JP3736386B2 - 自動変速機の伝動機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機を含む自動変速機の伝動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、通常その前段におけるエンジンが運転中にトルク変動を生ずることからこれを吸収して緩和するため、そしてトルク増大を目的として伝動系にトルクコンバータを設けるのが普通である。
【0003】
例えば本願出願人が「エクストロイドCVT」の商品名で実用中のトロイダル型無段変速機について自動変速機における従来の伝動機構を説明すると、これは図9に示すごときものであった。
先ず伝動経路の概略を説明するに、エンジン(原動機)1の回転はトルクコンバータ2および変速機入力軸3を経て前後進切り換え機構4に伝達される。
【0004】
この前後進切り換え機構4は、Dレンジでの前進走行時においては前進クラッチ4aを締結されてトルクコンバータ2からのエンジン回転をそのまま伝達し、Rレンジでの後進走行時においては後進ブレーキ4bを締結されてトルクコンバータ2からのエンジン回転を減速、逆転下に伝達し、P,Nレンジでの駐停車時においては前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bの双方を解放されてトルクコンバータ2からのエンジン回転を後段に伝達しなくする。
【0005】
前後進切り換え機構4の後段には、2個のトロイダル伝動ユニット(フロント側トロイダル伝動ユニット5およびリヤ側トロイダル伝動ユニット6)を、同軸背中合わせに設ける。
これらトロイダル伝動ユニット5,6はそれぞれ、入力ディスク7と、これに同軸に対向配置した出力ディスク8と、対応する入出力ディスク7,8間に介在させた一対ずつのパワーローラ9とを具えた同様な構成とする。
【0006】
両トロイダル伝動ユニット5,6は、それぞれの出力ディスク8が背中合わせになるよう同軸に配置し、この配置に当たっては、それぞれの入力ディスク7を主軸10に回転係合させて前後進切り換え機構4からの回転が共通に入力されるようになし、それぞれの出力ディスク8を主軸10上に回転自在に支持する。
また両出力ディスク8は中空出力軸11を介して相互に一体結合し、この中空出力軸11上に出力歯車12を固設する。
【0007】
出力歯車12は、カウンターシャフト13の前端におけるカウンターギヤ14に噛合させ、カウンターギヤ14の後端を出力歯車組15を経て、主軸10の後方へ同軸配置した変速機出力軸16に駆動結合させる。
【0008】
前後進切り換え機構4からの回転は両入力ディスク7へ共通に伝達され、入力ディスク7の回転は対応するパワーローラ9を介して出力ディスク8に達し、この回転が共通な出力歯車12から、これに噛合するカウンターギヤ14およびカウンターシャフト13、並びに出力歯車組15を順次経て変速機出力軸16から取り出される。
【0009】
変速に際しては、パワーローラ9を自己の回転軸線が入出力ディスク7,8の回転軸線と交差する中立位置から同期して同位相でオフセットさせると、パワーローラ9が回転時の分力によりパワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線周りに同期して同位相で傾転され、これにより入出力ディスク7,8に対するパワーローラ9の接触軌跡円弧径が連続的に変化して所定の無段変速を行うことができる。
なお変速比が指令変速比になったところで、パワーローラ9を上記オフセットが0の初期ストローク位置に戻すことで、パワーローラ9の自己傾転は行われなくなり指令変速比を保つことができる。
【0010】
一方でトルクコンバータ2は、入力要素としてのポンプインペラ2a、出力要素としてのタービンランナ2b、およびワンウェイクラッチ2f上に乗せた反力要素としてのステータ2cを具え、エンジン駆動されるポンプインペラ2aから遠心力を受けた作動流体がタービンランナ2bに衝突した後ステータ2cを経てポンプインペラ2aに戻る間、ステータ2cによる反力下でタービンランナ2bをトルク増大しつつ、またトルク変動吸収下に流体駆動し、タービンランナ2bから変速機入力軸3にエンジントルクを伝達する。
【0011】
そしてトルクコンバータ2は、上記のトルク増大機能およびトルク変動吸収機能が不要な低負荷、高回転時に入出力要素2a,2b間を直結して伝動効率を高めるためにロックアップクラッチ2dを具え、かかるトルクコンバータ2のロックアップ状態でトルク変動を吸収し得るようにするため、ロックアップクラッチ2dの締結時における伝動経路中にダンパー2eを挿置する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところでトルクコンバータ2は上記の通りロックアップ式にしたところで、ロックアップクラッチ2dが解放されている非ロックアップ状態(コンバータ状態)では、入力要素2aから出力要素2bへの動力伝達を流体を介して行うため、これら入出力要素2a,2b間でスリップを発生して伝動効率が悪くなるという問題から逃れることができない。
