JP3553737B2 - 光定着装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー感熱プリンタに用いられ、カラー感熱記録紙の感熱発色層を定着するための光定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー感熱プリンタでは、支持体上に、例えばシアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層を順番に積層したカラー感熱記録紙が用いられ、3色面順次でカラー感熱記録紙にフルカラーで画像を記録する。画像の記録に際しては、カラー感熱記録紙を移動しながらサーマルヘッドで押圧・加熱して、最初に熱感度が最も高いイエロー感熱発色層にイエロー画像を1ラインずつ記録する。そして、このイエロー画像の記録直後に、イエロー用紫外線ランプから420nmの紫外線(近紫外線)をカラー感熱記録紙に照射して光定着する。この光定着によって、未発色のイエロー発色成分が光分解されて発色能力が消失される。
【0003】
イエロー画像の定着後に、サーマルヘッドでマゼンタ感熱発色層にマゼンタ画像を1ラインずつ記録し、この記録直後に、マゼンタ用紫外線ランプから365nmの紫外線を照射してマゼンタ画像を光定着する。最後に、サーマルヘッドでシアン感熱発色層にシアン画像を1ラインずつ記録する。
【0004】
イエロー用紫外線ランプの発光強度が小さいと、イエロー画像の定着不足が生じる。この場合には、光分解されずに残っているイエローの発色成分がマゼンタ画像の記録時に発色する。逆に、イエロー用紫外線ランプの発光強度が大きすぎると、マゼンタ感熱発色層の発色成分も僅かであるが光分解されるから、マゼンタ画像の濃度が全体的に低くなる。このため、イエロー用紫外線ランプについては、イエロー感熱発色層を過不足なく定着できるように、その発光強度が所定値に保たれるように調整されている。
【0005】
同様にマゼンタ画像の定着不足が生じると、シアン画像の記録時にマゼンタ発色成分が発色する。しかし、シアン感熱発色層には光定着性が与えられていないから、マゼンタ画像の過定着はなんら実害がない。そこで、マゼンタ画像の定着では、マゼンタ用紫外線ランプをフル発光させて、未発色のマゼンタ発色成分を全て光分解することができる適正照射量以上の充分な紫外線をカラー感熱記録紙に与えている。しかし、その発光強度が所定値に達していない状態で定着を行えば、定着不足が生じるから発光強度を監視する必要がある。
【0006】
このように、各紫外線ランプの発光強度を測定して調節し、あるいは監視するために、カラー感熱プリンタの光定着装置では、各紫外線ランプ毎に紫外線センサを設けてそれぞれの発光強度の測定をしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、紫外線センサは非常に高価であり、紫外線ランプ毎に紫外線センサを備えるようにすると、光定着装置およよびこれを内蔵したカラー感熱プリンタの製造原価が高くなってしまう。
【0008】
本発明は、上記問題を解消するためになされたもので、1つの紫外線センサを用いて、各紫外線ランプの発光強度をそれぞれ測定できるようにするとともに、紫外線ランプの種類に応じた測定精度が得られるようにした光定着装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の光定着装置は、カラー感熱記録紙の送り方向と直交する方向に配置され、第1及び第2の紫外線をそれぞれ放出する第1紫外線ランプ及び第2紫外線ランプと、これらの各紫外線ランプの後方へ照射された第1及び第2の紫外線をカラー感熱記録紙に向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタの前記第1紫外線ランプの背後の部分に設けた測定用開口と、この測定用開口を介して前記第1紫外線ランプからの第1の紫外線を直接に受光するとともに、第1紫外線ランプで反射または散乱した第2紫外線ランプからの第2の紫外線を受光するように、前記測定用開口に向けて配された紫外線センサとを備えたものである。請求項2記載の光定着装置は、紫外線センサをカラー感熱記録紙内の記録エリアの外側の部分に対向するように配したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2において、記録紙ロール10は、回転可能な供給軸11に嵌め込まれる。記録紙ロール10の下流には搬送ローラ対12が配置されており、この搬送ローラ対12は、記録紙ロール10から引き出されたカラー感熱記録紙14をニップする。搬送ローラ対12の下流には、順番にカッタ16,光定着装置17,回動自在なプラテンローラ18,排紙ローラ対19が配置され、またプラテンローラ18に対向してサーマルヘッド20が配置されている。
【0011】
カラー感熱記録紙14は、図3に示すように、支持体21上に、シアン感熱発色層22,365nmの紫外線に光定着性を有するマゼンタ感熱発色層23,420nmの紫外線(近紫外線)に光定着性を有するイエロー感熱発色層24,保護層25が順次層設されており、最上層のイエロー感熱発色層24の熱感度が最も高く、最下層のシアン感熱発色層22の熱感度が最も低い。イエロー感熱発色層は、420nmの紫外線をカラー感熱記録紙14に照射することによって発色能力が消失し、マゼンタ感熱発色層23は、365nmの紫外線をカラー感熱記録紙14に照射することによって発色能力が消失する。これらの各感熱発色層11〜13は、熱記録される順番に層設されているが、例えばマゼンタ,イエロー,シアンの順番に熱記録する場合には、イエロー感熱発色層24とマゼンタ感熱発色層23とが入れ換えられる。
【0012】
なお、各感熱発色層22〜24の間には、感熱発色層の熱感度を調整するための中間層が形成されているが、図面では省略してある。また、支持体21としては、不透明なコート紙またはプラスチックフイルムが用いられるが、OHPシートを作成する場合には、透明なプラスチックフイルムが用いられる。
【0013】
図4に記録紙ロール10から引き出したカラー感熱記録紙14の先端部分を示す。カラー感熱記録紙14はカット予定線LCでエリアPSに分けられ、各エリアPS内の記録エリアPAにカラー画像が記録され、その他の部分は画像が記録されない余白領域PWとなる。カラー感熱記録紙14は、カラー画像の記録後に、カット予定線LCで切断され、記録済みシートとしてカラー感熱プリンタから排紙される。
