JP2008266073A - プレス成形体の製造方法およびプレス成形装置 - Google Patents

プレス成形体の製造方法およびプレス成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置内部で熱変形するプレス軸による影響を受けることなく、プレス成形装置の運転開始時から装置内の温度が安定するまでの間においても高精度の光学素子などのプレス成形品を得ることのできるプレス成形装置を提案すること。
【解決手段】プレス成形装置1を運転し、運転開始時点からの経過時間と、プレス軸9の押圧方向への熱による伸び変化との関係を示す伸び変化履歴14を求める。プレス成形装置1の次の運転時には、運転開始後の所定サイクル分の各プレス成形工程において、伸び変形履歴14に基づき、プレス時のプレス軸9の押圧方向への移動量を補正する。プレス軸9の熱変位に起因した移動位置のバラツキを抑制あるいは回避でき、プレス軸9の熱変位が無くなるまでの運転開始後の期間であっても精度良くプレス成形を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形面を有する上下の型を用いて光学ガラスなどの成形素材をプレス成形して、高い成形精度が要求される光学素子などのプレス成形体を製造するプレス成形体の製造方法およびプレス成形装置に関する。
成形面を有する成形型を用いて光学ガラス等の成形素材をプレス成形して光学素子を製造する精密プレス成形方法が知られている。このために用いられているプレス成形装置は、基本的に、相対向する成形面を有する上型および下型を含む成形型と、上型および下型の一方の型を他方の型に対して押圧するプレス軸と、成形型を加熱する加熱ヒータとを備えた構成なっている。
かかるプレス成形装置の運転開始時においては、通常、装置内外が室温状態にある。加熱ヒータに電力が供給された後は、加熱ヒータによる加熱によって装置内部の温度が上昇する。この温度上昇は、装置内部温度が所定温度に安定するまで続く。温度上昇に伴って、装置の筐体や装置内に配置されている構造物、例えば、成形型を押圧するプレス軸、成形型を支持している支持部材が連続的に熱変位する。また、運転開始時の温度状態により、これらプレス軸、支持部材の変位の仕方に差が生じる。
このような装置内部の温度上昇に伴いプレス軸、支持部材が熱変位している状況下では、成形精度が極めて高い光学素子、例えば、μmオーダーの寸法精度、2分程度以内の傾き精度が要求される光学素子を高歩留まりで製造することは困難である。そこで、装置内部の温度が安定するまで、すなわち装置筐体や装置内構造物の変位がなくなるまでの間、成形素材を供給せずに、成形品を成形しない運転、所謂、空運転を行い、装置内温度が所定温度に到達して安定した後に、本生産を開始すれば、成形品の品質を安定化させることができ、歩留まりも向上する。
しかしながら、装置内温度が安定して各部の熱変位が実質的に無くなるまでには、一般に数十分〜数時間を必要とするので、空運転もそれに相当する時間行う必要がある。よって、空運転により無駄に消費される時間、電力等によって、プレス成形装置のコスト高、生産性の低下を招くという問題が生ずる。
特許文献1には、熱による影響を高精度に補正してプレス成形体の成形精度を向上させる成形方法が開示されている。ここに開示の成形方法では、プレス成形装置を構成する構成部材、具体的には装置の天井部分が熱変形することによって変位する部分の変位量をセンサーで検出し、検出結果に基づいて成形型の移動量の補正値を求め、この補正値によって補正された移動量に基づいて成形型の移動を制御している。
特開2004−238260号公報
特許文献1に記載の方法では、変位センサーを熱変形の影響を受けない成形装置外部に取り付け、装置構成部材の変位量を検知している。このため、プレス軸などのような装置内部で熱変位(伸縮)が生じる部材の変位量を常時正確に把握することができない。プレス軸が加熱されて伸長している過程でプレス成形を行うと、成形型に対する押圧荷重が不均一になると共に押圧寸法に差異が生じ、成形後の光学素子の形状不良や肉厚不良を招くおそれがある。