【0013】
かといって、トルクコンバータ2に代え電磁クラッチを用いたのでは、トルクコンバータ2において有用だったトルク増大機能が得られず、発進性能の低下を含めた動力性能の悪化を生ずる。
【0014】
請求項1に記載の第1発明は、トルクコンバータや電磁クラッチを用いる必要のない構成として上記の問題を回避し得るようにした自動変速機の伝動機構を提案することを目的とする。
【0015】
特に第1発明は、上記構成において、トルクコンバータや電磁クラッチに代わる構成部分の制御を簡単にし得るようにすると共にトルクコンバータのロックアップ制御システムをそのまま流用して当該制御を行い得るようにした自動変速機の伝動機構を提案することを目的とする。
【0016】
請求項2に記載の第2発明は、第1発明におけるトルクコンバータや電磁クラッチに代わる構成部分を、軸の新たな追加なしに自動変速機に組み込み得るようにした自動変速機の伝動機構を提案することを目的とする。
【0017】
特に第2発明は、第1発明とは異なる構成により同様の作用効果が達成されるようにした自動変速機の伝動機構を提案することを目的とすると共に、かかる構成において、トルクコンバータや電磁クラッチに代わる構成部分の制御を簡単にし得るようにすると共にトルクコンバータのロックアップ制御システムをそのまま流用して当該制御を行い得るようにした自動変速機の伝動機構を提案することを目的とする。
【0018】
請求項3に記載の第3発明は、第1発明または第2発明における作用効果を達成するのに、従前のトルクコンバータにおけるスタータの取付けに用いられていたワンウェイクラッチをそのまま流用して当該作用効果を達成し得るようにした自動変速機の伝動機構を提案することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、先ず第1発明による自動変速機の伝動機構は、
中立状態にし得る主伝動機の前段に、入力回転を減速して出力する低速段と高速段とを有する副変速機を設け、
前記副変速機に単純遊星歯車組を設け、
該単純遊星歯車組のキャリアを変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびリングギヤの一方に前記入力回転を伝達するよう接続し、
リングギヤおよびサンギヤの他方を低速段選択ブレーキにより回転不能にすることで前記低速段選択状態となり、
単純遊星歯車組の前記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共にリングギヤおよびサンギヤの前記他方を前記低速段選択ブレーキの解放により回転可能にすることで前記高速段選択状態となるよう構成し、
前記低速段選択ブレーキをワンウェイクラッチで構成し、該ワンウェイクラッチを、前記低速段選択時に前記低速段選択ブレーキで回転不能にすべき要素が前記入力回転と逆の方向へ回転し得なくなる向きに配置し、
前記副変速機の低速段選択状態で、前記主変速機を中立状態から動力伝達状態にする摩擦要素を締結進行制御することにより発進制御を可能にしたことを特徴とするものである。
【0020】
第2発明による自動変速機の伝動機構は
中立状態にし得る主伝動機の前段に、入力回転を減速して出力する低速段と高速段とを有する副変速機を設け、
前記副変速機にダブルピニオン型遊星歯車組を設け、
該ダブルピニオン型遊星歯車組のリングギヤを変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびキャリアの一方に前記入力回転を伝達するよう接続し、
サンギヤおよびキャリアの他方を低速段選択ブレーキにより回転不能にすることで前記低速段選択状態となり、
ダブルピニオン型遊星歯車組の前記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共にサンギヤおよびキャリアの前記他方を前記低速段選択ブレーキの解放により回転可能にすることで前記高速段選択状態となるよう構成し、
前記低速段選択ブレーキをワンウェイクラッチで構成し、該ワンウェイクラッチを、前記低速段選択時に前記低速段選択ブレーキで回転不能にすべき要素が前記入力回転と逆の方向へ回転し得なくなる向きに配置し、
前記副変速機の低速段選択状態で、前記主変速機を中立状態から動力伝達状態にする摩擦要素を締結進行制御することにより発進制御を可能にしたことを特徴とするものである。
【0021】
第3発明による自動変速機の伝動機構は、上記第1発明または第2発明において、
前記ワンウェイクラッチのインナレースを変速機ケースに固定し、アウタレースを、該ワンウェイクラッチで回転不能にすべき要素に接続したことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の効果】
第1発明において、発進に際しては副変速機を減速段である低速段選択状態にしておき、副変速機の後段における主変速機を中立状態から動力伝達状態にする摩擦要素を締結進行制御することにより発進制御を可能にする。
