JP7412861B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の制御装置に関する。
自動車などの車両に搭載される変速機として、動力を無段階に変速する無段変速機構を備え、インプット軸とアウトプット軸との間で動力を2つの経路で分割して伝達可能な動力分割式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。
動力分割式の無段変速機では、無段変速機構、平行軸式歯車機構および遊星歯車機構が設けられている。無段変速機構は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有している。無段変速機構のセカンダリ軸は、遊星歯車機構のサンギヤに接続されている。平行軸式歯車機構は、インプット軸の動力が伝達/遮断されるスプリットドライブギヤと、スプリットドライブギヤとギヤ列を構成し、遊星歯車機構のキャリヤと一体回転するスプリットドリブンギヤとを備えている。遊星歯車機構のリングギヤには、アウトプット軸が接続されている。アウトプット軸の回転は、デファレンシャルギヤに伝達され、デファレンシャルギヤから左右の駆動輪に伝達される。
前進走行時における動力伝達モードとして、第1モード(ベルトモード)および第2モード(スプリットモード)が設けられている。
第1モードでは、インプット軸とスプリットドライブギヤとの間での動力の伝達/遮断を切り替える第1クラッチが解放されて、スプリットドライブギヤが自由回転状態にされ、遊星歯車機構のキャリヤが自由回転状態にされる。また、遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとを結合/分離する第2クラッチが係合されて、サンギヤとリングギヤとが結合される。そのため、無段変速機構から出力される動力により、サンギヤおよびリングギヤが一体的に回転し、アウトプット軸がリングギヤと一体的に回転する。したがって、第1モードでは、無段変速機構の変速比であるベルト変速比(プーリ比)が大きいほど、その変速比に比例して、動力分割式無段変速機全体での変速比であるユニット変速比(インプット軸の回転数/アウトプット軸の回転数)が大きくなる。
第2モードでは、第2クラッチが解放されて、遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの結合が解除される。また、第1クラッチが係合されて、インプット軸からスプリットドライブギヤに動力が伝達される。インプット軸からスプリットドライブギヤに伝達される動力は、スプリットドライブギヤからスプリットドリブンギヤを介することにより一定の変速比(スプリット点)で変速されて、遊星歯車機構のキャリヤに入力される。サンギヤは、ベルト変速比に応じた回転数で回転する。そのため、第2モードでは、ベルト変速比が大きいほどユニット変速比が小さくなり、スプリット点以下のユニット変速比を実現することができる。
変速制御では、たとえば、変速線図に従って、アクセル開度(アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合)および車速に応じた目標回転数が設定され、無段変速機に入力される回転数を目標回転数に一致させる変速比が目標変速比に設定される。そして、ユニット変速比が目標変速比に一致するように、ベルト変速比が変更される。
第1モードと第2モードとの切り替えは、目標変速比とスプリット点の変速比(スプリットギヤ比)との比較により判定される。すなわち、第1モードにおいて、目標変速比がスプリットギヤ比以下(ハイ側)であれば、第1モードから第2モードへの切り替えが判定される。また、第2モードにおいて、目標変速比がスプリットギヤ比以上(ロー側)であれば、第2モードから第1モードへの切り替えが判定される。
特開2016-142302号公報
第2モードは、スプリットドライブギヤおよびスプリットドリブンギヤにより動力が伝達されるギヤ伝達方式であるため、動力伝達効率が良く、車両の走行燃費の向上に有効である。ところが、アクセルペダルが少しだけ踏み増された場合であっても、目標変速比がスプリットギヤ比以上になれば、第2モードから第1モードに切り替えられるため、第2モードで走行可能な時間が短いという問題がある。
本発明の目的は、車両が第2モードで走行可能な時間を増やすことができる、制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、エンジンからの動力が入力されるインプット軸と駆動輪に伝達されるエンジン駆動力を出力するアウトプット軸との間にベルト式の無段変速機構を備え、無段変速機構によるベルト変速比が大きいほどインプット軸とアウトプット軸との間の全体でのユニット変速比が大きくなる第1モードと、ベルト変速比が大きいほどユニット変速比が小さくなる第2モードとに選択的に切り替わり、ベルト変速比が一定の切替値であるときに第1モードと第2モードとが切り替わってもユニット変速比が変化しないように構成された無段変速機と、駆動輪に伝達されるデバイス駆動力を発生するデバイスとを搭載した車両用の制御装置であって、車両を加速させる加速要求に応じたパラメータを取得するパラメータ取得手段と、パラメータと目標回転数との関係を定めた変速線図に基づいて、パラメータ取得手段により取得されるパラメータに応じた目標回転数を設定し、インプット軸の回転数を目標回転数に一致させる変速比を求めて、当該変速比をユニット変速比の目標である目標変速比に設定する目標設定手段と、パラメータ取得手段により取得されるパラメータに応じた要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、目標設定手段により設定される目標変速比に一致するユニット変速比でのエンジン駆動力と、デバイスから出力可能なデバイス駆動力とを合計した駆動力を算出する合計駆動力算出手段と、第1モードにおいて、目標設定手段により設定される目標変速比が切替値以下であるとき、第1モードから第2モードに切り替え、第2モードにおいて、合計駆動力算出手段により算出される合計の駆動力が要求駆動力算出手段により算出される要求駆動力以上である場合、目標設定手段により設定される目標変速比が切替値より大きくても、第2モードを継続させるモード切替手段とを含む。
この構成によれば、車両には、エンジンの動力を変速して、変速後の動力を駆動輪に伝達されるエンジン駆動力として出力する無段変速機と、駆動輪に伝達されるデバイス駆動力を発生するデバイスとが搭載されている。
無段変速機は、動力伝達モードが第1モードと第2モードとに切り替わり、ベルト変速比が一定の切替値であるときには、第1モードと第2モードとが切り替わってもユニット変速比が変化しないように構成されている。第1モードでは、ベルト変速機構によるベルト変速比が大きいほど、インプット軸とアウトプット軸との間の全体でのユニット変速比が大きくなる。第2モードでは、ベルト変速比が大きいほど、ユニット変速比が小さくなる。
無段変速機の変速制御では、変速線図に基づいて、加速要求に応じた目標変速比が設定されて、ユニット変速比が目標変速比に一致するように、ベルト変速比が変更される。第1モードにおいて、切替値以下の目標変速比が設定された場合、第1モードから第2モードに切り替えられる。第2モードでは、加速要求に応じた要求駆動力が算出され、また、目標変速比に一致するユニット変速比でのエンジン駆動力とデバイスから出力可能なデバイス駆動力とを合計した駆動力が算出される。第2モードでは、原則、切替値よりも大きい目標変速比が設定された場合に、第2モードから第1モードに切り替えられるが、エンジン駆動力とデバイス駆動力との合計が要求駆動力以上である場合には、切替値よりも大きい目標変速比が設定されても、第2モードが維持される。
これにより、加速要求や走行負荷の増加により要求駆動力が上がっても、第2モードを従来よりも長く継続させることができる。そのため、車両が第2モードで走行可能な時間を増やすことができ、車両の走行燃費を向上することができる。また、第1モードと第2モードとが頻繁に切り替わることによる変速ビジー感を低減でき、ドライバビリティを向上することができる。
車両用の制御装置は、第1モードにおいて、現在のベルト変速比で第1モードから第2モードに切り替えた場合のユニット変速比でのエンジン駆動力と、デバイスから出力可能なデバイス駆動力との合計を予測する合計駆動力予測手段をさらに含み、モード切替手段は、第1モードにおいて、目標設定手段により設定される目標変速比が切替値より大きくても、合計駆動力予測手段により予測される合計の駆動力が要求駆動力算出手段により算出される要求駆動力以上である場合、第1モードから第2モードに切り替えてもよい。
この構成によれば、現在のベルト変速比で第1モードから第2モードに切り替えた場合のユニット変速比でのエンジン駆動力が予測され、そのエンジン駆動力とデバイスから出力可能なデバイス駆動力との合計が予測される。第1モードでは、原則、切替値以下の目標変速比が設定された場合に、第1モードから第2モードに切り替えられるが、目標変速比が切替値より大きくても、予測される合計の駆動力が要求駆動力以上である場合には、第1モードから第2モードに切り替えられる。これにより、車両が第2モードで走行可能な時間を一層増やすことができ、車両の走行燃費のさらなる向上およびドライバビリティの向上を図ることができる。
本発明によれば、車両が第2モードで走行可能な時間を増やすことができる。その結果、車両の走行燃費を向上することができる。また、第1モードと第2モードとが頻繁に切り替わることによる変速ビジー感を低減でき、ドライバビリティを向上することができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の概略構成を図解的に示す平面図である。 車両の駆動系の構成を示すスケルトン図である。 車両の前進時および後進時におけるクラッチおよびブレーキの状態を示す図である。 遊星歯車機構のサンギヤ、キャリヤおよびリングギヤの回転数(回転速度)の関係を示す共線図である。 ベルト変速機構によるベルト変速比と変速機の全体でのトータル変速比との関係を示す図である。 変速制御に用いられる変速線図の一例を示す図である。 スプリットモードにおけるモード切替判定処理の流れを示すフローチャートである。 ベルトモードにおけるモード切替判定処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の構成>
図1は、車両1の概略構成を図解的に示す平面図である。
