JP2006348984A - 副変速機付き自動変速機の制御装置 - Google Patents

副変速機付き自動変速機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 コーストからの再加速状態において、ワンウェイクラッチの急激なロックによるショックの発生を防止することができる副変速機付き自動変速機の制御装置を提供すること。
【解決手段】 エンジン1、副変速機20、主変速機2,4、駆動輪の順に接続され、前記副変速機20は、少なくとも高速段と低速段を有し、前記主変速機2,4は、駆動輪へのトルク伝達時に締結される発進クラッチを有し、前記副変速機の低速段選択状態では、トルク伝達方向が動力源から駆動輪に向かうときワンウェイクラッチ25がロックし、トルク伝達方向が駆動輪から動力源に向かうときワンウェイクラッチ25が開放する副変速機付き自動変速機の制御装置において、前記副変速機の低速段選択状態において、前記ワンウェイクラッチ25が開放しているアクセル戻し操作状態から再加速するとき、前記ワンウェイクラッチ25がロックする前後で前記発進クラッチをスリップ締結させる再加速時発進クラッチ制御手段を設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、動力源、副変速機、主変速機、駆動輪の順に接続され、副変速機は、低速段選択状態でワンウェイクラッチがロックまたは開放し、主変速機は、駆動輪へのトルク伝達時に締結される発進クラッチを有する副変速機付き自動変速機の制御装置の技術分野に属する。
副変速機付き自動変速機において、低速段(第1変速段)選択状態で、運転者がアクセルペダルを戻すことでトルク伝達方向が駆動輪からエンジン方向へ変化すると、副変速機のワンウェイクラッチが開放される(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−35353号公報
しかしながら、従来の副変速機付き自動変速機の制御装置にあっては、アクセルペダルの戻し操作によりワンウェイクラッチが開放状態にあり、且つ、発進クラッチが締結状態の場合、再び加速を意図して運転者がアクセルペダルを踏み込むと、トルク伝達方向がエンジンから駆動輪へ向かうように変わり、空転していたワンウェイクラッチが急激にロックされることになるため、ロックと同時に駆動輪へ伝達される駆動トルクが急変し、これが前後加速度変化によるショックとなり、乗員に不快感を与えてしまうおそれがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コーストからの再加速状態において、ワンウェイクラッチの急激なロックによるショックの発生を防止することができる副変速機付き自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、動力源、副変速機、主変速機、駆動輪の順に接続され、
前記副変速機は、少なくとも高速段と低速段を有し、前記主変速機は、駆動輪へのトルク伝達時に締結される発進クラッチを有し、
前記副変速機の低速段選択状態では、トルク伝達方向が動力源から駆動輪に向かうときワンウェイクラッチがロックし、トルク伝達方向が駆動輪から動力源に向かうときワンウェイクラッチが開放する副変速機付き自動変速機の制御装置において、
前記副変速機の低速段選択状態において、前記ワンウェイクラッチが開放しているアクセル戻し操作状態から再加速するとき、前記ワンウェイクラッチがロックする前後で前記発進クラッチをスリップ締結させる再加速時発進クラッチ制御手段を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の副変速機付き自動変速機の制御装置にあっては、副変速機の低速段選択状態において、ワンウェイクラッチが開放しているアクセル戻し操作状態から再加速するとき、再加速時発進クラッチ制御手段において、ワンウェイクラッチがロックする前後で発進クラッチがスリップ締結される。すなわち、トルク伝達方向が駆動輪から動力源に向かっているコースト状態から動力源から駆動輪に向かう駆動状態に変化するとき、空転していたワンウェイクラッチが急激にロックし、駆動系のトルクが急変するが、駆動輪へ向かう途中に設けられた発進クラッチをスリップ締結することで、発進クラッチから駆動輪に至る駆動系における伝達トルクの急変がスリップ締結トルクの範囲内に抑えられる。この結果、コーストからの再加速状態において、ワンウェイクラッチの急激なロックによるショックの発生を防止することができる。
以下、本発明の副変速機付き自動変速機の制御装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の制御装置が適用された副変速機付き自動変速機を示す全体システム図である。
