JP2004254607A - 釣り用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】釣り用具をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、確実なセッティングによる緩みの防止を図ることのできる釣り用具を提供すること
【解決手段】元竿管12に螺合する尻栓14に小径部42を介して固定される大径部44と、この大径部44から突出して元竿管12の解放部28の内面との間で摺動抵抗を形成する突部46とを有する摺動部材40を備え、この突部46は、尻栓14の締め付け方向における摺動抵抗よりも大きな摺動抵抗を戻し方向で形成する釣竿。
【選択図】 図3
【解決手段】元竿管12に螺合する尻栓14に小径部42を介して固定される大径部44と、この大径部44から突出して元竿管12の解放部28の内面との間で摺動抵抗を形成する突部46とを有する摺動部材40を備え、この突部46は、尻栓14の締め付け方向における摺動抵抗よりも大きな摺動抵抗を戻し方向で形成する釣竿。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り用具に関し、特に、互いに螺合する2つの部材を備えた釣り用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣り用具には、竿尻の解放部に螺合する尻栓に、竿尻の内周面と接触するOリング状の弾性体を装着し、竿尻に対して尻栓を回動させるときに、竿尻の内周面との間で摺動抵抗を形成するものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平2−87463号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の弾性体は、滑らかな外周面を有する環状体であるため、例えば尻栓を竿尻の開放部内に締め込むときと、緩めるときとで同じ大きさの摺動抵抗を形成する。このため、弾性体の外径を大きくして竿尻の内周面との間の摺動抵抗を大きくすると、尻栓が緩み難く、尻栓の脱落を抑制することができるが、しかし、この尻栓を締め込むときに大きな摺動抵抗に対抗する大きな力を必要とし、締め込み操作が面倒で扱い難い。逆に、弾性体の外径を小さくして尻栓の締め込みを容易とすると、この場合には摺動抵抗が小さいために尻栓が緩み易く、釣り操作中に尻栓が緩んで脱落する虞があり、円滑な釣り操作を阻害することになる。しかも、弾性体の外径によって、竿尻を固定する力が大きく変動し、その調整が困難である。
【0005】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたもので、釣り用具をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、確実なセッティングによる緩みの防止を図ることのできる釣り用具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の釣り用具は、互いに螺合する2つの部材を備えた釣り用具であって、前記2つの部材のうちの一方の部材に設けられる本体部と、この本体部から突出して他方の部材との間で摺動抵抗を形成する摺動部とを有する摺動部材を備え、この摺動部材の摺動部は、2つの部材の締め付け方向における摺動抵抗よりも大きな摺動抵抗を戻し方向で形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1から図3は、本発明の好ましい実施形態による釣り用具を示す。本実施形態の釣り用具は、例えば海釣り用の磯上物竿である釣竿10として形成してあり、特に元竿管12の竿尻に形成した解放部に螺合する尻栓14に用いてある。
図1にその全体の概略を示すように、本実施形態の釣竿10は、竿尻に尻栓14を螺合した大径の元竿管12を有し、穂先側の穂先竿管16から竿尻側に順に第1,第2,第3中竿管18,20,22を継合わせて形成してある。これらの穂先竿管16及び各中竿管18,20,22は、基端外周面と先端内周面との各継合部P1〜P4で継合される振り出し構造であって、元竿管12に収納することができる。これらの各竿管は、強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化プリプレグ(FRP)を芯金に巻回した後、硬化、脱芯等の通常の工程を経て形成される。
【0008】