よって第1発明においては、当該発進時においても自動変速機でありながら手動変速機と同様な発進操作を採用することができ、従ってトルクコンバータが不要であることから、従来トルクコンバータの存在故に生じていた自動変速機の伝動効率に関する問題を解消することができる。
【0025】
また第1発明においては、発進時に副変速機を減速段である低速段選択状態にしておくことから、副変速機がトルクコンバータのトルク増大作用と同じ機能を発揮することとなり、電磁クラッチを用いる場合に生じていた動力性能の低下という問題を生ずることもない。
なお発進時に上記の通り副変速機を減速段である低速段選択状態にしておくということは、主変速機を中立状態から動力伝達状態にする上記摩擦要素を当該発進時に締結進行制御するに際して、当該摩擦要素の入力回転を低下させることができることを意味し、その耐久性を向上させ得ると共に上記発進時の締結進行制御を容易にし得ることにもなって大いに有利である。
【0026】
また第1発明においては、上記の副変速機を以下の構成にするため、
つまり、単純遊星歯車組のキャリアを変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびリングギヤの一方に入力回転を伝達するよう接続し、
リングギヤおよびサンギヤの他方を低速段選択ブレーキにより回転不能にすることで上記低速段選択状態となり、
単純遊星歯車組の上記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共にリングギヤおよびサンギヤの上記他方を上記低速段選択ブレーキの解放により回転可能にすることで上記高速段選択状態となるような構成としたため、
トルクコンバータや電磁クラッチに代えて用いる副変速機を、軸の新たな追加なしに小型のまま自動変速機に組み込むことができる。
【0027】
更に第1発明においては、上記低速段選択ブレーキをワンウェイクラッチで構成し、これを、低速段選択時に低速段選択ブレーキで回転不能にすべき要素が入力回転と逆の方向へ回転し得なくなる向きに配置したから、
第1発明の構成を採用した場合において、副変速機における低速段選択ブレーキの制御を簡単にし得ると共に、従来よりあるトルクコンバータのロックアップ制御システムをそのまま流用して当該制御を行うことができて経済的である。
【0028】
第2発明においては、上記の副変速機を以下の構成にするため、
つまり、ダブルピニオン型遊星歯車組のリングギヤを変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびキャリアの一方に入力回転を伝達するよう接続し、
サンギヤおよびキャリアの他方を低速段選択ブレーキにより回転不能にすることで上記低速段選択状態となり、
ダブルピニオン型遊星歯車組の上記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共にサンギヤおよびキャリアの上記他方を上記低速段選択ブレーキの解放により回転可能にすることで上記高速段選択状態となるような構成としたため、
第1発明とは異なる構成の副変速機により、第1発明におけると同様の作用効果を達成することができる。
また、第2発明においては、上記低速段選択ブレーキをワンウェイクラッチで構成し、これを、低速段選択時に低速段選択ブレーキで回転不能にすべき要素が入力回転と逆の方向へ回転し得なくなる向きに配置したから、
上記の構成を採用した場合において、副変速機における低速段選択ブレーキの制御を簡単にし得ると共に、従来よりあるトルクコンバータのロックアップ制御システムをそのまま流用して当該制御を行うことができて経済的である。
【0029】
第3発明においては、第1発明または第2発明におけるワンウェイクラッチのインナレースを変速機ケースに固定し、アウタレースを、該ワンウェイクラッチで回転不能にすべき要素に接続したから、
第1発明または第2発明の作用効果を達成するためのワンウェイクラッチが、従来より自動変速機のトルクコンバータにおけるスタータ取付けに用いられていたワンウェイクラッチの設置形態と同じとなり、第1発明または第2発明の作用効果を達成するためのワンウェイクラッチとして、従来より自動変速機のトルクコンバータにおけるスタータ取付けに用いられていたワンウェイクラッチをそのまま流用することができ、大いに有利である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、図9に示すようなトロイダル型無段変速機におけるトルクコンバータ2を本発明の一実施の形態になる副変速機20に置換したもので、図1において、図9におけると同様の部分は同一符号にて示すにとどめ、その重複説明を省略した。
【0031】
本実施の形態になる副変速機20は、図2に実態構成を示すが、ハウジング21を具え、このハウジング21をドライブプレート22を介してエンジン1のクランクシャフトに結着すると共に、該ハウジング21内に以下の部品を組み込んで副変速機20を構成する。
