JP2527192B2 - レ−ザ加工装置 - Google Patents

レ−ザ加工装置

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JP2527192B2
JP2527192B2 JP62179290A JP17929087A JP2527192B2 JP 2527192 B2 JP2527192 B2 JP 2527192B2 JP 62179290 A JP62179290 A JP 62179290A JP 17929087 A JP17929087 A JP 17929087A JP 2527192 B2 JP2527192 B2 JP 2527192B2
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学 船山
善信 沢田
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株式会社 日平トヤマ
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、レーザ加工装置に関し、特に曲面形状のワ
ークを加工する加工装置において、レーザ照射用ノズル
先端とワーク間の距離を距離センサによって検出し、そ
の距離を一定に保つようにノズル高さを調整できるレー
ザ加工装置に関する。
(従来技術およびその問題点) この種のレーザ加工装置においては、ワークに対する
ノズルの姿勢を常に適正に制御するとともに、さらにワ
ークに対するレーザビームの焦点位置を一定に保つこと
が必要である。このため、従来からノズル先端あるいは
その付近に取り付けたセンサによってノズル先端とワー
ク間の距離(ギャップ量)を検出し、この距離が一定と
なるようにノズルを移動させ、ワーク面とのギャップ量
をコントロールし、ワーク面にレーザビームの焦点位置
を合わせる方法がとられてきた。
このギャップコントロールは、平板を加工する平面加
工専用のレーザ加工装置であれば通常、ノズルをワーク
面に対し上下方向にのみ動かすことで足りるから、非常
に容易である。ところが、三次元レーザ加工装置におい
ては、ノズルを移動するために少なくとも5軸の回転に
よりノズルの位置と姿勢を制御するためにノズルのギャ
ップコントロールは、X、Y、Z、A、B軸方向に5軸
フィードバックにより、5軸とも動かすことになる。し
たがって、リアルタイムにギャップ量をコントロール
し、しかも高速でギャップ量の変化に追従することは、
制御系の複雑化をまねき、またサーボの安定性が問題と
なり、高速性と信頼性を低下させる原因にもなる。
さらに、ギャップ量を検知する距離センサをノズルの
近くに設ける必要があり、ノズルに重量がかかるととも
にこのセンサとワークとの干渉が生ずるなどの問題点が
あった。
(発明の目的) ここに、本発明の目的は、曲面形状のワークの加工面
に対し加工ヘッドの姿勢を制御することでレーザビーム
を常に法線方向に照射するようにするとともに、先端の
ノズル部分のみを小さい駆動系により動かすことによっ
てノズル先端とワークとの距離を一定に保つように制御
し、安定したレーザ加工が行えるレーザ加工装置を提供
することにある。
また、本発明の目的は、ノズル自体を距離センサとし
て形成することで、ノズル先端部にノズルの距離移動用
の駆動系を設ける必要がないため、先端部に重量がかか
らず、かつ形状も尖鋭化でき、しかも複雑な制御系を用
いることなく、簡単な構造でノズル高さの適応制御がで
きるようにしたレーザ加工装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、自由曲面の加工面に対し常
にノズル先端との正しい距離を検出でき、適正なギャッ
プコントロールが行えるレーザ加工装置を提供すること
にある。
(発明の概要) そこで、本発明は、加工対象のワークとレーザビーム
照射用の加工ヘッドとを三次元方向に数値制御可能な状
態で支持するとともに、上記加工ヘッドを三次元方向の
軸のほか、他の2つの回転軸を中心として回転可能な状
態で支持している。すなわち、上記レーザ加工ヘッド