元竿管12と穂先竿管16との間の中竿管の継数については上述の3本に限定されることはない。また、例えば第2,第3中竿管を省略して、第1中竿管18を元竿管12に継合させてもよく、元竿管12と第3中竿管22とを並継ぎにする等、部分的に並継ぎ構造を採用してもよい。また、元竿管12の竿尻側に握り部13を設けてあるが、この握り部13の形態も図示のものに限定されることはなく、省略することも可能である。更に、元竿管12の後方に、更に大径の竿管を設けることも可能である。
【0009】
本実施形態の釣竿10は中通し式に形成してあり、元竿管12には、各種のリールを固定するリールシート24が設けられ、この穂先側には、リールから延びる釣糸を側面から竿管内部に導入する釣糸導入ガイド26が糸巻き等、公知の固定手段によって取付けられている。そして、釣糸導入ガイド26から元竿管12内に導入された釣糸は、第1,第2,第3中竿管18,20,22および穂先竿管16内を、それぞれの竿管内に設けられた釣糸ガイドで案内され、穂先竿管16の先端に着脱自在に設けられるのが好ましいトップガイド17から外部に導出される。これにより、リールから繰出された釣糸は、糸抵抗を低減された状態で釣竿10の内部を挿通される。なお、このように釣糸を竿管の内部に沿って案内する中通し式に代え、竿管の外側に沿って案内する外通し式としてもよい。
【0010】
図2に詳細に示すように、元竿管12の竿尻には雌ねじを形成した解放部28を形成してあり、この解放部28を介して上述の穂先竿管16および中竿管18〜22を元竿管12に出し入れすることができる。そして、この解放部28を閉じる尻栓14は、元竿管12に螺合される竿尻リング30と尻栓キャップ32とを有し、この尻栓キャップ32は合成ゴムあるいは天然ゴム等の弾性材で形成され、竿尻リング30と竿尻キャップ32は解放部28の後端部に着脱自在に連結される。
【0011】
竿尻リング30は、元竿管12内に挿入される筒状部34に、解放部28の雌ねじと螺合する雄ねじを形成され、この筒部34の後端側から半径方向外方に突出するフランジ部36の外周面には、刻み目36aを形成し、脱着する際の取扱い操作を容易にしてある。この竿尻リング30は、フランジ部36の後端側に、尻栓キャップ32を取付ける周方向溝38を形成し、先端側には、元竿管12の内周面と摺動する摺動部材40が固定されている。
図3に示すように、本実施形態の摺動部材40は、小径部42と大径部44とを有する段付き構造のディスク状本体部を備えており、図2に示すように、この小径部42が竿尻リング30の筒状部34の先端に嵌合され、大径部44がこの筒状部34の先端から突出する。この大径部44の外径は、筒状部34の外径とほぼ同じかあるいはこれよりも僅かに小径に形成するのが好ましい。
【0012】
この摺動部材40の筒状部34から突出する大径部44の外周部上には、摺動部として、図3の(B)に示すように多数の突部46がほぼ等間隔に配置されている。これらの突部46の先端部は、自然の状態で、尻栓14の螺合相手である元竿管12の内面よりも大径の円を形成する。したがって尻栓14と共に元竿管12の解放部28に螺合したときに、この突部46の先端部が解放部28の内面に接触し、この内面を半径方向外方に押圧することができる。また、これらの突部46は、大径部44の半径方向に沿って突出するのではなく、解放部28の雌ねじに尻栓14を捩じ込む締め付け方向(矢印Aの方向)側とは逆の戻し方向側に傾斜する。例えば筒状部34の外周部に形成した雄ねじが右ねじの場合には、図3の(B)に示すように基端側から先端側を見た状態で、筒状部34の戻し方向側である左側に傾斜する。逆に、筒状部34の雄ねじが左ねじの場合には、図3の(B)に示す傾斜方向とは反対方向すなわち矢印Aで示す方向側に傾斜する。なお、このような突部46を雌ねじ側に設ける場合も、突部46の傾斜方向は、この雌ねじの締め付け方向とは逆の戻し方向側に傾斜させた状態に配置する。
【0013】
このように螺合する際の締め付け方向とは逆の戻し方向側に傾斜した突部46は、尻栓14を元竿管12の開放部28に捩じ込む際、図3の(B)に示す矢印Aの方向に回転すると、先端部が元竿管12の内周面に沿って摺動し、傾斜方向と同じ方向の摩擦抵抗がこの先端部に作用する。この摩擦抵抗は、突部46の先端部を大径部44の半径方向内方に移動させるように作用し、開放部28の内面に対する押圧力を減じる。したがって、尻栓14を開放部28の雌ねじに螺合する際、摺動部材40は元竿管12から大きな摺動抵抗を受けることはない。
