JP2002219568A - アーク放電誘発方法及びその装置 - Google Patents
アーク放電誘発方法及びその装置Info
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Abstract
させ、電極のアライメントの精度を高めなくとも、アー
ク放電の立ち上げを行うことができるアーク放電誘発方
法及びその装置を提供する。 【解決手段】 溶接すべき母材10と電極12とがギャ
ップを有し、前記母材10と前記電極12との間にアー
ク放電を生じさせて前記母材10を溶接するアーク溶接
方法において、前記母材10と前記電極12との間にプ
ラズマジェット15を形成させてアーク放電の立ち上げ
を行う。
Description
るアーク放電誘発方法及びその装置に関するものであ
る。
技術としては、特開平6−142927号、特開平8−
243742号、特開平11−123546号などがあ
る。
の高速化におけるアーク不安定対策として、レーザ・ア
ーク複合溶接がある。ここでは、レーザビームを母材に
照射し、母材を加熱することによりレーザプルームを発
生させ、アーク放電を安定させる。しかし、この方法は
高速加工には有効であるが、母材の加熱に時間を要する
という欠点があった〔文献:レーザ熱加工研究会誌、v
ol.6,No.1(1999)P.79〜84、P.
85〜88〕 ところで、TIG(タングステン・イナートガス)溶接
機のアーク起動は、電極と母材が非接触で行われるた
め、電極と母材との間に高周波あるいは高電圧を印加し
てアーク放電を誘発している。
である。
しての母材であり、陽極となる。2はタングステン電極
であり、陰極となる。なお、コンピュータによる制御系
は省略されている。
ク放電誘発(引き金)のための技術としては、第1に火
花放電発生法があり、電極と母材を接触させることによ
り、火花放電を発生させる。第2に高周波スタート法が
あり、高周波を電極と母材との間に印加する。更に、第
3に高電圧法があり、高電圧を電極と母材との間に印加
する。
たように、アーク溶接機(コンピューター制御)におけ
る電気アークは、以下のような問題点があった。
材を接触させて火花放電を発生させるという動作をコン
ピューター制御により実行すること自体が難しい。
アルミニウムの場合は、その表面に酸化皮膜が形成され
て、アーク放電の点火率にバラッキが生じる。また、高
周波自体がノイズとなるため、コンピューターを含めた
周辺機器に悪影響を及ぼす。
るため危険であるとともに、ノイズがあり、電極と母材
表面の汚れに影響を受け易く着火(アーク放電誘発)し
ない場合もある。
スタート時は被溶接材や電極の温度、電極と母材の間隔
等に放電の立ち上がりが影響を受けるため、種々の異常
現象や溶接の不具合の発生がある。このために電極と母
材の距離を通常2mm以下とし、厳しい工程管理が必要
になる。
し、母材と電極との間に荷電粒子チャンネルを形成さ
せ、アーク放電の立ち上げを行うアーク放電誘発方法及
びその装置を提案した(特願2000−318815
号)。
を行うアーク放電誘発方法及びその装置の場合は、母材
と電極との間に荷電粒子チャンネルを形成させ、アーク
放電誘発を行うために、細い荷電粒子チャンネルと電極
との位置合わせ、つまり、電極のアライメントの精度を
高める必要があった。
との間にプラズマジェットを形成させ、電極のアライメ
ントの精度を高めなくとも、アーク放電の立ち上げを行
うことができるアーク放電誘発方法及びその装置を提供
することを目的とする。
成するために、 〔1〕アーク放電誘発方法において、溶接すべき母材と
電極とがギャップを有し、前記母材と前記電極との間に
アーク放電を生じさせて前記母材を溶接するアーク溶接
方法において、前記母材と前記電極との間にプラズマジ
ェットを形成させてアーク放電の立ち上げを行うことを
特徴とする。
法において、前記プラズマジェットの形成を、パルスレ
ーザ光を前記母材に照射し、レーザ・アブレーションに
より行うことを特徴とする。
法において、アーク放電開始の制御信号と同期させて1
ショットパルス光を発生させることを特徴とする。
法において、前記パルスレーザ光はYAGレーザであ
り、このYAGレーザの基本波である1064nmとす
ることを特徴とする。
すべき母材と電極とがギャップを有し、前記母材と前記
電極との間にアーク放電を生じさせて前記母材を溶接す
るアーク溶接機と、前記母材と前記電極との間にプラズ
マジェットを形成させる手段とを具備することを特徴と
する。
置において、前記プラズマジェットを形成させる手段
が、前記母材と前記電極との間に集光させるパルスレー
ザ光であることを特徴とする。
置において、前記プラズマジェットを形成させる手段
が、パルスレーザ光を前記母材に照射し、レーザ・アブ
レーションを生成させるものであることを特徴とする。