は、2つの回転ブラケットから構成されており、そのう
ち第1回転ブラケットは、三次元方向の軸例えばX軸を
中心として回転自在に支持されており、また第2回転ブ
ラケットは、上記回転第1軸に対し所定の交角で交差す
る回転第2軸を中心として回転自在で、しかも上記第1
回転ブラケットに対し回転自在に支持されている。そし
てこれらの第1回転ブラケットおよび第2回転ブラケッ
トは、内部にレーザビームを導き、屈曲させながら、集
光手段により上記回転第1軸と回転第2軸との交点すな
わち加工点に照射する。この結果、第1回転ブラケット
および第2回転ブラケットがいかなる方向に回転したと
しても、レーザビームは、常に回転第1軸と回転第2軸
との交点、つまり加工点に向けて照射される。
また、本発明は、集光レンズとノズルを保持した保持
筒を第2回転ブラケットに対し、光軸方向に摺動自在に
支持し、ノズル自体に形成したギャップセンサによるギ
ャップ検出によって保持筒コントロール用の駆動部を駆
動制御し、リンク機構を介して上記保持筒を駆動するよ
うにしたものである。
さらに、本発明は、上記ノズルにノズル先端と加工面
との間の静電容量を検出する第1電極と、この第1電極
の側面を覆うように第1電極と絶縁状態で第1電極の側
面部とワーク間を電磁的に遮閉するための第2電極を設
け、第1電極からの電気力線を全て光線方向に集中させ
るような構成とし、もって上述した目的を達成せんとす
るものである。
(実施例の構成) 次に、第1図および第2図は、本発明のレーザ加工装
置Mの全体図を示している。
本発明のレーザ加工装置Mの加工ヘッド1は支持枠6
により、Z方向に移動可能な上下スライド部53に取り付
けられている。この上下スライド部53は、左右に直立し
たコラム63、63に水平保持されたクロスビーム59上を、
水平方向(Y方向)に移動可能なサドル58にZ方向に移
動可能な状態で支持され、サドル58に固定されたサーボ
モータ55およ既に公知の図示しない送りねじユニットな
どのよってZ方向(高さ方向)に位置決めされる。
そして、Y方向に移動可能な前記サドル58は、クロス
ビーム59に固定されたサーボモータ60、および図示しな
い送りねじユニットによってY方向に駆動される。な
お、上記クロスビーム59は、X方向に延びたヘッド64を
またいだ状態で、機台62の上に直立した左右のコラム6
3、63によって支持されている。
またテーブル61は、前記ベッド64の上でX方向に移動
可能な状態で支持されており、ベッド64に固定されたサ
ーボモータ65、および図示しない送りねじユニットによ
ってX方向に駆動される。そして、ワークWは、このテ
ーブル61の上に固定された状態で載せられている。な
お、これらのサーボモータ55、60、65は、制御装置66に
よって駆動され、加工ヘッド1をY方向およびZ方向に
移動させ、またワークWをX方向に移動させる。なお、
レーザ発振器56からのレーザビームLは、伸縮自在な蛇
腹状の案内管57の内部を通り、サドル58に固定されたビ
ームベンダ71を介して、下方に曲げられ、伸縮自在な蛇
腹状の案内管54を通って回転第1軸A上に導かれてい
る。
次に、第3図ないし第9図は、さらに前記加工ヘッド
1の詳細を示している。この加工ヘッド1は、全体とし
て、前記支持枠6、第1回転ブラケット2、および第2
回転ブラケット3によって構成されている。
前記第1回転ブラケット2は、第4図から明らかなよ
うに、所定の形状で、中空状に形成されており、その上
端部分で前記支持枠6に上下の玉軸受け5、5によって
回転自在に保持された第1中空軸4の下端部分に図示し
ないねじによって固定され、前記回転第1軸Aを中心と
して回転自在に支持されている。なお、この第1中空軸
4は、支持枠6の内部のウオーム7、およびウオームホ
イール8を介し、支持枠6の外部に固定された第1サー
ボモータ9によって駆動されるようになっている。
また、前記第2回転ブラケット3は、その一端部で前
記第1回転ブラケット2に玉軸受け11、11によって回転
第2軸Bを中心として回転自在に保持された第2中空軸
10の下端部分に図示しないねじによって取り付けられて
