JP2004243408A - レーザ加工機 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光の照射によりプラズマが多く発生する場合であっても、倣い制御を正常に機能させることの出来る、レーザ加工機の提供。
【解決手段】レーザ照射手段20は、環状電極28の内周に、中心電極23を有しており、中心電極電位制御手段39は、中心電極23の電位を、0または正の定電圧に制御するので、該定電圧に制御された中心電極23上に存在する、レーザ光RZの照射により生じたプラズマPZ中の荷電粒子を、当該中心電極23を介して吸収することが可能となり、レーザ照射手段20とワーク60との間の空間における、プラズマPZの拡散を抑制することが出来る。これにより、プラズマPZが多量に発生する場合であっても、環状電極28からの電気力線がプラズマPZにより乱されることがなくなり、環状電極28とワーク60との間に生じる静電容量CGAPの変動を防止することが出来る。
【選択図】 図5
【解決手段】レーザ照射手段20は、環状電極28の内周に、中心電極23を有しており、中心電極電位制御手段39は、中心電極23の電位を、0または正の定電圧に制御するので、該定電圧に制御された中心電極23上に存在する、レーザ光RZの照射により生じたプラズマPZ中の荷電粒子を、当該中心電極23を介して吸収することが可能となり、レーザ照射手段20とワーク60との間の空間における、プラズマPZの拡散を抑制することが出来る。これにより、プラズマPZが多量に発生する場合であっても、環状電極28からの電気力線がプラズマPZにより乱されることがなくなり、環状電極28とワーク60との間に生じる静電容量CGAPの変動を防止することが出来る。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの切断加工などを行なうことが出来る、レーザ加工機に係り、詳しくは、トーチに設けた環状電極とワークとの間の静電容量に基づいて、トーチ先端とワークとの間の間隙長を制御することの出来る、レーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレーザ加工機は、レーザ光を照射するトーチに環状電極を設け、該環状電極とワークとの間に生じる静電容量に基づいて、トーチ先端とワークとの間の間隙長を一定に制御することにより、トーチをワークに対して相対的に移動駆動させながら、レーザ光の焦点位置を、ワークの集光すべき所定位置に制御することの出来る、倣い制御機能を有していた。
【0003】
しかし、レーザ光をワークに照射すると、イオンや電子の荷電粒子などからなるプラズマが、加工点から発生するため、上記静電容量が間隙長とは無関係に変動して、上述した倣い制御機能が正常に機能しない場合があった。これに対して、環状電極を加工点から遠ざけるよう構成した、レーザ加工機が提案されているが(例えば、特許文献1)、プラズマが多く発生した場合、プラズマが環状電極に接近して、上述と同様に静電容量を変動させる不都合があった。
【0004】
そこで、例えば図7(a)に示すように、トーチ50に設けた環状電極51の内周に、絶縁層53を介してガード電極52を設け、該ガード電極52に高周波電圧を供給することによって、該高周波電圧による電気力線FLを発生させ、静電容量CGAPをプラズマPZから電気的に遮断し、上述したプラズマPZによる静電容量CGAPの変動を防止することの出来る、レーザ加工機が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭64−22490号公報(第6−8頁、第1図)
【特許文献2】
特開平3−165989号公報(第7−9頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したようなレーザ加工機であっても、図7(b)に示すように、プラズマPZが多く発生する場合、高周波電圧による電気力線FLがプラズマPZに引き込まれるため、静電容量CGAPをプラズマPZから完全に遮断することが出来なくなり、環状電極51とプラズマPZの間に、静電容量CGAPを変動させる静電容量CPZが生じることにより、倣い制御機能が、上述と同様に正常に機能しない不都合があった。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、レーザ光の照射によりプラズマが多く発生する場合であっても、倣い制御を正常に機能させることの出来る、レーザ加工機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、レーザ光(RZ)をワーク(60)に照射することの出来る、レーザ照射手段(20)を設け、該レーザ照射手段(20)は、前記レーザ光の射出口(23a)と、該射出口(23a)の外周に、前記ワーク(60)に対向する環状電極(28)とを有し、該環状電極(28)と前記ワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)に基づいて、前記レーザ照射手段(20)と前記ワーク(60)との間隙長(GAP)を制御することの出来る、間隙長制御手段(33、35、37、37a、40)を設けたレーザ加工機(1)において、
前記レーザ照射手段(20)は、前記環状電極(28)の内周に、中心電極(23)を有し、
前記中心電極(23)の電位を、0または正の定電圧に制御することの出来る、中心電極電位制御手段(39)を設けたことを特徴として構成される。
【0008】
請求項2の発明は、前記中心電極(23)は、前記レーザ光の射出口(23a)を中心として同心円状に形成された、ワーク対向面(23b)を有することを特徴として構成される。
【0009】
請求項3の発明は、前記レーザ照射手段(20)は、前記中心電極(23)と前記環状電極(28)との間に介在する、第1のガード環状電極(27a)を有し、
前記環状電極(28)を接続する、入力インピーダンスが∞の入力部(38a)と、前記第1のガード環状電極(27a)を接続する、出力インピーダンスが0の出力部(38b)とを有する、インピーダンス変換手段(38)を設け、前記環状電極(28)に高周波電圧(VHF)を供給することの出来る、高周波電圧供給手段(36)を設けたことを特徴として構成される。
【0010】
請求項4は、前記レーザ照射手段(20)は、前記インピーダンス変換手段の出力部(38b)に接続された、第2のガード環状電極(27b)を、前記環状電極(28)の外周に有することを特徴として構成される。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、レーザ照射手段(20)は、環状電極(28)の内周に、中心電極(23)を有しており、中心電極電位制御手段(39)は、中心電極(23)の電位を、0または正の定電圧に制御するので、該定電圧に制御された中心電極(23)上に存在する、レーザ光(RZ)の照射により生じたプラズマ(PZ)中の荷電粒子(例えば電子やイオン)を、当該中心電極(23)を介して吸収することが可能となり、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間における、プラズマ(PZ)の拡散を抑制することが出来る。これにより、プラズマ(PZ)が多量に発生する場合であっても、環状電極(28)からの電気力線(例えば、図5及び図6に示すFLGAP)がプラズマ(PZ)により乱されることがなくなり、環状電極(28)とワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)の変動を防止することが出来、間隙長制御手段(33、35、37、37a、40)は、誤動作することなく、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間隙長(GAP)を制御することが出来る。
【0012】
また、中心電極(23)の電位を、正の定電圧に制御した場合、中心電極(23)上に存在する荷電粒子だけでなく、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間に拡散している、電子やマイナスイオンなどの荷電粒子を、正の定電圧に制御された当該中心電極(23)を介して吸収することが出来るので、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間における、プラズマ(PZ)の拡散を更に抑制することが出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、中心電極(23)は、レーザ光の射出口(23a)を中心として同心円状に形成された、ワーク対向面(23b)を有するので、射出口(23a)に対向する加工点(例えば図5及び図6に示すP)から略同心円状に拡散する、プラズマ(PZ)の荷電粒子を、上記ワーク対向面(23b)を介して吸収し、プラズマ(PZ)の拡散を効率的に抑制することが出来る。
【0014】
