JP2004237881A - 路面状態検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪の特性もしくは諸元が変化した場合であっても路面状態を正確に検出できる装置を提供する。
【解決手段】車輪もしくはその車輪と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度あるいは回転加速度の検出値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理した値に基づいて路面の状態を検出する路面状態検出装置であって、周波数帯域の異なる複数の前記フィルタ処理をおこなうフィルタ処理手段(ステップS4,S7,S9)と、そのフィルタ処理手段によりフィルタ処理したフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段(ステップS5,S8,S10)とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】車輪もしくはその車輪と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度あるいは回転加速度の検出値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理した値に基づいて路面の状態を検出する路面状態検出装置であって、周波数帯域の異なる複数の前記フィルタ処理をおこなうフィルタ処理手段(ステップS4,S7,S9)と、そのフィルタ処理手段によりフィルタ処理したフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段(ステップS5,S8,S10)とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車輪や車輪と共に回転する部材の回転速度あるいは回転加速度に基づいて路面の状態を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
路面の凹凸や摩擦係数などの路面状態は、車両の走行状態に大きく影響するので、路面状態を的確に検出できれば、車両を安定的に走行させる制御が容易になる。例えば凹凸の大きい悪路を検出できれば、サスペンション装置の特性を路面状態に合わせた特性に制御でき、また無段変速機の挟圧力を適正化でき、また路面の摩擦係数を検出もしくは判定できれば、駆動トルクを制御してタイヤスリップを防止もしくは抑制することができる。
【0003】
そこで従来、路面の状態を検出するための各種の装置が提案されており、例えば特開平6−143964号公報(特許文献1)には、車輪の回転を検出するセンサーの出力信号をバンドパスフィルタ処理して車輪速度の変動分を取り出し、その変動分によって路面の細かな凹凸を判定し、その判定の結果に基づいてサスペンション装置の特性を変更するように構成した装置が記載されている。また、特開平6−122332号公報(特許文献2)には、駆動輪の加速度のフィルタ処理値と駆動トルクとから路面摩擦係数を推定する装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−143964号公報(段落(0010))
【特許文献2】
特開平6−122332号公報(段落(0067))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車輪と路面との間の摩擦力によって車両の駆動力が発生するので、車輪の回転速度やその変動状態(すなわち回転加速度)は、路面の状態に応じて変化し、したがって上記の各公報に記載されているように検出値をフィルタ処理することにより、路面の状態を反映した信号を得ることができ、その結果、その信号に基づいて路面の凹凸や摩擦係数を検出もしくは推定することができる。しかしながら、このようにして得られる信号は、その時点に装着されている車輪を介して得られる信号であり、したがって車輪が交換されてその径などの諸元が変化した場合には、フィル値処理した信号も変化する。例えば変更前の車輪で生じるピーク値の周波数と、変更後の車輪で生じるピーク値の周波数とがずれることがある。
【0006】
上記の公報に記載された装置は、特定の周波数帯域でフィルタ処理し、その処理値に基づいて路面の状態を判定もしくは推定するように構成されているので、上記のように車輪が交換された場合などでは、路面の状態を反映している信号をもカットしてしまい、路面状態の検出もしくは推定を正確におこなうことができない可能性がある。
【0007】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、路面の凹凸などの路面状態を車輪の諸元が変化した場合であっても正確に検出することのできる装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、路面状態を反映している信号を取り出すためのフィルタ処理を複数の周波数帯域についておこなうように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、車輪もしくはその車輪と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度あるいは回転加速度の検出値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理した値に基づいて路面の状態を検出する路面状態検出装置において、周波数帯域の異なる複数の前記フィルタ処理をおこなうフィルタ処理手段と、そのフィルタ処理手段によりフィルタ処理されたフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
したがって請求項1の発明では、車輪などの回転速度もしくは回転加速度などの検出値が複数の周波数帯域でフィルタ処理される。そのため、いずれかの帯域で路面の状態に応じたピーク値が現れる。そして、そのフィルタ処理値に基づく路面状態の判定がおこなわれる。その場合、各周波数帯域ごとにフィルタ処理値に基づく路面状態の判定をおこなうこともできる。その結果、車輪の交換の前後で回転速度や回転加速度などの検出信号の特性が変化したとしても、いずれかの周波数帯域において路面状態をより良く反映した信号が得られるので、車輪の交換などの諸元の変更があっても路面状態が正確に検出される。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記周波数帯域が、悪路での前記車輪の諸元に応じたピーク周波数に対応する複数の周波数帯域とされていることを特徴とする路面状態検出装置である。
【0011】
したがって請求項2の発明では、車輪が交換された場合であっても、その交換された車輪の諸元に応じた周波数帯域でフィルタ処理し、そのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定される。その結果、車輪の交換に関わらず、路面状態が正確に検出される。
【0012】
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明における前記路面状態判定手段が、前記検出値の変動の状態に基づいて選択されたいずれかの周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する手段を含むことを特徴とする路面状態検出装置である。
【0013】
したがって請求項3の発明では、前記検出値の変動の状態に応じて、検出値をフィルタ処理する周波数帯域が選択され、その選択された周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定される。その結果、路面状態をより良く反映している信号が得られ、路面状態が正確に検出される。
【0014】
またさらに、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記路面状態判定手段による路面状態の判定を車速に基づいて制限する判定制限手段を更に備えていることを特徴とする路面状態検出装置である。
【0015】
したがって請求項4の発明では、高車速で走行している場合など、所定の車速では、路面状態の判定がおこなわれず、あるいは特定の周波数帯域でのフィルタ処理がおこなわれないなど、路面状態の判定が制限される。その結果、無駄な判定あるいは検出制御が防止される。
【0016】
そして、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、前記路面状態判定手段で判定された路面状態に基づいて制御指令を発する制御指示手段を更に備えていることを特徴とする路面状態検出装置である。
【0017】
したがって請求項5の発明では、検出された路面状態に応じた制御が実行され、その結果、例えば車両の駆動系統を構成している機器の耐久性が向上し、あるいは車両の乗り心地が向上し、もしくはドライバビリティが向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする車両およびその制御系統について説明すると、図4は、ベルト式無段変速機1を搭載した車両の駆動系統を模式的に示しており、この無段変速機1は、前後進切換機構2を介して動力源3に連結されている。
【0019】
その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。なお、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。また、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。
【0020】
図4に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ4と同心円上にリングギヤ5が配置され、これらのサンギヤ4とリングギヤ5との間に、サンギヤ4に噛合したピニオンギヤ6とそのピニオンギヤ6およびリングギヤ5に噛合した他のピニオンギヤ7とが配置され、これらのピニオンギヤ6,7がキャリヤ8によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ4とキャリヤ8と)を一体的に連結する前進用クラッチ9が設けられ、またリングギヤ5を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ10が設けられている。
【0021】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ11と従動プーリ12とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ13,14によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ11,12の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ11,12に巻掛けたベルト15の巻掛け半径(プーリ11,12の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ11が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ8に連結されている。
【0022】
なお、従動プーリ12における油圧アクチュエータ14には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(例えば、ライン圧あるいはその補正した油圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって従動プーリ12における各シーブがベルト15を挟み付けることにより、ベルト15に張力が付与され、各プーリ11,12とベルト15との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。言い換えれば、挟圧力に応じたトルク容量が設定される。これに対して駆動プーリ11における油圧アクチュエータ13には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
【0023】
より具体的に説明すると、エンジントルクやエンジン回転数あるいは変速比に基づいて挟圧力が決定され、その挟圧力を達成するように従動プーリ12側の推力すなわち可動シーブを軸線方向に押圧する油圧が設定される。一方、駆動プーリ11側のアクチュエータ13に供給する圧油は、無段変速機1の入力回転数が目標回転数となるようにフィードバック制御されている。したがって従動プーリ12の推力が変更されると、それにバランスして入力回転数(すなわち変速比)を維持するために、駆動プーリ11の推力が変更される。無段変速機1の出力部材である従動プーリ12がギヤ対17およびディファレンシャル18に連結され、さらにそのディファレンシャル18が左右の駆動輪19に連結されている。
【0024】
上記の無段変速機1およびエンジン3を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン3の回転数を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー20、駆動プーリ11の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー21、従動プーリ12の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー22、ベルト挟圧力に相当する前記従動プーリ12側の油圧アクチュエータ14の油圧を検出して信号を出力する油圧センサー23が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
【0025】
上記の前進用クラッチ9および後進用ブレーキ10の係合・解放の制御、および前記ベルト15の挟圧力の制御、ならびに発進クラッチ16の係合・解放を含むトルク容量の制御、さらには変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)24が設けられている。この電子制御装置24は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。
【0026】
ここで、変速機用電子制御装置24に入力されているデータあるいは信号の例を示すと、無段変速機1の入力回転数(駆動プーリ11の回転数)Ninの信号、無段変速機1の出力回転数(従動プーリ12の回転数)No の信号が入力されている。また、上記の無段変速機1は、パーキングレンジやリバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジなどの走行ポジションをシフト装置25によって選択するように構成されており、そのシフト装置25によって選択されたポジションの信号が、変速機用電子制御装置24に入力されている。
【0027】
また、エンジン3を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エンジン回転数Ne の信号、エンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。さらに、車輪のロックを回避するアンチロックブレーキシステムのための電子制御装置(ABS−ECU)27からは車輪回転速度信号などが入力されている。
【0028】
上記の駆動系統を備えた車両を対象として、この発明の路面状態検出装置は、以下のようにして路面状態を検出するように構成されている。図1はその路面状態の検出のための制御例を示すフローチャートであって、先ず、定常走行状態か否かが判断される(ステップS1)。定常走行状態とは、駆動トルクが安定している走行状態であって、例えばアクセルペダルが大きく踏み込まれていない状態あるいは急激な制動がおこなわれていない状態である。
【0029】
このステップS1の判断をおこなうのは、路面状態に基づく出力側からの入力と加速あるいは減速に伴う駆動トルクの変化とが重畳すると、検出信号にこれら両方の信号が混在し、路面状態を正確に検出できないからである。したがって、ステップS1で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくリターンする。
【0030】
これとは反対にステップS1で肯定的に判断された場合には、N個の出力回転数Nout(i)をサンプリングする(ステップS2)。なお、その出力回転数Nout(i)は、前述した出力回転数センサー22で得られる回転数(すなわち出力軸回転数)や前記アンチロックブレーキシステムのための電子制御装置(ABS−ECU)27で得られる車輪回転速度など、要は、車輪19の回転速度あるいは車輪19と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度であればよい。
【0031】
サンプリングされた各出力回転数Nout(i)からその変化量もしくは回転加速度ΔNout(i)が算出される(ステップS3)。さらにサンプリングされた各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)からそのフィルタ処理値Sout_A が算出される(ステップS4)。車速の変化などによる外乱要因を除去するためである。すなわち、各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)に所定の周波数帯域のバンドパスフィルタAを適用するとともに、得られた値の絶対値を累積(時間窓積分)し、その積分値をローパイフィルタに通して上記のフィルタ処理値Sout_A を得る。
【0032】
そのフィルタ処理値Sout_A が予め定めたしきい値Th より大きいか否かが判断される(ステップS5)。路面の凹凸が相対的に大きい悪路を走行した場合、たとえ定常走行状態であっても車輪19の回転速度が路面の状態の影響を受けて大きくかつ頻繁に変化する。そのため悪路を走行した場合には、上記の出力回転数Nout(i)やその加速度ΔNout(i)が大きく変化し、その結果、それに基づくフィルタ処理値Sout_A も大きくなる。したがってステップS5で肯定的に判断されれば、車両が悪路を走行していることになる。したがってその場合には、悪路の対応する処理が実行される(ステップS6)。
【0033】
上述した図4に示す駆動系統を備えている車両では、その悪路対応処理として、例えば前記ベルト15の挟圧力を高くする制御、あるいは定常走行状態であることにより実行されていた挟圧力の低下制御の解除がおこなわれる。また、車高を高くする制御や、車体の振動を抑制するようにサスペンションの特性を変更する制御などを、悪路対応処理として実行することができる。
【0034】
一方、ステップS5で否定的に判断された場合には、上記のバンドパイフィルタAによる周波数帯域より低周数側にシフトした他の周波数帯域でのバンドパイフィルタBを上記の各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)に適用し、かつ上記のステップS4での処理と同様に、絶対値の累積およびローパスフィルタ処理を経てフィルタ処理値Sout_B が算出される(ステップS7)。そのいわゆる低周数側でのフィルタ処理値Sout_B が、予め定めたしきい値Th より大きいか否かが判断される(ステップS8)。このステップS8は、上記のステップS5と同様の判断ステップであり、したがってこのステップS8で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路であるからステップS6に進んで悪路対応処理が実施される。
【0035】
これとは反対にステップS8で否定的に判断された場合には、上記のステップS4でのバンドパイフィルタAによる周波数帯域より高周波数側の周波数帯域でのバンドパイフィルタCを上記の各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)に適用し、かつ上記のステップS4もしくはステップS7での処理と同様に、絶対値の累積およびローパスフィルタ処理を経てフィルタ処理値Sout_C が算出され(ステップS9)、かつそのフィルタ処理値Sout_C が予め定めたしきい値Th より大きいか否かが判断される(ステップS10)。このステップS10は、上記のステップS5,S8と同様の判断ステップであり、したがってこのステップS10で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路であるからステップS6に進んで悪路対応処理が実施される。なお、ステップS10で否定的に判断された場合には、リターンする。