【0014】
また、カラー感熱記録紙14の記録面と反対の面で、各カット予定線LCから所定距離だけ離れた位置には、印刷等により位置決めマーク14aが記されている。この位置決めマーク14aは、サーマルヘッド19の圧接位置と退避位置との揺動及び記録開始のタイミング,記録シートへの切断のタイミングの制御に使用される。なお、カラー感熱記録紙14は、カット予定線LCで複数のエリアPSに分けられているが、以下の説明では、引き出されたカラー感熱記録紙14の先端部分のエリアPS及び記録エリアPAを便宜上、先端エリアPS,先端記録エリアPAと称して説明する。
【0015】
図2において、搬送ローラ対12は、パルスモータ12aによって正逆両方向に回転し、ニップしたカラー感熱記録紙14を往復動させる。1色の画像を記録する際には、カラー感熱記録紙14は、搬送ローラ対12の回転により、記録紙ロール10から引き出され、先端エリアPSの後端(記録紙ロール10側の端部)がサーマルヘッド20の位置に達するまで送り出される。この後に、搬送ローラ対12の回転が切り換えられて、カラー感熱記録紙14が記録紙ロール10方向(図中矢印A方向)に引き戻され、この引き戻しの間にサーマルヘッド20で1色の画像が1ラインずつ記録される。
【0016】
カッタ16は、シアン画像の記録後に、記録済の先端エリアPAの後端のカット予定線LCでカラー感熱記録紙14を切断する。このカッタ16の下流側の近傍にはマークセンサ16aが配されており、このマークセンサ16aで位置決めマーク14aを検出して、カッタ16を作動させる。
【0017】
光定着装置17は、発光ピークが420nmの紫外線を発生する棒状のイエロー用紫外線ランプ30と、発光ピークが365nmの紫外線を発生する棒状のマゼンタ用紫外線ランプ31と、これらの背後に配置されたリフレクタ32と、イエロー用紫外線ランプ30及びマゼンタ用紫外線ランプ31から放出された紫外線を受光して、各紫外線ランプ30,31の発光強度を測定するための紫外線センサ33とから構成されている。また、光定着装置17の下部には、スライド自在なシャッタ34が配されている。
【0018】
サーマルヘッド20には、多数の発熱素子をライン状に配列した発熱素子アレイ20aが形成されている。このサーマルヘッド20は、軸20bを支点にして揺動自在であり、プラテンローラ18上のカラー感熱記録紙14に発熱素子アレイ20aを圧接した圧接位置と、カラー感熱記録紙14から離れた退避位置との間で揺動される。プラテンローラ18の上流側の近傍には、マークセンサ18aが配されている。このマークセンサ18aに位置決めマーク14aが対峙した時に、サーマルヘッド20で記録を開始することにより、先端記録エリアPAの後端(記録紙ロール10側の端部)側から画像が記録される。
【0019】
排紙ローラ対19は、パルスモータ19aによって回転されるとともに、カラー感熱記録紙14をニップした位置と、ニップを解除した位置との間で移動自在にされている。3色の画像を記録した後に、排紙ローラ対19は、カラー感熱記録紙14(記録シート)の先端部をニップし、カット予定線LCで切断された記録済みシートをその回転によりカラー感熱プリンタから排紙する。
【0020】
図5及び図6に光定着装置17の詳細を示す。なお、図6(a)は、光定着装置17の側面を、図6(b)は光定着装置17を上面を示している。各紫外線ランプ30,31は、並べられてカラー感熱記録紙14の搬送方向と直交する方向に配置されている。また、各紫外線ランプ30,31は、発光強度が大きく、かつ安定している中央部を利用するために、カラー感熱記録紙14の幅方向の長さよりも長いものが用いられており、その両端部がカラー感熱記録紙14の両側縁からはみ出るように配置されている。
【0021】
各紫外線ランプ30,31の背後には、これらの背後を覆うとともに、カラー感熱記録紙14と対向する側が開口した「コ」字状のリフレクタ32が配されている。このリフレクタ32の内壁面は、反射面となっており、各紫外線ランプ30,31の後方へ放出された紫外線をカラー感熱記録紙14に向けて反射する。
【0022】
リフレクタ32の上壁面32aの部分であって、イエロー用紫外線ランプ30の背後となる部分には、紫外線センサ33で各紫外線ランプ30の発光強度を測定するための測定用開口35が形成されている。紫外線センサ33は、この測定用開口35を介してイエロー用紫外線ランプ30を臨むようにしてリフレクタ32の背面側に配されている。このようにして、紫外線センサ33をイエロー用紫外線ランプ30を挟んでカラー感熱記録紙14の反対側、すなわちイエロー用紫外線ランプ30の背後に配することにより、カラー感熱記録紙14で反射されて紫外線センサ33に受光される紫外線を少なくしている。
【0023】
また、記録エリアPAに記録された画像の濃度によってカラー感熱記録紙14で反射されて紫外線センサ33に入射する紫外線の強度が不規則に変化して、測定誤差が生じることがある。このため、紫外線センサ33は、カラー感熱記録紙14の記録エリアPA以外の部分、すなわちエリアPSの一方の縁部の余白領域PWに対向するように配されている。
【0024】
シャッタ34は、カラー感熱記録紙14の搬送方向にスライド自在にして、光定着装置17とカラー感熱記録紙14との間に配されている。このシャッタ34は、イエロー画像及びマゼンタ画像の記録時には、カラー感熱記録紙14の引き戻しの速度と同じ速度で、引き戻し方向(図5中矢印A方向)にスライド移動される。これにより、先端エリアPSだけに各紫外線ランプ30,31からの紫外線が照射されるように光定着装置17の紫外線の照射領域を規制する。また、このシャッタ34の各紫外線ランプ30,31に対向する面は、紫外線の反射を抑える低反射処理が施すのがよい。
【0025】