おり、ウオーム12、ウオームホイール13および第1回転
ブラケット2に固定された第2サーボモータ14によって
駆動されるようになっている。さらに、この第2回転ブ
ラケット3は、その他端部分でレーザビームLを上記回
転第1軸Aと上記回転第2軸Bとの交点に向けて照射す
るためのレーザビームLの集光手段15を保持している。
この集光手段15は、内部に集光レンズ19、先端部にノ
ズル18を一体に保持した保持筒17と、後述する保持筒コ
ントロール用の駆動部と、この駆動部と保持筒17とを連
結するリンク機構とで構成される。
前記第2回転ブラケット3の他端部分には、案内筒16
が取り付け固定されていると共に、この案内筒16内に
は、上記保持筒17が光軸方向にのみ摺動自在に嵌装され
ている。
一方、第1回転ブラケット2には、第1中空軸4の下
方に位置する反射鏡47が固定されている。この反射鏡47
は、回転第1軸Aに対し、例えば45゜の傾斜角で取り付
けられている。また、第1回転ブラケット2の第2中空
軸10のレーザビームLの入射側に位置する箇所には、反
射鏡48が前記反射鏡47と対向して固定されている。さら
に、第2回転ブラケット3には、第2中空軸10のレーザ
ビームLの集光側に位置する箇所に反射鏡49がレーザビ
ームLに対し45゜の傾斜角度で固定されており、かつ保
持筒17のレーザビームLの入射側に位置する箇所には、
反射鏡50が前記反射鏡49と対向して固定されている。
今、第3図および第4図では第1回転ブラケット2と
第2回転ブラケット3が同一平面上にある場合を示して
おり、保持筒17およびノズル18の中心線Cは、回転第1
軸Aと一致している。この場合、レーザビームLは、第
1中空軸4の上方部分から、回転第1軸Aに沿って入射
し、前記反射鏡47で反射され、第1回転ブラケット2の
反射鏡48側に進行し、この反射鏡48によって反射されて
回転第2軸Bに沿って進行する。そして、この回転第2
軸B上で、第2回転ブラケット3に取り付けられた反射
鏡49側に導かれ、この反射鏡49によって反射されて反射
鏡50側に進行し、さらに、この反射鏡50によって前記集
光レンズ19に導かれ、ノズル18の噴射孔27を通ってワー
クWの加工点Fに向けて照射されるようになっている。
以上のように、加工ヘッド1を構成することにより、
ワークWの照射面の方向が変わっても第1回転ブラケッ
ト2と第2回転ブラケット3をそれぞれ回転軸Aと回転
第2軸Bの回りを回転させることにより、そを照射点F
は移動することがない。
さらに、集光手段15は、第5図に詳細に示すように、
内部に集光レンズ19を保持しているレンズマウント20
と、このレンズマウント20の外周に配設され、レンズマ
ウント20を前記保持筒17に取り付けるための取付用ハウ
ジング21等から構成されている。この取付用ハウジング
21には、レンズ等の冷却用空気送入口21aとアシストガ
ス送入口21bが設けられている。アシストガス送入口21b
から送り込まれてきたアシストガスは、ノズル18の先端
部からレーザビームLと同一方向に噴射するようになっ
ている。また、冷却用空気は、レンズマウント20の周囲
を冷却して出口ポート20aから大気に放出される。
なお、冷却用空気およびアシストガスは、支持枠6の
2つのポート6a、6bからそれぞれ入り、ロータリ継手67
によって第1中空軸4のポート4a、4bに達し、さらにチ
ューブ69などにより第1回転ブラケット2のポート2b、
2c、および第2中空軸10のポート10a、10bにロータリ継
手68を介して中継され、さらにチューブ70により冷却用
空気送入口21a、アシストガス送入口21bに送り込まれ
る。
一方、前記ノズル18は、ノズルホルダ22を介して前記
取付用ハウジング21に固着されている。すなわち、ノズ
ルホルダ22は、絶縁材料により円筒状に形成されてお
り、第5図に示すように、その上端フランジ部22aとボ
ルト71等で締付け固着された取付リング75によりそのね
じ部75aを介して前記取付用ハウジング21に螺着固定さ
れている。また、このノズルホルダ22の一側面にはコネ
クタ取付孔22fが形成され、同軸ケーブル23用のコネク
