JP3765328B2 - 車両における発進制御方法 - Google Patents
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- B60W2552/00—Input parameters relating to infrastructure
- B60W2552/15—Road slope
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンに接続されたインプットシャフトと、駆動輪に接続されたアウトプットシャフトと、インプットシャフト及びアウトプットシャフト間に設けられた無段変速機と、無段変速機及び駆動輪間に設けられた発進用クラッチとを備えた車両に関し、特にその発進制御方法に関する
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速機を備えた車両において、前進走行レンジと後進走行レンジとを切り換えるためにプラネタリギヤ式の前後進切換機構を採用することは良く行われている。このようなプラネタリギヤ式の前後進切換機構には、相互に噛合する一対のプラネタリギヤの一方をサンギヤに噛合させ、他方をリングギヤに噛合させたダブルプラネタリギヤ式のものと、各プラネタリギヤをサンギヤ及びリングギヤに同時に噛合させたシングルプラネタリギヤ式のものとがあるが、コスト削減のために構造が簡単な前記シングルプラネタリギヤ式のものを採用すると次のような問題が発生する。
【0003】
即ち、前進発進時にフォワードクラッチでサンギヤとリングギヤとを結合すると前後進切換機構の減速比は1.0になるが、後進発進時にリバースブレーキでキャリヤの回転を拘束すると前後進切換機構の減速比は1.0よりも大きくなって減速が行われてしまう。このように前後進切換機構の減速比が1.0よりも大きくなるとベルト式無段変速機に過剰なトルクが作用して耐久性に影響がある。そこで、特開昭63−87332号公報に記載されたものは、後進発進時に発進用クラッチを係合させると同時にベルト式無段変速機の変速比をLOWからOD側にシフトアップすることにより、前後進切換機構及びベルト式無段変速機を含む全体の変速比を前進発進時の変速比を同じになるように制御し、ベルト式無段変速機に過剰な負荷が作用しないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来のものは、発進用クラッチがエンジンとベルト式無段変速機との間に配置されているため、発進用クラッチを係合してベルト式無段変速機を駆動しないと変速比を制御することができず、そのために後進発進時に発進用クラッチの係合とベルト式無段変速機のシフトアップとを同時に行っている。このとき、何らかの理由でベルト式無段変速機のシフトアップが遅れて発進用クラッチが先に係合すると、ベルト式無段変速機に過剰なトルクが作用して耐久性に影響が及ぶ問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、後進発進モード等の特定の発進モードが検出されたときに、その発進を適切な変速比で適切に行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、エンジンに接続されたインプットシャフトと、駆動輪に接続されたアウトプットシャフトと、インプットシャフト及びアウトプットシャフト間に設けられた無段変速機と、無段変速機及び駆動輪間に設けられた発進用クラッチとを備えた車両において、車両の停止状態でドライバーにより操作されて車両の特定の発進モードを選択し得るセレクトレバー又はモード切換スイッチを車両に設け、それらセレクトレバー又はモード切換スイッチにより選択した特定の発進モードに基づいて無段変速機を特定の変速比に制御した後に発進を行うことを特徴とする。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記無段変速機がシングルプラネタリギヤ式の前後進切換機構を備えており、この前後進切換機構の減速比が1よりも大きくなる後進発進モードが前記セレクトレバーの操作により選択されたときに無段変速機をシフトアップ側に制御することを特徴とする。
【0008】