本発明の課題は、プレス軸などのような装置内部で熱変形する部材による影響を受けることなく、プレス成形装置の運転開始時から装置内の温度が安定するまでの間においても高精度の光学素子などのプレス成形品を得ることのできるプレス成形体の製造方法およびプレス成形装置を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、相対向する成形面を有する上型および下型と、これら上型および下型の一方の型を他方の型に対して押圧する押圧部材と、前記上型および下型を加熱する加熱手段とを備えたプレス成形装置を用いて、前記上型および下型の間に供給された被成形素材を所定形状にプレス成形するプレス成形体の製造方法において、
前記プレス成形装置を運転し、運転開始時点からの経過時間と、前記押圧部材の押圧方向への熱による伸び変化との関係を示す伸び変化履歴を取得し、
前記プレス成形装置の次の運転時には、運転開始後の所定サイクル分の各プレス成形工程において、前記伸び変形履歴に基づき、前記押圧部材の押圧方向への移動量を補正することを特徴としている。
本発明の方法では、プレス成形装置の運転開始時点からの時間経過に伴う押圧部材の押圧方向への熱による伸び変化履歴を取得しておき、当該伸び変化履歴に基づき、各プレス成形工程における押圧部材の押圧方向への移動量を補正している。したがって、運転開始時点から押圧部材の熱による伸び変化が実質的に無くなる時点までの間においても、押圧部材の伸び変化を考慮して、当該押圧部材の移動位置を精度良く管理できる。この結果、押圧部材の熱変位に起因した押圧部材の移動位置のバラツキを抑制あるいは回避でき、押圧部材の熱変位が無くなるまでの運転開始後の期間であっても精度良くプレス成形を行うことができる。
ここで、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程は、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点まで行えば良い。この後においては押圧部材の熱変位を考慮する必要がないので、通常のプレス成形工程を行えばよい。すなわち、予め定められている設定移動量だけ押圧部材を移動すればよい。
また、前記移動量の補正処理としては、押圧部材を押圧方向に移動する時点から前記押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点までに生ずる当該押圧部材の伸び量を、予め設定されている設定移動量に加算する内容とすればよい。
さらに、プレス成形装置の運転を再開する場合などにおいては、プレス成形装置が常温状態よりも高温の状態となっている場合がある。このような場合においても移動量の補正を正確に行うためには、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程に先立って、少なくとも2サイクル分のプレス成形工程を行い、これらのプレス成形工程における前記押圧部材の押圧方向への実際の移動量の差分を算出し、当該差分に基づき、前記プレス成形装置の前記押圧部材の伸び変化状態が前記伸び変化履歴上のどの時点にあるのかを判別し、前記移動量の補正を、当該時点以降の前記伸び変化履歴に基づき行うようにすればよい。
次に、各プレス成形工程において前記押圧部材の押圧方向への実際の移動位置を検出し、当該実際の移動位置に基づきプレス成形体の成形良否判定を行う場合には、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程によって得られたプレス成形体の成形良品判定において、前記実際の移動位置に、前記移動量の補正量を加味して得られる補正移動位置に基づき判定を行うようにすればよい。
移動量の補正を伴うプレス成形工程では、押圧部材の移動量が補正されているので、その実際の移動位置も補正分だけ変化する。したがって、当該実際の移動位置を直接に判定基準値と比較して成形良否判定を行うと、良品であっても不良品であると判定されるおそれがある。本発明によれば、このような誤判定を回避して正確な成形良否判定を行うことができる。
一方、本発明は、相対向する成形面を有する上型および下型と、これら上型および下型の一方の型を他方の型に対して押圧する押圧部材と、前記上型および下型を加熱する加熱手段とを備え、前記上型および下型の間に供給された被成形素材を所定形状にプレス成形するプレス成形装置において、
当該プレス成形装置の運転開始時点からの経過時間と、前記押圧部材の押圧方向への熱による伸び変化量との関係を示す伸び変化履歴情報が予め記憶保持されているメモリと、