【0014】
一方、図2に示す締め付け状態から、尻栓14を緩める方向すなわち図3の(B)の矢印Aとは反対の戻し方向に回転すると、突部46の先端部の摩擦抵抗は、突部46の傾斜方向とは逆方向すなわち突部46を逆立たせあるいは立上がらせる方向に作用し、解放部28の内面に対する押圧力を増大する。したがって、尻栓14を開放部28からねじ戻そうとすると、摺動部材40は元竿管12から大きな摺動抵抗を受ける。この摺動抵抗は、突部46の先端部が開放部28の内面と接触している限りほぼ同じ大きさで持続する。このため、釣り操作中に尻栓14の緩みが防止されると共に、仮に、ある程度緩んだ状態であっても、脱落を防止することができる。
【0015】
このような摺動部材40の締め付け方向の摺動抵抗が小さく、戻し方向の摺動抵抗が大きい特性は、突部46と解放部28の内面とが接触しているときに常に得ることができる。したがって、この摺動部材40は、高度の寸法精度を必要とすることなく、尻栓14の安定した固定力を形成することができる。
これにより、尻栓14をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、その安定した固定力を通じた確実なセッティングによる緩みの防止を図ることができる。
【0016】
この摺動部材40は、ゴム弾性を有する材料で形成するのが好ましく、特に、天然あるいは合成ゴム、エラストマーの他、ABS、ナイロン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂で形成することが好ましい。また、小径部42と大径部44とで形成される本体部に対して、突部46をこれと異なる材料で形成することも可能である。
【0017】
なお、図2に符号15で示すようなOリングを、尻栓14と元竿管12との間に介挿してもよい。このOリング15は、尻栓14と元竿管12との間のシール作用と共に、その軸方向の付勢力で尻栓14の緩み止め作用をなす。このようなOリング15は省略することも可能であり、この場合には、摺動部材40でシール作用を行うことも可能である。
【0018】
図4は、他の実施形態による摺動部材40Aを示す。なお、以下に説明する種々の実施形態あるいは変形例は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、上述の部材と同様な部材には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示す摺動部材40Aでは、突部46は、図4の(B)に矢印Aで示す尻栓14の締め付け方向側に形成された緩傾斜面47と、これとは反対の戻し方向側に形成された急傾斜面45とで形成してある。このため、尻栓14と共に摺動部材40Aが矢印Aで示す締め付け方向に回転すると、この突部46は、開放部28の内面と緩傾斜面47で接触し、この内面の微小な凹凸を簡単に乗り上げることができ、摩擦抵抗が小さく、したがって摺動部材40Aが元竿管12から大きな摺動抵抗を受けることはない。逆に、尻栓14と共に摺動部材40Aを矢印Aと逆の戻し方向に回転すると、急傾斜面45が開放部28の内面から大きな摩擦抵抗を受け、したがって、図3に示す摺動部材40と同様に、戻し方向で大きな摺動抵抗が形成される。
【0019】
図5および図6は、更に他の実施形態による摺動部材40Bを示す。
この実施形態の摺動部材40Bは、半径方向外方に付勢され、本体部の大径部44から突出する突起48を有する。この突起48は締め付け方向および戻し方向の双方を同様な曲面で形成してある。一方、尻栓14が螺合する元竿管12の開放部28の内面には、図6に示すように、軸方向に延びる多数の軸方向溝50を形成してある。この軸方向に溝50は、尻栓14の矢印Aで示す締め付け方向側に形成された緩傾斜面51と、これとは逆の戻し方向側に形成された急傾斜面49とを有し、この緩傾斜面51は、突起48に対して小さな摺動抵抗を形成し、急傾斜面49は、突起48に対して大きな摺動抵抗を形成する。このような突起48は、図示のように1つに限らず、複数設けてもよい。
【0020】
この実施形態における摺動部材40Bも、上述の実施形態と同様に、尻栓14の締め付け方向の摺動抵抗が小さく、戻し方向の摺動抵抗が大きな安定した固定力を通じて尻栓14の緩みを確実に防止することができる。
【0021】