車両1は、エンジン(E/G)2およびモータ付トランスアクスル3を搭載した四輪自動車であり、FF(Front-engine Front-wheel-drive:フロントエンジン・フロントドライブ)方式を採用している。すなわち、車両1では、エンジン2が発生する駆動力がモータ付トランスアクスル3を介して前車軸4Fに伝達され、左右の前輪5FL,5FRが駆動輪となる。後車軸4Rには、エンジン2が発生する駆動力は伝達されず、左右の後輪5RL,5RRは、従動輪となる。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。
車両1には、複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が搭載されている。各ECUは、マイコン(マイクロコントローラユニット)を備えており、マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。図1には、複数のECUのうち、モータ付トランスアクスル3を制御するECU6が示されている。
ECU6には、制御に必要な各種センサが接続されており、その接続されたセンサの検出信号が入力される。たとえば、アクセルペダルの操作量に応じた検出信号を出力するアクセルセンサや、車両1の車速に応じた検出信号を出力する車速センサ、エンジン2の回転数に応じた検出信号を出力するエンジン回転センサなどがECU6に接続されている。また、ECU6には、各種センサから入力される検出信号以外に制御に必要な情報が他のECUから入力される。
<車両の駆動系>
図2は、車両1の駆動系の構成を示すスケルトン図である。
エンジン2は、E/G出力軸(クランクシャフト)11を備えている。
モータ付トランスアクスル3は、トルクコンバータ20、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)30、デファレンシャルギヤ40およびモータジェネレータ(MG)50を備えている。
トルクコンバータ20は、フロントカバー21、ポンプインペラ22、タービンランナ23およびロックアップ機構24を備えている。フロントカバー21には、E/G出力軸11が接続され、フロントカバー21は、E/G出力軸11と一体に回転する。ポンプインペラ22は、フロントカバー21に対するエンジン2側と反対側に配置されている。ポンプインペラ22は、フロントカバー21と一体回転可能に設けられている。タービンランナ23は、フロントカバー21とポンプインペラ22との間に配置されて、フロントカバー21と共通の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
ロックアップ機構24は、ロックアップピストン25を備えている。ロックアップピストン25は、フロントカバー21とタービンランナ23との間に設けられている。ロックアップ機構24は、ロックアップピストン25とフロントカバー21との間の解放油室26の油圧とロックアップピストン25とポンプインペラ22との間の係合油室27の油圧との差圧により、ロックアップオン(係合)/オフ(解放)される。すなわち、解放油室26の油圧が係合油室27の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップピストン25がフロントカバー21から離間し、ロックアップオフとなる。係合油室27の油圧が解放油室26の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップピストン25がフロントカバー21に押し付けられて、ロックアップオンとなる。
ロックアップオフの状態では、E/G出力軸11が回転されると、ポンプインペラ22が回転する。ポンプインペラ22が回転すると、ポンプインペラ22からタービンランナ23に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ23で受けられて、タービンランナ23が回転する。このとき、トルクコンバータ20の増幅作用が生じ、タービンランナ23には、E/G出力軸11のトルクよりも大きなトルクが発生する。
ロックアップオンの状態では、E/G出力軸11が回転されると、E/G出力軸11、ポンプインペラ22およびタービンランナ23が一体となって回転する。
CVT30は、インプット軸31およびアウトプット軸32を備え、インプット軸31に入力される動力を2つの経路に分岐してアウトプット軸32に伝達可能に構成された、いわゆる動力分割式(トルクスプリット式)変速機である。2つの動力伝達経路を構成するため、CVT30は、ベルト変速機構33、前減速ギヤ機構34、遊星歯車機構35およびスプリット変速機構36を備えている。
インプット軸31は、トルクコンバータ20のタービンランナ23に連結され、タービンランナ23と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸32は、インプット軸31と平行に設けられている。アウトプット軸32には、出力ギヤ37が相対回転不能に支持されている。出力ギヤ37は、デファレンシャルギヤ40(デファレンシャルギヤ40のリングギヤ)と噛合している。