【0036】
なお、上記の各バンドパスフィルタA,B,Cの周波数帯域の幅は、互いに同一幅であってもよく、あるいは異なっていてもよい。また各周波数帯域は、互いに一部オーバーラップしていることが好ましい。さらに、悪路の判定をおこなう上記のしきい値Th は、各フィルタ処理値Sout_A ,Sout_B ,Sout_C ごと同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。またさらに、バンドパスフィルタ処理を単独で行うことに替え、高速フーリエ変換(FFT)をバンドパスフィルタ処理と併用して検出精度を向上させてもよい。
【0037】
したがって上記の図1に示す制御を実行するように構成されたこの発明の路面状態検出装置では、出力回転速度もしくは回転加速度の検出信号を複数の周波数帯域でバンドパイフィルタ処理し、その処理値もしくは更に加工した処理値に基づいて路面状態を判定する。これを模式的に示せば図2のとおりであり、変更前の車輪19では所定の悪路で図2の(A)に示す検出信号が得られる場合、バンドパスフィルタAでの処理により、その時点の路面状態を的確に反映した検出値を得ることができる。
【0038】
これに対して車輪19を交換したことにより検出信号の特性が変化した場合、検出信号は図2の(B)もしくは(C)に実線で示すようになる。この発明の路面状態検出装置は、上記のようにバンドパスフィルタAでの周波数帯域に対して低周波数側および高周波数側の帯域でのバンドパスフィルタB,Cによる処理をおこなうので、図2の(B)および(C)に示すように、車輪19の交換の後であっても、検出信号に適合した周波数帯域でフィルタ処理し、路面状態を反映した検出値を得ることができる。すなわち車輪19を交換してその径などの諸元が変化した場合であっても、路面状態検出装置での所定の設定値を変更することなく路面状態を正確に検出することができる。すなわち各バンドパスフィルタA,B,Cは検出信号のピーク周波数に対応した周波数帯域のものとされている。
【0039】
なお、この発明の路面状態検出装置は、車輪19を交換した場合に限らず、路面状態を正確に検出することができる。すなわち、いずれかのバンドパスフィルタA(もしくはBあるいはC)での周波数帯域が、その時点に装着されている車輪19の特性に適合していない場合であっても、他のバンドパスフィルタB(もしくはC)での周波数帯域がその時点に装着されている車輪19の特性に適合するので、路面状態を正確に検出することができる。また、車輪19の空気圧が変化したり、あるいは摩耗したりすることにより、路面の状態に基づく回転数の変化が従前とは異なる場合であっても、いずれかのバンドパスフィルタがその時点の車輪19の状態に適合したものとなるので、路面状態を正確に検出することができる。
【0040】
上述した具体例は、常時、複数のバンドパスフィルタを使用して路面状態を検出するように構成した例であるが、この発明の路面状態検出装置は、複数の周波数帯域でのバンドパスフィルタ処理をおこなうものの、通常時は、いずれ一つのバンドパスフィルタ処理をおこない、使用もしくは選択するバンドパスフィルタを所定期間ごとに更新するように構成することもできる。その例をつぎに説明する。
【0041】
図3はその例を説明するためのフローチャートであって、この図3に示すルーチンは所定の短い時間間隔で繰り返し実行される。先ず、定常走行状態か否かが判断される(ステップS21)。これは、前述した図1でのステップS1と同様の判断である。このステップS21で否定的に判断された場合には、路面状態の検出をおこない得る状態ではないので、リターンする。
【0042】
これとは反対にステップS21で肯定的に判断された場合には、前述した図1の制御例と同様に、出力回転数Nout(i)をN個、サンプリング(ステップS23)し、その変化量もしくは回転加速度ΔNout(i)が算出される(ステップS24)。ついで、前記のカウンタTの値が予め定めた所定値Ta 以上か否かが判断される(ステップS25)。
【0043】
この所定値Ta は、上記の出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)についてのバンドパスフィルタ処理をおこなう周波数帯域の更新タイミングを規定しているものであり、図3に示すルーチンが所定回数Ta 繰り返された場合にステップS25で肯定的に判断される。
【0044】
ステップS25で肯定的に判断された場合には、複数の周波数帯域でのバンドパスフィルタ処理した値に基づく路面状態の判定回数、もしくはフィルタ処理値に基づく悪路判定の成立によりその対応処理が実行された回数をカウントする第2のカウンタPの値が所定値Pa に達したか否かが判断される(ステップS26)。これは、前記しきい値Th を超える値が検出される頻度の高い周波数帯域を抽出して、通常時に採用する周波数帯域を更新するためである。
【0045】
このステップS26で否定的に判断された場合、すなわち複数の周波数帯域の全てで検出信号のバンドパスフィルタ処理をおこなった回数が所定回数Pa に達していない場合には、フィルタ処理値Sout_A が算出される(ステップS27)。これは、前述した図1に示すステップS4での演算と同様の演算によって実行される。そして、そのフィルタ処理値Sout_A としきい値Th とが比較される(ステップS28)。このステップS28の判断ステップは、図1に示すステップS5と同じ判断ステップである。
【0046】
このステップS28で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路状態であることになるので、バンドパスフィルタAによる処理値に基づいた悪路判定の成立回数をカウントするカウンタQa がインクリメント(Qa ←Qa +1)される(ステップS29)。その後、悪路対応処理が実行される(ステップS30)。このステップS30の制御は、図1に示すステップS6と同様の制御である。そして、第2のカウンタPがインクリメント(P←P+1)され(ステップS31)、かつステップS22で第1のカウンタTがインクリメント(T←T+1)された後、リターンする。
【0047】
一方、ステップS28で否定的に判断された場合には、図1に示す制御例と同様に、バンドパスフィルタBによる処理値に基づくフィルタ処理値Sout_B が算出される(ステップS32)。またそのフィルタ処理値Sout_B としきい値Th とが比較される(ステップS33)。これらステップS32およびステップS33での演算もしくは判断は、図1に示すステップS7およびステップS8での演算もしくは判断と同様である。
【0048】
このステップS33で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路状態であることになるので、バンドパスフィルタBによる処理値に基づいた悪路判定の成立回数をカウントするカウンタQb がインクリメント(Qb ←Qb +1)される(ステップS34)。その後、悪路対応処理が実行される(ステップS30)。さらに、ステップS31およびステップS22に順に進んで、各カウンタP,Tでのカウント値がインクリメント(P←P+1、T←T+1)される。
【0049】
さらに、ステップS33で否定的に判断された場合には、図1に示す制御例と同様に、バンドパスフィルタCによる処理値に基づくフィルタ処理値Sout_C が算出される(ステップS35)。またそのフィルタ処理値Sout_C としきい値Th とが比較される(ステップS36)。これらステップS35およびステップS36での演算もしくは判断は、図1に示すステップS9およびステップS10での演算もしくは判断と同様である。
【0050】
このステップS36で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路状態であることになるので、バンドパスフィルタCによる処理値に基づいた悪路判定の成立回数をカウントするカウンタQc がインクリメント(Qc ←Qc +1)される(ステップS37)。その後、悪路対応処理が実行される(ステップS30)。さらに、ステップS31およびステップS22に順に進んで、各カウンタP,Tでのカウント値がインクリメントされる。
【0051】
そして、ステップS36で否定的に判断された場合には、ステップS31およびステップS22に順に進んで、各カウンタP,Tでのカウント値がインクリメントされる。
【0052】
このようにして悪路判定が複数の周波数帯域での検出信号のフィルタ処理を伴って実行され、その回数が所定値Pa に達すると、ステップS26で肯定的に判断される。すなわち、通常時に採用するバンドパスフィルタの更新時期が到来したことの判断が成立する。その結果、先ず、第1のカウンタTおよび第2のカウンタPが共にゼロリセットされる(ステップS38,S39)。ついで、バンドパスフィルタの選択のためのフラグFが設定される。
【0053】
すなわち、バンドパスフィルタAで処理した場合の悪路判定成立の回数Qa が最も多いか否かが判断される(ステップS40)。具体的には、図3に記載してあるように、Qa ≧Qc かつQa ≧Qb か否かが判断される。このステップS40で肯定的に判断された場合には、通常時にバンドパスフィルタAでの処理をおこなった値に基づくフィルタ処理値を路面状態の判定に採用するためにフラグFが“0”にセットされ(ステップS41)、かつ各カウンタ値Qa ,Qb ,Qc がゼロリセットされる(ステップS42)。
【0054】
一方、ステップS40で否定的に判断された場合には、バンドパスフィルタBで処理した場合の悪路判定成立の回数Qb が最も多いか否かが判断される(ステップS43)。具体的には、図3に記載してあるように、Qb ≧Qc かつQb ≧Qa か否かが判断される。このステップS43で肯定的に判断された場合には、通常時にバンドパスフィルタBでの処理をおこなった値に基づくフィルタ処理値を路面状態の判定に採用するためにフラグFが“1”にセットされ(ステップS44)、かつ各カウンタ値Qa ,Qb ,Qc がゼロリセットされる(ステップS45)。
【0055】