つまり、トロイダル伝動ユニット5,6とで主伝動機を構成する前後進切り換え機構4の入力軸(主伝動機の入力軸)3をハウジング21内に挿入し、該入力軸3の挿入端部上に単純遊星歯車組23を装着し、単純遊星歯車組23のキャリア23cを入力軸3に駆動結合すると共に、高速段選択クラッチ24のクラッチハブ24hにも駆動結合する。
【0032】
単純遊星歯車組23のリングギヤ23rは低速段選択ブレーキとしてのワンウェイクラッチ25を介し固定軸26上に乗せ、このワンウェイクラッチ25は図9におけるステータ2cのためのワンウェイクラッチ2fと同様な、若しくはこれを流用して、つまりワンウェイクラッチ25のインナレースを中空固定軸26(変速機ケース)に固定すると共にアウタレースをリングギヤ23rに接続して、リングギヤ23rをエンジン1の回転と逆方向に回転し得ないようにするものとする。
【0033】
高速段選択クラッチ24は上記したクラッチハブ24hのほかに、ハウジング21内に回転自在に収納したクラッチドラム24dを具え、このクラッチドラム24dを高速段用ダンパー27を介してハウジング21に駆動結合する。
クラッチドラム24dは更に、低速段用ダンパー28を介して単純遊星歯車組23のサンギヤ23sに駆動結合する。
【0034】
高速段選択クラッチ24には更に、図2に示すごとくクラッチドラム24d内に軸線方向摺動可能に嵌合したクラッチピストン24pを具え、このピストン24pを油圧α(従来のロックアップ制御油圧およびロックアップ制御油路をそのまま流用し得る)で図2の左方へストロークさせる時、高速段選択クラッチ24は図3に示す如く締結によりクラッチドラム24dおよびクラッチハブ24h間を結合し、この時高速段用ダンパー27からの回転が低速段用ダンパー28を経由することなくキャリア23cを経て入力軸3にそのまま(高速段選択状態で)伝達される。
【0035】
しかし、ピストン24pへの油圧αがなくて高速段選択クラッチ24が図1に示すごとく解放されている時は、高速段用ダンパー27からの回転が低速段用ダンパー28を経由して単純遊星歯車組23のサンギヤ23sに達する。
ここでサンギヤ23sは、高速段選択クラッチ24が解放されているため、またワンウェイクラッチ25がリングギヤ23rのエンジン1と逆方向の回転を阻止しているため、キャリア23cを減速下に同方向へ回転駆動し、動力は低速段選択状態で入力軸3に伝達される。
【0036】
なお高速段用ダンパー27のダンパー特性は上記の高速段選択状態で要求される特性に設定し、低速段用ダンパー28は上記の低速段選択状態で要求される特性に設定しておく。
【0037】
なお、図2に示す前後進切り換え機構4の実態構成を補足説明するに、前後進切り換え機構4は前記した前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bの他に、単純遊星歯車組4cを具える。
そして、前進クラッチ4aを油圧βにより締結する時は単純遊星歯車組4cのサンギヤ4dおよびリングギヤ4e間を結合させて入力軸3からの回転をそのままサンギヤ4dより後段のトロイダル伝動ユニット5,6(図1参照)へ伝達し、Dレンジでの前進走行を可能にし、
後進ブレーキ4bを油圧γにより締結する時は単純遊星歯車組4cのキャリア4fを固定して入力軸3からの回転を減速、逆転下にサンギヤ4dより後段のトロイダル伝動ユニット5,6へ伝達し、Rレンジでの後進走行を可能にする。
しかして、P,Nレンジでの駐停車時においては前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bの双方を解放させて入力軸3からの回転が後段のトロイダル伝動ユニット5,6へ伝達させない。
【0038】
前後進切り換え機構4の前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bを上記のように締結、解放する制御、トロイダル伝動ユニット5,6の前記した変速制御、および副変速機20における高速段選択クラッチ24の締結、解放制御はそれぞれ、図1に示すようにコントロールバルブボディー31を介して変速機コントローラ32によりこれらを実行し、
変速機コントローラ32には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ33からの信号と、
エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度Tセンサ34からの信号と、
アクセルペダルの釈放時にONとなってアイドル運転状態を検知するアイドルスイッチ35からの信号と、
ブレーキペダルの踏み込み時にONとなって制動状態を検知するブレーキスイッチ36からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ37からの信号とを入力する。
【0039】
上記実施の形態になるトロイダル型無段変速機の作用を次に説明する。
先ず伝動作用を説明するに、ハウジング21へのエンジン回転は高速段用ダンパー27を経てクラッチドラム24dに達している。
ここで高速段選択クラッチ24が解放されていると、クラッチドラム24dへの回転が低速段用ダンパー28を経てサンギヤ23sに至り、サンギヤ23sへの回転が単純遊星歯車組23の前記作用により低速段選択状態で減速下に入力軸3へ伝達される。
