JP4394808B2 - レーザ光とアークを用いた溶融加工装置 - Google Patents

レーザ光とアークを用いた溶融加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光とアークを用いた溶融加工装置に関し、特にレーザ光エネルギーと放電アークエネルギーの両エネルギを有効に併用して溶融加工、接続効率を改善したレーザ光とアークを用いた溶融加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属等の加工には、アーク放電による熱加工が従来から広く利用されてきている。一方、高密度熱エネルギーを有するレーザ光を極めて細いビーム径に絞って被加工物または被溶融物であるワークに照射して溶融させることにより加工するレーザ加工技術のもつ高能率、高精度、低熱歪み特性も注目されている。
【0003】
鋼材溶接のためには、一般に、T.I.G.、プラズマアーク等の非消耗電極によるアーク熱源、レーザ熱源及びこれらの複合熱源による溶接方法が広く用いられている、
【0004】
T.I.G.はアークの広がりを拘束しない非拘束アークであるため被溶接物の溶融部における熱の広がりが大きくなると共に溶け込みも小さい。また、高速溶接を行う場合には、アークの安定性、指向性等の間題点もある。
【0005】
一方、プラズマアーク溶接は、非消耗電極と被溶接物との間に発生するアーク柱を小口径の水冷ノズルの中にガス流と共に通過させ、サーマルピンチ効果による拘束アークを用いて溶接するものであり、T.I.G.溶接と比較してアークの指向性、エネルギー密度が大きい。
【0006】
しかし、アーク発生機構上、アーク特性の変化要素が多いため、溶接時に種々の問題点を生ずる。また、キーホール溶接においては深溶け込みが得られるが、他の条件下では溶け込みにおいては、T.I.G.との差は大きくない。
【0007】
これに対して、レーザ溶接は、レーザ光をレンズで絞ってエネルギー密度を高め、その焦点近傍におかれた被溶接物上に照射し、この部位にキーホールを作って熱影響の極めて少ない溶け込みの大きな溶接結果が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このレーザ溶接にも種々の問題点を有する。特に、高反射率の金属では溶接が不能となり極めて効率が悪い。また、極めて小さい点に集光された高エネルギー熱源は、局部的に短時問でその部位を溶融させ、金属溶接時に急熱急冷現象を呈し、全属の種類によっては溶接部の割れ、溶接ビードのアンダーカット、ポロシテイの発生、融合不良、等の発生原因となる。
【0009】
また、溶融ビード幅が小さくV字状の断面は、溶接継ぎ手及びレーザ光の位置決めにおいて各々高精度が要求される。
【0010】
更には、ビード幅が極めて狭いことから、熔加棒の使用条件が厳しく困難、継ぎ手形状及び精度が悪い場合、大きなアンダーカット、または融合不良を生じ安い等の多くの欠点を有している。
【0011】
プラズマまたはT.I.G.溶接法とレーザ溶接法と両溶接法を用いた複合溶接は、上記レーザ溶接の問題点を解消するものであるが、従来用いられている電極は有口電極であるため、構造上比較的大電流(100A以上)では有効であるものの、小電流ではアーク自体不安定となり易く、その応用範囲は厚板に限られ、薄板加工は困難である。
【0012】
通常、金属のレーザ溶接に於けるその溶融点は極めて高いエネルギー密度であるため、そこから全属ヒュームとブラズマが発生して、例えば、従来のレーザとアークの複合溶接においては、その露出した電極先端に金属ヒュームが付着し電極の異状消耗、アークの不安定現象を引き起こして実用化を妨げる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、レーザ光エネルギーと放電アークエネルギーの両エネルギを有効に併用して溶融加工、接続効率を改善し、特に、気流で拘束された高電圧(T.I.G.に比ベ)アーク柱とレーザ光の複合エネルギーを用いた簡易な構造で高効率,高能率の溶接が得られるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0015】
(1)外筒と、この外筒と略同軸の内筒から成る本体部と、
前記本体部の一端側には前記一端側を覆い、レーザ光を導光する光ファイバを固定する開口部を有する頂部と、
前記内筒の内部に設けられ、前記光ファイバからのレーザ光を絞り込んで前記本体部の他端側に設けられた開口部からワーク上に集光、照射する光学系と、
前記本体部内の他端側の開口部近傍に配設され、アーク放電のための高電圧が供給される棒状電極と、