さらに、ステップS43で否定的に判断された場合には、バンドパスフィルタCで処理した場合の悪路判定成立の回数Qc が最も多いことになるので、通常時にバンドパスフィルタCでの処理をおこなった値に基づくフィルタ処理値を路面状態の判定に採用するためにフラグFが“2”にセットされ(ステップS46)、かつ各カウンタ値Qa ,Qb ,Qc がゼロリセットされる(ステップS47)。
【0056】
フラグFを上述のようにいずれかの値にセットした後に、通常時での路面状態の検出がおこなわれる。すなわち、フラグFが“0”か否かが判断される(ステップS48)。このステップS48で肯定的に判断された場合には、バンドパスフィルタAの周波数帯域で信号処理した場合に最も頻繁に悪路判定が成立し、その結果、出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)をフィルタ処理するためにバンドパスフィルタAを採用することになっているので、前述したフィルタ処理値Sout_A が算出される(ステップS49)。
【0057】
そして、そのフィルタ処理値Sout_A としきい値Th とが比較され(ステップS50)、フィルタ処理値Sout_A がしきい値Th より大きいことによりステップS50で肯定的に判断された場合には、悪路対応制御が実行される(ステップS51)。これらステップS50およびステップS51は、図1に示すステップS5およびステップS6の制御と同じである。そして、ステップS22でカウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0058】
これとは反対にステップS50で否定的に判断された場合には、悪路が判定されていないので、直ちにステップS22に進んで、カウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0059】
さらに、フラグFの設定値が“0”ではないことによりステップS48で否定的に判断された場合には、フラグFが“1”か否かが判断される(ステップS52)。このステップS52で肯定的に判断された場合には、バンドパスフィルタBの周波数帯域で信号処理した場合に最も頻繁に悪路判定が成立し、その結果、出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)をフィルタ処理するためにバンドパスフィルタBを採用することになっているので、前述したフィルタ処理値Sout_B が算出される(ステップS53)。
【0060】
そして、そのフィルタ処理値Sout_B としきい値Th とが比較され(ステップS54)、フィルタ処理値Sout_B がしきい値Th より大きいことによりステップS54で肯定的に判断された場合には、悪路対応制御が実行される(ステップS51)。これらステップS54およびステップS51は、図1に示すステップS8およびステップS6の制御と同じである。そして、ステップS22でカウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0061】
これとは反対にステップS54で否定的に判断された場合には、悪路が判定されていないので、直ちにステップS22に進んで、カウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0062】
さらに、ステップS52で否定的に判断された場合には、バンドパスフィルタCの周波数帯域で信号処理した場合に最も頻繁に悪路判定が成立し、その結果、出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)をフィルタ処理するためにバンドパスフィルタCを採用することになっているので、前述したフィルタ処理値Sout_C が算出される(ステップS55)。
【0063】
そして、そのフィルタ処理値Sout_C としきい値Th とが比較され(ステップS56)、フィルタ処理値Sout_C がしきい値Th より大きいことによりステップS56で肯定的に判断された場合には、悪路対応制御が実行される(ステップS51)。これらステップS56およびステップS51は、図1に示すステップS10およびステップS6の制御と同じである。そして、ステップS22でカウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0064】
これとは反対にステップS56で否定的に判断された場合には、悪路が判定されていないので、直ちにステップS22に進んで、カウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0065】
なお、前述した第1のカウンタTの値が所定値Ta に達していないことによりステップS25で否定的に判断された場合には、使用するバンドパスフィルタを更新する時期が到来していない通常時となる。したがってその場合には、上記のステップS48以降の各制御ステップに進む。すなわち、悪路判定のいわゆる成立頻度が最も高いいずれかのバンドパスフィルタを使用した路面状態の検出制御が実行される。
【0066】
したがって図3に示す制御を実行するように構成した場合には、複数の周波数帯域のバンドパスフィルタによって検出信号を処理し、かつその処理値に基づくフィルタ処理値によって路面状態を判定するので、車輪19が交換され、あるいは車輪19の特性が変化するなど、車輪19の諸元が変化した場合であっても、路面状態を正確に検出することができる。また、常時、複数のバンドパスフィルタによって処理することなく、使用するバンドパスフィルタを所定期間ごとに更新するので、フィルタ処理回数を削減して制御が容易になり、あるいは検出速度が速くなる。
【0067】
なお、悪路を走行する場合、一般的には車速を低下させる。言い換えれば、高車速(例えば100km/h以上)で悪路を走行することは殆どないので、車速が所定値以上の場合には、上述した路面状態の検出を禁止し、あるいは所定の周波数帯域のバンドパスフィルタによる検出信号の処理を禁止するなど、路面状態の検出を制限することとしてもよい。このようにすれば、無駄な検出制御を防止することができる。その禁止もしくは制限をおこなうためには、例えば上述したステップS1もしくはステップS21の判断と併せて車速についての判断をおこない、車速が所定値以下の場合にステップS2もしくはステップS23などの制御に進むように構成すればよい。このような車速についての判断ステップが、この発明の判定制限手段に相当する。
【0068】
この発明と上記の各具体例との関係を更に説明すると、ステップS4,S7,S9,S27,S32,S35,S49,S53,S55の各機能的手段が、この発明のフィルタ処理手段に相当し、またステップS5,S8,S10,S28,S33,S36,S50,S54,S56の各機能的手段が、この発明の路面状態判定手段に相当している。さらに、上記のステップS6,S30,S51の機能的手段が、この発明の制御指示手段に相当している。
【0069】
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわちこの発明は車輪もしくは車輪と一定の関係を持って回転する部材の回転速度などに基づいて路面状態を検出するように構成されていればよいのであって、その車両の構成もしくは駆動系統の構成は、図4に示すものに限定されない。また、バンドパスフィルタ処理する周波数帯域は、上述したように三つに限られないのであって、要は、複数であればよい。さらに、この発明で「フィルタ処理値に基づく路面状態の判定」とは、バンドパイフィルタ処理して得られた値によって路面状態を判定すること、および上述したようにその値に積分あるいは積分値のフィルタ処理などの加工を更に施した値によって路面状態を判定することの両方を含む。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、いずれかの帯域で路面の状態に応じたピーク値が現れ、各周波数帯域ごとにフィルタ処理値に基づく路面状態の判定がおこなわれるので、車輪の交換の前後で回転速度や回転加速度などの特性が変化したとしても、いずれかの周波数帯域において路面状態をより良く反映した信号が得られ、その結果、車輪の交換などの諸元の変更があっても路面状態を正確に検出することができ、また車輪に対していずれかのバンドパスフィルタの周波数帯域が適合しなくても他の周波数帯域が適合するので、その点でも路面状態の検出精度が良好になる。さらに、車輪などの諸元が変化した場合であっても、周波数帯域を変更するなどの操作を不要にし、もしくはその必要度を低減できるので、作業性が良好になる。
【0071】
また、請求項2の発明によれば、車輪が交換された場合であっても、その交換された車輪の諸元に応じた周波数帯域でフィルタ処理し、そのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定されるから、車輪の交換に関わらず、路面状態を正確に検出することができる。
【0072】
さらに、請求項3の発明によれば、前記検出値の変動の状態に応じて、検出値をフィルタ処理する周波数帯域が選択され、その選択された周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定されるので、路面状態をより良く反映している信号が得られ、路面状態を正確に検出することができる。
【0073】
またさらに、請求項4の発明によれば、高車速で走行している場合など、所定の車速では、路面状態の判定がおこなわれず、あるいは特定の周波数帯域でのフィルタ処理がおこなわれないなど、路面状態の判定が制限されるので、無駄な判定もしくは制御を防止もしくは抑制することができる。
【0074】
そして、請求項5の発明によれば、検出された路面状態に応じた制御が実行され、その結果、例えば車両の駆動系統を構成している機器の耐久性、あるいは車両の乗り心地、もしくはドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置による路面状態の検出制御の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図2】複数のバンドパスフィルタの周波数帯域を示す図である。
【図3】この発明の装置による路面状態検出制御の他の例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】この発明で対象とする車両の駆動系統および制御系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…エンジン(動力源)、 19…車輪。
