JP2004152541A - メモリカード用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】平面電極を有するメモリカード用の表面実装されるコネクタにおいて、プリント基板表面からの高さを抑えた構成の薄形のメモリカード用コネクタを得る。MMCカード上位互換カードとSDカードを共用できるメモリカード用コネクタを得る。
【解決手段】メモリカード用コネクタを、収容空間を上部に設けるとともに下方の表面実装面となる底面より更に下方に突出した突出支持部を具備したカード収容体と、前記表面実装面位置または前記表面実装面より下方位置で前記突出支持部に支持された弾性コンタクト含み構成する。
【選択図】 図4
【解決手段】メモリカード用コネクタを、収容空間を上部に設けるとともに下方の表面実装面となる底面より更に下方に突出した突出支持部を具備したカード収容体と、前記表面実装面位置または前記表面実装面より下方位置で前記突出支持部に支持された弾性コンタクト含み構成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子装置等にマルチメディアカードやSD(Secure Digital)カード等の着脱自在なカード状の小形メモリカードを装着するために、プリント基板に表面実装されるメモリカード用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリは、各種電子装置に固定的に組み込まれる以外にも、電子装置に設けられたコネクタに着脱自在なメモリカードの形態で使用される。近年、半導体メモリの大容量化および小形化が著しく進み、メモリカードも一段と小形の寸法規格に準拠したものが実用化されている。
【0003】
例えば、メモリカードの一規格に準拠したMMC(マルチメディアカード)は、32mm×24mm×1.4mmの外形寸法で内部にフラッシュメモリ素子がモールドされており、64Mバイトを超える容量を持つものも実用化されている。SD(Secure Digital)カードは、32mm×24mm×2.1mmの外形寸法となっている。これらのメモリカードは、記憶容量が大きくかつ小型であることから、携帯電話やデジタルカメラ等の小型の電子機器に搭載されるようになってきている。
【0004】
ところで、一般にメモリカードは電子機器に設けられたメモリカード用コネクタに装着して使用される。この時、回路基板に表面実装するようにしたコネクタも多い。この種のメモリカード用コネクタはメモリカードの種類毎に定められた接続端子配列電気的仕様規格や寸法規格等に適合するように設計されている。
【0005】
一般に、ほぼ偏平直方体形状のメモリカードにおいて、外部との電気接続のための端子は、メモリカードの長手方向の一端面に規定配置で多数のレセクタプルを設けるか(第1形態)、或いは、カードの表面あるいは裏面の所定位置に互いに絶縁された適宜面積の平面電極を多数個密集して形成される(第2形態)。
【0006】
メモリカードに対応するコネクタは、前記第1形態のカード端部に接続端子を持つメモリカード用のものは、一般的にメモリカードを収納する直方体状の空間部を形成してこの空間部の一端に接続端子(レセクタプル)群に対応して同数の接続ピンを設けるとともに他方端は外部に開口している。この開口部よりメモリカードを挿入することによりメモリカードとコネクタが電気接続される。
【0007】
前記第2形態の、カードの片表面上に平面電極を設けたメモリカード用のコネクタは、一般的にメモリカード全体あるいはその一部を収納する直方体状の空間部を形成し、この空間部の一端を外部に開口させ、この開口部より挿入したメモリカードが所定位置に収まった状態で、個々に付勢されて前記平面電極に押圧接触する複数の弾性コンタクト(接触子)を設けた構造をとっている。これにより挿入されたメモリカードとコネクタが電気接続される。
【0008】
なお、これらコネクタは、メモリカード取り出しを考慮して、収容されたメモリカードの外方側部分が表出するように形成してあるか、或いは適宜のイジェクト手段を備える等の配慮がされている。例えば、〔特許文献1〕あるいは〔特許文献2〕には、ICカード用コネクタ(コネクタ)とそのイジェクト機構が開示されている。
【0009】
ICカード用コネクタにおいて、電子機器については、規格の異なる複数種類のメモリカードを使えると利便性が増す。従って、メモリカード用コネクタにも複数種類のメモリカードに対応したものがある(例えば、特許文献3参照。)。図6は、〔特許文献3〕に添付された図(符号は本明細書での符号と対応関係にない)であり、メモリカード用コネクタ1とSDカード50、SIMカード60が示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−162894号公報
【特許文献2】
特開平2002−124328号公報
【特許文献3】
特開2001−307801号公報
【0011】
種類の異なるメモリカードのうちで、特にマルチメディアカードとSDカードは、平面形状も同じで電極端子にも共通部があるため、単一のメモリカード用コネクタで同一の挿入口で両者共用できるようにしたものが既に提供されている。マルチメディアカード60の裏面(端子側面)を図7(a) に平面図で示す。マルチメディアカードの短辺縁部の7個の平面電極列61は、SDカードの9個の平面電極列の中央よりのものと略位置互換性がある。なお、SDカードの平面電極列(図6では51)の厚み方向位置(上面からの距離)は、マルチメディアカードと同じになっている。なお、SDカードでは本体部分は平面電極面から更に下方まで伸びており特に平面電極間では隔壁となっている(図6参照)。
【0012】
ところで、メモリカードの外形寸法の小形化および多機能化に伴い、接続端子数が増加し、カードの片表面上に平面電極を設けるものでは端部から離れた位置にも平面電極が設けられる。図7(b)に、このようなメモリカードの一例を裏面(端子側面)の平面図で示す。図のメモリカードは、マルチメディアカードと同一サイズであり、マルチメディアカードとSDカードの機能を発展統合させたものである。図に示すように、裏面にSDカードと略互換の既存の平面電極列71と、端部から離れた中心寄り位置に短辺に平行に一列に新たに6つの平面電極72とが設けられ、平面電極列71の両端のものは、あらたに設けられた平面電極列72の両端のものに接続してパターンが形成されている。
【0013】
図7(b) のメモリカード(以下、便宜上略して新カードとも記載する)に対応したメモリカード用コネクタは、当然にマルチメディアカードに用いられる(上位互換性がある)、更にSDカードについても共用できる構成とするのが好ましい。このためには、メモリカードの収容空間部は、より厚いSDカードに合わせた厚みを確保することになる。
【0014】
この場合、SDカードを装着した際には、上述したカードの短辺端部から離れた位置の平面電極72に対応する弾性コンタクトは、SDカードの形状から必然的にSDカードの下面位置まで下方に変位しなければならないため、SDカード対応のコネクタで従来実現されていた限られた小寸法サイズ内で高信頼性のものを得ようとすると、端部から近い既存位置の平面電極のみに対応した弾性コンタクトと同様な設計にては充分には対応できず、違った特性・構造が必要となる。すなわち、単に従来技術を転用しコネクタ端部から長い弾性コンタクトを支持しただけでは、所望の接触圧力や耐久性を得ることができず挫屈するなどの不都合が生じる。なお、コネクタの厚み方向に制限を設けずコネクタの大型化を許容するならば事情は異なり解決方法はあるが、大型化は好ましくないものとしてここでは考えない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情は、上述した共用コネクタの場合に限らず表面実装用の小形メモリカード用コネクタを少ない厚み寸法で構成しようとする場合にひろく当てはまるもので、従来同等の信頼性を保ちながら表面実装用のプリント基板面からできるだけ少ない高さ(離間距離)で、メモリカード下面の平面電極を位置させることのできる弾性コンタクト構成を持ったコネクタ技術の開発が課題となる。
