JP2004259834A - フレキシブルプリント基板およびこれを有する電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】山型壁面にフレキシブルプリント基板配置した場合の浮き上がりを防止する。
【解決手段】可撓性の基板本体10Aに電気配線を施して成り、電子機器内の断面山型の壁面20に沿って配置されるフレキシブルプリント基板10であって、基板本体10Aの面に一端から中途まで切り込みを入れることで、その一端側に独立に撓むことが可能な第1の部分12および第2の部分11,13を形成するとともに、第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、第1,第2の部分が山型壁面20の頂部を跨ぐように配置される。
【選択図】 図1
【解決手段】可撓性の基板本体10Aに電気配線を施して成り、電子機器内の断面山型の壁面20に沿って配置されるフレキシブルプリント基板10であって、基板本体10Aの面に一端から中途まで切り込みを入れることで、その一端側に独立に撓むことが可能な第1の部分12および第2の部分11,13を形成するとともに、第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、第1,第2の部分が山型壁面20の頂部を跨ぐように配置される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器内の断面山型の壁面に沿うように配置されるフレキシブルプリント基板、およびそのフレキシブルプリント基板を有する電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的配線手段としてフレキシブルプリント基板(FPC)を用いた電子機器は多く存在する。FPCは可撓性であるため、機器本体の湾曲した壁面などに沿わせて接着する際に好都合である。FPCを壁面の角度が急激に変化する箇所、つまり断面山型の壁面に沿わせる場合には、予めフレキシブルプリント基板に折り癖をつけておき、その部分が山型壁面の頂部にくるように配置して山の両側の壁面に接着する。しかし、折り曲げられた状態で接着されたFPCには、常に元の平面状態に戻ろうとする力(弾性力)が働き、その力は接着した壁面から離れる方向に作用するから、時間の経過に伴って接着部分が剥がれ、FPCが壁面から浮き上がってしまうことがある。例えば、特許文献1のものは、ほぼ直角の壁面にFPCを這わせる構成となっているが、頂部近傍ではFPCが壁面から浮き上がっている。
このように従来のFPCの配置方法では、直角の山型壁面でさえFPCの浮き上がりを阻止するのは難しく、ましてやFPCの復元力が増大する鋭角の山型壁面ではなおさらである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−305633号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなFPCの浮き上がりは、場所によっては殆ど問題とならないが、例えばFPCを這わせた面に沿って何らかの物体が移動するような箇所では問題となる。すなわち、移動する物体が浮き上がったFPCに干渉し、FPCが破損したり、物体が移動不能になるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、山型壁面に配置した場合でも浮き上がることのないフレキシブルプリント基板、およびそのフレキシブルプリント基板を有する電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1,2の発明に係るフレキシブルプリント基板は、可撓性の基板本体に電気配線を施して成り、電子機器内の断面山型の壁面に沿って配置されるものであって、基板本体の面に一端から中途まで切り込みを入れることで、その一端側に独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成するとともに、第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、第1,第2の部分が山型壁面の頂部を跨ぐように配置可能に構成される。
特に請求項2の発明は、基板本体の一端に2本の切り込みを入れることで3部分に分け、そのうち中央の部分が第1の部分を構成し、その両側の2部分が第2の部分を構成するものである。
請求項3〜7の発明は、可撓性の基板本体に電気配線を施して成り断面山型の壁面に沿って配置されるフレキシブルプリント基板を有する電子機器に適用される。そして、基板本体の面に一端から中途まで切り込みを入れることで、その一端側に独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成するとともに、第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、第1,第2の部分は、山型壁面の頂部を跨いでその頂部の両側の面に沿ってそれぞれ配置される。