なお、上述の種々の実施形態では、摺動部材40,40A,40Bの本体部を、小径部42と大径部44とで形成し、この小径部42を筒状部34内に挿入して接着等により固定しているが、このような小径部を設けることなく、筒状部34の端面に接着し、あるいは尻竿リング30と一体成形してもよい。
また、図6に示すような軸方向溝50を、図3および図4に示す摺動部材40,40Aと組み合わせて用いることも可能である。この場合には、軸方向溝50は締め付け方向および戻し方向側の双方を同様な傾斜面あるいは湾曲面で形成することもできる。
更に、上述の摺動部材は、尻栓14に限らず、例えばリール脚固定装置の締め付け用ナット等、互いに螺合する2つの部材を備えるものであれば、適宜の部材に適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、釣り用具をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、確実なセッティングによる緩みの防止を図ることのできる釣り用具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による釣竿の概略図。
【図2】図1の釣竿の竿尻部を一部断面で示す拡大図。
【図3】図2の竿尻部に用いた摺動部材を示し(A)は縦方向断面図、(B)は(A)のB−B線方向から見た図。
【図4】他の実施形態による摺動部材を示す図3と同様な説明図。
【図5】更に他の実施形態による摺動部材の図3と同様な説明図。
【図6】図5の摺動部材との組合せに適した元竿管の軸方向溝の説明図。
【符号の説明】
12…元竿管、14…尻栓、40…摺動部材、42…小径部、44…大径部、46…突部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り用具に関し、特に、互いに螺合する2つの部材を備えた釣り用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣り用具には、竿尻の解放部に螺合する尻栓に、竿尻の内周面と接触するOリング状の弾性体を装着し、竿尻に対して尻栓を回動させるときに、竿尻の内周面との間で摺動抵抗を形成するものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平2−87463号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の弾性体は、滑らかな外周面を有する環状体であるため、例えば尻栓を竿尻の開放部内に締め込むときと、緩めるときとで同じ大きさの摺動抵抗を形成する。このため、弾性体の外径を大きくして竿尻の内周面との間の摺動抵抗を大きくすると、尻栓が緩み難く、尻栓の脱落を抑制することができるが、しかし、この尻栓を締め込むときに大きな摺動抵抗に対抗する大きな力を必要とし、締め込み操作が面倒で扱い難い。逆に、弾性体の外径を小さくして尻栓の締め込みを容易とすると、この場合には摺動抵抗が小さいために尻栓が緩み易く、釣り操作中に尻栓が緩んで脱落する虞があり、円滑な釣り操作を阻害することになる。しかも、弾性体の外径によって、竿尻を固定する力が大きく変動し、その調整が困難である。
【0005】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたもので、釣り用具をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、確実なセッティングによる緩みの防止を図ることのできる釣り用具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の釣り用具は、互いに螺合する2つの部材を備えた釣り用具であって、前記2つの部材のうちの一方の部材に設けられる本体部と、この本体部から突出して他方の部材との間で摺動抵抗を形成する摺動部とを有する摺動部材を備え、この摺動部材の摺動部は、2つの部材の締め付け方向における摺動抵抗よりも大きな摺動抵抗を戻し方向で形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1から図3は、本発明の好ましい実施形態による釣り用具を示す。本実施形態の釣り用具は、例えば海釣り用の磯上物竿である釣竿10として形成してあり、特に元竿管12の竿尻に形成した解放部に螺合する尻栓14に用いてある。