請求項3の発明によれば、レーザ照射手段(20)は、中心電極(23)と環状電極(28)との間に介在する、第1のガード環状電極(27a)を有しており、インピーダンス変換手段(38)は、環状電極(28)を接続する、入力インピーダンスが∞の入力部(38a)と、第1のガード環状電極(27a)を接続する、出力インピーダンスが0の出力部(38b)とを有している。そして、高周波電圧供給手段(36)は、上記環状電極(28)に高周波電圧(VHF)を供給し、該供給された高周波電圧(VHF)による所定電圧(例えばVGAP)は、環状電極(28)と、入力部(38a)から出力部(38b)を介して、第1のガード環状電極(27a)とに印加されるので、第1のガード環状電極(27a)とワーク(60)との間に生じる静電容量(例えば図5及び図6に示すCa)が変動する場合であっても、上記所定電圧(例えばVGAP)の変動を防止することが出来る。これにより、第1のガード環状電極(27a)からの電気力線(例えば、図5及び図6に示すFLa)を、プラズマ(PZ)と、環状電極(28)とワーク(60)の間に生じる静電容量(CGAP)との間に介在させることが可能となり、環状電極(28)からの電気力線(例えば図5及び図6のFLGAP)をプラズマ(PZ)に終端させることを防止でき、環状電極(28)とワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)の変動を、更に防止することが出来る。
【0015】
また、第1のガード環状電極(27a)からの電気力線(例えば図5及び図6に示すFLa)は、高周波電圧(VHF)により発生するので、プラズマ(PZ)中の荷電粒子に一定のクーロン力を与えることなく、これら荷電粒子を、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間に拘束することが出来、プラズマ(PZ)の拡散を抑制することが出来る。
【0016】
請求項4の発明によれば、レーザ照射手段(20)は、インピーダンス変換手段の出力部(38b)に接続された、第2のガード環状電極(27b)を、環状電極(28)の外周に有しており、高周波電圧供給手段(36)により供給された高周波電圧(VHF)による所定電圧(例えばVGAP)が、環状電極(28)及び第1のガード環状電極(27a)と共に、第2のガード環状電極(27b)に印加されるので、環状電極(28)からの電気力線(例えば、図5及び図6に示すFLGAP)を、法線方向からワーク(60)に終端させることが出来る。これにより、環状電極(28)とワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)を、間隙長(GAP)のみに応じて変化させることが出来、間隙長制御手段(33、35、37、37a、40)は、精度の高い、間隙長(GAP)の制御を行うことが出来る。
【0017】
なお、括弧内の番号などは、本発明の理解を助けるために、図面における対応する要素を便宜的に示すものである。従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではなく、また、この符号の記載により本発明を解釈すべきでない。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるレーザ加工機の一例を示す全体斜視図、図2は、トーチの一例を示す図で、(a)は概略側面(一部断面)図、(b)は概略底面図、図3は、制御装置の一例を示すブロック図、図4は、インピーダンス変換部及び中心電極電位制御部の周辺における概略回路図、図5は、本発明による倣い制御であって、中心電極を接地した場合の説明図、図6は、本発明による倣い制御であって、中心電極を正の電位に制御した場合の説明図、図7は、従来のレーザ加工機による倣い制御の説明図で、(a)はプラズマの発生量が少ない場合、(b)はプラズマの発生量が多い場合である。
【0019】
図1は、本発明の一実施例であるレーザ加工機1を示している。本発明が適用されるレーザ加工機1は、例えば加工用CNC装置(NC切断機)であり、ワーク設置装置1a、レーザ照射装置1b、及び制御装置1cを備えている。ワーク設置装置1aの上方には、レーザ照射装置1bが配設されており、ワーク設置装置1a及びレーザ照射装置1bには、制御装置1cが付設されている。
【0020】
ワーク設置装置1aには、当該レーザ加工機1を床に固定させる、ベース2が設けられており、ベース2には、その上面にテーブル3が設けられている。テーブル3には、ワーク60を載置する水平なワーク搭載面3aが設けられており、ワーク搭載面3aは、適宜な駆動モータ(図示せず)により、ベース2に対して矢印A、B方向(X軸方向)に移動駆動自在に設けられている。また、ワーク搭載面3aには、載置されたワーク60を接地することの出来る、接地処理手段(図示せず)が設けられている。
【0021】
レーザ照射装置1bには、コラム5が設けられており、コラム5は、X軸方向に移動駆動自在な上記テーブル3に干渉することがないように、テーブル3を跨ぐ形でベース2に固定されている。また、コラム5には、X軸方向に直角かつ水平な矢印C、D方向(Y軸方向)に沿って、サドル用レール5a、5aが設けられており、サドル用レール5a、5aには、適宜な駆動モータ(図示せず)により、コラム5に対してY軸方向に移動駆動自在な、サドル6が設けられている。
【0022】
また、サドル6の内部には、加工ヘッド本体(図示せず)が設けられており、加工ヘッド本体は、適宜な駆動モータ(図示せず)により、コラム5に対してX及びY軸方向に直角な矢印E、F方向(Z軸方向)に、移動駆動自在に構成されている。
【0023】
また、コラム5には、上記サドル6よりも図1中の矢印B側(紙面奥側)の位置において、レーザ発振器(図示せず)が設けられている。レーザ発振器は、レーザ媒質が、例えば、CO2(炭酸ガス)やYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶)などからなり、当該媒質を介してレーザ光を発振・射出自在に構成されている。また、レーザ発振器は、レーザ光路管7を介して上記加工ヘッド本体に接続されている。
【0024】
レーザ光路管7は、上記レーザ発振器に接続された光路管7a(破線により一部のみ図示)及び、該光路管7aと加工ヘッド本体との間を矢印A、B方向に接続した伸縮管7bを有している。伸縮管7bは、サドル6と光路管7aとの間の動きに伴って伸縮するテレスコーピック機構などにより構成されている。従って、前記レーザ発振器により発振・射出されたレーザ光は、レーザ光路管7の光路管7aの内部を通過し、更に伸縮管7bの内部を通過する形で、サドル6内の加工ヘッド本体に到達するようになっている。
【0025】
加工ヘッド本体には、外スリーブ部材9が設けられており、外スリーブ部材9は、適宜な駆動モータ(図示せず)により、Z軸に平行な軸心CT1を中心に、加工ヘッド本体に対して回転駆動・位置決め自在に軸支されている。外スリーブ部材9には、回転先端部材10が設けられており、回転先端部材10は、適宜な駆動モータ(図示せず)により、軸心CT1に直角かつ水平な軸心CT2を中心に、外スリーブ部材9に対して回転駆動・位置決め自在に軸支されている。回転先端部材10には、ワーク搭載面3aに対して直角に向いたトーチ20が設けられている。また、トーチ20には、サーボモータ37a(図示せず)が設けられており、トーチ20は、該サーボモータ37aを介して図中上下方向に移動・位置決め自在に構成されている。
【0026】
外スリーブ部材9及び回転先端部材10の内部には、適宜な反射鏡(図示せず)が設けられており、これら反射鏡は、加工ヘッド本体に到達して該加工ヘッド本体の内部を通過したレーザ光を、外スリーブ部材9、回転先端部材10、及びトーチ20の内部を通過させて、ワーク60に対して法線方向から照射できるように構成されている。
【0027】
また、外スリーブ部材9の内部には、適宜な集光レンズ(図示せず)が設けられており、該集光レンズは、レーザ光を、ワーク60における集光すべき所定位置に集光できるように構成されている。更に、トーチ60には、窒素などアシストガスのボンベに接続されたアシストガス放出手段(図示せず)が設けられており、アシストガス放出手段は、ワーク60に対してアシストガスを放出自在に構成されている。
【0028】
図2は、トーチの一例を示す図で、(a)は概略側面(一部断面)図、(b)は概略底面図である。トーチ20には、図2(a)に示すように、集光されたレーザ光RZ(2点鎖線)に干渉しないように、略円錐形状の中空部21aが形成された、内スリーブ部材21が設けられている。内スリーブ部材21は、上述した図1に示す回転先端部材10に、保持部25を介して係合されている。また、内スリーブ部材21の図中下方には開口部21bが設けられており、該開口部21bには、中心電極23が嵌入されている。
【0029】
中心電極23は、適宜な導電性材料からなり、略円筒形状に形成されている。また、該円筒形状は、上記内スリーブ部材21と同様に、レーザ光RZ(2点鎖線)に干渉しないように、図中上方側が開口している。一方、円筒形状の図中下方側には、図2(b)に示すように、略円形状に形成された、プラズマ対向面23bが設けられており、プラズマ対向面23bの中心には、レーザ光RZの射出口23aが設けられている。
【0030】
中心電極23の外周には、適宜な材料からなる絶縁層26aを介して、第1ガード電極27aが設けられている。第1ガード電極27aは、適宜な導電性材料からなり、図2(a)に示すように略円筒形状に形成されている。また、第1ガード電極27aの外周には、絶縁層26bを介して、センサ電極28が設けられている。センサ電極28も、第1ガード電極27aと同様に、適宜な導電性材料からなり、同図(a)に示すように略円筒形状に形成されている。更に、センサ電極28の外周には、絶縁層26cを介して、第2ガード電極27bが設けられている。第2ガード電極27bも、第1ガード電極27a及びセンサ電極28と同様に、適宜な導電性材料からなり、同図(a)に示すように略円筒形状に形成されている。なお、第1ガード電極27aは、接触部CTを介して第2ガード電極27bと電気的に接続されている。
【0031】
