JP4790658B2 - 熱可塑性素材の成形方法及びその装置 - Google Patents

熱可塑性素材の成形方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性素材を収容した型セットを加熱工程、成形工程、及び冷却工程を順に移動させながら成形する熱可塑性素材の成形方法及びその装置に関する。
近年、ガラス等の熱可塑性素材を、成形型を用いて加熱・成形・冷却の各工程を順に移動させて高精度で成形し、非球面等の光学素子であっても容易に成形可能とする製造方法が実用化されている。
従来、このような熱可塑性素材の成形装置として、例えば特許文献1には、上ヒータブロック及び下ヒータブロックの間に、熱可塑性素材を挟持した金型を配置し、この熱可塑性素材を加熱軟化させた状態で上ヒータブロックを下ヒータブロックに対し鉛直方向に接近移動させ、成形品を成形する旨が開示されている。
また、この特許文献1では、プレス量測定手段を設け、上ヒータブロックの鉛直方向の移動量を測定することによって、熱可塑性素材のプレス量を測定している。
特開2004−91281号公報
しかしながら、特許文献1では、上・下ヒータブロックのヒータに通電した後に、夫々の工程部において構成部材が除々に加熱され、しばらくの間は各工程部の構成部材の温度が安定することはない。すなわち、熱膨張によって各工程部の構成部材の相対位置が時々刻々と変化するので、上ヒータブロックの移動量や熱可塑性素材のプレス量の測定結果もすぐには安定することがない。これにより、成形品の肉厚寸法精度等に支障が生じるおそれがある。
このため、特許文献1によれば、夫々の工程部における構成部材の温度や相対位置が安定化するまで、成形作業を開始せずに待つ必要があった。しかしながら、熱可塑性素材の種類や成形品の必要精度は、ロット等によって異なるため、例えばロット毎にどの程度の時間を待つ必要があるのかを作業者が把握するのは困難であった。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、夫々の工程部における構成部材の位置変化や温度変化が安定化した時点を捉えて成形作業を開始することで、成形品の肉厚精度の向上を図り得る熱可塑性素材の成形方法及びその装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを、挟持可能かつ夫々異なる温度に設定されて対向方向に相対移動可能な一対のヒータブロックを備えた加熱工程、成形工程、及び冷却工程を順に移動させながら成形する熱可塑性素材の成形方法において、
前記各一対のヒータブロックへの加熱を開始し、
該加熱開始した後の温度変動に伴う前記各一対のヒータブロックの一方に夫々連動可能に連結された加圧部材の1つの前記対向方向の位置を検出し、
該検出された前記位置の単位時間当たりの変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認した後に、前記加熱工程、成形工程、及び冷却工程を実行することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の熱可塑性素材の成形方法において、
前記検出された位置の変化量が、前記一対のヒータブロックの一方に連結された前記加圧部材を含む複数の構成部材の前記対向方向の変化量の総和であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の熱可塑性素材の成形方法において、
前記目標とする誤差範囲が、成形品の肉厚精度に応じて設定されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、
熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを、挟持可能かつ夫々異なる温度に設定されて対向方向に相対移動可能な一対のヒータブロックを備えた加熱工程、成形工程、及び冷却工程を順に移動させながら成形する熱可塑性素材の成形方法において、
前記各一対のヒータブロックへの加熱を開始し、
該加熱開始した後の温度変動に伴う前記各一対のヒータブロックの一方に夫々連動可能に連結された加圧部材の1つの温度を測定し、
該測定された前記温度の単位時間当たりの変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認した後に、前記加熱工程、成形工程、及び冷却工程を実行することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の熱可塑性素材の成形方法において、
前記測定された温度の変化量が、前記一対のヒータブロックの一方に連結された前記加圧部材を含む複数の構成部材の1つの温度の変化量であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の熱可塑性素材の成形方法において、