実施例1の副変速機付き自動変速機は、トロイダル型無段変速機におけるトルクコンバータを副変速機に置き換えたもので、図1に示すように、エンジン1(動力源)、副変速機20、前後進切り換え機構4(主変速機)、トロイダル型無段変速機2(主変速機)、変速機出力軸16、図外の駆動輪の順に接続されている。
前記前後進切り換え機構4は、Dレンジでの前進走行時に前進クラッチ4a(前進走行時の発進クラッチ)を締結して副変速機20からの入力回転をそのまま伝達し、Rレンジでの後進走行時に後進ブレーキ4b(後進走行時の発進クラッチ)を締結して副変速機20からの入力回転を逆転増速で伝達し、P,Nレンジでの駐停車時においては、前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bの双方が開放されて副変速機20からの入力回転を後段に伝達しなくする。
前後進切り換え機構4の後段には、トロイダル型無段変速機2が接続され、このトロイダル型無段変速機2は、2個のフロント側トロイダル伝動ユニット5とリヤ側トロイダル伝動ユニット6を、後述のごとく同軸背中合わせに配置して設けることで構成される。これらトロイダル伝動ユニット5,6はそれぞれ、入力ディスク7と、これに同軸に対向配置した出力ディスク8と、対応する入出力ディスク7,8間に介在させた一対ずつのパワーローラ9とを備えた同様な構成とする。
両トロイダル伝動ユニット5,6は、それぞれの出力ディスク8が背中合わせになるよう同軸に配置し、この配置に当たっては、それぞれの入力ディスク7を主軸10に回転係合させて前後進切り換え機構4からの回転が共通に入力されるようになし、それぞれの出力ディスク8を主軸10上に回転自在に支持する。また両出力ディスク8は中空出力軸11を介して相互に一体結合し、この中空出力軸11上に出力歯車12を固設する。
前記出力歯車12は、カウンターシャフト13の前端におけるカウンターギヤ14に噛合させ、カウンターギヤ14の後端を出力歯車組15を経て、主軸10の後方へ同軸配置した変速機出力軸16に駆動結合させる。
上記構成により、前後進切り換え機構4からの回転は両入力ディスク7へ共通に伝達され、入力ディスク7の回転は対応するパワーローラ9を介して出力ディスク8に達し、この回転が共通な出力歯車12から、これに噛合するカウンターギヤ14およびカウンターシャフト13、並びに出力歯車組15を順次経て変速機出力軸16から取り出される。
変速に際しては、パワーローラ9を自己の回転軸線が入出力ディスク7,8の回転軸線と交差する中立位置から同期して同位相で(同じ変速方向に)オフセットさせると、パワーローラ9が回転時の分力によりパワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線周りに同期して同位相で傾転され、これにより入出力ディスク7,8に対するパワーローラ9の接触軌跡円弧径が連続的に変化して所定の無段変速を行うことができる。なお変速比が指令変速比になったところで、パワーローラ9を上記オフセットが0の初期ストローク位置に戻すことで、パワーローラ9の自己傾転は行われなくなり指令変速比を保つことができる。
前記副変速機20は、ハウジング21を備え、このハウジング21をドライブプレート22を介してエンジン1のクランクシャフトに結合する。一方、主変速機を構成する前後進切り換え機構4及びトロイダル型無段変速機2の入力軸3(主変速機の入力軸)を、ハウジング21内に挿入する。
そして、前記入力軸3の挿入端部上に単純遊星歯車組23を装着する。この単純遊星歯車組23は、サンギヤ23sと、リングギヤ23rと、これら両ギヤに噛合する複数のピニオンを回転自在に支持するキャリア23cと、から構成されている。
前記単純遊星歯車組23のキャリア23cは、入力軸3に駆動結合すると共に、高速段選択クラッチ24のクラッチハブ24hにも駆動結合する。前記単純遊星歯車組23のリングギヤ23rは、ワンウェイクラッチ25を介し中空固定軸26上に乗せてエンジン1の回転と逆方向に回転し得ないようにする。そしてワンウェイクラッチ25は、インナレースを中空固定軸26(変速機ケース)に固定すると共にアウタレースをリングギヤ23rに接続して、中空固定軸26およびリングギヤ23r間に介在させる。
前記高速段選択クラッチ24は、前記クラッチハブ24hのほかに、ハウジング21内に回転自在に収納したクラッチドラム24dを備え、このクラッチドラム24dを高速段用ダンパー27を介してハウジング21に駆動結合する。前記クラッチドラム24dは、さらに低速段用ダンパー28を介して単純遊星歯車組23のサンギヤ23sに駆動結合する。
前記高速段選択クラッチ24は、締結によりクラッチドラム24dおよびクラッチハブ24h間を結合し、この時、高速段用ダンパー27からの回転が低速段用ダンパー28を経由することなくキャリア23cを経て入力軸3にそのまま伝達される。この時の変速段選択状態は、高速段選択状態、あるいは、直結段選択状態、あるいは、第2速変速段選択状態という。