イエロー用紫外線ランプ30は、これによる光定着期間中に発光強度を所定値に保つ必要があるために、点灯中にその発光強度の測定が継続して行われる。このため、カラー感熱記録紙14で反射された紫外線を多少なりとも紫外線センサ33が受光するが、上記のように紫外線センサ33が配されることにより、イエロー用紫外線ランプ30の点灯中には、図1(a)に示すように、紫外線センサ33は、イエロー用紫外線ランプ30からの強度が充分に大きな紫外線を直接に受光する。したがって、カラー感熱記録紙14で反射して受光される紫外線の強度が直接受光したものに比べて充分に小さくなる。すなわち、S/N比を充分に大きくして、精度良くイエロー用紫外線ランプ30の発光強度を測定することが可能となり、高精度に発光強度を調節することができる。また、カラー感熱記録紙14の表面の反射率が異なる場合であっても、この反射率の違いによる影響を受けない。
【0026】
さらに、カラー感熱記録紙14から反射されて紫外線センサ33に入射する紫外線は、余白領域PWからのものであるから、反射して紫外線センサ33に入射する紫外線も強度は一定しており、不規則に変動することがない。したがって、反射した紫外線の影響を受けたとしても、その影響する度合いが一定なため、これを考慮した発光強度の調整が可能である。
【0027】
一方、マゼンタ用紫外線ランプ31の点灯中には、図1(b)に示すように、紫外線センサ33は、消灯中のイエロー用紫外線ランプ30の管表面あるいはその管内面で反射,散乱されたマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を受光し、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定する。このようにして、イエロー用紫外線ランプ30を経由したマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を受光して、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定すると測定精度は低くなるが、マゼンタ用紫外線ランプ31がマゼンタ感熱発色層23を充分に定着することができる発光強度に達していることさえ分かればよいので、測定精度が低くても何ら支障がない。
【0028】
このように光定着装置17を構成して、1個の紫外線センサ33でイエロー用紫外線ランプ30及びマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度の測定を行うようにしても、それぞれの測定に必要な精度で測定を行うことができるようになる。したがって、紫外線センサの個数を減らして、光定着装置の製造コストを低くすることが可能となる。
【0029】
なお、この実施形態では、各紫外線ランプ30,31とリフレクタの上壁面32aとの間に間隔を設けて、イエロー用紫外線ランプ30の管表面で反射したマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を紫外線センサ33で受光するようにしているが、間隔を設けなくてもよい。この場合には、測定用開口35は、イエロー用紫外線ランプ30と接するようにして配されることになり、マゼンタ用紫外線ランプ31の測定時には、イエロー用紫外線ランプ30の管内面で反射したマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線だけを紫外線センサ33で受光する。このようにしても、必要な測定精度を得ることができる。
【0030】
図5中の符号36は、各紫外線ランプ30,31の管壁温度が所定値以上になった時に作動される冷却ファンである。この冷却ファン36によって、管壁温度が高温になることによって生じる各紫外線ランプ30,31の発光強度の低下を防止している。
【0031】
図7にカラー感熱プリンタの要部の電気的構成を示す。コントローラ40は、カラー感熱プリンタの各部を制御する。画像メモリ41には、今回記録すべき画像のイエロー画像データ,マゼンタ画像データ,シアン画像データが書き込まれる。ヘッドドライバ42は、各色の画像データに応じてサーマルヘッド20の各発熱素子を駆動する。これにより、各発熱素子は画像データ及び記録すべき色に応じた発熱量で発熱し、カラー感熱記録紙14を画像データに応じた濃度で発色させる。
【0032】
紫外線センサ33は、受光した紫外線の強度に応じた信号を出力する。この信号は、アンプ43,A/D変換器44を介して、イエロー用紫外線ランプ30またはマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度に応じた照度データとして、コントローラ30に送られる。モータドライバ47は、コントローラ40の制御により、パルスモータ12aを正逆両方向に回転する。
【0033】
コントローラ40は、照度データを参照して、各紫外線ランプ30,31の発光強度を監視する。イエロー画像を記録する際には、コントローラ40は、照度データに基づいてランプ調光信号を発生し、この信号をイエロー用ランプドライバ45に送る。このイエロー用ランプドライバ45は、ランプ調光信号に応じてイエロー用紫外線ランプ30の発光強度を調節し、イエロー用紫外線ランプ30の点灯中にその発光強度が所定値に保たれようにする。具体的には、イエロー用紫外線ランプ30の駆動パルスのデューテイ比を調節する。
【0034】
シャッタ機構48は、シャッタ34と、モータ,駆動力伝達機構等とから構成されており、カラー感熱記録紙14の引き戻しに同期させてシャッタ34を開閉する。
【0035】
次に上記構成の作用について説明する。記録紙ロール10から引き出されたカラー感熱記録紙14は、その先端が搬送ローラ対12にニップされた状態にされる。プリントすべき画像の各色の画像データを画像メモリ41に取り込んだ後に、操作部(図示省略)を操作してプリントを指示すれば、コントローラ40は、モータドライバ47を介してパルスモータ12aを正方向に回転する。このパルスモータ12aの回転は、搬送ローラ対12を正方向に回転させる。これにより、記録紙ロール10からカラー感熱記録紙14が引き出され、その先端が退避位置に移動しているサーマルヘッド20とプラテンローラ18と間に向けて送り出される。
【0036】
この送り出しにより、最初の位置決めマーク14aがマークセンサ18aに達すると、マークセンサ18aからマーク検知信号が発生する。このマーク検知信号の発生後、コントローラ40は、カラー感熱記録紙14を適当な長さだけ余分に送ってからパルスモータ12aの回転を停止する。次に、コントローラ40は、サーマルヘッド20を圧接位置に揺動する。これにより、発熱素子アレイ20aがカラー感熱記録紙14に圧接された状態になる。