特に請求項4の発明は、基板本体の一端は、2本の切り込みにより3部分に分けられ、そのうち中央の部分が第1の部分を構成し、その両側の2部分が第2の部分を構成するものである。
請求項5の発明は、第1,第2の部分の少なくとも一方を壁面に接着するようにしたものである。
請求項6の発明は、山型壁面が、その壁面に沿って物体が移動し得る位置に設けられるものである。
請求項7の発明は、山型壁面が電子機器本体の電池室内壁から外壁に至る部分に形成され、第1,第2の部分のいずれか一方が内壁に沿って固定され、いずれか他方が外壁に沿って配置されるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図4により本発明の一実施の形態を説明する。
図1〜図3は本実施形態におけるフレキシブルプリント基板およびその取付構造を示し、10はフレキシブルプリント基板(以下、FPC)を、20は電子機器内に形成された断面山型の壁面を示し、この山型壁面20に沿うようにFPC10が配置される。
【0008】
FPC10の本体(基板本体)10Aは、可撓性のある一枚の板状部材から成り、その一端側から他端近傍にかけて予め2本の平行なスリットが形成されている。これらのスリットにより、基板本体10Aの一端側は3つの部分11,12,13に分かれ、他端側は3つの部分11〜13を連結する連結部14となる。3つの部分11〜13は、それぞれ連結部14に対して独立に撓むことができ、これらが山型壁面20の壁面21,22に接着される接着部を構成する。図3に示すように、中央の接着部12に設けた一対の接点15と、サイドの接着部13の先端に設けたランド16とが配線パターン17により電気的に接続されている。
【0009】
山型壁面20への接着にあたっては、中央接着部12とサイドの2つの接着部11,13とで山型壁面20の頂部を跨ぐように配置し、接着部12を一方の壁面21に、接着部11,13を他方の壁面22にそれぞれ接着する。図1におけるFPC10の手前側が表面とすると、接着部12は裏面が接着され、接着部11,13は表面が接着されることになる。接着は、接着剤を用いてもよいし、両面テープを用いてもよい。
なお、図2では分かり易くするために各接着部と壁面との間に隙間を設けてあるが、実際には壁面に密着する。
【0010】
ここで、山型壁面20の頂部を跨がせるには、必ず接着部12および接着部11,13の少なくともいずれか一方を連結部14に対して撓ませる必要があり、図では接着部12を撓ませている。この撓みにより接着部12には弾性力、すなわち元の平面状に戻ろうとする復元力が働き、その力の方向は壁面21に密着する方向となる。したがって、接着後時間が経過しても接着部12が壁面21から浮き上がることはない。一方、接着部11,13は連結部14に対して撓んでおらず、接着部11,13を面から離す方向の弾性力は働かないので、時間が経過しても接着部11,13が面22から浮き上がることはない。
【0011】
図4は上記の構造をカメラの電池室近傍に適用した例を示している。
カメラ本体30により構成された電池室BCには、電源電池BTが紙面と直交する方向に出し入れされる。電池室BCの内壁31は、円柱状の電池BTに対応して円柱状に湾曲し、内壁31の一部に開口31aが形成されている。電池室BCの直ぐ隣には、閃光発光用の電荷を蓄える円柱状のメインコンデンサCDが配置され、その周面が開口31aを通して電池BTの周面と対向している。開口31aの形成により、電池室内壁31と外壁32との間に断面山型の壁面が形成される。
【0012】
ここで、本実施形態のカメラには別体の外部電源装置(不図示)が装着可能とされる。外部電源装置を装着したときには、電池室BC内に外部電源装置の一部が電池BTに代えて挿入され、その上部に設けた接点がカメラ側の接点に接触することで給電が可能となる。そして、外部電源装置とカメラ本体との間で給電以外の電気的通信を行うために、図3のFPC10が用いられる。
【0013】
FPC10の取付けにあたっては、中央の接着部12とその両側の接着部11,13とによって上記山型壁面を跨がせ、接着部12を電池室BCの内壁31に、接着部11,13を外壁32にそれぞれ接着する。接着部13に設けたランド16にはそれぞれリード線40が接続され、リード線40はカメラの制御回路(不図示)に接続される。これにより、例えば外部電源装置に設けたレリーズボタンの操作情報がカメラ側に伝達可能となる。
【0014】
本例では、FPC10の配置にあたって中央の接着部12とその両側の接着部11,13とを互いに逆方向に撓ませており、接着部12に生ずる弾性力の方向は内壁31に向かう方向となる。したがって、接着後時間が経過しても接着部12が内壁31から浮き上がることはなく、電池室BCに出し入れされる電源電池BTあるいは外部電源装置の一部が接着部12と干渉してこれを破損したり、電池BT等が挿入不能となることはない。
【0015】
