JP2003059557A - 小型カード用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトと金属カバーの短絡を防止するこ
とができ、コンタクト先端が、カード等の嵌合時に座屈
しにくい小型カード用コネクタを提供すること。 【解決手段】 カード用コネクタにおいて、基板と対向
する位置に接触部が配置されたコンタクト２と、前記コ
ンタクト２を保持するインシュレータ１と、少なくとも
前記インシュレータ１を覆う金属カバー３とを有する。
前記インシュレータ１は前記接続対象物の挿入方向と交
差し、前記基板と対向する位置に穴が形成されるよう
に、コンタクト接触部の周囲を取り囲む天井部１ａを有
し、この天井部と対応する位置の前記金属カバー３に個
別または一体に開口部６を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機、電話
機、ＰＤＡ、携帯型オーディオ、カメラ等の電子機器
と、ＩＣカード、メモリーカード等のカードとを接続す
るための小型カード用コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来，この種のカードには、図８及び図
９に示すような小型カード用コネクタが使用されてい
る。図８は従来技術による小型カード用コネクタの一例
を示す斜視図である。図９は図８の基板に実装された小
型カード用コネクタにＩＣカードを装着する状態を示す
概略部分断面図である。

【０００３】図８および図９を参照すると、小型カード
用コネクタ（以下、ソケットコネクタと呼ぶ）５０は、
底板５４と、底板５４の後端（カードの挿入側と反対
側）に設けられたインシュレータ５１と、インシュレー
タ５１の壁部５１ａに保持された細長い導体からなるコ
ンタクト５２と、インシュレータ５１を一端で覆うよう
に設けられた金属カバー５３とを備えている。金属カバ
ー５３のコンタクト５２を備えたインシュレータ５１の
壁部５１ａとは反対側には、カードとしてたとえば、Ｉ
Ｃカード２０を装着するための開口部５６が設けられて
いる。

【０００４】また、金属カバー５３のコンタクト５２に
対応する位置には、ＩＣカードが挿入された際に、コン
タクト５２が押し上げられたときに、金属カバー５３に
接触しないように、コンタクト５２の先端部が通過可能
な細長い孔５５が設けられている。尚、符号６３はＩＣ
カードの装着の有無を検出するためのスイッチである。

【０００５】図９に最も良く示されるように、基板６０
に実装された小型カード用コネクタ５０にＩＣカード２
０を挿入する際に、底板５４と金属カバー５３とで形成
されたガイド部によってＩＣカード２０がガイドされて
挿入される。ＩＣカード２０の前端には、接点２１が設
けられており、ＩＣカード２０をコネクタの開口から挿
入して後方に移動すると、コンタクト５２の接点５２ａ
とＩＣカード２０の接点２１とが接触する。その際に、
ＩＣカード２０の接点２１がコンタクト５２を、そのば
ね力に逆らって、コンタクト５２の壁部の固定端部を軸
として上方に押し上げ、孔５５内に至るように移動させ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
技術による小型カード用コネクタ５０の上面は低背化の
ための、薄型金属カバー５３を用いている。そして、実
装される基板６０に水平に配置されるＩＣカード２０の
上面に接触するように、コンタクト５２が配置された場
合、このコンタクト５２と接触しないように、薄型の金
属カバー５３を切り欠いて、孔５５を設けていた。

【０００７】しかし、切り欠いた孔５５を金属カバー５
３に設けても、コンタクト５２と金属カバー５３とはわ
ずかな空間で隔てられているだけで、短絡の危険があ
る。

【０００８】さらに、コンタクト５２と金属カバー５３
との間に導電性異物が介在したり、コンタクト５２の多
少の変形で、金属カバー５３とコンタクト５２とが短絡
したり、座屈して接触不良や短絡を生じる危険もあっ
た。

【０００９】そこで、本発明の一技術的課題は、コンタ
クトと金属カバーの短絡を防止することができる小型カ
ード用ソケットを提供することにある。

【００１０】また、本発明のもう一つの技術的課題は、
コンタクト先端が、カード等の嵌合時に座屈しにくい小
型カード用コネクタを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、接続対
象物、たとえば、カードの一面に設けられた接点と接続
し、基板に搭載されて用いられるカード用コネクタにお
いて、前記基板と対向する位置に接触部が配置されたコ
ンタクトと、前記コンタクトを保持するインシュレータ
と、少なくとも前記インシュレータを覆う金属カバーと
を有し、前記インシュレータは前記接続対象物の挿入方
向と交差し、前記基板と対向する位置に穴が形成される
ように、コンタクト接触部の周囲を取り囲む天井部を有
し、この天井部と対応する位置の前記金属カバーに個別
または一体に開口部を形成したことを特徴とする小型カ
ード用コネクタが得られる。