前記本体部の他端側を囲繞し、逆円錐形状を有し、その先端が前記棒状電極よりも突出し、前記本体部に取り外し可能に固定されたシールドカップと、
前記本体部の外筒に設けられ、不活性ガスを導入して、前記外筒と内筒間に流し、前記棒状電極先端側からワーク面に噴出させるための第1の導入部と、
前記棒状電極先端側と前記シールドカップ間に設けられ、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスを導入して、前記棒状電極先端側と前記シールドカップ間に流し、前記棒状電極先端側からワーク面に噴出させるための第2の導入部と、
を備え、前記レーザ光の照射により前記ワークを溶融させた状態で前記アーク放電による溶融、加工を行うレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0017】
)前記棒状電極の位置を調整する位置調整部を有する上記(1)のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0018】
)前記棒状電極の先端側は、タングステン材料から成る上記(1)または)のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0019】
)前記レーザ光の光源は、YAGレーザまたは炭酸ガスレーザである上記(1)乃至()のいずれかのレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の好適実施形態例について添付図を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の一実施形態例を示す一部断面の構成図である。また、図2には、図1の溶融加工ユニット(トーチ部)10の簡略化した断面図が示されている。
【0022】
本発明では、非消耗電極から発生したアーク柱の周囲に、それに沿って積極的に不活性ガス、例えば、アルゴン、ヘリウム及びアルゴンと水素の混合体等ガス体を流してサーマルピンチ効果を得、このサーマルピンチ効果により拘束された高電圧のアーク(拘束アーク)を形成させている。このような気流拘束形状のアーク柱の特徴は低電流領域(実験値で80A以下)でフラツキを呈しやすく特に正極性時で陽極点の安定性が悪いが、その極点のエネルギー密度はきわめて高く,条件次第でプラズマ溶接のそれを凌ぐ。
【0023】
本発明は、この極点における高エネルギー密度に着目し、レーザ光照射による溶融加工方法と複合させている。気流で拘束された低電流アーク柱の極点(以下、説明を明確化するため正極性化でのアーク柱を対象として説明する)の不安定性は、溶接工程上アーク移動に対して常により高温部に極点を位置付けアークの維持を図ろうとするそれ自体の特性に起因するものである。従って、溶接工程上アークの移動に対して常に極点が安定して移動し得る高温部が別に与えられれば、このアークの欠点であるフラツキは除去できることになる。そこで、レーザ光をアーク柱に安定点を与えるように、被溶接物上極点近くにレーザ光による溶融点を形成してアークの極点をこの溶融点に誘導形成させて安定化させている。
【0024】
さて、図1を参照すると、レーザ発振源としてのYAGレーザ20から発振されたレーザ光は、光ファイバ21を通って後述する溶融加工ユニット(トーチ部)10のレーザ光導光部に入射する。また、ガスボンベ40からの不活性ガス(例えば、アルゴンガスAr)から成るセンターガスは、ガスバルブ41とセンターガスホース42を通って溶融加工ユニット10の開口部111に導入される。同様に、ガスボンベ50からのシールドガス(例えば、不活性ガスとしてのアルゴンガスAr+水素H2)は、ガスバルブ51とセンターガスホース52を通って溶融加工ユニット10の開口部121に導入される。
【0025】
図2にも示すように、溶融加工ユニット10は、電気絶縁材から成る外筒100と、外筒100と略同軸の内筒110を備え、レーザ光を被加工物(加工対象物)であるワークW(図1参照)に導光、合焦するレーザ光導光部と、アークによりワークを溶融、加工するアーク加工部とが配設されている。外筒100上部の頂部102の開口部101には、光ファイバ21の先端部が挿入される。この先端部から出射されたレーザ光は、コリメート用のレンズ120と集光用のレンズ130等から成る光学系によりきわめて細径のビームに絞り込まれ、ワークWの近傍で焦光される。これら光学系は、内筒110の内壁に取り付けることができる。
【0026】
外筒100の下端部には先端部径が小さい(絞り込まれた)耐熱材から成り、断面逆円錐形状のシールドカップ(以下、ノズル部とも称することがある)160が、ネジ部160Aでネジ止め固定されている。ネジ止め固定する理由は、耐熱性材(例えば、セラミック材)から成る略逆円錐形状のシールドカップ160が高熱に晒されるため消耗が他部よりも激しく、取り替えを容易とするためである。