【0037】
次に、コントローラ30は、イエロー用ランプドライバ45を介して、イエロー用紫外線ランプ30を点灯させる。この点灯により、イエロー用紫外線ランプ30からの紫外線の一部が紫外線センサ33に直接に入射して受光され、イエロー用紫外線ランプ30の発光強度に応じた信号が出力される。
【0038】
紫外線センサ33からの信号は、アンプ43,A/D変換器34を介して、照度データとしてコントローラ40に送られる。コントローラ40は、照度データに基づいたランプ調光信号を発生し、この信号をイエロー用ランプドライバ45に送り、イエロー用紫外線ランプ30の発光強度が所定値に保たれるように調整する。なお、この時には、シャッタ34が閉じた状態で調整されるから、カラー感熱記録紙14の反射の影響を受けない。また、イエロー用紫外線ランプ30の発光強度の調整は、点灯中に継続して行われる。
【0039】
この調整によりイエロー用紫外線ランプ30の発光強度が所定値になると、コントローラ40は、パルスモータ12aを一定の速度で逆方向に回転させる。これにより、搬送ローラ対12が逆方向に回転され、カラー感熱記録紙14が一定速度で記録紙ロール10に向けて引き戻される。この引き戻しによって、位置決めマーク14aがマークセンサ18aに検出されると、すなわち先端記録エリアPAに発熱素子アレイ20aが達した時点で、コントローラ40は、ヘッドドライバ42にイエロー画像の記録開始を指示する。この指示により、各発熱素子がイエロー画像データに基づいて駆動され、先端記録エリアPA内にイエロー画像が1ラインずつ記録される。
【0040】
そして、先端エリアPSの後端が光定着装置17の紫外線の照射領域に達すると、シャッタ34がカラー感熱記録紙14の引き戻し速度と同じ速度で、引き戻し方向(図2中矢印A方向)にスライド移動される。これにより、図1(a)に示されるようにして、イエロー用紫外線ランプ30からの420nmの紫外線が先端エリアPSだけに照射されるようになる。イエロー画像の最終ラインを記録した後にも、カラー感熱記録紙14の先端(先端エリアPSの先端)が光定着装置17の紫外線の照射領域を通過するまで、カラー感熱記録紙14が引き戻される。
【0041】
なお、先端エリアPSが紫外線の照射領域に達したことと、カラー感熱記録紙14の先端が光定着装置17を通過したこととは、パルスモータ15に供給される駆動パルスの個数をカウントすることにより判断される。もちろん、センサを用いて検出してもよい。
【0042】
先端エリアPSが紫外線の照射領域を通過する間にも、紫外線センサ33の測定値に基づいてイエロー用紫外線ランプ30の発光強度が継続的に調整されている。
【0043】
イエロー用紫外線ランプ30は、発光強度が調節されることにより、先端エリアPSのイエロー用感熱発色層24が過不足なく定着され、イエロー感熱発色層24に残っていた発色能力が全て消失される。先端エリアPSが紫外線の照射領域を通過した後、イエロー用紫外線ランプ20が消灯されるとともに、シャッタ24が閉じられてイエロー画像の記録工程が終了する。
【0044】
次に、コントローラ40は、サーマルヘッド30を退避位置に移動させてから、搬送ローラ対12を正方向に回転して、カラー感熱記録紙14を再びプラテンローラ18に向けて送り出す。上述の手順と同様にして、カラー感熱記録紙14を所定長だけ送り出してからパルスモータ12aの回転を停止し、サーマルヘッド20を圧接位置に揺動する。
【0045】
この後、コントローラ40は、マゼンタ画像の記録を行う。まず、コントローラ40は、マゼンタ用ランプドライバ46を介してマゼンタ用紫外線ランプ31を点灯する。この時には、マゼンタ用ランプドライバ46は、マゼンタ用紫外線ランプ31をフル発光するようにして点灯させる。
【0046】
マゼンタ用紫外線ランプ31が点灯すると、図1(b)に示されるように、マゼンタ用紫外線ランプ31から放出された紫外線の一部は、イエロー用紫外線ランプ30の管表面または管内面で反射,散乱されて、紫外線センサ33で受光される。これにより、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度に応じた信号が紫外線センサ33から出力され、アンプ43,A/D変換器44を介して、照度データとしてコントローラ40に送られる。コントローラ40は、マゼンタ用紫外線ランプ31がその起動特性、経年劣化等により点灯直後に所定の発光強度に達しない場合があるので、照度データを参照してマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を監視する。
【0047】
マゼンタ用紫外線ランプ31に対しては、イエロー用紫外線ランプ30で反射,散乱された紫外線でその発光強度を測定するため、多少なりとも測定精度が低くなるが、発光強度が所定値以上に達しているか否かの判断が行えるだけの測定精度を得ることができる。また、この場合には、反射,散乱されて紫外線センサ33に入射する紫外線の強度は比較的小さいので、シャッタ34が閉じた状態で測定を行うことにより、カラー感熱記録紙14からの反射した紫外線の影響がなくなり測定精度が向上される。
【0048】
コントローラ40は、測定データに基づいてマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度が所定値に達すると、測定をいったん停止してから、搬送ローラ対12を逆方向に回転し、カラー感熱記録紙14を記録紙ロール10に向けて引き戻す。そして、位置決めマーク14aがマークセンサ18aに検出された時点で、ヘッドドライバ42にマゼンタ画像の記録開始を指示する。この指示により、発熱素子アレイ20aの各発熱素子がマゼンタ画像データに基づいて駆動され、先端記録エリアPA内にマゼンタ画像が1ラインずつ記録される。
【0049】
このマゼンタ画像が記録された先端エリアPSの後端が光定着装置17の紫外線の照射領域に達すると、シャッタ34がスライド移動され、マゼンタ用紫外線ランンプ31からの365nmの紫外線が先端エリアPSだけに照射され、この照射された部分のマゼンタ感熱発色層の発色能力が消失される。
【0050】