一方、接着部11,13に生ずる弾性力の方向は外壁32に向かう方向であるから、接着部11,13が外壁から浮き上がることもない。また、連結部14は電池BTとコンデンサCDの隙間に位置しているが、この連結部14は接着部12と接着部11,13の逆方向の撓みにより弾性力が相殺されるため、不所望に撓むことはなく、いずれに接着されていなくても電池BT等の出し入れに何ら影響を及ぼすことはない。特に本実施形態では、3つの接着部11〜13を設け、中央の接着部12と両側の接着部11,13とを互いに逆方向に撓ませているので、接着部11〜13や連結部14のねじれを最小限に抑制できる。また、本実施形態の方法によれば、FPCのいずれの部分も無理に折り曲げられることはないので、断線等のおそれはない。
因みに従来の方法では、鋭角の山型壁面の場合、その頂部においてFPCが無理に折り曲げられるので、断線のおそれがある。
【0016】
なお以上では、FPC10の接着部11,13が外壁32とコンデンサCDとの間において外壁32に接着されているが、コンデンサCDはカメラ内に固定的に設けられるものであるから、接着部11,13をコンデンサCDの周面に接着するようにしてもよい。またFPCの固定は、接着以外に例えばビス止め等でもよく、またFPCの弾性力のみによって所定の位置を維持できれば特に固定しなくてもよい。
【0017】
図4とは逆に、接着部11,13を電池室内壁に固定し、接着部12を電池室外に配置してもよい。また図4では接着部13にリード線40を接続したが、リード線に代えて他のFPCを接続してもよい。さらに図3では中央の接着部12が他の接着部11,13と比べて短い例を示したが、接着部の長さは特に制約を受けず、その配置箇所に応じて適宜決めればよい。またFPC本体の一端側を3分割した例を示したが、これを2分割とし、2つの部分で山型壁面を跨ぐようにしてもよい。2分割の場合は3分割と比べてFPCのねじれが大きくなるが、ねじれがある程度許容される箇所であれば適用可能である。
【0018】
本発明に係るFPCが適用可能な箇所は電池室近傍に限定されず、山型壁面に沿ってFPCを配置する必要がある箇所であればいずれでも適用可能である。例えば電子機器としてデジタルスチルカメラを考えた場合、メモリカード等の画像記録媒体を挿抜する部分に山型壁面がある場合には、そこに本発明のFPCを適用することで、挿抜されるメモリカードとFPCとの干渉が防止できる。カメラ以外の電子機器に対しても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、フレキシブルプリント基板に切り込みを入れることで、独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成し、第1,第2の部分で山型壁面の頂部を跨いで配置するようにしたので、頂部を跨ぐにあたって撓ませた部分の弾性力は、その配置すべき壁面に向かって発揮されることになり、フレキシブルプリント基板の壁面からの浮き上がりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキシブルプリント基板とその取付構造を示す斜視図。
【図2】上記取付構造を示す断面図。
【図3】フレキシブルプリント基板の構成を示す平面断面図。
【図4】フレキシブルプリント基板の取付構造をカメラの電池室近傍に適用した場合の平面断面図。
【符号の説明】
10 フレキシブルプリント基板(FPC)
10A 基板本体
11〜13 接着部
14 連結部
15 接点
16 ランド
17 配線パターン
20 山型壁面
30 カメラ本体
31 電池室内壁
32 外壁
BC 電池室
BT 電源電池
CD コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器内の断面山型の壁面に沿うように配置されるフレキシブルプリント基板、およびそのフレキシブルプリント基板を有する電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的配線手段としてフレキシブルプリント基板(FPC)を用いた電子機器は多く存在する。FPCは可撓性であるため、機器本体の湾曲した壁面などに沿わせて接着する際に好都合である。FPCを壁面の角度が急激に変化する箇所、つまり断面山型の壁面に沿わせる場合には、予めフレキシブルプリント基板に折り癖をつけておき、その部分が山型壁面の頂部にくるように配置して山の両側の壁面に接着する。しかし、折り曲げられた状態で接着されたFPCには、常に元の平面状態に戻ろうとする力(弾性力)が働き、その力は接着した壁面から離れる方向に作用するから、時間の経過に伴って接着部分が剥がれ、FPCが壁面から浮き上がってしまうことがある。例えば、特許文献1のものは、ほぼ直角の壁面にFPCを這わせる構成となっているが、頂部近傍ではFPCが壁面から浮き上がっている。