【0027】
シールドカップ160の上部適切なる位置から斜め下方に棒状電極150がセットされ、その先端はシールドカップ160の下端部の気流拘束部の上端に、位置調整機構付きのホルダー151によって位置付けられる。即ち、棒状電極150の先端部は、シールドカップ160内に収納された状態で設置され、金属ヒュウムの付着を防止する。
【0028】
内筒110の固定取り付け位置Fよりも若干低い部位の外筒100には、開口部111が形成されており、上述の如く、この開口部111にはセンターガスがガスバルブ41及びガスホース42を介して流入する。流入したセンターガスは、外筒100と内筒110で形成される空間路であるガスガイド通路180を通り、棒状電極150の内面側を通って、図示実線矢印の如く、開口部P1から流出し、ワークWに噴出される。
【0029】
また、外筒100の下方には開口部121が設けられ、この開口部121からガスバルブ51及びガスホース52を介してシールドガスが流入し、シールドカップ(ノズル部)160と棒状電極150間の空間路であるガスガイド通路170を通って、図示一点鎖線矢印の如く、開口部P2から流出する。ここで、開口部111や121からガスバルブや41、51及びガスホース42や52を介してシールドガスを流入する構成は必ずしも必要ではなく、一方だけの経路で不活性ガスを導入できれば良い。要するに、サーマルピンチ効果を得るようにガスを開口部P1から流出させることができる構成であれば良い。
【0030】
定電流直流電源30は、定電流特性直流溶接用電源であり、その−電極は、溶融加工ユニット10の棒状電極150に接続され、+電極は、ワークWに接続されて、ワークWを加工する。
【0031】
さて、本発明の実施形態は上述のような基本構成を有するが、その加工動作を図1と図2の実施形態について説明する。
【0032】
溶融加工ユニット10の外筒100を適当なホルダー(移動等の制御をする駆動装置)で保持して、ワークWと溶融加工ユニット10の先端部の開口部P1(棒状電極部)を所定の位置関係、すなわち、ワークWが溶融加工ユニット10の下端のレーザ光の合焦位置になるように配設する。ここで、溶融加工ユニット10は、オペレータが手で保持すれば、携帯性が拡張されるので有効であることは勿論である。
【0033】
次に、ガスボンベ40と50からのガスを、ガスバルブ41と51を適宜開放して各々適量を溶融加工ユニット10の開口111と121に導入する。続いて、YAGレーザ(レーザ発振器)20を駆動するレーザ電源及び溶接電源としての定電流直流電源30をONし、電極とワークW間に被加工物であるワークWに直流電圧を印加して溶融待機状態とする。
【0034】
図3の模式図を参照すると、溶融加工ユニット10の開口101を経て光ファイバ21の先端部から出射されたレーザ光は、上述の如く、レンズ120及び130から成る光学系及び開口部P1を通って集光され、合焦位置に配設されているワークWを照射する。こうしてワークWは、レーザエネルギーにより瞬時に溶融され、溶融されたワーク金属は金属蒸気化され、プラズマ化される。プラズマ化されたガスが棒状電極150に達すると、既に印加されている直流電圧により棒状電極150の先端からアークが発生する。このアークの+極点は、周知のアーク理論から明らかなように、ワークW上の最高温部(レーザ光で溶融している部位)に誘導され確実に位置付けられ、アークは電極先端の円周上の一点から生ずる。
【0035】
したがって、本発明では、レーザエネルギーとアークエネルギーの両エネルギーがワークの一点に集中され、より一層の高温状態が得られ、加工が確実且つ容易となる。
【0036】
また、ワーク金属のレーザ光エネルギーの吸収率は、溶融温度が高いほど高くなることが実験的に確認されているので、本発明によれば、相乗効果が得られ、溶接点はきわめて早く溶融されることになり、溶接速度を上げることができる。
【0037】
次に、本実施形態例におけるセンターガス及びシールドガスの効用について説明する。
【0038】
先ず、溶融加工ユニット10の開口111から導入されたセンターガスは、ガスガイド通路180を通り、棒状電極150先端の微小径の開口P1からワークWに向かって噴出される。ここで、図3に模式的に示すように、ワークWは極めて高温で溶融されており、その中心部は金属蒸気が発生して凹みや穴が生ずる。したがって、上記センターガスの噴出は、ワークWの下部に対しての熱伝導を高め、且つ溶融に有効である。一般に、厚板のワーク溶接においては、上から下に貫通した穴が形成された状態から、その周囲を溶かしながら溶接する方法(キーホール溶接)が採用される。かかる方法では、蒸気ノズル先端から噴出されるセンターガスは上記凹みや穴形成に有効であることは明らかである。
