JP2009022228A - 釣竿 - Google Patents

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Abstract

【課題】重心位置を効率的に後方側へシフトさせ、また、重りをしっかりと保持する。
【解決手段】竿杆1の後端部1aに螺着可能に設けられた尻栓20と、尻栓20に保持可能に設けられ竿杆1の軸方向の重量バランスを調整可能な環状のバランス手段と、柔軟性部材からなり、後端部1aの外周に取り付けられて後端部1aの後方へ延出し、尻栓20およびバランス手段が配置される中空部11を備えた有底円筒状の握り部10と、を備え、中空部11の内周面11aは、バランス手段の周部に対して圧入可能な内径を備えて設けられており、中空部11の底部11cは、バランス手段の前部に対向して設けられ、尻栓20の螺着によって押し込まれて竿杆1の軸方向に移動してきたバランス手段の前部に当接可能であり、バランス手段は、尻栓20の螺着による締め付けによって、握り部10の内周面11aおよび底部11cと、尻栓20との間に圧入されて挟持される。
【選択図】図2

Description

本発明は、釣竿に関する。
一般的に、釣竿は、投擲操作時等に手で保持する位置から竿先側の長さが竿元側の長さよりも長くなっている。このため、手で保持する位置を支点として竿先側と竿元側との重量バランスは不均衡となり、これによって、投擲操作時に思うような操作感が得られなかったり、釣り状態において、竿先側が自重以上に重く感じられる、いわゆる持ち重り感が生じたりすることがある。
従来、このような重量バランスの不均衡を解消するものとして、釣竿の竿杆内部の後部に、バランス手段としての重りを装着するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この釣竿では、竿杆内部の後部に重りを適宜連結して装着することができるので、釣竿の重心位置を竿元側へシフトすることができ、投擲操作性の向上や持ち重り感の解消に寄与する。
実公平5−36376号公報
前記従来の釣竿では、重りが竿杆内部に挿入される構成であったため、竿杆の内径よりも重りの外形を小さく形成する必要があり、このような重りでは重心位置を可及的に後方側へシフトさせることが難しかった。また、必要な重量を得るために重りを複数個連結すると、重量が竿先側へシフトする傾向となり、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることが難しかった。
本発明は、前記諸問題を解決するためになされたものであり、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることができるとともに、重りをしっかりと保持することができる釣竿を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明の釣竿は、竿杆と、この竿杆の後端部に螺着可能に設けられた尻栓と、前記尻栓に保持可能に設けられ前記竿杆の軸方向の重量バランスを調整可能な環状のバランス手段と、柔軟性部材からなり、前記後端部の外周に取り付けられて当該後端部の後方へ延出し、前記尻栓および前記バランス手段が配置される中空部を備えた有底円筒状の握り部と、を備え、前記中空部の内周面は、前記バランス手段の周部が圧入可能な内径を備えて設けられており、前記中空部の底部は、前記バランス手段の前部に対向して設けられ、前記尻栓の螺着によって押し込まれて前記竿杆の軸方向に移動してきた前記バランス手段の前部に当接可能であり、前記バランス手段は、前記尻栓の螺着による締め付けによって、前記握り部の前記内周面および前記底部と、前記尻栓との間に圧入されて挟持されることを特徴とする。
この釣竿によれば、環状のバランス手段を尻栓に保持し、この尻栓を竿杆の後端部に螺着することにより、尻栓を介して後端部にバランス手段を取り付けることができる。
後端部の外周に取り付けられる有底円筒状の握り部は、柔軟性部材からなり、後端部の後方へ延出して尻栓およびバランス手段が配置される中空部を備え、その中空部は、内周面がバランス手段の周部が圧入可能な内径を備えて設けられているので、バランス手段を保持した尻栓の螺着時には、中空部の内周面がバランス手段の周部に弾性をもって当接(押圧)し、バランス手段は、この内周面の当接によって径方向に好適に保持される。
一方、中空部の底部は、バランス手段の前部に対向して設けられて、尻栓の螺着によって竿杆の軸方向に摺接移動してきたバランス手段の前部に当接可能となっているので、バランス手段を保持した尻栓を後端部に螺着すると、中空部の底部がバランス手段の前部に弾性をもって当接し、バランス手段は、この底部の当接によって竿杆の軸方向(竿先方向)に好適に保持される。
したがって、バランス手段は、尻栓の螺着による締め付けにより、中空部の内周面および底部によって、径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されることとなり、中空部の内周面および底部と、尻栓との間に圧入されて挟持されることとなる。
また、本発明は、前記後端部と、前記底部との間に弾性部材が配設される領域を備え、この領域によって前記底部が前記後端部よりも後方に位置する構成とするのがよい。
このように構成することによって、弾性部材が配設される領域によって底部が後端部よりも後方に位置するので、バランス手段を、後端部よりも竿杆の軸方向の後方に配置することができる。
また、本発明は、前記バランス手段が、前記尻栓の螺着による締め付けで、前記底部における対向面を弾性変形させる構成とするのがよい。
このように構成することによって、尻栓を後端部に螺着して締め付けると、底部における対向面にバランス手段が当接してその対向面が弾性変形され、バランス手段は、この当接によって竿杆の軸方向(竿先方向)に好適に保持されることとなる。
また、本発明は、前記尻栓が、軸部と頭部とからなり、前記バランス手段は、前記周部が前記頭部よりも前記内周面へ向けて張り出している構成とするのがよい。
このような構成とすることによって、中空部の内部において、周部が頭部よりも内周面へ向けて張り出し、内周面が弾性をもって周部に確実に当接する状態となる。したがって、バランス手段が、径方向に好適に保持されることとなる。