参照しながら説明する。
接機のアーク放電誘発方法の模式図である。
としての母材であり、陽極となる。11はトーチ、12
はそのトーチ11におけるタングステン電極であり、陰
極となる。13はシールドであり、このシールド13と
タングステン電極12間にシールドガスを流せるように
構成されている。14はパルスレーザ、15はプラズマ
ジェット、16はアーク溶接機の制御装置、17は直流
電源を示している。
ーザ14を集光させ、レーザ・アブレーションによる噴
出プラズマ(プラズマジェット)15を母材10とタン
グステン電極12との間に形成することで、タングステ
ン電極12と母材10を導通状態として、アーク放電の
立ち上げを容易にする。母材10として銅を用い、タン
グステン電極12との間隔Dを2mmと離した。パルス
レーザ14は通常のYAGレーザの基本波(1064n
m)を用い、50mJのパワーで照射した。
マジェット方式では、溶接すべき箇所に広がりを持った
プラズマジェット15が形成されるために、電極のアラ
イメントの精度を高めなくとも、アーク放電の立ち上げ
を行うことができる。換言すれば、電極のアライメント
も容易になり、しかもスムーズなアーク放電立ち上げを
得ている。当然、従来のアーク放電誘発方法では、レー
ザを照射しない状態ではアーク放電開始にばらつきがあ
ったが、これを解消することができる。そして、本願発
明者の先行提案(特願2000−318815号)に示
したレーザ光の高調波をあえて用いる必要もなく、通常
のYAGパルスレーザ、CO2 パルスレーザ、エキシマ
パルスレーザを用いることができる。
ム(実験システム)の構成図、図3は本発明の実施例の
レーザにより生成したプラズマジェットを示す図であ
る。
属板としての母材であり、陽極となる。21はトーチ、
22はそのトーチ21におけるタングステン電極であ
り、陰極となる。24はプラズマジェット、25はアー
ク溶接機、31はYAGレーザ、34,35,36はミ
ラー、37は集光用レンズ、38はパルスレーザであ
る。
斜角度θは60°、タングステン電極22と母材20間
の間隔Dは2mmである。
表面に集光させ、レーザ・アブレーションによるプラズ
マジェット(噴出プラズマ)24を母材20とタングス
テン電極22との間に形成することができる。
より、タングステン電極22のアライメント精度を高め
ることなく、容易にアーク溶接機25におけるアーク放
電を誘発させることができる。
溶接機であり、インバータ制御・直流TIG溶接機(日
立インバータTIG,DT−NP 300A)を用い、
高周波スタート回路はOFF、最高無負荷電圧は約61
V、シールドガスはアルゴンガスを用いた。
接トーチ(TEC WP−27A)を用い、コレットは
サイズ3.2mmφ、ガスレンズ・コレットボディはサ
イズ3.2mmφ、ガスレンズ・ノズルはNo.8、内
径は12.7mmを用いた。
る。
接機のアーク放電誘発方法の模式図である。
グステン電極、52はタングステン電極51と同軸的に
配置される穴開き凸レンズ、53はパルスレーザ、54
はプラズマジェットである。
き凸レンズ52によって母材50の表面に集光されてい
る。
テン電極51と同軸的に配置される穴開き凸レンズ52
によって、タングステン電極51と同軸上に集光するこ
とができる。
1の同軸上の母材50の表面上にパルスレーザ53を集
光させることができ、アーク溶接における放電立ち上が
りを容易に、かつ、安定化することができる。 また、
本発明は、高出力半導体レーザ等のノイズによって故障
しやすいレーザを用いたレーザアーク複合溶接における
アーク放電誘発法としても有効である。 更に、プラズ
マ溶接機におけるスタート法としても考えられる。従来
のプラズマ溶接機は、高周波スタート法を使用してお
り、アーク溶接機に比べプラズマ溶接機は、若干構造が
複雑ではあるが、工夫をすれば、プラズマジェットによ
るアーク放電誘発は可能である。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、以下のような効果を奏することができる。
トを形成させ、電極のアライメントの精度を高めなくと
も、アーク放電の立ち上げを行うことができる。
ずに、母材の表面にレーザパルス光を集光させ、レーザ
・アブレーションによる噴出プラズマ(プラズマジェッ
ト)を生成させ、容易にアーク放電の立ち上げを行うこ
とができる。
させ、レーザ・アブレーションによる噴出プラズマ(プ
ラズマジェット)を生成させるようにしたので、母材が
アルミニウムであってもその表面の酸化膜をアブレーシ
ョンすることにより、アーク放電の点火率を高めること
ができる。
り不具合に起因する不良ワークの発生を防止することが
できる。
はばらつきがあったが、それを解消することができ、信
頼性を向上させることができる。
ク放電誘発方法の模式図である。
ステム)の構成図である。