運転開始後の所定サイクル分の各プレス成形工程において、前記メモリの前記伸び変形履歴情報に基づき、前記押圧部材の押圧方向への移動量を補正する移動量補正手段とを有していることを特徴としている。
ここで、前記移動量補正手段は、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程を、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点まで行うことが望ましい。
また、前記移動量補正手段は、前記移動量の補正を伴う各プレス成形工程では、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材を押圧方向に移動する時点から当該押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点までに生ずる当該押圧部材の伸び量を、予め設定されている設定移動量に加算する補正を行うように構成すればよい。
さらに、前記移動量補正手段は、少なくとも2サイクル分のプレス成形工程を行った後のプレス成形工程から前記移動量の補正を開始すると共に、これらのプレス成形工程における前記押圧部材の押圧方向への実際の移動量の差分に基づき、前記押圧部材の伸び変化状態が前記伸び変化履歴上のどの時点にあるのかを判別し、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程では、当該時点以降の前記伸び変化履歴に基づき前記移動量の補正を行うことが望ましい。
さらに、前記押圧部材の押圧方向への実際の移動位置に基づき、得られたプレス成形体の成形良否判定を行う成形良否判定手段を有している場合には、当該成形良否判定手段は、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程によって得られたプレス成形体の成形良品判定を、前記移動量の補正を考慮して行うことが望ましい。
本発明では、装置の運転開始時からの時間経過に伴う押圧部材の熱による押圧方向の伸び変化履歴を予め測定しておき、当該伸び変化履歴に基づき、押圧部材の押圧方向への移動量を補正して、押圧部材の熱による押圧方向への伸び変化に起因する当該押圧部材の移動位置のバラツキを回避あるいは抑制している。
したがって、本発明によれば、プレス軸などのような装置内部で熱変形する押圧部材による影響を受けることなく、プレス成形装置の運転開始時から装置内の温度が安定するまでの間においても、高精度の光学素子などのプレス成形品を得ることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したプレス成形体の製造方法及びプレス成形装置の実施の形態を説明する。
(レンズ成形装置)
図1は、本発明を適用したレンズ成形装置の一例を示す概略構成図である。レンズ成形装置1は、断熱性の装置筐体2の内部に形成された成形室3を備えている。成形室3には、上型4および下型5が同軸状態に配置され、それらの成形面4a、5aが上下方向から対峙している。上型4は上型支持部材6によって支持されており、下型5は成形面5aが形成されている側とは反対側の端部に大径のフランジ部5bが形成された形状をしており、下型支持部材7によって支持されている。これら上型4および下型5を取り囲む状態に、加熱手段として、例えば、高周波加熱コイルや赤外線ランプヒーター等の加熱ヒータ8が配置されている。上型支持部材6の真上には同軸状態に押圧部材としてのプレス軸9が固着されている。プレス軸9は装置筐体2の天井を貫通して上方に延び、不図示の減速機構を介してサーボモータ10に連結されている。サーボモータ10を一方向に回転駆動することにより、プレス軸9が押圧方向である下方に移動して、上型4を下型5に向けて押圧することが可能であり、サーボモータ10を逆方向に回転駆動することにより、プレス軸9を上型4から上方に退避した待機位置に戻すことが可能である。
なお、本発明は、上型4が装置筐体2の天井等に直接または間接的に固定され、下型5がプレス軸9と連動して上下方向に移動する構成のレンズ成形装置や、上下型を円筒状の胴型内に同軸状に挿入した成形型に対して、この成形型とは独立したプレス軸を上方から降下もしくは下方から上昇させて、成形型を押圧するレンズ成形装置にも適用できる。