また、本発明は、前記バランス手段が、前記竿杆の軸方向に組み合わせ可能な複数の環状部材からなり、このうちの前記底部側に配置される前記環状部材は、その前部が、他の前記環状部材よりも前記底部側に向けて張り出しているとともに、その周部が、他の前記環状部材よりも前記内周面へ向けて張り出している構成とするのがよい。
この構成によれば、複数の環状部材のうちの底部側に配置される環状部材は、中空部の内周面がその周部に弾性をもって当接して径方向に好適に保持されるとともに、底部がその前部に弾性をもって当接して竿杆の軸方向に好適に保持されることとなる。したがって、この環状部材は、尻栓の螺着による締め付けにより、中空部の内周面および底部によって、径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されることとなり、これらの内周面および底部と、尻栓との間に圧入されて挟持されることとなる。
本発明によれば、バランス手段が、尻栓の螺着による締め付けにより、中空部の内周面および底部によって、径方向および軸方向の2つの方向に当接して同時に保持されることとなり、これらの内周面および底部と、尻栓との間に圧入されて挟持されることとなるので、竿杆の後端部の後方において、バランス手段がしっかりと保持されるようになり、投擲時等にバランス手段がガタつくのを好適に防止することができる。
しかも、バランス手段は、後端部の後方に保持されることとなるので、従来のように、竿杆内部の後部に挿入されるもののように、竿杆の内径寸法の制限を受けることがない。したがって、バランス手段を竿杆の後端部の外径よりも径方向に大きく形成することができ、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることができる。また、バランス手段が後端部の後方に保持されることとなるので、バランス手段の重量によって竿杆の重心位置が竿先側へシフトすることがなく、重心位置を従来よりも可及的に後方側へシフトさせることができる。
また、本発明によれば、竿杆の後端部よりも竿杆の軸方向の後方にバランス手段を配置することができるので、バランス手段の重量によって竿杆の重心位置が竿先側へシフトすることを確実に防止することができ、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることができる。
また、尻栓は、弾性部材を介して後端部に緩み難い状態に取り付けられることとなり、尻栓に保持されるバランス手段がガタつくのを好適に防止することができる。
また、本発明によれば、底部における対向面にバランス手段が当接してその対向面が弾性変形され、バランス手段が、この当接によって竿杆の軸方向(竿先方向)に好適に保持されるので、尻栓を後端部に螺着して締め付けると同時に、バランス手段が底部に当接して保持されることとなり、バランス手段を軸方向に確実に保持することができる。これによって、投擲時等にバランス手段がガタつくのをより好適に防止することができる。
また、本発明によれば、バランス手段の周部が頭部よりも内周面へ向けて張り出しているので、中空部の内周面が周部に対して弾性をもって確実に当接し、バランス手段は、この内周面の当接によって径方向に好適に保持されることとなる。これによって、バランス手段が内周面にしっかりと保持され、投擲時等にバランス手段がガタつくのを好適に防止することができる。
また、本発明によれば、竿杆の軸方向に組み合わせ可能な複数の環状部材からバランス手段が構成され、そのうちの底部側に配置される環状部材が、尻栓の螺着による締め付けによって、中空部の内周面および底部により、径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されるようになっているので、この底部側に配置される環状部材よりも竿杆の軸方向の後方に配置される環状部材が、底部側の環状部材によって、底部側の環状部材と尻栓との間に径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されるようになり、これによって、環状部材同士がガタつくのを好適に防止することができる。したがって、バランス手段が複数の環状部材からなる構成であるにもかかわらず、竿杆の後端部の後方において、これらがしっかりと保持されるようになり、投擲時等にこれらがガタつくのを確実に防止することができる。
また、複数の環状部材を選択して使用することができるので、バランスの調整を好適に行うことができ、投擲操作性の向上や持ち重り感の解消に寄与する。
以下、本発明に係る釣竿の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係る釣竿の全体を示す説明図、図2は主要部の構成を示した図であり、尻栓を装着する前の状態を示す断面図、図3は同じく尻栓を装着した後の状態を示す断面図である。
なお、以下の例では、投げ、磯、船、ルアーなど様々な竿種に適用される例を示すが、本発明の釣竿の形態を限定する趣旨ではない。また、以下の説明において、「前」側は、竿先側(穂先側)を言い、「後」側は、竿尻側を言う。
図1に示すように、釣竿は、炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の竿杆1に、複数の外ガイドGやトップガイドG1が設けられて構成され、竿杆1の後部側には、リール2を取り付けるためのリールシート3が設けられている。そして、竿杆1の後端部1aには、本実施形態の特徴的構成である重り30が尻栓20(図2参照)に保持されて配置される握り部10が設けられている。
握り部10は、柔軟性部材、例えば、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)樹脂発泡体、コルク等からなり、図2に示すように、竿杆1の後端部1aの外周に図示しない接着剤等により取り付けられている。握り部10の後部10aは、後端部1aの後方へ延出する有底円筒状を呈しており、その内側には、竿杆1の外形よりも大きな内径を有する中空部11が形成されている。
