JP2533959B2 - 光学素子成形装置及び光学素子成形方法 - Google Patents

光学素子成形装置及び光学素子成形方法

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JP2533959B2 JP2078896A JP7889690A JP2533959B2 JP 2533959 B2 JP2533959 B2 JP 2533959B2 JP 2078896 A JP2078896 A JP 2078896A JP 7889690 A JP7889690 A JP 7889690A JP 2533959 B2 JP2533959 B2 JP 2533959B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はガラス成形装置とくに光学素子成形装置及び
該装置を用いた成形方法に関する。本発明は、たとえば
非球面レンズ等の光学素子を連続的に成形するのに有効
に適用される。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 近年、所定の表面精度を有する成形用型内に光学素子
成形用の素材たとえばある程度の形状及び表面精度に予
備成形されたガラスブランクを収容して加熱下でプレス
成形することにより、研削及び研摩等の後加工を不要と
した、高精度光学機能面を有する光学素子を製造する方
法が開発されている。
この様なプレス成形法では、一般に成形用上型部材と
成形用下型部材とをそれぞれ成形用胴型部材内に摺動可
能に対向配置し、これら上型部材、下型部材及び胴型部
材により形成されるキャビティ内に成形用素材を導入
し、型部材の酸化防止のため雰囲気を非酸化性雰囲気た
とえば窒素雰囲気として、成形可能温度たとえば成形用
素材が108〜1012ポアズとなる温度まで型部材を加熱
し、型を閉じ適宜の時間プレスして型部材表面形状を成
形用素材表面に転写し、そして型部材温度を成形用素材
のガラス転移温度より十分低い温度まで冷却し、プレス
圧力を除去し、型を開いて成形済光学素子を取出す。
尚、型部材内に導入する前に成形用素材を適宜の温度
まで予備加熱したり、あるいは成形用素材を成形可能温
度まで加熱してから型部材内に導入することもできる。
更に、型部材とともに成形用素材を搬送しながら、それ
ぞれ所定の場所で加熱、プレス及び冷却を行い、連続化
及び高速化をはかることもできる。
以上の様な光学素子プレス成形法及びその装置は、た
とえば特開昭58−84134号公報、特開昭49−97009号公
報、イギリス国特許第378199号公報、特開昭63−11529
号公報、特開昭59−150728号公報及び特開昭61−26528
号公報等に開示されている。
ところで、上記プレスのための従来の成形装置は、バ
ッチ式のものでは成形室内へ成形用素材を送入したり該
成形室内から成形済光学素子を取出したりするたびに成
形室内の雰囲気調整を行わねばならず、また型部材を高
温まで加熱し更に低温まで冷却するので長時間を要し、
コスト高となる難点がある。一方、連続式の従来装置で
は、高精度の型部材の組を数多く必要とし、更に雰囲気
置換室、加熱室、成形室、冷却室及び順送り駆動装置等
を含む大規模な設備を要するので、これまたコスト高と
なり、更に小ロット生産に不向きである。
また、特開平1−105713号公報には、胴型部材の長手
方向に関し部分的にヒータを設け且つ部分的にクーラを
設け、かくして胴型部材に長手方向に関し温度分布を形
成し、該胴型部材に対し上型部材及び下型部材を移動さ
せることによりキャビティ位置を移動させ、これにより
成形用素材及び成形済光学素子の温度を制御することに
より、プレス成形の1サイクルに要する時間の短縮を図
ったプレス成形用金型装置が開示されている。
しかしながら、ここには雰囲気制御の具体的手段の開
示はなく、上記従来法の様に該金型装置を密閉可能な成
形室内に配置する場合には、依然として成形用素材の送
入及び成形済光学素子の取出しのたびに成形室全体の雰
囲気置換を行わねばならず、プレスサイクルの時間短縮
は未だ十分とはいえない。
そこで、本発明は、使用する型部材の組の数が少なく
てよく、大規模設備を要することがなく、小ロット生産