ところで高速段選択クラッチ24が図3のごとく油圧αにより締結されていると、クラッチドラム24dへの回転が低速段用ダンパー28を経由することなくキャリア23cを経て入力軸3にそのまま高速段選択状態で伝達される。
【0040】
以上により、低速段で用いる伝動経路中に挿入した低速段用ダンパー28は、低速段選択状態であるときのみ所定のダンパー機能を果たし、高速段選択状態である時は、この低速段用ダンパー28をバイパスする高速段選択クラッチ24を経て動力伝達を行うため、低速段用ダンパー28はダンパー機能を果たすことがない。
よって、低速段用ダンパー28のダンパー特性を低速段選択状態で要求される特性に設定することができる。
【0041】
一方で高速段選択状態である時は、全ての変速段で共用する伝動経路中に挿入した高速段用ダンパー27のみがダンパー機能を果たすため、そのダンパー特性を低速段用ダンパー28とは別個に、高速段選択状態で要求される特性に設定することができる。
【0042】
副変速機20により上記のごとくに高低速切り換えされて入力軸3に達した回転は、前後進切り換え機構4の前進クラッチ4aが図3のごとく油圧βにより締結されている間、前後進切り換え機構4の前記した作用を介してそのまま後段のトロイダル伝動ユニット5,6に至り、これらトロイダル伝動ユニット5,6による変速下に変速機出力軸16より取り出される。
前後進切り換え機構4の後進ブレーキ4bが図2の油圧γにより締結されている間、入力軸3への回転は前後進切り換え機構4の前記した作用を介して逆転下に後段のトロイダル伝動ユニット5,6に至り、これらトロイダル伝動ユニット5,6を経て変速機出力軸16より取り出される。
前後進切り換え機構4の前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bが共に解放されている間、入力軸3への回転は後段のトロイダル伝動ユニット5,6に至ることがなく、トロイダル型無段変速機を中立状態にしておくことができる。
【0043】
次に、上記トロイダル型無段変速機の発進制御および変速制御を説明する。
発進に際して変速機コントローラ32は、副変速機20を高速段選択クラッチ24の解放により低速段(減速段)選択状態にしておき、前後進切り換え機構4の前進クラッチ4aおよび後進ブレーキ4bを共に解放させておいた中立状態から、Dレンジでの前発進なら発進用摩擦要素としての前進クラッチ4aの締結進行制御により、またRレンジでの後発進なら発進用摩擦要素としての後進ブレーキ4bの締結進行制御により発進を行わせる。
【0044】
発進用摩擦要素の締結進行制御は図4に示すごとくにこれを行うが、以下、前発進時における前進クラッチ4aの締結進行制御について代表的に説明する。
Dレンジでも未だアクセルペダルを踏み込んでおらず、従ってアイドルスイッチ35がONであり、且つ、ブレーキペダルを踏み込んだ制動状態のためにブレーキスイッチ36もONである場合、
車速VSPが5Km/h未満の停車状態なら前進クラッチ4aを完全に解放してトロイダル型無段変速機を依然として中立状態に保ち、
車速VSPが5Km/h〜15Km/hなら前進クラッチ4aを、図2に示すリターンスプリング4gが収縮し終えてクラッチのロスストロークが完了した状態、つまり締結開始直前状態にし(イニシャル制御)、
車速VSPが15Km/h以上なら前進クラッチ4aを完全に締結し、副変速機20の低速段選択状態と相まってトロイダル型無段変速機を、Dレンジ、ロー側変速比での通常の動力伝達が可能な状態にする。
【0045】
Dレンジで未だアクセルペダルを踏み込んでおらず、従ってアイドルスイッチ35がONであるが、ブレーキペダルを釈放した制動解除状態のためブレーキスイッチ36がOFFである場合、
車速VSPが5Km/h未満の停車状態から前進クラッチ4aを、図2に示すリターンスプリング4gが収縮し終えてクラッチのロスストロークが完了した状態(締結開始直前状態)にするイニシャル制御を行い、
車速VSPが5Km/h〜15Km/hなら前進クラッチ4aを、上記の締結開始直前状態から締結を徐々に進行させる滑り締結制御を行い、
車速VSPが15Km/h以上なら前進クラッチ4aを完全に締結し、副変速機20の低速段選択状態と相まってトロイダル型無段変速機を、Dレンジ、ロー側変速比での通常の動力伝達が可能な状態にする。
【0046】
Dレンジでアクセルペダルの踏み込みを行い、従ってアイドルスイッチ35がOFFであり、且つ、ブレーキペダルを踏み込んだ制動状態のためにブレーキスイッチ36がONである場合、
車速VSPが5Km/h未満の停車状態でも前進クラッチ4aの締結を徐々に進行させる滑り締結制御を行い、
車速VSPが5Km/h〜15Km/hなら、前進クラッチ4aの上記滑り締結制御を継続させて前進クラッチ4aの締結を更に進行させ、
車速VSPが15Km/h以上なら前進クラッチ4aを完全に締結し、副変速機20の低速段選択状態と相まってトロイダル型無段変速機を、Dレンジ、ロー側変速比での通常の動力伝達が可能な状態にする。
【0047】
