JP2004238260A - プレス成形体の成形装置,成形方法及びガラス光学素子の成形方法 - Google Patents

プレス成形体の成形装置,成形方法及びガラス光学素子の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱による影響を可能な限り高精度に補正して、プレス成形体の成形精度を向上させることのできる成形装置,成形方法及びガラス光学素子の成形方法を提供する。
【解決手段】プレス成形用の素材を加熱軟化させ、成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形装置において、対向する成形面を有する一対の型52a,52bからなり、一方の型52aが成形装置を構成する構成部材61に固定された成形金型と、他方の型52bを一方の型52aに対して移動させる駆動手段81と、型52a,52bを加熱する加熱手段34と、一方の型52aを固定する構成部材61の熱変位を検出する検出手段101と、この検出手段101の検出結果に基づいて他方の型52bの移動量の補正値を求め、補正された移動量に基づいて駆動手段81の駆動を制御する制御部87とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、プレス成形によって所定形状の成形体を成形する技術に関し、特に、レンズ、プリズム、ミラー、回析格子その他のガラス光学素子のプレス成形に好適で、プレス成形後に研削・研磨が不要な成形装置,成形方法及びガラス光学素子の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス成形によって成形体、例えばレンズなどのガラス光学素子を成形する技術においては、上下型の当接によって、あるいは上又は下型の当接によって、さらにはストッパ等上下型が所定距離離れたときに停止させる部材を用いて、光学素子の肉厚を規制する方法が知られている。(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−205630号公報
【特許文献2】
特開2000−264652号公報
【0004】
しかしながら、部材の当接によって肉厚を規制すると、型内のガラスの冷却固化の過程で体積が収縮したときに、ひけ等を生じてしまうという問題がある。そのため、特許文献1では、冷却固化の過程でガラスの収縮に連動して、弾性部材などによってさらに金型を加圧することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、対向する固定型(上型)と移動型(下型)を有し、固定型が成形室を構成するハウジングの天井中央に、型保持具によって取り付けられている技術が開示されている。そして、この技術では、移動型を光学素子の最終肉厚に対して所定の割合の肉厚に達した位置で停止させるストッパと、このストッパにより停止した前記移動型の停止位置を測定する位置検出手段と、前記移動型を停止させる位置と移動可能にする位置とに前記ストッパの位置を変更できるとともに前記位置検出手段の出力から前記移動型の停止位置が調整可能なストッパ駆動手段とを有していて、コントローラにより前記ストッパ駆動手段および前記型駆動手段を制御するようにしている。
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、弾性部材などによって金型を加圧するようにしているが、このような弾性部材を用いた加圧では、荷重の制御はできない。すなわち、通常は、プレス成形を行うにあたって、所定肉厚まで加圧した後も、加圧力の制御や型位置の制御を細かに制御しなければ、高い面精度を達成することは困難である。特に、凹メニスカス形状や、両凹形状の光学素子などは、面精度が得にくく、加圧時の加圧力制御(加圧力及びその時間変化)及び型位置の制御を正確に行なうことが重要な課題となっている。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、例えば、ハウジングが熱変形することに起因する、固定型の位置変位による肉厚変動を防ぐことができない。また、成形室内の型部分に位置検出手段を設けているが、ガラス転移点付近(例えば600℃付近)に加熱されるため、市販の位置検出手段ではこの高温に耐えることができず、特殊な位置検出手段を使用しなければならないという問題がある。位置検出手段に冷却用又は調温用の冷却水循環手段を取り付けてもよいが、位置検出手段の構成が複雑・大型化する上、成形室内の温度分布に影響を与えるという問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、加熱したガラス等の素材を金型で所定形状にプレス成形する際に、加圧力の制御や型位置の制御を細かに制御しつつ、熱による影響を可能な限り高精度に補正して、プレス成形体の成形精度を向上させることのできる成形装置,成形方法及びガラス光学素子の成形方法を提供するものである。
【0009】
【課題を達成するための手段】
本発明の発明者は、成形金型を構成する型のうちの一方を固定している成形装置の構成部材に着目し、この構成部材が加熱され熱変形することによって変位(熱変位)する部分の変位量(熱変位量)を考慮し、前記他方の型の移動量を補正することで、本発明の目的を達成できることに想到した。