中空部11には、その開口部11aを通じて尻栓20およびバランス手段としての重り30が挿入可能であり、後記するように尻栓20が後端部1aに螺着されることで、図3に示すように、これらが中空部11の内部に圧入されるようにして配置されるようになっている。ここで、中空部11の内周面11bは、重り30の後記する第1,第2の環状部材31,32の周部31b,32bが圧入可能な内径を備えて設けられている。つまり、図4(a)に示すように、中空部11の内周面11bの内径Dは、第1,第2の環状部材31,32の外径D1,D2よりも小さくなるように寸法が設定されており、中空部11に第1,第2の環状部材31,32が挿入されたときに、その周部31b,32bに対して内周面11bが弾性をもって当接するように構成されている。
また、中空部11の底部11cは、重り30の第1,第2の環状部材31,32の前部31c,32cに対向して設けられており、後記するように、尻栓20の螺着によって押し込まれて前方へ移動してきた第1,第2の環状部材31,32の前部31c,32cに当接可能に設けられている。つまり、図4(b)に二点鎖線で示すように、後端部1aに尻栓20を螺着させた状態で、底部11c(底部11cにおける対向面)と尻栓20の頭部22との間に形成される空間の前後寸法L1が、重り30の厚さ寸法L2よりも小さくなるように設定されている。つまり、第1,第2の環状部材31,32は、尻栓20の螺着による締め付けによって、底部11cにおける対向面に当接し、これを弾性変形させるように構成されている。
図2に示すように、後端部1aと底部11cとの間には、弾性部材としてのOリング23を配設するための段差11dが設けられており、この段差11dを設けることによって、底部11cが、後端部1aよりも相対的に後方に位置するように構成されている。つまり、底部11cは、後端部1aよりも相対的に後方に位置して、第1,第2の環状部材31,32側に突出した構成となっており、これによって、後記するように、尻栓20の螺着によって押し込まれて前方へ移動してきた第1,第2の環状部材31,32の前部31c,32cに対して、底部11cが確実に当接するようになっている。
尻栓20は、軸部21と、頭部22とからなり、金属製の材料、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス等の材料、または、合成樹脂製の材料、例えば、ナイロン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の材料から形成されている。
尻栓20は、軸部21の前部側に形成された雄ねじ21aによって、竿杆1の後端部1aの内周面に形成された雌ねじ1bに螺着可能となっており、後端部1aに対して着脱可能に構成されている。軸部21の後部側には、その保持面21bの周りに、第1の環状部材31が挿通されて保持されるようになっており、また、この保持された第1の環状部材31を介して第2の環状部材32が軸部21に間接的に保持されるように構成されている。
また、軸部21には、軸方向の略中央部分に周溝21cが形成されており、この周溝21cにOリング23が取り付けられるようになっている。
本実施形態では、後記するように、軸部21の後部側に第1,第2の環状部材31,32が保持された状態で、その前部31c,32cが、軸部21の保持面21bの前端よりも前方に張り出す(突出する)ように構成されている(図5(a)(b)参照)。
重り30は、前記のように、竿杆1の軸方向に組み合わせ可能な第1,第2の環状部材31,32からなり、図4(b)に示すように、前後方向にこれらが嵌め合わされた状態で尻栓20の軸部21に保持されるようになっている(図2,図3参照)。
重り30は、嵌め合わされたときの厚さ寸法L2が、前記したように、底部11cと尻栓20の頭部22との間に形成される空間の前後寸法L1よりも大きくなるように設定されている。
また、このうちの底部11c側に配置される第2の環状部材32は、図5(a)に示すように、その前部32cが、第1の環状部材31よりも底部11c側に向けて張り出すように構成されているとともに、周部32bが、第1の環状部材31よりも内周面11bへ向けて張り出すように構成されている。
第1の環状部材31は、図4(a)に示すように、環状部分の断面がL字形状を呈しており、円筒部31Aとこの円筒部31Aに連続して設けられた鍔部31Bとからなる。円筒部31Aは、その厚さ寸法L3が、軸部21の保持面21bの軸方向長さ寸法L4よりも大きく形成されている。また、鍔部31Bは、その外径D1が、尻栓20の頭部22の外径D3よりも大きく形成されている。これにより、第1の環状部材31は、尻栓20の軸部21に挿通保持されると、図5(a)に示すように、前部31cが軸部21の保持面21bの前端よりも前方に突出するとともに、周部31bが頭部22の周部22bよりも径方向に突出するようになっている。
また、円筒部31Aは、図4(a)に示すように、その内径D1’が、軸部21の後部側の外径D3’よりも大きく形成されており、これによって第1の環状部材31は、軸部21の後部側の周りに回動可能に保持される。また、第1の環状部材31は、その後面31eが頭部22の前面22aに対して周方向に摺接可能に当接するようになっている。これによって、第1の環状部材31は、軸部21に挿通されると、軸部21の保持面21bおよび頭部22の前面22aの2つの面によって、尻栓20の径方向および軸方向に保持されるようになっている。
また、第1の環状部材31は、円筒部31Aの周面31c’と鍔部31Bの前面31b’とで第2の環状部材32を保持する保持部31Cを構成しており、この保持部31Cに対して第2の環状部材32が嵌脱自在に保持されるようになっている。
なお、本実施形態では、第1の環状部材31を単独で尻栓20に保持することもできる。この場合、前記したように、第1の環状部材31の前部31cが軸部21の保持面21bの前端よりも前方に突出していることにより、底部11cがこれに好適に当接して軸方向に保持するようになっており、また、周部31bが頭部22の周部22bよりも径方向に突出していることにより、内周面11bがこれに当接して径方向に保持するようになっている。