にも有利で、更に特にプレス部周囲の雰囲気置換を簡易
化して連結的且つ迅速に繰返しプレス成形を行うことの
できる、ガラス成形装置とくに光学素子成形装置を提供
することを目的とするものである。
更に、本発明は該成形装置において実施されるガラス
成形方法とくに光学素子成形方法を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、上記目的を達成するものとして、 成形用上型部材(24)と成形用下型部材(22)とを摺
動可能に収容した胴型部材(20)と、 前記成形用上型部材と成形用下型部材とを閉成してガ
ラス材料を加圧成形するための加圧手段(12)と、 前記胴型部材に接続され、前記ガラス材料を前記成形
用下型部材の上に導入するガラス材料導入管(21a)
と、 前記胴型部材に接続され、該胴型部材、前記上型部材
及び前記下型部材で形成するキャビティ内に不活性ガス
を導入するガス導入部(21c)と、 前記ガラス材料導入管と前記ガス導入管とで前記キャ
ビティとの接続を切り替えるために、前記胴型部材を前
記上型部材及び下型部材に対して相対移動させるための
駆動手段(6)と、 を備えることを特徴とする光学素子成形装置、 が提供される。
また、本発明によれば、上記目的を達成するものとし
て、 成形用上型部材(24)と成形用下型部材(22)とに対
して胴型部材(20)を相対移動可能に設け、 前記胴型部材にガラス材料を導入するガラス材料導入
管(21a)と不活性ガスを導入するガス導入管(21c)と
を接続し、 前記胴型部材、前記上型部材及び前記下型部材で形成
するキャビティと前記ガラス材料導入管との接続を行っ
て、前記キャビティ内にガラス材料を導入した後に、前
記キャビティを閉成して前記上型部材及び前記下型部材
の荷重によりガラス材料を光学素子形状に変形させ、 その後、 前記胴型部材を移動させて前記キャビティと前記ガス
導入管との接続を行ってキャビティ内の成形された光学
素子をガス導入管からのガス圧力により前記キャビティ
内から排出する、 ことを特徴とする光学素子の成形方法、 が提供される。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明によるガラス成形装置とくに光学素子
成形装置の一実施例の概略構成を示す模式的縦断面図で
あり、第2図はその一部省略部分拡大図である。本実施
例は、光学素子のプレス成形に利用した例である。
図において、2は架台であり、該架台に対し上下方向
に摺動可能に胴型支持台4が取付けられている。架台2
には、支持台4の下方においてシリンダ6が取付けられ
ており、そのピストンロッドは上記支持台4の下端部に
接続されている。
上記架台2の上部には上下方向の支柱8が取付けられ
ており、上記支持台4は該支柱8に対し上下方向に摺動
自在に係合している。上記支柱8の上端には上部平板10
が固定されており、該平板上にはシリンダ保持体12が取
付けられている。
上記胴型支持台4上には胴型部材20の下端が取付られ
ている。該胴型部材は上下方向に配置されており、該胴
型部材内には下型部材22及び上型部材24が上下方向に摺
動可能に配置されている。該下型部材22の上端面及び上
型部材24の下端面は成形すべき光学素子(レンズ)の光
学機能面形成のための転写面であり、所望の表面精度に
仕上げられている。これら転写面と上記胴型部材20の内
面とで型キャビティが形成される。
上記下型部材22の下部には上下方向の支持ロッド23が
取付けられており、該ロッドの下端部は上記架台2の上
面に固定されている。また、上記上型部材24の上部には
上下方向の支持ロッド25が取付けられており、該ロッド
の上端部は上記上部平板10を貫通して上記シリンダ保持
体12内へと延びており、該平板10に対し上下方向に摺動
自在に取付けられている。該ロッド25の上部は、上記シ
リンダ保持体12に保持されているシリンダ26のピストン
ロッドの下端部に接続されている。
上記架台2の上面と上記支持台4の下面との間の上記
ロッド23の周囲には上下方向に伸縮自在の気密ベローズ
28が取付けられている。同様に、上記胴型部材20の上端
と上記平板10の下面との間の上記ロッド25の周囲には上