サーボモータ10には、その回転位置を検出するためのエンコーダ11が取り付けられている。サーボモータ10の駆動制御は、モータドライバが内蔵されている演算処理装置12によって行われる。演算処理装置12は、エンコーダ11の出力に基づき、プレス軸9が所定の押圧位置まで移動するようにサーボモータ10を駆動制御する。
また、演算処理装置12は、装置運転開始時点から所定の期間においては、内部メモリ13に予め記憶保持されているプレス軸9の伸び変化履歴情報14に基づき、プレス軸9の押圧方向への移動量を補正する移動量補正手段15を備えている。さらに、演算処理装置12は、プレス成形によって得られた光学レンズの成形良否判定手段16を備えている。成形良否判定においては、プレス成形工程におけるプレス軸9の押圧位置をエンコーダ出力値から読み込み、このプレス軸9の押圧位置を予め定められている判定用の基準値と比較して成形良否判定を行う。
(レンズ成形工程)
図2(a)は、レンズ成形装置1を用いた光学レンズの成形工程を示す概略工程図である。レンズ成形工程は一般的なものであり、簡単に説明すると、レンズ成形装置1の運転を開始して、上型4および下型5を加熱ヒータ8によって加熱する(ST1)。これと平行して、予め所定の形状、例えば、光学ガラス等からなる被成形素材として、球状に成形されたガラスプリフォームPFを不図示の加熱装置によって加熱する(ST2)。所定の温度状態に加熱された上下の型4、5に、所定の温度状態に加熱されたガラスプリフォームPFを供給する(ST3)。この後は、プレス軸9を押圧方向に移動して(下降させて)、上下の型4、5を一定の押圧力で押圧して、これらの間のガラスプリフォームPFを押圧して成形面を転写するプレス成形動作を行う(ST4)。プレス動作終了後は冷却工程を経た後に、プレス軸9を上昇させて型開きを行い、プレス成形された光学レンズを上下の型4、5から取り出す(ST5)。取り出した光学レンズを、その成形良否判定結果に従って、正常品および不良品に仕分け、正常品を正常品トレーに配置し、不良品を不良品トレーに配置する(ST6)。このようなレンズ成形工程が繰り返し行われる。
図2(b)は、得られた光学レンズの成形良否判定処理を示すフローチャートである。本
例の成形良否判定処理においては、プレス時(図2(a)のST4)におけるプレス軸位置(押圧位置)を読み込み(ST11)、これを基準値と比較して許容範囲内か否かを判断する(ST12、13)。許容範囲内であれば正常品であると判断して正常品トレーに配置し(ST14)、許容範囲外であれば不良品トレーへ配置する(ST15)。プレス軸位置は、プレス時におけるプレス軸9の押圧方向の移動位置であり、この移動位置はエンコーダ11の出力に基づき算出したプレス軸9の押圧方向への移動量から求めることができる。
(伸び変化履歴情報)
次に、図3および図4を参照して、演算処理装置12の内部メモリ13に記憶保持される伸び変化履歴情報14について説明する。
まず、図3はレンズ成形装置1の運転開始時点からの時間経過に伴うプレス軸9の伸び量を示す履歴曲線を示すグラフである。この履歴曲線C1は、室温状態(25℃程度)からの、ガラスプリフォームPFが無い状態でプレスを行う空運転を行ったときのものである。なお、ガラスプリフォームPFを供給した状態での履歴を求めても良い。
プレス軸9は成形室3の内部に挿入されており、加熱ヒータ8によって上下の型4、5と一緒に加熱され。成形室3の内部温度の上昇により、プレス軸9自体も熱膨張して、その軸線方向に伸びる。この結果、プレス軸9の押圧方向(下方向)への移動量(目標移動量)を一定とした場合には、プレス時におけるプレス軸位置は伸び量に応じて押圧方向(下方向)にずれる。プレス軸9の伸びの変化量は時間経過と共に減少し、所定時間後にはプレス軸9が熱的に飽和状態になり、伸び変化が実質的に無くなり、装置の温度状態に変化が無い限り一定の長さに安定する。
図4は、空運転時におけるプレス軸9の熱による伸び量の変化に伴うプレス軸位置の読込値の変化を示すグラフである。各プレス成形工程におけるプレス軸位置、すなわち、プレス時にプレス軸9を上型4の上方の待機位置から上下の型4、5の押圧状態が形成される押圧位置(プレス位置)に移動させるための移動量は、運転開始直後のプレス成形工程のプレス時において最も多くする必要がある。時間経過に伴って、加熱ヒータ8によって装置内部温度が上昇してプレス軸9が熱変位して伸びる。プレス軸9が熱によって伸びた分だけ、プレス軸9は押圧位置(プレス位置)に早く到達するので、プレス軸9の移動量はプレス軸9の伸び量に反比例して減少していく。