このように従来のFPCの配置方法では、直角の山型壁面でさえFPCの浮き上がりを阻止するのは難しく、ましてやFPCの復元力が増大する鋭角の山型壁面ではなおさらである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−305633号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなFPCの浮き上がりは、場所によっては殆ど問題とならないが、例えばFPCを這わせた面に沿って何らかの物体が移動するような箇所では問題となる。すなわち、移動する物体が浮き上がったFPCに干渉し、FPCが破損したり、物体が移動不能になるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、山型壁面に配置した場合でも浮き上がることのないフレキシブルプリント基板、およびそのフレキシブルプリント基板を有する電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1,2の発明に係るフレキシブルプリント基板は、可撓性の基板本体に電気配線を施して成り、電子機器内の断面山型の壁面に沿って配置されるものであって、基板本体の面に一端から中途まで切り込みを入れることで、その一端側に独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成するとともに、第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、第1,第2の部分が山型壁面の頂部を跨ぐように配置可能に構成される。
特に請求項2の発明は、基板本体の一端に2本の切り込みを入れることで3部分に分け、そのうち中央の部分が第1の部分を構成し、その両側の2部分が第2の部分を構成するものである。
請求項3〜7の発明は、可撓性の基板本体に電気配線を施して成り断面山型の壁面に沿って配置されるフレキシブルプリント基板を有する電子機器に適用される。そして、基板本体の面に一端から中途まで切り込みを入れることで、その一端側に独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成するとともに、第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、第1,第2の部分は、山型壁面の頂部を跨いでその頂部の両側の面に沿ってそれぞれ配置される。
特に請求項4の発明は、基板本体の一端は、2本の切り込みにより3部分に分けられ、そのうち中央の部分が第1の部分を構成し、その両側の2部分が第2の部分を構成するものである。
請求項5の発明は、第1,第2の部分の少なくとも一方を壁面に接着するようにしたものである。
請求項6の発明は、山型壁面が、その壁面に沿って物体が移動し得る位置に設けられるものである。
請求項7の発明は、山型壁面が電子機器本体の電池室内壁から外壁に至る部分に形成され、第1,第2の部分のいずれか一方が内壁に沿って固定され、いずれか他方が外壁に沿って配置されるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図4により本発明の一実施の形態を説明する。
図1〜図3は本実施形態におけるフレキシブルプリント基板およびその取付構造を示し、10はフレキシブルプリント基板(以下、FPC)を、20は電子機器内に形成された断面山型の壁面を示し、この山型壁面20に沿うようにFPC10が配置される。
【0008】
FPC10の本体(基板本体)10Aは、可撓性のある一枚の板状部材から成り、その一端側から他端近傍にかけて予め2本の平行なスリットが形成されている。これらのスリットにより、基板本体10Aの一端側は3つの部分11,12,13に分かれ、他端側は3つの部分11〜13を連結する連結部14となる。3つの部分11〜13は、それぞれ連結部14に対して独立に撓むことができ、これらが山型壁面20の壁面21,22に接着される接着部を構成する。図3に示すように、中央の接着部12に設けた一対の接点15と、サイドの接着部13の先端に設けたランド16とが配線パターン17により電気的に接続されている。
【0009】
山型壁面20への接着にあたっては、中央接着部12とサイドの2つの接着部11,13とで山型壁面20の頂部を跨ぐように配置し、接着部12を一方の壁面21に、接着部11,13を他方の壁面22にそれぞれ接着する。図1におけるFPC10の手前側が表面とすると、接着部12は裏面が接着され、接着部11,13は表面が接着されることになる。接着は、接着剤を用いてもよいし、両面テープを用いてもよい。
なお、図2では分かり易くするために各接着部と壁面との間に隙間を設けてあるが、実際には壁面に密着する。
【0010】
ここで、山型壁面20の頂部を跨がせるには、必ず接着部12および接着部11,13の少なくともいずれか一方を連結部14に対して撓ませる必要があり、図では接着部12を撓ませている。この撓みにより接着部12には弾性力、すなわち元の平面状に戻ろうとする復元力が働き、その力の方向は壁面21に密着する方向となる。したがって、接着後時間が経過しても接着部12が壁面21から浮き上がることはない。一方、接着部11,13は連結部14に対して撓んでおらず、接着部11,13を面から離す方向の弾性力は働かないので、時間が経過しても接着部11,13が面22から浮き上がることはない。
【0011】