【0016】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたもので、既述したような平面電極を配置したメモリカード用の表面実装されるコネクタにおいて、平面電極と表面実装面間の距離を少なくしてプリント基板表面からの高さを抑えた構成の薄形のメモリカード用コネクタを得ることを主な目的とするものである。また、前述した新カードのような端部から離れた位置に平面電極を配置したメモリカードに対して高い信頼性で対応できる構成のメモリカード用コネクタ、新カードとSDカードを共用できるメモリカード用コネクタを提供することも目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明では、矩形薄板状で片面に平面電極を配したメモリカードに対応した、略矩形薄板状でプリント基板に表面実装されるメモリカード用コネクタを、一方の側端面にメモリカード挿入口が開口した収容空間を上部に設けるとともに下方の表面実装面となる底面より更に下方に突出しプリント基板に設ける所定貫通孔に対応した突出支持部を具備した絶縁体でなる有底矩形状のカード収容体と、前記突出支持部に支持される長尺薄板状で弾性を有する金属でなる多数の第1弾性コンタクト群とを含み構成し、前記第1弾性コンタクトそれぞれが、表面実装面位置で表面実装用電極部となる一方の端部の近傍が前記表面実装面位置または前記表面実装面より下方位置で前記突出支持部に支持されて延在し、他方の端部が前記収容空間に先端接触部として位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の各平面電極に個々に接触するように構成する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメモリカード用コネクタにおいて、前記突出支持部が、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極の位置よりも前記挿入口側に形成されるとともに、この突出支持部に支持される前記第1弾性コンタクトは、前記先端接触部が前記カード収容体の軸方向端部側壁に向けて伸び前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のメモリカード用コネクタにおいて、前記突出支持部が、前記カード収容体の軸方向端部側に端部側壁に連続して形成されるとともに、この突出支持部に前記表面実装面より下方位置で支持される前記第1弾性コンタクトは、前記先端接触部が前記カード収容体の挿入口側に向けて伸び前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明では、請求項2または請求項3のいずれかに記載のメモリカード用コネクタにおいて、更に、表面実装面位置で表面実装用電極部となる一方の端部の近傍が前記カード収容体の軸方向端部側壁に前記表面実装面位置または前記表面実装面より上方位置で固定されて延在し、他方の端部が前記収容空間に先端接触部として位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触する多数の第2弾性コンタクト群を備えた構成とする。請求項5に記載の発明では、前記収容空間および前記第2弾性コンタクト群を、マルチメディアカードおよび/またはSDカードに適合したものにする。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕以下、実施例をあげ図を用いて本発明について詳細に説明する。図1(a)は実施例メモリカード用コネクタの収容体および弾性コンタクトを明示した裏面平面図、図1(b)は同じく側面図(共にカバーについては破線で示す)、また、図1(c) はプリント基板に実装して新カードを装着した状態で示す側断面図である。なお、図1(c) には弾性コンタクトのカード非装着時の形状(先端位置:符号M、M′)を併せて示してある。
【0022】
この実施例では、突出支持部が、収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極の位置よりも挿入口側に形成され、また、この突出支持部に略表面実装面位置で固定された第1弾性コンタクト群は長尺部分がカード収容体の軸方向端部側壁に向けて伸びて先端接触部が収容空間内に位置して収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されている。
【0023】
図1を参照して第1実施例のメモリカード用コネクタ100 の構成を説明する。このメモリカード用コネクタ100 は主として、絶縁材料でなり下面に下方突出部111が形成されているカード収容体110(以下、単に収容体と記す)と、この収容体110に固設された弾性コンタクト(第1弾性コンタクト群120および第2弾性コンタクト群130)、および収容体の上面と両側面を覆うカバー140とで構成されている。
【0024】
図において、110は電気絶縁性を有した、ほぼ直方体形状の偏平なカード収容体(基体)であり、上面側には、適合するメモリカード(マルチメディアカードおよび/またはSDカードを含む)を収納するためにメモリカードの軸方向断面形状および平面形状に合わせ、また、一方の側端面にメモリカード挿入口110aが開口した収容空間111が穴状に形成され、下部に底板部112を残した形状をしている。本実施例ではメモリカードCDの前端側1/2が収容空間111に収容される。
【0025】
カード収容体111の下側表面(底面)112aの大部分は表面実装面になるが下側表面の後端(図では右方)には前記表面実装面より更に下方に突出して幅方向に帯状に伸びる突出支持部113が形成されている。この帯状の突出支持部113には前記下側表面(表面実装面)と略同じ位置に、後述する第1弾性コンタクト120が支持されている。換言すると、第1弾性コンタクト120は突出支持部の上端部と前記底板部112との境界部分に埋め込まれている。
【0026】
前記カード収容体の軸方向一方の端部F(図1では左方の端部、以下では前端部という)は、端部側壁114を残して幅方向(図における上下方向)中央部に狭幅帯状の貫通孔115が形成されていて収容空間111に連通している。また、底板部112の前記帯状の突出支持部113の前端側で図7(b) のメモリカードの中心側の電極列72に対応する部位に矩形状の貫通孔116が2カ所形成されていて収容空間111に連通している。
【0027】
このような形状のカード収容体110は、例えばガラス繊維を混入して強化した液晶ポリマー樹脂(LCP)やポリカーボネイト等適宜の合成樹脂材料を用いて、例えば射出成型により一体に形成することができる。カバー140が組合わさると一方の端部のみ開口したカード収容空間111が形成され、メモリカードCDが電極面を下向きに挿入口111aから挿入される。なお、イジェクト機構は特には設けておらずカードCDの露出した後端を摘んで引抜くことができる。
【0028】
次に、弾性コンタクト(弾性接触子)について説明する。本メモリカード用コネクタ100には、図7(b)のメモリカード先端寄りに一列に配置された各平面電極群71に個々に接触する第2弾性コンタクト130と、図7(b)符号72の各中央寄り電極群72に対応した第1弾性コンタクト120とが設けられている。個々の弾性コンタクトは、弾性金属材料で作られている。それぞれの弾性コンタクトのメモリカードに接触させる先端側は上方に反らせるとともに先端部は上方を凸面として円弧状に湾曲させてあるか(第2弾性コンタクト)、先端を下方に折り曲げてあり(第1弾性コンタクト)、挿入されて水平方向からスライドしてくるメモリカードCDに弾性力で押圧接触する。規定挿入位置では、各先端は、メモリカードの位置対応する平面電極71,72と接触して電気的に接続される。
【0029】
先ず、前記端部側壁114には、図7(b) の平面電極71に対応して(これは、マルチメディアカードおよびSDカードの平面電極にも対応)、従来同様の長尺薄板状で弾性を有する金属でなる第2弾性コンタクト群130が取り付けられている。すなわち、カード収容体110のメモリカードの嵌め込み方向(軸方向;図1では左右方向。右方よりカードが挿入される)の一方の端部F(図では左方端、以下、前端部という)の表面実装面の少し上の位置には、電極として金属板でなる弾性コンタクト130が実施例では9本、所定間隔で固定されている。
【0030】
この第2弾性コンタクト130は、一方の端部の近傍幅広部分が該端部を外方にして端部側壁114に固定されて延在し、前記一方の端部は所定形状に屈曲されて収容体下側表面112a(表面実装面)の高さまで湾曲下降して水平になった先端130aが表面実装用の半田付け端子となる。そして他方側は前記収容空間111に位置して上方に反らせ、また先端部130bは上方を凸面に円弧状に屈曲変形させてある。その先端頂部M′は常態では湾曲部頂部は前記収容空間内に突出していて、前記収容空間111内に収容されたメモリカード下面の平面電極71に個々に接触する先端接触部となる。なお、弾性コンタクトの中央よりの2本は他のものより長いがこれは活線接続制御に適合させるためである。既述したようにカード収容体110は弾性コンタクト群130の下方部分に矩形状の貫通孔115が形成してあり弾性コンタクトの変形移動を妨げないようになっている。
【0031】
このように、各第2弾性コンタクトは、従来と同様にその一方の端部の近傍が収容体の側壁部の下面から僅かに高い位置に一列に一体成形されて支持されていてその先端は開口側に伸び、他端は側壁から突出しており表面実装の際にプリント基板に半田付けされる表面実装用端子となる。