【0039】
また、センターガスのワークWへの噴出を制御することにより、溶融点の形状を変化させて所要の溶け込みを得ることができる。例えば、図4(A)に示すように、センターガス噴流が弱い状態では、形成される凹みや穴深さは浅いが、図4(B)に示すように、センターガス噴流が強い状態では、形成される凹みや穴の深さは深くなる。
【0040】
更に、溶融加工ユニット10の開口121から導入されたシールドガスは、ガスガイド通路170を通って微小間隙の開口P2から噴出される。ここで、放電用棒状電極150やワーク金属は、溶融温度の如き高温度となるため、空気中の酸素や窒素により酸化や窒化され、材質劣化を引き起こす恐れがある。しかし、本実施形態例では、上記のようなArガスとH2ガスの混合ガスであるシールドガスが棒状電極150やワーク金属に噴出されているため、これら酸化や窒化を防止できる。また、このシールドガスによりサーマルピンチ効果が得られる。すなわち、ArガスとH2ガスの混合ガスのうちH2ガスは冷却効果をもち、放電により発生するアーク柱の断面積が収縮され硬直性をもった状態となり、エネルギー密度が一段と高くなって溶接加工効率が格段に改善される。
【0041】
上述実施形態では、レーザとしてYAGレーザを用いているが、高出力レーザであれば他のレーザを用いることができ、例えば、炭酸ガスレーザや半導体レーザを用いることができる。また、不活性ガスとしては、ヘリウムガス等の他の適当な不活性ガスを用いることもできる。
【0042】
上述のように、定電流直流電源30からのスタート用高周波または高圧パルスが電極に加えられることにより、アークが棒状電極150とワークWの間に発生する。この発生したアーク柱は長く、上記サーマルピンチ効果によるガス気流拘束部を通過する結果、その断面積を収縮させ高電圧アークとなる。また、ワークW(被溶接物)上にできた陽極点はトーチ(溶融加工ユニット)10の移動に伴い、高電圧アークを維持する為により高い安定点を求めて不安定に移動する。このような不安定アーク発生状況下において、上部からレーザ光が入射され、レンズで絞り込まれた高エネルギ密度のレーザ光焦点部がアークの溶融点近傍に位置付けられ,その点を溶融する。この溶融点はレーザ光により生じて安定形成される。したがって、アーク柱の陽極点はより高温部を求めて不安定に移動していたものであるから、レーザ光が作り出したより高温で安定した溶融点に極点を移し安定することになる。要するに、気流拘束の欠点であるアーク柱のフラツキはレーザ光により簡単に安定化させることができる、
【0043】
このような複合作用は全属の溶接に極めて大きな効果を与える、すなわち、各々レーザ溶接、アーク溶接の欠点を互いに打ち消しあい、各々の長所を引き出し得る。
【0044】
気流で拘束されたアーク柱のエネルギ密度はT.I.G.に比ベ、はるかに高く(実験値で3倍以上)、また、アークの冷却効果の高いガス体、例えばアルゴンと水素の混合ガスを使用した場合、なお一層そのエネルギー密度を高めることができる、従ってこのエネルギの入力部である陽極点の溶融効率はT.I.G.等に比べ数倍であり溶け込みも大きくなる。
【0045】
一方、レーザ光を溶融状態にある金属に照射した場合には、レーザ光の吸収率がアップし、より一層のアーク柱の極点安定性を増し、その集中性を高める。このような相乗効果は極めて高いエネルギ密度を被溶接部上に形成し、溶接加工速度を上げ、溶け込みの深い結果を得ることができる。したがって、従来のアーク溶接の如く過剰の熱エネルギを与えることなく理想の溶接結果を得ることができる。
【0046】
本発明は、図示の如く、棒状電極150の先端はノズル部160の下端面より奥まって位置付けられており、上記汚染の恐れは著しく低減される。また、電極も棒状でシンプルなため、取り替えも容易であり、コスト的安価となる。
【0047】
以上、本発明のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置及び溶融加工方法の好適実施形態例を説明したが、これは単なる例示にすぎず、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること勿論である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置は、レーザ光エネルギーと放電アークエネルギーの両エネルギを有効に併用しているので、溶融加工効率が著しく改善される。
【0049】
