形成されている。

このように、リアエッジ７２は、リアエッジ７２の端部領域８６を画定している中間ベンド８４を有しており、該端部領域に、フック３０を受け入れるための開口８０が設けられている。サポートプレート６２の残りの部分に対する中間領域８８の曲りは小さくなっている。この中間領域８８は、サポートプレート６２のフロントエッジ６６を押し付け、サポートプレート６２のフロントエッジ６６をフロントウォール１６に当て付けている。

図９は、第３の実施形態に関しており、サポートプレート６２のフロントエッジ６６をフロントウォール１６に当て付けるための手段８２が省略されている点で、図１から図７に示す実施形態と異なっている。

当付け手段８２が省略されているにもかかわらず、ブランケットユニット３の固定および引張りは、満足すべきものであることが分かっている。

上で説明した各実施形態の場合、シリンダおよびブランケットユニットは、互いに個別に販売することができることに留意されたい。

一般的には、上で説明した原理は、２つのブランケットユニット３が、シリンダ２の軸線Ａに沿って並べて固定されるシリンダ２と共に使用することができる。

各ブランケットユニット３と結合した固定装置４２は、軸線Ａに対して、互いに、たとえば１８０°の角度だけオフセットさせることができる。この方法の場合、各ブランケットユニット３と結合した開口１４が直径方向に対向することによって、回転中における印刷機の他のシリンダに対する振動を制限し、シリンダ２の全長さを超えて延びることはない。

本発明の第１の実施形態によるアセンブリの略側面図である。 図１に示すアセンブリのブランケットユニットの固定装置を示す拡大部分略横断面図である。 図２に示す固定装置のスピンドル部分を示す部分略上面図である。 ブランケットユニットのブランケットサポートプレートのリアエッジを示す略部分図である。 ブランケットユニットと固定装置の係合を連続ステップで示す、図２と同様の図である。 ブランケットユニットと固定装置の係合を連続ステップで示す、図２と同様の図である。 ブランケットユニットの固定端部における固定装置の駆動機構部分を示す、図１と同様の図である。 本発明による第２の実施形態を示す、図６と同様の図である。 本発明による第３の実施形態をさらに示す、図６と同様の図である。

符号の説明

１ オフセット印刷機のためのアセンブリ
２ シリンダ
３ ブランケットユニット
４ シリンダの周囲表面
５ シリンダの長手方向端部
８ 長手方向凹所
１０ インサート
１２ 長手方向空胴
１４ 開口（長手方向開口）
１６ フロントウォール
１８、２２ 面取り部分
２０ リアウォール
２６ 固定装置
２８ スピンドル（固定装置）
３０ フック
３２ 圧搾エレメント
３４ フックの自由端
３６ 圧搾エレメントの自由端
３８ 共通のねじ
４２ 駆動機構（固定装置）
４４ サポート
４６ ロッド
４８ カラー
５０ スプリング
５２ ブロック
５４ スピンドルの長手方向端部
５６ 移動可能動作レバー
５８ 調整可能ストップ
６２ ブランケットサポートプレート
６４ ブランケット
６６ ブランケットサポートプレートのフロントエッジ
６８ ブランケットのフロントエッジ
７０ フロントベンド
７２ ブランケットサポートプレートのリアエッジ
７４ ブランケットのリアエッジ
７６ リアベンド
７８ リアエッジの自由端
８０ リアエッジの開口
８２ 当付け手段
８４ 中間ベンド
８６ リアエッジの端部領域
８８ リアエッジの中間領域

Claims (16)