また、マゼンタ画像の最終ラインを記録した後にも、カラー感熱記録紙14の先端が紫外線の照射領域を通過するまでカラー感熱記録紙14が引き戻される。これにより、先端エリアPSの全面に365nmの紫外線が照射されて、この先端エリアPSのマゼンタ感熱発色層の発色能力が消失される。このマゼンタ用紫外線ランプ31は、シアン画像の記録時に、カラー感熱記録紙14の白地部分が薄い黄色になるのを防止するために、排紙が完了するまで点灯している。
【0051】
この後、コントローラ40は、シャッタ34を閉じて、再び紫外線センサ33でマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定して、光定着中に発光強度の良否を判定する。マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度が所定値に達していない場合には、マゼンタ用紫外線ランプ31の劣化等の何らかの不都合が生じていると判断し、ランプ交換の表示を操作者に行う。定着不足の場合は、例えばカラー感熱記録紙14の送りを低速にすることで、マゼンタ感熱発色層23を定着するのに充分なマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を照射する。
【0052】
マゼンタ画像の記録工程の終了後には、上述と同様な手順でカラー感熱記録紙14をプラテンローラ18に向けて送り出す。そして、再び記録紙ロール10に向けて引き戻す。そして、この引き戻しの間にシアン画像が1ラインずつ記録される。
【0053】
シアン画像の最終ラインの記録終了後に、上記のようにして先端エリアPSの後端のカット予定線LCがカッタ16に向かうようにして、カラー感熱記録紙14が搬送される。そして、先端エリアPSの位置決めマーク14aがマークセンサ16aに対峙すると、搬送ローラ対12の回転が停止されるとともに、排紙ローラ対19がカラー感熱記録紙14の先端をニップした状態に移動される。この後、カッタ16が作動されて、カラー画像記録された先端エリアPSが記録紙ロール10から切り離され、記録済みシートとされる。記録済みシートは、それをニップした排紙ローラ対19の回転によってカラー感熱プリンタから排紙される。
【0054】
上記実施形態では、カラー感熱記録紙14を引き戻す際に、光定着を行っているが、イエロー画像の記録後の送り出し時にイエロー感熱発色層の光定着を行い、マゼンタ画像の記録後の送り出し時にマゼンタ感熱発色層の光定着を行うこともできる。この場合に、シャッタ34を省略することができる。なお、シート状のカラー感熱記録紙を用いる場合にも、光定着装置のシャッタを省略することができる。
【0055】
光定着装置のシャッタを省略した場合には、カラー感熱記録紙が引き戻されて光定着装置17の紫外線の照射領域から退避している時に、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定すればよい。もちろん、光定着装置に対向するプラテンドラム,あるいはカラー感熱記録紙の搬送路を形成するガイド板等の紫外線の反射を抑えるようにしておく必要があるのはいうまでもない。
【0056】
また、上記実施形態では、カラー感熱記録紙を記録紙ロールから引き出し、これを往復動させて画像を記録しているが、予め所定のサイズにカットされたシート状のカラー感熱記録紙を往復動させて画像を記録してもよい。また、径の大きなプラテンドラムを用い、この外周にシート状のカラー感熱記録紙を巻き付けて、プラテンドラムを3回転させる間に各色の画像の記録を行ってもよい。この場合には、プラテンドラムの1回転目でイエロー画像の記録を行い、このイエロー画像の記録直後にイエロー用紫外線ランプからの紫外線をカラー感熱記録紙に照射する。そして、イエロー画像の記録と光定着の終了後に、マゼンタ用紫外線ランプを点灯させ、マゼンタ用紫外線ランプの発光強度が所定値に達した後に、2回転目を開始してマゼンタ画像の記録を行い、このマゼンタ画像の記録直後にマゼンタ用紫外線ランプからの紫外線をカラー感熱記録紙に照射する。
【0057】
また、上記実施形態では、上層からイエロー感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,シアン感熱発色層の順番で配されたカラー感熱記録紙を用いた例について説明したが、上層からマゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層,シアン感熱発色層の順番で配されたカラー感熱記録紙を用いた場合には、マゼンタ、イエロー,シアンの順番で記録する。この場合には、マゼンタ用紫外線ランプの発光強度を所定値に保ち、イエロー用紫外線ランプをの発光強度を所定値以上にする必要があるから、紫外線センサをマゼンタ用ランプの背後に配して、マゼンタ用紫外線ランプからの紫外線を直接に受光するようにし、マゼンタ用紫外線ランプで反射,散乱されたイエロー用紫外線ランプからの紫外線を受光するようにする。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、第1感熱発色層に特有な紫外線を放出する第1紫外線ランプ及び第2感熱発色層に特有な紫外線を放出する第2紫外線ランプをカラー感熱記録紙の幅方向に配置しておき、これらの背後を覆うリフレクタの第1紫外線ランプの背後の部分に測定用開口を設け、この測定用開口を介して紫外線センサで第1紫外線ランプからの紫外線を直接に受光するとともに、第1紫外線ランプで反射された第2紫外線ランプからの紫外線を受光するようにしたから、1個の紫外線センサで第1と第2紫外線ランプをそれぞれ必要な精度で測定することができる。これにより、光定着装置を安価に作ることができる。また、第1紫外線ランプの背後に紫外線センサを配したから、カラー感熱記録紙で反射された紫外線の影響を少なくして、発光強度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した光定着装置の紫外線センサの受光状態を示す説明図である。
【図2】本発明のカラー感熱プリンタの一例を示す概略図である。
【図3】カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図である。
【図4】記録紙ロールから引き出したカラー感熱記録紙を示す説明図である。