マジェットを示す図である。
ク放電誘発方法の模式図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 溶接すべき母材と電極とがギャップを有
し、前記母材と前記電極との間にアーク放電を生じさせ
て前記母材を溶接するアーク溶接方法において、 前記母材と前記電極との間にプラズマジェットを形成さ
せてアーク放電の立ち上げを行うことを特徴とするアー
ク放電誘発方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のアーク放電誘発方法にお
いて、前記プラズマジェットの形成を、パルスレーザ光
を前記母材に照射し、レーザ・アブレーションにより行
うことを特徴とするアーク放電誘発方法。 - 【請求項3】 請求項2記載のアーク放電誘発方法にお
いて、アーク放電開始の制御信号と同期させて1ショッ
トパルス光を発生させることを特徴とするアーク放電誘
発方法。 - 【請求項4】 請求項2記載のアーク放電誘発方法にお
いて、前記パルスレーザ光はYAGレーザであり、該Y
AGレーザの基本波である1064nmとすることを特
徴とするアーク放電誘発方法。 - 【請求項5】(a)溶接すべき母材と電極とがギャップ
を有し、前記母材と前記電極との間にアーク放電を生じ
させて前記母材を溶接するアーク溶接機と、(b)前記
母材と前記電極との間にプラズマジェットを形成させる
手段とを具備することを特徴とするアーク放電誘発装
置。 - 【請求項6】 請求項5記載のアーク放電誘発装置にお
いて、前記プラズマジェットを形成させる手段が、前記
母材と前記電極との間に集光させるパルスレーザ光であ
ることを特徴とするアーク放電誘発装置。 - 【請求項7】 請求項5記載のアーク放電誘発装置にお
いて、前記プラズマジェットを形成させる手段が、パル
スレーザ光を前記母材に照射し、レーザ・アブレーショ
ンを生成させるものであることを特徴とするアーク放電
誘発装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018579A JP2002219568A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | アーク放電誘発方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018579A JP2002219568A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | アーク放電誘発方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002219568A true JP2002219568A (ja) | 2002-08-06 |
Family
ID=18884585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001018579A Pending JP2002219568A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | アーク放電誘発方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002219568A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013166160A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Sankyu Inc | レーザ溶接におけるシールドガスの噴出方法 |
JP2015074013A (ja) * | 2013-10-09 | 2015-04-20 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | Arシールドガスを使用した消耗電極式溶接方法 |
-
2001
- 2001-01-26 JP JP2001018579A patent/JP2002219568A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013166160A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Sankyu Inc | レーザ溶接におけるシールドガスの噴出方法 |
JP2015074013A (ja) * | 2013-10-09 | 2015-04-20 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | Arシールドガスを使用した消耗電極式溶接方法 |
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