ベルト変速機構33は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。具体的には、ベルト変速機構33は、プライマリ軸41と、プライマリ軸41と平行に設けられたセカンダリ軸42と、プライマリ軸41に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ43と、セカンダリ軸42に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ44と、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ44とに巻き掛けられたベルト45とを備えている。
プライマリプーリ43は、プライマリ軸41に固定された固定シーブ51と、固定シーブ51にベルト45を挟んで対向配置され、プライマリ軸41にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ52とを備えている。可動シーブ52に対して固定シーブ51と反対側には、プライマリ軸41に固定されたシリンダ53が設けられ、可動シーブ52とシリンダ53との間に、油室54が形成されている。
セカンダリプーリ44は、セカンダリ軸42に固定された固定シーブ55と、固定シーブ55にベルト45を挟んで対向配置され、セカンダリ軸42にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ56とを備えている。可動シーブ56に対して固定シーブ55と反対側には、セカンダリ軸42に固定されたシリンダ57が設けられ、可動シーブ56とシリンダ57との間に、油室58が形成されている。回転軸線方向において、固定シーブ55と可動シーブ56との位置関係は、プライマリプーリ43の固定シーブ51と可動シーブ52との位置関係と逆転している。
ベルト変速機構33では、プライマリプーリ43の油室54およびセカンダリプーリ44の油室58に供給される油圧がそれぞれ制御されて、プライマリプーリ43およびセカンダリプーリ44の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比(プーリ比)が連続的に無段階で変更される。
前減速ギヤ機構34は、インプット軸31に入力される動力を逆転かつ減速させてプライマリ軸41に伝達する構成である。具体的には、前減速ギヤ機構34は、インプット軸31に相対回転不能に支持されるインプット軸ギヤ61と、インプット軸ギヤ61よりも大径で歯数が多く、プライマリ軸41にスプライン嵌合により相対回転不能に支持されて、インプット軸ギヤ61と噛合するプライマリ軸ギヤ62とを含む。
遊星歯車機構35には、サンギヤ71、キャリヤ72およびリングギヤ73が含まれる。サンギヤ71は、セカンダリ軸42にスプライン嵌合により相対回転不能に支持されている。キャリヤ72は、アウトプット軸32に相対回転可能に外嵌されている。キャリヤ72は、複数個のピニオンギヤ74を回転可能に支持している。複数個のピニオンギヤ74は、円周上に配置され、サンギヤ71と噛合している。リングギヤ73は、複数個のピニオンギヤ74を一括して取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ74にセカンダリ軸42の回転径方向の外側から噛合している。また、リングギヤ73には、アウトプット軸32が接続され、リングギヤ73は、アウトプット軸32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
スプリット変速機構36は、スプリットドライブギヤ81と、スプリットドライブギヤ81と噛合するスプリットドリブンギヤ82とを含む平行軸式歯車機構である。
スプリットドライブギヤ81は、インプット軸31に相対回転可能に外嵌されている。
スプリットドリブンギヤ82は、遊星歯車機構35のキャリヤ72と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。スプリットドリブンギヤ82は、スプリットドライブギヤ81よりも小径に形成され、スプリットドライブギヤ81よりも少ない歯数を有している。
また、アウトプット軸32には、パーキングギヤ83が相対回転不能に支持されている。パーキングギヤ83の周囲には、パーキングポール(図示せず)が設けられている。パーキングポールがパーキングギヤ83の歯溝に係合することにより、パーキングギヤ83の回転が規制(パーキングロック)され、パーキングポールがパーキングギヤ83の歯溝から離脱することにより、パーキングギヤ83の回転が許容(パーキングロック解除)される。
また、CVT30は、クラッチC1,C2およびブレーキB1を備えている。
クラッチC1は、油圧により、インプット軸31とスプリットドライブギヤ81とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態と、その直結を解除する解放状態とに切り替えられる。
クラッチC2は、油圧により、遊星歯車機構35のサンギヤ71とリングギヤ73とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態と、その直結を解除する解放状態とに切り替えられる。
ブレーキB1は、油圧により、遊星歯車機構35のキャリヤ72を制動する係合状態と、キャリヤ72の回転を許容する解放状態とに切り替えられる。