Dレンジでアクセルペダルの踏み込みを行い、従ってアイドルスイッチ35がOFFであり、且つ、ブレーキペダルを釈放した制動解除状態のためブレーキスイッチ36もOFFである場合、
車速VSPが5Km/h未満の停車状態から前進クラッチ4aの締結を徐々に進行させる滑り締結制御を行い、
車速VSPが5Km/h〜15Km/hなら前進クラッチ4aを完全に締結し、副変速機20の低速段選択状態と相まってトロイダル型無段変速機を、Dレンジ、ロー側変速比での通常の動力伝達が可能な状態にし、
車速VSPが15Km/h以上なら、前進クラッチ4aを引き続き完全締結状態にしてトロイダル型無段変速機を、Dレンジ、ロー側変速比での通常の動力伝達が可能な状態に保持する。
【0048】
なおN,Pレンジでは、アクセルペダルの操作状態に関係なく、つまりアイドルスイッチ35のON,OFFに関係なく、またブレーキペダルの操作状態に関係なく、つまりブレーキスイッチ36のON,OFFに関係なく、発進用摩擦要素(今はDレンジ故に、前進クラッチ4a)を完全解放状態にし、他方の摩擦要素(今はDレンジ故に、後進ブレーキ4b)の解放状態と相まってトロイダル型無段変速機を中立状態に保つ。
【0049】
トロイダル型無段変速機を上記のごとく、Dレンジでの通常の動力伝達が可能な状態にした後の変速制御を説明するに、変速機コントローラ32は図5に例示する予定の変速マップをもとに車速VSPおよびスロットル開度TVOから目標入力回転数Ne* を検索し、センサ33で検出したエンジン回転数Neがこの目標入力回転数Ne* に一致するようトロイダル伝動ユニット5,6を変速制御する。
そして変速機コントローラ32は、図5のマップをもとに車速VSPおよびスロットル開度TVOから、副変速機20を低速段選択状態にすべき低速段選択域か副変速機20を高速段選択状態にすべき高速段選択域かをチェックする。
【0050】
低速段選択域なら副変速機20を高速段選択クラッチ24の解放により低速段選択状態にしておき、上記した発進制御を実行するが、ヒステリシス域を超えて高速段選択域に入ったと判定する時、副変速機20を高速段選択クラッチ24の図3に示す締結により高速段選択状態にし、同図に示す前進クラッチ4aの締結保持と相まって図4に沿った変速制御を可能にする。
【0051】
ところで本実施の形態においては、発進時に副変速機20を減速段である低速段選択状態にしておき、副変速機20の後段における主変速機であるトロイダル型無段変速機を中立状態から動力伝達状態にする発進用摩擦要素である前進クラッチ4a(Dレンジの時)または後進ブレーキ4b(Rレンジの時)を図4につき前述したごとく締結進行制御することにより発進制御を可能にしたから、
当該発進時においても自動変速機でありながら手動変速機と同様な発進操作を採用することができ、従って図9に示したようなトルクコンバータ2が不要であることから、従来トルクコンバータの存在故に生じていた自動変速機の伝動効率に関する問題を解消することができる。
【0052】
また本実施の形態においては、発進時に副変速機20を減速段である低速段選択状態にしておくことから、副変速機20がトルクコンバータのトルク増大作用と同じ機能を発揮することとなり、電磁クラッチを用いる場合に生じていた動力性能の低下という問題を生ずることもない。
更に発進時に副変速機20を減速段である低速段選択状態にしておくことから、前進クラッチ4a(Dレンジの時)または後進ブレーキ4b(Rレンジの時)を上記のごとく発進用摩擦要素として用いる場合において、当該発進用摩擦要素の入力回転を低下させることができ、その耐久性を向上させ得ると共に上記の締結進行制御を容易にし得る。
【0053】
副変速機20は、同じ単純遊星歯車組23を用いるにしても、図6に示すような構成にすることができる。
つまり本実施の形態においては、上記した実施の形態におけると同様に、単純遊星歯車組23のキャリア23cを入力軸3に接続するが、リングギヤ23rを低速段と高速段とで兼用する兼用ダンパー41を介してハウジング21接続し、サンギヤ23sをワンウェイクラッチ25を介して中空固定軸26上に載置してエンジンと逆方向へ回転不能にする。
そして高速段選択クラッチ24は、単純遊星歯車組23のキャリア23cとリングギヤ23rとの間を結合して単純遊星歯車組23の3要素をインターロック状態にするものとする。
なお高速段選択クラッチ24は、単純遊星歯車組23の3要素のうちどの2要素間を結合しても単純遊星歯車組23をインターロック状態にすることができる。
【0054】
かかる構成においては、高速段選択クラッチ24を解放していると、エンジン回転が兼用ダンパー41を経てリングギヤ23rに至り、リングギヤ23rの回転は、サンギヤ23sがワンウェイクラッチ25によりエンジンと逆方向の回転を阻止されているため、サンギヤ23sを反力受けとしてキャリア23cへ減速下に伝達され、副変速機20は動力を入力軸3へ低速段選択状態で伝達することができる。
ところで高速段選択クラッチ24が締結されていると、兼用ダンパー41を経由したエンジン回転がクラッチ24およびキャリア23cを経て入力軸3にそのまま高速段選択状態で伝達される。