【発明の属する技術分野】
この発明は、車輪や車輪と共に回転する部材の回転速度あるいは回転加速度に基づいて路面の状態を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
路面の凹凸や摩擦係数などの路面状態は、車両の走行状態に大きく影響するので、路面状態を的確に検出できれば、車両を安定的に走行させる制御が容易になる。例えば凹凸の大きい悪路を検出できれば、サスペンション装置の特性を路面状態に合わせた特性に制御でき、また無段変速機の挟圧力を適正化でき、また路面の摩擦係数を検出もしくは判定できれば、駆動トルクを制御してタイヤスリップを防止もしくは抑制することができる。
【0003】
そこで従来、路面の状態を検出するための各種の装置が提案されており、例えば特開平6−143964号公報(特許文献1)には、車輪の回転を検出するセンサーの出力信号をバンドパスフィルタ処理して車輪速度の変動分を取り出し、その変動分によって路面の細かな凹凸を判定し、その判定の結果に基づいてサスペンション装置の特性を変更するように構成した装置が記載されている。また、特開平6−122332号公報(特許文献2)には、駆動輪の加速度のフィルタ処理値と駆動トルクとから路面摩擦係数を推定する装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−143964号公報(段落(0010))
【特許文献2】
特開平6−122332号公報(段落(0067))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車輪と路面との間の摩擦力によって車両の駆動力が発生するので、車輪の回転速度やその変動状態(すなわち回転加速度)は、路面の状態に応じて変化し、したがって上記の各公報に記載されているように検出値をフィルタ処理することにより、路面の状態を反映した信号を得ることができ、その結果、その信号に基づいて路面の凹凸や摩擦係数を検出もしくは推定することができる。しかしながら、このようにして得られる信号は、その時点に装着されている車輪を介して得られる信号であり、したがって車輪が交換されてその径などの諸元が変化した場合には、フィル値処理した信号も変化する。例えば変更前の車輪で生じるピーク値の周波数と、変更後の車輪で生じるピーク値の周波数とがずれることがある。
【0006】
上記の公報に記載された装置は、特定の周波数帯域でフィルタ処理し、その処理値に基づいて路面の状態を判定もしくは推定するように構成されているので、上記のように車輪が交換された場合などでは、路面の状態を反映している信号をもカットしてしまい、路面状態の検出もしくは推定を正確におこなうことができない可能性がある。
【0007】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、路面の凹凸などの路面状態を車輪の諸元が変化した場合であっても正確に検出することのできる装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、路面状態を反映している信号を取り出すためのフィルタ処理を複数の周波数帯域についておこなうように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、車輪もしくはその車輪と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度あるいは回転加速度の検出値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理した値に基づいて路面の状態を検出する路面状態検出装置において、周波数帯域の異なる複数の前記フィルタ処理をおこなうフィルタ処理手段と、そのフィルタ処理手段によりフィルタ処理されたフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
したがって請求項1の発明では、車輪などの回転速度もしくは回転加速度などの検出値が複数の周波数帯域でフィルタ処理される。そのため、いずれかの帯域で路面の状態に応じたピーク値が現れる。そして、そのフィルタ処理値に基づく路面状態の判定がおこなわれる。その場合、各周波数帯域ごとにフィルタ処理値に基づく路面状態の判定をおこなうこともできる。その結果、車輪の交換の前後で回転速度や回転加速度などの検出信号の特性が変化したとしても、いずれかの周波数帯域において路面状態をより良く反映した信号が得られるので、車輪の交換などの諸元の変更があっても路面状態が正確に検出される。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記周波数帯域が、悪路での前記車輪の諸元に応じたピーク周波数に対応する複数の周波数帯域とされていることを特徴とする路面状態検出装置である。
【0011】
したがって請求項2の発明では、車輪が交換された場合であっても、その交換された車輪の諸元に応じた周波数帯域でフィルタ処理し、そのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定される。その結果、車輪の交換に関わらず、路面状態が正確に検出される。
【0012】
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明における前記路面状態判定手段が、前記検出値の変動の状態に基づいて選択されたいずれかの周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する手段を含むことを特徴とする路面状態検出装置である。
【0013】
したがって請求項3の発明では、前記検出値の変動の状態に応じて、検出値をフィルタ処理する周波数帯域が選択され、その選択された周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定される。その結果、路面状態をより良く反映している信号が得られ、路面状態が正確に検出される。
【0014】
またさらに、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記路面状態判定手段による路面状態の判定を車速に基づいて制限する判定制限手段を更に備えていることを特徴とする路面状態検出装置である。
【0015】
したがって請求項4の発明では、高車速で走行している場合など、所定の車速では、路面状態の判定がおこなわれず、あるいは特定の周波数帯域でのフィルタ処理がおこなわれないなど、路面状態の判定が制限される。その結果、無駄な判定あるいは検出制御が防止される。
【0016】
そして、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、前記路面状態判定手段で判定された路面状態に基づいて制御指令を発する制御指示手段を更に備えていることを特徴とする路面状態検出装置である。
【0017】
したがって請求項5の発明では、検出された路面状態に応じた制御が実行され、その結果、例えば車両の駆動系統を構成している機器の耐久性が向上し、あるいは車両の乗り心地が向上し、もしくはドライバビリティが向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする車両およびその制御系統について説明すると、図4は、ベルト式無段変速機1を搭載した車両の駆動系統を模式的に示しており、この無段変速機1は、前後進切換機構2を介して動力源3に連結されている。
【0019】
その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。なお、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。また、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。
【0020】
図4に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ4と同心円上にリングギヤ5が配置され、これらのサンギヤ4とリングギヤ5との間に、サンギヤ4に噛合したピニオンギヤ6とそのピニオンギヤ6およびリングギヤ5に噛合した他のピニオンギヤ7とが配置され、これらのピニオンギヤ6,7がキャリヤ8によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ4とキャリヤ8と)を一体的に連結する前進用クラッチ9が設けられ、またリングギヤ5を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ10が設けられている。
【0021】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ11と従動プーリ12とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ13,14によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ11,12の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ11,12に巻掛けたベルト15の巻掛け半径(プーリ11,12の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ11が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ8に連結されている。
【0022】
なお、従動プーリ12における油圧アクチュエータ14には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(例えば、ライン圧あるいはその補正した油圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって従動プーリ12における各シーブがベルト15を挟み付けることにより、ベルト15に張力が付与され、各プーリ11,12とベルト15との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。言い換えれば、挟圧力に応じたトルク容量が設定される。これに対して駆動プーリ11における油圧アクチュエータ13には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