上記目標とする誤差範囲が、成形品の肉厚精度に応じて設定されることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、
熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを挟持可能に対向して配置された一対のヒータブロックと、該一対のヒータブロックを対向方向に相対移動させる加圧手段と、を備えた熱可塑性素材の成形装置において、
前記一対のヒータブロックに設けられた加熱手段と、
該加熱手段の加熱に伴う前記加圧手段の温度変動による前記対向方向の位置を検出する検出手段と、
該検出手段により検出された単位時間あたりの前記位置の変化量を演算し、該変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認する制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、
熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを挟持可能に対向して配置された一対のヒータブロックと、該一対のヒータブロックを対向方向に相対移動させる加圧手段と、を備えた熱可塑性素材の成形装置において、
前記一対のヒータブロックに設けられた加熱手段と、
該加熱手段の加熱に伴う前記加圧手段の温度を測定する測定手段と、
該測定手段により測定された単位時間あたりの前記温度の変化量を演算し、該変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、夫々の工程部を構成する構成部材の位置変化や温度変化が安定化した時点を捉えて成形作業を開始するようにしたことにより、成形品の肉厚精度の向上を図ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態に係る熱可塑性素材の成形装置の全体構成を示す図である。
この熱可塑性素材の成形装置10は、成形室12内に収容された加熱工程部14、成形工程部16、及び冷却工程部18を備えている。
加熱工程部14は、上下に対向配置された一対の上ヒータブロック301及び下ヒータブロック302と、上ヒータブロック301を上下方向に加圧する加圧手段としての加圧部材(シリンダロッド)32と、を備えている。上ヒータブロック301及び下ヒータブロック302には、それぞれ通電により加熱される加熱手段としてのヒータ311、312が内蔵されている。
上ヒータブロック301には、断熱板341、冷却板361、及び加圧部材32が一体的に連結されている。同様に、下ヒータブロック302にも、断熱板342、冷却板362が一体的に連結されている。下ヒータブロック302には、後述する型セット20が搬入載置されるようになっている。
この加熱工程部14では、加圧部材32を加圧して、上ヒータブロック301を下ヒータブロック302との対向方向(以下、「上下方向」という)に移動させることにより、型セット20の挟持、解放の動作が行われる。そして、ヒータ311、312に通電された後に、上ヒータブロック301及び下ヒータブロック302間に型セット20が載置されて挟持される。
こうして、挟持された型セット20には、上ヒータブロック301及び下ヒータブロック302からの熱が伝導されて加熱される。これにより、型セット20に収容された熱可塑性素材13(図2参照)が所定温度に加熱される。
また、加圧部材32には、検出片32aが側方に突設されている。この検出片32aの上下方向の位置は、成形室12の本体ケース12Aに固定された検出手段としての高さゲージ38によって高精度に検出されるようになっている。この高さゲージ38は、不図示の信号ケーブルにより制御手段としての動作制御盤24に接続されている。これにより、検出片32aの上下方向の位置は、動作制御盤24によって常に把握されるようになっている。
動作制御盤24は、例えばコンピュータで構成され、内部に設定されたプログラムにより、夫々の工程部での上ヒータブロック301,401、501及び下ヒータブロック302,402、502の温度設定、加熱、冷却の温度制御、及び加圧部材32,42,52による荷重の作用の有無等のタイミング制御を行う機能を備えている。
更に、この動作制御盤24は、例えば高さゲージ38によって検出された検出片32aの上下方向の位置の単位時間当たりの変化量が、目標とする誤差範囲内に収束しているか否か等を確認する機能を備えている。
成形工程部16は、上下に対向配置された一対の上ヒータブロック401及び下ヒータブロック402と、上ヒータブロック401を上下方向に加圧する加圧部材42と、を備えている。上ヒータブロック401及び下ヒータブロック402には、前述と同様にヒータ411、412が内蔵されている。