モータジェネレータ50は、アウトプット軸32に接続されている。具体的には、アウトプット軸32には、第1伝達ギヤ91が相対回転不能に支持されている。モータ付トランスアクスル3には、伝達軸92がアウトプット軸32と平行に設けられている。伝達軸92には、第2伝達ギヤ93が相対回転不能に支持されており、第2伝達ギヤ93は、第1伝達ギヤ91と噛合している。モータジェネレータ50のモータ回転軸94は、互いに噛合する2個のかさ歯車からなる軸線方向変換機構95を介して、伝達軸92に接続されている。この構成により、モータジェネレータ50のモータ回転軸94から、軸線方向変換機構95、伝達軸92、第2伝達ギヤ93および第1伝達ギヤ91を順に経由して、アウトプット軸32にモータ駆動力が伝達される。
<動力伝達モード>
図3は、車両1の前進時および後進時におけるクラッチC1,C2およびブレーキB1の状態を示す図である。図4は、遊星歯車機構35のサンギヤ71、キャリヤ72およびリングギヤ73の回転数(回転速度)の関係を示す共線図である。図5は、ベルト変速機構33によるベルト変速比とCVT30の全体でのユニット変速比との関係を示す図である。
図3において、「○」は、クラッチC1,C2およびブレーキB1が係合状態であることを示している。「×」は、クラッチC1,C2およびブレーキB1が解放状態であることを示している。
車両1の車室内には、運転者が操作可能な位置に、シフトレバー(セレクトレバー)が配設されている。シフトレバーの可動範囲には、たとえば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジションおよびD(ドライブ)ポジションの各レンジ位置がこの順に一列に並べて設けられている。
シフトレバーがPポジションに位置する状態では、クラッチC1,C2およびブレーキB1のすべてが解放され、パーキングギヤ83が固定されることにより、CVT30の変速レンジの1つであるPレンジ(駐車レンジ)が構成される。また、シフトレバーがNポジションに位置する状態では、クラッチC1,C2およびブレーキB1のすべてが解放されて、パーキングロックギヤが固定されないことにより、CVT30の変速レンジの1つであるNレンジ(中立レンジ)が構成される。クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放された状態では、エンジン2の動力がセカンダリ軸42まで伝達されて、セカンダリ軸42が回転するが、遊星歯車機構35のサンギヤ71およびピニオンギヤ74が空転し、エンジン2の動力は前輪5FL,5FRに伝達されない。
シフトレバーがDポジションに位置する状態では、CVT30の変速レンジの1つであるDレンジ(前進レンジ)が構成される。このDレンジでの動力伝達モードには、ベルトモード(第1モードの一例)およびスプリットモード(第2モードの一例)が含まれる。ベルトモードとスプリットモードとは、クラッチC1が係合している状態とクラッチC2が係合している状態との切り替え(クラッチC1,C2の掛け替え)により切り替えられる。
ベルトモードでは、図3に示されるように、クラッチC1およびブレーキB1が解放され、クラッチC2が係合される。これにより、スプリットドライブギヤ81がインプット軸31から切り離され、遊星歯車機構35のキャリヤ72がフリー(自由回転状態)になり、遊星歯車機構35のサンギヤ71とリングギヤ73とが直結される。
インプット軸31に入力されるエンジン2からの動力は、前減速ギヤ機構34により逆転かつ減速されて、ベルト変速機構33のプライマリ軸41に伝達され、プライマリ軸41およびプライマリプーリ43を回転させる。プライマリプーリ43の回転は、ベルト45を介して、セカンダリプーリ44に伝達され、セカンダリプーリ44およびセカンダリ軸42を回転させる。遊星歯車機構35のサンギヤ71とリングギヤ73とが直結されているので、セカンダリ軸42と一体となって、サンギヤ71、リングギヤ73およびアウトプット軸32が回転する。したがって、ベルトモードでは、図4および図5に示されるように、CVT30全体でのユニット変速比がベルト変速機構33のベルト変速比に前減速比(インプット軸31の回転数/プライマリ軸41の回転数)を乗じた値と一致する。
スプリットモードでは、図3に示されるように、クラッチC1が係合され、クラッチC2およびブレーキB1が解放される。これにより、インプット軸31とスプリットドライブギヤ81とが結合されて、インプット軸31の回転がスプリットドライブギヤ81およびスプリットドリブンギヤ82を介して遊星歯車機構35のキャリヤ72に伝達可能になり、遊星歯車機構35のサンギヤ71とリングギヤ73とが切り離される。
インプット軸31に入力されるエンジン2からの動力は、スプリットドライブギヤ81からスプリットドリブンギヤ82を介して遊星歯車機構35のキャリヤ72に増速されて伝達される。キャリヤ72に伝達される動力は、キャリヤ72からサンギヤ71およびリングギヤ73に分割して伝達される。サンギヤ71の動力は、セカンダリ軸42、セカンダリプーリ44、ベルト45、プライマリプーリ43およびプライマリ軸41を介してプライマリ軸ギヤ62に伝達され、プライマリ軸ギヤ62からインプット軸ギヤ61に伝達される。そのため、ベルトモードでは、インプット軸ギヤ61が駆動ギヤとなり、プライマリ軸ギヤ62が被動ギヤとなるのに対し、スプリットモードでは、プライマリ軸ギヤ62が駆動ギヤとなり、インプット軸ギヤ61が被動ギヤとなる。