一般に、レーザ溶接はビード幅が狭く熔加材(主としてワイヤ)の挿入の位置的厳しさもあり、その適正なる加入は難しい面を有している。この点、本発明の場合は、アーク溶接の特性も兼ね備えているため、ビード上面幅が広く比較的容易である。
【0050】
溶融部の断面形状及びその面積は、アークエネルギのコントロールにより、レーザのみの場合より、より広く変化させ得る。この作用は、レーザ溶接の欠点である、アンダーカット、ポロシテイ、の発生、急熱急冷による、ビード割れの発生等の解消に繋がる。
【0051】
本発明によれば、従来困難であったレーザ光の高反射率である金属の溶接も可能となり、特にアルミ合金等の溶接に極めて有効な方法となる。また、レーザ溶接の自動化で聞題となる、継ぎ手からの溶融部の逸脱の恐れは少なくなる。
【0052】
また、本発明では、レーザ光出射方向とアーク放電方向を同一方向とし、溶融加工ユニット10を同軸の外筒と内筒から構成し、内筒の内部にレーザ光を導光してワークに照射し、放電用の棒状電極を内筒内下方に先端部を開口して設けてあるので、レーザ光導光用の光学系と棒状電極を同一筒の内側に設置することができ、小型化するのにきわめて有効である。
【0053】
更に、棒状電極先端の微小径の開口からワークに向かって噴出されるセンターガスの噴出によりワークの凹みや穴制御が有効に行え、溶融点の形状を変化させて所要の溶け込みを得ることができるだけでなく、棒状電極と外筒(シールドカップ)間の通路を通って微小間隙の出口である開口から噴出されるシールドガスにより棒状電極やワーク金属の酸化や窒化を防止でき、サーマルピンチ効果によって溶接加工効率を格段に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の一実施形態の構成図である。
【図2】図1に示す溶融加工ユニット10の簡略化した断面図である。
【図3】本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の動作を説明するための模式図である。
【図4】本発明によるレーザ光とアークを用いた溶融加工装置の動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 溶融加工ユニット(トーチ部)
20 YAGレーザ
21 光ファイバ
30 定電流直流電源
40、50 ガスボンベ
41、51 ガスバルブ
42、52 ガスホース
100 外筒
110 内筒
101 開口部
102 頂部
111、121 開口部
120 コリメート用レンズ
130 集光用レンズ
150 棒状電極
151 位置調整装置
160 シールドカップ(ノズル部)

Claims (4)

  1. 外筒と、この外筒と略同軸の内筒から成る本体部と、
    前記本体部の一端側には前記一端側を覆い、レーザ光を導光する光ファイバを固定する開口部を有する頂部と、
    前記内筒の内部に設けられ、前記光ファイバからのレーザ光を絞り込んで前記本体部の他端側に設けられた開口部からワーク上に集光、照射する光学系と、
    前記本体部内の他端側の開口部近傍に配設され、アーク放電のための高電圧が供給される棒状電極と、
    前記本体部の他端側を囲繞し、逆円錐形状を有し、その先端が前記棒状電極よりも突出し、前記本体部に取り外し可能に固定されたシールドカップと、
    前記本体部の外筒に設けられ、不活性ガスを導入して、前記外筒と内筒間に流し、前記棒状電極先端側からワーク面に噴出させるための第1の導入部と、
    前記棒状電極先端側と前記シールドカップ間に設けられ、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスを導入して、前記棒状電極先端側と前記シールドカップ間に流し、前記棒状電極先端側からワーク面に噴出させるための第2の導入部と、
    を備え、前記レーザ光の照射により前記ワークを溶融させた状態で前記アーク放電による溶融、加工を行うことを特徴とするレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  2. 前記棒状電極の位置を調整する位置調整部を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  3. 前記棒状電極の先端側は、タングステン材料から成る請求項1または2に記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
  4. 前記レーザ光の光源は、YAGレーザまたは炭酸ガスレーザである請求項1乃至のいずれかに記載のレーザ光とアークを用いた溶融加工装置。
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