【0023】
より具体的に説明すると、エンジントルクやエンジン回転数あるいは変速比に基づいて挟圧力が決定され、その挟圧力を達成するように従動プーリ12側の推力すなわち可動シーブを軸線方向に押圧する油圧が設定される。一方、駆動プーリ11側のアクチュエータ13に供給する圧油は、無段変速機1の入力回転数が目標回転数となるようにフィードバック制御されている。したがって従動プーリ12の推力が変更されると、それにバランスして入力回転数(すなわち変速比)を維持するために、駆動プーリ11の推力が変更される。無段変速機1の出力部材である従動プーリ12がギヤ対17およびディファレンシャル18に連結され、さらにそのディファレンシャル18が左右の駆動輪19に連結されている。
【0024】
上記の無段変速機1およびエンジン3を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン3の回転数を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー20、駆動プーリ11の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー21、従動プーリ12の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー22、ベルト挟圧力に相当する前記従動プーリ12側の油圧アクチュエータ14の油圧を検出して信号を出力する油圧センサー23が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
【0025】
上記の前進用クラッチ9および後進用ブレーキ10の係合・解放の制御、および前記ベルト15の挟圧力の制御、ならびに発進クラッチ16の係合・解放を含むトルク容量の制御、さらには変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)24が設けられている。この電子制御装置24は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。
【0026】
ここで、変速機用電子制御装置24に入力されているデータあるいは信号の例を示すと、無段変速機1の入力回転数(駆動プーリ11の回転数)Ninの信号、無段変速機1の出力回転数(従動プーリ12の回転数)No の信号が入力されている。また、上記の無段変速機1は、パーキングレンジやリバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレンジなどの走行ポジションをシフト装置25によって選択するように構成されており、そのシフト装置25によって選択されたポジションの信号が、変速機用電子制御装置24に入力されている。
【0027】
また、エンジン3を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エンジン回転数Ne の信号、エンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。さらに、車輪のロックを回避するアンチロックブレーキシステムのための電子制御装置(ABS−ECU)27からは車輪回転速度信号などが入力されている。
【0028】
上記の駆動系統を備えた車両を対象として、この発明の路面状態検出装置は、以下のようにして路面状態を検出するように構成されている。図1はその路面状態の検出のための制御例を示すフローチャートであって、先ず、定常走行状態か否かが判断される(ステップS1)。定常走行状態とは、駆動トルクが安定している走行状態であって、例えばアクセルペダルが大きく踏み込まれていない状態あるいは急激な制動がおこなわれていない状態である。
【0029】
このステップS1の判断をおこなうのは、路面状態に基づく出力側からの入力と加速あるいは減速に伴う駆動トルクの変化とが重畳すると、検出信号にこれら両方の信号が混在し、路面状態を正確に検出できないからである。したがって、ステップS1で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくリターンする。
【0030】
これとは反対にステップS1で肯定的に判断された場合には、N個の出力回転数Nout(i)をサンプリングする(ステップS2)。なお、その出力回転数Nout(i)は、前述した出力回転数センサー22で得られる回転数(すなわち出力軸回転数)や前記アンチロックブレーキシステムのための電子制御装置(ABS−ECU)27で得られる車輪回転速度など、要は、車輪19の回転速度あるいは車輪19と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度であればよい。
【0031】
サンプリングされた各出力回転数Nout(i)からその変化量もしくは回転加速度ΔNout(i)が算出される(ステップS3)。さらにサンプリングされた各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)からそのフィルタ処理値Sout_A が算出される(ステップS4)。車速の変化などによる外乱要因を除去するためである。すなわち、各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)に所定の周波数帯域のバンドパスフィルタAを適用するとともに、得られた値の絶対値を累積(時間窓積分)し、その積分値をローパイフィルタに通して上記のフィルタ処理値Sout_A を得る。
【0032】
そのフィルタ処理値Sout_A が予め定めたしきい値Th より大きいか否かが判断される(ステップS5)。路面の凹凸が相対的に大きい悪路を走行した場合、たとえ定常走行状態であっても車輪19の回転速度が路面の状態の影響を受けて大きくかつ頻繁に変化する。そのため悪路を走行した場合には、上記の出力回転数Nout(i)やその加速度ΔNout(i)が大きく変化し、その結果、それに基づくフィルタ処理値Sout_A も大きくなる。したがってステップS5で肯定的に判断されれば、車両が悪路を走行していることになる。したがってその場合には、悪路の対応する処理が実行される(ステップS6)。
【0033】
上述した図4に示す駆動系統を備えている車両では、その悪路対応処理として、例えば前記ベルト15の挟圧力を高くする制御、あるいは定常走行状態であることにより実行されていた挟圧力の低下制御の解除がおこなわれる。また、車高を高くする制御や、車体の振動を抑制するようにサスペンションの特性を変更する制御などを、悪路対応処理として実行することができる。
【0034】
一方、ステップS5で否定的に判断された場合には、上記のバンドパイフィルタAによる周波数帯域より低周数側にシフトした他の周波数帯域でのバンドパイフィルタBを上記の各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)に適用し、かつ上記のステップS4での処理と同様に、絶対値の累積およびローパスフィルタ処理を経てフィルタ処理値Sout_B が算出される(ステップS7)。そのいわゆる低周数側でのフィルタ処理値Sout_B が、予め定めたしきい値Th より大きいか否かが判断される(ステップS8)。このステップS8は、上記のステップS5と同様の判断ステップであり、したがってこのステップS8で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路であるからステップS6に進んで悪路対応処理が実施される。
【0035】
これとは反対にステップS8で否定的に判断された場合には、上記のステップS4でのバンドパイフィルタAによる周波数帯域より高周波数側の周波数帯域でのバンドパイフィルタCを上記の各出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)に適用し、かつ上記のステップS4もしくはステップS7での処理と同様に、絶対値の累積およびローパスフィルタ処理を経てフィルタ処理値Sout_C が算出され(ステップS9)、かつそのフィルタ処理値Sout_C が予め定めたしきい値Th より大きいか否かが判断される(ステップS10)。このステップS10は、上記のステップS5,S8と同様の判断ステップであり、したがってこのステップS10で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路であるからステップS6に進んで悪路対応処理が実施される。なお、ステップS10で否定的に判断された場合には、リターンする。
【0036】
なお、上記の各バンドパスフィルタA,B,Cの周波数帯域の幅は、互いに同一幅であってもよく、あるいは異なっていてもよい。また各周波数帯域は、互いに一部オーバーラップしていることが好ましい。さらに、悪路の判定をおこなう上記のしきい値Th は、各フィルタ処理値Sout_A ,Sout_B ,Sout_C ごと同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。またさらに、バンドパスフィルタ処理を単独で行うことに替え、高速フーリエ変換(FFT)をバンドパスフィルタ処理と併用して検出精度を向上させてもよい。
【0037】
したがって上記の図1に示す制御を実行するように構成されたこの発明の路面状態検出装置では、出力回転速度もしくは回転加速度の検出信号を複数の周波数帯域でバンドパイフィルタ処理し、その処理値もしくは更に加工した処理値に基づいて路面状態を判定する。これを模式的に示せば図2のとおりであり、変更前の車輪19では所定の悪路で図2の(A)に示す検出信号が得られる場合、バンドパスフィルタAでの処理により、その時点の路面状態を的確に反映した検出値を得ることができる。
【0038】
これに対して車輪19を交換したことにより検出信号の特性が変化した場合、検出信号は図2の(B)もしくは(C)に実線で示すようになる。この発明の路面状態検出装置は、上記のようにバンドパスフィルタAでの周波数帯域に対して低周波数側および高周波数側の帯域でのバンドパスフィルタB,Cによる処理をおこなうので、図2の(B)および(C)に示すように、車輪19の交換の後であっても、検出信号に適合した周波数帯域でフィルタ処理し、路面状態を反映した検出値を得ることができる。すなわち車輪19を交換してその径などの諸元が変化した場合であっても、路面状態検出装置での所定の設定値を変更することなく路面状態を正確に検出することができる。すなわち各バンドパスフィルタA,B,Cは検出信号のピーク周波数に対応した周波数帯域のものとされている。