一方、前記高速段選択クラッチ24が開放されている時は、高速段用ダンパー27からの回転が低速段用ダンパー28を経由して単純遊星歯車組23のサンギヤ23sに達する。ここでサンギヤ23sは、高速段選択クラッチ24が開放されているため、また、ワンウェイクラッチ25がリングギヤ23rのエンジン1と逆方向の回転を阻止しているため、キャリア23cを減速下に同方向へ回転駆動し、動力は低速段選択状態(=第1速変速段選択状態)で入力軸3に伝達される。
なお、高速段用ダンパー27のダンパー特性は、上記の高速段選択状態(=直結段選択状態)で要求される特性に設定し、低速段用ダンパー28は上記の低速段選択状態で要求される特性に設定しておく。
前記前後進切り換え機構4の前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bを締結・開放する制御、前記トロイダル型無段変速機2の変速制御、および、前記副変速機20における高速段選択クラッチ24の締結・開放制御は、それぞれコントロールバルボディー31を介して変速機コントローラ32によりこれらを実行する。前記変速機コントローラ32には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ33からの信号、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ34からの信号、アクセルペダルの釈放時にONとなってアイドル運転状態を検知するアイドルスイッチ35からの信号、ブレーキペダルの踏み込み時にONとなって制動状態を検知するブレーキスイッチ36からの信号、車速VSPを検出する車速センサ37からの信号、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ38からの信号、等が入力される。
次に、作用を説明する。
[再加速時発進クラッチ制御処理]
図2は実施例1の変速機コントローラ32にて実行される再加速時発進クラッチ制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(再加速時発進クラッチ制御手段)。
ステップS1では、コースト状態から再加速シーンであり、且つ、発進クラッチ(前進クラッチ4aまたは後進ブレーキ4b)がロックアップ状態であり、且つ、副変速機20の目標変速段が第1速変速段(低速段)であるという条件を満足しているか否かを判断し、Yesの場合はステップS2へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ステップS2では、ステップS1での制御開始条件の成立判断に続き、副変速機20の実変速比を算出し(実変速比検出手段)、副変速機20の実変速比が、変速比制御開始しきい値RATIO_TRIG以下か否かを判断し、Yesの場合はステップS3へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ここで、副変速機20の実変速比は、エンジン回転数センサ33からのエンジン回転数を副変速機20の入力回転数とし、主変速機の入力軸3の回転数を副変速機20の出力回転数とし、実変速比=入力回転数/出力回転数の式により求められる。
また、変速比制御開始しきい値RATIO_TRIGは、ワンウェイクラッチ25の空転から急激なロックによるショック発生可能性がある値(例えば、第1速変速比から変速比1による第2速変速比側に所定値だけ乖離した値)に設定される。
ステップS3では、ステップS2での副変速機20の実変速比≦RATIO_TRIGであるとの判断に続き、アクセル開度センサ38からのセンサ信号により求められたアクセル開度APOがアクセル開度制御開始しきい値APO_TRIG以上か否かを判断し、Yesの場合はステップS4へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ここで、アクセル開度制御開始しきい値APO_TRIGは、ワンウェイクラッチ25の空転から急激なロックによるショック発生可能性がある値(例えば、50%程度)に設定される。
ステップS4では、ステップS3でのアクセル開度≧APO_TRIGであるとの判断に続き、発進クラッチのロックアップ(滑りのない完全締結状態)を解除し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、ステップS4での発進クラッチのロックアップ解除に続き、副変速機20の実変速比が第1速変速比か否かを判断し、Yesの場合はステップS6へ移行し、Noの場合はステップS4へ戻る。
ステップS6では、ステップS5での実変速比=第1速変速比との判断に続き、目標スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPを設定し、ロックアップ解除から発進クラッチのスリップ制御フェーズに移行し、ステップS7へ進む。