この成形工程部16では、上ヒータブロック401と下ヒータブロック402との間に、加熱工程部14で加熱された後の型セット20が搬入される。そして、この成形工程部16において、加圧部材42を介して上ヒータブロック401を加圧して、型セット20の挟持、押圧、解放等の動作が行われる。これにより、型セット20内の熱可塑性素材13(図2参照)が所定形状に成形される。
また、前記と同様に、加圧部材42には、検出片42aが側方に突設されている。この検出片42aの上下方向の位置は、成形室12の本体ケース12Aに固定された高さゲージ48によって検出されるようになっている。これは、ヒータ411、412に通電されると、上ヒータブロック401に連結された加圧部材42等が膨張し、検出片42aの上下方向の位置が変動するため、その変動後の相対位置を検出するためである。
上ヒータブロック401には、断熱板441、冷却板461、及び加圧部材42が一体的に連結されている。同様に、下ヒータブロック402には、断熱板442、冷却板462が一体的に連結されている。また、加圧部材42には測定手段としての温度測定器22が接続されている。この温度測定器22により、加圧部材42の温度の測定が行われる。
また、動作制御盤24には、高さゲージ48からの検出信号が入力されるようになっている。この動作制御盤24は、前述のように、検出された検出片42aの位置の単位時間当たりの変化量が、目標とする誤差範囲内に収束しているか否かを確認する機能を有している。なお、温度測定器22は、動作制御盤24に接続されていて、測定された温度は連続的に動作制御盤24に入力されるようになっている。
なお、図1では、この温度測定器22は、成形工程部16の加圧部材42に接続された場合を図示しているが、同様に、加熱工程部14の加圧部材32、及び冷却工程部18の加圧部材52にも接続することができる。また、高さゲージ48は、不図示の信号ケーブルにより動作制御盤24に接続されている。
冷却工程部18は、上下に対向配置された一対の上ヒータブロック501及び下ヒータブロック502と、上ヒータブロック501を上下方向に加圧する加圧部材52と、を備えている。上ヒータブロック501及び下ヒータブロック502には、前記と同様に、ヒータ511、512が内蔵されている。上ヒータブロック501と下ヒータブロック502の間には、成形工程部16で成型された後の型セット20が搬入される。
また、上ヒータブロック501には、断熱板541、冷却板561、及び加圧部材52が一体的に連結されている。同様に、下ヒータブロック502には、断熱板542、冷却板562が一体的に連結されている。冷却板561、562には、上ヒータブロック501及び下ヒータブロック502を冷却可能に、冷却水を流す水管が配設されている。
この冷却工程部18において、加圧部材52を介して上ヒータブロック501が上下移動することにより、型セット20の挟持、解放の動作が行われる。そして、上ヒータブロック501及び下ヒータブロック502間に型セット20が挟持されると、型セット20は冷却板561、562から熱を奪われて所定温度に冷却される。また、加圧部材52には、検出片52aが側方に突設されている。この検出片52aの上下方向の位置は、成形室12の本体ケース12Aに固定された高さゲージ58によって検出されるようになっている。
次に、図2は、型セット20の全体構成を示している。
同図に示すように、型セット20は、上型26、下型28、及びスリーブ29を有している。上型26及び下型28は、スリーブ29の内部で、それぞれの成形面26a,28aが対向するようにスリーブ29の両端側から嵌挿されている。上型26は、スリーブ29の軸方向に摺動可能となっている。上型26の成形面26aと下型28の成形面28aとの間には、熱可塑性素材13が配置されている。
本実施の形態では、上型26及び下型28はタングステンカーバイド(WC)等の超硬合金を研磨して製作されている。また、熱可塑性素材13は、例えば球形状の市販の光学ガラスが用いられている。
(成形方法)
熱可塑性素材の成形装置10による成形作業を開始する前に、加熱工程部14、成形工程部16、及び冷却工程部18における全ての上下ヒータブロック30、40、50のヒータ31、41、51を密着させた状態とした上で通電される。これにより、夫々の上下ヒータブロック30、40、50は、夫々の工程に応じて予め設定された温度に加熱される。この加熱後、高さゲージ38、48、58により、加圧部材32、42、52における検出片32a、42a、52aの、夫々の本体ケース12Aからの上下方向の距離(高さH)が検出される。