【0032】
一方、図7(b) のメモリカード中心寄りの平面電極列72に個別に接触するものとして、表面実装面と略同じ位置、すなわち、前記下方突出部113の上端位置(前記底板部112との境の位置)に、やはり長尺薄板状で弾性を有する金属でなる第1弾性コンタクト群120が一列に取り付けられている。
【0033】
これら第1弾性コンタクト120は、一方の端部120aの近傍幅広部が該端部が開口側になるように下方突出部113に支持されていて、当該端部120aは収容体の下側表面112(表面実装面)に沿って開口側に延びて、表面実装の際にプリント基板に半田付けされる表面実装用端子120aとなる。第1弾性コンタクト120の反対側部分は上方に反らせて前記収容空間111に延在して、また先端部120bは下方に僅かに屈曲変形させてある。この先端屈曲部Mが、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の平面電極72に個々に接触する先端接触部となる。
【0034】
これら弾性コンタクト120,130は、所定部位に設けた取付孔に後から嵌め込んで組付けてもよいが、カード収容体110を成型加工により製造する時に同時に埋め込むことで一体に形成しても良い。各弾性コンタクトの表面実装用端子120a,130aが、所定プリント基板の対応するランドに半田付けされる。
【0035】
前記カバー140は、真鍮等の金属薄板製で断面コ字状に加工されていてメッキをほどこしてあり、前記収容体110を上面から覆うようにして収容体に係合・固定されている。固定は、前記収容体の側面それぞれに2カ所形成されている係合突起117とこれに対応してカバー140の両脚部それぞれに2つ設けた矩形の係合孔141とを嵌合させて行っている。140aはプリント基板のランドに半田付けするためにカバー底部で折り曲げた固定用爪である。
【0036】
以上のように構成された本実施例のコネクタは、プリント基板上の所定加工を施してある実装位置に表面実装される。プリント基板上で本発明のメモリカード用コネクタを実装する位置には、メモリカードコネクタを固定するためにコネクタの全ての弾性コンタクトの表面実装用端子120a,130aに対応する位置とケースの固定用爪140a(シールド用接続部)に対応する位置とに接続用のランド(接続用電極部)を設けておく。またプリント基板の前記下方突出部113に対応する領域および第1弾性コンタクト120の下方となる部分(前述収容体の貫通穴部116に相当する部分に一致させる)には、対応する断面形状の貫通孔(切欠き)が予め形成されている。図2に、この実施例に適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の態様を示す。また、前述の図1(c) の側断面図は、実施例コネクタを図2のように加工したプリント基板の該当部へ取付けた状態を示している。200はプリント基板、201は突出部等に対応して切り欠いた貫通孔(切り欠き部)、202,203は前記表面実装用端子が半田付けされるランド、204は前記カバーの固定用爪114aが半田付けされるランドである。プリント基板の孔加工は、図3に示すように、第2弾性コンタクト130の下方位置部分を合わせて切り欠いた大きな貫通孔201′を形成しても良い。
【0037】
プリント基板は小形機器用では例えば0.3mm程度であるが、殆どの小形電子装置で採用される両面実装基板の場合には、実施例のコネクタはプリント基板に実装した状態でも通常は不都合は生じない。一般には表面実装されるその他の電子部品高さは少なくとも1mm程度あり、前述した突出部はプリント基板の裏面側にこれより突出することはないからである。
【0038】
本実施例コネクタの作用を説明する。コネクタ100 にメモリカードCDを装着するには、メモリカードCDを向きを合わせてコネクタの開口部から差しみ、奥まで押し込むことで安定した装着状態となる。この状態ではメモリカード下面の平面電極(電極パッド)夫々には対応する各弾性コンタクトの先端が押圧されて個々に接触して所定の電気接続がなされる。挿入されたカードが、図7(b) に示した新カードの場合は、第1弾性コンタクト群120は、平面電極72に接触して電気接続がなされる。しかし、挿入カードがマルチメディアカードあるいはSDカードの場合には、第1弾性コンタクト120は、カード下面の絶縁体の下面に接触するのみで電気的には機能しない。特に、SDカードが挿入された場合には弾性コンタクト120の先端部分は、突出支持部の内部空間内で表面実装面より更に下方側まで変位することができる。また、SDカード挿入時には、カード下面は、先ず第1弾性コンタクト120の斜面部に当たるため引っかかったりせずスムーズに奥まで挿入できる。カードの取り外し時は、挿入してあるカードの後端をつまんで容易に取り出せる。
【0039】
以上説明した、実施例のメモリカード用コネクタは、マルチメディアカードとSDカードを含め、複数のカードに適合していながら、上述構成によって表面実装面よりの高さが極めて低く抑えられていて薄型であり、従って、搭載装置の薄型化・小形化が容易に行える。
【0040】
〔第2実施例〕次に、図4を用いて本発明の第2の実施例について説明する。図4の(a) 〜(d) の各図は本発明のメモリカード用コネクタの第2実施例を示す図で、(a) は裏面平面図であり(b) は側面図、(c) および(d) は夫々プリント基板への実装状態と内部の弾性コンタクト(接触子電極)を明示した側断面図である。
【0041】
この実施例のコネクタ300も、前実施例と同様に、絶縁材料でなり下面に下方突出部が形成されているカード収容体310と、この収容体310に固設された弾性コンタクト(第1弾性コンタクト群320および第2弾性コンタクト群330)、および収容体の上面と両側面を覆うカバー140とで構成されている。
【0042】
この実施例では第1弾性コンタクト群320を支持する突出支持部313が、軸方向端部側壁側で有底中空に形成されている。そして、この突出支持部313に略表面実装面位置よりも更に下方位置で第1弾性コンタクト群320が固定され、その長尺部分がカード収容空間部に向けて伸びて先端接触部が収容空間内に位置していて収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成してある。
【0043】
第2実施例のメモリカード用コネクタ300のカード収容体310は、図4に示すように、ほぼ直方体形状の偏平で、上面側には、適合する新メモリカード、マルチメディアカード、SDカードを収納するためにSDメモリカードの断面形状および平面形状に合わせ一方の側端面にメモリカード挿入口311aが開口した(収容空間)311が形成されて略有底矩形状をしている。収容空間311の下方には、底板部312が残っている。実施例ではカードの後端略1/4を残して約3/4の部分が収容空間311に収容される。
【0044】
前記カード収容体の軸方向一方の端部(前端部:図では左方の端部)には、端部側壁を残して幅方向(図4(a) にて上下方向)中央部に帯状の溝部315が収容空間311に連通して連続して形成されている。従って、下面は底板部312が、前端部には端部壁部314が垂直に残っている。また、表面実装面になる底板部312の前端部には、下面311a(前記表面実装面)より更に下方に突出して断面矩形で中空有底の突出支持部313が2カ所形成されている。突出支持部313の前端壁は、前記端部側壁314と同一面になっており、突出支持部313の内部空間316は前記溝部315および前記収容空間311に連通している。収容体310の側面には係合突起317が形成されていて、カバー140の両脚部の係合孔と嵌合する。
【0045】
このカード収容体310は、材質・製法等は前実施例同様で良い。カバー140が組合わさることで一方の端部のみ開口したカード収容空間311が形成され、メモリカードが電極面を下向きに電極側から挿入される。なお、カード収容体310の一方の側方部分にプッシュプッシュ式のイジェクト機構が組み込まれているがここでは説明は省略する。
【0046】
前記弾性コンタクトの内でメモリカード先端寄りの平面電極群に個々に接触する9本の第2弾性コンタクト330は、第1実施例の場合と全く同様で、その一方の端部の近傍が該端部をコネクタ外方にして端部側壁に固定されて延在し、前記一方の端部が所定形状に屈曲されて表面実装面まで下降して表面実装用の半田付け端子330aとなる。そして他方の端部は前記収容空間に位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触する先端接触部330bとなる。
【0047】