即ち、第1ガード電極27a、センサ電極28、及び第2ガード電極27bは、図2(b)に示すように、それぞれ環状に形成されている。従って、トーチ20は、中心電極23の射出口23aを中心として、中心電極23のプラズマ対向面23b、絶縁層26a、第1ガード電極27a、絶縁層26b、センサ電極28、絶縁層26c、及び第2ガード電極27bの順に同心円状に構成されている。なお、以下の説明では、第1ガード電極27aと第2ガード電極27bを区別する必要がない場合は、単に、ガード電極27a、27bと表現する。
【0032】
次いで、図3は、制御装置1cの一例を示すブロック図を示している。レーザ加工機1の制御装置1cは、図3に示すように、主制御部30を有しており、主制御部30にはバス線41を介して、キーボードなどの入力部31、加工制御部32、変位量演算部33、基準電圧メモリ35、高周波電圧供給部36、サーボモータ駆動制御部37、中心電極電位制御部39、電圧検出部40などが接続されている。
【0033】
また、サーボモータ駆動制御部37には、サーボモータ37aが接続されている。高周波電圧供給部36には、センサ電極28が接続されており、インピーダンス変換部38を介して、第1ガード電極27a、及び第2ガード電極27bが接続されている。中心電極電位制御部39には、中心電極23が接続されている。
【0034】
図4は、インピーダンス変換部38及び中心電極電位制御部39の周辺における概略回路図を示している。なお、図4は、発明の理解を容易にするために必要な要素のみを示しており、実際の回路は、更に複雑なもので各種の能動素子や受動素子などを含むものである。
【0035】
高周波電圧供給部36には、高周波電源(図示せず)が設けられており、高周波電圧供給部36は、該高周波電源により、kHzないしMHzオーダの周波数からなる、高周波電圧VHFが出力自在に構成されている。
【0036】
インピーダンス変換部(破線枠内)38には、オペアンプOPが設けられており、オペアンプOPの出力端子は、抵抗などを介すことなく、当該オペアンプOPの反転入力端子(マイナス端子)に接続されることにより、該インピーダンス変換部38は、ボルテージホロワとして機能している。即ち、インピーダンス変換部38は、増幅率が略1であって、入力インピーダンスが∞の入力部38aと、出力インピーダンスが0の出力部38bとを有している。なお、入力インピーダンスが∞、出力インピーダンスが0とは、入力インピーダンスと出力インピーダンスが近似的に∞、0の関係にあることを意味する。
【0037】
高周波電圧供給部36は、適宜な抵抗Rに接続され、分岐点INを介して、それぞれセンサ電極28と、インピーダンス変換部38の入力部38aに接続されている。また、インピーダンス変換部38の出力部38bは、分岐点OUTを介して、それぞれ第1ガード電極27aと、電圧検出部40に接続されている。また、上述したように、第1ガード電極27aは、接触部CTを介して第2ガード電極27bに電気的に接続されているので、上記出力部38bは、第1ガード電極27aを介して、第2ガード電極27bに接続されている。
【0038】
また、中心電極電位制御部39は、定電圧電源VSが設けられており、該定電圧電源VSは接地されている。即ち、中心電極電位制御部39は、正の定電圧を中心電極23に出力自在であり、また0Vの場合は(電圧を出力しない場合は)中心電極23に接地自在となるように構成されている。
【0039】
レーザ加工機1は以上のような構成を有するので、レーザ加工機1を用いてワーク60を加工する際には、まずオペレータは、図1に示すように、加工すべきワーク60をワーク搭載面3a上に載置する。次いでオペレータは、制御装置1cが備える起動スイッチ(図示せず)を介して、レーザ加工機1を起動すると、接地処理手段が起動され、載置されたワーク60が接地される。そして、キーボードなどの入力部31を介して、材質や板厚などの加工条件と所定の加工形状に基づいた、加工指令を入力したとする。すると、これを受けて主制御部30は、当該加工指令に応じた制御の実行を、加工制御部32に指令する。
【0040】
加工制御部32は、まず、各軸の駆動モータ(図示せず)を駆動制御し、トーチ20を、X、Y、Z軸の所定軸方向に移動駆動させて、所定位置(例えばピアシングポイント)に配置させる。そして、レーザ発振器(図示せず)を発振させて、レーザ光RZを射出させる。射出されたレーザ光RZは、レーザ光路管7、加工ヘッド本体(図示せず)、外スリーブ部材9、回転先端部材10、及びトーチ20を介して、ワーク60に照射される。また、レーザ光RZの照射と共に、アシストガス放出手段(図示せず)が起動され、アシストガスがワーク60に放出される。
【0041】
こうして、レーザ光RZがワーク60に照射されると、加工制御部32は、ベース3、サドル6、加工ヘッド本体、外スリーブ部材9、及び回転先端部材10を、適宜、移動駆動または回転駆動・位置決めすることにより、加工指令に応じた加工形状に沿って、トーチ20をワーク60に対して相対的に移動させる。
この際、トーチ20の当該移動に伴って、トーチ20先端とワーク60との間隙長GAPを略一定に制御する、倣い制御を実行する。
【0042】
図5は、本発明による倣い制御であって、中心電極23を接地した場合の説明図である。センサ電極28は、図5に示すように、ワーク60と対向しており、センサ電極28とワーク60との間には、図2(b)に示す環状のセンサ電極28と、これに対向するワーク60とが、コンデンサの対向電極として機能し、静電容量CGAPが生じている。従って、抵抗Rと静電容量CGAPは、ワーク60が接地処理手段により接地されていることから、高周波電圧供給部36に対して、直列回路を構成している。
【0043】
一方、第1ガード電極27aとワーク60との間には、上述した静電容量CGAPと同様に、静電容量Caが生じており、第2ガード電極27bとワーク60との間には、同様に、静電容量Cbが生じている。従って、静電容量Caと静電容量Cbは、インピーダンス変換部38の出力部38bに対して並列回路を構成している。
【0044】
この状態で、高周波電圧供給部36が、高周波電圧VHFを出力すると、該高周波電圧VHFは、抵抗Rを介して、センサ電極28に入力される。抵抗Rと静電容量CGAPは、上述したように直列回路を構成しているので、分岐点INの電位VINは、静電容量CGAP間の電圧降下分に相当し、高周波電圧VHFに対して、所定電圧値だけ低くかつ所定位相のずれた電圧(以下、「電圧VGAP」とする)になる。
【0045】
電圧VGAPは、インピーダンス変換部38の入力部38aに入力され、当該インピーダンス変換部38の増幅率は略1なので、当該電圧VGAPが、分岐点OUTの電位VOUTとしてそのまま出力される。静電容量Caと静電容量Cbは、上述したように並列回路を構成しているので、出力された電圧VGAPは、第1ガード電極27aと第2ガード電極27bに、それぞれ入力される。
【0046】
即ち、第1ガード電極27a、第2ガード電極27b、及びセンサ電極28に入力される電圧VGAPは、同位相なので、センサ電極28からの電気力線FGAPは、隣り合うガード電極27a、27bなどで終端することなく(つまり、静電容量CGAPと異なる静電容量が新たに生じることなく)、対向するワーク60に終端する。しかも、入力される電圧VGAPは、同じ電圧値なので、上記電気力線FGAPは、センサ電極28から広がりながらワーク60に終端することなく、該電気力線FGAPに隣り合う、第1ガード電極27aからの電気力線FLaと、第2ガード電極27bからの電気力線FLbに対して、それぞれ略平行となる。
【0047】
従って、図2(b)に示すセンサ電極28に対して法線方向のワーク60表面が、つまり当該環状電極をワーク60に投射した部分が、静電容量CGAPのワーク60側における対向電極として機能する。これにより、静電容量CGAPにおける対向電極の断面積(上記環状電極の面積)は、略一定となるので、静電容量CGAPは、図5に示す間隙長GAP(つまりセンサ電極28とワーク60の最短距離)のみに応じて変化することになる。
【0048】
例えば、間隙長GAPが大きくなると、静電容量CGAPが小さくなり(電圧VGAPが大きくなり)、逆に、間隙長GAPが小さくなると、静電容量CGAPが大きくなる(電圧VGAPが小さくなる)関係になる。即ち、倣い制御を実行するには、予め、所定の間隙長GAPに応じた所定の電圧VGAP(以下、「基準電圧値」とする)を設定して、トーチ20の移動制御中に、電圧VGAPを検出して基準電圧値に対するずれを補正すればよい。
【0049】
従って、電圧検出部40は、トーチ20の移動制御中に、電位VOUTを常に検出しており、インピーダンス変換部38の出力部38bから出力された電圧VGAPが、電圧検出部40に入力されると、これを検出して該検出結果を変位量演算部33に出力する。
【0050】
なお、センサ電極28として、環状に形成された電極を示したが、必ずしも、図2(b)に示すような連続した「環」である必要はなく、不連続な「環」であってもよい。例えば、図2(b)に示すセンサ電極28上に、所定数(例えば1個ないし3個)の切り欠きを形成してもよく、また、分割されたセンサ電極を、環状に配置してもよい。
【0051】
一方、基準電圧メモリ35には、設定すべき間隙長GAPに対応する基準電圧値のテーブルが準備されており、変位量演算部33は、倣い制御の起動の際に、基準電圧メモリ35から該テーブルを呼び出して、オペレータにより入力された加工条件(例えば材質や板厚)に基づいて、設定すべき間隙長GAPに対応する基準電圧値を設定している。
【0052】
