JP2009023313A - 刷版装着装置 - Google Patents

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靖弘 河内
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Abstract

【課題】印刷中に版ずれが発生することがないように刷版を版胴に装着できるようにする。
【解決手段】版胴Aに設けた溝1の開口部10の先行側開口縁11に先行側折曲げ部22を引っ掛けて版胴に巻き掛けた刷版20の後行側折曲げ部を牽引するために前記溝内に設けた牽引手段3に、開口部の先行側開口縁の内側に設けられて刷版の先行側折曲げ部が接触する壁面12に対向する対向面41を設け、前記対向面が、前記牽引手段が刷版の後行側折曲げ部を牽引して均衡状態にあるときに、前記牽引手段の角変位軸心から前記壁面に引いた垂線Vと略直交する位置で、かつ壁面に対して刷版の厚みよりわずかに大きな間隔tを隔てて対向するように設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、輪転印刷機の版胴に巻き付け装着される薄板状刷版の版胴への装着時に版胴回転方向で先行する一側と後行の他側の両側を版胴に固定する装置であって、特には版胴周面に軸方向に開口して設けられた溝の一側縁に前記刷版の前記先行側に形成した折曲げ部を引っ掛けるとともに、前記後行側を溝内に牽引することによって刷版を版胴に固定するようにした刷版装着装置に関する。
前記したこの種の刷版装着装置に関しては、様々な構成が知られている。
なかでも、版胴周面に開口部を有する版胴の軸方向に対して直角な断面形状が略円形の溝と、その溝内で角変位可能、かつ刷版の後行側に設けられた折曲げ部に引っ掛かり可能な引っ掛け部が設けられた角変位軸を牽引手段として備え、前記開口部の一側縁において版胴周面の接線に対して鋭角な角度α度傾斜して版胴の周面とともに前記開口部の一側縁を形成する壁面に刷版の先行側に形成した鋭角な曲げ角度α度を成す折曲げ部の裏面を接触させて掛け止めるとともに、刷版の後行側に牽引手段に引っ掛ける折曲げ部を形成し、前記溝内で牽引手段を軸角変位手段により所定の方向に角変位させ、前記牽引手段の引っ掛け部を刷版の後行側に形成した前記折曲げ部に引っ掛け、前記軸角変位手段が有するばね等の弾性部材から前記牽引手段に前記所定の角変位方向に弾性力を付与し、前記弾性力で刷版の後行側を牽引することにより刷版を版胴に装着するようにした装置が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
以下に、前記した公知の刷版装着装置を図5乃至図8を参照しながら、より詳細に説明する。図5は軸角変位手段と牽引手段の一部を破断して示す説明図、図6は従来技術における刷版装着装置の要部を示す断面図、図7は先行側及び後行側に折曲げ部を形成した刷版を裏側から見た斜視図、図8はオフセット輪転印刷機の版胴付近の胴配列を示す説明図である。
オフセット印刷に用いられる刷版は、一般には0.3mm程度の厚みのアルミニウム製の板材であって、印刷機の版胴Aの周面に密着させて装着されるようになっている。そしてこの刷版20には、刷版先行側21と刷版後行側23をそれぞれ折り曲げて形成した先行側及び後行側の折曲げ部22及び24が設けられている。
先行側折曲げ部22は、鋭角な曲げ角度α度に裏面側に折り曲げられて形成されている。また、後行側折曲げ部24は鈍角に裏面側に曲げられ、さらにその先端寄りをV字形状に裏面側に曲げ、後述する爪61に引っ掛かるように形成されている。
なお、上述の各折曲げ部22、24の折線部は、曲げ加工の際、及び印刷中に版材に亀裂が生じないよう折線部の内側が適度な半径γの曲面とされている。また、両折曲げ部22、24には刷版20を版胴Aの軸方向の所定の位置に位置決めするために、溝1内に設けられた図示しないピンと嵌合する切欠き部25、26が設けられている。
一方、版胴Aには、周面にその軸と平行な開口部10を有する少なくとも1つの溝1が設けられている。この溝1は、版胴Aの軸心と平行な中心線を有する適宜な内径fの概ね円筒形の空間で、版胴Aの周面に内径fより狭い開口幅gの前記開口部10を有している。そして開口部10の一方で、かつ版胴Aの回転方向に向いた側である先行側開口縁11から溝1の円筒内面の一部を削除して平らな壁面12が設けられている。この壁面12は、先行側開口縁11において版胴Aの周面の接線に対して鋭角な角度α度をなしている。なお、前記先行側開口縁11の稜部は、上記刷版の折線部の内側曲げ半径rと等しい半径rの円弧状に形成されている。