図1にその全体の概略を示すように、本実施形態の釣竿10は、竿尻に尻栓14を螺合した大径の元竿管12を有し、穂先側の穂先竿管16から竿尻側に順に第1,第2,第3中竿管18,20,22を継合わせて形成してある。これらの穂先竿管16及び各中竿管18,20,22は、基端外周面と先端内周面との各継合部P1〜P4で継合される振り出し構造であって、元竿管12に収納することができる。これらの各竿管は、強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化プリプレグ(FRP)を芯金に巻回した後、硬化、脱芯等の通常の工程を経て形成される。
【0008】
元竿管12と穂先竿管16との間の中竿管の継数については上述の3本に限定されることはない。また、例えば第2,第3中竿管を省略して、第1中竿管18を元竿管12に継合させてもよく、元竿管12と第3中竿管22とを並継ぎにする等、部分的に並継ぎ構造を採用してもよい。また、元竿管12の竿尻側に握り部13を設けてあるが、この握り部13の形態も図示のものに限定されることはなく、省略することも可能である。更に、元竿管12の後方に、更に大径の竿管を設けることも可能である。
【0009】
本実施形態の釣竿10は中通し式に形成してあり、元竿管12には、各種のリールを固定するリールシート24が設けられ、この穂先側には、リールから延びる釣糸を側面から竿管内部に導入する釣糸導入ガイド26が糸巻き等、公知の固定手段によって取付けられている。そして、釣糸導入ガイド26から元竿管12内に導入された釣糸は、第1,第2,第3中竿管18,20,22および穂先竿管16内を、それぞれの竿管内に設けられた釣糸ガイドで案内され、穂先竿管16の先端に着脱自在に設けられるのが好ましいトップガイド17から外部に導出される。これにより、リールから繰出された釣糸は、糸抵抗を低減された状態で釣竿10の内部を挿通される。なお、このように釣糸を竿管の内部に沿って案内する中通し式に代え、竿管の外側に沿って案内する外通し式としてもよい。
【0010】
図2に詳細に示すように、元竿管12の竿尻には雌ねじを形成した解放部28を形成してあり、この解放部28を介して上述の穂先竿管16および中竿管18〜22を元竿管12に出し入れすることができる。そして、この解放部28を閉じる尻栓14は、元竿管12に螺合される竿尻リング30と尻栓キャップ32とを有し、この尻栓キャップ32は合成ゴムあるいは天然ゴム等の弾性材で形成され、竿尻リング30と竿尻キャップ32は解放部28の後端部に着脱自在に連結される。
【0011】
竿尻リング30は、元竿管12内に挿入される筒状部34に、解放部28の雌ねじと螺合する雄ねじを形成され、この筒部34の後端側から半径方向外方に突出するフランジ部36の外周面には、刻み目36aを形成し、脱着する際の取扱い操作を容易にしてある。この竿尻リング30は、フランジ部36の後端側に、尻栓キャップ32を取付ける周方向溝38を形成し、先端側には、元竿管12の内周面と摺動する摺動部材40が固定されている。
図3に示すように、本実施形態の摺動部材40は、小径部42と大径部44とを有する段付き構造のディスク状本体部を備えており、図2に示すように、この小径部42が竿尻リング30の筒状部34の先端に嵌合され、大径部44がこの筒状部34の先端から突出する。この大径部44の外径は、筒状部34の外径とほぼ同じかあるいはこれよりも僅かに小径に形成するのが好ましい。
【0012】
この摺動部材40の筒状部34から突出する大径部44の外周部上には、摺動部として、図3の(B)に示すように多数の突部46がほぼ等間隔に配置されている。これらの突部46の先端部は、自然の状態で、尻栓14の螺合相手である元竿管12の内面よりも大径の円を形成する。したがって尻栓14と共に元竿管12の解放部28に螺合したときに、この突部46の先端部が解放部28の内面に接触し、この内面を半径方向外方に押圧することができる。また、これらの突部46は、大径部44の半径方向に沿って突出するのではなく、解放部28の雌ねじに尻栓14を捩じ込む締め付け方向(矢印Aの方向)側とは逆の戻し方向側に傾斜する。例えば筒状部34の外周部に形成した雄ねじが右ねじの場合には、図3の(B)に示すように基端側から先端側を見た状態で、筒状部34の戻し方向側である左側に傾斜する。逆に、筒状部34の雄ねじが左ねじの場合には、図3の(B)に示す傾斜方向とは反対方向すなわち矢印Aで示す方向側に傾斜する。なお、このような突部46を雌ねじ側に設ける場合も、突部46の傾斜方向は、この雌ねじの締め付け方向とは逆の戻し方向側に傾斜させた状態に配置する。
【0013】