前記端部側壁の突出支持部313の空間内底面際位置、従って前記表面実装面より下方位置には、図4に示すように第1弾性コンタクト320が、一列に一体成形されて支持されている。各第1弾性コンタクト320は、一方の端部(320a)の近傍が該端部を外方にして突出支持部の端部側壁に固定されて延在し、前記一方の端部は所定形状に屈曲されて突出部内を収容体下面の高さまで湾曲上昇して端部側壁314から突出して後方に伸び表面実装の際にプリント基板に半田付けされる表面実装用端子320aとなる。 そして他方の端部は前記収容空間に位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の前記平面電極に個々に接触する先端接触部320bとなる。
【0048】
上述の収容体310と弾性コンタクト320,330の結合体に、上面を覆うカバー140が固定される。このカバー140および固定方法については、前実施例と全く同じであるから、説明は繰り返さない
【0049】
第2実施例のコネクタの使用方法は、第1実施例と略同様である。図5のプリント基板上のコネクタ取り付け部位の態様を示す説明図に示すように、プリント基板400に予め前記下方突出部313に対応した貫通孔401を開けておく。また、プリント基板上で実施例コネクタの全ての第1および第2の弾性コンタクトの表面実装用端子に対応する位置とケースのシールド用接続部に対応する位置に接続用のランド405,406,407を設けておく。これにより、実施例のコネクタもプリント基板上の所定位置に表面実装できる。
【0050】
この時、実施例のメモリカード用コネクタは、下面全てが封止された有底構造であるためリフロー炉を用いることができる。これに対して前第1実施例のコネクタはプリント基板の上下を貫通する孔部ができるため、リフロー炉を用いることができない。図4(c),(d) の側断面図は、プリント基板に表面実装された本実施例のコネクタを示している。
【0051】
コネクタ400にメモリカードを装着するには、メモリカードCDを向きを合わせてコネクタの開口部から差し込む。奥まで押し込むことでイジェクト機構にロックがかかり安定した装着状態となる。この状態でメモリカード下面の電極パッド夫々には各弾性コンタクトの先端接触部が個々に接触して所定の電気接続がなされる。なお、第1弾性コンタクト320の最先端部分は、挿入カードがマルチメディアカードあるいはSDカードの場合には下面の絶縁体の下面に接触するのみで電気的には機能しない。特に、SDカードが挿入された場合には第1弾性コンタクトの先端接触部は、突出部の内部空間部で表面実装面より更に下方側まで変位することができる。挿入されたカードが、図7(b) に示したカードの場合は、第1弾性コンタクト群320は、平面電極72に接触して電気接続される。 カードの取り外しは、挿入してあるカードの後端を押して、カードを更に奥まで押し込むとプッシュプッシュ式の係止機構のロックがはずれてコイルばねの弾性でカードが手前に移動してコネクタとの電気接触がはずれるとともに容易に摘んで取り出すことができる。
【0052】
以上説明した、各実施例のメモリカード用コネクタは、マルチメディアカードと新カードの両方、あるいは更にSDカードを含めた複数のカードに適合していながら、上述構成によって表面実装面よりの高さを極めて低く抑えられていて、搭載装置の薄型化・小形化が容易に行える。
【0053】
なお、第2実施例では、突出支持部を中空な構造としたが、第1弾性コンタクトが収容できれば良いので第1コンタクトの形状に合わせた溝を下方に向けて形成しておいても良い。また、両実施例は、マルチメディアカードとSDカードを含め、3種類のカードを共用できるように設計されたものを説明したが、本発明の技術を用いてマルチメディアカード専用のメモリコネクタとすることもでき、マルチメディアカード用の弾性コンタクト全てを下方突出部に取り付ることで、従来のものより更に薄型化ができる。これと同様に、本発明をこの種カードの特定単一種類専用の表面実装用のメモリカード用コネクタに適用すれば、等しくその薄型化が達成できる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本願発明によれば、メモリカード用コネクタにおいて、その表面実装面からの高さを抑えて小形化できる。特化した例として、マルチメディアカードに更に端子を加えたマルチメディアカードと上位互換のメモリカードと、SDカードとを共通に扱えるメモリカード用コネクタを、充分な信頼性を保ちつつ表面実装面からの高さをSDカードの厚さに極めて近づけた小形サイズで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例メモリカード用コネクタの収容体および弾性コンタクトを明示した裏面平面図(a) 、同じく側面図(b)、プリント基板に実装してカードを装着した状態で示す側断面図(c)である。
【図2】図1の実施例コネクタに適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の態様を示す説明図である。
【図3】図1の実施例コネクタに適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の他の態様を示す説明図である。
【図4】本発明第2実施例のメモリカード用コネクタの、裏面平面図(a) 、側面図(b) 、およびプリント基板への実装状態と内部の弾性コンタクト(弾性コンタクト;電極)を明示した側断面図(c) 、(d) である。
【図5】図4の実施例コネクタに適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の他の態様を示す説明図である。
【図6】従来のメモリカード用コネクタの一例を説明する図である。
【図7】マルチメディアカードの裏面(端子側面)を示す平面図(a)、および本発明に係るカード例の裏面(端子側面)を示す平面図(b) である。
【符号の説明】
71,72…平面電極(列)
100,300…メモリカード
110,310…カード収容体
111,311…収容空間(穴部)
111a,311a…メモリカード挿入口
112,312…底板部
112a,312a…下側表面(底面)
113,313…突出支持部
114,314…端部側壁
115,116…貫通孔
117,317…係合突起
120,320…第1弾性コンタクト
120a,320a…表面実装用端子(半田付け用端子)
130,330…第2弾性コンタクト
130a,330a…表面実装用端子(半田付け用端子)
140…カバー
140a…固定用爪
141…係合孔
200,400…プリント基板
201,201’,401…貫通孔(切り欠き部)
202,203,405,406,407…ランド
315…溝部
CD…メモリカード
F…前端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子装置等にマルチメディアカードやSD(Secure Digital)カード等の着脱自在なカード状の小形メモリカードを装着するために、プリント基板に表面実装されるメモリカード用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリは、各種電子装置に固定的に組み込まれる以外にも、電子装置に設けられたコネクタに着脱自在なメモリカードの形態で使用される。近年、半導体メモリの大容量化および小形化が著しく進み、メモリカードも一段と小形の寸法規格に準拠したものが実用化されている。
【0003】
例えば、メモリカードの一規格に準拠したMMC(マルチメディアカード)は、32mm×24mm×1.4mmの外形寸法で内部にフラッシュメモリ素子がモールドされており、64Mバイトを超える容量を持つものも実用化されている。SD(Secure Digital)カードは、32mm×24mm×2.1mmの外形寸法となっている。これらのメモリカードは、記憶容量が大きくかつ小型であることから、携帯電話やデジタルカメラ等の小型の電子機器に搭載されるようになってきている。
【0004】
ところで、一般にメモリカードは電子機器に設けられたメモリカード用コネクタに装着して使用される。この時、回路基板に表面実装するようにしたコネクタも多い。この種のメモリカード用コネクタはメモリカードの種類毎に定められた接続端子配列電気的仕様規格や寸法規格等に適合するように設計されている。
【0005】
一般に、ほぼ偏平直方体形状のメモリカードにおいて、外部との電気接続のための端子は、メモリカードの長手方向の一端面に規定配置で多数のレセクタプルを設けるか(第1形態)、或いは、カードの表面あるいは裏面の所定位置に互いに絶縁された適宜面積の平面電極を多数個密集して形成される(第2形態)。
【0006】