一方、第2の環状部材32は、環状部分の断面が、第1の環状部材31の保持部31Cに嵌合可能な四角形状を呈しており、その厚さ寸法L5が、第1の環状部材31の周面31c’の軸方向長さ寸法L6よりも大きく形成されている。また、第2の環状部材32は、その外径D2が、第1の環状部材31の外径D1よりも大きく形成されている。これにより、第2の環状部材32は、第1の環状部材31の保持部31Cに嵌合されて保持されると、前部32cが、図5(a)に示すように、第1の環状部材31の前部31cよりも前方に張り出す(突出する)とともに、周部32bが第1の環状部材31の周部31bよりも径方向に張り出す(突出する)ようになっている。
また、第2の環状部材32は、図4(a)に示すように、その内径D2’が、第1の環状部材31の円筒部31Aの外径D1”よりも大きく形成されており、これによって、第2の環状部材32は、第1の環状部材31の保持部31Cの周りに回動可能となっている。また、第2の環状部材32は、保持部31Cの周面31c’および前面31b’からなる2つの面によって、尻栓20の径方向および軸方向に同時に保持されるようになっている。
これによって、第1の環状部材31の保持部31Cに第2の環状部材32を保持し、後記するように、尻栓20を後端部1aに螺着すると、図5(a)に示すように、第1の環状部材31の前部31cよりも前方に突出した第2の環状部材32の前部32cに対して中空部11の底部11cが弾性をもって当接し、また、第1の環状部材31の周部31bよりも径方向に突出した第2の環状部材32の周部32bに対して、中空部11の内周面11bが弾性をもって当接する。
本実施の形態では、図5(b)に示すように、尻栓20と重り30との相対する側の面同士の間に生じる摩擦抵抗力P1が、重り30と中空部11の内周面11bとの間に圧入により生じる摩擦抵抗力P2よりも小さくなるように(P1<P2となるように)設定されている。
具体的には、尻栓20の軸部21の保持面21bおよび頭部22の前面22aと、第1の環状部材31の内面31dおよび後面31eとの間(以下、摺接面部Aと称す)に生じる摩擦抵抗力P1が、第2の環状部材32の周部32bと、内周面11bとの間(以下、摺接面部Bと称す)に生じる摩擦抵抗力P2よりも小さくなるように設定されている。
つまり、摺接面部Aでは、第1の環状部材31に対して尻栓20が周方向に滑り易くなっており、第1の環状部材31に対して尻栓20が回動し易くなっている。
一方、摺接面部Bでは、中空部11の内周面11bに対して第2の環状部材32が周方向に滑り難くなっており、内周面11bに対して第2の環状部材32が回動し難くなっている。
なお、第1の環状部材31が単独で尻栓20に装着される場合には、摩擦抵抗力P1が、第1の環状部材31の周部31bと、内周面11bとの間に生じる摩擦抵抗力P2’(不図示)よりも小さくなるように(P1<P2’となるように)設定されている。
次に、尻栓20の取り付け取り外し時の作用について説明する。
初めに、尻栓20に重り30を装着する。重り30として、第1,第2の環状部材31,32の両方を装着する場合には、第1,第2の環状部材31,32同士を嵌め合わせておいてから、これに軸部21を挿通してもよいし、第1,第2の環状部材31,32に順に挿通して保持するようにしてもよい。
軸部21に第1,第2の環状部材31,32を保持したら、図5(b)に示すように、軸部21の前部側を中空部11の内部に挿入して、雄ねじ21aを後端部1aの雌ねじ1bに螺着する。このとき、軸部21には、第2の環状部材32が第1の環状部材31に嵌め合わされて保持されており、この第2の環状部材32は、その外径D2が中空部11の内径Dよりも大きく形成されているので、中空部11に第2の環状部材32が挿入されると、中空部11の内周面11bが、第2の環状部材32の周部32cによって押し広げられつつ弾性をもってこれに当接する。これによって、第2の環状部材32は、内周面11bの周方向に回動し難い状態に圧入保持される。
一方、摺接面部Aでは、その摩擦抵抗力P1が摺接面部Bにおける摩擦抵抗力P2より小さくなっており、第1の環状部材31に対して尻栓20が回動し易くなっているので、尻栓20を締め付ける回動操作を行うと、圧入保持された第2の環状部材32(第1の環状部材31)に対して、尻栓20が周方向にスムーズに回動されることとなる。したがって、尻栓20の締め付け操作を簡単に行うことができる。
その後、さらに尻栓20を締め付けると、尻栓20は、螺着により竿杆1の軸方向前部側へ移動されることとなり、このとき同時に尻栓20に保持される重り30も圧入保持された状態を保持しつつ、また、摺接面部Bにおける摩擦抵抗力P2によって周方向へ回動することなく、尻栓20の螺着により押し込まれて尻栓20とともに移動する。
したがって、尻栓20を締め付ける際に必要となる締め付け操作力は、第2の環状部材32を軸方向前部側へ移動させるだけの押込力で足り、したがって、第2の環状部材32の周部32bが受ける力を最小限とすることができる。
これにより、尻栓20の締め付けをスムーズに行うことができ、第1,第2の環状部材31,32の取り付け取り外し操作が簡単になって、操作性に優れた釣竿が得られる。
一方、中空部11の底部11cは、第2の環状部材32の前部32cに対向して設けられて、尻栓20の螺着によって押し込まれて軸方向前部側に移動してきた第2の環状部材32の前部32cに当接可能となっているので、尻栓20が螺着されて後端部1aに締め付けられると、中空部11の底部11cが第2の環状部材32の前部32cに弾性をもって当接し、第2の環状部材32は、この底部11cの当接によって軸方向に好適に保持される。
したがって、重り30は、尻栓20の螺着による締め付けによって、中空部11の内周面11bおよび底部11cによって、径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されることとなり、これらの内周面11bおよび底部11cと、尻栓20との間に圧入されて挟持されることとなる。
また、尻栓20が後端部1aに螺着されて締め付けられると、後端部1aと底部11cとの間のスペース(段差11d)にOリング23が配設され、尻栓20は、このOリング23を介して後端部1aに緩み難い状態に取り付けられることとなる。これによって、尻栓20の確実な取り付けが実現される。