前記溝1の円筒形空間内において溝1の円筒面との隙間が極めて小さく、かつ角変位可能な円柱形状でその一部が軸方向に沿って切り欠かれた角変位軸60が挿入されている。この角変位軸60には、刷版20の後行側23に設けられた後行側折曲げ部24のV字形状部に引っ掛け可能な引っ掛け部である爪61が設けられており、角変位軸60と爪61にて牽引手段6となっている。
角変位軸60は少なくとも一端部が版胴Aの軸方向側面より版胴外部に突き出し、この突き出し部には角変位軸60を角変位させる軸角変位手段5(図5参照)が設けられている。
軸角変位手段5は、版胴Aの側面より版胴外部に突き出した角変位軸60に固定したリング51と、このリング51に一端を取り付けた、ばね材で作られた平板状のレバー52と、このレバー52を固定するフック55を有している。刷版20を版胴Aの周面に巻き付けた後、レバー52を図5のレバー位置aにて示した起こした位置からレバー位置bにて示した閉じ位置まで操作することによって、角変位軸60の爪61が刷版20の後行側折曲げ部24に引っ掛かり、さらにレバー52を図5のレバー位置cまで撓ませて押し下げ、レバー52に設けられた角穴53に、軸54を中心に揺動可能に設けたフック55の顎56を掛けてレバー52を固定する。すると、レバー52がレバー位置bからレバー位置cまで撓むことで蓄えられた力がリング51、角変位軸60を介して爪61に、前記後行側折曲げ部24を版胴Aの回転方向と逆の方向に牽引する力を付与して均衡状態となるように構成されている。
刷版20は、刷版先行側21にある先行側折曲げ部22の裏面を壁面12に接触させて開口部10の先行側開口縁11に掛け止め、版胴Aを印刷方向、すなわち矢印Fの方向に1回転させて刷版20を版胴Aの周面に巻き付け、刷版20の後行側折曲げ部24のV字形状部を爪61で牽引することにより装着される。そして、刷版20は版胴Aに装着後、印刷を始める前に版胴Aが数回転するうちに図8で示されるブランケット胴Bによってしごかれ、刷版20が版胴Aの表面に十分密着させられると刷版後行側23は、刷版20が装着直後で版胴Aの表面に密着不十分なときよりも、わずかに版胴回転方向後方へ移動するが、角変位軸60に設けられた爪61が、刷版20の後行側折曲げ部24に付与している前記牽引する力によって刷版後行側23とともに移動した後行側折曲げ部24に追従し、図6に鎖線で示した爪61´の位置に移動するので、刷版20は版胴Aの表面に密着して装着される。なお図8においてC1、C2はインキ供給ゴムローラー、Dは水供給ローラーである。
版胴Aの周面に巻き付け装着された刷版20には印刷中、転写圧が付加されて接触回転しているブランケット胴Bとニップ幅をもって接触回転しているインキ供給ゴムローラーC1、C2及び湿し水供給ゴムローラーDから及ぼされる円周方向の力、すなわち矢印Fで示す版胴Aの回転方向と逆方向へずり動かそうとする力が作用する。この刷版20に作用する回転方向後方へずり動かそうとする力の反力は、開口部10の先行側開口縁11に接している刷版20の先行側折曲げ部22の折線部Rに作用する。この力は刷版表面の摩擦係数や版胴の回転速度等諸条件により異なるが、さほど大きな力でない場合、刷版20は前述の刷版先行側21に形成された鋭角な先行側折曲げ部22を版胴表面の開口部10の先行側開口縁11に引っ掛けることのみでその先行側を固定できる。
しかし、前記刷版20を円周方向で版胴Aの回転方向後方へずり動かそうとする力がある程度以上になると、刷版20の先行側折曲げ部22は開口部10の先行側開口縁11の先端によって押し退けられ、先行側折曲げ部22は曲げ角度α度が前記先行側開口縁11を支点に展開され、先行側折曲げ部22の裏面は図6にて2点鎖線で示す先行側折曲げ部22´のように接触していた版胴Aの壁面12から離れる。
これと同時に一致していた刷版20の折線部Rの内側曲面の半径rの中心と先行側開口縁11の稜部の半径rをなす円弧の中心にずれを生じ、密着していた刷版20の折線部Rの内側と先行側開口縁11の稜部の円弧表面の間に隙間が生じ、前記刷版20をずり動かそうとする力に対抗していた刷版20の折線部Rの内面と先行側開口縁11の稜部の円弧表面間の摩擦力が低下する。
すると、前記折線部Rの内面と先行側開口縁11の稜部の円弧表面間で滑りが生じ、先行側開口縁11から滑り動いてわずかに版胴Aの周面に浮き上がった刷版20の折線部Rは、版胴Aの回転に伴い接触回転しているブランケット胴B、インキ供給ゴムローラーC1、C2及び浸し水供給ローラーDによって版胴Aの周面に押し付けられ曲げが伸ばされることを繰り返し、曲げ角度が開かれた折線部Rの内面の長さ分にわたって刷版20の全体が回転方向後方へずり動かされ、いわゆる版ずれを起こす。