メモリカードに対応するコネクタは、前記第1形態のカード端部に接続端子を持つメモリカード用のものは、一般的にメモリカードを収納する直方体状の空間部を形成してこの空間部の一端に接続端子(レセクタプル)群に対応して同数の接続ピンを設けるとともに他方端は外部に開口している。この開口部よりメモリカードを挿入することによりメモリカードとコネクタが電気接続される。
【0007】
前記第2形態の、カードの片表面上に平面電極を設けたメモリカード用のコネクタは、一般的にメモリカード全体あるいはその一部を収納する直方体状の空間部を形成し、この空間部の一端を外部に開口させ、この開口部より挿入したメモリカードが所定位置に収まった状態で、個々に付勢されて前記平面電極に押圧接触する複数の弾性コンタクト(接触子)を設けた構造をとっている。これにより挿入されたメモリカードとコネクタが電気接続される。
【0008】
なお、これらコネクタは、メモリカード取り出しを考慮して、収容されたメモリカードの外方側部分が表出するように形成してあるか、或いは適宜のイジェクト手段を備える等の配慮がされている。例えば、〔特許文献1〕あるいは〔特許文献2〕には、ICカード用コネクタ(コネクタ)とそのイジェクト機構が開示されている。
【0009】
ICカード用コネクタにおいて、電子機器については、規格の異なる複数種類のメモリカードを使えると利便性が増す。従って、メモリカード用コネクタにも複数種類のメモリカードに対応したものがある(例えば、特許文献3参照。)。図6は、〔特許文献3〕に添付された図(符号は本明細書での符号と対応関係にない)であり、メモリカード用コネクタ1とSDカード50、SIMカード60が示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−162894号公報
【特許文献2】
特開平2002−124328号公報
【特許文献3】
特開2001−307801号公報
【0011】
種類の異なるメモリカードのうちで、特にマルチメディアカードとSDカードは、平面形状も同じで電極端子にも共通部があるため、単一のメモリカード用コネクタで同一の挿入口で両者共用できるようにしたものが既に提供されている。マルチメディアカード60の裏面(端子側面)を図7(a) に平面図で示す。マルチメディアカードの短辺縁部の7個の平面電極列61は、SDカードの9個の平面電極列の中央よりのものと略位置互換性がある。なお、SDカードの平面電極列(図6では51)の厚み方向位置(上面からの距離)は、マルチメディアカードと同じになっている。なお、SDカードでは本体部分は平面電極面から更に下方まで伸びており特に平面電極間では隔壁となっている(図6参照)。
【0012】
ところで、メモリカードの外形寸法の小形化および多機能化に伴い、接続端子数が増加し、カードの片表面上に平面電極を設けるものでは端部から離れた位置にも平面電極が設けられる。図7(b)に、このようなメモリカードの一例を裏面(端子側面)の平面図で示す。図のメモリカードは、マルチメディアカードと同一サイズであり、マルチメディアカードとSDカードの機能を発展統合させたものである。図に示すように、裏面にSDカードと略互換の既存の平面電極列71と、端部から離れた中心寄り位置に短辺に平行に一列に新たに6つの平面電極72とが設けられ、平面電極列71の両端のものは、あらたに設けられた平面電極列72の両端のものに接続してパターンが形成されている。
【0013】
図7(b) のメモリカード(以下、便宜上略して新カードとも記載する)に対応したメモリカード用コネクタは、当然にマルチメディアカードに用いられる(上位互換性がある)、更にSDカードについても共用できる構成とするのが好ましい。このためには、メモリカードの収容空間部は、より厚いSDカードに合わせた厚みを確保することになる。
【0014】
この場合、SDカードを装着した際には、上述したカードの短辺端部から離れた位置の平面電極72に対応する弾性コンタクトは、SDカードの形状から必然的にSDカードの下面位置まで下方に変位しなければならないため、SDカード対応のコネクタで従来実現されていた限られた小寸法サイズ内で高信頼性のものを得ようとすると、端部から近い既存位置の平面電極のみに対応した弾性コンタクトと同様な設計にては充分には対応できず、違った特性・構造が必要となる。すなわち、単に従来技術を転用しコネクタ端部から長い弾性コンタクトを支持しただけでは、所望の接触圧力や耐久性を得ることができず挫屈するなどの不都合が生じる。なお、コネクタの厚み方向に制限を設けずコネクタの大型化を許容するならば事情は異なり解決方法はあるが、大型化は好ましくないものとしてここでは考えない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情は、上述した共用コネクタの場合に限らず表面実装用の小形メモリカード用コネクタを少ない厚み寸法で構成しようとする場合にひろく当てはまるもので、従来同等の信頼性を保ちながら表面実装用のプリント基板面からできるだけ少ない高さ(離間距離)で、メモリカード下面の平面電極を位置させることのできる弾性コンタクト構成を持ったコネクタ技術の開発が課題となる。
【0016】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたもので、既述したような平面電極を配置したメモリカード用の表面実装されるコネクタにおいて、平面電極と表面実装面間の距離を少なくしてプリント基板表面からの高さを抑えた構成の薄形のメモリカード用コネクタを得ることを主な目的とするものである。また、前述した新カードのような端部から離れた位置に平面電極を配置したメモリカードに対して高い信頼性で対応できる構成のメモリカード用コネクタ、新カードとSDカードを共用できるメモリカード用コネクタを提供することも目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明では、矩形薄板状で片面に平面電極を配したメモリカードに対応した、略矩形薄板状でプリント基板に表面実装されるメモリカード用コネクタを、一方の側端面にメモリカード挿入口が開口した収容空間を上部に設けるとともに下方の表面実装面となる底面より更に下方に突出しプリント基板に設ける所定貫通孔に対応した突出支持部を具備した絶縁体でなる有底矩形状のカード収容体と、前記突出支持部に支持される長尺薄板状で弾性を有する金属でなる多数の第1弾性コンタクト群とを含み構成し、前記第1弾性コンタクトそれぞれが、表面実装面位置で表面実装用電極部となる一方の端部の近傍が前記表面実装面位置または前記表面実装面より下方位置で前記突出支持部に支持されて延在し、他方の端部が前記収容空間に先端接触部として位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の各平面電極に個々に接触するように構成する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメモリカード用コネクタにおいて、前記突出支持部が、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極の位置よりも前記挿入口側に形成されるとともに、この突出支持部に支持される前記第1弾性コンタクトは、前記先端接触部が前記カード収容体の軸方向端部側壁に向けて伸び前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のメモリカード用コネクタにおいて、前記突出支持部が、前記カード収容体の軸方向端部側に端部側壁に連続して形成されるとともに、この突出支持部に前記表面実装面より下方位置で支持される前記第1弾性コンタクトは、前記先端接触部が前記カード収容体の挿入口側に向けて伸び前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明では、請求項2または請求項3のいずれかに記載のメモリカード用コネクタにおいて、更に、表面実装面位置で表面実装用電極部となる一方の端部の近傍が前記カード収容体の軸方向端部側壁に前記表面実装面位置または前記表面実装面より上方位置で固定されて延在し、他方の端部が前記収容空間に先端接触部として位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触する多数の第2弾性コンタクト群を備えた構成とする。請求項5に記載の発明では、前記収容空間および前記第2弾性コンタクト群を、マルチメディアカードおよび/またはSDカードに適合したものにする。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕以下、実施例をあげ図を用いて本発明について詳細に説明する。図1(a)は実施例メモリカード用コネクタの収容体および弾性コンタクトを明示した裏面平面図、図1(b)は同じく側面図(共にカバーについては破線で示す)、また、図1(c) はプリント基板に実装して新カードを装着した状態で示す側断面図である。なお、図1(c) には弾性コンタクトのカード非装着時の形状(先端位置:符号M、M′)を併せて示してある。