また請求項3に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記発進モードが雪路発進を行うための雪路発進モードを含み、その雪路発進モードが前記モード切換スイッチにより選択されたときに無段変速機をシフトアップ側に制御することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すもので、図1はベルト式無段変速機の全体構成図、図2は図3〜図5のマップ、図3は図2のA部拡大図、図4は図2のB部拡大図、図5は図2のC部拡大図、図6は後進発進時の作用を説明するフローチャート、図7はLOW発進時と2ND発進時との相違を説明するタイムチャート、図8はLOW発進時と2ND発進時との相違を説明する変速特性図、図9はメインルーチンのフローチャートである。 図1〜図5に示すように、車両用のベルト式無段変速機Tは、左サイドカバー1及び右サイドカバー2により挟まれたトランスミッションケース3を備えており、このトランスミッションケース3に左右のボールベアリング4,5によりインプットシャフト6の左右両端が支持されるとともに、左カバー1及びトランスミッションケース3にそれぞれローラベアリング7及びボールベアリング8によりアウトプットシャフト9の左右両端が支持される。エンジンEのクランクシャフト10の右端は、フライホイール付きダンパー11を介してインプットシャフト6の左端に接続される。
【0011】
インプットシャフト6に支持されたドライブプーリ12は、該インプットシャフト6に対して相対回転自在な固定側プーリ半体121 と、この固定側プーリ半体121 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体122 とを備える。可動側プーリ半体122 は、油室13に作用する油圧により固定側プーリ半体121 との間の溝幅が可変である。アウトプットシャフト9に支持されたドリブンプーリ14は、該アウトプットシャフト9に一体に形成された固定側プーリ半体141 と、この固定側プーリ半体141 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体142 とを備える。可動側プーリ半体142 は、油室15に作用する油圧により固定側プーリ半体141 との間の溝幅が可変である。そしてドライブプーリ12とドリブンプーリ14との間に、2条のストラップに多数の押し駒を装着した無端ベルト16が巻き掛けられる。
【0012】
トランスミッションケース3と右カバー2との間に延出するインプットシャフト6の右端に、前進変速段を確立する際に係合してインプットシャフト6の回転を同方向にドライブプーリ12に伝達するフォワードクラッチ17と、後進変速段を確立する際に係合してインプットシャフト6の回転を逆方向にドライブプーリ12に伝達するリバースブレーキ18とを備えた、シングルプラネタリギヤ式の前後進切換機構19が設けられる。
【0013】
前後進切換機構19の構造を説明すると、インプットシャフト6と一体に回転するクラッチインナー20にサンギヤ21が一体に形成されており、クラッチインナー20に相対回転自在に支持したプラネタリキャリヤ22に、前記サンギヤ21に噛合する複数のプラネタリギヤ23…が支持される。ドライブプーリ12の固定側プーリ半体121 と一体に回転するクラッチアウター24に、前記プラネタリギヤ23…が噛合するリングギヤ25が形成される。
【0014】
フォワードクラッチ17は油室26に作用する油圧で係合し、その係合によって前記クラッチインナー20とクラッチアウター24とを結合する。その結果、サンギヤ21とリングギヤ25とが一体化され、インプットシャフト6にドライブプーリ12が結合される。リバースブレーキ18は油室27に作用する油圧で係合するもので、その係合によって前記プラネタリキャリヤ22をトランスミッションケース3に結合する。その結果、プラネタリキャリヤ22の回転が拘束され、インプットシャフト6の回転はクラッチインナー20、サンギヤ21、プラネタリギヤ23…、リングギヤ25及びクラッチアウター24を経てドライブプーリ12に伝達される。このとき、ドライブプーリ12の回転方向はインプットシャフト6の回転方向に対して逆方向になり、その回転数は次式で示す減速比Iで減速される。
【0015】
I=Zr/Zs>1
Zr;リングギヤの歯数
Zs;サンギヤの歯数
本実施例では、I=1.7に設定される。
【0016】
アウトプットシャフト9の左端に設けられる発進用クラッチ28は、アウトプットシャフト9にボールベアリング29,29で相対回転自在に支持した第1中間ギヤ30を、アウトプットシャフト9と一体のドリブンプーリ14の固定側プーリ半体141 に結合する。左カバー1及びトランスミッションケース3にボールベアリング31及びローラベアリング32で支持した中間軸33に、前記第1中間ギヤ30に噛合する第2中間ギヤ34が設けられる。