図4は上記の構造をカメラの電池室近傍に適用した例を示している。
カメラ本体30により構成された電池室BCには、電源電池BTが紙面と直交する方向に出し入れされる。電池室BCの内壁31は、円柱状の電池BTに対応して円柱状に湾曲し、内壁31の一部に開口31aが形成されている。電池室BCの直ぐ隣には、閃光発光用の電荷を蓄える円柱状のメインコンデンサCDが配置され、その周面が開口31aを通して電池BTの周面と対向している。開口31aの形成により、電池室内壁31と外壁32との間に断面山型の壁面が形成される。
【0012】
ここで、本実施形態のカメラには別体の外部電源装置(不図示)が装着可能とされる。外部電源装置を装着したときには、電池室BC内に外部電源装置の一部が電池BTに代えて挿入され、その上部に設けた接点がカメラ側の接点に接触することで給電が可能となる。そして、外部電源装置とカメラ本体との間で給電以外の電気的通信を行うために、図3のFPC10が用いられる。
【0013】
FPC10の取付けにあたっては、中央の接着部12とその両側の接着部11,13とによって上記山型壁面を跨がせ、接着部12を電池室BCの内壁31に、接着部11,13を外壁32にそれぞれ接着する。接着部13に設けたランド16にはそれぞれリード線40が接続され、リード線40はカメラの制御回路(不図示)に接続される。これにより、例えば外部電源装置に設けたレリーズボタンの操作情報がカメラ側に伝達可能となる。
【0014】
本例では、FPC10の配置にあたって中央の接着部12とその両側の接着部11,13とを互いに逆方向に撓ませており、接着部12に生ずる弾性力の方向は内壁31に向かう方向となる。したがって、接着後時間が経過しても接着部12が内壁31から浮き上がることはなく、電池室BCに出し入れされる電源電池BTあるいは外部電源装置の一部が接着部12と干渉してこれを破損したり、電池BT等が挿入不能となることはない。
【0015】
一方、接着部11,13に生ずる弾性力の方向は外壁32に向かう方向であるから、接着部11,13が外壁から浮き上がることもない。また、連結部14は電池BTとコンデンサCDの隙間に位置しているが、この連結部14は接着部12と接着部11,13の逆方向の撓みにより弾性力が相殺されるため、不所望に撓むことはなく、いずれに接着されていなくても電池BT等の出し入れに何ら影響を及ぼすことはない。特に本実施形態では、3つの接着部11〜13を設け、中央の接着部12と両側の接着部11,13とを互いに逆方向に撓ませているので、接着部11〜13や連結部14のねじれを最小限に抑制できる。また、本実施形態の方法によれば、FPCのいずれの部分も無理に折り曲げられることはないので、断線等のおそれはない。
因みに従来の方法では、鋭角の山型壁面の場合、その頂部においてFPCが無理に折り曲げられるので、断線のおそれがある。
【0016】
なお以上では、FPC10の接着部11,13が外壁32とコンデンサCDとの間において外壁32に接着されているが、コンデンサCDはカメラ内に固定的に設けられるものであるから、接着部11,13をコンデンサCDの周面に接着するようにしてもよい。またFPCの固定は、接着以外に例えばビス止め等でもよく、またFPCの弾性力のみによって所定の位置を維持できれば特に固定しなくてもよい。
【0017】
図4とは逆に、接着部11,13を電池室内壁に固定し、接着部12を電池室外に配置してもよい。また図4では接着部13にリード線40を接続したが、リード線に代えて他のFPCを接続してもよい。さらに図3では中央の接着部12が他の接着部11,13と比べて短い例を示したが、接着部の長さは特に制約を受けず、その配置箇所に応じて適宜決めればよい。またFPC本体の一端側を3分割した例を示したが、これを2分割とし、2つの部分で山型壁面を跨ぐようにしてもよい。2分割の場合は3分割と比べてFPCのねじれが大きくなるが、ねじれがある程度許容される箇所であれば適用可能である。
【0018】
本発明に係るFPCが適用可能な箇所は電池室近傍に限定されず、山型壁面に沿ってFPCを配置する必要がある箇所であればいずれでも適用可能である。例えば電子機器としてデジタルスチルカメラを考えた場合、メモリカード等の画像記録媒体を挿抜する部分に山型壁面がある場合には、そこに本発明のFPCを適用することで、挿抜されるメモリカードとFPCとの干渉が防止できる。カメラ以外の電子機器に対しても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、フレキシブルプリント基板に切り込みを入れることで、独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成し、第1,第2の部分で山型壁面の頂部を跨いで配置するようにしたので、頂部を跨ぐにあたって撓ませた部分の弾性力は、その配置すべき壁面に向かって発揮されることになり、フレキシブルプリント基板の壁面からの浮き上がりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキシブルプリント基板とその取付構造を示す斜視図。