【0022】
この実施例では、突出支持部が、収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極の位置よりも挿入口側に形成され、また、この突出支持部に略表面実装面位置で固定された第1弾性コンタクト群は長尺部分がカード収容体の軸方向端部側壁に向けて伸びて先端接触部が収容空間内に位置して収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されている。
【0023】
図1を参照して第1実施例のメモリカード用コネクタ100 の構成を説明する。このメモリカード用コネクタ100 は主として、絶縁材料でなり下面に下方突出部111が形成されているカード収容体110(以下、単に収容体と記す)と、この収容体110に固設された弾性コンタクト(第1弾性コンタクト群120および第2弾性コンタクト群130)、および収容体の上面と両側面を覆うカバー140とで構成されている。
【0024】
図において、110は電気絶縁性を有した、ほぼ直方体形状の偏平なカード収容体(基体)であり、上面側には、適合するメモリカード(マルチメディアカードおよび/またはSDカードを含む)を収納するためにメモリカードの軸方向断面形状および平面形状に合わせ、また、一方の側端面にメモリカード挿入口110aが開口した収容空間111が穴状に形成され、下部に底板部112を残した形状をしている。本実施例ではメモリカードCDの前端側1/2が収容空間111に収容される。
【0025】
カード収容体111の下側表面(底面)112aの大部分は表面実装面になるが下側表面の後端(図では右方)には前記表面実装面より更に下方に突出して幅方向に帯状に伸びる突出支持部113が形成されている。この帯状の突出支持部113には前記下側表面(表面実装面)と略同じ位置に、後述する第1弾性コンタクト120が支持されている。換言すると、第1弾性コンタクト120は突出支持部の上端部と前記底板部112との境界部分に埋め込まれている。
【0026】
前記カード収容体の軸方向一方の端部F(図1では左方の端部、以下では前端部という)は、端部側壁114を残して幅方向(図における上下方向)中央部に狭幅帯状の貫通孔115が形成されていて収容空間111に連通している。また、底板部112の前記帯状の突出支持部113の前端側で図7(b) のメモリカードの中心側の電極列72に対応する部位に矩形状の貫通孔116が2カ所形成されていて収容空間111に連通している。
【0027】
このような形状のカード収容体110は、例えばガラス繊維を混入して強化した液晶ポリマー樹脂(LCP)やポリカーボネイト等適宜の合成樹脂材料を用いて、例えば射出成型により一体に形成することができる。カバー140が組合わさると一方の端部のみ開口したカード収容空間111が形成され、メモリカードCDが電極面を下向きに挿入口111aから挿入される。なお、イジェクト機構は特には設けておらずカードCDの露出した後端を摘んで引抜くことができる。
【0028】
次に、弾性コンタクト(弾性接触子)について説明する。本メモリカード用コネクタ100には、図7(b)のメモリカード先端寄りに一列に配置された各平面電極群71に個々に接触する第2弾性コンタクト130と、図7(b)符号72の各中央寄り電極群72に対応した第1弾性コンタクト120とが設けられている。個々の弾性コンタクトは、弾性金属材料で作られている。それぞれの弾性コンタクトのメモリカードに接触させる先端側は上方に反らせるとともに先端部は上方を凸面として円弧状に湾曲させてあるか(第2弾性コンタクト)、先端を下方に折り曲げてあり(第1弾性コンタクト)、挿入されて水平方向からスライドしてくるメモリカードCDに弾性力で押圧接触する。規定挿入位置では、各先端は、メモリカードの位置対応する平面電極71,72と接触して電気的に接続される。
【0029】
先ず、前記端部側壁114には、図7(b) の平面電極71に対応して(これは、マルチメディアカードおよびSDカードの平面電極にも対応)、従来同様の長尺薄板状で弾性を有する金属でなる第2弾性コンタクト群130が取り付けられている。すなわち、カード収容体110のメモリカードの嵌め込み方向(軸方向;図1では左右方向。右方よりカードが挿入される)の一方の端部F(図では左方端、以下、前端部という)の表面実装面の少し上の位置には、電極として金属板でなる弾性コンタクト130が実施例では9本、所定間隔で固定されている。
【0030】
この第2弾性コンタクト130は、一方の端部の近傍幅広部分が該端部を外方にして端部側壁114に固定されて延在し、前記一方の端部は所定形状に屈曲されて収容体下側表面112a(表面実装面)の高さまで湾曲下降して水平になった先端130aが表面実装用の半田付け端子となる。そして他方側は前記収容空間111に位置して上方に反らせ、また先端部130bは上方を凸面に円弧状に屈曲変形させてある。その先端頂部M′は常態では湾曲部頂部は前記収容空間内に突出していて、前記収容空間111内に収容されたメモリカード下面の平面電極71に個々に接触する先端接触部となる。なお、弾性コンタクトの中央よりの2本は他のものより長いがこれは活線接続制御に適合させるためである。既述したようにカード収容体110は弾性コンタクト群130の下方部分に矩形状の貫通孔115が形成してあり弾性コンタクトの変形移動を妨げないようになっている。
【0031】
このように、各第2弾性コンタクトは、従来と同様にその一方の端部の近傍が収容体の側壁部の下面から僅かに高い位置に一列に一体成形されて支持されていてその先端は開口側に伸び、他端は側壁から突出しており表面実装の際にプリント基板に半田付けされる表面実装用端子となる。
【0032】
一方、図7(b) のメモリカード中心寄りの平面電極列72に個別に接触するものとして、表面実装面と略同じ位置、すなわち、前記下方突出部113の上端位置(前記底板部112との境の位置)に、やはり長尺薄板状で弾性を有する金属でなる第1弾性コンタクト群120が一列に取り付けられている。
【0033】
これら第1弾性コンタクト120は、一方の端部120aの近傍幅広部が該端部が開口側になるように下方突出部113に支持されていて、当該端部120aは収容体の下側表面112(表面実装面)に沿って開口側に延びて、表面実装の際にプリント基板に半田付けされる表面実装用端子120aとなる。第1弾性コンタクト120の反対側部分は上方に反らせて前記収容空間111に延在して、また先端部120bは下方に僅かに屈曲変形させてある。この先端屈曲部Mが、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の平面電極72に個々に接触する先端接触部となる。
【0034】
これら弾性コンタクト120,130は、所定部位に設けた取付孔に後から嵌め込んで組付けてもよいが、カード収容体110を成型加工により製造する時に同時に埋め込むことで一体に形成しても良い。各弾性コンタクトの表面実装用端子120a,130aが、所定プリント基板の対応するランドに半田付けされる。
【0035】
前記カバー140は、真鍮等の金属薄板製で断面コ字状に加工されていてメッキをほどこしてあり、前記収容体110を上面から覆うようにして収容体に係合・固定されている。固定は、前記収容体の側面それぞれに2カ所形成されている係合突起117とこれに対応してカバー140の両脚部それぞれに2つ設けた矩形の係合孔141とを嵌合させて行っている。140aはプリント基板のランドに半田付けするためにカバー底部で折り曲げた固定用爪である。
【0036】
以上のように構成された本実施例のコネクタは、プリント基板上の所定加工を施してある実装位置に表面実装される。プリント基板上で本発明のメモリカード用コネクタを実装する位置には、メモリカードコネクタを固定するためにコネクタの全ての弾性コンタクトの表面実装用端子120a,130aに対応する位置とケースの固定用爪140a(シールド用接続部)に対応する位置とに接続用のランド(接続用電極部)を設けておく。またプリント基板の前記下方突出部113に対応する領域および第1弾性コンタクト120の下方となる部分(前述収容体の貫通穴部116に相当する部分に一致させる)には、対応する断面形状の貫通孔(切欠き)が予め形成されている。図2に、この実施例に適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の態様を示す。また、前述の図1(c) の側断面図は、実施例コネクタを図2のように加工したプリント基板の該当部へ取付けた状態を示している。200はプリント基板、201は突出部等に対応して切り欠いた貫通孔(切り欠き部)、202,203は前記表面実装用端子が半田付けされるランド、204は前記カバーの固定用爪114aが半田付けされるランドである。プリント基板の孔加工は、図3に示すように、第2弾性コンタクト130の下方位置部分を合わせて切り欠いた大きな貫通孔201′を形成しても良い。