また、変位量演算部33は、電圧検出部40から受けた検出結果に基づいて、基準電圧値に対するずれに相当する電圧値Vを演算する。そして、該演算した電圧値Vに基づいて、電圧値Vと、間隙長GAPに対するトーチ20の変位量(つまりサーボモータ37aの変位角度)との関係式から、間隙長GAPに対するトーチ20の変位量を演算して、演算したトーチ20の変位量を、サーボモータ駆動制御部37に出力する。すると、サーボモータ駆動制御部37は、トーチ20の変位量に応じて、サーボモータ37aを所定変位角度だけ駆動制御する。そして、トーチ20が、図5中、上方向あるいは下方向に移動・位置決めされ、間隙長GAPが、略一定に維持される。
【0053】
このように、倣い制御が実行されると、ワーク60表面の起伏に応じて、トーチ20の変位量が、変位量演算部33により直ちに演算され、間隙長GAPを略一定となるように、サーボモータ37aにより、トーチ20が移動・位置決めされる。従って、レーザ光RZの焦点位置は、ワーク60において集光すべき所定位置(例えば図5に示す加工点P)に維持されることになる。
【0054】
なお、上述した倣い制御を実行するにあたり、必ずしもガード電極27a、27bは必要なく、倣い制御の精度が低下するが、例えば、センサ電極28の内外周にガード電極27a、27bを設けることなく、絶縁性の部材で構成するようにしてもよい。
【0055】
こうして、レーザ光RZをワーク60に照射していくと、図5に示すように、加工点Pにおいてワーク60が溶融するため、トーチ20とワーク60との間で、イオンや電子eなどの荷電粒子などからなる、プラズマPZが生じる。
【0056】
プラズマPZと静電容量CGAPとの間には、既に述べたように、電気力線FLaが介在しており、センサ電極28からの電気力線FLGAPをプラズマPZに終端させることなく(つまり静電容量CGAPを変動させることなく)、電気力線FLbがプラズマPZに終端する。これにより、静電容量Caが変動するが、静電容量Caと静電容量CGAPとの間には、ボルテージホロワとして機能する、インピーダンス変換部38が介在しているので、電圧VGAPは、静電容量Caの変動による影響を受けることなく、電圧検出部40は、間隙長GAPに応じた電圧VGAPを検出することが出来る。これにより、プラズマPZが発生する場合であっても、間隙長GAPを略一定となるように制御することが出来る。なお、インピーダンス変換部38の一例として、ボルテージホロワを示したが、入力インピーダンスが∞かつ出力インピーダンスが0であれば、必ずしも増幅率が1である必要はない。
【0057】
また、電気力線FLaは、電圧VGAPによる高周波電圧より発生しているものであるから、プラズマPZ中のイオンや電子eなどの荷電粒子に、一定方向のクーロン力を与えることなく、該荷電粒子が第1ガード電極27a側に接近することを防止することが出来る。これにより、これら荷電粒子をトーチ20とワーク60との間の空間に拘束する形で、静電容量CGAPを、プラズマPZから遮断することが出来る。
【0058】
一方、静電容量CGAPの外周には、既に述べたように、第2ガード電極27bから電気力線FLbが生じており、例えば、トーチ20が、図5に示すワーク60の斜面部60a(2点鎖線)に接近した場合に、センサ電極28からの電気力線FLGAPを斜面部60aに終端させることなく(つまり静電容量CGAPを変動させることなく)、電気力線FLbが斜面部60aに終端する。これにより、静電容量Cbが変動するが、電圧VGAPは、上述と同様にインピーダンス変換部38により、静電容量Cbの変動による影響を受けることなく、電圧検出部40は、ワーク60上に斜面部60aなどの起伏があっても、間隙長GAPに応じた電圧VGAPを検出することが出来る。
【0059】
こうして、静電容量CGAPがプラズマPZから遮断された形で、上述した倣い制御が、正常に機能して実行されていく。ここで、上記プラズマPZが、トーチ20とワーク60との間に多量に発生したとする。すると、上述した高周波電圧による電気力線FLaでは、プラズマPZをトーチ20とワーク60との間の空間に拘束できなくなり、プラズマPZが当該空間中を拡散していく。そして、プラズマPZが、電気力線FLaに接近して、多くの電気力線FLaを引き込むと、センサ電極28からの電気力線FLGAPがプラズマPZに終端することにより、静電容量CGAPが変動するため、倣い制御が正常に機能しなくなる。
【0060】
そこで、本発明に係るレーザ加工機1は、このようにプラズマPZが多量に発生する場合であっても、プラズマPZが電気力線FLaに接近することのないように、プラズマPZの荷電粒子を吸収することにより、プラズマPZの拡散を抑制して、倣い制御を正常に機能させるものである。
【0061】
即ち、中心電極23は、図5に示すように、中心電極電位制御部39に接続されており、上述した倣い制御の起動と共に、中心電極電位制御部39が起動される。中心電極電位制御部39は、例えば、電圧を出力することなく、中心電極23を接地するように制御する。すると、中心電極23のプラズマ対向面23b全体は、電位が0の状態となるので、中心電極電位制御部39は、プラズマ対向面23b上に存在する電子eなどの荷電粒子を、該プラズマ対向面23bを介して吸収する(接地する)。例えば、プラズマPZがプラズマ対向面23bに接している場合や、プラズマ対向面23bがプラズマPZにより帯電している場合に、これら荷電粒子が吸収されることになる。
【0062】
このように、電子eなどの荷電粒子が、上述した倣い制御の実行中、プラズマ対向面23bを介して順次吸収されるので、トーチ20とワーク60との間の空間におけるプラズマPZの拡散を抑制することが出来る。これにより、プラズマPZが多量に発生する場合であっても、電気力線FaのプラズマPZへの引き込みが抑制され、上述した倣い制御を、正常に機能させることが出来る。
【0063】
中心電極23のプラズマ対向面23bは、図2(b)に示すように、レーザRZの射出口23aを中心として、同心円状に形成されているので、加工点Pから略同心円状に拡散するプラズマPZの荷電粒子を吸収することより、プラズマPZの拡散を効率的に抑制することが出来る。
【0064】
なお、上述した中心電極電位制御部39により荷電粒子を吸収する手法として、中心電極23を接地する一例を示したが、中心電極23の電位を、正の電圧に制御するようにしてもよい。図6は、本発明による倣い制御であって、中心電極23を正の電位に制御した場合の説明図を示している。
【0065】
ところで、プラズマPZ中の荷電粒子は、既に述べたように、電子eとプラスあるいはマイナスのイオンである。電子eは、イオンと比較してその質量が小さいため、イオンよりも拡散し易く、トーチ20とワーク60との間の空間内を広く拡散する。従って、荷電粒子のうち電子eを吸収することが、プラズマPZの拡散を抑制するために効果的である。
【0066】
即ち、中心電極電位制御部39は、図6に示すように、例えば、5Vの電圧を出力する。すると、中心電極23のプラズマ対向面23b全体は、電圧が5Vである正の電位の状態となるので、中心電極電位制御部39は、プラズマ対向面23b上に存在する電子e(及びマイナスイオン)だけでなく、トーチ20とワーク60との間の空間に拡散している、プラズマPZ中の電子e(及びマイナスイオン)に、プラズマ対向面23b側に向いたクーロン力を生じさせて、プラズマ対向面23bを介して、吸収する(接地する)。
【0067】
このように、中心電極23の電位が正の電圧に制御されると、トーチ20とワーク60との間の空間内において拡散している、荷電粒子を吸収することが出来、プラズマPZの拡散を、更に抑制することが出来る。
【0068】
こうして、中心電極電位制御部39は、倣い制御の実行中、中心電極23の電位を0ないし正の定電圧に制御することにより、プラズマPZの拡散が抑制され、倣い制御が正常に機能して、レーザ光RZの焦点位置は、常に、ワーク60において集光すべき所定位置に維持されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるレーザ加工機の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図2は、トーチの一例を示す図で、(a)は概略側面(一部断面)図、(b)は概略底面図である。
【図3】図3は、制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、インピーダンス変換部及び中心電極電位制御部の周辺における概略回路図である。
【図5】図5は、本発明による倣い制御であって、中心電極を接地した場合の説明図である。
【図6】図6は、本発明による倣い制御であって、中心電極を正の電位に制御した場合の説明図である。
【図7】図7は、従来のレーザ加工機による倣い制御の説明図で、(a)はプラズマの発生量が少ない場合、(b)はプラズマの発生量が多い場合である。
【符号の説明】
1……レーザ加工機
20……レーザ照射手段(トーチ)
23……中心電極
23a……レーザの射出口
23b……ワーク対向面
27a……第1のガード環状電極(第1ガード電極)
27b……第2のガード環状電極(第2ガード電極)
28……環状電極(センサ電極)
33……間隙長制御手段(変位量演算部)
35……間隙長制御手段(基準電圧メモリ)
36……高周波電圧供給手段(高周波電圧供給部)
37……間隙長制御手段(サーボモータ駆動制御部)
37a……間隙長制御手段(サーボモータ)
38……インピーダンス変換手段(インピーダンス変換部)
38a……入力部
38b……出力部
39……中心電極電位制御手段(中心電極電位制御部)