【図5】光定着装置を示す斜視図である。
【図6】光定着装置を側面及び上面側から示す平面図である。
【図7】カラー感熱プリンタの要部の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
14 カラー感熱記録紙
17 光定着装置
20 サーマルヘッド
30 イエロー用紫外線ランプ
31 マゼンタ用紫外線ランプ
32 リフレクタ
33 紫外線センサ
40 コントローラ
35 測定用開口
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー感熱プリンタに用いられ、カラー感熱記録紙の感熱発色層を定着するための光定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー感熱プリンタでは、支持体上に、例えばシアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層を順番に積層したカラー感熱記録紙が用いられ、3色面順次でカラー感熱記録紙にフルカラーで画像を記録する。画像の記録に際しては、カラー感熱記録紙を移動しながらサーマルヘッドで押圧・加熱して、最初に熱感度が最も高いイエロー感熱発色層にイエロー画像を1ラインずつ記録する。そして、このイエロー画像の記録直後に、イエロー用紫外線ランプから420nmの紫外線(近紫外線)をカラー感熱記録紙に照射して光定着する。この光定着によって、未発色のイエロー発色成分が光分解されて発色能力が消失される。
【0003】
イエロー画像の定着後に、サーマルヘッドでマゼンタ感熱発色層にマゼンタ画像を1ラインずつ記録し、この記録直後に、マゼンタ用紫外線ランプから365nmの紫外線を照射してマゼンタ画像を光定着する。最後に、サーマルヘッドでシアン感熱発色層にシアン画像を1ラインずつ記録する。
【0004】
イエロー用紫外線ランプの発光強度が小さいと、イエロー画像の定着不足が生じる。この場合には、光分解されずに残っているイエローの発色成分がマゼンタ画像の記録時に発色する。逆に、イエロー用紫外線ランプの発光強度が大きすぎると、マゼンタ感熱発色層の発色成分も僅かであるが光分解されるから、マゼンタ画像の濃度が全体的に低くなる。このため、イエロー用紫外線ランプについては、イエロー感熱発色層を過不足なく定着できるように、その発光強度が所定値に保たれるように調整されている。
【0005】
同様にマゼンタ画像の定着不足が生じると、シアン画像の記録時にマゼンタ発色成分が発色する。しかし、シアン感熱発色層には光定着性が与えられていないから、マゼンタ画像の過定着はなんら実害がない。そこで、マゼンタ画像の定着では、マゼンタ用紫外線ランプをフル発光させて、未発色のマゼンタ発色成分を全て光分解することができる適正照射量以上の充分な紫外線をカラー感熱記録紙に与えている。しかし、その発光強度が所定値に達していない状態で定着を行えば、定着不足が生じるから発光強度を監視する必要がある。
【0006】
このように、各紫外線ランプの発光強度を測定して調節し、あるいは監視するために、カラー感熱プリンタの光定着装置では、各紫外線ランプ毎に紫外線センサを設けてそれぞれの発光強度の測定をしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、紫外線センサは非常に高価であり、紫外線ランプ毎に紫外線センサを備えるようにすると、光定着装置およよびこれを内蔵したカラー感熱プリンタの製造原価が高くなってしまう。
【0008】
本発明は、上記問題を解消するためになされたもので、1つの紫外線センサを用いて、各紫外線ランプの発光強度をそれぞれ測定できるようにするとともに、紫外線ランプの種類に応じた測定精度が得られるようにした光定着装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の光定着装置は、カラー感熱記録紙の送り方向と直交する方向に配置され、第1及び第2の紫外線をそれぞれ放出する第1紫外線ランプ及び第2紫外線ランプと、これらの各紫外線ランプの後方へ照射された第1及び第2の紫外線をカラー感熱記録紙に向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタの前記第1紫外線ランプの背後の部分に設けた測定用開口と、この測定用開口を介して前記第1紫外線ランプからの第1の紫外線を直接に受光するとともに、第1紫外線ランプで反射または散乱した第2紫外線ランプからの第2の紫外線を受光するように、前記測定用開口に向けて配された紫外線センサとを備えたものである。請求項2記載の光定着装置は、紫外線センサをカラー感熱記録紙内の記録エリアの外側の部分に対向するように配したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2において、記録紙ロール10は、回転可能な供給軸11に嵌め込まれる。記録紙ロール10の下流には搬送ローラ対12が配置されており、この搬送ローラ対12は、記録紙ロール10から引き出されたカラー感熱記録紙14をニップする。搬送ローラ対12の下流には、順番にカッタ16,光定着装置17,回動自在なプラテンローラ18,排紙ローラ対19が配置され、またプラテンローラ18に対向してサーマルヘッド20が配置されている。
【0011】
カラー感熱記録紙14は、図3に示すように、支持体21上に、シアン感熱発色層22,365nmの紫外線に光定着性を有するマゼンタ感熱発色層23,420nmの紫外線(近紫外線)に光定着性を有するイエロー感熱発色層24,保護層25が順次層設されており、最上層のイエロー感熱発色層24の熱感度が最も高く、最下層のシアン感熱発色層22の熱感度が最も低い。イエロー感熱発色層は、420nmの紫外線をカラー感熱記録紙14に照射することによって発色能力が消失し、マゼンタ感熱発色層23は、365nmの紫外線をカラー感熱記録紙14に照射することによって発色能力が消失する。これらの各感熱発色層11〜13は、熱記録される順番に層設されているが、例えばマゼンタ,イエロー,シアンの順番に熱記録する場合には、イエロー感熱発色層24とマゼンタ感熱発色層23とが入れ換えられる。
【0012】