【図2】上記取付構造を示す断面図。
【図3】フレキシブルプリント基板の構成を示す平面断面図。
【図4】フレキシブルプリント基板の取付構造をカメラの電池室近傍に適用した場合の平面断面図。
【符号の説明】
10 フレキシブルプリント基板(FPC)
10A 基板本体
11〜13 接着部
14 連結部
15 接点
16 ランド
17 配線パターン
20 山型壁面
30 カメラ本体
31 電池室内壁
32 外壁
BC 電池室
BT 電源電池
CD コンデンサ
Claims (7)
- 可撓性の基板本体に電気配線を施して成り、電子機器内の断面山型の壁面に沿って配置されるフレキシブルプリント基板であって、
前記基板本体の面に一端から中途まで切り込みを入れることで、該一端側に独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成するとともに、該第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、前記第1,第2の部分が前記山型壁面の頂部を跨ぐように配置可能に構成したことを特徴とするフレキシブルプリント基板。 - 前記基板本体の一端は、2本の切り込みにより3部分に分けられ、そのうち中央の部分が前記第1の部分を構成し、その両側の2部分が前記第2の部分を構成することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
- 可撓性の基板本体に電気配線を施して成り断面山型の壁面に沿って配置されるフレキシブルプリント基板を有する電子機器において、
前記基板本体の面に一端から中途まで切り込みを入れることで、該一端側に独立に撓むことが可能な第1,第2の部分を形成するとともに、該第1の部分から第2の部分に、またはその逆方向に信号を伝達するための電気配線を施し、前記第1,第2の部分は、前記山型壁面の頂部を跨いでその頂部の両側の面に沿ってそれぞれ配置されることを特徴とするフレキシブルプリント基板を有する電子機器。 - 前記基板本体の一端は、2本の切り込みにより3部分に分けられ、そのうち中央の部分が前記第1の部分を構成し、その両側の2部分が前記第2の部分を構成することを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルプリント基板を有する電子機器。
- 前記第1,第2の部分の少なくとも一方は壁面に接着されることを特徴とする請求項3または4に記載のフレキシブルプリント基板を有する電子機器。
- 前記山型壁面は、その壁面に沿って物体が移動し得る位置に設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板を有する電子機器。
- 前記山型壁面は、電子機器本体の電池室内壁から外壁に至る部分に形成され、前記第1,第2の部分のいずれか一方が前記内壁に沿って固定され、いずれか他方が前記外壁に沿って配置されることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板を有する電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003047098A JP2004259834A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | フレキシブルプリント基板およびこれを有する電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003047098A JP2004259834A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | フレキシブルプリント基板およびこれを有する電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011528175A (ja) * | 2008-07-17 | 2011-11-10 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 電気回路装置 |
US8587168B2 (en) | 2010-04-02 | 2013-11-19 | Denso Corporation | Electric device mounted in electric compressor |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047098A patent/JP2004259834A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011528175A (ja) * | 2008-07-17 | 2011-11-10 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 電気回路装置 |
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