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明は、プレス成形用の素材を加熱軟化させ、成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形装置において、対向する成形面を有する一対の型からなり、一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、前記型を加熱する加熱手段と、前記構成部材が熱変形することによって変位する部分の変位量を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて前記他方の型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力する制御部とを有する構成としてある。
【0011】
この構成によれば、成形装置を構成する筐体や、成形金型を支持する支持部材等、一方の型の固定位置精度に影響を与える構成部材の熱変位量を、レーザーセンサー等の検出手段が検出し、この検出結果に基づいて他方の型の移動量の補正値を求めることができる。そして、これにより、高精度にプレス成形を行うことが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記検出手段を支持部材で支持する場合において、前記支持部材の温度を一定温度に保持する調温手段をさらに有する構成としてある。
この構成によれば、前記検知手段の位置を、熱の影響を受けることなく常に一定に保持することができ、正確な熱変位を検出することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、プレス成形用の素材を加熱軟化させ、成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形装置において、対向する成形面を有する一対の型からなり、一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、前記型を加熱する加熱手段と、前記構成部材の熱変形する部分の温度を検出する測温手段と、前記構成部材の温度と熱変形することによって変位する部分の変位量とを関係付けて記憶する記憶部と、前記測温手段の検出結果と前記記憶部の記憶内容とに基づいて前記他方の型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力する制御部とを有する構成としてある。
【0014】
この構成によれば、一方の型の位置の変化を、成形装置を構成する筐体や上型を支持する支持部材等の構成部材に設けた測温手段の検出結果に基づいて予測することができる。この予測は、前記構成部材の温度変化と一方の型の固定位置の変化との関係を予め求めておいて記憶部に記憶させておくことで可能になる。そして、前記測温手段の検出結果と前記記憶部の記憶内容とに基づいて、前記他方の型の移動量の補正値を求めることができる。
【0015】
本発明の目的は、請求項4〜6のいずれかに記載の方法によっても達成することができる。
請求項4に記載の発明は、対向する成形面を有する一対の型からなり、前記型のうちの一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、前記型を加熱する加熱手段とを有する成形装置を用いて、加熱軟化させたプレス成形用の素材を、前記成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形方法において、一方の前記型を固定する前記構成部材の熱変位を検出する検出手段を準備し、この検出手段の検出結果に基づいて他方の前記型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力する成形方法である。
この方法では、熱変位を検出する検出手段として、例えばレーザーセンサー等の光学式センサを用いることができる。
【0016】
なお、請求項5に記載するように、前記検出手段による熱変位の検出による温度の検出は、成形サイクル中における前記素材のプレス成形前に行うようにするとよい。
このようにすれば、プレス成形時に前記一方の型に作用する負荷による構成部材の変位を除外して、加熱による前記一方の型の熱変位のみを検出することが可能になる。
【0017】
構成部材に固定された型の熱変位は、構成部材の温度を検出することによっても予測が可能である。そこで、請求項6に記載の発明では、対向する成形面を有する一対の型からなり、前記型のうちの一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、前記型を加熱する加熱手段とを有する成形装置を用いて、加熱軟化させたプレス成形用の素材を、前記成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形方法において、前記一方の型を固定する前記構成部材の温度を検出する測温手段を準備するとともに、前記構成部材の温度と熱変形することによって変位する部分の熱変位量との関係を予め求めておき、プレス成形を行う際に、前記測温手段によって前記構成部材の温度を検出し、予め求められた前記構成部材の温度と熱変位する部分の変位量との関係及び前記測温手段による検出結果に基づいて、前記他方の型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力するようにしている。
【0018】