スプリットドライブギヤ81とスプリットドリブンギヤ82とのギヤ比は一定で不変(固定)であるので、スプリットモードでは、インプット軸31に入力される動力が一定であれば、遊星歯車機構35のキャリヤ72の回転が一定速度に保持される。そのため、ベルト変速比が上げられると、遊星歯車機構35のサンギヤ71の回転数が下がるので、図4に破線で示されるように、遊星歯車機構35のリングギヤ73(アウトプット軸32)の回転数が上がる。その結果、スプリットモードでは、図5に示されるように、ベルト変速機構33のベルト変速比が大きいほど、CVT30のユニット変速比が小さくなり、ベルト変速比に対するユニット変速比の感度(ベルト変速比の変化量に対するユニット変速比の変化量の割合)がベルトモードと比べて低い。
アウトプット軸32を回転させるエンジン駆動力は、出力ギヤ37を介してデファレンシャルギヤ40に伝達され、デファレンシャルギヤ40から左右の前車軸4FL,4FRを介して前輪5FL,5FRに伝達される。これにより、前輪5FL,5FRが前進方向に回転する。
シフトレバーがRポジションに位置する状態では、CVT30の変速レンジの1つであるRレンジ(後進レンジ)が構成される。Rレンジでは、図3に示されるように、クラッチC1,C2が解放され、ブレーキB1が係合される。これにより、スプリットドライブギヤ81がインプット軸31から切り離され、遊星歯車機構35のサンギヤ71とリングギヤ73とが切り離され、遊星歯車機構35のキャリヤ72が制動される。
インプット軸31に入力されるエンジン2からの動力は、前減速ギヤ機構34により逆転かつ減速されて、ベルト変速機構33のプライマリ軸41に伝達され、プライマリ軸41からプライマリプーリ43、ベルト45およびセカンダリプーリ44を介してセカンダリ軸42に伝達され、セカンダリ軸42と一体に、遊星歯車機構35のサンギヤ71を回転させる。遊星歯車機構35のキャリヤ72が制動されているので、サンギヤ71が回転すると、遊星歯車機構35のリングギヤ73がサンギヤ71と逆方向に回転する。このリングギヤ73の回転方向は、前進時(ベルトモードおよびスプリットモード)におけるリングギヤ73の回転方向と逆方向となる。そして、リングギヤ73と一体に、アウトプット軸32が回転する。アウトプット軸32を回転させるエンジン駆動力は、出力ギヤ37を介してデファレンシャルギヤ40に伝達され、デファレンシャルギヤ40から左右の前車軸4FL,4FRを介して前輪5FL,5FRに伝達される。これにより、前輪5FL,5FRが後進方向に回転する。
車両1の前進時には、遊星歯車機構35のサンギヤ71とリングギヤ73との直結により、サンギヤ71の回転速度とリングギヤ73の回転速度とが一致するのに対し、車両1の後進時には、遊星歯車機構35の構成上、リングギヤ73の回転速度がサンギヤ71の回転速度よりも必ず低くなる。そのため、Rレンジでは、変速比が最大プーリ比よりも大きくなり、DレンジおよびRレンジで最大プーリ比が構成されている場合、車両1の後進時に、前進時と比較して、変速比が大きくなり、アウトプット軸32から出力される動力が大きくなる。
<変速制御>
図6は、CVT30の変速制御に用いられる変速線図の一例を示す図である。
CVT30のユニット変速比は、ECU6によるベルト変速比の変更ならびにクラッチC1,C2およびブレーキB1の係合/解放により制御される。ユニット変速比を変更する変速制御では、変速線図に基づいて、アクセル開度および車速に応じた目標回転数が設定される。変速線図は、アクセル開度(Ap)と車速と目標回転数との関係を定めたマップであり、ECU6の不揮発性メモリに格納されている。アクセル開度は、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合であり、アクセルセンサの検出信号から求められる。車速は、車速センサの検出信号から算出される。目標回転数が設定されると、インプット軸31に入力される回転数を目標回転数に一致させるユニット変速比の目標である目標変速比が求められ、その目標変速比に応じたベルト変速比の目標が設定される。
その後、ベルト変速比の目標に基づいて、プライマリプーリ43の可動シーブ52に供給される油圧であるプライマリ圧およびセカンダリプーリ44の可動シーブ56に供給される油圧であるセカンダリ圧の指令値が設定され、各指令値に基づいて、ベルト変速比の目標と実ベルト変速比との偏差が零に近づくように、プライマリ圧およびセカンダリ圧が制御される。実ベルト変速比は、プライマリ回転数をセカンダリ回転数で除することにより求められる。
変速制御では、ユニット変速比が図5に示されるスプリット点を跨いで変更される場合があり、その場合、ベルトモードとスプリットモードとの切り替え(以下、単に「モード切替」という。)が伴う。スプリット点は、ベルトモードとスプリットモードとが切り替えられてもユニット変速比が変化しない点であり、スプリット点でのベルト変速比である切替値は、スプリットドライブギヤ81とスプリットドリブンギヤ82とのギヤ比であるスプリットギヤ比に等しい。
モード切替は、クラッチC1,C2の係合の切り替えにより達成される。すなわち、クラッチC1,C2に供給される油圧の制御により、解放状態のクラッチC1(係合側)が係合され、係合状態のクラッチC2(解放側)が解放されることにより、ベルトモードからスプリットモードに切り替わる。逆に、係合状態のクラッチC1(解放側)が解放され、解放状態のクラッチC2(係合側)が係合されることにより、スプリットモードからベルトモードに切り替わる。