下方向に伸縮自在の気密ベローズ30が取付けられてい
る。
上記胴型部材20の側部には、成形用素材送入用の開口
20a、成形済光学素子取出し用の開口20b、非酸化性ガス
導入用の開口20c及び脱気用の開口20dが形成されてお
り、これらにはそれぞれ成形用素送入用パイプ21a、成
形済光学素子取出し用パイプ21b、非酸化性ガス導入用
パイプ21c及び脱気用パイプ21dが接続されている。これ
らパイプ21a〜21dはいずれもフレキシブル部を含んでい
る。
上記胴型部材20の上部外周にはヒータ32が取付けられ
ており、上記下型部材22内にはヒータ34が内蔵されてお
り、上記上型部材24内にはヒータ36が内蔵されている。
尚、図示されていないが、胴型部材20の下部外部には、
たとえば空気吹付け式等のクーラを付設しておくことが
でき、上記下型部材22内及び上型部材24内にはそれぞれ
冷却水循環式等のクーラを付設しておくことができる。
また、上記胴型部材20、下型部材22及び上型部材24には
それぞれ温度検出のための熱電対を備えておくことがで
きる。
上記成形用素材送入用パイプ21aには、素材送入側雰
囲気置換部42が形成されている。該雰囲気置換部は、両
側に成形用素材の通過可能なボールバルブ40,44を有し
ており、またパイプ43を介して不図示の減圧源に接続さ
れ脱気可能とされている。
上記成形済光学素子取出し用パイプ21bには、成形済
光学素子取出し側雰囲気置換部48が形成されている。該
雰囲気置換部は、両側に成形済光学素子の通過可能なボ
ールバルブ46,50を有しており、またパイプ49を介して
不図示の減圧源に接続され脱気可能とされている。
上記不活性ガス導入用パイプ21cはバルブ52を介して
非酸化性ガスたる窒素ガス源に接続されている。同様
に、脱気用パイプ21dはバルブ54を介して減圧源に接続
されている。
次に、上記実施例装置の動作について説明する。第3
図〜第8図は動作の進行にともない変化する部分を重点
的に示すための概略図である。これらの図において、上
記第1図及び第2図におけると同様の部材には同一の符
号が付されている。
先ず、第3図に示されている様に、シリンダ26の作動
位置を設定して、下型部材22と上型部24との間隔を所望
の光学素子厚さよりも十分に大きく設定する。更に、シ
リンダ6を作動させて、胴型部材20の上下方向位置を、
上記成形用素材送入用開口20aがちょうど下型部材22の
上端面のすぐ上となる様に、設定する。
上記胴型部材20内のシャビティを含む空隙内、上記ベ
ローズ28,30内、及び上記パイプ21a,21b,21c,21d内は密
閉系を形成することができる。当初、バルブ40,46,52を
閉じておき、上記密閉系内をたとえば1×10-2Torrまで
脱気する。その後、バルブ54を閉じ、バルブ52を開い
て、該密閉系内に窒素ガスを導入する。
そして、バルブ52を閉じ、バルブ44を開き、外部の不
図示のマガジンから上記素材送入側雰囲気置換部42内へ
と成形用素材G1を入れ、バルブ44を閉じる。尚、該置換
部42への成形用素材G1の導入は不図示のセンサにより検
知され、これに基づき以後の工程の制御が順次実行され
る。
上記成形用素材G1は所望の光学素子と同等の体積を有
する球形状をなしており、その表面は鏡面とされてい
る。そして、パイプ43を介して雰囲気置換部42内の脱気
し、バルブ40を開く。尚、この状態で、上記パイプ21a
は雰囲気置換部42側から胴型部材20側へと次第に低くな
る様な傾斜が形成されており、成形用素材G1は転動によ
り型キャビティ内(下型部材22上)へと供給される。そ
の後、バルブ40を閉じる。
この工程では、上記下型部材22及び上型部材24の温度
をそれぞれヒータ34,36により上記ガラス転移温度より
低い温度に設定しておく。尚、胴型部材20の上部即ちヒ
ータ32の近傍の胴型部材部分の温度は該ヒータでの加熱
により成形用素材のガラス転移温度より高く維持され、
この状態は続く全工程で維持される。かくして、胴型部
材20には、その長手方向に関し上部が高く且つ下部が低
い温度分布が形成される。
次に、第4図に示されている様に、シリンダ6を作動
させて、胴型部材20を下方へと移動させ、上記型キャビ
ティを胴型部材上部(ヒータ32に対応する高さ)に位置