【0017】
左カバー1及びトランスミッションケース3にディファレンシャル35のギヤボックス36がボールベアリング37,38を介して支持されており、そのギヤボックス36に設けた入力ギヤ39に、前記中間軸33に設けた第3中間ギヤ40が噛合する。ギヤボックス36にピニオンシャフト41を介して支持した一対のピニオン42,42に、ギヤボックス36に相対回転自在に支持した左車軸43及び右車軸44の先端に設けたサイドギヤ45,46が噛合する。左車軸43及び右車軸44の先端にそれぞれ駆動輪W,Wが接続される。
【0018】
図1から明らかなように、電子制御ユニットUeにはドライブプーリ12の回転数NDRを検出するドライブプーリ回転数センサ52と、ドリブンプーリ14の回転数DNを検出するドリブンプーリ回転数センサ53と、図示せぬセレクトレバーがリバースレンジを選択したことを検出するリバーススイッチ54と、車体重量を検出する車体重量センサ55と、道路の勾配(車体の前後傾斜角)を検出する勾配センサ56と、通常発進モード及び雪路発進モードを選択するモード切換スイッチ57とからの信号が入力される。電子制御ユニットUeは前記各センサ及びスイッチからの信号に基づいて後述する複数の発進モードを検出し、その検出結果に基づいて油圧制御ユニットUhに制御信号を出力する。油圧制御ユニットUhは、前記ドライブプーリ12及びドリブンプーリ14の溝幅、即ちベルト式無段変速機Tの変速比と、フォワードクラッチ17の係合状態と、リバースブレーキ18の係合状態と、発進用クラッチ28の係合状態とを制御する。
【0019】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0020】
セレクトレバーでフォワードレンジを選択すると、電子制御ユニットUeからの指令で先ずフォワードクラッチ17が係合して前後進切換機構19のクラッチインナー20とクラッチアウター24とを結合し、インプットシャフト6にドライブプーリ12を一体に結合する。続いて発進用クラッチ28が係合してエンジンEのトルクが駆動輪W,Wに伝達され、車両は前進発進する。このとき、前後進切換機構19での減速比はインプットシャフト6にドライブプーリ12が一体に結合されているために1.0になり、またベルト式無段変速機Tの変速比はLOWレシオの2.5に設定されているため、全体の変速比は1.0×2.5=2.5になってエンジンEのトルクの2.5倍のトルクが発進用クラッチ28に伝達される。
【0021】
セレクトレバーでリバースレンジを選択すると、図6のフローチャートに示すように、ステップS1でリバーススイッチ54からの信号を受けた電子制御ユニットUeが後進発進モードを検出し、ステップS2でリバースブレーキ18が係合して前後進切換機構19のプラネタリキャリヤ22をトランスミッションケース3に結合して回転を拘束する。これにより、ドライブプーリ12の回転方向はインプットシャフト6の回転方向に対して逆方向になり、且つその減速比はフォワードクラッチ17の係合時の1.0から前記減速比I=1.7に変化する。続いて、ステップS3でベルト式無段変速機Tの変速比を前進発進/のLOWレシオである2.5から1.47へとODレシオに向けてシフトアップする。前記レシオ1.47は前進発進時のLOWレシオ2.5を前記減速比I=1.7で除算した値に相当する。ベルト式無段変速機Tの変速比はドライブプーリ回転数センサ52で検出したドライブプーリ回転数NDRをドリブンプーリ回転数センサ53で検出したドリブンプーリ回転数NDNで除算することにより検出可能である。
【0022】
ベルト式無段変速機Tをシフトアップするとき、発進用クラッチ28は未だ係合しておらず車両は停止状態にあるが、アウトプットシャフト14に設けた発進用クラッチ28よりもエンジンE側に位置するベルト式無段変速機TはエンジンEのトルクで空転状態にあるため、ベルト式無段変速機Tの前記シフトアップは支障無く行うことができる。
【0023】
続いて、ステップS4で発進用クラッチ28が係合し、エンジンEのトルクが駆動輪W,Wに伝達されて車両は後進発進するが、前述したように前後進切換機構19での減速比はリバースブレーキ18の係合により1.7になっており、且つベルト式無段変速機Tの変速比はシフトアップにより1.47になっているため、トータルの変速比は1.7×1.47=2.5になり、前進発進時の変速比と等しくなる。
【0024】