そこで、版胴Aの周面に密着して装着された刷版20に版胴Aの回転方向後方へずり動かそうとする力が働いても版ずれを起こさないようにするために、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4に開示された刷版装着装置が知られている。
特許文献2に示されたものは、巻棒(角変位軸)の長手方向に形成された切溝に略V字形状に形成した複数のばね鋼板が取り付けられている。前記巻棒には、軸角変位手段として巻棒の端部に嵌合したレバー端部に圧縮コイルばねの力がかけられており、常に巻棒を所定の向きに角変位させる力が付与されている。
前記巻棒を工具により一時的に前記所定の向きと逆向きに角変位させて、刷版の先行側を溝内壁面に掛け、刷版を版胴に巻きつけた後、後行側を溝に挿入する。後行側を溝に挿入後、前記工具による操作を解除することにより、前記V字形状ばね鋼板の先端部は前記巻棒の所定の向きへ角変位して、一方の先端部が溝内壁面にかけられた刷版の先行側に接触し、他方の先端部のL字形状に曲げられた部分で刷版の後行側のL字形状に曲げられた部分を引っ掛け、さらに巻棒に付与されている所定の向きに角変位させる力によって刷版の先行側を版胴の溝内壁面に押さえ付け、かつ刷版の後行側を溝内へ引き込み(牽引し)、刷版を版胴に装着していた。
特許文献3に示されたものは、巻締め軸(角変位軸)に、刷版後行側の鉤状に形成された部分を引っ掛けるための鉤状に形成された板ばねを取り付けるとともに、刷版先行側に形成された前縁部(折り曲げ部)にV字型に形成された突起に接触して、これに溝内へ引き込むための縁が設けられている。
さらに巻締め軸の端部には、軸角変位手段として巻締め軸に固定されたレバーと、そのレバーに巻締め軸を角変位させる力を付与する圧縮コイルばねを備えており、巻締め軸が角変位する方向を切り替えることが可能となっている。
そして、刷版を装着するときは、巻締め軸に設けられた縁及びこの巻締め軸に取り付けられた鉤状に形成された板ばねが、刷版の先行側及び後行側と離れる方向に巻締め軸を角変位させて、刷版の先行側を溝内壁面に掛け、刷版を版胴に巻き付けた後、後行側を溝に挿入する。次に、前記巻締め軸の角変位する方向を切り替えることにより巻締め軸に設けられた縁が刷版の先行側折曲げ部に形成された突起に接触するとともに、板ばねの鉤状に形成された部分が、刷版の後行側の鉤状に曲げられた部分を引っ掛け、巻締め軸に圧縮コイルばねによって付与されている角変位させる力によって刷版の先行側を版胴の溝内に引き込み、かつ刷版の後行側を溝内へ引き込み(牽引し)、刷版を版胴に装着していた。
特許文献4に示されたものは、版胴の周面に開口する溝内の壁面に刷版先行側を挿入する刷版の厚さより若干広い幅を有し、版胴の軸心と平行な細長い溝が設けてあり、その細長い溝に刷版先行側折曲げ部を挿入することにより、この細長い溝の溝壁が刷版先行側折曲げ部の跳ね上がり防止面となるとともに、刷版後行側の屈曲部を版胴の周面に開口する溝内に挿入し、その溝内に設けられたテンションバー(角変位軸)の刷版後行側を引っ掛ける剛体の爪を、刷版後行側の屈曲部に引っ掛けて前記テンションバーを角変位させ、前記刷版後行側の屈曲部を版胴溝内へ引き込み、前記跳ね上がり防止面の裏面、つまり前記版胴の周面に開口する溝内の壁面である押さえ面にテンションバーに付与されたばね力で押し付けて刷版を版胴に装着していた。
特開平7−125180号公報 特開平5−69531号公報 特開平7−323519号公報 特開2003−205597号公報
しかしながら、前記した特許文献2乃至4に開示された装置においても、以下のような課題があった。
特許文献2及び3に示した従来の刷版装着装置では、軸角変位手段の有するばねによって角変位軸を所定の向きに角変位させる力が付与されている。そして角変位軸を所定の向きに角変位させる力によって、特許文献2では角変位軸に設けられた板ばねによって刷版の後行側を牽引するとともに、先行側を溝内壁面に押し付ける構成としており、特許文献3では角変位軸に設けられた板ばねによって刷版の後行側を牽引するとともに、先行側をも角変位軸に設けられた縁によって溝内に引き込む構成としていた。
前記構成のため、軸角変位手段が有するばねによって付与された角変位軸を角変位させる力は、刷版の後行側を牽引するための力と、先行側を壁面に押し付ける、あるいは引き込むための力の双方に分けられるため、刷版の後行側と先行側に作用させる力の和となる大きな力が必要であった。
そのために、軸角変位手段が大型になるとともに、軸角変位手段が角変位軸に付与する角変位軸を角変位させる力によって角変位軸はねじれ変形しないように太くしなければならなかった。