本発明は、高い面精度や形状精度、仕上精度を要求されるレンズ、プリズム、ミラー、回析格子等のガラス光学素子のプレス成形に特に好適である。そこで、請求項7に記載の発明では、上記の成形装置又は成形方法を用いたガラス光学素子の成形方法であって、予め加熱・軟化させた所定形状のガラスプリフォームを、前記成形金型に供給してガラス光学素子をプレス成形するようにしている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第一の実施形態]
まず、図1を参照しながら、本発明の第一の実施形態にかかるガラス光学素子の成形装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるガラス光学素子の成形装置の概略図で、その断面平面図である。
【0020】
このプレス成形装置10は、加熱室20及び成形室30を備えている。加熱室20と成形室30とは、通路40によって相互に連通されている。そして、これら加熱室20、成形室30及び通路40によって、外部から遮断された一つの密閉空間が構成されている。この密閉空間の外壁は、ステンレスその他の部材によて形成することができるが、接合部分にシーリング材を用いることによって、その気密性を保証することができる。
【0021】
この密閉空間は、光学素子の成形に際して、図示しないガス交換装置によって空気が排気され、代わりに非酸化性ガスが充填されて、非酸化性ガス雰囲気にされる。非酸化性ガスとしては、窒素ガスを用いるのが好ましい。通路40が加熱室20と成形室30との相互間における気体の交換を可能にするから、プレス成型時においては加熱室20と成形室30の気圧、ガス濃度及び温度は略一定にされる。
なお、通路40には気密バルブ41が設けられていて、作業者による成形室30内の保守点検時には、この気密バルブ41を閉じることにより、加熱室20側の加熱ガスが成形室30側に流出しないようになっている。
【0022】
加熱室20は、プレス成形に先立ってプレス成形用の素材であるガラス素材を加熱軟化する領域である。この実施形態では、前記ガラス素材として、プレス成形のために予備成形したもの(例えば、ガラスプリフォームG)を用いている。
加熱室20には、ガラス加熱装置22及びガラスプリフォームGを搬送するハンドラ(以下、搬送ハンドラ23という)が設置されている。この搬送ハンドラ23の搬送経路上には、外部からガラスプリフォームGを加熱室20内へ供給するための搬入部21が設置されている。
【0023】
この搬入部21は、加熱室20の気密性を維持しながらガラスプリフォームを搬入するために、加熱室20と外部との間に、図示しない気密状の搬入室を備えている。そして、外部から供給されたガラスプリフォームは、まず搬入室に搬入され、搬入室の内部を非酸化性ガスで充填した後に、加熱室20側の扉を開けてガラスプリフォームGが搬入される。
【0024】
搬送ハンドラ23は、搬入部21から搬入されたガラスプリフォームGを受け取り、ガラス加熱装置22による加熱領域に搬送し、更に、加熱後のガラスプリフォームGを成形室30へ搬送するものである。この搬送ハンドラ23は、アーム24と、このアーム24の先端に設けられた浮上皿25とを有していて、浮上皿25でガラスプリフォームGを浮上させながら保持する。この実施形態では、加熱室20内に設けられた駆動部23aによって、アーム24が水平に支承されるとともに、駆動部23aの駆動によってアーム24がほど90°の回転角で水平方向に回動される。また、アーム24は、駆動部23aを中心とした半径方向に出退可能に構成されており、これによって、通路40を挿通して、浮上皿25に保持したガラスプリフォームGを成形室30に搬送する。
【0025】
ガラス加熱装置22は、供給されたガラスプリフォームGを所定の粘度(例えば、ガラス粘度にして、10ポアズ未満に相当する温度まで加熱するものである。ガラス加熱装置22としては、ガラスプリフォームGを安定して一定の温度まで昇温するために、抵抗素子を用いた抵抗加熱による加熱装置を用いるのが好ましい。
ガラス加熱装置22は、アーム24上に保持したガラスプリフォームGの搬送経路の途中部位に設置されていて、ガラスプリフォームGの搬送途中で、ガラスプリフォームGを加熱できるようになっている。なお、アーム24をガラス加熱装置22上で所定時間停止させ、ガラスプリフォームGを加熱するようにしてもよい。これらの事項は、対象となるガラスプリフォームGの加熱に必要な時間に応じて決定される。
【0026】
一方、成形室30は、加熱室20において予備加熱されたガラスプリフォームGをプレス成形して、所望の形状のガラス光学素子G′を成形する領域であり、例えば、オーステナイト系ステンレスSUS304を用いて成形室30を形成することができる。この成形室30には、プレス装置33、ガラス光学素子G′の搬出用のハンドラ(以下、搬出ハンドラ32という)、及びプレス成形されたガラス光学素子G′を外部へ搬出するための搬出部31が設置される。搬出ハンドラ32の先端部は、予熱炉(図示せず)によって所定温度に予熱してもよい。搬出部31は、成形室30の気密性を維持しつつガラス光学素子G′を外部へ搬出するために、非酸化性ガスが充填された図示しない搬出室を備えている。搬出ハンドラ32から渡されたガラス光学素子G′は、この搬出室に一旦搬入されてから外部に搬出される。
【0027】