【0055】
前記した何れの実施の形態においても、副変速機20を以下の構成にするため、
つまり、単純遊星歯車組23のキャリア23cをトロイダル型無段変速機の入力軸3に接続し、サンギヤ23sおよびリングギヤ23rの一方に入力回転を伝達するよう接続し、
リングギヤおよびサンギヤの他方をワンウェイクラッチ25によりエンジンと逆の方向へ回転不能にすることで低速段選択状態となり、
単純遊星歯車組の上記3要素23c,23s,23rのうち任意の2要素を高速段選択クラッチ24により相互に結合すると共にリングギヤおよびサンギヤの上記他方をワンウェイクラッチ25の空転により回転可能にすることで高速段選択状態となるような構成としたため、
トルクコンバータや電磁クラッチに代えて用いる副変速機20を、軸の新たな追加なしに小型のまま自動変速機に組み込むことができる。
【0056】
副変速機20は、上記した単純遊星歯車組23に代えてダブルピニオン型遊星歯車組を用いた図7または図8のような構成にすることもできる。
図7に示す実施の形態においては、ダブルピニオン型遊星歯車組42のリングギヤ42rを主変速機の入力軸3に接続し、サンギヤ42sに兼用ダンパー41を経てエンジン回転を伝達するよう接続し、
キャリア42cをワンウェイクラッチ25によりエンジンと逆の方向へ回転し得ないようにして中空固定軸26上に載置する。
そして、ダブルピニオン型遊星歯車組42の3要素のうちの任意の2個、例えばキャリア42cおよびサンギヤ42s間を高速段選択クラッチ24により相互に結合してダブルピニオン型遊星歯車組42をインターロック可能とする。
【0057】
本実施の形態においては、高速段選択クラッチ24を解放すると、エンジン回転が兼用ダンパー41を経てサンギヤ42sに伝達され、サンギヤ42sの回転は、キャリア42cがワンウェイクラッチ25によりエンジンと逆方向の回転を阻止されているため、キャリア42cを反力受けとしてリングギヤ42rへ減速下に伝達され、副変速機20は動力を入力軸3へ低速段選択状態で伝達することができる。
ところで高速段選択クラッチ24が締結されていると、兼用ダンパー41を経由したエンジン回転がインターロック状態の遊星歯車組42を経て入力軸3にそのまま高速段選択状態で伝達される。
【0058】
図8に示す実施の形態においては、図7の場合と同様にダブルピニオン型遊星歯車組42のリングギヤ42rを主変速機の入力軸3に接続し、キャリア42cにエンジン回転を伝達するよう接続する。
そしてサンギヤ42sを、ワンウェイクラッチ25を介しエンジンと逆の方向へ回転不能にして中空固定軸26上に載置する。
なお、ダブルピニオン型遊星歯車組42の3要素のうちの任意の2個、例えばキャリア42cおよびサンギヤ42s間を高速段選択クラッチ24により相互に結合してダブルピニオン型遊星歯車組42をインターロック可能とする。
【0059】
本実施の形態においては、高速段選択クラッチ24を解放すると、エンジン回転が兼用ダンパー41を経てキャリア42cに伝達され、キャリア42cの回転は、サンギヤ42sがワンウェイクラッチ25によりエンジンと逆方向の回転を阻止されているため、サンギヤ42sを反力受けとしてリングギヤ42rへ減速下に伝達され、副変速機20は動力を入力軸3へ低速段選択状態で伝達することができる。
ところで高速段選択クラッチ24が締結されていると、兼用ダンパー41を経由したエンジン回転がインターロック状態の遊星歯車組42を経て入力軸3にそのまま高速段選択状態で伝達される。
【0060】
図7または図8に示す実施の形態によれば、副変速機20を以下の構成、
つまり、ダブルピニオン型遊星歯車組42のリングギヤ42rを主変速機の入力軸3に接続し、サンギヤ42sおよびキャリア42rの一方に入力回転を伝達するよう接続し、
サンギヤ42sおよびキャリア42cの他方をワンウェイクラッチ25によりエンジン回転と逆の方向へ回転不能にすることで低速段選択状態となり、
ダブルピニオン型遊星歯車組42の上記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチ24により相互に結合すると共にサンギヤ42sおよびキャリア42cの上記他方をワンウェイクラッチ25の空転により回転可能にすることで高速段選択状態となるような構成としたため、
図1〜図6に示した実施の形態におけるとは異なる構成の副変速機20により、当該実施の形態におけると同様の作用効果を達成することができる。
【0061】
なお副変速機20に単純遊星歯車組23またはダブルピニオン型遊星歯車組42の何れを用いるにしても、上記各実施の形態におけるように、副変速機20が低速段選択状態になる時に反力要素として機能すべき要素をエンジンと逆の方向へ回転不能にするに際しワンウェイクラッチ25を用いてその目的を達成する場合、
副変速機20を低速段選択状態にする時の制御が簡単になると共に、従来よりあるトルクコンバータのロックアップ制御システムをそのまま流用して当該制御を行うことができて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる伝動機構を具えたトロイダル型無段変速機の伝動経路を示す模式図である。