特許文献4では、刷版先行側を挿入する細長い溝は、版胴本体に直接形成された跳ね上がり防止面を有しているが、そのために刷版先行側を挿入する溝幅が常に狭くなっていて、刷版先行側を挿入しにくいうえ、細長い溝内にインキや紙粉が入り込むと、それらが溝内に詰まり、刷版先行側が溝奥まで完全に入らなくなる恐れがあった。
この発明は前述のことに鑑みなされたもので、印刷中に刷版の先行側に形成された折曲げ部の角度が大きくなるように曲げ開かれることがなく、したがって版ずれを起こすことがなく、また刷版の先行側を引っ掛ける作業が行いやすく、またインキや紙粉などが壁面と対向面との間に詰まる恐れがなく、さらに牽引手段には刷版後行側を牽引するのに必要な角変位する力のみ付与すればよいようにして、装置全体を小型化できるようにした刷版装置を提供しようとするものである。
前記課題を解決するために、この発明に係る刷版装着装置は、版胴の周面に開口部を有するとともに版胴の軸心と平行にして版胴に設けられた溝の版胴回転方向に向いた側である先行側開口縁の内側に、版胴の周面の接線に対して鋭角な角度α度に傾斜した壁面を設け、前記版胴の先行側開口縁に、この先行側開口縁の角度α度と同一の曲げ角度α度に折り曲げ形成した刷版の先行側折曲げ部を引っ掛けるとともに、刷版の後行側折曲げ部を前記溝内に設けられた牽引手段に引っ掛け、この牽引手段を前記刷版の後行側折曲げ部を牽引する方向に角変位することにより刷版を版胴に装着するようにした刷版装着装置において、牽引手段に前記先行側開口縁の内側に設けた壁面に対向する対向面を設け、前記対向面が、前記牽引手段が刷版の後行側折曲げ部を牽引して均衡状態にあるときに、前記牽引手段の角変位軸心から前記壁面に引いた垂線と略直交する位置で、かつ壁面に対して刷版の厚みよりわずかに大きな間隔を隔てて対向するように設けられている構成になっている。
そして前記刷版装着装置において、牽引手段に設けた対向面を、先行側開口縁内側の壁面との対向間隔を調整可能にした。
前記のように構成されたこの発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)印刷中に刷版を版胴の回転方向後方へずり動かそうとする力が作用しても、刷版の先行側折曲げ部が牽引手段に設けた対向面に接触されて、この先行側折曲げ部が版胴の溝の先行側開口縁の内側に形成された壁面から極わずかしか離隔することができないので、刷版の先行側折曲げ部の折り曲げ角度α度が大きくなるように開かれることがなく、刷版の先行側折曲げ部の変形による版ずれを起こすことがない。
(2)また、角変位することにより刷版の後行側折曲げ部を牽引する牽引手段に前記対向面が設けられていることにより、刷版の先行側折曲げ部を版胴の溝の先行側開口縁に引っ掛ける作業の際には、前記牽引手段を逆方向に角変位させて前記対向面を先行側開口縁内側の壁面から大きく離隔させることができる。このことにより刷版装着に際して、これの先行側折曲げ部を版胴の溝の先行側開口縁に引っ掛ける作業が行いやすく、またインキや紙粉などが壁面と対向面の間に詰まる恐れがない。
(3)さらに、印刷中における刷版の先行側折曲げ部が壁面から離れる方向への変形を支える対向面が、牽引手段の角変位軸心から前記壁面に引いた垂線と略直交する位置に設けられていることにより、先行側折曲げ部から対向面に作用する力は牽引手段の角変位軸心に向けて作用し、そして牽引手段を介して版胴の溝の内面にて受けられるので、前記先行側折曲げ部が前記壁面から離れようとする力を対向面で受けても、牽引手段には角変位を起こさせるモーメント荷重がほとんど発生することがない。これによって牽引手段には刷版の後行側折曲げ部を牽引するのに必要な角変位させる力だけを付与すればよく、この牽引手段の刷版装着時における角変位させる力を小さくすることができる。しかも牽引手段は前記刷版の後行側折曲げ部を牽引するのに必要な角変位力に対してねじれ変形を生じない強度を有していればよく、刷版装着装置全体を小型化することができる。
この発明の実施の形態を図1から図4に基づいて説明する。図1はこの発明に係る刷版装着装置の要部で、かつ刷版を装着した状態を版胴の軸直角方向に断面して示す断面図である。図2は図1において刷版装着装置の牽引手段が刷版の後行側の引っ掛けを解除した状態を示す断面図である。図3は図1の要部を拡大して示す作用説明図である。図4は牽引手段と軸変位手段の一部を示す斜視図である。なお、これらの図において、図5乃至図8を参照して説明した従来の装置と同じ機能、形態を有する部材には同じ符号を付している。
刷版20の刷版先行側21には鋭角な曲げ角度α度に裏面側に折り曲げられた先行側折曲げ部22が形成されている。また刷版後行側23には鈍角に裏面側に折り曲げられ、さらにその先端寄りをV字形状に裏面側に折り曲げ、後述する爪33に引っ掛かる後行側折曲げ部24が形成されている。
なお、上述の各折曲げ部22、24の折線部は、曲げ加工の際及び印刷中版材に亀裂が生じないよう折線部の内側が適度な半径rの曲面とされている。そして刷版20の両折曲げ部22、24には刷版を版胴Aの軸方向所定の位置に位置決めするために、図7に示した従来の刷版と同様にピンと嵌合する切欠き部25、26が設けられている。
一方、版胴Aには、この版胴Aの軸心と平行で、かつ周面に開口部10を有する少なくとも1つの溝1が設けられている。溝1は適宜な内径fの概ね円筒形の空間であり、前記したこの溝1の開口部10の開口幅gは内径fより狭くなっている。そして開口部10の版胴Aの回転方向に向いた側である先行側開口縁11から溝1の円筒面の一部を削除して平面状にした壁面12が設けられており、この壁面12は先行側開口縁11において版胴Aの周面の接線に対して鋭角な角度α度をなしている。そして壁面12と版胴Aの周面との稜部は、前記刷版20の折線部Rの内面側の半径rと等しい半径の円弧に形成されており、これらの構成は図5、図6で示した従来技術のものと同一である。
前記溝1の円筒形空間には、角変位可能、かつ円筒形空間内面との間の隙間が最小となる円柱形状の角変位軸30が挿入されている。そしてこの角変位軸30の直径方向両側には軸と平行に切り欠かれた2つの切欠き平面31、32が軸方向に形成されていて、角変位軸30の切り欠きを有する方の直径方向の厚みが開口部10の開口幅gより狭くなっていて、角変位軸30がこの開口部10から溝1内へ挿入できるようになっている。
前記角変位軸30の一方の切欠き平面で、溝1の開口部10に対向する方の切欠き平面31に、版胴Aに装着する前記刷版20の後行側折曲げ部24のV字形状部に引っ掛け可能な引っ掛け部材である爪33がボルト43にて取り付けられており、他方の切欠き平面で、前記開口部10に対して反対側の切欠き平面32には、角変位軸30の円周面を補足して角変位軸30の溝1内における回転を円滑にするためのガイドブロック35が角変位軸30の長手方向の適宜の位置(全長にわたり、あるいは複数個所)にボルト36にて取り付けられている。そして前記角変位軸30と爪33にて牽引手段3が構成されている。
前記牽引手段3を構成する角変位軸30の溝1の開口部10側に対向する切欠き平面31側に、溝1の壁面12に対向する対向面41を有する版ずれ防止ブロック40が、前記爪33を取付けるボルト42にて共締めにより取り付けられている。
前記版ずれ防止ブロック40の対向面41は、角変位軸30が前記爪33によって刷版20の後行側折曲げ部24を牽引して均衡状態の角変位位相にあるときに、図3に示すように角変位軸30の軸心Pから壁面12に引いた垂線Vと略直角に交わる位置で、かつ前記壁面12に刷版20の厚みよりわずかに大きな所定の間隔tを隔てて対向するようになっている。
前記版ずれ防止ブロック40の対向面41は、図4に示すようになっていて、刷版20を版胴Aの軸方向所定の位置に位置きめするために刷版20の先行側折曲げ部22に図7に示すように設けられた切欠き部25に嵌合する溝1内に設けられた図示しないピンとの干渉を避けるためのピン対応部42と、版ずれ防止ブロック40を角変位軸30の切欠き平面31へ取付けるためのボルト43の締め付け部を除いて刷版20の先行側折曲げ部22の長さの略全長にわたって設けられている。そして前記爪33は、前記刷版20の後行側折曲げ部24に設けられた前記刷版20の切欠き部26に嵌合する溝1内に設けられた図示しないピンとの干渉を避けるためのピン対応部34を除いて刷版20の後行側折曲げ部24の長さの略全長にわたって設けられている。
また、対向面41の幅は、角変位軸30が角変位する範囲、すなわち図2に示した角変位軸30の角変位位相(牽引手段3の爪33が刷版20の後行側折曲げ部24の引っ掛けを解除できる状態での角変位軸30の角変位位相)から図3に鎖線で示した角変位軸30´の角変位位相(牽引手段3が刷版20の後行側折曲げ部を牽引して均衡状態を得られる範囲で角変位軸30が最も角変位した角変位位相)までの角変位範囲内において、対向面41の幅方向両側の各辺41a、41bが先行側開口縁11に掛けられる刷版20の先行側折曲げ部22の表面に接触しないか、あるいは接触しても角変位軸30の角変位を阻害しない軽徴な接触にとどまる幅になっている。
角変位軸30は少なくともこれの軸方向一端部が版胴Aの側面より外部へ突き出ており、この突き出し部には、例えば図5に示した従来装置と同じ軸角変位手段5が設けられており、図4に示すように角変位軸30と連係して牽引手段3を角変位させるようになっている。
軸角変位手段5は、版胴Aの側面より版胴外部へ突き出した角変位軸30(図5では60)に固定したリング51と、そのリング51に一端を取り付けたばね材で作られた平板状のレバー52と、レバー52を固定するフック55を有している。
刷版20を版胴Aの周面に巻き付けた後、レバー52を図5のレバー位置a(起こした位置)からレバー位置b(閉じた位置)に操作することにより爪33(図5では61)は後行側折曲げ部24に引っ掛かり、さらにレバー52を図5のレバー位置cまで撓ませて押し下げ、レバー52に設けられた角穴53に、軸54を中心にして揺動可能なフック55の顎6を掛けてレバー52を固定する。するとレバー52がレバー位置bからレバー位置cまで撓むことで蓄えられた力がリング51、角変位軸(図5では60)を介して爪33(図5では61)に前記後行側折曲げ部24を版胴Aの回転方向と逆の方向へ牽引する力を付与し均衡状態となるように構成されている。
次に刷版20を版胴Aの周囲に装着する手順について説明する。
まず版胴Aを回転させて、これの周面に設けられた開口部10を所定の刷版装着位置にして版胴Aを停止させる。ついで軸角変位手段5のレバー52の角穴53に掛けられているフック55の顎56を、フック55を軸54を中心に図5で左回転方向に揺動して外し、レバー52を図5のレバー位置cからレバー位置aに角変位させる。
すると、角変位軸30は図1において反時計方向に角変位して、図2に示す角変位位相(牽引手段3の爪33が後行側折曲げ部24の引っ掛けを解除している状態)になるので、刷版20の先行側折曲げ部22を開口部10の先行側開口縁11に引っ掛ける。このとき版ずれ防止ブロック40の対向面41は、壁面12から大きく離隔した位置にあるので、先行側折曲げ部22は容易に開口部10の先行側開口縁11に引っ掛けることができる。
先行側折曲げ部22の曲げ角度と、壁面12が先行側開口縁11において版胴Aの周面の接線とでなす角度がともにα度であるため、先行側折曲げ部22の折線部Rが先行側開口縁11に一致すると、先行側折曲げ部22の裏面は壁面12に接触する。さらに前記先行側折曲げ部22の折線部Rの内側の曲面半径rと前記先行側開口縁11の稜部円弧の半径rは等しいので、折線部Rの内面と先行側開口縁11の稜部表面も接触する。
次に、版胴Aを印刷方向、すなわち図2において矢印Fの方向にゆっくり回転させながら刷版20を版胴Aの周面に巻き付け、版胴Aが1回転して開口部10が再び所定の刷版装着位置にきたところで版胴Aを停止させる。
刷版20の後行側折曲げ部24を開口部10内に挿入し、前記軸角変位手段5のレバー52を図5のレバー位置aからレバー位置bに回動操作することにより角変位軸30を角変位させ(図2で時計回り)、後行側折曲げ部24のV字形状部を爪33により引っ掛け、さらにレバー52を図5のレバー位置cまで撓ませて押し下げ、レバー52に設けられた角穴53に、軸54を中心に揺動可能なフック55の顎56を掛けてレバー52を固定する。これにより、レバー52がレバー位置bからレバー位置cまで撓むことで蓄えられた力がリング51、角変位軸30を介して爪33が前記後行側折曲げ部24に版胴Aの回転方向と逆の方向に牽引する力を付与して均衡状態となることにより、刷版20は版胴Aの周面に装着される。
ここでレバー52を図5のレバー位置aからレバー位置bに、そしてレバー位置cまで操作して爪33が後行側折曲げ部24のV字形状部を引っ掛け、牽引する力を付与されるまで版ずれ防止ブロック40の対向面41は、壁面12に接触して掛けられた先行側折曲げ部22の表面に接触しないか、あるいは接触しても軽徴な接触なので、角変位軸30の角変位を阻害することはなく、さらに刷版20が版胴Aに装着された後、印刷を始める前に図8に示す状態で版胴Aが数回転する間にブランケット胴Bによってしごかれ、刷版20が版胴Aの表面に十分密着されて刷版後行側23が刷版20の装着直後で版胴Aの表面に密着不十分なときよりも、わずかに版胴回転方向後方へ移動しても、角変位軸30に設けられた爪33が刷版20の後行側23の後行側折曲げ部24に付与している牽引力によって刷版後行側23とともに移動した後行側折曲げ部24に追従移動するのを妨げないので、刷版20は版胴Aの表面に密着して装着される。
刷版20を版胴Aの周面から取り外す手順については、前記取り付け手順の逆を行うことにより成されるため、ここでは説明を省略する。
次に、この発明の作用について説明する。
版胴Aの回転に伴い版胴Aに装着された刷版20に、この発明の背景技術で説明したように円周方向で版胴20の回転方向後方、すなわち矢印Fとは逆の方向へずり動かそうとする力が作用する。
前記ずり動かそうとする力がある程度以上になった場合でも、この発明によれば版胴Aに刷版20を装着した状態、すなわち角変位軸30に取付けられた爪33が、後行側折曲げ部24を牽引して均衡状態となった角変位軸30の角変位位相にあるとき、版ずれ防止ブロック40の対向面41が壁面12に対して後述する所定の間隔tをなして対向している。