本例では、常温状態から空運転を開始した場合のプレス成形装置1において、プレス成形工程毎に、演算処理装置12においてエンコーダ11から得られるプレス時のプレス軸位置の読込値を記録する。例えば、プレス軸位置の読込動作は、プレス軸9の伸び変化が実質的に無くなるまで行う。このようにして、空運転における第1回目のプレス成形工程時のプレス軸位置読込値P1から、プレス軸9の伸び変化が実質的に無くなる第n回目のプレス成形工程時のプレス軸位置読込値Pnまでを記録する。
図4における棒グラフはこのようにして取得した第1回目から第n回目までの各プレス成形工程におけるプレス軸位置読込値P1〜Pnを示してある。演算処理装置12の内部メモリ13には、これら第1回目から第n回目までのプレス軸位置読込値P1〜Pnがプレス軸9の伸び変化履歴情報として記憶保持されている。勿論、これらの関係式、例えば、図4に示す時間経過に伴うプレス軸位置読込値の変化を表す履歴曲線C2を算出し、これを表す関係式を記憶保持しておいてもよい。
(プレス成形動作)
次に、図5はプレス成形装置1によるプレス成形動作を示す概略フローチャートである。このフローチャートに従って運転開始からの動作を説明する。
まず、空運転によりプレス成形工程を2回繰り返し(ST31、ST32)、1回目と2回目のプレス成形工程におけるプレス時のプレス軸位置を読み込み、記憶する(ST31−1、ST32−1)。これらのプレス軸位置読込値y1、y2の差(y2−y1)を算出する(ST32−2)。次に、その差(y2−y1)を、内部メモリ13に記憶保持されているプレス軸9の伸び変化履歴情報14に照合して、プレス軸9の伸び変化が伸び変化履歴のどの段階にあるのかを求めると共に、プレス軸9の伸び変化が実質的に無くなるまでに必要なプレス成形工程の回数を求める(ST32−3)。
図4のグラフを参照して説明すると、算出したプレス軸位置読込値の差(y2−y1)が、伸び変化履歴情報14における何回目のプレス軸位置読込値に該当するのかを求める。例えば、差(y2−y1)がP3に等しい場合、あるいは、P3に最も近い場合には、プレス軸9の伸び変化の段階が常温状態から運転を開始した場合における第3回目のプレス成形工程の段階にあると判断する。そして、プレス軸9の伸び変化が実質的に無くなるまでの回数nから、現在の伸び変化の段階(時点)に対応する3回を減算することにより、伸び変化が実質的に無くまでに必要なプレス成形工程の回数m(=n−3)を算出する。このようにして、現在の差がグラフ中のどの段階(i回目)に該当するのかと、伸び変化がなくなるまでに必要な運転回数m(=(n−i))を算出する。
再び、図5を参照して説明すると、以降の3回目からの各プレス成形工程、すなわち、(i+1)回目からn回目までのm回分の各プレス成形工程においては(ST33)、プレス軸9の移動量を補正してプレスを行う。すなわち、現在の(i+1)回目のプレス成形工程からプレス軸9の伸び変化が実質的に無くなるn回目のプレス成形工程までに生ずるプレス軸9の伸び量Δ(=Pn−P(i+1))を、予め設定されている設定移動量に加算し、加算後の移動量となるようにプレス軸9を移動する。換言すると、プレス時の目標プレス軸位置Pを、基準プレス軸位置Poよりも伸び量Δだけ押圧方向に移動した位置に設定し、当該目標プレス軸位置Pとなるように、サーボモータ11を駆動してプレス軸9を移動させる。かかる移動量補正処理によって、プレス軸9の熱による伸び変化状態に影響されることなく、プレス軸9を常に基準プレス軸位置Poに精度良く移動できる。これにより、プレス軸9による押圧力、押圧位置などのバラツキを回避あるいは抑制でき、高精度のプレス成形動作を行うことができる。
ここで、プレス軸9の移動量の補正を伴うプレス成形工程(ST33)においては、得られたガラスレンズの成形良否判定において、その判定の基準値として補正基準値を用いるようにしている。成形良否判定処理は先に述べた通りであり(図2(b)参照)、プレス時のプレス軸位置を読み込み(ST33−2)、当該プレス軸位置読込値を成形良否判定用の基準値と比較して成形良否判定を行う。