【図2】 同伝動機構における副変速機の実態構成を、前後進切り換え機構と共に示す半部縦断側面図である。
【図3】 同副変速機を高速段選択状態で示すと共に同前後進切り換え機構を前進回転伝動状態で示す模式的側面図である。
【図4】 同実施の形態における発進制御に際し締結させるべき発進用摩擦要素の締結進行制御態様を示す説明図である。
【図5】 同実施の形態における伝動機構の変速制御に当たって用いる変速パターンを例示する線図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態になる伝動機構における副変速機を示す模式的側面図である。
【図7】 本発明の更に他の実施の形態になる伝動機構における副変速機を示す模式的側面図である。
【図8】 本発明の更に別の実施の形態になる伝動機構における副変速機を示す模式的側面図である。
【図9】 従来のトロイダル型無段変速機の伝動機構を示す模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 主伝動機の入力軸
4 前後進切り換え機構
5 フロント側トロイダル伝動ユニット
6 リヤ側トロイダル伝動ユニット
7 入力ディスク
8 出力ディスク
9 パワーローラ
10 主軸
11 中空出力軸
12 出力歯車
13 カウンターシャフト
14 カウンターギヤ
15 出力歯車組
16 変速機出力軸
20 副変速機
21 ハウジング
22 ドライブプレート
23 単純遊星歯車組
23c キャリア
23r リングギヤ
23s サンギヤ
24 高速段選択クラッチ
24h クラッチハブ
24d クラッチドラム
24p クラッチピストン
25 ワンウェイクラッチ(低速段選択ブレーキ)
26 中空固定軸
27 高速段用ダンパー
28 低速段用ダンパー
31 コントロールバルブボディー
32 変速機コントローラ
33 エンジン回転センサ
34 スロットル開度センサ
35 アイドルスイッチ
36 ブレーキスイッチ
37 車速センサ
41 兼用ダンパー
42 ダブルピニオン型遊星歯車組
42c キャリア
42r リングギヤ
42s サンギヤ

Claims (3)

  1. 中立状態にし得る主伝動機の前段に、入力回転を減速して出力する低速段と高速段とを有する副変速機を設け、
    前記副変速機に単純遊星歯車組を設け、
    該単純遊星歯車組のキャリアを変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびリングギヤの一方に前記入力回転を伝達するよう接続し、
    リングギヤおよびサンギヤの他方を低速段選択ブレーキにより回転不能にすることで前記低速段選択状態となり、
    単純遊星歯車組の前記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共にリングギヤおよびサンギヤの前記他方を前記低速段選択ブレーキの解放により回転可能にすることで前記高速段選択状態となるよう構成し、
    前記低速段選択ブレーキをワンウェイクラッチで構成し、該ワンウェイクラッチを、前記低速段選択時に前記低速段選択ブレーキで回転不能にすべき要素が前記入力回転と逆の方向へ回転し得なくなる向きに配置し、
    前記副変速機の低速段選択状態で、前記主変速機を中立状態から動力伝達状態にする摩擦要素を締結進行制御することにより発進制御を可能にしたことを特徴とする自動変速機の伝動機構。
  2. 中立状態にし得る主伝動機の前段に、入力回転を減速して出力する低速段と高速段とを有する副変速機を設け、
    前記副変速機にダブルピニオン型遊星歯車組を設け、
    該ダブルピニオン型遊星歯車組のリングギヤを変速機の入力軸に接続し、サンギヤおよびキャリアの一方に前記入力回転を伝達するよう接続し、
    サンギヤおよびキャリアの他方を低速段選択ブレーキにより回転不能にすることで前記低速段選択状態となり、
    ダブルピニオン型遊星歯車組の前記3要素のうち任意の2要素を高速段選択クラッチにより相互に結合すると共にサンギヤおよびキャリアの前記他方を前記低速段選択ブレーキの解放により回転可能にすることで前記高速段選択状態となるよう構成し、
    前記低速段選択ブレーキをワンウェイクラッチで構成し、該ワンウェイクラッチを、前記低速段選択時に前記低速段選択ブレーキで回転不能にすべき要素が前記入力回転と逆の方向へ回転し得なくなる向きに配置し、
    前記副変速機の低速段選択状態で、前記主変速機を中立状態から動力伝達状態にする摩擦要素を締結進行制御することにより発進制御を可能にしたことを特徴とする自動変速機の伝動機構。
  3. 請求項1または2において、前記ワンウェイクラッチのインナレースを変速機ケースに固定し、アウタレースを、該ワンウェイクラッチで回転不能にすべき要素に接続したことを特徴とする自動変速機の伝動機構。
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