40……間隙長制御手段(電圧検出部)
60……ワーク
CGAP……静電容量
GAP……間隙長
RZ……レーザ光
VHF……高周波電圧
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの切断加工などを行なうことが出来る、レーザ加工機に係り、詳しくは、トーチに設けた環状電極とワークとの間の静電容量に基づいて、トーチ先端とワークとの間の間隙長を制御することの出来る、レーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレーザ加工機は、レーザ光を照射するトーチに環状電極を設け、該環状電極とワークとの間に生じる静電容量に基づいて、トーチ先端とワークとの間の間隙長を一定に制御することにより、トーチをワークに対して相対的に移動駆動させながら、レーザ光の焦点位置を、ワークの集光すべき所定位置に制御することの出来る、倣い制御機能を有していた。
【0003】
しかし、レーザ光をワークに照射すると、イオンや電子の荷電粒子などからなるプラズマが、加工点から発生するため、上記静電容量が間隙長とは無関係に変動して、上述した倣い制御機能が正常に機能しない場合があった。これに対して、環状電極を加工点から遠ざけるよう構成した、レーザ加工機が提案されているが(例えば、特許文献1)、プラズマが多く発生した場合、プラズマが環状電極に接近して、上述と同様に静電容量を変動させる不都合があった。
【0004】
そこで、例えば図7(a)に示すように、トーチ50に設けた環状電極51の内周に、絶縁層53を介してガード電極52を設け、該ガード電極52に高周波電圧を供給することによって、該高周波電圧による電気力線FLを発生させ、静電容量CGAPをプラズマPZから電気的に遮断し、上述したプラズマPZによる静電容量CGAPの変動を防止することの出来る、レーザ加工機が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭64−22490号公報(第6−8頁、第1図)
【特許文献2】
特開平3−165989号公報(第7−9頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したようなレーザ加工機であっても、図7(b)に示すように、プラズマPZが多く発生する場合、高周波電圧による電気力線FLがプラズマPZに引き込まれるため、静電容量CGAPをプラズマPZから完全に遮断することが出来なくなり、環状電極51とプラズマPZの間に、静電容量CGAPを変動させる静電容量CPZが生じることにより、倣い制御機能が、上述と同様に正常に機能しない不都合があった。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、レーザ光の照射によりプラズマが多く発生する場合であっても、倣い制御を正常に機能させることの出来る、レーザ加工機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、レーザ光(RZ)をワーク(60)に照射することの出来る、レーザ照射手段(20)を設け、該レーザ照射手段(20)は、前記レーザ光の射出口(23a)と、該射出口(23a)の外周に、前記ワーク(60)に対向する環状電極(28)とを有し、該環状電極(28)と前記ワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)に基づいて、前記レーザ照射手段(20)と前記ワーク(60)との間隙長(GAP)を制御することの出来る、間隙長制御手段(33、35、37、37a、40)を設けたレーザ加工機(1)において、
前記レーザ照射手段(20)は、前記環状電極(28)の内周に、中心電極(23)を有し、
前記中心電極(23)の電位を、0または正の定電圧に制御することの出来る、中心電極電位制御手段(39)を設けたことを特徴として構成される。
【0008】
請求項2の発明は、前記中心電極(23)は、前記レーザ光の射出口(23a)を中心として同心円状に形成された、ワーク対向面(23b)を有することを特徴として構成される。
【0009】
請求項3の発明は、前記レーザ照射手段(20)は、前記中心電極(23)と前記環状電極(28)との間に介在する、第1のガード環状電極(27a)を有し、
前記環状電極(28)を接続する、入力インピーダンスが∞の入力部(38a)と、前記第1のガード環状電極(27a)を接続する、出力インピーダンスが0の出力部(38b)とを有する、インピーダンス変換手段(38)を設け、前記環状電極(28)に高周波電圧(VHF)を供給することの出来る、高周波電圧供給手段(36)を設けたことを特徴として構成される。
【0010】
請求項4は、前記レーザ照射手段(20)は、前記インピーダンス変換手段の出力部(38b)に接続された、第2のガード環状電極(27b)を、前記環状電極(28)の外周に有することを特徴として構成される。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、レーザ照射手段(20)は、環状電極(28)の内周に、中心電極(23)を有しており、中心電極電位制御手段(39)は、中心電極(23)の電位を、0または正の定電圧に制御するので、該定電圧に制御された中心電極(23)上に存在する、レーザ光(RZ)の照射により生じたプラズマ(PZ)中の荷電粒子(例えば電子やイオン)を、当該中心電極(23)を介して吸収することが可能となり、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間における、プラズマ(PZ)の拡散を抑制することが出来る。これにより、プラズマ(PZ)が多量に発生する場合であっても、環状電極(28)からの電気力線(例えば、図5及び図6に示すFLGAP)がプラズマ(PZ)により乱されることがなくなり、環状電極(28)とワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)の変動を防止することが出来、間隙長制御手段(33、35、37、37a、40)は、誤動作することなく、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間隙長(GAP)を制御することが出来る。
【0012】
また、中心電極(23)の電位を、正の定電圧に制御した場合、中心電極(23)上に存在する荷電粒子だけでなく、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間に拡散している、電子やマイナスイオンなどの荷電粒子を、正の定電圧に制御された当該中心電極(23)を介して吸収することが出来るので、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間における、プラズマ(PZ)の拡散を更に抑制することが出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、中心電極(23)は、レーザ光の射出口(23a)を中心として同心円状に形成された、ワーク対向面(23b)を有するので、射出口(23a)に対向する加工点(例えば図5及び図6に示すP)から略同心円状に拡散する、プラズマ(PZ)の荷電粒子を、上記ワーク対向面(23b)を介して吸収し、プラズマ(PZ)の拡散を効率的に抑制することが出来る。
【0014】
請求項3の発明によれば、レーザ照射手段(20)は、中心電極(23)と環状電極(28)との間に介在する、第1のガード環状電極(27a)を有しており、インピーダンス変換手段(38)は、環状電極(28)を接続する、入力インピーダンスが∞の入力部(38a)と、第1のガード環状電極(27a)を接続する、出力インピーダンスが0の出力部(38b)とを有している。そして、高周波電圧供給手段(36)は、上記環状電極(28)に高周波電圧(VHF)を供給し、該供給された高周波電圧(VHF)による所定電圧(例えばVGAP)は、環状電極(28)と、入力部(38a)から出力部(38b)を介して、第1のガード環状電極(27a)とに印加されるので、第1のガード環状電極(27a)とワーク(60)との間に生じる静電容量(例えば図5及び図6に示すCa)が変動する場合であっても、上記所定電圧(例えばVGAP)の変動を防止することが出来る。これにより、第1のガード環状電極(27a)からの電気力線(例えば、図5及び図6に示すFLa)を、プラズマ(PZ)と、環状電極(28)とワーク(60)の間に生じる静電容量(CGAP)との間に介在させることが可能となり、環状電極(28)からの電気力線(例えば図5及び図6のFLGAP)をプラズマ(PZ)に終端させることを防止でき、環状電極(28)とワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)の変動を、更に防止することが出来る。
【0015】
また、第1のガード環状電極(27a)からの電気力線(例えば図5及び図6に示すFLa)は、高周波電圧(VHF)により発生するので、プラズマ(PZ)中の荷電粒子に一定のクーロン力を与えることなく、これら荷電粒子を、レーザ照射手段(20)とワーク(60)との間の空間に拘束することが出来、プラズマ(PZ)の拡散を抑制することが出来る。
【0016】