【0039】
なお、この発明の路面状態検出装置は、車輪19を交換した場合に限らず、路面状態を正確に検出することができる。すなわち、いずれかのバンドパスフィルタA(もしくはBあるいはC)での周波数帯域が、その時点に装着されている車輪19の特性に適合していない場合であっても、他のバンドパスフィルタB(もしくはC)での周波数帯域がその時点に装着されている車輪19の特性に適合するので、路面状態を正確に検出することができる。また、車輪19の空気圧が変化したり、あるいは摩耗したりすることにより、路面の状態に基づく回転数の変化が従前とは異なる場合であっても、いずれかのバンドパスフィルタがその時点の車輪19の状態に適合したものとなるので、路面状態を正確に検出することができる。
【0040】
上述した具体例は、常時、複数のバンドパスフィルタを使用して路面状態を検出するように構成した例であるが、この発明の路面状態検出装置は、複数の周波数帯域でのバンドパスフィルタ処理をおこなうものの、通常時は、いずれ一つのバンドパスフィルタ処理をおこない、使用もしくは選択するバンドパスフィルタを所定期間ごとに更新するように構成することもできる。その例をつぎに説明する。
【0041】
図3はその例を説明するためのフローチャートであって、この図3に示すルーチンは所定の短い時間間隔で繰り返し実行される。先ず、定常走行状態か否かが判断される(ステップS21)。これは、前述した図1でのステップS1と同様の判断である。このステップS21で否定的に判断された場合には、路面状態の検出をおこない得る状態ではないので、リターンする。
【0042】
これとは反対にステップS21で肯定的に判断された場合には、前述した図1の制御例と同様に、出力回転数Nout(i)をN個、サンプリング(ステップS23)し、その変化量もしくは回転加速度ΔNout(i)が算出される(ステップS24)。ついで、前記のカウンタTの値が予め定めた所定値Ta 以上か否かが判断される(ステップS25)。
【0043】
この所定値Ta は、上記の出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)についてのバンドパスフィルタ処理をおこなう周波数帯域の更新タイミングを規定しているものであり、図3に示すルーチンが所定回数Ta 繰り返された場合にステップS25で肯定的に判断される。
【0044】
ステップS25で肯定的に判断された場合には、複数の周波数帯域でのバンドパスフィルタ処理した値に基づく路面状態の判定回数、もしくはフィルタ処理値に基づく悪路判定の成立によりその対応処理が実行された回数をカウントする第2のカウンタPの値が所定値Pa に達したか否かが判断される(ステップS26)。これは、前記しきい値Th を超える値が検出される頻度の高い周波数帯域を抽出して、通常時に採用する周波数帯域を更新するためである。
【0045】
このステップS26で否定的に判断された場合、すなわち複数の周波数帯域の全てで検出信号のバンドパスフィルタ処理をおこなった回数が所定回数Pa に達していない場合には、フィルタ処理値Sout_A が算出される(ステップS27)。これは、前述した図1に示すステップS4での演算と同様の演算によって実行される。そして、そのフィルタ処理値Sout_A としきい値Th とが比較される(ステップS28)。このステップS28の判断ステップは、図1に示すステップS5と同じ判断ステップである。
【0046】
このステップS28で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路状態であることになるので、バンドパスフィルタAによる処理値に基づいた悪路判定の成立回数をカウントするカウンタQa がインクリメント(Qa ←Qa +1)される(ステップS29)。その後、悪路対応処理が実行される(ステップS30)。このステップS30の制御は、図1に示すステップS6と同様の制御である。そして、第2のカウンタPがインクリメント(P←P+1)され(ステップS31)、かつステップS22で第1のカウンタTがインクリメント(T←T+1)された後、リターンする。
【0047】
一方、ステップS28で否定的に判断された場合には、図1に示す制御例と同様に、バンドパスフィルタBによる処理値に基づくフィルタ処理値Sout_B が算出される(ステップS32)。またそのフィルタ処理値Sout_B としきい値Th とが比較される(ステップS33)。これらステップS32およびステップS33での演算もしくは判断は、図1に示すステップS7およびステップS8での演算もしくは判断と同様である。
【0048】
このステップS33で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路状態であることになるので、バンドパスフィルタBによる処理値に基づいた悪路判定の成立回数をカウントするカウンタQb がインクリメント(Qb ←Qb +1)される(ステップS34)。その後、悪路対応処理が実行される(ステップS30)。さらに、ステップS31およびステップS22に順に進んで、各カウンタP,Tでのカウント値がインクリメント(P←P+1、T←T+1)される。
【0049】
さらに、ステップS33で否定的に判断された場合には、図1に示す制御例と同様に、バンドパスフィルタCによる処理値に基づくフィルタ処理値Sout_C が算出される(ステップS35)。またそのフィルタ処理値Sout_C としきい値Th とが比較される(ステップS36)。これらステップS35およびステップS36での演算もしくは判断は、図1に示すステップS9およびステップS10での演算もしくは判断と同様である。
【0050】
このステップS36で肯定的に判断された場合には、走行路面が悪路状態であることになるので、バンドパスフィルタCによる処理値に基づいた悪路判定の成立回数をカウントするカウンタQc がインクリメント(Qc ←Qc +1)される(ステップS37)。その後、悪路対応処理が実行される(ステップS30)。さらに、ステップS31およびステップS22に順に進んで、各カウンタP,Tでのカウント値がインクリメントされる。
【0051】
そして、ステップS36で否定的に判断された場合には、ステップS31およびステップS22に順に進んで、各カウンタP,Tでのカウント値がインクリメントされる。
【0052】
このようにして悪路判定が複数の周波数帯域での検出信号のフィルタ処理を伴って実行され、その回数が所定値Pa に達すると、ステップS26で肯定的に判断される。すなわち、通常時に採用するバンドパスフィルタの更新時期が到来したことの判断が成立する。その結果、先ず、第1のカウンタTおよび第2のカウンタPが共にゼロリセットされる(ステップS38,S39)。ついで、バンドパスフィルタの選択のためのフラグFが設定される。
【0053】
すなわち、バンドパスフィルタAで処理した場合の悪路判定成立の回数Qa が最も多いか否かが判断される(ステップS40)。具体的には、図3に記載してあるように、Qa ≧Qc かつQa ≧Qb か否かが判断される。このステップS40で肯定的に判断された場合には、通常時にバンドパスフィルタAでの処理をおこなった値に基づくフィルタ処理値を路面状態の判定に採用するためにフラグFが“0”にセットされ(ステップS41)、かつ各カウンタ値Qa ,Qb ,Qc がゼロリセットされる(ステップS42)。
【0054】
一方、ステップS40で否定的に判断された場合には、バンドパスフィルタBで処理した場合の悪路判定成立の回数Qb が最も多いか否かが判断される(ステップS43)。具体的には、図3に記載してあるように、Qb ≧Qc かつQb ≧Qa か否かが判断される。このステップS43で肯定的に判断された場合には、通常時にバンドパスフィルタBでの処理をおこなった値に基づくフィルタ処理値を路面状態の判定に採用するためにフラグFが“1”にセットされ(ステップS44)、かつ各カウンタ値Qa ,Qb ,Qc がゼロリセットされる(ステップS45)。
【0055】
さらに、ステップS43で否定的に判断された場合には、バンドパスフィルタCで処理した場合の悪路判定成立の回数Qc が最も多いことになるので、通常時にバンドパスフィルタCでの処理をおこなった値に基づくフィルタ処理値を路面状態の判定に採用するためにフラグFが“2”にセットされ(ステップS46)、かつ各カウンタ値Qa ,Qb ,Qc がゼロリセットされる(ステップS47)。
【0056】
フラグFを上述のようにいずれかの値にセットした後に、通常時での路面状態の検出がおこなわれる。すなわち、フラグFが“0”か否かが判断される(ステップS48)。このステップS48で肯定的に判断された場合には、バンドパスフィルタAの周波数帯域で信号処理した場合に最も頻繁に悪路判定が成立し、その結果、出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)をフィルタ処理するためにバンドパスフィルタAを採用することになっているので、前述したフィルタ処理値Sout_A が算出される(ステップS49)。
【0057】
そして、そのフィルタ処理値Sout_A としきい値Th とが比較され(ステップS50)、フィルタ処理値Sout_A がしきい値Th より大きいことによりステップS50で肯定的に判断された場合には、悪路対応制御が実行される(ステップS51)。これらステップS50およびステップS51は、図1に示すステップS5およびステップS6の制御と同じである。そして、ステップS22でカウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0058】
これとは反対にステップS50で否定的に判断された場合には、悪路が判定されていないので、直ちにステップS22に進んで、カウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0059】