また、このOリング23が配設されるスペースが形成されることによって、底部11cは、少なくともそのスペース分、後端部1aよりも軸方向の後方へ位置することとなり、これによって、後端部1aよりも軸方向の後方に重り30が配置されることとなる。
なお、第1の環状部材31を単独で尻栓20に装着した場合にも、尻栓20の螺着による締め付けを行うことによって、中空部11の内周面11bおよび底部11cと、尻栓20との間に第1の環状部材31を圧入して挟持することができる。
すなわち、第1の環状部材31は、環状部分の断面がL字形状を呈しており、前部31cが軸部21の保持面21bの前端よりも前方に突出するとともに、周部31bが頭部22の周部22bよりも中空部11の内周面11b側に突出しているので、中空部11の内部において、底部11cが前部31cに弾性をもって当接するとともに、その内周面11bが周部31bに弾性をもって当接し、軸方向および径方向に同時に保持されることとなる。
また、尻栓20を取り外す際には、尻栓20を緩める方向に回動させればよい。ここで、尻栓20を緩める方向に回動させると、尻栓20は、中空部11の開口部11aへ向けて移動することとなるが、中空部11の内周面11bが、第2の環状部材32の周部32bに弾性をもって当接しているので、尻栓20を緩めても、中空部11の内部に第2の環状部材32および第1の環状部材31が残留する状態となる。このため、尻栓20を取り外す際には、これらの第1,第2の環状部材31,32を移動させるための操作力を全く必要とせず、尻栓20を簡単に緩めて中空部11から取り外すことができる。
なお、中空部11の内部に残留した第1,第2の環状部材31,32は、中空部11の内部に指などをいれて引っ掛けることで、簡単に引き抜くことができる。つまり、引き抜くまでの間、第1,第2の環状部材31,32は、中空部11の内部に残留保持されていることとなるので、実釣時等に重り30の交換を行うような場合に、不意に中空部11から重り30が脱落して、紛失してしまう等の不具合が生じるのを好適に防止することができる。
以上説明した本実施形態の釣竿によれば、後端部1aの外周に取り付けられる有底円筒状の握り部10は、柔軟性部材からなり、後端部1aの後方へ延出して尻栓20および重り30が配置される中空部11を備えており、その中空部11は、その内周面11bが、第1,第2の環状部材31,32の周部31b,32bに対して圧入可能な内径Dを備えて設けられているので、尻栓20の螺着時に、第1,第2の環状部材31,32を保持した尻栓20を中空部11に挿入すると、中空部11の内周面11bが周部31b,32bに弾性をもって当接し、第1,第2の環状部材31,32は、この内周面11bの当接によって径方向に好適に保持される。
一方、中空部11の底部11cは、第2の環状部材32の前部32cに対向して設けられて、尻栓20の螺着によって押し込まれて前方へ移動してきた第2の環状部材32の前部32cに当接可能となっているので、中空部11に挿入した尻栓20を竿杆1の後端部1aに螺着すると、中空部11の底部11cが、主として第2の環状部材32の前部32cに弾性をもって当接し、第2の環状部材32(第1の環状部材31)は、この底部11cの当接によって竿杆1の軸方向(竿先方向)に好適に保持される。
したがって、第1,第2の環状部材31,32(重り30)は、尻栓20の螺着による締め付けにより、中空部11の内周面11bおよび底部11cによって、径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されることとなり、これらの内周面11bおよび底部11cと、尻栓20との間に圧入されて挟持されることとなる。
このため、竿杆1の後端部1aの後方において、重り30をしっかりと保持することができ、投擲時等に重り30がガタつくのを好適に防止することができる。
しかも、重り30は、後端部1aの後方に保持されることとなるので、従来のように、竿杆内部の後部に挿入されるもののように、竿杆の内径寸法の制限を受けることがない。したがって、重り30を竿杆1の後端部1aの外径よりも径方向に大きく形成することができ、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることができる。また、重り30が後端部1aの後方に保持されることとなるので、重り30の重量によって竿杆1の重心位置が竿先側へシフトすることがなく、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることができる。
また、底部11cと、後端部1aとの間にOリング23が配設される構成となっているので、尻栓20は、Oリング23を介して後端部1aに緩み難い状態に取り付けられることとなり、尻栓20に保持される重り30がガタつくのを好適に防止することができる。
また、重り30の第2の環状部材32が、尻栓20の螺着による締め付けで、底部11cにおける対向面を弾性変形させるようになっているので、尻栓20を後端部1aに螺着して締め付けると、底部11cにおける対向面に第2の環状部材32が当接してその対向面が弾性変形され、第2の環状部材32は、この当接によって竿杆1の軸方向(竿先方向)に好適に保持されることとなる。
したがって、尻栓20を後端部1aに螺着により締め付けると同時に第2の環状部材32が底部11cに当接して保持されることとなるので、第2の環状部材32を底部11cに確実に当接させることができ、投擲時等に第2の環状部材32を含む重り30がガタつくのをより好適に防止することができる。
また、尻栓20が、軸部21と頭部22とからなり、重り30は、周部31b,32bが頭部22よりも内周面11bへ向けて張り出しているので、尻栓20の螺着時に、重り30を保持した尻栓20を中空部11に挿入すると、頭部22よりも内周面11bへ向けて張り出した周部31b,32bに対して中空部11の内周面11bが弾性をもって確実に当接する状態となり、第2の環状部材32は、この内周面11bの当接によって径方向に好適に保持されることとなる。
したがって、重り30を内周面11bにしっかりと保持することができ、投擲時等に重り30がガタつくのを好適に防止することができる。