このように螺合する際の締め付け方向とは逆の戻し方向側に傾斜した突部46は、尻栓14を元竿管12の開放部28に捩じ込む際、図3の(B)に示す矢印Aの方向に回転すると、先端部が元竿管12の内周面に沿って摺動し、傾斜方向と同じ方向の摩擦抵抗がこの先端部に作用する。この摩擦抵抗は、突部46の先端部を大径部44の半径方向内方に移動させるように作用し、開放部28の内面に対する押圧力を減じる。したがって、尻栓14を開放部28の雌ねじに螺合する際、摺動部材40は元竿管12から大きな摺動抵抗を受けることはない。
【0014】
一方、図2に示す締め付け状態から、尻栓14を緩める方向すなわち図3の(B)の矢印Aとは反対の戻し方向に回転すると、突部46の先端部の摩擦抵抗は、突部46の傾斜方向とは逆方向すなわち突部46を逆立たせあるいは立上がらせる方向に作用し、解放部28の内面に対する押圧力を増大する。したがって、尻栓14を開放部28からねじ戻そうとすると、摺動部材40は元竿管12から大きな摺動抵抗を受ける。この摺動抵抗は、突部46の先端部が開放部28の内面と接触している限りほぼ同じ大きさで持続する。このため、釣り操作中に尻栓14の緩みが防止されると共に、仮に、ある程度緩んだ状態であっても、脱落を防止することができる。
【0015】
このような摺動部材40の締め付け方向の摺動抵抗が小さく、戻し方向の摺動抵抗が大きい特性は、突部46と解放部28の内面とが接触しているときに常に得ることができる。したがって、この摺動部材40は、高度の寸法精度を必要とすることなく、尻栓14の安定した固定力を形成することができる。
これにより、尻栓14をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、その安定した固定力を通じた確実なセッティングによる緩みの防止を図ることができる。
【0016】
この摺動部材40は、ゴム弾性を有する材料で形成するのが好ましく、特に、天然あるいは合成ゴム、エラストマーの他、ABS、ナイロン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂で形成することが好ましい。また、小径部42と大径部44とで形成される本体部に対して、突部46をこれと異なる材料で形成することも可能である。
【0017】
なお、図2に符号15で示すようなOリングを、尻栓14と元竿管12との間に介挿してもよい。このOリング15は、尻栓14と元竿管12との間のシール作用と共に、その軸方向の付勢力で尻栓14の緩み止め作用をなす。このようなOリング15は省略することも可能であり、この場合には、摺動部材40でシール作用を行うことも可能である。
【0018】
図4は、他の実施形態による摺動部材40Aを示す。なお、以下に説明する種々の実施形態あるいは変形例は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、上述の部材と同様な部材には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示す摺動部材40Aでは、突部46は、図4の(B)に矢印Aで示す尻栓14の締め付け方向側に形成された緩傾斜面47と、これとは反対の戻し方向側に形成された急傾斜面45とで形成してある。このため、尻栓14と共に摺動部材40Aが矢印Aで示す締め付け方向に回転すると、この突部46は、開放部28の内面と緩傾斜面47で接触し、この内面の微小な凹凸を簡単に乗り上げることができ、摩擦抵抗が小さく、したがって摺動部材40Aが元竿管12から大きな摺動抵抗を受けることはない。逆に、尻栓14と共に摺動部材40Aを矢印Aと逆の戻し方向に回転すると、急傾斜面45が開放部28の内面から大きな摩擦抵抗を受け、したがって、図3に示す摺動部材40と同様に、戻し方向で大きな摺動抵抗が形成される。
【0019】
図5および図6は、更に他の実施形態による摺動部材40Bを示す。
この実施形態の摺動部材40Bは、半径方向外方に付勢され、本体部の大径部44から突出する突起48を有する。この突起48は締め付け方向および戻し方向の双方を同様な曲面で形成してある。一方、尻栓14が螺合する元竿管12の開放部28の内面には、図6に示すように、軸方向に延びる多数の軸方向溝50を形成してある。この軸方向に溝50は、尻栓14の矢印Aで示す締め付け方向側に形成された緩傾斜面51と、これとは逆の戻し方向側に形成された急傾斜面49とを有し、この緩傾斜面51は、突起48に対して小さな摺動抵抗を形成し、急傾斜面49は、突起48に対して大きな摺動抵抗を形成する。このような突起48は、図示のように1つに限らず、複数設けてもよい。