図7は、スプリットモードにおけるモード切替判定処理の流れを示すフローチャートである。
スプリットモードでは、ECU6により、図7に示されるモード切替判定処理が行われる。
そのモード切替判定処理では、目標変速比が切替値より大きいか否かが判定される(ステップS11)。目標変速比が切替値以下である場合(ステップS11のNO)、スプリットモードの継続が決定される。
目標変速比が切替値より大きい場合(ステップS11のYES)、アクセル開度および車速に応じた要求駆動力が算出される。要求駆動力の算出のために、ECU91の不揮発性メモリにマップの形態で格納されているエンジントルク特性線が参照されて、アクセル開度およびエンジン回転数に応じたエンジントルクが求められる。アクセル開度は、目標変速比の算出に用いられた値である。エンジン回転数は、エンジン回転センサの検出信号から算出される。さらに、エンジン回転数およびタービン回転数から、トルクコンバータ3のトルク比が算出される。タービン回転数は、トルクコンバータ3のタービンランナ23の回転数であり、タービンランナ23(インプット軸31)の回数に同期したパルス信号を検出信号として出力するタービン回転センサの検出信号から算出される。そして、エンジントルク、トルクコンバータ20のトルク比および現在のユニット変速比から、要求駆動力が算出される。また、エンジントルク、トルクコンバータ20のトルク比および目標変速比から、ユニット変速比が目標変速比に一致する状態でエンジン2からアウトプット軸32に伝達されるエンジン駆動力が算出される。さらに、モータジェネレータ50からアウトプット軸32に伝達可能な最大のモータ駆動力が算出される。
要求駆動力、エンジン駆動力およびモータ駆動力が算出されると、エンジン駆動力とモータ駆動力とが合計され、その合計の駆動力が要求駆動力以上であるか否かが判断される(ステップS12)。
合計の駆動力が要求駆動力以上である場合には(ステップS12のYES)、目標変速比が切替値より大きくても、スプリットモードの継続が決定される。
一方、合計の駆動力が要求駆動力未満である場合には(ステップS12のNO)、スプリットモードからベルトモードへの切り替えが決定される(ステップS13)。
図8は、ベルトモードにおけるモード切替判定処理の流れを示すフローチャートである。
ベルトモードでは、ECU6により、図8に示されるモード切替判定処理が行われる。
そのモード切替判定処理では、目標変速比が切替値以下である否かが判定される(ステップS21)。目標変速比が切替値以下である場合(ステップS11のYES)、ベルトモードからスプリットモードへの切り替えが決定される(ステップS22)。
目標変速比が切替値より大きい場合(ステップS21のNO)、アクセル開度および車速に応じた要求駆動力が算出される。また、現在のベルト変速比でベルトモードからスプリットモードに切り替えた場合のユニット変速比の予測値が算出される。そして、エンジントルク、トルクコンバータ20のトルク比およびユニット変速比の予測値から、ユニット変速比が予測値に一致する状態でエンジン2からアウトプット軸32に伝達されるエンジン駆動力が予測される。さらに、モータジェネレータ50からアウトプット軸32に伝達可能な最大のモータ駆動力が算出される。
要求駆動力およびモータ駆動力が算出され、エンジン駆動力が予測されると、エンジン駆動力とモータ駆動力とが合計され、その合計の駆動力が要求駆動力以上であるか否かが判断される(ステップS23)。
合計の駆動力が要求駆動力以上である場合には(ステップS23のYES)、目標変速比が切替値より大きくても、ベルトモードからスプリットモードへの切り替えが決定される(ステップS22)。
一方、合計の駆動力が要求駆動力未満である場合には(ステップS23のNO)、ベルトモードの継続が決定される。
<作用効果>
以上のように、CVT30の変速制御では、変速線図に基づいて、アクセル開度(加速要求に応じたパラメータ)に応じた目標変速比が設定されて、ユニット変速比が目標変速比に一致するように、ベルト変速比が変更される。
第2モードであるスプリットモードでは、アクセル開度に応じた要求駆動力が算出され、また、目標変速比に一致するユニット変速比でのエンジン駆動力とモータジェネレータ50から出力可能なモータ駆動力とを合計した駆動力が算出される。スプリットモードでは、原則、切替値よりも大きい目標変速比が設定された場合に、スプリットモードから第1モードであるベルトモードに切り替えられるが、エンジン駆動力とモータ駆動力との合計が要求駆動力以上である場合には、切替値よりも大きい目標変速比が設定されても、スプリットモードが維持される。
これにより、加速要求や走行負荷の増加により要求駆動力が上がっても、スプリットモードを従来よりも長く継続させることができる。そのため、車両1がスプリットモードで走行可能な時間を増やすことができ、車両1の走行燃費を向上することができる。また、ベルトモードとスプリットモードとが頻繁に切り替わることによる変速ビジー感を低減でき、ドライバビリティを向上することができる。