そして、この高さHが、加熱工程部14、成形工程部16、及び冷却工程部18の夫々において、ヒータ31、41、51への通電(加熱)が開始されてから連続的に検出される。ここでの検出値は動作制御盤24に入力され、そこで演算処理される。その結果、図3に示すように、夫々の工程部において、個別に加熱後からの経過時間(sec)と高さHとの関係が得られる。この図3は、各上下ヒータブロック30と31(40と41,50と51)が密着された上で、各ヒータ31(41、51)に通電されてからの時間と検出片32a(42a、52a)の高さHとの関係を示す図である。
これにより、加熱工程部14、成形工程部16、及び冷却工程部18の夫々において、予め特定された単位時間T(sec)に対する高さ変化量Δh(μm)の値を演算することができる。この場合の高さ変化量Δh(μm)は、夫々の工程部14、16、18での加圧部材32、42、52の本体ケース12Aからの高さの変化量である。
そして、動作制御盤24では、このときの高さの変化量Δh(μm)が、予め設定された高さの変化量以下に収束した時点を捉えて、成形装置10に対して作業開始のOKランプ(図示せず)を点灯する。又は、成形装置10のスタートスイッチ(図示せず)のロックを解除するなどして、成形作業の開始を指示したり、又は装置を成形可能な状態とする。
なお、本体ケース12Aからの高さの変化量が、予め設定された高さの変化量以下に収束しないうちには、成形装置10の作動を開始することなく、引き続き高さの変化量が安定化するまで待つ。これにより、特定の単位時間T(sec)の間に当該高さの変化量Δh(μm)が、求める高さの変化量以上になっている状態で作業が開始されることはない。
また、図3に示した「安定化時間」が、ヒータ31、41、51に通電されてから予め設定された高さの単位時間あたりの変化量以下に収束するまでの時間(例えば26分程度)である。この場合、求める高さの変化量Δh(μm)を、当該成形品の目標肉厚精度の幅内に設定することで、求める成形品の肉厚品質を高精度に抑えることができる。
例えば、「安定化時間」を経過すると成形作業が開始されるが、この開始後、夫々の工程部14、16、18での作業を終了するまでの時間は、例えば240secとなる。また、例えば、成形品の目標肉厚精度の幅が20μmであるとすると、上記品質を維持するためには、単位時間T(sec)に対する高さ変化量Δh(μm)が、少なくとも、20μm/240sec以下に安定化させる必要がある。
なお、実際の測定中の時間間隔Tと高さ変化量Δhとの関係は、比例配分して、1μm/12sec、2μm/24sec、5μm/60secとしても同様の効果を得ることができる。
この場合、測定中の時間間隔を短くすることで、早めに高さが安定化する時点を捉えることができる。逆に長くすることで突発的ノイズによるエラーを防止できる。なお、安定化するまでの時間は、夫々の工程部14、16、18によって異なるが、例えば、安定化するまでに最も多くの時間を要したいずれかの工程部14、16、18での時間を待ってから成形作業を開始するようにする。
本実施形態によれば、成形作業の開始前に、ヒータ31、41、51への通電後から加圧部材32、42、52の本体ケース12Aからの高さ変化量を検出し、この高さ変化量の安定化を待って成形作業を開始することにより、求める成形品の肉厚精度を高く維持することができる。
すなわち、ヒータ31、41、51への通電に伴い、最初は熱膨張により除々に各工程部を構成する構成部材(加圧部材等)の上下方向の相対位置の変化量が増大する。しかし、やがて減少して安定化した状態になる。よって、この安定化した時点を捉え、この時点から成形工程を開始する。これにより、作業工程中における各工程部の構成部材の相対位置の変動による影響をなくし、高精度な成形を行うことができる。
また、加圧部材32、42、52の高さ位置のばらつきや変動は、熱可塑性素材13の押し量不足や押し過ぎを起こすおそれがあるので、成形品の肉厚精度のみでなく転写精度の悪化の原因ともなる。よって、肉厚精度が良くても面精度を確保するためには高さ位置の高精度な制御が必要となる。
しかし、本実施形態によれば、成形品の肉厚精度を良くすることで、併せて転写精度を良くすることができる。このため、例えば肉厚精度が必要のない部品で転写精度が求められた場合であっても、肉厚精度を良くすることで転写精度も良くすることができる。
(第2の実施の形態)
本実施形態では、加圧部材32、42、52の本体ケース12Aからの高さの変化量を検出する代わりに、加圧部材32、42、52の温度を測定して温度の安定化時点を捉えるようにしたものである。
このために、加熱工程部14、成形工程部16、及び冷却工程部18における全ての上下のヒータブロック30、40、50のヒータ31、41、51に通電した後、夫々の工程部14、16、18を構成する構成部材の温度変化を測定した。
図4は、例えば加熱工程部14を構成する構成部材の位置関係を示す図である。なお、成形工程部16、冷却工程部18においても同様の構成を有している。