プレス装置33は、搬送ハンドラ23によって加熱室20から搬送されるガラスプリフォームGを受け入れ、これを加圧して所望の形状のガラス光学素子G′を成形する。プレス装置33は、相対向する一対の型(上型52aと下型52b)からなる成形金型を備えており、その間に供給されたガラスプリフォームGをこれら一対の成形金型で押圧してガラス光学素子G′に成形する。成形金型の周囲には、これを予熱する予熱手段としての型加熱装置34が設置されている。型加熱装置34としては、高周波誘導を用いた加熱方式のものが好ましい。ガラスプリフォームGのプレス成形に先立って、成形金型をこの型加熱装置34によって加熱し、所定の温度に維持する。プレス成形時における成形金型の温度は、予熱されたガラスプリフォームGの温度とほぼ同じであっても、又はそれよりも低いものであってもよい。
【0028】
搬出ハンドラ32は、プレス装置33によってプレス成形されたガラス光学素子G′を搬出部31へ受け渡す。搬出ハンドラ32は、駆動部32aに対し回動自在に支承されたアーム32bの先端に吸着パッド32cを備えている。吸着パッド32cは、成形金型の下型上にあるガラス光学素子G′を真空吸着し、搬出ハンドラ32による搬送を可能にする。吸着されたガラス光学素子G′は、アーム32bの回動により搬出部31下に搬送され、ここに設置された図示しない昇降手段上に置かれる。アーム32bの待避後に、該昇降手段が上昇し、ガラス光学素子G′は搬出部31へ受け渡される。
【0029】
図2(a)は、成形室30におけるプレス装置33の詳細を説明する成形室30の縦断面概略図である。
プレス装置33は、筒状に形成された上下一対の母型51a,51bと、上方の母型51aに取り付けられた上型52aと、下方の母型51bに取り付けられた下型52bとから概略構成されている。
上型52a及び下型52bの互いに対向する面には、成形するガラス光学素子G′の形状に合わせて、球面状又は非球面状の成形面が形成されている。
【0030】
上型52aが取り付けられる上方の母型51aは、成形室30の天井部分61に固定され、成形しようとする光学素子の光軸と同方向に延びる支柱71の下端に取り付けられている。支柱71の上端は、天井部分61を貫通して外部に突出しているが、支柱71の上端に形成されたフランジ部分71aと天井部分61との間に設けられたフッ素ゴムなどのシール部材72によって、成形室30の気密性が保たれるようになっている。
【0031】
また、下型52bが取り付けられる下方の母型51bは、支柱71と同軸方向に延びる支柱73の上端に取り付けられている。この支柱73は、成形室30の底面部分63を貫通して外部に突出しているが、支柱73の外周面と、支柱73が挿通する底面部分63の貫通孔の内周面との間に設けられたフッ素ゴムなどのシール部材74によって、成形室30の気密性が保たれるようになっている。
【0032】
支柱73の下方には、下型52bを上型52aに対して接近する方向又は離間させる方向に移動させる駆動手段80が設けられている。この駆動手段80は、サーボモーター81と、このサーボモーター81の駆動によって回転するねじ軸82と、支柱73の下端73aの側面に取り付けられ、ねじ軸82とともにボールねじ・ナット機構を構成するナット83とを有している。
上記構成により、サーボモーター81が駆動してねじ軸82が回転すると、この回転がナット83によって支柱73の軸線と平行方向の移動に変換され、支柱73,母型51b及び下型52bを支柱71と同一の軸線上で移動させる。
【0033】
なお、サーボモーター81は、後述する制御部87によってその駆動が制御される。そして、この制御部87によって、上型52aと下型52bとの間のガラスプリフォームGの押圧力、押圧時間、及び押圧のタイミングなどを緻密に制御することができるものである。
【0034】
上方の母型51a及び下方の母型51bの周囲には、上型52aと下型52bとを予熱する型加熱装置34を構成する誘導加熱コイル34a,34bが配設されている。この誘導加熱コイル34a,34bは、プレス成形に先立って、一対の上型52a及び下型52bを誘導加熱により所定温度に予熱するものである。例えば、上型52aと下型52bは、誘導加熱コイル34a,34bによって、加熱室20から受け渡されるガラスプリフォームGの温度よりも若干低い温度(具体的には、ガラスプリフォームGを10〜1012ポアズの粘度にするのに必要な温度)に予熱される。
【0035】
なお、本発明のプレス成形装置においては、図2に示すように、成形室30の構成部材である筐体(天井部分61,側壁部分62及び底面部分63から形成される)の熱変形を抑制するための冷却手段を備えてもよい。たとえば、誘導加熱コイル34a,34bと成形室30の内壁との間に、熱伝導率が高く、かつ、非磁性体である銅からなる冷却板91,92・・を配置してもよい。これら冷却板91,92・・は、成形室30の全ての内壁面に貼設されている。さらに、各冷却板91,92・・・の熱源側の表面に、冷却性の向上を目的として、冷却水を循環させる銅パイプ91a,92a・・・を設けてもよい。
【0036】
各銅パイプ91a,92a・・・は、半田付けにより冷却板91,92・・に取り付けることができる。銅パイプ91a,92a・・・を設ける場所は、図示するように成形室30の内側でも良いが、外側でも良い。成形室30の内部にパイ銅プ91a,92a・・・を設けると、熱源である誘導加熱コイル34a,34bに近いため、冷却に有利である。
【0037】