また、重り30が、竿杆1の軸方向に組み合わせ可能な第1,第2の環状部材31,32からなり、このうちの底部11c側に配置される第2の環状部材32は、その前部32cが、第1の環状部材31よりも底部11c側に向けて張り出しているとともに、周部32bが、第1の環状部材31よりも内周面11bへ向けて張り出しているので、底部11c側に配置される第2の環状部材32は、その周部32bに中空部11の内周面11bが弾性をもって当接して径方向に好適に保持されるとともに、その前部32cに底部11cが弾性をもって当接して軸方向に好適に保持されることとなる。
したがって、底部11c側に配置される第2の環状部材32よりも後方に配置される第1の環状部材31が、第2の環状部材32によって、第2の環状部材32と尻栓20との間に径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されるようになり、これによって、第1,第2の環状部材31,32同士がガタつくのを好適に防止することができる。
したがって、重り30が複数の環状部材31,32からなる構成であるにもかかわらず、竿杆1の後端部1aの後方において、しっかりと保持されるようになり、投擲時等にこれらがガタつくのを確実に防止することができる。
さらに、重り30は、これらの第1,第2の環状部材31,32の両方を尻栓20に装着して使用することができ、また、第1の環状部材31のみを尻栓20に装着して使用することもできるので、これらを選択することによって、バランスの調整を好適に行うことができるようになり、投擲操作性の向上や持ち重り感の解消に寄与する。
また、尻栓20と重り30との摺接面部Aに生じる摩擦抵抗力P1が、重り30と中空部11の内周面11bと摺接面部Bに生じる摩擦抵抗力P2よりも小さくなるように設定されているので、摺接面部Aでは、第1の環状部材31に対して尻栓20が周方向に滑り易く回動し易くなっており、一方、摺接面部Bでは、中空部11の内周面11bに対して第2の環状部材32が周方向に滑り難く、内周面11bに対して第2の環状部材32が回動し難くなっている。したがって、尻栓20を締め付ける回動操作を行うと、圧入保持された第2の環状部材32(第1の環状部材31)に対して、尻栓20が周方向にスムーズに回動されることとなる。したがって、尻栓20の締め付け操作を簡単に行うことができ、尻栓20の取り付け取り外し操作が容易となる。
ここで、第1,第2の環状部材31,32には、その周部31b,32bに対して凹部、凸部、軸方向に沿う凹溝、軸方向に沿う凸条のうち、少なくともいずれか1つからなる抵抗力発生手段を設け、この抵抗力発生手段によって、周部31b,32bを粗面化してもよい。
図6(a)は、第1,第2の環状部材31,32の周部31b,32bに、抵抗力発生手段として軸方向に沿う凸条310,320を設けた例を示している。このような凸条310,320を設けることによって、第1,第2の環状部材31,32は、中空部11の内周面11b(図5(a)(b)参照、以下同じ)に好適に圧入保持されるようになり、第1の環状部材31(第2の環状部材32)に対して尻栓20が回動し易くなる。これにより、尻栓20を締め付ける回動操作を行うことで、圧入保持された第1の環状部材31(第2の環状部材32)に対して、尻栓20が周方向にスムーズに回動されることとなり、尻栓20の締め付け操作および取り外し操作を簡単に行うことができる。したがって、操作性に優れた釣竿が得られる。なお、凸条310,320は、軸方向に沿うものであるので、内周面11bの周方向に回動し難い状態に圧入保持されつつ、尻栓20の螺着により押し込まれて尻栓20とともに好適に移動する。なお、凸条310,320の周方向における形成間隔を適宜変更することによって、凸条310,320の形成個数を設定することにより内周面11bとの間に生じる摩擦抵抗力を調整することができる。
また、図6(b)は、第1,第2の環状部材31,32の周部31b,32bに、抵抗力発生手段として凸部311,321を設けた例を示している。このような凸部311,321を設けることによっても、第1,第2の環状部材31,32は、中空部11の内周面11bに好適に圧入保持されるようになる。
なお、突部311,321の形成個数を適宜に設定することによって、内周面11bとの間に生じる摩擦抵抗力を調整することができる。
また、図6(c)は、後記して示す変形例として、第1,第2,第3の環状部材33,34,35からなる重り30’を用いたものにおいて、それぞれの周部33b,34b,35bに軸方向に沿う凸条330,340,350を設けた例を示している。この例では、凸条330,340,350の周方向における形成間隔を第1,第2,第3の環状部材33,34,35でそれぞれ異ならせてあり、凸条330,340,350の形成個数を異ならせてある。このような第1,第2,第3の環状部材33,34,35からなる重り30’に対して、凸条330,340,350を設けた場合にも、これらが中空部11の内周面11bに好適に圧入保持されるようになる。
なお、前記した例では、重り30,30’に凸条310等を設けたが、中空部11の内周面11bを粗面としてもよい。
また、図示しない平滑なシート部材、例えば、テフロン(登録商標)からなるフィルムやシート、シリコーンシート等を摺接面部A(尻栓20と第1の環状部材31との相対する面の少なくとも一方の面)に設けて、摺接面部Aに生じる摩擦抵抗力P1が摺接面部Bに生じる摩擦抵抗力P2よりも好適に小さくなるように構成してもよい。
図7(a)〜(c)に本発明の変形例を示す。この変形例では、前記したOリング23に代えて、ワッシャ状の弾性部材23’を尻栓20の周溝21cに装着した点が異なっており、この弾性部材23’が配置されるスペース(段部)11d’が後端部1aと底部11cとの間に形成されている。
弾性部材23’は、図7(b)(c)に示すように、尻栓20の周溝21cに装着された状態で、その後面が第1,第2の環状部材31,32の前部31c,32cに当接するように形成されており、これによって、第1,第2の環状部材31,32の脱落防止用のストッパーとして機能するようになっている。
つまり、図7(c)に示すように、尻栓20を取り外す方向に緩める操作を行うと、尻栓20の後方への移動に伴って第1,第2の環状部材31,32が尻栓20から抜け落ちようとするが、第1,第2の環状部材31,32の前部31c,32cに対して弾性部材23’が当接し、これらが尻栓20から脱落してしまうことが好適に防止される。