せしめる。この移動の際、上記の様に、胴型部材20の上
部は下型部材22及び上型部材24より高い温度に設定され
ているので、胴型部材内面と下型部材外面及び上型部材
外面とのクリアランスは十分あり、移動は良好に行われ
る。
そして、ヒータ34,36は制御することにより、下型部
材22及び上型部材24の温度を成形用素材G1のガラス転移
温度以上の成形可能温度まで上昇させる。この加熱は、
胴型部材20の下降開始と同時に開始することができる
が、上型部材24の加熱開始を下型部材22の加熱開始より
若干遅らせることができる。
次に、第5図に示されている様に、シリンダ26を作動
させて、上型部材24を下方へと移動させ、成形用素材を
プレスして光学素子G2を形成し、このプレス状態を適宜
と時間維持する。プレス圧力は、たとえば面圧で3〜10
0Kg/cm2である。
このプレス時の上型部材24の移動の際に胴型部材内面
とのクリアランスを維持するために、上記の様に上型部
材24の加熱開始を下型部材22の加熱開始より若干遅ら
せ、上型部材24の温度が成形用素材のガラス転移点をわ
ずかに越えた時点(胴型部材20上部の温度には到達して
いない)で、プレスを開始することができる。
上記シリンダ26には変位センサが付設されており、該
センサの出力から、プレスの進行状況が把持できる。即
ち、変位センサの出力が飽和したことをもって、キャビ
ティ内に材料が充填されたと判定することができる。
プレス終了時点では胴型部材20、下型部材22及び上型
部材24の温度はほぼ同一となり、胴型部材内面と下型部
材外面及び上型部材外面とのクリアランスが十分小さく
なり、キャビティが閉塞される。
上記適宜時間のプレス状態維持の後に、シリンダ26に
よるプレス圧の印加を除去し、上型部材24の自重のみ印
加する。そして、ヒータ34,36による下型部材22及び上
型部材24の加熱を停止し、これら型部材の設定温度をガ
ラス転移温度より低い温度とする。
次に、第6図に示されている様に、シリンダ6を作動
させ、胴型部材20を上方へと移動させる。これにより、
光学素子G2に対するヒータ32による加熱の影響が少なく
なり、上記の様に下型部材22及び上記部材24の設定温度
をガラス転移温度より低い次第としたこととあいまっ
て、光学素子G2の温度が次第に低下する。また、必要に
応じてクーラ33により胴型部材20の下部を冷却させるこ
とができる。これにより、光学素子G2を取出し可能な温
度とすることができる。
この工程では、下型部材22及び上型部材24が胴型部材
20の上部より低い温度に設定されているので、胴型部材
上部内面と下型部材外面及び上型部材外面とのクリアラ
ンスは十分あり、移動は良好に行われる。
尚、この工程では、ヒータ32の加熱を停止することも
できる。これによれば、冷却時間を短縮することができ
る。
次に、第7図に示されている様に、シリンダ26を作動
させて、上型部材24を上方へと移動させる。これによ
り、光学素子G2は上型部材24から剥離せしめられて、下
型部材22上に位置する。
次に、第8図に示されている様に、バルブ46を開いた
後に、バルブ52を開いて窒素ガスを導入させ、これによ
り下型部材22上の光学素子G2を剥離させて吹き飛ばし、
パイプ21b内を脱気済の雰囲気置換部48まで移動させ
る。
しかる後に、上記パイプを46,52を閉じ、バルブ50を
開いて、光学素子G2を取出す。そして、バルブ50を閉
じ、雰囲気置換部48内を脱気する。
続いて、上記第3図以下の工程を繰返すことにより、
直ちに次のプレスサイクルを行うことができる。
尚、上記第3図に関し述べた密閉系の脱気は、最初の
サイクルで行えばよく、以後常に窒素ガス雰囲気を維持
することにより、2回目以降のサイクルでは行う必要が
ない。但し、サイクルごとに密閉系の脱気を行ってもよ
いことはもちろんである。
更に、上記雰囲気置換部42,48に加熱手段を設けてお
き、ここに次サイクルの成形用素材を導入し待機させて
いる時に、該加熱手段により素子加熱を行うことによ
り、胴型部材20内での加熱時間を短縮することができ
る。
以上の説明では、成形用素材の形状が球形状であると
されており、これによればキャビティ内への送入を有利
に行うことができるが、これに限定されることはなく、