したがって、壁面12に接している刷版20の先行側折曲げ部22の裏面が、背景技術で説明した刷版装着装置のように先行側開口縁11の先端から受けるこの刷版20に作用する版胴回転方向後方へずり動かそうとする力の反力によって押し退けられ、接していた版胴Aの壁面12から離れようとしても版ずれ防止ブロック40の対向面41が刷版20の先行側折曲げ部22に対向しているため、この先行側折曲げ部22の裏面が壁面12から極わずかしか離れることができない。
すなわち、図1において先行側開口縁11の先端を支点として先行側折曲げ部22が開かれることによって刷版20の折線部Rの内側曲げ半径rの中心と先行側開口縁11の稜部の半径rをなす円弧の中心にずれが生じないので、密着している刷版20の折線部Rの内面と先行側開口縁11の先端円弧表面の間で、前記刷版20をずり動かそうとする力に対抗している摩擦力が保持され、刷版20が版胴Aの周面上でその回転方向後方へずれることがない。
また、版ずれ防止ブロック40の対向面41が壁面12に対して隔たる所定の間隔tは、刷版20の厚みよりわずかに広くなっていることにより、刷版20を版胴Aの周面に装着する手順で説明したように、角変位軸30を図2に示す爪33が刷版20の後行側折曲げ部24の牽引を解除している角変位位相から図1に示す刷版20の後行側折曲げ部24を牽引した状態、さらに図3の鎖線で示した爪33´が刷版20の後行側折曲げ部24を牽引可能な最大角変位位相まで障害なく角変位することが可能である。
なお図3における角度β度は、開口部10の先行側開口縁11における稜部の半径rをなす円弧の中心から前記円弧の両端点に引いた2本の直線にて挟まれた角度であって、この角度βは版胴Aの先行側開口縁11に対する刷版20の先行側折れ曲げ部22の接触面の範囲となる。この接触範囲角度β度は、前記角度α度に対する補角の関係にある。そして前記したように先行側折曲げ部22が先行側開口縁11を支点として壁面12から、例えば1度離れたとすると、先行側折曲げ部22のなす曲げ角度α度は1度増加したことになるから、このときの接触範囲角度β度は1度減少したことになる。すなわち、曲げ角度α度が1度増加して46度になると、接触範囲角度β度は134度になって1度減少する。この1度の角度の減少は、β度である134度の0.74%である。
この出願人のテストによれば、図示の実施の形態において開口部10の先行側開口縁11の角度α度が45度のとき先行側折曲げ部22が先行側開口縁11を支点として壁面12から離れる角度が1度以内となるように版ずれ防止ブロック40の対向面41を対向させることにより、極めて有効な版ずれ防止効果が得られた。
このことから言い換えると、図3において密着している刷版20の折線部Rの内側の曲面が、先行側開口縁11の先端円弧表面と接触している範囲の角度である曲げ角度α度の補角である接触範囲角度β度の減少を接触範囲角度β度の0.74%以内となるような位置に対向面41を対向させるよう間隔tを決めることによって、刷版20が版胴Aの回転方向後方へずれ動かされることが防止できるとともに、刷版20の装着初期における版胴Aの周面への密着の度合い向上に伴う牽引手段3の牽引方向への角変位を妨げることなく、この本発明が有効に機能することができた。
ところで刷版20の両折曲げ部22、24の折線位置は、一定の寸法公差の範囲内に加工されており、牽引手段3が刷版20の後行側折曲げ部24を牽引して均衡状態となったときに、装着された刷版20によって後行側折曲げ部24を引っ掛けている爪33の位置が、前記刷版20の後行側折曲げ部24の折線位置の寸法公差の範囲で異なる位置となる。
前記理由により牽引手段3が後行側折曲げ部24を牽引して均衡状態となったときの角変位軸30の角変位位相は一定の範囲を有し、角変位軸30に取り付けられた版ずれ防止ブロック40の対向面41が壁面12に対向する角度も一定の範囲を有することとなる。
このときにおいて、版ずれ防止ブロック40の対向面41は、好ましくは角変位軸30の軸心pから壁面12に引いた垂線Vと直角に交わる位置にあるが、この出願人のテストによって対向面41は、角変位軸30の軸心pから壁面12に引いた垂線Vと90度プラス・マイナス3.5度の範囲で交わる位置であれば効果に変わりないことが確認された。これはこの実施の形態の刷版20の折線位置の加工寸法公差の範囲をカバーするものである。