なお、各感熱発色層22〜24の間には、感熱発色層の熱感度を調整するための中間層が形成されているが、図面では省略してある。また、支持体21としては、不透明なコート紙またはプラスチックフイルムが用いられるが、OHPシートを作成する場合には、透明なプラスチックフイルムが用いられる。
【0013】
図4に記録紙ロール10から引き出したカラー感熱記録紙14の先端部分を示す。カラー感熱記録紙14はカット予定線LCでエリアPSに分けられ、各エリアPS内の記録エリアPAにカラー画像が記録され、その他の部分は画像が記録されない余白領域PWとなる。カラー感熱記録紙14は、カラー画像の記録後に、カット予定線LCで切断され、記録済みシートとしてカラー感熱プリンタから排紙される。
【0014】
また、カラー感熱記録紙14の記録面と反対の面で、各カット予定線LCから所定距離だけ離れた位置には、印刷等により位置決めマーク14aが記されている。この位置決めマーク14aは、サーマルヘッド19の圧接位置と退避位置との揺動及び記録開始のタイミング,記録シートへの切断のタイミングの制御に使用される。なお、カラー感熱記録紙14は、カット予定線LCで複数のエリアPSに分けられているが、以下の説明では、引き出されたカラー感熱記録紙14の先端部分のエリアPS及び記録エリアPAを便宜上、先端エリアPS,先端記録エリアPAと称して説明する。
【0015】
図2において、搬送ローラ対12は、パルスモータ12aによって正逆両方向に回転し、ニップしたカラー感熱記録紙14を往復動させる。1色の画像を記録する際には、カラー感熱記録紙14は、搬送ローラ対12の回転により、記録紙ロール10から引き出され、先端エリアPSの後端(記録紙ロール10側の端部)がサーマルヘッド20の位置に達するまで送り出される。この後に、搬送ローラ対12の回転が切り換えられて、カラー感熱記録紙14が記録紙ロール10方向(図中矢印A方向)に引き戻され、この引き戻しの間にサーマルヘッド20で1色の画像が1ラインずつ記録される。
【0016】
カッタ16は、シアン画像の記録後に、記録済の先端エリアPAの後端のカット予定線LCでカラー感熱記録紙14を切断する。このカッタ16の下流側の近傍にはマークセンサ16aが配されており、このマークセンサ16aで位置決めマーク14aを検出して、カッタ16を作動させる。
【0017】
光定着装置17は、発光ピークが420nmの紫外線を発生する棒状のイエロー用紫外線ランプ30と、発光ピークが365nmの紫外線を発生する棒状のマゼンタ用紫外線ランプ31と、これらの背後に配置されたリフレクタ32と、イエロー用紫外線ランプ30及びマゼンタ用紫外線ランプ31から放出された紫外線を受光して、各紫外線ランプ30,31の発光強度を測定するための紫外線センサ33とから構成されている。また、光定着装置17の下部には、スライド自在なシャッタ34が配されている。
【0018】
サーマルヘッド20には、多数の発熱素子をライン状に配列した発熱素子アレイ20aが形成されている。このサーマルヘッド20は、軸20bを支点にして揺動自在であり、プラテンローラ18上のカラー感熱記録紙14に発熱素子アレイ20aを圧接した圧接位置と、カラー感熱記録紙14から離れた退避位置との間で揺動される。プラテンローラ18の上流側の近傍には、マークセンサ18aが配されている。このマークセンサ18aに位置決めマーク14aが対峙した時に、サーマルヘッド20で記録を開始することにより、先端記録エリアPAの後端(記録紙ロール10側の端部)側から画像が記録される。
【0019】
排紙ローラ対19は、パルスモータ19aによって回転されるとともに、カラー感熱記録紙14をニップした位置と、ニップを解除した位置との間で移動自在にされている。3色の画像を記録した後に、排紙ローラ対19は、カラー感熱記録紙14(記録シート)の先端部をニップし、カット予定線LCで切断された記録済みシートをその回転によりカラー感熱プリンタから排紙する。
【0020】
図5及び図6に光定着装置17の詳細を示す。なお、図6(a)は、光定着装置17の側面を、図6(b)は光定着装置17を上面を示している。各紫外線ランプ30,31は、並べられてカラー感熱記録紙14の搬送方向と直交する方向に配置されている。また、各紫外線ランプ30,31は、発光強度が大きく、かつ安定している中央部を利用するために、カラー感熱記録紙14の幅方向の長さよりも長いものが用いられており、その両端部がカラー感熱記録紙14の両側縁からはみ出るように配置されている。
【0021】
各紫外線ランプ30,31の背後には、これらの背後を覆うとともに、カラー感熱記録紙14と対向する側が開口した「コ」字状のリフレクタ32が配されている。このリフレクタ32の内壁面は、反射面となっており、各紫外線ランプ30,31の後方へ放出された紫外線をカラー感熱記録紙14に向けて反射する。
【0022】
リフレクタ32の上壁面32aの部分であって、イエロー用紫外線ランプ30の背後となる部分には、紫外線センサ33で各紫外線ランプ30の発光強度を測定するための測定用開口35が形成されている。紫外線センサ33は、この測定用開口35を介してイエロー用紫外線ランプ30を臨むようにしてリフレクタ32の背面側に配されている。このようにして、紫外線センサ33をイエロー用紫外線ランプ30を挟んでカラー感熱記録紙14の反対側、すなわちイエロー用紫外線ランプ30の背後に配することにより、カラー感熱記録紙14で反射されて紫外線センサ33に受光される紫外線を少なくしている。
【0023】
また、記録エリアPAに記録された画像の濃度によってカラー感熱記録紙14で反射されて紫外線センサ33に入射する紫外線の強度が不規則に変化して、測定誤差が生じることがある。このため、紫外線センサ33は、カラー感熱記録紙14の記録エリアPA以外の部分、すなわちエリアPSの一方の縁部の余白領域PWに対向するように配されている。
【0024】
シャッタ34は、カラー感熱記録紙14の搬送方向にスライド自在にして、光定着装置17とカラー感熱記録紙14との間に配されている。このシャッタ34は、イエロー画像及びマゼンタ画像の記録時には、カラー感熱記録紙14の引き戻しの速度と同じ速度で、引き戻し方向(図5中矢印A方向)にスライド移動される。これにより、先端エリアPSだけに各紫外線ランプ30,31からの紫外線が照射されるように光定着装置17の紫外線の照射領域を規制する。また、このシャッタ34の各紫外線ランプ30,31に対向する面は、紫外線の反射を抑える低反射処理が施すのがよい。