【0020】
この実施形態における摺動部材40Bも、上述の実施形態と同様に、尻栓14の締め付け方向の摺動抵抗が小さく、戻し方向の摺動抵抗が大きな安定した固定力を通じて尻栓14の緩みを確実に防止することができる。
【0021】
なお、上述の種々の実施形態では、摺動部材40,40A,40Bの本体部を、小径部42と大径部44とで形成し、この小径部42を筒状部34内に挿入して接着等により固定しているが、このような小径部を設けることなく、筒状部34の端面に接着し、あるいは尻竿リング30と一体成形してもよい。
また、図6に示すような軸方向溝50を、図3および図4に示す摺動部材40,40Aと組み合わせて用いることも可能である。この場合には、軸方向溝50は締め付け方向および戻し方向側の双方を同様な傾斜面あるいは湾曲面で形成することもできる。
更に、上述の摺動部材は、尻栓14に限らず、例えばリール脚固定装置の締め付け用ナット等、互いに螺合する2つの部材を備えるものであれば、適宜の部材に適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、釣り用具をセッティングする際の操作性の向上を図ると共に、確実なセッティングによる緩みの防止を図ることのできる釣り用具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による釣竿の概略図。
【図2】図1の釣竿の竿尻部を一部断面で示す拡大図。
【図3】図2の竿尻部に用いた摺動部材を示し(A)は縦方向断面図、(B)は(A)のB−B線方向から見た図。
【図4】他の実施形態による摺動部材を示す図3と同様な説明図。
【図5】更に他の実施形態による摺動部材の図3と同様な説明図。
【図6】図5の摺動部材との組合せに適した元竿管の軸方向溝の説明図。
【符号の説明】
12…元竿管、14…尻栓、40…摺動部材、42…小径部、44…大径部、46…突部。
Claims (5)
- 互いに螺合する2つの部材を備えた釣り用具であって、前記2つの部材のうちの一方の部材に設けられる本体部と、この本体部から突出して他方の部材との間で摺動抵抗を形成する摺動部とを有する摺動部材を備え、この摺動部材の摺動部は、2つの部材の締め付け方向における摺動抵抗よりも大きな摺動抵抗を戻し方向で形成することを特徴とする釣り用具。
- 前記摺動部は、本体部の外周部上で、戻し方向側に傾斜し、他方の部材の内周に摺接する複数の突部を有することを特徴とする請求項1に記載の釣り用具。
- 前記摺動部は、締め付け方向側に形成された緩傾斜面と戻し方向側に形成された急傾斜面とを有する複数の突部を有することを特徴とする請求項2に記載の釣り用具。
- 前記他方の部材は、前記突部が係合可能な少なくとも1つの溝を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の釣り用具。
- 前記摺動部は、外方に付勢されて本体部の外周部から突出し、前記他方の部材の内周部に当接する少なくとも1つの突部を有し、前記他方の部材の内周部は、前記締め付け方向側に形成された緩傾斜面と戻し方向側に形成された急傾斜面とを有する複数の軸方向溝を有することを特徴とする請求項1に記載の釣り用具。
Priority Applications (1)
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JP2003049250A JP2004254607A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 釣り用具 |
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JP (1) | JP2004254607A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006288204A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-26 | Shimano Inc | 振出竿 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049250A patent/JP2004254607A/ja active Pending
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