本実施形態では、図4に示すように、上下ヒータブロック301、302、断熱板341、342、冷却板361、362、及び加圧部材32の軸部32b,32cの温度変化を測定した。
図5は、このとき測定した各部材の温度と安定化時間との関係を示す図である。
この図5に示すように、ヒータ311,312から近い位置にある部材ほど高い温度で安定化し、また、遠い位置にある部材の温度ほど低い温度で安定化している。しかし、安定化するまでの時間は、加圧部材32の下部の軸部32cの温度が最も長い時間t5(26分)を要している。そして、他の部位での安定化までの時間は、上下ヒータブロック301、302がt1、加圧部材32の中間の軸部32bがt2、断熱板341、342がt3、冷却板361、362がt4の順であった。
つまり、加圧部材32の下部の軸部32cの部分が、ヒータ311,312からの熱の伝導が最も遅い部位であるので、ここが安定化すれば装置全体がほぼ安定状態になると予測できる。
なお、温度測定器22によって測定された温度の単位時間当たりの変化量が、目標とする誤差範囲内に収束しているか否かは、動作制御盤24によって行われる。
次に、図6は、ヒータ311,312への通電後における加圧部材32の下部の軸部32cの温度と、加圧部材32の本体ケース12Aからの高さの伸びを測定したデータを示している。
この図6によれば、軸部32cの温度上昇と軸高さの伸びには相関関係があることがわかる。すなわち、軸部32cの温度が600〜700℃の領域においては、100℃の温度差が約200μmの高さの差に相当している。このため、軸部32cの温度を測定することによって、高さ測定による方法の代用とすることができる。
例えば、各部の温度が安定化した後、成形作業を開始してから終了するまでの時間を240secとする。また、例えば成形品の目標肉厚精度の幅を20μmとする。すると、上記品質を維持するためには、少なくとも20μm/240sec以下に高さを安定化させる必要がある。
そして、この20μmは、軸部32cの温度幅で約10℃(200μm⇒100℃)に相当するので、10℃/240secと置き換えることができる。なお、これを比例配分して、0.5℃/12sec、1℃/24sec、2.5℃/60secとしても同様である。
このように、加圧部材32、42、52の本体ケース12Aからの高さを温度に変換することによって、さらに熱伝導の遅い部位で管理することによって、制御を簡単かつ安価な構成とすることができる。
図7は、図3と対応するもので、各工程部の構成部材の温度と安定化するまでの時間との関係を示す図である。すなわち、この場合においても、ヒータ31、41、51への通電を開始してから、各工程部14、16、18における単位時間Tに対する温度変化量Δ
kが、目標とする温度差以内になるまでの時間が安定化時間となる。
本実施形態によれば、各工程部14、16、18における加圧部材32、42、52の本体ケース12Aからの高さの変化量を測定する代わりに、温度を測定して安定化時点を捉え、この安定化時点から成形作業を開始することで、求める成形品の肉厚精度(及び転写精度)を高く維持することができる。
このため、加圧部材32、42、52から検出片32a,42a,52aを側方に突設し、高さゲージ38,48,58を用いて高精度に位置検出を行う等の煩雑な作業を省略することができる。よって、温度を測定するという簡単な構成で、加圧部材32、42、52等の高さ変化の安定化時点を精度良く把握することができる。
本実施形態に係る熱可塑性素材の成形装置の全体構成を示す図である。 型セットの断面図である。 ヒータに通電されてからの時間と加圧部材の高さとの関係を示す図である。 加熱工程部を構成する構成部材の位置関係を示す図である。 各工程部の構成部材の温度と安定化時間との関係を示す図である。 ヒータへの通電後における加圧部材の下部の軸部の温度と加圧部材の高さの伸びを測定したデータを示す図である。 他の実施形態の各工程部の温度と安定化までの時間との関係を示す図である。
符号の説明
10 熱可塑性素材の成形装置
12 成形室
12A 本体ケース
13 熱可塑性素材
14 加熱工程部
16 成形工程部
18 冷却工程部
20 型セット
22 温度測定器(測定手段)
24 動作制御盤(制御手段)
26 上型
26a 成形面
28 下型
28a 成形面
29 スリーブ
301 上ヒータブロック
302 下ヒータブロック
311 ヒータ(加熱手段)
312 ヒータ(加熱手段)
32 加圧部材(加圧手段)
32a 検出片
341 断熱板
342 断熱板
361 冷却板
362 冷却板
38 高さゲージ(検出手段)
401 上ヒータブロック
402 下ヒータブロック
411 ヒータ(加熱手段)
412 ヒータ(加熱手段)
42 加圧部材(加圧手段)
42a 検出片
441 断熱板
442 断熱板