タ24が取り付けられている。
また、このノズルホルダ22の下部内周部には、その内
径を小さくした小径部22bが突設され、この小径部22bの
下方にノズル嵌合部22cが形成されている。このノズル
嵌合部22cには、例えば銅よりなる金属カラー25が接着
等により取り付けられている。そして、この金属カラー
25にノズル18の上端面を当接させ、さらに下方よりノズ
ルナット26を締め付けることにより、ノズル18を前記ノ
ズルホルダ22に固定している。
このノズルナット26は、例えばアルミ等の導電性材料
にて形成され、前記ノズルホルダ22の下部外周に形成さ
れたねじ部22dに螺合している。また、このノズルナッ
ト26の底部のノズル挿通孔内周にあ、テーパ状の保持面
26aが形成され、この保持面26aとノズル18の上端部外周
縁に形成されたテーパフランジ部18aとのテーパ係合に
よりノズル18をノズルホルダ22に強固に締着固定してい
る。
前記ノズル18は、逆中空円錐状をなし、その先端すな
わち下端中央部には、レーザビームとアシストガス等が
通過する噴射孔27が形成されている。
このノズル18は、内側より、ワークWとの間の静電容
量を検出するための第1電極28、絶縁部29、この絶縁部
2aを挾んで上記第1電極28の側面部を覆う第2電極30の
順に三層構造となっている。
このノズル18は、ノズル基体を例えば銅或はニッケル
等の導電材料にて上記第1電極28として形成し、この第
1電極28の外周側面を例えばセラミックを溶射してなる
絶縁被膜でコーティングすることにより上記絶縁部29を
形成している。さらにその外側面に、第7図のように例
えば銅或はニッケル等にて予めキャップ状に形成された
上記第2電極30を嵌め合わせることにより、第8図のよ
うなノズル18が形成されている。
第1電極28は、その外周面において上端縁および下端
縁に少し外側に突き出た突起部28a、28bが一体に形成さ
れており、この突起部28a、28b間においてテーパフラン
ジ部18aから第1電極28外周側面全周に上記絶縁部29と
しての絶縁被膜を溶射している。これにより、上記絶縁
部29はその上下端面を両突起部28a、28bにて完全に保持
されているので、熱変形や衝撃による剥離が防止され、
定着性が高められる。さらに、上記絶縁部29の下端面は
第1電極28によって覆われ、レーザ光やスパッタSの熱
から保護されている。
第2電極30は、上記テーパフランジ部18aに沿ったフ
ランジ部30aと上記絶縁部29の外周に嵌合する逆円錐状
のキャップ部30bとが一体に形成され、これを第7図の
ように絶縁部29を溶射した第1電極28に嵌め込むことに
より、第8図のようにキャップ部30bの下端縁がノズル
下端面より上方に位置し、ノズル下端面での第1電極28
の突起部28bより例えば1〜2mm程度、上方に離間して位
置するような寸法に形成されている。
なお、第1電極28の先端部形状は第9図で示すよう
に、その外周面に一部食い込み部28cを形成することに
より、それに沿って溶射された絶縁部29としての絶縁被
膜はその定着性が一層高められる。さらに、キャップ部
30bの下端縁はその内側の絶縁部29から空間部74を介し
て離間しており、例えば熱溶融した第2電極30の液が絶
縁部29を伝って第1電極29につながり両電極29、30間に
ブリッジをかけるような危険性を防止している。
しかも、第2電極30を溶射によらず単体のキャップ状
に形成したことにより、例えば絶縁部29と第2電極30と
が異なる熱膨張率で変形しても、両者間の接合部に滑り
が可能であるので、両者間に干渉作用がなく、絶縁部29
の剥離や亀裂発生等が防止できるようになっている。
このように、ノズル18の内周側面より先端面に連続し
て前記第1電極28が設けられ、この第1電極28とは前記
絶縁部29を介して電磁的に絶縁されて前記第1電極28の
外周側面を覆うように前記第2電極30が設けられてい
る。
さらに、第5図に示すように、前記ノズルホルダ22の
外周面部にも、例えば銅あるいはニッケル等の金属被膜
22eがコーティングされており、上記第2電極30はノズ