上記構成の成形金型では、搬送ハンドラ23によって加熱室20から成形室30に搬入されたガラスプリフォームGは、上型52aと下型52bとの間に供給される。そして、下型52bを上型52aに向けて移動させて、ガラスプリフォームGをプレス成形することで、所定形状のガラス光学素子G′が成形される。
【0038】
ところで、上記した誘導加熱コイル34a,34bによって上型52a及び下型52bを予熱すると、その熱の一部が成形室30の構成部材である筐体を構成する部分、例えば、成形室30の側壁部分62を加熱してしまうため、熱膨張により側壁部分62が熱変形し、これにより天井部分61が成形しようとするガラス光学素子の光軸と同方向に熱変位して、上型52aの位置を変化させることがある。
【0039】
このような構成部材の熱変形による悪影響は、下型52bを上昇させるサーボモーター81の駆動制御をいかに精密に行っても、ガラス光学素子G′の精度を一定以上に精密にすることは困難である。特に、連続プレス成形を開始して数時間を経過するまでは、成形室30や成形室30内の雰囲気の温度が変化するため、上型52aの位置も時間の経過とともに変化し、ガラス光学素子G′をプレス成形するごとに、上型52aの位置を補正する必要がある。本発明では、このような上型52aの位置の変化を補正する代わりに、下型52bの移動量を補正することで、上型52aの位置の変化を吸収している。
【0040】
上型52aを取り付けている天井部分61の熱変位量を検出し、上型52aの位置の変化に応じて下型52bの移動量を補正する手段の一例を、以下、図面を参照しながら説明する。
この第一の実施形態では、図2(a)に示すように、公知の光学式センサである、例えばレーザーセンサー101で天井部分61の熱変位量を検出し、この検出結果に基づいて、サーボモーター81の駆動の制御して、上型52aの位置変化を補正するようにしている。
【0041】
図2(a)に示すように、レーザーセンサー101は、成形室30の天井部分61に取り付けられた上型52aの上方に配置されている。そして、天井部分61の熱変位量を検出するために、上型52aを天井部分61に取り付けている支柱71の上端のフランジ部分の位置変化量をレーザーセンサー101で検出するようにしている。
このレーザーセンサー101は、成形室30の外部に設けられた固定部、例えば、サーボモーター81等を収納する筐体の外側に取り付けられた支持部材102によって支持されている。この実施形態において支持部材102は、中空管状の部材から形成されていて、内部に、定温の流体(例えば水)が供給されている。これにより、支持部材102の熱変形を抑制して、固定型52aの熱変位をより正確に検出することができるようにしてある。
【0042】
図2(b)は、サーボモーター81の駆動を制御する制御系のブロック図である。
レーザーセンサー101の検出結果は、図示しない変換回路を経由して制御部87の演算処理装置に入力される。この制御系には、制御部87との間でデータの授受を行う記憶部88が設けられている。そして、記憶部88には、構成部材の熱変位量とサーボモーター81の補正値との関係が記憶されている。制御部87の演算処理装置は、レーザーセンサー101の検出結果に基づいて記憶部88から補正値を読み出し、これを予め設定された下型52bの移動量に加味して、サーボモーター81による駆動量を決定する。そして、この結果は、サーボモーター81に入力される。
【0043】
なお、レーザーセンサー101による天井部分61の熱変位量の検出は、プレス成形時に上型51aに作用する負荷による天井部分61の高さ変位を含まないように、プレス成形を開始する前の、成形装置の静止時に行うのが好ましい。また、レーザーセンサー101側の変換回路の直後には、外部振動などによる異常位置データを除くためのフィルタ回路を設けるのが好ましい。
【0044】
[第二の実施形態]
天井部分61の熱変位量は、天井部分61を介して上型52aを固定している側壁部分62の温度変化からも予測が可能である。以下、これらの側壁部分62の温度を検出し、この温度変化から天井部分61の熱変位量及び下型52bの移動量の補正値を求める方法について説明する。
なお、第一の実施形態と同一部材、同一部位には同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
この第二の実施形態では、図3(a)に示すように、側壁62に、温度を検出する複数の測温センサ103,104を設けている。そして、図3(b)に示すように、測温センサ103,104の検出結果に基づいて、サーボモーター81の駆動を制御して、下型52bの移動量を補正するようにしている。
【0045】
測温センサ103,104は、成形室30内の熱源により、熱変形を起こしやすい部分、この実施形態では、型加熱装置34と対向する側壁面であって、成形室30の天井部分61の位置変化の原因となる部分に設けるのが好ましい。また、より正確な補正値を得るために、三つ以上の測温センサを設けるものとしてもよい。測温センサ103,104としては、公知の熱膨張式センサ、熱電対、抵抗式センサの他、非接触状態で前記構成部材の温度を検出することができる熱放射式センサを用いることができる。
【0046】
この実施形態では、測温センサ103,104で測定した温度と、第一の実施形態と同様の手順でレーザーセンサー101によって検出した天井部分61の変位量との相関関係を、成形作業を行う前に予め求めておき、記憶部88にパラメータ等で記憶させておく。このように、側壁部分62の温度と、天井部分61の変位量との関係を予め求めておくことで、成形サイクル中に検出した測温センサ103,104の検出結果から、下型52bの移動量の補正値を求めることが可能になる。