而して、ダブルプラネタリギヤ式の前後進切換機構に代えてシングルプラネタリギヤ式の前後進切換機構19を採用したことによる問題点、つまりリバースブレーキ18を係合させる後進発進時の変速比が、フォワードクラッチ17を係合させる前進発進時の変速比よりも大きくなる問題点を解消することができる。しかも、ベルト式無段変速機Tのシフトアップが完了した後に発進用クラッチ28を係合させるので、シフトアップが完了する前に発進用クラッチ28が係合してベルト式無段変速機Tや発進用クラッチ28に過大なトルクが作用することがない。
【0025】
尚、上述したリバースブレーキ18の係合(ステップS2)及びベルト式無段変速機Tのシフトアップ(ステップS3)は時間をずらして行っても、同時に行っても良いが、発進用クラッチ28を係合は必ずベルト式無段変速機Tのシフトアップ完了後に行うことが必要である。
【0026】
また、雪路での発進時にモード切換スイッチ57を雪路発進モードに切り換えると電子制御ユニットからの指令により、前進発進時であってもベルト式無段変速機TのレシオがLOWレシオである2.5からOD側にシフトアップされる。その結果、通常発進モードでの発進時(LOWレシオ)に比べて駆動輪W,Wに加わるトルクが減少し、駆動輪W,Wを過剰スリップさせることなくスムーズな発進が可能となる。
【0027】
更に、急な上り坂での発進時に駆動輪W,Wのトルクが不足すると車両のずり下がりが発生し易いが、勾配センサ56の出力に基づいて電子制御ユニットUeが所定角度以上の上り坂における発進(登坂発進モード)を検出すると、ベルト式無段変速機TのレシオをLOWレシオである2.5から更に反OD側にシフトダウンした状態で発進用クラッチ28を係合させる。これにより、駆動輪W,Wに加わるトルクを増加させて登坂発進時の車両のずり下がりを防止することができる。
【0028】
更にまた、車体重量センサ55で検出した車体重量が所定値以下である場合には、電子制御ユニットUeが軽重量発進モードを検出し、発進時にベルト式無段変速機TのレシオをLOWからOD側にシフトアップした状態で発進用クラッチ28を係合させ、これにより加速時のドライバビリティを向上させることができる。これを図7に基づいて説明すると、スロットル開度θTHを一定にして発進を行い、加速の途中で一時的にアクセルペダルを踏み込んでスロットル開度θTHをΔθTHだけ増加させた場合を考える。
【0029】
車体重量が重い場合の発進(以下、LOW発進という)でも、車体重量が軽い場合の発進(以下、2ND発進という)でも、アクセルペダルの踏み込みに応じてレシオがLOW側にシフトダウンされ、その分だけ車速が増加する。しかしながら、そのときの車体加速度の変化はLOW発進の場合のΔα1 に比べて2ND発進の場合のΔα2 は小さくなり、ショックの少ないスムーズな加速が可能となる。
【0030】
図8において、実線は通常のLOW発進を行う場合の変速特性を示すもので、a点は発進用クラッチ28のミートポイントを示している。破線及び鎖線は2ND発進を行う場合の変速特性を示すもので、破線は前記LOW発進の場合と同じエンジン回転数でb点において発進用クラッチ28を係合させる場合に対応し、鎖線は更に高いエンジン回転数でc点において発進用クラッチ28を係合させる場合に対応している。このように、2ND発進を行う場合に発進用クラッチ28を係合させるエンジン回転数を変化させることにより、任意の変速特性を得ることが可能となる。
【0031】
上記各種の発進モードの作用を図9のフローチャートに基づいて纏めると、以下のようになる。
【0032】
ステップS11でリバースレンジが選択されるとステップS12でベルト式無段変速機Tの変速比がLOWレシオから所定量だけシフトアップされ、ステップS13で雪路発進モード(軽重量発進モードを含む)が検出されるとステップS14でベルト式無段変速機Tの変速比がLOWレシオから所定量だけシフトアップされ、ステップS15で登坂発進モードが検出されるとステップS16でベルト式無段変速機Tの変速比がLOWレシオから所定量だけシフトダウンされる。また、前記ステップS11リバースレンジが選択されず、前記ステップS13で雪路発進モード(軽重量発進モードを含む)が検出されず、且つ前記ステップS15で登坂発進モードが検出されない場合、つまり通常の前進発進が行われる場合には、ベルト式無段変速機Tの変速比がLOWレシオのままとなる。
【0033】
而して、最初のループではステップS17の答えがNOになって、ベルト式無段変速機Tの変速比が前記それぞれの場合のレシオに固定されたレシオ固定モードで発進が行われる。2回目以降のループではステップS17の答えがYESになってステップS18に移行し、そこで車速が所定値(例えば、5km/h)を越えると、或いはステップS19でスリップ率が所定値(例えば、70%)を越えると、前記固定モードから変速モードに切り換えられてベルト式無段変速機Tのシフトアップ或いはシフトダウンが許容される。