ルナット26、上記金属被膜22e、コネクタ24締付用の金
属ナット46を介してコネクタ24に電気的に接続されてい
る。
また、前記コネクタ24の中央には同軸ケーブル23の芯
線となる第1電線23aがビニール被覆した状態で挿通さ
れ、その外側の第2電線23bがコネクタ24にハンダ付け
にて接続されている。そして、前記第1電線23aは、コ
ネクタ24からノズルホルダ22内を通って前記ノズル18の
第1電極28と挿通される前記金属カラー25にハンダ付け
等によって接続されている。そして、前記第1電線23a
は、同軸ケーブル23に沿って、外部に設けられた第10図
で示すような静電容量検出用のブリッジ回路31に接続さ
れ、ワークWとの間の静電容量Cを検出するようになっ
ている。
また、上記第2電極30は上記ブリッジ回路31の電源側
すなわち高周波発振回路32に接続されている。
この高周波発振回路32は、上記ブリッジ回路31への電
源および同期整流回路72の同期電源を供給するととも
に、上記第2電極30に対し第1電極28と同位相でほぼ同
電位の電圧を印加している。
また、上記同期整流回路72はブリッジ回路31からの不
平衡出力を直流に変換して制御回路73へ送り、この制御
回路73にて保持筒コントロール用の駆動部をなすサーボ
モータ33を駆動制御し、ノズル18先端とワークWとのギ
ャップ量を一定に保持するように保持筒17を案内筒16に
沿って光軸方向に上下駆動させるようになっている。
今、この保持筒17の調整構造について、さらに詳述す
る。前記第2回転ブラケット3の外側には、第3図およ
び第6図に示すように、支点ピン34が立設されていると
共に、この支点ピン34には、レバー35のほぼ中央部が回
転自在に支持されている。また、このレバー35の一方の
端部には、ピン36が固定されており、このピン36の先端
部は、第4図および第6図に示すように、第2回転ブラ
ケット3および案内筒16に設けた長孔3a、16aを通って
保持筒17に設けた長方形状の嵌合溝17a内に嵌入してい
る。なお、長孔3a、16aは光軸方向に長くされている。
そして、このような構成により、前記レバー35が支点ピ
ン34を中心として回動したとき、保持筒17は、ピン36を
介して光軸方向に移動させられることになる。
また、第3図および第6図に示すように、前記レバー
35の中央上端部に形成された突片35aには、ピン37を介
して長さ調整可能な連結ロッド38の一端部が回動自在に
連結されている。この連結ロッド38と前記レバー35とに
よりリンク機構を構成している。さらに、連結ロッド38
の他端部は、ピン39を介して第4図に示すように、ウオ
ームホイール40の外周端部近傍つまり偏心位置に連結さ
れている。このウオームホイール40は、ほぼ半円形状に
形成されており、前記サーボモータ33の出力軸をなすウ
オーム41と常時噛合関係にある。したがって、サーボモ
ータ33の駆動力は、このウオーム41とウオームホイール
40との噛合関係により、前記連結ロッド38およびレバー
35にかなり減速した状態で伝達されることになる。上記
ウオームホイール40と同軸上にはウオームホイール40の
回転角度すなわち上記保持筒17の移動量を検知するため
のセンサ45が取り付けられている。なお、第6図におい
て、符号42は、保持筒17の案内筒16内における回転を阻
止するための回転止めピンである。
前記サーボモータ33は取付用ブラケット43を介して第
2回転ブラケット3の上面側に取り付けられており、か
つ第3図および第4図に示すように、第1回転ブラケッ
ト2と第2回転ブラケット3の中間空間部44に配置され
ている。したがって、前記サーボモータ33のためのスペ
ースを余分に必要としない分だけ、装置自体をコンパク
トにできる。また、サーボモータ33は、前記ノズル18の
保持筒17の側部位置に設けることなく、ノズル18とは離
れたしかもワークWと対向しない反対側に取り付けられ
ているので、ノズル18がワークWに対し、いかなる方向
に向けられても、ワークWとの干渉は防止できる。
(実施例の作用) 制御装置66は、あらかじめワークWのティーチング等
によりX、Y、Z、A、Bの各5軸の位置データが入力