このように、側壁部分62の温度変化と天井部分61の熱変位量との関係を求めておき、実際の作業時には側壁62の熱変位量を検出しないようにすることによって、熱変位検出手段が受ける熱変形の悪影響を防止することができる。
なお、側壁部分62の温度変化と天井部分61の熱変位量との関係は、側壁部分62の材料の熱膨張率などから求めることも可能である。
【0047】
[成形装置の動作説明]
以上のような構成の成形装置による、本発明によるプレス成形工程の例を以下に説明する。
(a)加熱工程
上型52aと下型52bとを、それぞれ高周波誘導加熱コイル34a,34bにより所定温度に加熱する。
なお、レーザーセンサー101による天井部分61の熱変位量の検出及びこの検出結果に基づく補正値は、上型52aと下型52bとを所定温度に加熱した後に行う。
(b)供給工程
加熱された上型52aと下型52bとの間に、予熱されたガラスプリフォームGを供給し、下型52b上に配置する。
【0048】
(c)プレス成形工程
ガラスプリフォームGが加熱軟化した状態で、下型52bを上昇させて加圧し、上型52aと下型52bとの成形面を転写することによって、所定面形状をもったガラス光学素子G′を成形する。このとき、レーザーセンサー101等の検出結果に基づいて補正された移動量に基づいて、サーボモーター81の駆動を制御する。
(d)冷却・離型工程
上型52aと下型52bとを所定温度まで冷却し、下型52bを下降させることで上型52aと下型52bとを離間し、ガラス光学素子G′を離型する。
(e)取り出し工程
所定形状に成形されたガラス光学素子G′を取り出す。
以下、上記の工程を繰り返す。
【0049】
なお、この実施形態のプレス成形工程(上記(c)の工程)においては、加圧のスケジュール(経時変化)を適宜選択するようにしてもよい。例えば、加圧して、ガラス光学素子G′が所定肉厚(最終肉厚に対して、冷却による収縮分を見こんだ肉厚)に達した後に荷重を開放し、上型52aの成形面をガラス光学素子G′の収縮に追随させることもできる。又は、上記所定肉厚に達するまで加圧した後、減少させた圧を維持して、最終肉厚まで加圧してもよい。このときは、上記所定肉厚に達するときの型位置を本発明によって制御することができる。
【0050】
更に、加圧後、一度圧力を減じ、又は開放して、再度加圧するなど、複数回の加圧を行うことができる。
例えば、第一加圧で、ガラス光学素子G′の最終レンズ厚の5%前後増しの厚さとなるまで、下型を押し込み、次いで減圧しこの下型位置を保持しつつ冷却を開始し、型温がTs(屈伏点)付近になった時点で二次加圧し、Tg以下の温度で離型することにより、成形されるガラス光学素子の面精度を良好にすることができる。また、成形するレンズ形状によって、加圧制御と温度スケジュールは適宜選択することができる。特に、凹メニスカスレンズ、両凹レンズなどの光学素子に有効である。上記のような、複数段の加圧を行う場合には、それぞれの段階での下型保持位置を、レーザーセンサー101によって測定された変位量をサーボモーター81の駆動量に反映させることで、変化させることができる。
【0051】
以下に、比較例と、本発明の成形装置及び成形方法を用いてガラス成形体のプレス成形を行った実施例の結果を示す。
[比較例]
比較例では、HOYA製 M−BaCD12のガラス素材をプレス成形して凹メニスカスレンズを連続成形した。
そして、上型52a及び下型52bの温度を546℃(ガラス素材の粘度で109.7ポアズ相当)に昇温し、加熱室30で634℃(10 6.7ポアズに相当)まで加熱した。そしてこの粘度に相当する温度まで予備加熱されたガラスプリフォームを、搬送ハンドラ23により浮上状態で搬送し、下型52b上に落下させた。この直後、サーボモーター81を駆動させて下型52bを上昇させ、成形するレンズの最終肉厚よりも5%大きい肉厚になる位置まで、100Kg/cmの荷重でプレス成形した。
【0052】
次いで、下型52bの加圧力を20Kg/cmに減圧し、その位置を保持しながら冷却を開始した。予め定めた冷却プログラムにより、屈伏点付近まで冷却された時点で60Kg/cmの荷重で二次加圧を行った。この2次加圧により、レンズ肉厚を所定公差内に追いこんだ。
【0053】
そして、Tg(転移温度)以下に冷却された時点で下型52bを下降させて離型し、搬出ハンドラ32によりレンズを取り出した。取り出し後は、次のプレス成形のために上型52a及び下型52bを再加熱した。プレスサイクルタイム160秒のこのサイクルを連続的に繰り返して、凹メニスカスレンズを成形した。なお、このとき、成形室30の内壁部分には、図2に示す銅パイプ91a,92a・・・に冷却水を循環させ、水冷を行った。
【0054】
なお、図4のグラフに、側壁部分62の温度と天井部分61の熱変位量との関係を示すが、上記プレス成形を連続的に2時間行った場合における天井部分61の変位量は、開始時を基準(0μm)として、+78μmとなった。また、側壁62の温度は、開始時を基準(36℃)として、48℃に上昇した。この連続プレスにおいて、側壁部分の温度と天井部分の変位量とは、ほぼ直線の関係にあった。
【0055】
図5は、比較例において、下型52bの移動量の補正を行うことなく、レンズの成形を行った場合のレンズの肉厚の変化を示すグラフである。