(i+1)回目のプレス成形工程では、現在の(i+1)回目のプレス成形工程からプレス軸9の伸び変化が実質的に無くなるn回目のプレス成形工程までに生ずるプレス軸9の伸び量Δ(=Pn−P(i+1))を、予め設定されている基準値に加算して補正基準値を算出する。この補正基準値とプレス軸位置読込値を比較して、成形良品判定を行う。これにより、運転開始からプレス軸の伸びを考慮した成形不良判断を行うことができる。
このようにして(i+1)回目からn回目までのm回分のプレス成形工程を行った後は、通常のプレス成形工程を行う(ST34)。すなわち、予め定められている移動量だけプレス軸9を移動してプレスを行い、成形良否判定も予め定められている基準値を用いて行う。
以上説明したように、プレス成形装置1においては、室温状態から空運転をすることに
より、プレス軸9の伸びの変化を当該変化が実質的に無くなる時点まで測定し、測定した値から経過時間と変化量の関係(伸び変化履歴情報)を求めて記憶している。また、運転開始時には2回の空運転を行い、1回目と2回目のプレス成形工程におけるプレス軸位置読込値を記録し、この値の変化量に基づき、プレス軸9の現在の伸び変化の段階がどの段階にあるのかを記憶されている履歴情報14に照合して求め、伸び変化が実質的に無くなるまでのプレス成形工程では、プレス軸9の伸び変化を考慮してプレス軸9の移動量を補正している。また、移動量の補正に応じて、成形良否判定の基準値も補正している。
したがって、プレス成形装置1を用いることにより、運転開始直後から高精度の光学素子をプレス成形することができるので、生産性が向上する。また、熱によるプレス軸9の変位を把握した上で、成形良否判定を初期から行うことにより、成形品の正確な良否判定初期の時点から行うことができる。
本発明を適用したプレス成形装置の概略構成図である。 (a)はプレス成形工程を示す概略工程図であり、(b)は成形良否判定処理を示す概略フローチャートである。 プレス軸の伸び量の変化を示すグラフである。 空運転におけるプレス軸位置読込値の変化を示すグラフである。 図1のプレス成形装置によるプレス成形動作を示す概略フローチャートである。
符号の説明
1 レンズ成形装置
2 装置筐体
3 成形室
4 上型
5 下型
4a、5a 成形面
6 上型支持部材
7 下型支持部材
9 プレス軸
10 サーボモータ
11 エンコーダ
12 演算処理装置
13 内部メモリ
14 伸び変化履歴情報
15 移動量補正手段
16 成形良否判定手段
PF ガラスプリフォーム(被成形素材)

Claims (10)

  1. 相対向する成形面を有する上型および下型と、これら上型および下型の一方の型を他方の型に対して押圧する押圧部材と、前記上型および下型を加熱する加熱手段とを備えたプレス成形装置を用いて、前記上型および下型の間に供給された被成形素材を所定形状にプレス成形するプレス成形体の製造方法において、
    前記プレス成形装置を運転し、運転開始時点からの経過時間と、前記押圧部材の押圧方向への熱による伸び変化との関係を示す伸び変化履歴を取得し、
    前記プレス成形装置の次の運転時には、運転開始後の所定サイクル分の各プレス成形工程において、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材の押圧方向への移動量を補正することを特徴とするプレス成形体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のプレス成形体の製造方法において、
    前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程を、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点まで行うことを特徴とするプレス成形体の製造方法。
  3. 請求項2に記載のプレス成形体の製造方法において、
    前記移動量の補正を伴う各プレス成形工程では、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材を押圧方向に移動する時点から当該押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点までに生ずる当該押圧部材の伸び量を、予め設定されている設定移動量に加算する補正を行うことを特徴とするプレス成形体の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載のプレス成形体の製造方法において、