【００１２】また、本発明によれば、前記小型カード用
コネクタにおいて、前記接続対象物、たとえばカードは
メモリチップやＩＣカード等の情報カードであることを
特徴とする小型カード用コネクタが得られる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。

【００１４】図１は本発明の実施の形態による小型カー
ド用コネクタの平面図である。図２は図１の小型カード
用コネクタの底面図である。図３は図１の小型カード用
コネクタの側面図である。図４は図１の小型カード用コ
ネクタの側面図である。図５は図１の小型カード用コネ
クタの斜視図である。

【００１５】図１および図５を参照すると、小型カード
用コネクタ（以下、単にソケットコネクタと呼ぶ）１０
はインシュレータ１と、インシュレータ１に設けられた
コンタクト２と、インシュレータ１の一端から前方に伸
びる底板４と、インシュレータ１を一端（後端）で覆う
ように設けられた金属カバー３とを備えている。金属カ
バー３と、底板４とのインシュレータ１の壁部１ｃと
は、反対側にＩＣカードの装着口である開口部５が形成
されている。この開口部５には、ＩＣカードを案内する
ためのガイド部１２が両側に底板４および金属カバー３
の縁部を重ね合わせることによって設けられている。

【００１６】金属カバー３の後端のコンタクト２に対応
する部分には、幅方向に長い略四角形の開口部６が切り
欠かれて設けられている。この開口部６に相当する大き
さで、この開口部６を閉塞するように、インシュレータ
１と一体に、金属カバー３と同じ高さの位置の平面に沿
うように、天井部をなすモールド部１ａが設けられてい
る。モールド部１ａには、コンタクト２と対応する位置
にコンタクト２が通過可能なように、細長い貫通孔１ｂ
が設けられている。

【００１７】さらに，金属カバー３の前方の上面には、
カードの装着が目視できる開口部７が設けられている。

【００１８】図２にもっとも良く示されるように、イン
シュレータ１は、底部側を底板４の一端によって覆われ
ている。この底板４は、中央部付近に開口部７を備え、
また、コンタクト２と対向する位置に幅方向に細長い略
四角形状の貫通孔８を備えている。また、前方には、基
板の位置決め穴に装着される円形の突出部３１，３１を
備えている。図示の例であると、底板４は金属製である
が、インシュレータ１と一体に設けられた絶縁材料、例
えば、合成樹脂であっても良い。また、後方には、ＩＣ
カードの挿入を検出するためのスイッチ用のコンタクト
１３と接点１４とが設けられている。尚、符号１６に示
される部材は、ＩＣカードの装着の際に、後方に向かっ
てＩＣカード移動に伴ってこれに押されて後退するとと
もに、ＩＣカード脱離の際には、ばねの反力によって押
し出すイジェクトバーである。

【００１９】図４および図５に示すように、金属カバー
３の側面には、底板４と一体に設けられた突出部３３に
係合するための孔部３ａ，３ｂを備えている。また、符
号１８，１９は、カバーを固定するための部材である。
さらに、符号３５ａ，３５ｂ，３５ｄ，３５ｅも金属カ
バー３と底板とを固定するための固定片を切り込み形成
したとき形成された孔部である。

【００２０】図６は小型カード用コネクタ１０にＩＣカ
ード２０を装着する説明に供する斜視図である。図７は
図１の小型カード用コネクタにＩＣカードを装着する動
作説明に供せられる概略部分断面図である。

【００２１】図３、図４及び図７に最も良く示されるよ
うに、コンタクト２は先端に位置し、天井面に沿うとと
もに内側に凸となるように湾曲したコンタクト接触部２
ａと、この接触部２ａに連続するばね性を備えたばね部
２ｂと、インシュレータ１の壁部１ｄに支持又は埋設さ
れる支持部２ｃと、取り付けられる基板６０の表面に沿
って延在する端子部２ｄとを備えている。端子部２ｄ
は、基板に実装する際に、基板の配線パターンに半田付
けされる。尚、図７においては、説明の便宜上、インシ
ュレータの壁部１ｃ内にコンタクト支持部２ｃが埋設さ
れている構成を示しているが、一端壁部１ｃ外側に貫通
し、折れ曲がって、壁部１ｃにそって下降し、再び基板
６０面に沿って外方に延びる段形状に形成しても良い。