ベルトモードでは、現在のベルト変速比でベルトモードからスプリットモードに切り替えた場合のユニット変速比の予測値が求められ、ユニット変速比がその予測値に一致する状態でのエンジン駆動力が予測される。そして、その予測されたエンジン駆動力とモータジェネレータ50から出力可能なモータ駆動力とが合計されて、合計の駆動力が予測される。ベルトモードでは、原則、切替値以下の目標変速比が設定された場合に、ベルトモードからスプリットモードに切り替えられるが、目標変速比が切替値より大きくても、予測される合計の駆動力が要求駆動力以上である場合には、ベルトモードからスプリットモードに切り替えられる。これにより、車両1がスプリットモードで走行可能な時間を一層増やすことができ、車両1の走行燃費のさらなる向上およびドライバビリティの向上を図ることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、モータジェネレータ50からの駆動力がアウトプット軸32に伝達されるとしたが、モータジェネレータ50が前車軸4Fに接続されて、モータジェネレータ50からの駆動力が前車軸4Fに伝達されてもよい。この場合、前車軸4F上を基準に、要求駆動力、エンジン駆動力およびモータ駆動力が求められるとよい。
また、車両1は、FF方式を採用しているとしたが、エンジン2で発生するエンジントルクが前車軸4Fおよび後車軸4Rに配分されて、前輪5FL,5FRおよび後輪5RL,5RRの全輪が駆動輪となる4WD(four-wheel-drive:四輪駆動)方式を採用したものであってもよい。
前述の実施形態では、スプリット変速機構36を経由する第1動力伝達経路とベルト変速機構33を経由する第2動力伝達経路とに分岐して動力を伝達する構成を取り上げたが、スプリット変速機構36は、スプリットドライブギヤ81およびスプリットドリブンギヤ82を含む平行軸式歯車機構に限らず、ベルト機構などのギヤ機構以外の機構であってもよい。ベルト機構が採用される場合、そのベルト機構は、変速比が固定のものであってもよいし、変速比が可変のものであってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両
2:エンジン
5FL,5FR:前輪
6:ECU(制御装置、目標設定手段、要求駆動力算出手段、合計駆動力算出手段、モード切替手段、合計駆動力予測手段)
31:インプット軸
32:アウトプット軸
33:ベルト変速機構(無段変速機構)
50:モータジェネレータ(デバイス)

Claims (2)

  1. エンジンからの動力が入力されるインプット軸と駆動輪に伝達されるエンジン駆動力を出力するアウトプット軸との間にベルト式の無段変速機構を備え、前記無段変速機構によるベルト変速比が大きいほど前記インプット軸と前記アウトプット軸との間の全体でのユニット変速比が大きくなる第1モードと、前記ベルト変速比が大きいほど前記ユニット変速比が小さくなる第2モードとに選択的に切り替わり、前記ベルト変速比が一定の切替値であるときに前記第1モードと前記第2モードとが切り替わっても前記ユニット変速比が変化しないように構成された無段変速機と、前記駆動輪に伝達されるデバイス駆動力を発生するデバイスとを搭載した車両用の制御装置であって、
    前記車両を加速させる加速要求に応じたパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
    前記パラメータと目標回転数との関係を定めた変速線図に基づいて、前記パラメータ取得手段により取得される前記パラメータに応じた目標回転数を設定し、前記インプット軸の回転数を目標回転数に一致させる変速比を求めて、当該変速比を前記ユニット変速比の目標である目標変速比に設定する目標設定手段と、
    前記パラメータ取得手段により取得される前記パラメータに応じた要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、
    前記目標設定手段により設定される前記目標変速比に一致する前記ユニット変速比での前記エンジン駆動力と、前記デバイスから出力可能な前記デバイス駆動力とを合計した駆動力を算出する合計駆動力算出手段と、
    前記第1モードにおいて、前記目標設定手段により設定される前記目標変速比が前記切替値以下であるとき、前記第1モードから前記第2モードに切り替え、前記第2モードにおいて、前記合計駆動力算出手段により算出される合計の駆動力が前記要求駆動力算出手段により算出される前記要求駆動力以上である場合、前記目標設定手段により設定される前記目標変速比が前記切替値より大きくても、前記第2モードを継続させるモード切替手段と、を含む、制御装置。
  2. 前記第1モードにおいて、現在の前記ベルト変速比で前記第1モードから前記第2モードに切り替えた場合の前記ユニット変速比での前記エンジン駆動力と、前記デバイスから出力可能な前記デバイス駆動力との合計を予測する合計駆動力予測手段、をさらに含み、
    前記モード切替手段は、前記第1モードにおいて、前記目標設定手段により設定される前記目標変速比が前記切替値より大きくても、前記合計駆動力予測手段により予測される合計の駆動力が前記要求駆動力算出手段により算出される前記要求駆動力以上である場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替える、請求項1に記載の制御装置。
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