成形すべき光学素子の形状に近似の形状をもつ素材を用
いることもでき、この場合はプレス時間を短縮すること
ができる。
また、上記胴型部材20と下型部材22及び上型部材24と
で熱膨張係数の異なる材質のものを用い、下型部材22及
び上型部材24として胴型部材20よりも熱膨張係数の大き
いものを用いることにより、プレス時の型キャビティの
閉塞性及び胴型部材に対する下型部材及び上型部材の摺
動性をより良好なものとすることができる 更に、上記説明では、ガラスが型キャビティに対応す
る形状となったことを検知して上型部材22の移動を終了
させているが、別法として上型部材24の所定ストローク
移動の検知またはストッパによる上型部材移動の機械的
移動停止により上型部材22の移動を終了させることもで
きる。但し、この場合は、型キャビティに余剰ガラスの
はみ出しスペースを形成しておき、プレス成形後に必要
に応じて芯取りを行う。
次に、上記実施例の装置を用いて実際にプレス成形に
より光学レンズを製造した具体例を以下に示す。
成形用素材として、光学ガラスSF8からなる、直径11.
85mmの球形のものを用いた。
下型部材及び上型部材は外形が25mmで、その材質はMo
B系セラミックスをHIP処理したものであり、熱膨張係数
約80×10-7/℃であった。光学面を形成する成形面は研
削及び研磨により所定形状精度に仕上げられ、外径精度
及び偏心が3μm以下とされていた。
胴型部材は長さ約180mmであり、その材質はTiN系サー
メットであり、熱膨張係数約45×10-7/℃であった。下
型部材及び上型部材と摺動する内面は十分良好に加工さ
れ、真円度及び内径バラツキが1μm以内であった。
下型部材及び上型部材の温度は待機状態では350℃で
あり、また胴型部材上部のヒータ部近傍の温度は490℃
であった。
上記密閉系の1×10-2Torrまでの脱気及び該密閉系へ
の窒素ガスの大気圧までの充填に要する時間は30秒以内
であった。本実施例と同等のガラスをプレス成形する従
来のバッチ式装置の成形室全体の内部を同様に雰囲気置
換する場合には上記雰囲気置換の時間はほぼ6〜7分で
あり、本実施例では十分は時間短縮が可能であった。
次に、成形用素材の加熱及びプレスの際の下型部材の
設定温度を510℃とし、この設定は第4図の胴型部材下
降開始と同時に行った。約22秒後に設定温度に到達し
た。上型部材の設定温度も同様に510℃としたが、この
設定は上記下型部材の設定より約13秒遅延させた。これ
により、プレス時の上型部材の移動がスムーズであっ
た。
尚、プレスはキャビティ内の温度が一定になった時点
で開始してもよいが、上型部材温度がガラス転移点445
℃をわずかに越えた450℃となった時点で開始した。プ
レス圧力は15Kg/cm2とした。
プレス開始から成形用素材がキャビティ形状に変形す
るまでに要した時間は約13秒であった。そして、以上の
様にして得られた光学素子の温度分布を均一化するため
に、更に約5秒間プレス状態を維持した。
その後、上型部材によるプレス力印加を停止し、下型
部材及び上型部材の設定温度を350℃とした。
胴型部材下部の温度は約200℃であり、該部分に対し
空気吹付けによる冷却を行った。約20秒で成形済光学素
子が十分取出し可能となり、窒素ガス吹付けにより取出
した。尚、この間、胴型部材上昇及び上型部材上昇を行
った。
以上の成形サイクルに要した時間は約1分間であり、
従来の従来のバッチ式装置での1サイクルに要していた
時間(約1時間)に比べて十分な時間短縮が実現され
た。
以上の様に、上記実施例では、連続プレス可能な装置
としては雰囲気置換のための密閉系の容積を必要最小限
まで小さくしているので、装置サイクルを小さくするこ
とができ、更に雰囲気置換のための時間が短縮でき、使
用ガスの量が少なくてすむ。
更に、胴型部材に長手方向に関し温度分布を形成して
おき、成形用素材送入及び成形品取出しは型キャビティ
を低温側に位置させた状態で行い、プレスは型キャビテ
ィを高温側へと移動させて行うことにより、該型キャビ
ティ内の温度を迅速に変化させることができ、成形用素
材の加熱、プレス及び成形品の冷却に要する時間を短縮
することができる。
また、下型部材及び上型部材として熱膨張係数が胴型