連続プレス成形の開始後、成形室30の構成部材の温度上昇とともにレンズの肉厚が上昇し、約150分経過したときにほぼ安定状態になった。このとき、レンズ厚はほぼ仕様値(この実施例では1.50±0.05mm)に入ったが、その前半は公差外(ここでは1.45mm未満)が多かった。
【0056】
[実施例1]
レーザーセンサー101による検出結果を、サーボモーター81の制御にフィードバックし、下型52bの移動を補正した。なお、一次加圧時の下型位置を制御したほかは、比較例と同様の連続プレス成形を行った。
この実施例1のレンズの肉厚の変化を図6に示す。連続プレス成形の開始から約250分を経るまで、レンズ肉厚の変化量をきわめて小さい範囲(0.01mm以内)に抑えることができた。
【0057】
[実施例2]
レーザーセンサー101の代わりに測温センサ103,104を用い、その検出結果をサーボモーター81の制御にフィードバックされるようにした。この他は、実施例1と同じ連続プレス成形を行った。このときは、予め求めた、成形室の壁温度と天井位置の変位の相関を用いた。結果は、図7に示すように、開始から250分経過までレンズの肉厚の変動を0.02mm以内に抑えることができた。
【0058】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態によりなんら限定されるものではない。
例えば、上記の第一の実施形態では、天井部分61の熱変位量を検出するために、上型レーザーセンサー101等の検出手段で上型52aを支持している支柱71のフランジ部分71aの位置を検出するようにしているが、側壁部分62の熱変形にともなう天井部分61の熱変位量を検出することができるのであれば、天井部分61の他の部位の熱変位量を検出するようにしてもよい。
【0059】
また、天井部分61の熱変位とともに位置が変化する棒状の検出部材を天井部分61から外側に張り出させ、この検出部材の先端をレーザーセンサー101等の検出手段で検出するようにしてもよく、このようにすることで、レーザーセンサ101を支持する支持部材102を熱源から遠ざけることができるという利点がある。
【0060】
さらに、上記の実施形態では、熱変形する構成部材として成形室30の筐体を例に挙げるとともに、この筐体を構成する部分であって熱変形する部分として側壁部分62を、また、側壁部分62の熱変形により熱変位する部分として天井部分61を例に挙げているが、熱変形により成形金型の位置精度に影響を与える構成部材であれば上記の筐体には限られない。また、熱変位量を検出する部分も前記筐体の天井部分61に限られるものでなく、測温センサ103,104やレーザーセンサー101を設ける部分も側壁部分62や天井部分61には限定されない。
【0061】
また、本発明を上記した従来例の技術に適用することで、より高精度なプレス成形を行うことができる。
さらに、上記の説明では、ガラス素材をプレス成形する場合を例に挙げているが、同様のプレス成形によって所定形状のプレス成形体を成形するのであれば、本発明はガラス以外の他の素材、例えば、樹脂や金属にも適用が可能である。
また、本発明においては、構成部材の温度を検出するとともに、構成部材の温度変化に伴う剛性の変化量を予測することも可能である。そして、剛性の変化量を前記補正値に加味することで、より精密なプレス成形が可能になる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、構成部材の熱変形により熱変位する部分の位置変化量を駆動部の制御部にフィードバックしているので、連続プレス成形の開始から、レンズ厚等を正確に制御することができ、また雰囲気の温度などの環境変化に対しても、変動を抑えて一貫して公差内の製品を製造することができる。
また、本発明によれば、レンズ厚等の寸法制御を行うに際し、一対の型を相互に当接させ、またはストッパ等の他の部材に当接させることによる必要が無いので、加圧を行いながらの加圧スケジュールを自由に選択できるうえ、成形されたプレス成形用の素材の冷却に伴う熱収縮による型位置の制御もできるため、ヒケや面精度劣化等の問題が生じないとい利点がある。そのため、特に、凹メニスカス形状や両凹形状のガラス光学素子をプレス成形する場合に、これらを高精度で成形できるという利点がある。
このように本発明によれば、高品質の成形体を高い生産性で成形することができ、高度の面精度が要求されるガラス光学素子の生産に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかるガラス光学素子の成形装置の概略図で、その断面平面図である。
【図2】(a)は、本発明の第一の実施形態にかかる成形室及びプレス装置の詳細を説明する断面概略図、(b)は、サーボモーターの駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。
【図3】(a)は、本発明の第二の実施形態にかかる成形室及びプレス装置の詳細を説明する断面概略図、(b)は、サーボモーターの駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。
【図4】側壁部分の温度と天井部分の熱変位との関係を示すグラフである。
【図5】本発明をガラスレンズのプレス成形に適用した具体的な実施例にかかり、その比較例におけるレンズの肉厚の変化を示すグラフである。
【図6】本発明をガラスレンズのプレス成形に適用した具体的な実施例にかかり、その実施例1におけるレンズの肉厚の変化を示すグラフである。