さらに、フラグFの設定値が“0”ではないことによりステップS48で否定的に判断された場合には、フラグFが“1”か否かが判断される(ステップS52)。このステップS52で肯定的に判断された場合には、バンドパスフィルタBの周波数帯域で信号処理した場合に最も頻繁に悪路判定が成立し、その結果、出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)をフィルタ処理するためにバンドパスフィルタBを採用することになっているので、前述したフィルタ処理値Sout_B が算出される(ステップS53)。
【0060】
そして、そのフィルタ処理値Sout_B としきい値Th とが比較され(ステップS54)、フィルタ処理値Sout_B がしきい値Th より大きいことによりステップS54で肯定的に判断された場合には、悪路対応制御が実行される(ステップS51)。これらステップS54およびステップS51は、図1に示すステップS8およびステップS6の制御と同じである。そして、ステップS22でカウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0061】
これとは反対にステップS54で否定的に判断された場合には、悪路が判定されていないので、直ちにステップS22に進んで、カウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0062】
さらに、ステップS52で否定的に判断された場合には、バンドパスフィルタCの周波数帯域で信号処理した場合に最も頻繁に悪路判定が成立し、その結果、出力回転数Nout(i)もしくは回転加速度ΔNout(i)をフィルタ処理するためにバンドパスフィルタCを採用することになっているので、前述したフィルタ処理値Sout_C が算出される(ステップS55)。
【0063】
そして、そのフィルタ処理値Sout_C としきい値Th とが比較され(ステップS56)、フィルタ処理値Sout_C がしきい値Th より大きいことによりステップS56で肯定的に判断された場合には、悪路対応制御が実行される(ステップS51)。これらステップS56およびステップS51は、図1に示すステップS10およびステップS6の制御と同じである。そして、ステップS22でカウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0064】
これとは反対にステップS56で否定的に判断された場合には、悪路が判定されていないので、直ちにステップS22に進んで、カウンタTをインクリメントした後、リターンする。
【0065】
なお、前述した第1のカウンタTの値が所定値Ta に達していないことによりステップS25で否定的に判断された場合には、使用するバンドパスフィルタを更新する時期が到来していない通常時となる。したがってその場合には、上記のステップS48以降の各制御ステップに進む。すなわち、悪路判定のいわゆる成立頻度が最も高いいずれかのバンドパスフィルタを使用した路面状態の検出制御が実行される。
【0066】
したがって図3に示す制御を実行するように構成した場合には、複数の周波数帯域のバンドパスフィルタによって検出信号を処理し、かつその処理値に基づくフィルタ処理値によって路面状態を判定するので、車輪19が交換され、あるいは車輪19の特性が変化するなど、車輪19の諸元が変化した場合であっても、路面状態を正確に検出することができる。また、常時、複数のバンドパスフィルタによって処理することなく、使用するバンドパスフィルタを所定期間ごとに更新するので、フィルタ処理回数を削減して制御が容易になり、あるいは検出速度が速くなる。
【0067】
なお、悪路を走行する場合、一般的には車速を低下させる。言い換えれば、高車速(例えば100km/h以上)で悪路を走行することは殆どないので、車速が所定値以上の場合には、上述した路面状態の検出を禁止し、あるいは所定の周波数帯域のバンドパスフィルタによる検出信号の処理を禁止するなど、路面状態の検出を制限することとしてもよい。このようにすれば、無駄な検出制御を防止することができる。その禁止もしくは制限をおこなうためには、例えば上述したステップS1もしくはステップS21の判断と併せて車速についての判断をおこない、車速が所定値以下の場合にステップS2もしくはステップS23などの制御に進むように構成すればよい。このような車速についての判断ステップが、この発明の判定制限手段に相当する。
【0068】
この発明と上記の各具体例との関係を更に説明すると、ステップS4,S7,S9,S27,S32,S35,S49,S53,S55の各機能的手段が、この発明のフィルタ処理手段に相当し、またステップS5,S8,S10,S28,S33,S36,S50,S54,S56の各機能的手段が、この発明の路面状態判定手段に相当している。さらに、上記のステップS6,S30,S51の機能的手段が、この発明の制御指示手段に相当している。
【0069】
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわちこの発明は車輪もしくは車輪と一定の関係を持って回転する部材の回転速度などに基づいて路面状態を検出するように構成されていればよいのであって、その車両の構成もしくは駆動系統の構成は、図4に示すものに限定されない。また、バンドパスフィルタ処理する周波数帯域は、上述したように三つに限られないのであって、要は、複数であればよい。さらに、この発明で「フィルタ処理値に基づく路面状態の判定」とは、バンドパイフィルタ処理して得られた値によって路面状態を判定すること、および上述したようにその値に積分あるいは積分値のフィルタ処理などの加工を更に施した値によって路面状態を判定することの両方を含む。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、いずれかの帯域で路面の状態に応じたピーク値が現れ、各周波数帯域ごとにフィルタ処理値に基づく路面状態の判定がおこなわれるので、車輪の交換の前後で回転速度や回転加速度などの特性が変化したとしても、いずれかの周波数帯域において路面状態をより良く反映した信号が得られ、その結果、車輪の交換などの諸元の変更があっても路面状態を正確に検出することができ、また車輪に対していずれかのバンドパスフィルタの周波数帯域が適合しなくても他の周波数帯域が適合するので、その点でも路面状態の検出精度が良好になる。さらに、車輪などの諸元が変化した場合であっても、周波数帯域を変更するなどの操作を不要にし、もしくはその必要度を低減できるので、作業性が良好になる。
【0071】
また、請求項2の発明によれば、車輪が交換された場合であっても、その交換された車輪の諸元に応じた周波数帯域でフィルタ処理し、そのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定されるから、車輪の交換に関わらず、路面状態を正確に検出することができる。
【0072】
さらに、請求項3の発明によれば、前記検出値の変動の状態に応じて、検出値をフィルタ処理する周波数帯域が選択され、その選択された周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態が判定されるので、路面状態をより良く反映している信号が得られ、路面状態を正確に検出することができる。
【0073】
またさらに、請求項4の発明によれば、高車速で走行している場合など、所定の車速では、路面状態の判定がおこなわれず、あるいは特定の周波数帯域でのフィルタ処理がおこなわれないなど、路面状態の判定が制限されるので、無駄な判定もしくは制御を防止もしくは抑制することができる。
【0074】
そして、請求項5の発明によれば、検出された路面状態に応じた制御が実行され、その結果、例えば車両の駆動系統を構成している機器の耐久性、あるいは車両の乗り心地、もしくはドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置による路面状態の検出制御の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図2】複数のバンドパスフィルタの周波数帯域を示す図である。
【図3】この発明の装置による路面状態検出制御の他の例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】この発明で対象とする車両の駆動系統および制御系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…エンジン(動力源)、 19…車輪。
Claims (5)
- 車輪もしくはその車輪と一定の関係を持って回転する所定の回転部材の回転速度あるいは回転加速度の検出値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理した値に基づいて路面の状態を検出する路面状態検出装置において、
周波数帯域の異なる複数の前記フィルタ処理をおこなうフィルタ処理手段と、
そのフィルタ処理手段によりフィルタ処理されたフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する路面状態判定手段と
を備えていることを特徴とする路面状態検出装置。 - 前記周波数帯域が、悪路での前記車輪の諸元に応じたピーク周波数に対応する複数の周波数帯域とされていることを特徴とする請求項1に記載の路面状態検出装置。
- 前記路面状態判定手段は、前記検出値の変動の状態に基づいて選択されたいずれかの周波数帯域でのフィルタ処理値に基づいて路面状態を判定する手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の路面状態検出装置。
- 前記路面状態判定手段による路面状態の判定を車速に基づいて制限する判定制限手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の路面状態検出装置。
- 前記路面状態判定手段で判定された路面状態に基づいて制御指令を発する制御指示手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の路面状態検出装置。
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2003
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