ここで、スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPの設定にあたって、先に、変速比制御開始しきい値RATIO_TRIGと副変速機20の実変速比との差である変速比乖離幅ΔRATIOを算出し(変速比乖離幅算出手段)、実アクセル開度APOとアクセル開度制御開始しきい値APO_TRIGとの差であるアクセル開度差ΔAPOを算出しておく(アクセル開度差算出手段)。そして、変速比乖離幅ΔRATIO対する特性線は、図3に示すように、変速比乖離幅ΔRATIOが小さい領域で傾きを大きくし、変速比乖離幅ΔRATIOが大きい領域で傾きを小さくし、これを滑らかに繋いだものとし、かつ、アクセル開度差ΔAPOが大きいほど前記特性線を上方にずらす。そして、アクセル開度差ΔAPOにより特性線を1つに特定することで、変速比乖離幅ΔRATIOが大きいほど、また、アクセル開度差ΔAPOが大きいほど、スリップ締結の継続時間である目標スリップ時間T1、および、スリップ締結のスリップ回転数NSLIPを大きく設定する。
ステップS7では、ステップS6での発進クラッチのスリップ制御フェーズへの移行に続き、スリップ時間が目標スリップ時間T1を経過したか否かを判断し、Yesの場合はステップS8へ移行し、Noの場合はステップS6へ戻る。
ステップS8では、ステップS7でのスリップ時間が目標スリップ時間T1を経過したとの判断に続き、発進クラッチのスリップ制御フェーズを終了し、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、ステップS8での発進クラッチのスリップ制御フェーズ終了との判断に続き、発進クラッチをロックアップし、リターンへ移行する。
[再加速時発進クラッチ制御作用]
コースト状態からの再加速状態へ移行する場合であって、制御開始条件、副変速機20の変速比条件、アクセル開度条件を満足するときには、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進み、発進クラッチのロックアップが解除され、副変速機20の実変速比が第1速変速比に到達するまでは、ステップS4→ステップS5へと進む流れが繰り返され、ロックアップ解除が維持される。
この発進クラッチのロックアップ解除により、伝達トルクの流れがエンジン1側からのみに規定され、ワンウェイクラッチ25が空転状態からロック状態へ移行することで、副変速機20の実変速比が高まり、第1速変速比に到達すると、ステップS5からステップS6→ステップS7へと進み、発進クラッチのスリップ制御フェーズへ移行し、スリップ時間が目標スリップ時間T1に到達するまでは、ステップS6→ステップS7へと進む流れが繰り返され、スリップ制御フェーズが維持される。
そして、スリップ時間が目標スリップ時間T1に到達すると、ステップS7からステップS8→ステップS9へと進み、発進クラッチのスリップ制御フェーズを終了し、発進クラッチをロックアップする。
コースト状態からの再加速状態へ移行する場合の再加速時発進クラッチ制御作用の一例を、図4に示すタイムチャートにより説明する。
運転者がアクセルペダルを足離し状態(0%)にし、トルク伝達方向が駆動輪からエンジン1方向となる時刻t1までのコースト状態においては、副変速機20のワンウェイクラッチ25が開放され、単純遊星歯車組23のリングギヤ23rが回転することで、副変速機20の変速比としては、目標変速比である第1速変速比から徐々に低下してゆく特性を示す。
そして、時刻t1において、運転者が再加速を意図してアクセルペダルを踏み込みを開始し、時刻t2において、アクセル開度APOがアクセル開度制御開始しきい値APO_TRIG以上であり(図4の(1))、且つ、主変速機の入出力軸の回転数が同期している発進クラッチがロックアップ状態であり(図4の(2))、且つ、副変速機20の実変速比が変速比制御開始しきい値RATIO_TRIG以下である場合(図4の(3))、ワンウェイクラッチ25の急激なロックによるショック発生可能性を予測し、発進クラッチの制御デューティを下げ(図4の(4))、発進クラッチのロックアップを解除する。
そして、時刻t2からは、アクセルペダルの踏み込み操作と発進クラッチのロックアップ解除により、トルク伝達方向がエンジン1から駆動輪方向へと変化し、ワンウェイクラッチ25がロックすることで、副変速機20の実変速比は第1速変速比へ再び近づくように上昇し、時刻t3において、アクセルペダルを踏み込みを止めアクセル開度をK%のまま維持しても、副変速機20の実変速比は上昇を続ける。
そして、時刻t4において、副変速機20の実変速比が第1速変速比に到達すると(図4の(5))、発進クラッチを所定のスリップ回転数NSLPだけスリップさせるスリップ制御フェーズに入る。スリップ制御フェーズでは、スリップ回転数NSLPとなる時刻t5までは発進クラッチの制御デューティをロックアップ解除レベルのまま維持し(図4の(6))、時刻t5からはスリップ回転数NSLPを維持するように発進クラッチの制御デューティを徐々に高めてゆく。