【図7】本発明をガラスレンズのプレス成形に適用した具体的な実施例にかかり、その実施例2におけるレンズの肉厚の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 プレス成形装置
20 加熱室
21 搬入部
22 ガラス加熱装置
23 搬送ハンドラ
23a 駆動部
30 成形室
31 搬出部
32 搬出ハンドラ
32a 駆動部
32b アーム
32c 吸着パッド
33 プレス装置
34 型加熱装置

Claims (7)

  1. プレス成形用の素材を加熱軟化させ、成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形装置において、
    対向する成形面を有する一対の型からなり、一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、
    前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、
    前記型を加熱する加熱手段と、
    前記構成部材が熱変形することによって変位する部分の変位量を検出する検出手段と、
    この検出手段の検出結果に基づいて前記他方の型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力する制御部と、
    を有することを特徴とするプレス成形体の成形装置。
  2. 前記検出手段を支持部材で支持する場合において、前記支持部材の温度を一定温度に保持する調温手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプレス成形体の成形装置。
  3. プレス成形用の素材を加熱軟化させ、成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形装置において、
    対向する成形面を有する一対の型からなり、一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、
    前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、
    前記型を加熱する加熱手段と、
    前記構成部材の熱変形する部分の温度を検出する測温手段と、
    前記構成部材の温度と熱変形することによって変位する部分の変位量とを関係付けて記憶する記憶部と、
    前記測温手段の検出結果と前記記憶部の記憶内容とに基づいて前記他方の型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力する制御部と、
    を有することを特徴とするプレス成形体の成形装置。
  4. 対向する成形面を有する一対の型からなり、一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、前記型を加熱する加熱手段とを有する成形装置を用い、加熱軟化させたプレス成形用の素材を、前記成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形方法において、
    一方の前記型を固定する前記構成部材の熱変形によって変位する部分の変位量を検出する検出手段を準備し、
    この検出手段の検出結果に基づいて前記他方の型の移動量の補正値を求め、
    この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力すること、
    を特徴とするプレス成形体の成形方法。
  5. 前記検出手段による熱変位の検出を、成形サイクル中における前記素材のプレス成形前に行うことを特徴とする請求項4に記載のプレス成形体の成形方法。
  6. 対向する成形面を有する一対の型からなり、一方が前記成形装置を構成する構成部材に固定された成形金型と、前記型のうち、他方の型を一方の型に対して接近方向及び離間方向に移動させる駆動手段と、前記型を加熱する加熱手段とを有する成形装置を用い、加熱軟化させたプレス成形用の素材を、前記成形金型によって所定形状にプレス成形するプレス成形体の成形方法において、
    前記一方の型を固定する前記構成部材の温度を検出する測温手段を準備するとともに、前記構成部材の温度と熱変形によって変位する部分の変位量との関係を予め求めておき、
    プレス成形を行う際に、前記測温手段によって前記構成部材の温度を検出し、
    予め求められた前記構成部材の温度と熱変位する部分の変位量との関係及び前記測温手段による検出結果に基づいて、前記他方の型の移動量の補正値を求め、
    この補正値によって補正された前記移動量に基づいて、前記他方の型を移動させるように前記駆動手段に指令を出力すること、
    を特徴とするプレス成形体の成形方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の成形装置又は請求項4〜6のいずれかに記載の成形方法を用いたガラス光学素子の成形方法であって、
    予め加熱・軟化させた所定形状のガラスプリフォームを、前記成形金型に供給して所定形状のガラス光学素子をプレス成形することを特徴とするガラス光学素子の成形方法。
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