請求項4の発明によれば、レーザ照射手段(20)は、インピーダンス変換手段の出力部(38b)に接続された、第2のガード環状電極(27b)を、環状電極(28)の外周に有しており、高周波電圧供給手段(36)により供給された高周波電圧(VHF)による所定電圧(例えばVGAP)が、環状電極(28)及び第1のガード環状電極(27a)と共に、第2のガード環状電極(27b)に印加されるので、環状電極(28)からの電気力線(例えば、図5及び図6に示すFLGAP)を、法線方向からワーク(60)に終端させることが出来る。これにより、環状電極(28)とワーク(60)との間に生じる静電容量(CGAP)を、間隙長(GAP)のみに応じて変化させることが出来、間隙長制御手段(33、35、37、37a、40)は、精度の高い、間隙長(GAP)の制御を行うことが出来る。
【0017】
なお、括弧内の番号などは、本発明の理解を助けるために、図面における対応する要素を便宜的に示すものである。従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではなく、また、この符号の記載により本発明を解釈すべきでない。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるレーザ加工機の一例を示す全体斜視図、図2は、トーチの一例を示す図で、(a)は概略側面(一部断面)図、(b)は概略底面図、図3は、制御装置の一例を示すブロック図、図4は、インピーダンス変換部及び中心電極電位制御部の周辺における概略回路図、図5は、本発明による倣い制御であって、中心電極を接地した場合の説明図、図6は、本発明による倣い制御であって、中心電極を正の電位に制御した場合の説明図、図7は、従来のレーザ加工機による倣い制御の説明図で、(a)はプラズマの発生量が少ない場合、(b)はプラズマの発生量が多い場合である。
【0019】
図1は、本発明の一実施例であるレーザ加工機1を示している。本発明が適用されるレーザ加工機1は、例えば加工用CNC装置(NC切断機)であり、ワーク設置装置1a、レーザ照射装置1b、及び制御装置1cを備えている。ワーク設置装置1aの上方には、レーザ照射装置1bが配設されており、ワーク設置装置1a及びレーザ照射装置1bには、制御装置1cが付設されている。
【0020】
ワーク設置装置1aには、当該レーザ加工機1を床に固定させる、ベース2が設けられており、ベース2には、その上面にテーブル3が設けられている。テーブル3には、ワーク60を載置する水平なワーク搭載面3aが設けられており、ワーク搭載面3aは、適宜な駆動モータ(図示せず)により、ベース2に対して矢印A、B方向(X軸方向)に移動駆動自在に設けられている。また、ワーク搭載面3aには、載置されたワーク60を接地することの出来る、接地処理手段(図示せず)が設けられている。
【0021】
レーザ照射装置1bには、コラム5が設けられており、コラム5は、X軸方向に移動駆動自在な上記テーブル3に干渉することがないように、テーブル3を跨ぐ形でベース2に固定されている。また、コラム5には、X軸方向に直角かつ水平な矢印C、D方向(Y軸方向)に沿って、サドル用レール5a、5aが設けられており、サドル用レール5a、5aには、適宜な駆動モータ(図示せず)により、コラム5に対してY軸方向に移動駆動自在な、サドル6が設けられている。
【0022】
また、サドル6の内部には、加工ヘッド本体(図示せず)が設けられており、加工ヘッド本体は、適宜な駆動モータ(図示せず)により、コラム5に対してX及びY軸方向に直角な矢印E、F方向(Z軸方向)に、移動駆動自在に構成されている。
【0023】
また、コラム5には、上記サドル6よりも図1中の矢印B側(紙面奥側)の位置において、レーザ発振器(図示せず)が設けられている。レーザ発振器は、レーザ媒質が、例えば、CO2(炭酸ガス)やYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶)などからなり、当該媒質を介してレーザ光を発振・射出自在に構成されている。また、レーザ発振器は、レーザ光路管7を介して上記加工ヘッド本体に接続されている。
【0024】
レーザ光路管7は、上記レーザ発振器に接続された光路管7a(破線により一部のみ図示)及び、該光路管7aと加工ヘッド本体との間を矢印A、B方向に接続した伸縮管7bを有している。伸縮管7bは、サドル6と光路管7aとの間の動きに伴って伸縮するテレスコーピック機構などにより構成されている。従って、前記レーザ発振器により発振・射出されたレーザ光は、レーザ光路管7の光路管7aの内部を通過し、更に伸縮管7bの内部を通過する形で、サドル6内の加工ヘッド本体に到達するようになっている。
【0025】
加工ヘッド本体には、外スリーブ部材9が設けられており、外スリーブ部材9は、適宜な駆動モータ(図示せず)により、Z軸に平行な軸心CT1を中心に、加工ヘッド本体に対して回転駆動・位置決め自在に軸支されている。外スリーブ部材9には、回転先端部材10が設けられており、回転先端部材10は、適宜な駆動モータ(図示せず)により、軸心CT1に直角かつ水平な軸心CT2を中心に、外スリーブ部材9に対して回転駆動・位置決め自在に軸支されている。回転先端部材10には、ワーク搭載面3aに対して直角に向いたトーチ20が設けられている。また、トーチ20には、サーボモータ37a(図示せず)が設けられており、トーチ20は、該サーボモータ37aを介して図中上下方向に移動・位置決め自在に構成されている。
【0026】
外スリーブ部材9及び回転先端部材10の内部には、適宜な反射鏡(図示せず)が設けられており、これら反射鏡は、加工ヘッド本体に到達して該加工ヘッド本体の内部を通過したレーザ光を、外スリーブ部材9、回転先端部材10、及びトーチ20の内部を通過させて、ワーク60に対して法線方向から照射できるように構成されている。
【0027】
また、外スリーブ部材9の内部には、適宜な集光レンズ(図示せず)が設けられており、該集光レンズは、レーザ光を、ワーク60における集光すべき所定位置に集光できるように構成されている。更に、トーチ60には、窒素などアシストガスのボンベに接続されたアシストガス放出手段(図示せず)が設けられており、アシストガス放出手段は、ワーク60に対してアシストガスを放出自在に構成されている。
【0028】
図2は、トーチの一例を示す図で、(a)は概略側面(一部断面)図、(b)は概略底面図である。トーチ20には、図2(a)に示すように、集光されたレーザ光RZ(2点鎖線)に干渉しないように、略円錐形状の中空部21aが形成された、内スリーブ部材21が設けられている。内スリーブ部材21は、上述した図1に示す回転先端部材10に、保持部25を介して係合されている。また、内スリーブ部材21の図中下方には開口部21bが設けられており、該開口部21bには、中心電極23が嵌入されている。
【0029】
中心電極23は、適宜な導電性材料からなり、略円筒形状に形成されている。また、該円筒形状は、上記内スリーブ部材21と同様に、レーザ光RZ(2点鎖線)に干渉しないように、図中上方側が開口している。一方、円筒形状の図中下方側には、図2(b)に示すように、略円形状に形成された、プラズマ対向面23bが設けられており、プラズマ対向面23bの中心には、レーザ光RZの射出口23aが設けられている。
【0030】
中心電極23の外周には、適宜な材料からなる絶縁層26aを介して、第1ガード電極27aが設けられている。第1ガード電極27aは、適宜な導電性材料からなり、図2(a)に示すように略円筒形状に形成されている。また、第1ガード電極27aの外周には、絶縁層26bを介して、センサ電極28が設けられている。センサ電極28も、第1ガード電極27aと同様に、適宜な導電性材料からなり、同図(a)に示すように略円筒形状に形成されている。更に、センサ電極28の外周には、絶縁層26cを介して、第2ガード電極27bが設けられている。第2ガード電極27bも、第1ガード電極27a及びセンサ電極28と同様に、適宜な導電性材料からなり、同図(a)に示すように略円筒形状に形成されている。なお、第1ガード電極27aは、接触部CTを介して第2ガード電極27bと電気的に接続されている。
【0031】
即ち、第1ガード電極27a、センサ電極28、及び第2ガード電極27bは、図2(b)に示すように、それぞれ環状に形成されている。従って、トーチ20は、中心電極23の射出口23aを中心として、中心電極23のプラズマ対向面23b、絶縁層26a、第1ガード電極27a、絶縁層26b、センサ電極28、絶縁層26c、及び第2ガード電極27bの順に同心円状に構成されている。なお、以下の説明では、第1ガード電極27aと第2ガード電極27bを区別する必要がない場合は、単に、ガード電極27a、27bと表現する。
【0032】
次いで、図3は、制御装置1cの一例を示すブロック図を示している。レーザ加工機1の制御装置1cは、図3に示すように、主制御部30を有しており、主制御部30にはバス線41を介して、キーボードなどの入力部31、加工制御部32、変位量演算部33、基準電圧メモリ35、高周波電圧供給部36、サーボモータ駆動制御部37、中心電極電位制御部39、電圧検出部40などが接続されている。
【0033】
また、サーボモータ駆動制御部37には、サーボモータ37aが接続されている。高周波電圧供給部36には、センサ電極28が接続されており、インピーダンス変換部38を介して、第1ガード電極27a、及び第2ガード電極27bが接続されている。中心電極電位制御部39には、中心電極23が接続されている。
【0034】
図4は、インピーダンス変換部38及び中心電極電位制御部39の周辺における概略回路図を示している。なお、図4は、発明の理解を容易にするために必要な要素のみを示しており、実際の回路は、更に複雑なもので各種の能動素子や受動素子などを含むものである。
【0035】