【0034】
尚、発進用クラッチ28の係合量制御によるクリープ力制御が設定されている場合には、図9に示す固定モード以下のルーチンでクリープ力制御が実行される。即ち、ステップS11,S13,S15の各条件の判別によるシフトアップ或いはシフトダウンが行われる際には、クリープ力制御を継続したまま所定量の変速が行われる。その後、ドライバーによりアクセルペダルが踏み込まれると、ステップS18,S19の条件を判別しながら発進用クラッチ28の係合量制御から変速制御へと順次制御が行われてゆく。
【0035】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0036】
例えば、実施例では無段変速機としてベルト式無段変速機Tを例示したが、本発明はベルト式無段変速機T以外の無段変速機に対しても適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、車両の停止状態でドライバーにより操作されて車両の特定の発進モードを選択し得るセレクトレバー又はモード切換スイッチを車両に設け、それらセレクトレバー又はモード切換スイッチにより選択した特定の発進モードに基づいて無段変速機を特定の変速比に制御した後に発進を行うので、無段変速機の変速比が制御される前に発進用クラッチが係合することがなくなり、常にその発進モードに適した変速比で発進を行うことが可能となる。
【0038】
また請求項2に記載された発明によれば、無段変速機がシングルプラネタリギヤ式の前後進切換機構を備えており、この前後進切換機構の減速比が1よりも大きくなる後進発進モードがセレクトレバーの操作により選択されたときに無段変速機をシフトアップ側に制御するので、後進発進時に無段変速機や発進用クラッチに過大のトルクが作用することが防止される。
【0039】
また請求項3に記載された発明によれば、雪路発進モードがモード切換スイッチにより選択されたときに無段変速機をシフトアップ側に制御するので、雪路発進時に駆動輪のトルクを減少させ、駆動輪のスリップを防止してスムーズな発進を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ベルト式無段変速機の全体構成図
【図2】 図3〜図5のマップ
【図3】 図2のA部拡大図
【図4】 図2のB部拡大図
【図5】 図2のC部拡大図
【図6】 後進発進時の作用を説明するフローチャート
【図7】 LOW発進時と2ND発進時との相違を説明するタイムチャート
【図8】 LOW発進時と2ND発進時との相違を説明する変速特性図
【図9】 メインルーチンのフローチャート
【符号の説明】
E エンジン
T ベルト式無段変速機(無段変速機)
W 駆動輪
6 インプットシャフト
9 アウトプットシャフト
19 前後進切換機構
28 発進用クラッチ
57 モード切換スイッチ
Claims (3)
- エンジン(E)に接続されたインプットシャフト(6)と、駆動輪(W)に接続されたアウトプットシャフト(9)と、インプットシャフト(6)及びアウトプットシャフト(9)間に設けられた無段変速機(T)と、無段変速機(T)及び駆動輪(W)間に設けられた発進用クラッチ(28)とを備えた車両において、
車両の停止状態でドライバーにより操作されて車両の特定の発進モードを選択し得るセレクトレバー又はモード切換スイッチ(57)を車両に設け、それらセレクトレバー又はモード切換スイッチ(57)により選択した特定の発進モードに基づいて無段変速機(T)を特定の変速比に制御した後に発進を行うことを特徴とする、車両における発進制御方法。 - 前記無段変速機(T)がシングルプラネタリギヤ式の前後進切換機構(19)を備えており、この前後進切換機構(19)の減速比が1よりも大きくなる後進発進モードが前記セレクトレバーの操作により選択されたときに無段変速機(T)をシフトアップ側に制御することを特徴とする、請求項1記載の車両における発進制御方法。
- 前記発進モードが雪路発進を行うための雪路発進モードを含み、その雪路発進モードが前記モード切換スイッチ(57)により選択されたときに無段変速機(T)をシフトアップ側に制御することを特徴とする、請求項1記載の車両における発進制御方法。
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