また、版ずれ防止ブロック40の対向面41は、角変位軸30の軸心pから壁面12に引いた垂線Vに略垂直に交わる位置にあるので、対向面41に作用する先行側折曲げ部22が壁面12から離れようとする力は角変位軸30の軸心pに向かう方向に作用し、そして角変位軸30の周面を介して溝1の内面が受けるので、前記先行側折曲げ部22が壁面12から離れようとする力が対向面41に作用したときに、角変位軸30に角変位を起こさせるモーメント荷重がほとんど発生しない。言い換えれば対向面41に作用する先行側折曲げ部22が壁面12から離れようとする力を制するために角変位軸30に角変位させる力を加える必要はない。
この発明は図示した実施の形態に限定されるものではなく、例えば版ずれ防止ブロック40の対向面41は、先行側折曲げ部22が壁面12から離れようとする力を受け止める際に、平面状になっている先行側折曲げ部22が対向面41に接触してたわみ変形することがないように、前記壁面12から離れようとする力を分散して受け止めるようにした形状、及び面積を有していれば図示した平面形状に限るものではなく、連続した面もしくは複数に分割した面、または平滑面もしくは粗面、凹凸面であってもよい。
また、版ずれ防止ブロック40を角変位軸30に取り付けているボルト43部分において、版ずれ防止ブロック40を角変位軸30の切欠き平面31に対して、これに平行かつ角変位軸30の中心線と直角方向に取り付け位置を調整可能にする。これは、例えば版ずれ防止ブロック40のボルト42の取付け穴を前記調整方向に大きくすればよい。これにより、刷版20の厚みの変更に応じて間隔も最適に調整することができる。
また、図示の実施の形態では、版ずれ防止ブロック40を爪33に重ねてボルト43にて共締め状に角変位軸30に一体状に取り付けた構成を示したが、爪33と版ずれ防止ブロック40の双方を別々のボルトを用いて角変位軸30の切欠き平面31に別々に取り付けるようにしてもよい。
さらに、角変位軸30の断面形状もこの実施の形態で説明した形状に限るものではなく、爪33と版ずれ防止ブロック40及びガイドブロック35のいずれか、または全てを角変位軸30と一体としてもよい。この場合、角変位軸30は開口部10から挿入できないので、軸方向に溝1に挿入する。
この発明に係る刷版装着装置を示す断面図である。 図1において、牽引手段が刷版の後行側折曲げ部の引っ掛けを解除した状態を示す断面図である。 図1の要部を拡大して示す作用説明図である。 牽引手段と軸角変位手段を示す斜視図である。 軸角変位手段と牽引手段を一部破断して示す説明図である。 従来の刷版装着装置の要部を示す断面図である。 この発明装置で用いる刷版を裏側から見た斜視図である。 輪転印刷機の版胴付近の胴配列を示す説明図である。
符号の説明
A…版胴
B…ブランケット胴
C1、C2…インキ供給ゴムローラー
D…湿し水供給ゴムローラー
F…版胴の印刷時回転方向を示す矢印
R…折線部
V…垂線
a、b、c…レバー位置
g…開口幅
p…軸心
r:半径
f…溝内径
t…間隔
α…刷版先行側折曲げ部の曲げ角度及び版胴の開口部の先行側開口縁の角度
β…接触範囲角度
1…溝
10…開口部
11…先行側開口縁
12…壁面
20…刷版
21…刷版先行側
22、22´…先行側折曲げ部
23…刷版後行側
24…後行側折曲げ部
25、26…切欠き部
3…牽引手段
30…角変位軸
31、32…切欠き平面
33、33´…爪
34…ピン対応部
35…ガイドブロック
36…ボルト
40、40´…版ずれ防止ブロック
41…対向面
41a、41b…辺
42…ピン対応部
43…ボルト
5…軸角変位手段
51…リング
52…レバー
53…角穴
54…軸
55…フック
56…顎
6…牽引手段
60…角変位軸
61、61´…爪

Claims (2)

  1. 版胴の周面に開口部を有するとともに版胴の軸心と平行にして版胴に設けられた溝の版胴回転方向に向いた側である先行側開口縁の内側に、版胴の周面の接線に対して鋭角な角度α度に傾斜した壁面を設け、前記版胴の先行側開口縁に、この先行側開口縁の角度α度と同一の曲げ角度α度に折り曲げ形成した刷版の先行側折曲げ部を引っ掛けるとともに、刷版の後行側折曲げ部を前記溝内に設けられた牽引手段に引っ掛け、この牽引手段を前記刷版の後行側折曲げ部を牽引する方向に角変位することにより刷版を版胴に装着するようにした刷版装着装置において、
    牽引手段に前記先行側開口縁の内側に設けた壁面に対向する対向面を設け、
    前記対向面が、前記牽引手段が刷版の後行側折曲げ部を牽引して均衡状態にあるときに、前記牽引手段の角変位軸心から前記壁面に引いた垂線と略直交する位置で、かつ壁面に対して刷版の厚みよりわずかに大きな間隔を隔てて対向するように設けられている
    ことを特徴とする刷版装着装置。
  2. 牽引手段に設けた対向面を、先行側開口縁内側の壁面との対向間隔を調整可能にしたことを特徴とする請求項1記載の刷版装着装置。
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