このような構成とすることによって、第1,第2の環状部材31,32を尻栓20の取り外しとともに同時に中空部11の内部から取り外すことができ、また、弾性部材23’によって、第1,第2の環状部材31,32が尻栓20から脱落するのを好適に防止することができる。したがって、交換操作時に第1,第2の環状部材31,32を紛失することを防止することができる。
図8(a)(b)はその他の変形例を示す図であり、(a)は重り30’の構成を説明する説明図、(b)は重り30’を装着した状態の断面図である。
これらの図に示すように、重り30’は、竿杆1の軸方向に組み合わせ可能な第1,第2,第3の環状部材33,34,35からなり、図8(b)に示すように、前後方向にこれらが嵌め合わされた状態で尻栓20の軸部21に保持されるようになっている。
重り30’は、嵌め合わされたときの厚さ寸法が、前記と同様に、底部11cと尻栓20の頭部22との間に形成される空間の前後寸法L1(図4(b)参照)よりも大きくなるように設定されている。そして、第1の環状部材33が軸部21に保持されるようになっており、そして、この第1の環状部材33を介して第2の環状部材34が軸部21に保持され、この第2の環状部材34に第3の環状部材35が保持されるようになっている。
第1,第2の環状部材33,34は、いずれも、環状部分の断面がL字形状を呈しており、円筒部33A,34Aと、鍔部33B,34Bとからなる。第1の環状部材33は、円筒部33Aの周面33c’と鍔部33Bの前面33b’とで第2の環状部材34を保持する保持部33Cを構成しており、この保持部33Cに対して第2の環状部材34が嵌脱自在に保持されるようになっている。また、第2の環状部材34は、円筒部34Aの周面34c’と鍔部34Bの前面34b’とで第3の環状部材35を保持する保持部34Cを構成しており、この保持部34Cに対して第3の環状部材35が嵌脱自在に保持されるようになっている。
また、第3の環状部材35は、環状部分の断面が、第2の環状部材34の保持部34Cに嵌合可能な四角形状を呈している。なお、第2の環状部材34は、第1の環状部材33と第3の環状部材35との間に保持されるものであれば、例えば、平板の円板状に形成されたものを用いてもよい。
第1の環状部材33は、その周部33bが、頭部22の周部22bよりも径方向に張り出すように構成されており、また、第2の環状部材34の周部34bが、この周部33bよりも径方向に張り出すように構成されている。そして、さらに、第3の環状部材35の周部35bが、この周部34bよりも径方向に張り出すように構成されている。
また、第1の環状部材33の前部33cが、軸部21の保持面21bの前端よりも底部11c側へ張り出すように構成されており、また、第2の環状部材34の前部34cが、この前部33cよりも底部11c側へ張り出すように構成されている。また、さらに、第3の環状部材35の前部35cが、この前部34cよりも底部11c側に張り出すように構成されている。
つまり、中空部11の底部11c側に配置される第3の環状部材35は、その周部35bが内周面11bに向けてこれらの中で一番突出するように構成されているとともに、その前部35cが底部11cへ向けてこれらの中で一番突出するように構成されている。
なお、この例においても、第1の環状部材33を単独で尻栓20に保持することもできるし、第1の環状部材33と第2の環状部材34とを嵌合させて尻栓20に保持することもできる。
また、図8(b)に示すように、尻栓20と重り30’との相対する側の面同士の間に生じる摩擦抵抗力P1”が、重り30’と中空部11の内周面11bとの間に生じる摩擦抵抗力P2”よりも小さくなるように(P1”<P2”となるように)設定されている。
具体的には、尻栓20の軸部21の保持面21bおよび頭部22の前面22aと、第1の環状部材33の内面33dおよび後面33eとの間(以下、摺接面部A”と称す)に生じる摩擦抵抗力P1”が、第3の環状部材35の周部35bと、内周面11bとの間(以下、摺接面部B”と称す)に生じる摩擦抵抗力P2”よりも小さくなるように設定されている。
つまり、摺接面部A”では、第1の環状部材33に対して尻栓20が周方向に滑り易くなっており、第1の環状部材33に対して尻栓20が回動し易くなっている。
一方、摺接面部B”では、中空部11の内周面11bに対して第3の環状部材35が周方向に滑り難くなっており、内周面11bに対して第3の環状部材35が回動し難くなっている。
このような構成とすることによって、第3の環状部材35は、内周面11bの周方向に回動し難い状態に圧入保持されることとなる。
一方、摺接面部A”では、その摩擦抵抗力P1”が摺接面部B”における摩擦抵抗力P2”より小さくなっており、第1の環状部材33に対して尻栓20が回動し易くなっているので、尻栓20を締め付ける回動操作を行うと、圧入保持された第3の環状部材35(第1,第2の環状部材33,34)に対して、尻栓20が周方向にスムーズに回動されることとなる。したがって、尻栓20の締め付け操作を簡単に行うことができる。
その後、さらに尻栓20を締め付けると、尻栓20は、螺着により竿杆1の軸方向前部側へ移動されることとなり、このとき同時に尻栓20に保持される重り30’も圧入保持された状態を保持しつつ、また、摺接面部B”における摩擦抵抗力P2”によって周方向へ回動することなく、尻栓20の螺着により押し込まれて尻栓20とともに移動する。
したがって、尻栓20を締め付ける際に必要となる締め付け操作力は、第3の環状部材35を軸方向前部側へ移動させるだけの押込力で足り、したがって、第3の環状部材35の周部35bが受ける力を最小限とすることができる。
これにより、尻栓20の締め付けをスムーズに行うことができ、第1,第2,第3の環状部材33,34,35の取り付け取り外し操作が簡単になって、操作性に優れた釣竿が得られる。
一方、中空部11の底部11cは、第3の環状部材35の前部35cに対向して設けられて、尻栓20の螺着により押し込まれて軸方向前部側に移動してきた第3の環状部材35の前部35cに当接可能となっているので、尻栓20が螺着されて後端部1aに締め付けられると、中空部11の底部11cが第3の環状部材35の前部35cに弾性をもって当接し、第3の環状部材35は、この底部11cの当接によって軸方向へ好適に保持される。