    前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程に先立って、少なくとも2サイクル分のプレス成形工程を行い、これらのプレス成形工程における前記押圧部材の押圧方向への実際の移動量の差分を算出し、
    当該差分に基づき、前記プレス成形装置の前記押圧部材の伸び変化状態が前記伸び変化履歴上のどの時点にあるのかを判別し、
    前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程では、当該時点以降の前記伸び変化履歴に基づき前記移動量の補正を行うことを特徴とするプレス成形体の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載のプレス成形体の製造方法において、
    各プレス成形工程において、前記押圧部材の押圧方向への実際の移動位置を検出し、当該実際の移動位置に基づき、得られたプレス成形体の成形良否判定を行い、
    前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程によって得られたプレス成形体の成形良品判定を、前記移動量の補正量を考慮して行うことを特徴とするプレス成形体の製造方法。
  6. 相対向する成形面を有する上型および下型と、これら上型および下型の一方の型を他方の型に対して押圧する押圧部材と、前記上型および下型を加熱する加熱手段とを備え、前記上型および下型の間に供給された被成形素材を所定形状にプレス成形するプレス成形装置において、
    当該プレス成形装置の運転開始時点からの経過時間と、前記押圧部材の押圧方向への熱による伸び変化量との関係を示す伸び変化履歴情報が予め記憶保持されているメモリと、
    運転開始後の所定サイクル分の各プレス成形工程において、前記メモリの前記伸び変形履歴情報に基づき、前記押圧部材の押圧方向への移動量を補正する移動量補正手段とを有していることを特徴とするプレス成形装置。
  7. 請求項6に記載のプレス成形装置において、
    前記移動量補正手段は、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程を、前記伸び変化
    履歴に基づき、前記押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点まで行うことを特徴とするプレス成形装置。
  8. 請求項7に記載のプレス成形装置において、
    前記移動量補正手段は、前記移動量の補正を伴う各プレス成形工程では、前記伸び変化履歴に基づき、前記押圧部材を押圧方向に移動する時点から当該押圧部材の伸び変化が実質的に無くなる時点までに生ずる当該押圧部材の伸び量を、予め設定されている設定移動量に加算する補正を行うことを特徴とするプレス成形装置。
  9. 請求項6ないし8のうちのいずれかの項に記載のプレス成形装置において、
    前記移動量補正手段は、
    少なくとも2サイクル分のプレス成形工程を行った後のプレス成形工程から前記移動量の補正を開始すると共に、
    これらのプレス成形工程における前記押圧部材の押圧方向への実際の移動量の差分に基づき、前記押圧部材の伸び変化状態が前記伸び変化履歴上のどの時点にあるのかを判別し、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程では、当該時点以降の前記伸び変化履歴に基づき前記移動量の補正を行うことを特徴とするプレス成形装置。
  10. 請求項6ないし9のうちのいずれかの項に記載のプレス成形装置において、
    各プレス成形工程において、前記押圧部材の押圧方向への実際の移動位置に基づき、得られたプレス成形体の成形良否判定を行う成形良否判定手段を有し、
    当該成形良否判定手段は、前記移動量の補正を伴う前記プレス成形工程によって得られたプレス成形体の成形良品判定を、前記移動量の補正量を考慮して行うことを特徴とするプレス成形装置。
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