1. オフセット印刷機のためのアセンブリ（１）であって、
   ブランケット（６４）およびブランケットサポートプレート（６２）を備えたブランケットユニット（３）であって、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）およびリアエッジ（７２）が、それぞれフロントベンド（７０）の領域およびリアベンド（７６）の領域で曲がり、ブランケットサポートプレート（６２）のリアエッジ（７２）が、ブランケットの、リアベンド（７６）に隣接して位置付けされたリアエッジ（７４）を越えて突出したブランケットユニット（３）と、
   ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジおよびリアエッジを受け入れるための開口（１４）を有するシリンダ（２）であって、ブランケットユニットを引っ張るための、ブランケットサポートプレート（６２）のリアエッジ（７２）の開口（８０）中への受入れるように構成された少なくとも１つのフック（３０）を備えた、ブランケットユニット（３）をシリンダに固定するための装置（２８）を備え、ブランケットサポートプレート（６２）のリアエッジ（７２）に実質的に平行な引張り荷重をブランケットサポートプレート（６２）に印加するべく開口中にリアエッジ（７２）が挿入されるシリンダ（２）と、を備えたタイプのオフセット印刷機のためのアセンブリ（１）において、
   ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）が、ブランケットの、フロントベンド（７０）に隣接して位置付けされたフロントエッジ（６８）を越えて突出していることを特徴とするアセンブリ。
2. 開口（８０）が、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）と共にゼロでは非零角度（α）を形成しているブランケットサポートプレート（６２）のリアエッジ（７２）の領域に設けられていることを特徴とする、請求項１に記載のアセンブリ。
3. フック（３０）が弾発性ブレードからなることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載のアセンブリ。
4. ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）を開口（１４）のフロントウォール（１６）に当て付けるための手段（８２）を備え、これらの当付け手段（８２）がフック（３０）から分離されていることを特徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
5. 当付け手段（８２）が、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）を押し付けるための、固定装置（２６）に付属し、かつ、ブランケットサポートプレート（６２）から分離された少なくとも１つの圧搾エレメント（３２）を備えたことを特徴とする、請求項４に記載のアセンブリ。
6. 圧搾エレメント（３２）が、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）を押し付けるべく、フック（３０）を受け入れる開口（８０）を通って延びることを特徴とする、請求項５に記載のアセンブリ。
7. 圧搾エレメント（３２）が弾発性ブレードからなることを特徴とする、請求項５または請求項６に記載のアセンブリ。
8. ブランケットサポートプレートのリアエッジ（７２）が、自身、中間ベンド（８４）の領域で曲がって端部領域（８６）を画定し、該端部領域（８６）に、フック（３０）を受け入れるための開口（８０）が設けられ、中間領域（８６）は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジ（６６）へ押し付けるように構成され、それにより当付け手段（８２）を形成していることを特徴とする、請求項４に記載のアセンブリ。
9. 開口（１４）が、シリンダの周囲表面の近傍に、１．５ｍｍ未満の幅（ｌ）を有することを特徴とする、請求項１から請求項８までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
10. 開口の幅（ｌ）が、１．１ｍｍ未満であることを特徴とする、請求項９に記載のアセンブリ。
11. 開口（１４）のフロントウォール（１６）およびリアウォール（２０）が、シリンダ（２）の周囲表面を起点とする２０°未満の角度（α）を形成することを特徴とする、請求項１から請求項１０までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
12. 請求項１から請求項１１までのいずれか一項に記載のアセンブリのためのシリンダ。
13. 固定装置（２８）が、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）を開口（１４）のフロントウォール（１６）に当て付けるべく、ブランケットサポートプレート（６２）のフロントエッジ（６６）を押し付けるための、フック（３０）から分離された少なくとも１つの圧搾エレメント（３２）を備えたことを特徴とする、請求項１２に記載のシリンダ。
14. 請求項１から請求項１０までのいずれか一項に記載のアセンブリのためのブランケットユニット。
15. ブランケットサポートプレート（６２）のリアエッジ（７２）が、自身、中間ベンド（８４）の領域で曲がって端部領域（８６）を画定し、該端部領域（８６）に、フック（３０）を受け入れるための開口（８０）が設けられ、中間領域（８６）は、ブランケットサポートプレートのフロントエッジ（６６）を開口（１４）のフロントウォール（１６）に当て付けるべく、ブランケットサポートプレートのフロントエッジ（６６）への押し付けるように構成されていることを特徴とする、請求項１４に記載のブランケットユニット。
16. 請求項１から請求項１１までのいずれか一項に記載のアセンブリを備えたことを特徴とするオフセット印刷機。
    
    

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