された制御プログラムに基づいて、かつ加工ヘッド1
は、X、Y、Zの所定の加工軌跡に沿って、かつ回転第
4軸A、回転第2軸Bの制御によりノズル18の方向を変
化させながらワークWの加工点Fを移動させていく。
このような移動中に、レーザ発振器56から出たレーザ
ビームLは、ビームベンダ71により下方に曲げられ第4
図に示すように、加工ヘッド1の第1中空軸4の上方部
分から回転第1軸Aに沿って入射し、第1回転ブラケッ
ト2に取り付けた反射鏡47によって反射された後、その
横方向にある反射鏡48によって回転第2軸B側に反射さ
れる。そして、さらにレーザビームLは、この回転第2
軸Bに沿って進行した後、回転第2軸B上で第2回転ブ
ラケット3に取り付けられた反射鏡49によって反射さ
れ、さらに反射鏡50によって反射されて集光レンズ19、
ノズル18側に導かれる。このようにしてレーザビームL
は、ワークWの加工点Fに向けて照射される。
本実施例装置においては、2つのサーボモータ9、14
の回転により第1中空軸4と第2中空軸10との旋回角度
の組み合わせ、すなわち第1回転ブラケット2、第2回
転ブラケット3の旋回角の組み合わせによって空間の任
意の角度からレーザビームLをワークWに投射すること
ができる。また、いかなる投射角度においても、レーザ
ビームLが第1中空軸4の中心線(回転第1軸A)上の
予め設定された一点Fに達して焦点を結び加工が行なわ
れる。
加工ヘッド1のこにような構造により、ワークWの位
置データとは別にレーザビームLを任意の方向から照射
することができる。すなわち、ワークWに固有の加工軌
跡(X、Y、Z値)とは別に、任意に回転第1軸Aおよ
び回転第2軸Bを制御することができ、さらに回転第1
軸Aおよび回転第2軸Bの変更によっても加工軌跡のデ
ータは影響されない。
一方、ノズル18先端面の第1電極28から検出される静
電容量値に基づいてノズル18の先端とワークW面間のギ
ャップ量が常に検出され、この検出値に応じた電気信号
がサーボモータ33に伝えられる。これにより、サーボモ
ータ33の出力軸をなすウオーム41、これと常時噛合する
ウオームホイール40、ピン39、ロッド38およびレバー35
を介して保持筒17が移動される。つまり、ワークWに対
するノズル18の高さが常に適正に移動調整される。すな
わち、ギャップ量が所定値より大きいとき、前記ウオー
ムホイール40は、連結ロッド38を介してレバー35を反時
計方向へ回動し、このレバー35の他端により保持筒17が
下方向へ移動され、ギャップ量を小さくする方向に作動
される。反対にギャップ量が所定値より小さいとき、サ
ーボモータ33が逆回転してレバー35はねロッド38を介し
て時計方向へ回動され、保持筒17は、上方向へ移動さ
れ、ギャップ量を大きくする方向に作動される、このよ
うにしてギャップ量を常に一定値に保持することができ
る。この動作は、同時に合焦調整でもある。
次に、このギャップコントロールを行うための静電容
量Cの検出に関し、詳述する。
第10図に示すように、ブリッジ回路31はC1+ΔC、
C2、C3、C4の複数のコンデンサにより構成されている。
C3、C4は固定コンデンサ、C2はブリッジバランス用の可
変コンデンサ、C1+ΔCは第1電極28とワークW間で検
出される静電容量Cである。C1は第1電極28とワークW
間の距離をD、ワークWと対向する第1電極28の底面積
をS、誘電率をεとすると、 で表される。また、ΔCは第1電極28とワークW間の距
離がΔDだけ変化したときの静電容量の変化分で、 で表される。
今、第1電極28とワークW間の加工に適した所定距離
がDであるとき、C3=C4、C1=C2となるようにC2を調整
するとブリッジ回路31からの出力eoは0Vとなり、このと
きの制御回路73の出力も0となり、保持筒17は静止して
いる。
次に、第1電極28とワークW間の距離がΔDだけ変化
すると、eoの値は となり、C3=C4、C1=C2であるから となる。但し、Ei sinωtはブリツジ回路31の電源電圧
である。
ここで、C1<<C3、ΔC<<C1の条件内であれば となり、(2)式に(1)式を代入すると、 となり、ブリッジ回路31の出力電圧eoは変位ΔDに応じ