【0037】
プリント基板は小形機器用では例えば0.3mm程度であるが、殆どの小形電子装置で採用される両面実装基板の場合には、実施例のコネクタはプリント基板に実装した状態でも通常は不都合は生じない。一般には表面実装されるその他の電子部品高さは少なくとも1mm程度あり、前述した突出部はプリント基板の裏面側にこれより突出することはないからである。
【0038】
本実施例コネクタの作用を説明する。コネクタ100 にメモリカードCDを装着するには、メモリカードCDを向きを合わせてコネクタの開口部から差しみ、奥まで押し込むことで安定した装着状態となる。この状態ではメモリカード下面の平面電極(電極パッド)夫々には対応する各弾性コンタクトの先端が押圧されて個々に接触して所定の電気接続がなされる。挿入されたカードが、図7(b) に示した新カードの場合は、第1弾性コンタクト群120は、平面電極72に接触して電気接続がなされる。しかし、挿入カードがマルチメディアカードあるいはSDカードの場合には、第1弾性コンタクト120は、カード下面の絶縁体の下面に接触するのみで電気的には機能しない。特に、SDカードが挿入された場合には弾性コンタクト120の先端部分は、突出支持部の内部空間内で表面実装面より更に下方側まで変位することができる。また、SDカード挿入時には、カード下面は、先ず第1弾性コンタクト120の斜面部に当たるため引っかかったりせずスムーズに奥まで挿入できる。カードの取り外し時は、挿入してあるカードの後端をつまんで容易に取り出せる。
【0039】
以上説明した、実施例のメモリカード用コネクタは、マルチメディアカードとSDカードを含め、複数のカードに適合していながら、上述構成によって表面実装面よりの高さが極めて低く抑えられていて薄型であり、従って、搭載装置の薄型化・小形化が容易に行える。
【0040】
〔第2実施例〕次に、図4を用いて本発明の第2の実施例について説明する。図4の(a) 〜(d) の各図は本発明のメモリカード用コネクタの第2実施例を示す図で、(a) は裏面平面図であり(b) は側面図、(c) および(d) は夫々プリント基板への実装状態と内部の弾性コンタクト(接触子電極)を明示した側断面図である。
【0041】
この実施例のコネクタ300も、前実施例と同様に、絶縁材料でなり下面に下方突出部が形成されているカード収容体310と、この収容体310に固設された弾性コンタクト(第1弾性コンタクト群320および第2弾性コンタクト群330)、および収容体の上面と両側面を覆うカバー140とで構成されている。
【0042】
この実施例では第1弾性コンタクト群320を支持する突出支持部313が、軸方向端部側壁側で有底中空に形成されている。そして、この突出支持部313に略表面実装面位置よりも更に下方位置で第1弾性コンタクト群320が固定され、その長尺部分がカード収容空間部に向けて伸びて先端接触部が収容空間内に位置していて収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成してある。
【0043】
第2実施例のメモリカード用コネクタ300のカード収容体310は、図4に示すように、ほぼ直方体形状の偏平で、上面側には、適合する新メモリカード、マルチメディアカード、SDカードを収納するためにSDメモリカードの断面形状および平面形状に合わせ一方の側端面にメモリカード挿入口311aが開口した(収容空間)311が形成されて略有底矩形状をしている。収容空間311の下方には、底板部312が残っている。実施例ではカードの後端略1/4を残して約3/4の部分が収容空間311に収容される。
【0044】
前記カード収容体の軸方向一方の端部(前端部:図では左方の端部)には、端部側壁を残して幅方向(図4(a) にて上下方向)中央部に帯状の溝部315が収容空間311に連通して連続して形成されている。従って、下面は底板部312が、前端部には端部壁部314が垂直に残っている。また、表面実装面になる底板部312の前端部には、下面311a(前記表面実装面)より更に下方に突出して断面矩形で中空有底の突出支持部313が2カ所形成されている。突出支持部313の前端壁は、前記端部側壁314と同一面になっており、突出支持部313の内部空間316は前記溝部315および前記収容空間311に連通している。収容体310の側面には係合突起317が形成されていて、カバー140の両脚部の係合孔と嵌合する。
【0045】
このカード収容体310は、材質・製法等は前実施例同様で良い。カバー140が組合わさることで一方の端部のみ開口したカード収容空間311が形成され、メモリカードが電極面を下向きに電極側から挿入される。なお、カード収容体310の一方の側方部分にプッシュプッシュ式のイジェクト機構が組み込まれているがここでは説明は省略する。
【0046】
前記弾性コンタクトの内でメモリカード先端寄りの平面電極群に個々に接触する9本の第2弾性コンタクト330は、第1実施例の場合と全く同様で、その一方の端部の近傍が該端部をコネクタ外方にして端部側壁に固定されて延在し、前記一方の端部が所定形状に屈曲されて表面実装面まで下降して表面実装用の半田付け端子330aとなる。そして他方の端部は前記収容空間に位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触する先端接触部330bとなる。
【0047】
前記端部側壁の突出支持部313の空間内底面際位置、従って前記表面実装面より下方位置には、図4に示すように第1弾性コンタクト320が、一列に一体成形されて支持されている。各第1弾性コンタクト320は、一方の端部(320a)の近傍が該端部を外方にして突出支持部の端部側壁に固定されて延在し、前記一方の端部は所定形状に屈曲されて突出部内を収容体下面の高さまで湾曲上昇して端部側壁314から突出して後方に伸び表面実装の際にプリント基板に半田付けされる表面実装用端子320aとなる。 そして他方の端部は前記収容空間に位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の前記平面電極に個々に接触する先端接触部320bとなる。
【0048】
上述の収容体310と弾性コンタクト320,330の結合体に、上面を覆うカバー140が固定される。このカバー140および固定方法については、前実施例と全く同じであるから、説明は繰り返さない
【0049】
第2実施例のコネクタの使用方法は、第1実施例と略同様である。図5のプリント基板上のコネクタ取り付け部位の態様を示す説明図に示すように、プリント基板400に予め前記下方突出部313に対応した貫通孔401を開けておく。また、プリント基板上で実施例コネクタの全ての第1および第2の弾性コンタクトの表面実装用端子に対応する位置とケースのシールド用接続部に対応する位置に接続用のランド405,406,407を設けておく。これにより、実施例のコネクタもプリント基板上の所定位置に表面実装できる。
【0050】
この時、実施例のメモリカード用コネクタは、下面全てが封止された有底構造であるためリフロー炉を用いることができる。これに対して前第1実施例のコネクタはプリント基板の上下を貫通する孔部ができるため、リフロー炉を用いることができない。図4(c),(d) の側断面図は、プリント基板に表面実装された本実施例のコネクタを示している。
【0051】
コネクタ400にメモリカードを装着するには、メモリカードCDを向きを合わせてコネクタの開口部から差し込む。奥まで押し込むことでイジェクト機構にロックがかかり安定した装着状態となる。この状態でメモリカード下面の電極パッド夫々には各弾性コンタクトの先端接触部が個々に接触して所定の電気接続がなされる。なお、第1弾性コンタクト320の最先端部分は、挿入カードがマルチメディアカードあるいはSDカードの場合には下面の絶縁体の下面に接触するのみで電気的には機能しない。特に、SDカードが挿入された場合には第1弾性コンタクトの先端接触部は、突出部の内部空間部で表面実装面より更に下方側まで変位することができる。挿入されたカードが、図7(b) に示したカードの場合は、第1弾性コンタクト群320は、平面電極72に接触して電気接続される。 カードの取り外しは、挿入してあるカードの後端を押して、カードを更に奥まで押し込むとプッシュプッシュ式の係止機構のロックがはずれてコイルばねの弾性でカードが手前に移動してコネクタとの電気接触がはずれるとともに容易に摘んで取り出すことができる。
【0052】
以上説明した、各実施例のメモリカード用コネクタは、マルチメディアカードと新カードの両方、あるいは更にSDカードを含めた複数のカードに適合していながら、上述構成によって表面実装面よりの高さを極めて低く抑えられていて、搭載装置の薄型化・小形化が容易に行える。