そして、時刻t4からのスリップ時間が、時刻t6にて目標スリップ時間T1を経過したら(図4の(7))、スリップ制御フェーズを中止し、発進クラッチの締結制御に移行する(図4の(8))。そして、発進クラッチが時刻t7にてロックアップしたら、本制御は終了する。
したがって、図4の車両加速度特性に示すように、時刻t5までは一定の加速度を維持し、時刻t5を経過すると、滑らかに車両加速度が立ち上がる加速状態を実現することができる。加えて、ワンウェイクラッチ25の急激なロックにより発生するショックのレベルを、変速比乖離幅ΔRATIOとアクセル開度差ΔAPOの大きさにより予測し、目標スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPを最適値に設定するようにしたため、不要な発進クラッチのスリップを抑制しつつ、車両の再加速性を必要以上に悪化させることも防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の副変速機付き自動変速機の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン1、副変速機20、主変速機2,4、駆動輪の順に接続され、前記副変速機20は、少なくとも高速段と低速段を有し、前記主変速機2,4は、駆動輪へのトルク伝達時に締結される発進クラッチを有し、前記副変速機の低速段選択状態では、トルク伝達方向が動力源から駆動輪に向かうときワンウェイクラッチ25がロックし、トルク伝達方向が駆動輪から動力源に向かうときワンウェイクラッチ25が開放する副変速機付き自動変速機の制御装置において、前記副変速機の低速段選択状態において、前記ワンウェイクラッチ25が開放しているアクセル戻し操作状態から再加速するとき、前記ワンウェイクラッチ25がロックする前後で前記発進クラッチをスリップ締結させる再加速時発進クラッチ制御手段を設けたため、コーストからの再加速状態において、ワンウェイクラッチ25の急激なロックによるショックの発生を防止することができる。
(2) 前記再加速時発進クラッチ制御手段は、コースト状態から再加速シーンであり、且つ、発進クラッチがロックアップ状態であり、且つ、副変速機20の目標変速段が低速段であることを制御開始条件とするため、コースト状態から再加速シーンであり、ワンウェイクラッチ25の急激なロックによるショックの発生が予測されるときにのみ、発進クラッチのスリップ制御を実行することができる。
(3) 前記副変速機20の実変速比を検出する実変速比検出手段を設け、前記再加速時発進クラッチ制御手段は、制御開始条件に、副変速機20の実変速比が変速比制御開始しきい値RATIO_TRIG以下という条件を加えるため、ワンウェイクラッチ25が空転しているときにのみ、発進クラッチのスリップ制御を実行することができる。
(4) アクセル開度を検出するアクセル開度センサ38を設け、前記再加速時発進クラッチ制御手段は、制御開始条件に、検出されたアクセル開度APOがアクセル開度制御開始しきい値APO_TRIG以上であるという条件を加えるため、発進クラッチを介して大きなトルクが駆動輪へ伝達されるときにのみ、発進クラッチのスリップ制御を実行することができる。
(5) 前記再加速時発進クラッチ制御手段は、制御開始条件が成立した場合、発進クラッチのロックアップを解除した後、副変速機20の実変速比が低速段変速比に一致するのを待って発進クラッチのスリップ制御フェーズに移行するため、副変速機20の負荷が軽減され、実変速比を短時間にて応答良く低速段変速比に一致させることができる。
(6) 変速比制御開始しきい値RATIO_TRIGと副変速機20の実変速比との差である変速比乖離幅ΔRATIOを算出する変速比乖離幅算出手段を設け、前記再加速時発進クラッチ制御手段は、変速比乖離幅ΔRATIOが大きいほど、スリップ締結の継続時間である目標スリップ時間T1、および、スリップ締結のスリップ回転数NSLIPを大きく設定するため、変速比乖離幅ΔRATIOに基づくショックの大小レベルの予測に応じて、不要な発進クラッチのスリップを抑制し、車両の加速度が必要以上に悪化することを防止できる。
(7) 実アクセル開度APOとアクセル開度制御開始しきい値APO_TRIGとの差であるアクセル開度差ΔAPOを算出するアクセル開度差算出手段を設け、前記再加速時発進クラッチ制御手段は、アクセル開度差ΔAPOが大きいほど、スリップ締結の継続時間である目標スリップ時間T1、および、スリップ締結のスリップ回転数NSLIPを大きく設定するため、アクセル開度差ΔAPOに基づくショックの大小レベルの予測に応じて、不要な発進クラッチのスリップを抑制し、車両の加速度が必要以上に悪化することを防止できる。