て電圧が変化しΔDの符合がそれぞれ正、負の値となる
ことにより、位相が同相または180度異なった高周波電
圧として得られる。
この電圧を同期整流することにより、変位ΔDに応じ
た直流電圧が得られ、たとえばノズル18先端とワークW
間の距離Dが広がる方向すなわちΔDが正のとき出力電
圧が正、またDが縮む方向すなわちΔDが負のとき出力
電圧も負となる同期整流回路72を構成し、制御回路73お
よびサーボモータ33により、同期整流回路72の出力が正
のときは保持筒17を下降させ、また同期整流回路72の出
力が負のときは保持筒17を上昇させるようにフィードバ
ックループが構成されている。
一方、第2電極30にはブリッジ回路31の電源電圧が印
加されており、その電圧をEi sinωtとすると第1電極
2に加えられている電圧すなわちQ点での電圧eqは、 で表され、C1<<C3、ΔC<<C1の条件下では、 eq=Ei sinωt となり、第1電極28と第2電極30の電位は等しいといえ
る。
この状態での対ワークW間との電気力線の分布は電気
力線同志が互いに反発し合うことにより第12図のように
なり、第11図のような第2電極30のない場合のときに比
べ、第1電極28からの電気力線は光軸に平行な向きに集
中させることができる。
したがって、静電容量Cは第1電極28と第1電極28か
らの電気力線に垂直なワーク面W1との間で検出され、そ
の値はC1+ΔCであり、また第2電極29とワークW間の
静電容量CYおよび第1電極28と第2電極30の静電容量CA
も発生するが、第13図の等価回路で明らかなようにCY
このブリッジ回路31の電源部に加えられたものに過ぎ
ず、eoの値には何等影響を与えるものではなく、またCA
は固定の値であるうえCA<<C3であるので、C1+ΔCの
検出にほとんど無関係である。
(発明の効果) 以上説明したように本発明のレーザ加工装置は、曲面
形状のワークの加工面に対し加工ヘッドの2つの回転軸
を制御するのみで、レーザビームの焦点を中心に任意に
ノズルの姿勢を変更することができる。すなわち、ワー
クの固有のX、Y、Zの加工位置とは別に、任意にノズ
ルの姿勢を変更することができるため、自由曲面のワー
ク加工面に対し常に最適な方向よりレーザビームを照射
できる。
さらに、加工ヘッドの先端部のみを光軸方向に動かす
ことにより、レーザビームの焦点位置をワーク加工面に
対し適正な高さ位置に合わせギャップコントロールを行
うので、X、Y、Z軸などの複数の軸を同時に制御する
ことなく簡単な構造で焦点高さの微調整が行え、常に最
適な加工条件を維持することができ、加工精度が向上さ
れる。
また、ノズル自体にギャップセンサを形成し、すなわ
ち、第1電極と絶縁部と第1電極の側面を覆う第2電極
とでなる三層一体構造のノズルを用い、ノズル先端面に
おける第1電極とワーク間の静電容量を検出することに
よってギャップ量の検出を行っているのでノズル側面部
および近傍にギャップ検出器を設ける必要がなく、加工
時ワークとの干渉も防げ、ノズルに重量がかかることな
く、しかも非接触でギャップ検出ができ、ノズル構造を
コンパクト化でき形状も尖鋭化できる。
さらに、第1電極を静電容量検出器に接続し、第2電
極は上記第1電極の側面部を電磁的に遮閉するように設
けたので、ノズル先端面での第1電極からのワークに向
う電気力線を全て光軸と平行となるように集中させ、し
かも第2電極からの静電容量は制御信号をして表われな
いので、ノズルがワークの壁部に近づいても、ノズルの
側面からの静電容量をひろうことなくノズル先端面と対
向する加工面との間の静電容量のみがギャップ量として
検出されるため、常に適正なギャップ量が検出できる。
また、第2電極の下端縁がノズル先端面における第1
電極より上方に位置し絶縁部の下端面が第1電極に覆わ
れているので、第2電極はレーザ照射によってワークか
ら斜め上方にスパッタが飛んでも絶縁部がスパッタの飛
散経路から逃がれ、絶縁部が保護されるとともに、スパ
ッタによる両電極間の金属のブリッジによるショート等