したがって、この第3の環状部材35よりも竿杆の軸方向の後方に配置される第2の環状部材34および第1の環状部材33が、第3の環状部材35によって、第3の環状部材35と尻栓20との間に径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されるようになり、これによって、第1〜第3の環状部材31〜35同士がガタつくのを好適に防止することができる。
これにより、重り30’は、尻栓20の螺着による締め付けによって、中空部11の内周面11bおよび底部11cによって、径方向および軸方向の2つの方向に同時に保持されることとなり、これらの内周面11bおよび底部11cと、尻栓20との間に圧入されて挟持されることとなる。
したがって、竿杆1の後端部1aの後方において、重り30’をしっかりと保持することができ、投擲時等に重り30’がガタつくのを好適に防止することができる。
また、重り30’が、第1〜第3の環状部材33〜35から構成されるので、これらの重さ(比重)を適宜設定することによって、重心位置を可及的に後方側へシフトさせることができ、投擲操作時等において思うような操作感を得ることができる。また、釣り状態において、持ち重り感を解消することに寄与する。
また、図9(a)に示すように、中空部11の内周面11b’を、後部側(開口部11a側)から前部側(底部11c’側)へ向けてその内径Dが窄まるように(内径Dよりも小さい内径D’となるように)テーパ状に形成するとともに、底部11c’における対向面を後部側へ向けてテーパ状に突出形成してもよい。つまり、この例では、中空部11の内周面11b’および底部11c’に傾斜をもたせることで、これらが重り30”に対して周方向および軸方向にそれぞれ当接するように構成されており、これによって、重り30”が周方向および軸方向の2つの方向に保持されるようになっている。この場合、重り30”の第1,第2の環状部材31’,32’は、前記のようにそれぞれの外径を異ならせることなく、尻栓20の頭部22の外径D3と同等となるように形成することができる。
このような構成において、尻栓20を後端部1aに螺着して締め付けると、図9(b)に示すように、中空部11の内周面11b’および底部11c’が重り30”にそれぞれ弾性をもって当接し、重り30”は、中空部11の内部にガタつくことなく保持される。
本発明の一実施形態に係る釣竿の全体を示す説明図である。図3は同じく尻栓を装着した後の状態を示す断面図である。 主要部の構成を示した図であり、尻栓を装着する前の状態を示す断面図である。 主要部の構成を示した部分断面図である。 (a)重りの構造を断面で示す説明図、(b)は嵌め合わせた重りの断面を示す説明図である。 (a)は主要部の構成を示した部分断面図、(b)は尻栓装着時の様子を示す部分断面図である。 (a)〜(c)は抵抗力発生手段を有する重りが装着された尻栓を示す斜視図である。 (a)〜(c)は変形例の主要部の構成を断面で示した説明図である。 その他の変形例を示す図であり、(a)は重りの構成を説明するための断面図、(b)は重りを装着した状態の断面図である。 その他の変形例を示す図であり、(a)は構成を説明するための断面図、(b)は重りを装着した状態の断面図である。
符号の説明
1 竿杆
1a 後端部
2 リール
3 リール装着部
10 握り部
10a 後部
11 中空部
11a 開口部
11b 内周面
11c 底部
11d 段差
20 尻栓
21 軸部
21b 保持面
21c 周溝
22 頭部
23 Oリング
23’ 弾性部材
31 第1の環状部材
32 第2の環状部材
31A 円筒部
31B 鍔部
31C 保持部
31b 周部
31c 前部
32b 周部
32c 前部
33 第1の環状部材
34 第2の環状部材
35 第3の環状部材
A 摺接面部
B 摺接面部
P1 摩擦抵抗力
P2 摩擦抵抗力

Claims (5)

  1. 竿杆と、
    この竿杆の後端部に螺着可能に設けられた尻栓と、
    前記尻栓に保持可能に設けられ前記竿杆の軸方向の重量バランスを調整可能な環状のバランス手段と、
    柔軟性部材からなり、前記後端部の外周に取り付けられて当該後端部の後方へ延出し、前記尻栓および前記バランス手段が配置される中空部を備えた有底円筒状の握り部と、を備え、
    前記中空部の内周面は、前記バランス手段の周部が圧入可能な内径を備えて設けられており、
    前記中空部の底部は、前記バランス手段の前部に対向して設けられ、前記尻栓の螺着によって押し込まれて前記竿杆の軸方向に移動してきた前記バランス手段の前部に当接可能であり、
    前記バランス手段は、前記尻栓の螺着による締め付けによって、前記握り部の前記内周面および前記底部と、前記尻栓との間に圧入されて挟持されることを特徴とする釣竿。
  2. 前記後端部と、前記底部との間に弾性部材が配設される領域を備え、この領域によって前記底部が前記後端部よりも後方に位置することを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記バランス手段は、前記尻栓の螺着による締め付けで、前記底部における対向面を弾性変形させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の釣竿。
  4. 前記尻栓は、軸部と頭部とからなり、前記バランス手段は、前記周部が前記頭部よりも前記内周面へ向けて張り出していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の釣竿。
  5. 前記バランス手段は、前記竿杆の軸方向に組み合わせ可能な複数の環状部材からなり、このうちの前記底部側に配置される前記環状部材は、その前部が、他の前記環状部材よりも前記底部側に向けて張り出しているとともに、その周部が、他の前記環状部材よりも前記内周面へ向けて張り出していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の釣竿。
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