461 冷却板
462 冷却板
48 高さゲージ(検出手段)
501 上ヒータブロック
502 下ヒータブロック
511 ヒータ(加熱手段)
512 ヒータ(加熱手段)
52 加圧部材(加圧手段)
52a 検出片
52b 軸部
52c 軸部
541 断熱板
542 断熱板
561 冷却板
562 冷却板
58 高さゲージ(検出手段)

Claims (8)

  1. 熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを、挟持可能かつ夫々異なる温度に設定されて対向方向に相対移動可能な一対のヒータブロックを備えた加熱工程、成形工程、及び冷却工程を順に移動させながら成形する熱可塑性素材の成形方法において、
    前記各一対のヒータブロックへの加熱を開始し、
    該加熱開始した後の温度変動に伴う前記各一対のヒータブロックの一方に夫々連動可能に連結された加圧部材の1つの前記対向方向の位置を検出し、
    該検出された前記位置の単位時間当たりの変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認した後に、前記加熱工程、成形工程、及び冷却工程を実行する
    ことを特徴とする熱可塑性素材の成形方法。
  2. 前記検出された位置の変化量が、前記一対のヒータブロックの一方に連結された前記加圧部材を含む複数の構成部材の前記対向方向の変化量の総和である
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性素材の成形方法。
  3. 前記目標とする誤差範囲が、成形品の肉厚精度に応じて設定される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性素材の成形方法。
  4. 熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを、挟持可能かつ夫々異なる温度に設定されて対向方向に相対移動可能な一対のヒータブロックを備えた加熱工程、成形工程、及び冷却工程を順に移動させながら成形する熱可塑性素材の成形方法において、
    前記各一対のヒータブロックへの加熱を開始し、
    該加熱開始した後の温度変動に伴う前記各一対のヒータブロックの一方に夫々連動可能に連結された加圧部材の1つの温度を測定し、
    該測定された前記温度の単位時間当たりの変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認した後に、前記加熱工程、成形工程、及び冷却工程を実行する
    ことを特徴とする熱可塑性素材の成形方法。
  5. 前記測定された温度の変化量が、前記一対のヒータブロックの一方に連結された前記加圧部材を含む複数の構成部材の1つの温度の変化量である
    ことを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性素材の成形方法。
  6. 上記目標とする誤差範囲が、成形品の肉厚精度に応じて設定される
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の熱可塑性素材の成形方法。
  7. 熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを挟持可能に対向して配置された一対のヒータブロックと、該一対のヒータブロックを対向方向に相対移動させる加圧手段と、を備えた熱可塑性素材の成形装置において、
    前記一対のヒータブロックに設けられた加熱手段と、
    該加熱手段の加熱に伴う前記加圧手段の温度変動による前記対向方向の位置を検出する検出手段と、
    該検出手段により検出された単位時間あたりの前記位置の変化量を演算し、該変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認する制御手段と、を備える
    ことを特徴とする熱可塑性素材の成形装置。
  8. 熱可塑性素材を挟んで対向する一対の成形型と該成形型が嵌挿されるスリーブとを有する型セットを挟持可能に対向して配置された一対のヒータブロックと、該一対のヒータブロックを対向方向に相対移動させる加圧手段と、を備えた熱可塑性素材の成形装置において、
    前記一対のヒータブロックに設けられた加熱手段と、
    該加熱手段の加熱に伴う前記加圧手段の温度を測定する測定手段と、
    該測定手段により測定された単位時間あたりの前記温度の変化量を演算し、該変化量が目標とする誤差範囲内に収束していることを確認する制御手段と、を備える
    ことを特徴とする熱可塑性素材の成形装置。
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