【００２２】次に本発明の実施の形態による小型カード
用コネクタの動作について説明する。

【００２３】図６及び図７を参照すると、カード２０
は、一枚板状のＩＣカードからなり、一角部２２が切り
欠かかれているとともに、挿入側先端の一面に長さ方向
に長い四角形のカード接点２１が、複数幅方向に形成さ
れている。

【００２４】図６に示すように、ソケットコネクタ１０
の開口部５から、矢印１５に示すように、カードを挿入
すると、図７に示すように、ＩＣカード２０の挿入方向
先端の接点２１は、コンタクト２の接触部２ａに接触す
る。しかし、接触の際に、コンタクト２がインシュレー
タ1の壁部１ｃへの埋設端部を軸とするように、回転し
て、上方に押し上げられるが、モールド部１ａの貫通孔
１ｂ内を上昇移動するので、隣接するコンタクト２同士
が接触せず、また、金属カバー３にも接触しないので、
コンタクト２同士の短絡や、座屈、コンタクト２と金属
カバー３との接触を防止し、コネクタによる短絡、接触
不良や、誤動作を生じない。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コンタクトと金属カバーの短絡を防止することができる
薄型カード用コネクタを提供することができる。

【００２６】また、本発明によれば、コンタクト先端が
モールドで覆われるため、嵌合時に座屈しにくくなり、
接触不良や誤動作を生じない薄型カード用コネクタを提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態による小型カード用コネク
タの平面図である。

【図２】図１の小型カード用コネクタの底面図である。

【図３】図１の小型カード用コネクタの側面図である。

【図４】図１の小型カード用コネクタの側面図である。

【図５】図１の小型カード用コネクタの斜視図である。

【図６】小型カード用コネクタ１０にＩＣカード２０を
装着する説明に供する斜視図である。

【図７】図１の小型カード用コネクタにＩＣカードを装
着する動作説明に供せられる概略部分断面図である。

【図８】従来の小型カード用コネクタの一例を示す斜視
図である。

【図９】図８の基板に実装された小型カード用コネクタ
にＩＣカードを装着する状態を示す概略部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１ インシュレータ １ａ モールド部 １ｂ 貫通孔 １ｃ 壁部 ２ コンタクト ２ａ 接触部 ２ｂ ばね部 ２ｃ 支持部 ２ｄ 端子部 ３ 金属カバー ３ａ 孔部 ３ｂ 孔部 ４ 底板 ５ 開口部 ６ 開口部 ７ 開口部 ８ 貫通孔 １０ 小型カード用コネクタ（ソケットコネクタ） １２ ガイド部 １３ コンタクト １４ 接点 １６ イジェクトバー １８，１９ 固定部材 ２０ ＩＣカード ２１ 接点 ２２ 角部 ３１ 突出部 ３３ 突出部 ５０ 小型カード用コネクタ（ソケットコネクタ） ５４ 底板 ５１ インシュレータ ５１ａ 壁部 ５２ コンタクト ５３ 金属カバー ５６ 開口部 ５５ 孔 ６０ 基板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名取 章 東京都渋谷区道玄坂１丁目21番２号 日本 航空電子工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 敬一郎 東京都渋谷区道玄坂１丁目21番２号 日本 航空電子工業株式会社内 Ｆターム(参考） 5B058 CA13 5E021 FB15 FB16 FB17 FB18 FC08 FC38 HA05 HB07 HC36 5E023 AA21 AA24 BB19 BB25 CC04 DD22 EE10 HH08 HH13 HH19

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接続対象物の一面に設けられた接点と接
   続し、基板に搭載されて用いられるカード用コネクタに
   おいて、 前記基板と対向する位置に接触部が配置されたコンタク
   トと、前記コンタクトを保持するインシュレータと、少
   なくとも前記インシュレータを覆う金属カバーとを有
   し、前記インシュレータは前記接続対象物の挿入方向と
   交差し、前記基板と対向する位置に穴が形成されるよう
   に、コンタクト接触部の周囲を取り囲む天井部を有し、
   この天井部と対応する位置の前記金属カバーに個別また
   は一体に開口部を形成したことを特徴とする小型カード
   用コネクタ。
2. 【請求項２】 請求項１記載の小型カード用コネクタに
   おいて、前記接続対象物は情報カードであることを特徴
   とする小型カード用コネクタ。