高周波電圧供給部36には、高周波電源(図示せず)が設けられており、高周波電圧供給部36は、該高周波電源により、kHzないしMHzオーダの周波数からなる、高周波電圧VHFが出力自在に構成されている。
【0036】
インピーダンス変換部(破線枠内)38には、オペアンプOPが設けられており、オペアンプOPの出力端子は、抵抗などを介すことなく、当該オペアンプOPの反転入力端子(マイナス端子)に接続されることにより、該インピーダンス変換部38は、ボルテージホロワとして機能している。即ち、インピーダンス変換部38は、増幅率が略1であって、入力インピーダンスが∞の入力部38aと、出力インピーダンスが0の出力部38bとを有している。なお、入力インピーダンスが∞、出力インピーダンスが0とは、入力インピーダンスと出力インピーダンスが近似的に∞、0の関係にあることを意味する。
【0037】
高周波電圧供給部36は、適宜な抵抗Rに接続され、分岐点INを介して、それぞれセンサ電極28と、インピーダンス変換部38の入力部38aに接続されている。また、インピーダンス変換部38の出力部38bは、分岐点OUTを介して、それぞれ第1ガード電極27aと、電圧検出部40に接続されている。また、上述したように、第1ガード電極27aは、接触部CTを介して第2ガード電極27bに電気的に接続されているので、上記出力部38bは、第1ガード電極27aを介して、第2ガード電極27bに接続されている。
【0038】
また、中心電極電位制御部39は、定電圧電源VSが設けられており、該定電圧電源VSは接地されている。即ち、中心電極電位制御部39は、正の定電圧を中心電極23に出力自在であり、また0Vの場合は(電圧を出力しない場合は)中心電極23に接地自在となるように構成されている。
【0039】
レーザ加工機1は以上のような構成を有するので、レーザ加工機1を用いてワーク60を加工する際には、まずオペレータは、図1に示すように、加工すべきワーク60をワーク搭載面3a上に載置する。次いでオペレータは、制御装置1cが備える起動スイッチ(図示せず)を介して、レーザ加工機1を起動すると、接地処理手段が起動され、載置されたワーク60が接地される。そして、キーボードなどの入力部31を介して、材質や板厚などの加工条件と所定の加工形状に基づいた、加工指令を入力したとする。すると、これを受けて主制御部30は、当該加工指令に応じた制御の実行を、加工制御部32に指令する。
【0040】
加工制御部32は、まず、各軸の駆動モータ(図示せず)を駆動制御し、トーチ20を、X、Y、Z軸の所定軸方向に移動駆動させて、所定位置(例えばピアシングポイント)に配置させる。そして、レーザ発振器(図示せず)を発振させて、レーザ光RZを射出させる。射出されたレーザ光RZは、レーザ光路管7、加工ヘッド本体(図示せず)、外スリーブ部材9、回転先端部材10、及びトーチ20を介して、ワーク60に照射される。また、レーザ光RZの照射と共に、アシストガス放出手段(図示せず)が起動され、アシストガスがワーク60に放出される。
【0041】
こうして、レーザ光RZがワーク60に照射されると、加工制御部32は、ベース3、サドル6、加工ヘッド本体、外スリーブ部材9、及び回転先端部材10を、適宜、移動駆動または回転駆動・位置決めすることにより、加工指令に応じた加工形状に沿って、トーチ20をワーク60に対して相対的に移動させる。
この際、トーチ20の当該移動に伴って、トーチ20先端とワーク60との間隙長GAPを略一定に制御する、倣い制御を実行する。
【0042】
図5は、本発明による倣い制御であって、中心電極23を接地した場合の説明図である。センサ電極28は、図5に示すように、ワーク60と対向しており、センサ電極28とワーク60との間には、図2(b)に示す環状のセンサ電極28と、これに対向するワーク60とが、コンデンサの対向電極として機能し、静電容量CGAPが生じている。従って、抵抗Rと静電容量CGAPは、ワーク60が接地処理手段により接地されていることから、高周波電圧供給部36に対して、直列回路を構成している。
【0043】
一方、第1ガード電極27aとワーク60との間には、上述した静電容量CGAPと同様に、静電容量Caが生じており、第2ガード電極27bとワーク60との間には、同様に、静電容量Cbが生じている。従って、静電容量Caと静電容量Cbは、インピーダンス変換部38の出力部38bに対して並列回路を構成している。
【0044】
この状態で、高周波電圧供給部36が、高周波電圧VHFを出力すると、該高周波電圧VHFは、抵抗Rを介して、センサ電極28に入力される。抵抗Rと静電容量CGAPは、上述したように直列回路を構成しているので、分岐点INの電位VINは、静電容量CGAP間の電圧降下分に相当し、高周波電圧VHFに対して、所定電圧値だけ低くかつ所定位相のずれた電圧(以下、「電圧VGAP」とする)になる。
【0045】
電圧VGAPは、インピーダンス変換部38の入力部38aに入力され、当該インピーダンス変換部38の増幅率は略1なので、当該電圧VGAPが、分岐点OUTの電位VOUTとしてそのまま出力される。静電容量Caと静電容量Cbは、上述したように並列回路を構成しているので、出力された電圧VGAPは、第1ガード電極27aと第2ガード電極27bに、それぞれ入力される。
【0046】
即ち、第1ガード電極27a、第2ガード電極27b、及びセンサ電極28に入力される電圧VGAPは、同位相なので、センサ電極28からの電気力線FGAPは、隣り合うガード電極27a、27bなどで終端することなく(つまり、静電容量CGAPと異なる静電容量が新たに生じることなく)、対向するワーク60に終端する。しかも、入力される電圧VGAPは、同じ電圧値なので、上記電気力線FGAPは、センサ電極28から広がりながらワーク60に終端することなく、該電気力線FGAPに隣り合う、第1ガード電極27aからの電気力線FLaと、第2ガード電極27bからの電気力線FLbに対して、それぞれ略平行となる。
【0047】
従って、図2(b)に示すセンサ電極28に対して法線方向のワーク60表面が、つまり当該環状電極をワーク60に投射した部分が、静電容量CGAPのワーク60側における対向電極として機能する。これにより、静電容量CGAPにおける対向電極の断面積(上記環状電極の面積)は、略一定となるので、静電容量CGAPは、図5に示す間隙長GAP(つまりセンサ電極28とワーク60の最短距離)のみに応じて変化することになる。
【0048】
例えば、間隙長GAPが大きくなると、静電容量CGAPが小さくなり(電圧VGAPが大きくなり)、逆に、間隙長GAPが小さくなると、静電容量CGAPが大きくなる(電圧VGAPが小さくなる)関係になる。即ち、倣い制御を実行するには、予め、所定の間隙長GAPに応じた所定の電圧VGAP(以下、「基準電圧値」とする)を設定して、トーチ20の移動制御中に、電圧VGAPを検出して基準電圧値に対するずれを補正すればよい。
【0049】
従って、電圧検出部40は、トーチ20の移動制御中に、電位VOUTを常に検出しており、インピーダンス変換部38の出力部38bから出力された電圧VGAPが、電圧検出部40に入力されると、これを検出して該検出結果を変位量演算部33に出力する。
【0050】
なお、センサ電極28として、環状に形成された電極を示したが、必ずしも、図2(b)に示すような連続した「環」である必要はなく、不連続な「環」であってもよい。例えば、図2(b)に示すセンサ電極28上に、所定数(例えば1個ないし3個)の切り欠きを形成してもよく、また、分割されたセンサ電極を、環状に配置してもよい。
【0051】
一方、基準電圧メモリ35には、設定すべき間隙長GAPに対応する基準電圧値のテーブルが準備されており、変位量演算部33は、倣い制御の起動の際に、基準電圧メモリ35から該テーブルを呼び出して、オペレータにより入力された加工条件(例えば材質や板厚)に基づいて、設定すべき間隙長GAPに対応する基準電圧値を設定している。
【0052】
また、変位量演算部33は、電圧検出部40から受けた検出結果に基づいて、基準電圧値に対するずれに相当する電圧値Vを演算する。そして、該演算した電圧値Vに基づいて、電圧値Vと、間隙長GAPに対するトーチ20の変位量(つまりサーボモータ37aの変位角度)との関係式から、間隙長GAPに対するトーチ20の変位量を演算して、演算したトーチ20の変位量を、サーボモータ駆動制御部37に出力する。すると、サーボモータ駆動制御部37は、トーチ20の変位量に応じて、サーボモータ37aを所定変位角度だけ駆動制御する。そして、トーチ20が、図5中、上方向あるいは下方向に移動・位置決めされ、間隙長GAPが、略一定に維持される。
【0053】
このように、倣い制御が実行されると、ワーク60表面の起伏に応じて、トーチ20の変位量が、変位量演算部33により直ちに演算され、間隙長GAPを略一定となるように、サーボモータ37aにより、トーチ20が移動・位置決めされる。従って、レーザ光RZの焦点位置は、ワーク60において集光すべき所定位置(例えば図5に示す加工点P)に維持されることになる。
【0054】
なお、上述した倣い制御を実行するにあたり、必ずしもガード電極27a、27bは必要なく、倣い制御の精度が低下するが、例えば、センサ電極28の内外周にガード電極27a、27bを設けることなく、絶縁性の部材で構成するようにしてもよい。
【0055】
こうして、レーザ光RZをワーク60に照射していくと、図5に示すように、加工点Pにおいてワーク60が溶融するため、トーチ20とワーク60との間で、イオンや電子eなどの荷電粒子などからなる、プラズマPZが生じる。
【0056】