(8) 前記副変速機20は、単純遊星歯車組23のキャリア23cを主変速機2,4の入力軸3に接続し、サンギヤ23sおよびリングギヤ23rの一方に前記エンジン1からの回転を伝達するよう接続し、リングギヤ23rおよびサンギヤ23sの他方をワンウェイクラッチ25によりロックすることでの低速段と、単純遊星歯車組23の前記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチ24により相互に結合すると共に、リングギヤ23rおよびサンギヤ23sの前記他方を前記ワンウェイクラッチ25の開放によりエンジン1と同方向に回転可能にする直結段による高速段と、を有するため、トルクコンバータや電磁クラッチを用いる必要のない構成としながら、トルク増大機能を確保する副変速機20を提案することができる。
以上、本発明の副変速機付き自動変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、再加速時発進クラッチ制御手段として、ワンウェイクラッチ25の急激なロックにより発生するショックのレベルを、変速比乖離幅ΔRATIOとアクセル開度差ΔAPOの大きさにより予測し、目標スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPを最適値に設定する好適な例を示したが、例えば、目標スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPを予め固定値にて与えるようにしても良い。要するに、副変速機の低速段選択状態において、ワンウェイクラッチが開放しているアクセル戻し操作状態から再加速するとき、ワンウェイクラッチがロックする前後で前記発進クラッチをスリップ締結させる手段であれば本発明に含まれる。
実施例1では、変速比乖離幅ΔRATIOとアクセル開度差ΔAPOの大きさにより、目標スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPを共に可変設定する例を示したが、目標スリップ時間T1とスリップ回転数NSLIPのうち、一方を固定値とし、他方のみを変速比乖離幅ΔRATIOとアクセル開度差ΔAPOの大きさにより可変設定する例としても良い。
実施例1では、エンジンを動力源とするエンジン車の副変速機付き自動変速機の制御装置を示したが、モータを動力源とする電気自動車やエンジン及びモータを動力源とするハイブリッド車にも適用することができる。また、実施例1では、主変速機として、前後進切り換え機構とトロイダル型無段変速機による例を示したが、要するに発進クラッチを有する変速機であれば、前後進切り換え機構とベルト式無段変速機によるものや、複数の変速段を自動変速する自動変速機等であっても良い。また、副変速機として、高速段と低速段を備えた例を示したが、2速以上の変速段を有するものでも含まれる。要するに、低速段選択状態において、トルク伝達方向が動力源から駆動輪に向かうときワンウェイクラッチがロックし、トルク伝達方向が駆動輪から動力源に向かうときワンウェイクラッチが開放する副変速機であれば良い。
実施例1の制御装置が適用された副変速機付き自動変速機を示す全体システム図である。 実施例1の変速機コントローラにて実行される再加速時発進クラッチ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の発進クラッチのスリップ制御フェーズで目標スリップ時間とスリップ回転数を設定するために用いられるマップである。 実施例1の再加速時発進クラッチ制御作用時におけるアクセル開度・副変速機の変速比・回転数・発進クラッチ制御デューティ・車両加速度の各特性の一例を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 トロイダル型無段変速機(主変速機)
3 入力軸
4 前後進切り換え機構(主変速機)
4a 前進クラッチ(発進クラッチ)
4b 後進ブレーキ(発進クラッチ)
5 フロント側トロイダル伝動ユニット
6 リヤ側トロイダル伝動ユニット
7 入力ディスク
8 出力ディスク
9 パワーローラ
10 主軸
11 中空出力軸
12 出力歯車
13 カウンターシャフト
14 カウンターギヤ
15 出力歯車組
16 変速機出力軸
20 副変速機
21 ハウジング
22 ドライブプレート
23 単純遊星歯車組
23s サンギヤ
23c キャリア
23r リングギヤ
24 高速段選択クラッチ
25 ワンウェイクラッチ
26 中空固定軸
27 高速段用ダンパー
28 低速段用ダンパー
31 コントロールバルボディー
32 変速機コントローラ
33 エンジン回転数センサ
34 スロットル開度センサ
35 アイドルスイッチ
36 ブレーキスイッチ
37 車速センサ
38 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)

Claims (8)

  1. 動力源、副変速機、主変速機、駆動輪の順に接続され、
    前記副変速機は、少なくとも高速段と低速段を有し、前記主変速機は、駆動輪へのトルク伝達時に締結される発進クラッチを有し、