が確実に防止されるため、常に安定した高精度なギャッ
プ検出が行え、よって極めて正確なギャップコントロー
ルが行える。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わるレーザ加工装置の一実施例を示
す正面図、第2図は第1図のV−V断面図、第3図およ
び第4図は本発明に係わる加工ヘッドの正面図と断面
図、第5図はノズル部分の拡大断面図、第6図は加工ヘ
ッドにおける保持筒、案内筒およびリンク機構の取付関
係を示す横断面図、第7図はノズルの分解断面図、第8
図はノズルの断面図、第9図はノズル先端部の拡大断面
図、第10図はブリッジ回路を示す電気回路図、第11図は
従来の電極からの電気力線を示す図、第12図は本装置に
よる電極からの電気力線を示す図、第13図は等価回路の
回路図である。 M……レーザ加工装置、1……加工ヘッド、2……第1
回転ブラケット、3……第2回転ブラケット、15……集
光手段、17……保持筒、18……ノズル、19……集光レン
ズ、28……第1電極、29……絶縁部、30……第2電極、
31……ブリッジ回路、33……保持筒コントロール用の駆
動部としてのサーボモータ、35……リンク機構を構成す
るレバー、38……リンク機構を構成する連結ロッド、A
……回転第1軸、B……回転第2軸、L……レーザビー
ム、W……ワーク。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工対象のワークに対し加工ヘッドを三次
    元方向に相対的に移動可能な状態で支持してなるレーザ
    加工装置において、上記加工ヘッドは、三次元方向の1
    つの軸を回転第1軸として回転自在に支持された第1回
    転ブラケットと、上記回転第1軸に対して所定の交角で
    交差する回転第2軸上で上記第1回転ブラケットに回転
    自在に支持された第2回転ブラケットと、上記第1回転
    ブラケットおよび第2回転ブラケット内に導かれたレー
    ザビームを上記回転第1軸と上記回転第2軸との交点に
    向けて照射するレーザビームの集光手段とからなり、か
    つ、このレーザビームの集光手段は、上記第2回転ブラ
    ケットに光軸方向に摺動自在に取り付けられかつ集光レ
    ンズおよびノズルを保持した保持筒と、前記第2回転ブ
    ラケット上に取り付けられた保持筒コントロール用の駆
    動部と、この駆動部と前記保持筒との間を連結するリン
    ク機構とからなり、さらに、上記ノズルは、静電容量検
    出器に接続され逆中空円錐状をなすノズル内周側面より
    ノズル先端面に連続して設けられワークとの間の静電容
    量を検出するための金属からなる第1電極と、この第1
    電極の側面部外側を覆うようにかつ下端縁がノズル先端
    面での上記第1電極より上方に位置するように設けられ
    上記第1電極の側面部とワーク間を電磁的に遮閉するた
    めの金属からなる第2電極と、上記第1電極と第2電極
    との間に介在されかつ下端面が上記第1電極に覆われ両
    電極間を電磁的に絶縁するための絶縁部とで、三層一体
    に形成され、加工中は上記第1電極より検出される静電
    容量値が一定となるように上記保持筒コントロール用の
    駆動部を駆動制御することを特徴とするレーザ加工装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170141594A (ko) * 2016-06-15 2017-12-26 쥐.디 에스.피.에이. 전자 담배의 가열부의 전기 회로를 레이저 솔더링하는 방법 및 장치

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KR20170141594A (ko) * 2016-06-15 2017-12-26 쥐.디 에스.피.에이. 전자 담배의 가열부의 전기 회로를 레이저 솔더링하는 방법 및 장치

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