プラズマPZと静電容量CGAPとの間には、既に述べたように、電気力線FLaが介在しており、センサ電極28からの電気力線FLGAPをプラズマPZに終端させることなく(つまり静電容量CGAPを変動させることなく)、電気力線FLbがプラズマPZに終端する。これにより、静電容量Caが変動するが、静電容量Caと静電容量CGAPとの間には、ボルテージホロワとして機能する、インピーダンス変換部38が介在しているので、電圧VGAPは、静電容量Caの変動による影響を受けることなく、電圧検出部40は、間隙長GAPに応じた電圧VGAPを検出することが出来る。これにより、プラズマPZが発生する場合であっても、間隙長GAPを略一定となるように制御することが出来る。なお、インピーダンス変換部38の一例として、ボルテージホロワを示したが、入力インピーダンスが∞かつ出力インピーダンスが0であれば、必ずしも増幅率が1である必要はない。
【0057】
また、電気力線FLaは、電圧VGAPによる高周波電圧より発生しているものであるから、プラズマPZ中のイオンや電子eなどの荷電粒子に、一定方向のクーロン力を与えることなく、該荷電粒子が第1ガード電極27a側に接近することを防止することが出来る。これにより、これら荷電粒子をトーチ20とワーク60との間の空間に拘束する形で、静電容量CGAPを、プラズマPZから遮断することが出来る。
【0058】
一方、静電容量CGAPの外周には、既に述べたように、第2ガード電極27bから電気力線FLbが生じており、例えば、トーチ20が、図5に示すワーク60の斜面部60a(2点鎖線)に接近した場合に、センサ電極28からの電気力線FLGAPを斜面部60aに終端させることなく(つまり静電容量CGAPを変動させることなく)、電気力線FLbが斜面部60aに終端する。これにより、静電容量Cbが変動するが、電圧VGAPは、上述と同様にインピーダンス変換部38により、静電容量Cbの変動による影響を受けることなく、電圧検出部40は、ワーク60上に斜面部60aなどの起伏があっても、間隙長GAPに応じた電圧VGAPを検出することが出来る。
【0059】
こうして、静電容量CGAPがプラズマPZから遮断された形で、上述した倣い制御が、正常に機能して実行されていく。ここで、上記プラズマPZが、トーチ20とワーク60との間に多量に発生したとする。すると、上述した高周波電圧による電気力線FLaでは、プラズマPZをトーチ20とワーク60との間の空間に拘束できなくなり、プラズマPZが当該空間中を拡散していく。そして、プラズマPZが、電気力線FLaに接近して、多くの電気力線FLaを引き込むと、センサ電極28からの電気力線FLGAPがプラズマPZに終端することにより、静電容量CGAPが変動するため、倣い制御が正常に機能しなくなる。
【0060】
そこで、本発明に係るレーザ加工機1は、このようにプラズマPZが多量に発生する場合であっても、プラズマPZが電気力線FLaに接近することのないように、プラズマPZの荷電粒子を吸収することにより、プラズマPZの拡散を抑制して、倣い制御を正常に機能させるものである。
【0061】
即ち、中心電極23は、図5に示すように、中心電極電位制御部39に接続されており、上述した倣い制御の起動と共に、中心電極電位制御部39が起動される。中心電極電位制御部39は、例えば、電圧を出力することなく、中心電極23を接地するように制御する。すると、中心電極23のプラズマ対向面23b全体は、電位が0の状態となるので、中心電極電位制御部39は、プラズマ対向面23b上に存在する電子eなどの荷電粒子を、該プラズマ対向面23bを介して吸収する(接地する)。例えば、プラズマPZがプラズマ対向面23bに接している場合や、プラズマ対向面23bがプラズマPZにより帯電している場合に、これら荷電粒子が吸収されることになる。
【0062】
このように、電子eなどの荷電粒子が、上述した倣い制御の実行中、プラズマ対向面23bを介して順次吸収されるので、トーチ20とワーク60との間の空間におけるプラズマPZの拡散を抑制することが出来る。これにより、プラズマPZが多量に発生する場合であっても、電気力線FaのプラズマPZへの引き込みが抑制され、上述した倣い制御を、正常に機能させることが出来る。
【0063】
中心電極23のプラズマ対向面23bは、図2(b)に示すように、レーザRZの射出口23aを中心として、同心円状に形成されているので、加工点Pから略同心円状に拡散するプラズマPZの荷電粒子を吸収することより、プラズマPZの拡散を効率的に抑制することが出来る。
【0064】
なお、上述した中心電極電位制御部39により荷電粒子を吸収する手法として、中心電極23を接地する一例を示したが、中心電極23の電位を、正の電圧に制御するようにしてもよい。図6は、本発明による倣い制御であって、中心電極23を正の電位に制御した場合の説明図を示している。
【0065】
ところで、プラズマPZ中の荷電粒子は、既に述べたように、電子eとプラスあるいはマイナスのイオンである。電子eは、イオンと比較してその質量が小さいため、イオンよりも拡散し易く、トーチ20とワーク60との間の空間内を広く拡散する。従って、荷電粒子のうち電子eを吸収することが、プラズマPZの拡散を抑制するために効果的である。
【0066】
即ち、中心電極電位制御部39は、図6に示すように、例えば、5Vの電圧を出力する。すると、中心電極23のプラズマ対向面23b全体は、電圧が5Vである正の電位の状態となるので、中心電極電位制御部39は、プラズマ対向面23b上に存在する電子e(及びマイナスイオン)だけでなく、トーチ20とワーク60との間の空間に拡散している、プラズマPZ中の電子e(及びマイナスイオン)に、プラズマ対向面23b側に向いたクーロン力を生じさせて、プラズマ対向面23bを介して、吸収する(接地する)。
【0067】
このように、中心電極23の電位が正の電圧に制御されると、トーチ20とワーク60との間の空間内において拡散している、荷電粒子を吸収することが出来、プラズマPZの拡散を、更に抑制することが出来る。
【0068】
こうして、中心電極電位制御部39は、倣い制御の実行中、中心電極23の電位を0ないし正の定電圧に制御することにより、プラズマPZの拡散が抑制され、倣い制御が正常に機能して、レーザ光RZの焦点位置は、常に、ワーク60において集光すべき所定位置に維持されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるレーザ加工機の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図2は、トーチの一例を示す図で、(a)は概略側面(一部断面)図、(b)は概略底面図である。
【図3】図3は、制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、インピーダンス変換部及び中心電極電位制御部の周辺における概略回路図である。
【図5】図5は、本発明による倣い制御であって、中心電極を接地した場合の説明図である。
【図6】図6は、本発明による倣い制御であって、中心電極を正の電位に制御した場合の説明図である。
【図7】図7は、従来のレーザ加工機による倣い制御の説明図で、(a)はプラズマの発生量が少ない場合、(b)はプラズマの発生量が多い場合である。
【符号の説明】
1……レーザ加工機
20……レーザ照射手段(トーチ)
23……中心電極
23a……レーザの射出口
23b……ワーク対向面
27a……第1のガード環状電極(第1ガード電極)
27b……第2のガード環状電極(第2ガード電極)
28……環状電極(センサ電極)
33……間隙長制御手段(変位量演算部)
35……間隙長制御手段(基準電圧メモリ)
36……高周波電圧供給手段(高周波電圧供給部)
37……間隙長制御手段(サーボモータ駆動制御部)
37a……間隙長制御手段(サーボモータ)
38……インピーダンス変換手段(インピーダンス変換部)
38a……入力部
38b……出力部
39……中心電極電位制御手段(中心電極電位制御部)
40……間隙長制御手段(電圧検出部)
60……ワーク
CGAP……静電容量
GAP……間隙長
RZ……レーザ光
VHF……高周波電圧
Claims (4)
- レーザ光をワークに照射することの出来る、レーザ照射手段を設け、該レーザ照射手段は、前記レーザ光の射出口と、該射出口の外周に、前記ワークに対向する環状電極とを有し、該環状電極と前記ワークとの間に生じる静電容量に基づいて、前記レーザ照射手段と前記ワークとの間隙長を制御することの出来る、間隙長制御手段を設けたレーザ加工機において、
前記レーザ照射手段は、前記環状電極の内周に、中心電極を有し、
前記中心電極の電位を、0または正の定電圧に制御することの出来る、中心電極電位制御手段を設けたことを特徴とするレーザ加工機。 - 前記中心電極は、前記レーザ光の射出口を中心として同心円状に形成された、ワーク対向面を有することを特徴とする、請求項1記載のレーザ加工機。
- 前記レーザ照射手段は、前記中心電極と前記環状電極との間に介在する、第1のガード環状電極を有し、
前記環状電極を接続する、入力インピーダンスが∞の入力部と、前記第1のガード環状電極を接続する、出力インピーダンスが0の出力部とを有する、インピーダンス変換手段を設け、
前記環状電極に高周波電圧を供給することの出来る、高周波電圧供給手段を設けたことを特徴とする、請求項1記載のレーザ加工機。 - 前記レーザ照射手段は、前記インピーダンス変換手段の出力部に接続された、第2のガード環状電極を、前記環状電極の外周に有することを特徴とする、請求項3記載のレーザ加工機。
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