【0053】
なお、第2実施例では、突出支持部を中空な構造としたが、第1弾性コンタクトが収容できれば良いので第1コンタクトの形状に合わせた溝を下方に向けて形成しておいても良い。また、両実施例は、マルチメディアカードとSDカードを含め、3種類のカードを共用できるように設計されたものを説明したが、本発明の技術を用いてマルチメディアカード専用のメモリコネクタとすることもでき、マルチメディアカード用の弾性コンタクト全てを下方突出部に取り付ることで、従来のものより更に薄型化ができる。これと同様に、本発明をこの種カードの特定単一種類専用の表面実装用のメモリカード用コネクタに適用すれば、等しくその薄型化が達成できる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本願発明によれば、メモリカード用コネクタにおいて、その表面実装面からの高さを抑えて小形化できる。特化した例として、マルチメディアカードに更に端子を加えたマルチメディアカードと上位互換のメモリカードと、SDカードとを共通に扱えるメモリカード用コネクタを、充分な信頼性を保ちつつ表面実装面からの高さをSDカードの厚さに極めて近づけた小形サイズで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例メモリカード用コネクタの収容体および弾性コンタクトを明示した裏面平面図(a) 、同じく側面図(b)、プリント基板に実装してカードを装着した状態で示す側断面図(c)である。
【図2】図1の実施例コネクタに適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の態様を示す説明図である。
【図3】図1の実施例コネクタに適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の他の態様を示す説明図である。
【図4】本発明第2実施例のメモリカード用コネクタの、裏面平面図(a) 、側面図(b) 、およびプリント基板への実装状態と内部の弾性コンタクト(弾性コンタクト;電極)を明示した側断面図(c) 、(d) である。
【図5】図4の実施例コネクタに適合した、プリント基板上のコネクタ取り付け部位の他の態様を示す説明図である。
【図6】従来のメモリカード用コネクタの一例を説明する図である。
【図7】マルチメディアカードの裏面(端子側面)を示す平面図(a)、および本発明に係るカード例の裏面(端子側面)を示す平面図(b) である。
【符号の説明】
71,72…平面電極(列)
100,300…メモリカード
110,310…カード収容体
111,311…収容空間(穴部)
111a,311a…メモリカード挿入口
112,312…底板部
112a,312a…下側表面(底面)
113,313…突出支持部
114,314…端部側壁
115,116…貫通孔
117,317…係合突起
120,320…第1弾性コンタクト
120a,320a…表面実装用端子(半田付け用端子)
130,330…第2弾性コンタクト
130a,330a…表面実装用端子(半田付け用端子)
140…カバー
140a…固定用爪
141…係合孔
200,400…プリント基板
201,201’,401…貫通孔(切り欠き部)
202,203,405,406,407…ランド
315…溝部
CD…メモリカード
F…前端部
Claims (5)
- 矩形薄板状で片面に平面電極を配したメモリカードに対応した、略矩形薄板状でプリント基板に表面実装されるメモリカード用コネクタであって、
一方の側端面にメモリカード挿入口が開口した収容空間を上部に設けるとともに下方の表面実装面となる底面より更に下方に突出しプリント基板に設ける所定貫通孔に対応した突出支持部を具備した絶縁体でなる有底矩形状のカード収容体と、前記突出支持部に支持される長尺薄板状で弾性を有する金属でなる多数の第1弾性コンタクト群とを含み構成され、
前記第1弾性コンタクトそれぞれが、表面実装面位置で表面実装用電極部となる一方の端部の近傍が前記表面実装面位置または前記表面実装面より下方位置で前記突出支持部に支持されて延在し、他方の端部が前記収容空間に先端接触部として位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の各平面電極に個々に接触するように構成されていることを特徴とするメモリカード用コネクタ。 - 前記突出支持部が、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極の位置よりも前記挿入口側に形成されるとともに、この突出支持部に支持される前記第1弾性コンタクトは、前記先端接触部が前記カード収容体の軸方向端部側壁に向けて伸び前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のメモリカード用コネクタ。
- 前記突出支持部が、前記カード収容体の軸方向端部側に端部側壁に連続して形成されるとともに、この突出支持部に前記表面実装面より下方位置で支持される前記第1弾性コンタクトは、前記先端接触部が前記カード収容体の挿入口側に向けて伸び前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のメモリカード用コネクタ。
- 請求項2または請求項3のいずれかに記載のメモリカード用コネクタであって、更に、表面実装面位置で表面実装用電極部となる一方の端部の近傍が前記カード収容体の軸方向端部側壁に前記表面実装面位置または前記表面実装面より上方位置で固定されて延在し、他方の端部が前記収容空間に先端接触部として位置して、前記収容空間内に収容されたメモリカード下面の所定平面電極に個々に接触する多数の第2弾性コンタクト群を備えたことを特徴とするメモリカード用コネクタ。
- 前記収容空間および前記第2弾性コンタクト群を、マルチメディアカードおよび/またはSDカードに適合させたことを特徴とする請求項4に記載のメモリカード用コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002314554A JP2004152541A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | メモリカード用コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002314554A JP2004152541A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | メモリカード用コネクタ |
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JP2004152541A true JP2004152541A (ja) | 2004-05-27 |
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ID=32458832
Family Applications (1)
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JP2002314554A Withdrawn JP2004152541A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | メモリカード用コネクタ |
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JP (1) | JP2004152541A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100884430B1 (ko) * | 2005-09-14 | 2009-02-19 | 파나소닉 전공 주식회사 | 메모리 카드 유지 구조체 |
JP2014207139A (ja) * | 2013-04-12 | 2014-10-30 | 三菱電機株式会社 | コネクタ |
JP2014232606A (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-11 | タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 | カードコネクタ及びカードコネクタ実装構造 |
-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314554A patent/JP2004152541A/ja not_active Withdrawn
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |