JP2004237489A - 印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法及び該方法に用いるサーマルロール紙 - Google Patents
印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法及び該方法に用いるサーマルロール紙 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】印字装置に適合する認定紙であるか否かを印字装置で判定し得るようにして、不適合ロール紙の使用を防止し得るようにする。
【解決手段】感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙6をロール保持部7に回転可能に保持し、該ロール保持部7から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッド13により印字するようにした印字装置1にあって、サーマルロール紙6の露出面に真正マーク16を形成するとともに、印字装置1の、前記露出面に対向する位置に真正マーク16を検知するセンサー17を設け、該センサー17により真正マーク16が検知されることを条件として、印字装置1を正常駆動するようにした。これにより、真正マーク16のないサーマルロール紙6の場合には、印字装置1が非正常駆動状態となり、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙6をロール保持部7に回転可能に保持し、該ロール保持部7から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッド13により印字するようにした印字装置1にあって、サーマルロール紙6の露出面に真正マーク16を形成するとともに、印字装置1の、前記露出面に対向する位置に真正マーク16を検知するセンサー17を設け、該センサー17により真正マーク16が検知されることを条件として、印字装置1を正常駆動するようにした。これにより、真正マーク16のないサーマルロール紙6の場合には、印字装置1が非正常駆動状態となり、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルロール紙を印字媒体とする印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法及び該方法に用いるサーマルロール紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に感熱発色層を備えた長尺な感熱紙をロ−ル状に巻回したサーマルロール紙は、サーマルプリンタからなる印字装置用の記録紙として使用されている。印字装置メーカーでは、最良の印字品質を確保するため、当該印字装置との適合性を検証して認定した認定紙を使用することを推奨しているが、印字装置及び記録紙には認定紙か否かを確認する機能がないため、ユーザーが印字装置メーカーの推奨を無視して認定紙でない安価なサーマルロール紙を使用することが可能であった。
【0003】
一方、発色感度の異なる複数種類のサーマルロール紙が使用可能な印字装置にあって、ロール紙側面に付された紙の種類を表す識別マークをセンサーで読み取って、サーマルヘッドの発熱量をサーマルロール紙の発色感度に応じて制御するようにしたもの(例えば、特許文献1,特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−187662号公報
【特許文献2】
特開2001−180058号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サーマルプリンタからなる印字装置にあっては、発色感度が適合しないサーマルロール紙を使用すると、サーマルヘッドによる適正温度の熱印可が行われないため、熱印可不足による掠れ発色や、熱印可過剰による尾引き発色等の発色不良が発生する。また、認定紙でない安価なサーマルロール紙は粗悪である場合が多く、このような粗悪なサーマルロール紙を使用することにより、サーマルヘッドに紙粉が付着したり、サーマルヘッドが早期に摩耗したりするため、これに起因して断線,印字抜け等の印字不良が発生することとなり、また、定量紙送り用センサーへの紙粉の付着により、紙送りが良好に行われなくなる等の印字障害の一因にもなっていた。
【0006】
また、ロール紙側面に付された紙の種類を表す識別マークをセンサーで読み取ることにより、サーマルヘッドの発熱量をサーマルロール紙の発色感度に応じて制御するようにしたものは、適正温度の熱印可を行うことを目的としており、認定紙でない粗悪なサーマルロール紙の使用を防止できるものではなかった。
【0007】
本発明は、印字装置に適合する認定紙であるか否かを印字装置で判定し得るようにして、不適合ロール紙の使用を防止し得るようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙をロール保持部に回転可能に保持し、該ロール保持部から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッドにより印字するようにした印字装置において、サーマルロール紙の露出面に真正マークを形成するとともに、印字装置の、前記露出面に対向する位置に真正マークを検知するセンサーを設け、該センサーにより真正マークが検知されることを条件として、印字装置を正常駆動するようにしたことを特徴とする印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法である。
【0009】
ここで、真正マークを形成するサーマルロール紙の露出面としては、ロール状の感熱紙の側端面や、該感熱紙を巻装する紙管の側端面、或いは該紙管の内周面が好適であり、これらの露出面の一部或いは全体に真正マークが形成されることとなる。また、真正マークの形成手段としては、印刷によって直接形成したり、特に、紙管の内周面に対しては、真正マークを印刷したラベルを貼着することにより形成することができる。
【0010】
かかる構成にあって、露出面に真正マークを形成して認定紙としたサーマルロール紙を、印字装置のロール保持部にセットした状態において、センサーが前記真正マークを検知することを条件として、印字装置が正常駆動されることにより、真正マークのないサーマルロール紙の場合には、印字装置が非正常駆動状態となる。ここで、非正常駆動状態としては、サーマルヘッドの駆動を停止して印字不能としたり、認定紙を使用する旨の警告メッセージを表示したり、或いは、認定紙を使用する旨の警告メッセージを表示した状態で印字不能とする等の種々の態様が提案される。これにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0011】
また、上記真正マークが赤外吸収インキまたは紫外吸収インキにより形成され、センサーが該真正マークに照射される特定波長の光の吸収を検出するものとする構成や、真正マークが蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキにより形成され、センサーが該真正マークの蛍光発光を検出するものとする構成が提案される。
【0012】
かかる構成にあって、赤外吸収インキまたは紫外吸収インキ、蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキが特殊なインキであり、容易に入手することができないため、これらのインキを用いての真正マークの偽造を防止することが可能となる。
【0013】
また、本発明は、感熱紙をロール状に巻回してなり、印字装置のロール保持部に回転可能に保持され、該ロール保持部から感熱紙が順次引き出されてサーマルヘッドにより印字されるサーマルロール紙において、前記印字装置に設けられたセンサーにより検知されるものであって、該センサーにより検知されることを条件として印字装置が正常駆動状態に制御されることとなる真正マークを、露出面に形成したことを特徴とするサーマルロール紙である。
【0014】
かかる構成にあって、露出面に真正マークが形成されたサーマルロール紙を印字装置のロール保持部にセットすることにより、該真正マークがセンサーによって検知されて、印字装置が正常駆動されることとなる。従って、このような真正マークを認定紙に形成しておくことにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0015】
また、上記真正マークを、赤外線の吸収を検出するセンサーにより検知される赤外吸収インキ、または紫外線の吸収を検出するセンサーにより検知される紫外吸収インキ、或いは蛍光発光を検出するセンサーにより検知される蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキによって構成することが提案される。かかる構成にあっては、これらのインキが特殊なもので入手困難であるため、真正マークを付した認定紙の偽造を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第一実施例を、図1〜図6に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、印字装置1の本体ケース2の正面には、印字された感熱紙が排出される排紙口3と、複数の入力用キーを備えた入力操作部4と、入力情報その他の所要メッセージを表示する表示部5が配設されている。
【0018】
本体ケース2の内部には、図2に示すように、その上半部分に、サーマルロール紙6を回転可能に保持するロール保持部7と、該ロール保持部7から引き出されるサーマルロール紙6の感熱紙に印字を施す印字機構8とが配設されている。また、本体ケース2の内部の下半部分には、印字装置1の作動制御手段を構成する制御部9やその他の所要装置(図示省略)が配設されている。
【0019】
前記ロール保持部7は、本体ケース2の側壁または本体ケース2内に設けた支持フレーム等の支持部材10(図3参照)から水平状に突設された支軸11からなり、該支軸11に感熱紙を巻装した紙管12を外嵌させることにより、サーマルロール紙6を回転可能に保持し得るようになっている。また、前記印字機構8は、サーマルヘッド13,プラテンローラ14,テンションローラ19及び図示しない動力伝達機構を介してプラテンローラ14に連繋される駆動用モータ15(図5参照)等の所要機器によって構成されている。
【0020】
そして、ロール保持部7に保持されたサーマルロール紙6を構成する長尺な感熱紙は、前記駆動用モータ15の駆動力により回転駆動されるプラテンローラ14によってロール保持部7から順次引き出され、サーマルヘッド13により印字された後、排紙口3に送られ、該排紙口3で図示しない自動カッターまたは手作業で切り離されて単票となる。
【0021】
また、ロール保持部7に保持されたサーマルロール紙6の側部には、図3に示すように、後述するサーマルロール紙6の真正マーク16に対向する位置に、該真正マーク16を検知する光センサーからなるセンサー17が配設されている。
【0022】
前記サーマルロール紙6は、表面に感熱発色層が形成された長尺な感熱紙を、紙管12に巻回してロール状としたものであり、図4(イ)〜(ニ)に示すように、該サーマルロール紙6の側面の露出面には真正マーク16が形成されている。該真正マーク16は、通常の印刷用インキまたは所定の特性を有する特殊インキを印刷することにより形成され得るが、偽造を防止するためには特殊インキを用いることが好ましい。図4(イ)は、真正マーク16をロール状の感熱紙の側端面及び紙管12の側端面の全体に亘って印刷した状態を示し、図4(ロ)は、真正マーク16をロール状の感熱紙の側端面に部分的に印刷した状態を示す。また、図4(ハ)は、真正マーク16を紙管12の側端面の全体に亘って印刷した状態を示し、図4(ニ)は、真正マーク16を紙管12の側端面に部分的に印刷した状態を示す。ここで、図4(イ),(ハ)に示すように、真正マーク16を全体に亘って形成すれば、サーマルロール紙6が回転しなくてもセンサー17による検知が可能であり、また、図4(ロ),(ニ)に示すように、真正マーク16を部分的に形成すれば、サーマルロール紙6が回転して真正マーク16がセンサー17の位置に移動したときにのみ検知可能となるが、この場合にはインキの使用量を節約し得る利点がある。
【0023】
前記真正マーク16の形成に使用する特殊インキとしては、赤外吸収インキまたは紫外吸収インキ、或いは蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキが好適なものとして挙げられる。ここで、赤外吸収インキは、照射された赤外線を吸収する特性を有するインキであり、この赤外吸収インキを使用する場合には、センサー17として、赤外線を照射する発光部と、照射した赤外線の吸収を検出する機能を持つ受光部とを備えた赤外線センサーが用いられる。また、紫外吸収インキは、照射された紫外線を吸収する特性を有するインキであり、この紫外吸収インキを使用する場合には、紫外線を照射する発光部と、照射した紫外線の吸収を検出する機能を持つ受光部とを備えた紫外線センサーからなるセンサー17が用いられる。一方、蛍光インキは、紫外線の照射により蛍光発光する特性を有するインキであり、この蛍光インキを使用する場合には、紫外線を照射する発光部と、蛍光発光を検出する機能を持つ受光部とを備えた蛍光センサーからなるセンサー17が用いられる。また、赤外蛍光発光インキは、特定の波長の光を照射すると赤外域で蛍光発光する特性を有するインキであり、この赤外蛍光発光インキを使用する場合には、特定の波長の光を照射する発光部と、赤外域での蛍光発光を検出する機能を持つ受光部とを備えた蛍光センサーからなるセンサー17が用いられる。尚、これらの特殊インキを検出する各センサー17は、必ずしも発光部と受光部とを一体に備えたものである必要はなく、分離型のセンサーであってもよい。
【0024】
図5は、印字装置1の作動制御手段を構成する制御回路のブロック図を示す。マイクロプロセッサにより構成される制御部9には、印字装置1の作動を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上に中央制御装置CPUが配設されている。該中央制御装置CPUは、印字装置1の作動に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この中央制御装置CPUには、動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが接続され、制御部9の基板回路を構成している。
【0025】
前記制御部9には、印字データやコマンドを入力する入力操作部4と、入力情報その他の所要メッセージを表示する表示部5が接続されるとともに、サーマルヘッド13と、駆動用モータ15が接続されている。
【0026】
また、制御部9には、サーマルロール紙6の真正マーク16を検知するセンサー17が接続されている。該センサー17の受光部には、特定波長の光の強弱または有無を判定する閾値が設定されており、該閾値以下の光の強さ、または閾値以上の光の強さを検知すると、検知信号が出力される。ここで、真正マーク16を上述した赤外吸収インキまたは紫外吸収インキで形成した場合には、真正マーク16からの赤外線または紫外線の反射光が閾値以下の場合に検知信号が出力されるようになっている。また、真正マーク16を上述した蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキで形成した場合には、真正マーク16から放射される蛍光発光が閾値以上の場合に検知信号が出力されるようになっている。
【0027】
前記制御部9の記憶装置RAMには、センサー17から出力された検知信号を一時的に記憶する記憶エリアが設けられている。また、該記憶装置RAMには、入力操作部4から入力された入力データ,該入力データに基づいて生成される印字用データ,表示部5に表示される表示データ等の所要データを夫々一時的に記憶する記憶エリアが設けられている。また、前記制御部9の記憶装置ROMには、非正常駆動時に表示される「認定紙をお使い下さい」等の警告メッセージやその他の所要メッセージ等の固定データが格納されている。
【0028】
次に、上述した作動制御手段による印字装置1の作動制御態様を、図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0029】
先ず、サーマルロール紙6を、図2に示すように、ロール保持部7に保持させるとともに、ロール保持部7から感熱紙の始端部を引き出して、サーマルヘッド13とプラテンローラ14間に挿通する。この状態で印字装置1の電源を入れると、制御部9から送出される制御指令信号により、センサー17による真正マーク16の検知が開始されるとともに[ステップ1(S1)]、駆動用モータ15に所定時間の通電が行われてプラテンローラ14が回転駆動される[ステップ2(S2)]。ここで、真正マーク16がロール状の感熱紙の側端面及び紙管12の側端面の全体に亘って印刷されたサーマルロール紙6(図4(イ)参照)や、真正マーク16が紙管12の側端面の全体に亘って形成されたサーマルロール紙6(図4(ハ)参照)にあっては、該サーマルロール紙6の側面の露出面に対向するセンサー17によって真正マーク16が即座に検知される[ステップ3(S3)]。一方、真正マーク16がロール状の感熱紙の側端面または紙管12の側端面に部分的に形成されたサーマルロール紙6(図4(ロ),(ニ)参照)にあっては、制御部9による駆動用モータ15への所定時間の通電制御によってプラテンローラ14が回転駆動されて感熱紙が引き出され、これに伴ってサーマルロール紙6が回転して真正マーク16がセンサー17に対向する位置に移動すると、該センサー17によって真正マーク16が検知される[ステップ3(S3)]。
【0030】
このように、ステップ3(S3)で、センサー17により真正マーク16が検知され、その検知信号が制御部9に入力されると、印字装置1が正常駆動状態となるように制御され[ステップ4(S4)]、正常な印字処理が実行可能となる。即ち、入力操作部4から入力された入力データに基づいて印字用データが生成され、記憶装置RAMの記憶エリアに一時的に記憶される。そして、入力操作部4の印刷実行キーを操作して印字ジョブを開始すると、記憶装置RAMの記憶エリアから印字用データが一行ずつ読み出され、その印字用データに基づくサーマルヘッド13の駆動制御によって、感熱紙に印字が施される[ステップ5(S5)]。また、このような一行ずつの印字毎に駆動用モータ15によってプラテンローラ14が回転駆動され、感熱紙が一行分ずつ排紙口3側に紙送りされる[ステップ6(S6)]。そして、記憶装置RAMの記憶エリアに一時的に記憶されている印字用データの印字が全て終了したか判断され[ステップ7(S7)]、印字が全て終了すると、感熱紙が所定長さ分だけ紙送りされて、印字済みの感熱紙が排紙口3から排出され[ステップ8(S8)]、処理が終了する。
【0031】
一方、駆動用モータ15への通電制御が行われる所定時間内に、ステップ3(S3)で、センサー17によって真正マーク16が検知されない場合には、制御部9によって印字装置1が非正常駆動状態となるように制御される[ステップ9(S9)]。この非正常駆動状態では、入力操作部4の印刷実行キーを操作してもサーマルヘッド13及び駆動用モータ15が駆動しない印字不能状態となり[ステップ10(S10)]、表示部5に「認定紙をお使い下さい」等の警告メッセージが表示されて[ステップ11(S11)]、処理が終了する。
【0032】
尚、このフローチャートによる処理行程は、印字装置1への電源投入時、及び電源投入に連続しない印字ジョブの開始毎に実行される。
【0033】
このように、側面の露出面に真正マーク16を形成したサーマルロール紙6を、ロール保持部7にセットした状態において、センサー17が真正マーク16を検知することを条件として、印字装置1が正常駆動されることにより、認定紙のサーマルロール紙に真正マーク16を形成しておけば、印字装置1によって支障なく印字することができる一方、真正マーク16のないサーマルロール紙の場合には、印字装置1が非正常駆動状態となる。これにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0034】
図7は、第二実施例を示し、この実施例は、サーマルロール紙6の露出面としての紙管12の内周面に、真正マーク16を形成したものであり、その形成手段として、真正マーク16を表面に印刷したラベル18を紙管12の内周面に貼着するようにしている。また、該真正マーク16を検知するセンサー17は、紙管12が外嵌されるロール保持部7の支軸11内に配設されている。尚、真正マーク16の形成には、通常の印刷用インキ、または上述した赤外吸収インキ,紫外吸収インキ,蛍光インキ,赤外蛍光発光インキ等の所定の特性を有する特殊インキが用いられるとともに、センサー17には、これらのインキの特性に対応したものが用いられる。
【0035】
かかる構成にあっても、図6に示すフローチャートに基づく印字装置1の作動制御態様によって、真正マーク16を形成したサーマルロール紙6に対して支障なく印字を施すことができる一方、真正マーク16のないサーマルロール紙の場合には、印字装置1が非正常駆動状態となり、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0036】
尚、上述した第一実施例では、サーマルロール紙6を回転可能に保持するロール保持部7を支軸11によって構成するようにしているが、ロール保持部7は支軸11に代えて、サーマルロール紙6の外周を囲繞する周壁によって構成することも可能である。また、第一実施例及び第二実施例では、光センサーにより光学的に検知可能なインキによって真正マーク16を形成した例を示したが、これ以外に真正マーク16は、磁気センサーにより検知可能な磁性インキで形成することも可能である。また、該磁性インキを含め、上述した赤外吸収インキ,紫外吸収インキ,蛍光インキ,赤外蛍光発光インキ等の特殊インキは、透明なものを用いることができ、このような透明な特殊インキを用いて真正マーク16を視認不能に形成することにより、偽造防止効果をさらに高めることが可能となる。
【0037】
さらに、実施例では、印字装置1の非正常駆動状態を、認定紙を使用する旨の警告メッセージを表示した状態で印字不能とする態様としたが、これに代えて、単にサーマルヘッド13の駆動を停止して印字不能とする態様や、認定紙を使用する旨の警告メッセージのみを表示する態様とすることもできる。ここで、警告メッセージのみを表示する態様にあっては、印字可能であるが、警告メッセージを表示した場合にそのログを記憶装置RAMに記憶するようにしておけば、メンテナンス時に認定紙を使用していたか否かを確認することが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙をロール保持部に回転可能に保持し、該ロール保持部から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッドにより印字するようにした印字装置にあって、サーマルロール紙の露出面に真正マークを形成するとともに、印字装置の、前記露出面に対向する位置に真正マークを検知するセンサーを設け、該センサーにより真正マークが検知されることを条件として、印字装置を正常駆動するようにしたから、認定紙のサーマルロール紙に真正マークを形成しておけば、印字装置によって支障なく印字することができる一方、真正マークのないサーマルロール紙の場合には、印字装置が非正常駆動状態となることにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0039】
また、上記真正マークが赤外吸収インキまたは紫外吸収インキにより形成され、センサーが該真正マークに照射される特定波長の光の吸収を検出するものとする構成や、真正マークが蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキにより形成され、センサーが該真正マークの蛍光発光を検出するものとする構成とすれば、赤外吸収インキまたは紫外吸収インキ、蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキが特殊なインキであり、容易に入手することができないため、これらのインキを用いての真正マークの偽造を防止することが可能となる。
【0040】
また、本発明は、感熱紙をロール状に巻回してなり、印字装置のロール保持部に回転可能に保持され、該ロール保持部から感熱紙が順次引き出されてサーマルヘッドにより印字されるサーマルロール紙において、前記印字装置に設けられたセンサーにより検知されるものであって、該センサーにより検知されることを条件として印字装置が正常駆動状態に制御されることとなる真正マークを、露出面に形成したサーマルロール紙であるから、該サーマルロール紙を印字装置のロール保持部にセットすることにより、該真正マークがセンサーによって検知されて、印字装置が正常駆動されることとなる。従って、このような真正マークを認定紙に形成しておくことにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0041】
また、上記真正マークを、赤外線の吸収を検出するセンサーにより検知される赤外吸収インキ、または紫外線の吸収を検出するセンサーにより検知される紫外吸収インキ、或いは蛍光発光を検出するセンサーにより検知される蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキによって形成することにより、これらのインキが特殊なもので入手困難であるため、真正マークを付した認定紙の偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例にかかる印字装置の外観斜視図である。
【図2】同上の印字装置の内部を示す上部切欠側面図である。
【図3】サーマルロール紙を保持したロール保持部の断面図である。
【図4】種々の形成態様で真正マークを形成した状態を示すサーマルロール紙の側面図である。
【図5】印字装置の作動制御手段を構成する制御回路のブロック図である。
【図6】印字処理を示すフローチャートである。
【図7】第二実施例にかかるサーマルロール紙を保持したロール保持部の断面図である。
【符号の説明】
1 印字装置
6 サーマルロール紙
7 ロール保持部
13 サーマルヘッド
16 真正マーク
17 センサー
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルロール紙を印字媒体とする印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法及び該方法に用いるサーマルロール紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に感熱発色層を備えた長尺な感熱紙をロ−ル状に巻回したサーマルロール紙は、サーマルプリンタからなる印字装置用の記録紙として使用されている。印字装置メーカーでは、最良の印字品質を確保するため、当該印字装置との適合性を検証して認定した認定紙を使用することを推奨しているが、印字装置及び記録紙には認定紙か否かを確認する機能がないため、ユーザーが印字装置メーカーの推奨を無視して認定紙でない安価なサーマルロール紙を使用することが可能であった。
【0003】
一方、発色感度の異なる複数種類のサーマルロール紙が使用可能な印字装置にあって、ロール紙側面に付された紙の種類を表す識別マークをセンサーで読み取って、サーマルヘッドの発熱量をサーマルロール紙の発色感度に応じて制御するようにしたもの(例えば、特許文献1,特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−187662号公報
【特許文献2】
特開2001−180058号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サーマルプリンタからなる印字装置にあっては、発色感度が適合しないサーマルロール紙を使用すると、サーマルヘッドによる適正温度の熱印可が行われないため、熱印可不足による掠れ発色や、熱印可過剰による尾引き発色等の発色不良が発生する。また、認定紙でない安価なサーマルロール紙は粗悪である場合が多く、このような粗悪なサーマルロール紙を使用することにより、サーマルヘッドに紙粉が付着したり、サーマルヘッドが早期に摩耗したりするため、これに起因して断線,印字抜け等の印字不良が発生することとなり、また、定量紙送り用センサーへの紙粉の付着により、紙送りが良好に行われなくなる等の印字障害の一因にもなっていた。
【0006】
また、ロール紙側面に付された紙の種類を表す識別マークをセンサーで読み取ることにより、サーマルヘッドの発熱量をサーマルロール紙の発色感度に応じて制御するようにしたものは、適正温度の熱印可を行うことを目的としており、認定紙でない粗悪なサーマルロール紙の使用を防止できるものではなかった。
【0007】
本発明は、印字装置に適合する認定紙であるか否かを印字装置で判定し得るようにして、不適合ロール紙の使用を防止し得るようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙をロール保持部に回転可能に保持し、該ロール保持部から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッドにより印字するようにした印字装置において、サーマルロール紙の露出面に真正マークを形成するとともに、印字装置の、前記露出面に対向する位置に真正マークを検知するセンサーを設け、該センサーにより真正マークが検知されることを条件として、印字装置を正常駆動するようにしたことを特徴とする印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法である。
【0009】
ここで、真正マークを形成するサーマルロール紙の露出面としては、ロール状の感熱紙の側端面や、該感熱紙を巻装する紙管の側端面、或いは該紙管の内周面が好適であり、これらの露出面の一部或いは全体に真正マークが形成されることとなる。また、真正マークの形成手段としては、印刷によって直接形成したり、特に、紙管の内周面に対しては、真正マークを印刷したラベルを貼着することにより形成することができる。
【0010】
かかる構成にあって、露出面に真正マークを形成して認定紙としたサーマルロール紙を、印字装置のロール保持部にセットした状態において、センサーが前記真正マークを検知することを条件として、印字装置が正常駆動されることにより、真正マークのないサーマルロール紙の場合には、印字装置が非正常駆動状態となる。ここで、非正常駆動状態としては、サーマルヘッドの駆動を停止して印字不能としたり、認定紙を使用する旨の警告メッセージを表示したり、或いは、認定紙を使用する旨の警告メッセージを表示した状態で印字不能とする等の種々の態様が提案される。これにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0011】
また、上記真正マークが赤外吸収インキまたは紫外吸収インキにより形成され、センサーが該真正マークに照射される特定波長の光の吸収を検出するものとする構成や、真正マークが蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキにより形成され、センサーが該真正マークの蛍光発光を検出するものとする構成が提案される。
【0012】
かかる構成にあって、赤外吸収インキまたは紫外吸収インキ、蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキが特殊なインキであり、容易に入手することができないため、これらのインキを用いての真正マークの偽造を防止することが可能となる。
【0013】
また、本発明は、感熱紙をロール状に巻回してなり、印字装置のロール保持部に回転可能に保持され、該ロール保持部から感熱紙が順次引き出されてサーマルヘッドにより印字されるサーマルロール紙において、前記印字装置に設けられたセンサーにより検知されるものであって、該センサーにより検知されることを条件として印字装置が正常駆動状態に制御されることとなる真正マークを、露出面に形成したことを特徴とするサーマルロール紙である。
【0014】
かかる構成にあって、露出面に真正マークが形成されたサーマルロール紙を印字装置のロール保持部にセットすることにより、該真正マークがセンサーによって検知されて、印字装置が正常駆動されることとなる。従って、このような真正マークを認定紙に形成しておくことにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0015】
また、上記真正マークを、赤外線の吸収を検出するセンサーにより検知される赤外吸収インキ、または紫外線の吸収を検出するセンサーにより検知される紫外吸収インキ、或いは蛍光発光を検出するセンサーにより検知される蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキによって構成することが提案される。かかる構成にあっては、これらのインキが特殊なもので入手困難であるため、真正マークを付した認定紙の偽造を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第一実施例を、図1〜図6に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、印字装置1の本体ケース2の正面には、印字された感熱紙が排出される排紙口3と、複数の入力用キーを備えた入力操作部4と、入力情報その他の所要メッセージを表示する表示部5が配設されている。
【0018】
本体ケース2の内部には、図2に示すように、その上半部分に、サーマルロール紙6を回転可能に保持するロール保持部7と、該ロール保持部7から引き出されるサーマルロール紙6の感熱紙に印字を施す印字機構8とが配設されている。また、本体ケース2の内部の下半部分には、印字装置1の作動制御手段を構成する制御部9やその他の所要装置(図示省略)が配設されている。
【0019】
前記ロール保持部7は、本体ケース2の側壁または本体ケース2内に設けた支持フレーム等の支持部材10(図3参照)から水平状に突設された支軸11からなり、該支軸11に感熱紙を巻装した紙管12を外嵌させることにより、サーマルロール紙6を回転可能に保持し得るようになっている。また、前記印字機構8は、サーマルヘッド13,プラテンローラ14,テンションローラ19及び図示しない動力伝達機構を介してプラテンローラ14に連繋される駆動用モータ15(図5参照)等の所要機器によって構成されている。
【0020】
そして、ロール保持部7に保持されたサーマルロール紙6を構成する長尺な感熱紙は、前記駆動用モータ15の駆動力により回転駆動されるプラテンローラ14によってロール保持部7から順次引き出され、サーマルヘッド13により印字された後、排紙口3に送られ、該排紙口3で図示しない自動カッターまたは手作業で切り離されて単票となる。
【0021】
また、ロール保持部7に保持されたサーマルロール紙6の側部には、図3に示すように、後述するサーマルロール紙6の真正マーク16に対向する位置に、該真正マーク16を検知する光センサーからなるセンサー17が配設されている。
【0022】
前記サーマルロール紙6は、表面に感熱発色層が形成された長尺な感熱紙を、紙管12に巻回してロール状としたものであり、図4(イ)〜(ニ)に示すように、該サーマルロール紙6の側面の露出面には真正マーク16が形成されている。該真正マーク16は、通常の印刷用インキまたは所定の特性を有する特殊インキを印刷することにより形成され得るが、偽造を防止するためには特殊インキを用いることが好ましい。図4(イ)は、真正マーク16をロール状の感熱紙の側端面及び紙管12の側端面の全体に亘って印刷した状態を示し、図4(ロ)は、真正マーク16をロール状の感熱紙の側端面に部分的に印刷した状態を示す。また、図4(ハ)は、真正マーク16を紙管12の側端面の全体に亘って印刷した状態を示し、図4(ニ)は、真正マーク16を紙管12の側端面に部分的に印刷した状態を示す。ここで、図4(イ),(ハ)に示すように、真正マーク16を全体に亘って形成すれば、サーマルロール紙6が回転しなくてもセンサー17による検知が可能であり、また、図4(ロ),(ニ)に示すように、真正マーク16を部分的に形成すれば、サーマルロール紙6が回転して真正マーク16がセンサー17の位置に移動したときにのみ検知可能となるが、この場合にはインキの使用量を節約し得る利点がある。
【0023】
前記真正マーク16の形成に使用する特殊インキとしては、赤外吸収インキまたは紫外吸収インキ、或いは蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキが好適なものとして挙げられる。ここで、赤外吸収インキは、照射された赤外線を吸収する特性を有するインキであり、この赤外吸収インキを使用する場合には、センサー17として、赤外線を照射する発光部と、照射した赤外線の吸収を検出する機能を持つ受光部とを備えた赤外線センサーが用いられる。また、紫外吸収インキは、照射された紫外線を吸収する特性を有するインキであり、この紫外吸収インキを使用する場合には、紫外線を照射する発光部と、照射した紫外線の吸収を検出する機能を持つ受光部とを備えた紫外線センサーからなるセンサー17が用いられる。一方、蛍光インキは、紫外線の照射により蛍光発光する特性を有するインキであり、この蛍光インキを使用する場合には、紫外線を照射する発光部と、蛍光発光を検出する機能を持つ受光部とを備えた蛍光センサーからなるセンサー17が用いられる。また、赤外蛍光発光インキは、特定の波長の光を照射すると赤外域で蛍光発光する特性を有するインキであり、この赤外蛍光発光インキを使用する場合には、特定の波長の光を照射する発光部と、赤外域での蛍光発光を検出する機能を持つ受光部とを備えた蛍光センサーからなるセンサー17が用いられる。尚、これらの特殊インキを検出する各センサー17は、必ずしも発光部と受光部とを一体に備えたものである必要はなく、分離型のセンサーであってもよい。
【0024】
図5は、印字装置1の作動制御手段を構成する制御回路のブロック図を示す。マイクロプロセッサにより構成される制御部9には、印字装置1の作動を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上に中央制御装置CPUが配設されている。該中央制御装置CPUは、印字装置1の作動に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この中央制御装置CPUには、動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが接続され、制御部9の基板回路を構成している。
【0025】
前記制御部9には、印字データやコマンドを入力する入力操作部4と、入力情報その他の所要メッセージを表示する表示部5が接続されるとともに、サーマルヘッド13と、駆動用モータ15が接続されている。
【0026】
また、制御部9には、サーマルロール紙6の真正マーク16を検知するセンサー17が接続されている。該センサー17の受光部には、特定波長の光の強弱または有無を判定する閾値が設定されており、該閾値以下の光の強さ、または閾値以上の光の強さを検知すると、検知信号が出力される。ここで、真正マーク16を上述した赤外吸収インキまたは紫外吸収インキで形成した場合には、真正マーク16からの赤外線または紫外線の反射光が閾値以下の場合に検知信号が出力されるようになっている。また、真正マーク16を上述した蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキで形成した場合には、真正マーク16から放射される蛍光発光が閾値以上の場合に検知信号が出力されるようになっている。
【0027】
前記制御部9の記憶装置RAMには、センサー17から出力された検知信号を一時的に記憶する記憶エリアが設けられている。また、該記憶装置RAMには、入力操作部4から入力された入力データ,該入力データに基づいて生成される印字用データ,表示部5に表示される表示データ等の所要データを夫々一時的に記憶する記憶エリアが設けられている。また、前記制御部9の記憶装置ROMには、非正常駆動時に表示される「認定紙をお使い下さい」等の警告メッセージやその他の所要メッセージ等の固定データが格納されている。
【0028】
次に、上述した作動制御手段による印字装置1の作動制御態様を、図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0029】
先ず、サーマルロール紙6を、図2に示すように、ロール保持部7に保持させるとともに、ロール保持部7から感熱紙の始端部を引き出して、サーマルヘッド13とプラテンローラ14間に挿通する。この状態で印字装置1の電源を入れると、制御部9から送出される制御指令信号により、センサー17による真正マーク16の検知が開始されるとともに[ステップ1(S1)]、駆動用モータ15に所定時間の通電が行われてプラテンローラ14が回転駆動される[ステップ2(S2)]。ここで、真正マーク16がロール状の感熱紙の側端面及び紙管12の側端面の全体に亘って印刷されたサーマルロール紙6(図4(イ)参照)や、真正マーク16が紙管12の側端面の全体に亘って形成されたサーマルロール紙6(図4(ハ)参照)にあっては、該サーマルロール紙6の側面の露出面に対向するセンサー17によって真正マーク16が即座に検知される[ステップ3(S3)]。一方、真正マーク16がロール状の感熱紙の側端面または紙管12の側端面に部分的に形成されたサーマルロール紙6(図4(ロ),(ニ)参照)にあっては、制御部9による駆動用モータ15への所定時間の通電制御によってプラテンローラ14が回転駆動されて感熱紙が引き出され、これに伴ってサーマルロール紙6が回転して真正マーク16がセンサー17に対向する位置に移動すると、該センサー17によって真正マーク16が検知される[ステップ3(S3)]。
【0030】
このように、ステップ3(S3)で、センサー17により真正マーク16が検知され、その検知信号が制御部9に入力されると、印字装置1が正常駆動状態となるように制御され[ステップ4(S4)]、正常な印字処理が実行可能となる。即ち、入力操作部4から入力された入力データに基づいて印字用データが生成され、記憶装置RAMの記憶エリアに一時的に記憶される。そして、入力操作部4の印刷実行キーを操作して印字ジョブを開始すると、記憶装置RAMの記憶エリアから印字用データが一行ずつ読み出され、その印字用データに基づくサーマルヘッド13の駆動制御によって、感熱紙に印字が施される[ステップ5(S5)]。また、このような一行ずつの印字毎に駆動用モータ15によってプラテンローラ14が回転駆動され、感熱紙が一行分ずつ排紙口3側に紙送りされる[ステップ6(S6)]。そして、記憶装置RAMの記憶エリアに一時的に記憶されている印字用データの印字が全て終了したか判断され[ステップ7(S7)]、印字が全て終了すると、感熱紙が所定長さ分だけ紙送りされて、印字済みの感熱紙が排紙口3から排出され[ステップ8(S8)]、処理が終了する。
【0031】
一方、駆動用モータ15への通電制御が行われる所定時間内に、ステップ3(S3)で、センサー17によって真正マーク16が検知されない場合には、制御部9によって印字装置1が非正常駆動状態となるように制御される[ステップ9(S9)]。この非正常駆動状態では、入力操作部4の印刷実行キーを操作してもサーマルヘッド13及び駆動用モータ15が駆動しない印字不能状態となり[ステップ10(S10)]、表示部5に「認定紙をお使い下さい」等の警告メッセージが表示されて[ステップ11(S11)]、処理が終了する。
【0032】
尚、このフローチャートによる処理行程は、印字装置1への電源投入時、及び電源投入に連続しない印字ジョブの開始毎に実行される。
【0033】
このように、側面の露出面に真正マーク16を形成したサーマルロール紙6を、ロール保持部7にセットした状態において、センサー17が真正マーク16を検知することを条件として、印字装置1が正常駆動されることにより、認定紙のサーマルロール紙に真正マーク16を形成しておけば、印字装置1によって支障なく印字することができる一方、真正マーク16のないサーマルロール紙の場合には、印字装置1が非正常駆動状態となる。これにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0034】
図7は、第二実施例を示し、この実施例は、サーマルロール紙6の露出面としての紙管12の内周面に、真正マーク16を形成したものであり、その形成手段として、真正マーク16を表面に印刷したラベル18を紙管12の内周面に貼着するようにしている。また、該真正マーク16を検知するセンサー17は、紙管12が外嵌されるロール保持部7の支軸11内に配設されている。尚、真正マーク16の形成には、通常の印刷用インキ、または上述した赤外吸収インキ,紫外吸収インキ,蛍光インキ,赤外蛍光発光インキ等の所定の特性を有する特殊インキが用いられるとともに、センサー17には、これらのインキの特性に対応したものが用いられる。
【0035】
かかる構成にあっても、図6に示すフローチャートに基づく印字装置1の作動制御態様によって、真正マーク16を形成したサーマルロール紙6に対して支障なく印字を施すことができる一方、真正マーク16のないサーマルロール紙の場合には、印字装置1が非正常駆動状態となり、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0036】
尚、上述した第一実施例では、サーマルロール紙6を回転可能に保持するロール保持部7を支軸11によって構成するようにしているが、ロール保持部7は支軸11に代えて、サーマルロール紙6の外周を囲繞する周壁によって構成することも可能である。また、第一実施例及び第二実施例では、光センサーにより光学的に検知可能なインキによって真正マーク16を形成した例を示したが、これ以外に真正マーク16は、磁気センサーにより検知可能な磁性インキで形成することも可能である。また、該磁性インキを含め、上述した赤外吸収インキ,紫外吸収インキ,蛍光インキ,赤外蛍光発光インキ等の特殊インキは、透明なものを用いることができ、このような透明な特殊インキを用いて真正マーク16を視認不能に形成することにより、偽造防止効果をさらに高めることが可能となる。
【0037】
さらに、実施例では、印字装置1の非正常駆動状態を、認定紙を使用する旨の警告メッセージを表示した状態で印字不能とする態様としたが、これに代えて、単にサーマルヘッド13の駆動を停止して印字不能とする態様や、認定紙を使用する旨の警告メッセージのみを表示する態様とすることもできる。ここで、警告メッセージのみを表示する態様にあっては、印字可能であるが、警告メッセージを表示した場合にそのログを記憶装置RAMに記憶するようにしておけば、メンテナンス時に認定紙を使用していたか否かを確認することが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙をロール保持部に回転可能に保持し、該ロール保持部から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッドにより印字するようにした印字装置にあって、サーマルロール紙の露出面に真正マークを形成するとともに、印字装置の、前記露出面に対向する位置に真正マークを検知するセンサーを設け、該センサーにより真正マークが検知されることを条件として、印字装置を正常駆動するようにしたから、認定紙のサーマルロール紙に真正マークを形成しておけば、印字装置によって支障なく印字することができる一方、真正マークのないサーマルロール紙の場合には、印字装置が非正常駆動状態となることにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0039】
また、上記真正マークが赤外吸収インキまたは紫外吸収インキにより形成され、センサーが該真正マークに照射される特定波長の光の吸収を検出するものとする構成や、真正マークが蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキにより形成され、センサーが該真正マークの蛍光発光を検出するものとする構成とすれば、赤外吸収インキまたは紫外吸収インキ、蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキが特殊なインキであり、容易に入手することができないため、これらのインキを用いての真正マークの偽造を防止することが可能となる。
【0040】
また、本発明は、感熱紙をロール状に巻回してなり、印字装置のロール保持部に回転可能に保持され、該ロール保持部から感熱紙が順次引き出されてサーマルヘッドにより印字されるサーマルロール紙において、前記印字装置に設けられたセンサーにより検知されるものであって、該センサーにより検知されることを条件として印字装置が正常駆動状態に制御されることとなる真正マークを、露出面に形成したサーマルロール紙であるから、該サーマルロール紙を印字装置のロール保持部にセットすることにより、該真正マークがセンサーによって検知されて、印字装置が正常駆動されることとなる。従って、このような真正マークを認定紙に形成しておくことにより、認定紙以外の不適合ロール紙の使用を防止することができる。
【0041】
また、上記真正マークを、赤外線の吸収を検出するセンサーにより検知される赤外吸収インキ、または紫外線の吸収を検出するセンサーにより検知される紫外吸収インキ、或いは蛍光発光を検出するセンサーにより検知される蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキによって形成することにより、これらのインキが特殊なもので入手困難であるため、真正マークを付した認定紙の偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例にかかる印字装置の外観斜視図である。
【図2】同上の印字装置の内部を示す上部切欠側面図である。
【図3】サーマルロール紙を保持したロール保持部の断面図である。
【図4】種々の形成態様で真正マークを形成した状態を示すサーマルロール紙の側面図である。
【図5】印字装置の作動制御手段を構成する制御回路のブロック図である。
【図6】印字処理を示すフローチャートである。
【図7】第二実施例にかかるサーマルロール紙を保持したロール保持部の断面図である。
【符号の説明】
1 印字装置
6 サーマルロール紙
7 ロール保持部
13 サーマルヘッド
16 真正マーク
17 センサー
Claims (6)
- 感熱紙をロール状に巻回したサーマルロール紙をロール保持部に回転可能に保持し、該ロール保持部から感熱紙を順次引き出してサーマルヘッドにより印字するようにした印字装置において、
サーマルロール紙の露出面に真正マークを形成するとともに、印字装置の、前記露出面に対向する位置に真正マークを検知するセンサーを設け、該センサーにより真正マークが検知されることを条件として、印字装置を正常駆動するようにしたことを特徴とする印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法。 - 真正マークが赤外吸収インキまたは紫外吸収インキにより形成され、センサーが該真正マークに照射される特定波長の光の吸収を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載した印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法。
- 真正マークが蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキにより形成され、センサーが該真正マークの蛍光発光を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載した印字装置における不適合ロール紙の使用防止方法。
- 感熱紙をロール状に巻回してなり、印字装置のロール保持部に回転可能に保持され、該ロール保持部から感熱紙が順次引き出されてサーマルヘッドにより印字されるサーマルロール紙において、
前記印字装置に設けられたセンサーにより検知されるものであって、該センサーにより検知されることを条件として印字装置が正常駆動状態に制御されることとなる真正マークを、露出面に形成したことを特徴とするサーマルロール紙。 - 真正マークが、赤外線の吸収を検出するセンサーにより検知される赤外吸収インキ、または紫外線の吸収を検出するセンサーにより検知される紫外吸収インキからなるものであることを特徴とする請求項4に記載したサーマルロール紙。
- 真正マークが、蛍光発光を検出するセンサーにより検知される蛍光インキまたは赤外蛍光発光インキからなるものであることを特徴とする請求項4に記載したサーマルロール紙。
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