部材より大きなものを用い、更に下型部材及び上型部材
の温度制御手段を独自に作動させることにより、プレス
時には型キャビティが良好に閉塞され且つ胴型部材に対
する下型部材及び上型部材の摺動性を良好に維持するこ
とができる。
尚、上記実施例では、胴型部材が上下方向に配置され
下型部材及び上型部材がそれぞれ該胴型部材内で上下に
配置されているが、本発明はこれに限定されることはな
く、胴型部材の方向は適宜設定することができ、下型部
材及び上型部材は胴型部材内で摺動可能に配置されてい
れば必ずしも上下に配置されていなくてもよく、たとえ
ば水平方向に配置されているものをも含むものとする。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明装置によれば、成形用胴型
部材内とその連通部たる成形用素材送入のためのパイプ
及び成形品取出しのためのパイプの内部とを非酸化性ガ
ス雰囲気に維持しながら、成形用素材送入、成形用素材
加熱、プレス、成形品冷却及び成形品取出しを行うこと
により、使用型部材の組数が少なくてよく、大規模設備
を要することがなく、小ロット生産にも有利で、更に特
にプレス部周囲の雰囲気置換が簡易化され連続的且つ迅
速に繰換しプレス成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明によるガラス成形装置とくに光学素子成
形装置の一実施例の概略構成を示す模式的縦断面図であ
り、第2図はその一部省略部分拡大図である。 第3図〜第8図は上記実施例装置の動作の進行にともな
い変化する部分を重点的に示すための概略図である。 6,26:シリンダ、20:胴型部材、 21a:成形用素材送入用パイプ、 21b:成形済光学素子取出し用パイプ、 21c:非酸化性ガス導入用パイプ、 21d:脱気用パイプ、 22:下型部材、24:上型部材、 28,30:気密ベローズ、 32,34,36:ヒータ、 42,48:雰囲気置換部、 G1:成形用素材、 G2:成形済光学素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余語 瑞和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 文良 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形用上型部材(24)と成形用下型部材
    (22)とを摺動可能に収容した胴型部材(20)と、 前記成形用上型部材と成形用下型部材とを閉成してガラ
    ス材料を加圧成形するための加圧手段(12)と、 前記胴型部材に接続され、前記ガラス材料を前記成形用
    下型部材の上に導入するガラス材料導入管(21a)と、 前記胴型部材に接続され、該胴型部材、前記上型部材及
    び前記下型部材で形成するキャビティ内に不活性ガスを
    導入するガス導入部(21c)と、 前記ガラス材料導入管と前記ガス導入管とで前記キャビ
    ティとの接続を切り替えるために、前記胴型部材を前記
    上型部材及び下型部材に対して相対移動させるための駆
    動手段(6)と、 を備えることを特徴とする光学素子成形装置。
  2. 【請求項2】成形用上型部材(24)と成形用下型部材
    (22)とに対して胴型部材(20)を相対移動可能に設
    け、 前記胴型部材にガラス材料を導入するガラス材料導入管
    (21a)と不活性ガスを導入するガス導入管(21c)とを
    接続し、 前記胴型部材、前記上型部材及び前記下型部材で形成す
    るキャビティと前記ガラス材料導入管との接続を行っ
    て、前記キャビティ内にガラス材料を導入した後に、前
    記キャビティを閉成して前記上型部材及び前記下型部材
    の荷重によりガラス材料を光学素子形状に変形させ、 その後、 前記胴型部材を移動させて前記キャビティと前記ガス導
    入管との接続を行ってキャビティ内の成形された光学素
    子をガス導入管からのガス圧力により前記キャビティ内
    から排出する、 ことを特徴とする光学素子の成形方法。
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