    前記副変速機の低速段選択状態では、トルク伝達方向が動力源から駆動輪に向かうときワンウェイクラッチがロックし、トルク伝達方向が駆動輪から動力源に向かうときワンウェイクラッチが開放する副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    前記副変速機の低速段選択状態において、前記ワンウェイクラッチが開放しているアクセル戻し操作状態から再加速するとき、前記ワンウェイクラッチがロックする前後で前記発進クラッチをスリップ締結させる再加速時発進クラッチ制御手段を設けたことを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    前記再加速時発進クラッチ制御手段は、コースト状態から再加速シーンであり、且つ、発進クラッチがロックアップ状態であり、且つ、副変速機の目標変速段が低速段であることを制御開始条件とすることを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    前記副変速機の実変速比を検出する実変速比検出手段を設け、
    前記再加速時発進クラッチ制御手段は、制御開始条件に、副変速機の実変速比が変速比制御開始しきい値以下という条件を加えることを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  4. 請求項2または3に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段を設け、
    前記再加速時発進クラッチ制御手段は、制御開始条件に、検出されたアクセル開度がアクセル開度制御開始しきい値以上であるという条件を加えることを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    前記再加速時発進クラッチ制御手段は、制御開始条件が成立した場合、発進クラッチのロックアップを解除した後、副変速機の実変速比が低速段変速比に一致するのを待って発進クラッチのスリップ制御フェーズに移行することを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    変速比制御開始しきい値と副変速機の実変速比との差である変速比乖離幅を算出する変速比乖離幅算出手段を設け、
    前記再加速時発進クラッチ制御手段は、変速比乖離幅が大きいほど、スリップ締結の継続時間である目標スリップ時間、または、スリップ締結のスリップ回転数の少なくとも一方を大きく設定することを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    実アクセル開度とアクセル開度制御開始しきい値との差であるアクセル開度差を算出するアクセル開度差算出手段を設け、
    前記再加速時発進クラッチ制御手段は、アクセル開度差が大きいほど、スリップ締結の継続時間である目標スリップ時間、または、スリップ締結のスリップ回転数の少なくとも一方を大きく設定することを特徴とする副変速機付き自動変速機の制御装置。
  8. 請求項1乃至6の何れか1項に記載された副変速機付き自動変速機の制御装置において、
    前記副変速機は、単純遊星歯車組のキャリアを主変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびリングギヤの一方に前記動力源からの回転を伝達するよう接続し、リングギヤおよびサンギヤの他方をワンウェイクラッチによりロックすることでの低速段と、単純遊星歯車組の前記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共に、リングギヤおよびサンギヤの前記他方を前記ワンウェイクラッチの開放により動力源と同方向に回転可能にする直結段による高速段と、を有することを特徴とする自動変速機の入力回転伝動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063159A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Aisin Aw Industries Co Ltd 正・逆回転可能な発進装置
FR2947882A1 (fr) * 2009-07-10 2011-01-14 Renault Sa Procede de controle du rengagement d'une roue libre de boite de vitesses
JP2011241909A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Denso Corp 車両の制御装置

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