【0025】
イエロー用紫外線ランプ30は、これによる光定着期間中に発光強度を所定値に保つ必要があるために、点灯中にその発光強度の測定が継続して行われる。このため、カラー感熱記録紙14で反射された紫外線を多少なりとも紫外線センサ33が受光するが、上記のように紫外線センサ33が配されることにより、イエロー用紫外線ランプ30の点灯中には、図1(a)に示すように、紫外線センサ33は、イエロー用紫外線ランプ30からの強度が充分に大きな紫外線を直接に受光する。したがって、カラー感熱記録紙14で反射して受光される紫外線の強度が直接受光したものに比べて充分に小さくなる。すなわち、S/N比を充分に大きくして、精度良くイエロー用紫外線ランプ30の発光強度を測定することが可能となり、高精度に発光強度を調節することができる。また、カラー感熱記録紙14の表面の反射率が異なる場合であっても、この反射率の違いによる影響を受けない。
【0026】
さらに、カラー感熱記録紙14から反射されて紫外線センサ33に入射する紫外線は、余白領域PWからのものであるから、反射して紫外線センサ33に入射する紫外線も強度は一定しており、不規則に変動することがない。したがって、反射した紫外線の影響を受けたとしても、その影響する度合いが一定なため、これを考慮した発光強度の調整が可能である。
【0027】
一方、マゼンタ用紫外線ランプ31の点灯中には、図1(b)に示すように、紫外線センサ33は、消灯中のイエロー用紫外線ランプ30の管表面あるいはその管内面で反射,散乱されたマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を受光し、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定する。このようにして、イエロー用紫外線ランプ30を経由したマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を受光して、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定すると測定精度は低くなるが、マゼンタ用紫外線ランプ31がマゼンタ感熱発色層23を充分に定着することができる発光強度に達していることさえ分かればよいので、測定精度が低くても何ら支障がない。
【0028】
このように光定着装置17を構成して、1個の紫外線センサ33でイエロー用紫外線ランプ30及びマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度の測定を行うようにしても、それぞれの測定に必要な精度で測定を行うことができるようになる。したがって、紫外線センサの個数を減らして、光定着装置の製造コストを低くすることが可能となる。
【0029】
なお、この実施形態では、各紫外線ランプ30,31とリフレクタの上壁面32aとの間に間隔を設けて、イエロー用紫外線ランプ30の管表面で反射したマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を紫外線センサ33で受光するようにしているが、間隔を設けなくてもよい。この場合には、測定用開口35は、イエロー用紫外線ランプ30と接するようにして配されることになり、マゼンタ用紫外線ランプ31の測定時には、イエロー用紫外線ランプ30の管内面で反射したマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線だけを紫外線センサ33で受光する。このようにしても、必要な測定精度を得ることができる。
【0030】
図5中の符号36は、各紫外線ランプ30,31の管壁温度が所定値以上になった時に作動される冷却ファンである。この冷却ファン36によって、管壁温度が高温になることによって生じる各紫外線ランプ30,31の発光強度の低下を防止している。
【0031】
図7にカラー感熱プリンタの要部の電気的構成を示す。コントローラ40は、カラー感熱プリンタの各部を制御する。画像メモリ41には、今回記録すべき画像のイエロー画像データ,マゼンタ画像データ,シアン画像データが書き込まれる。ヘッドドライバ42は、各色の画像データに応じてサーマルヘッド20の各発熱素子を駆動する。これにより、各発熱素子は画像データ及び記録すべき色に応じた発熱量で発熱し、カラー感熱記録紙14を画像データに応じた濃度で発色させる。
【0032】
紫外線センサ33は、受光した紫外線の強度に応じた信号を出力する。この信号は、アンプ43,A/D変換器44を介して、イエロー用紫外線ランプ30またはマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度に応じた照度データとして、コントローラ30に送られる。モータドライバ47は、コントローラ40の制御により、パルスモータ12aを正逆両方向に回転する。
【0033】
コントローラ40は、照度データを参照して、各紫外線ランプ30,31の発光強度を監視する。イエロー画像を記録する際には、コントローラ40は、照度データに基づいてランプ調光信号を発生し、この信号をイエロー用ランプドライバ45に送る。このイエロー用ランプドライバ45は、ランプ調光信号に応じてイエロー用紫外線ランプ30の発光強度を調節し、イエロー用紫外線ランプ30の点灯中にその発光強度が所定値に保たれようにする。具体的には、イエロー用紫外線ランプ30の駆動パルスのデューテイ比を調節する。
【0034】
シャッタ機構48は、シャッタ34と、モータ,駆動力伝達機構等とから構成されており、カラー感熱記録紙14の引き戻しに同期させてシャッタ34を開閉する。
【0035】
次に上記構成の作用について説明する。記録紙ロール10から引き出されたカラー感熱記録紙14は、その先端が搬送ローラ対12にニップされた状態にされる。プリントすべき画像の各色の画像データを画像メモリ41に取り込んだ後に、操作部(図示省略)を操作してプリントを指示すれば、コントローラ40は、モータドライバ47を介してパルスモータ12aを正方向に回転する。このパルスモータ12aの回転は、搬送ローラ対12を正方向に回転させる。これにより、記録紙ロール10からカラー感熱記録紙14が引き出され、その先端が退避位置に移動しているサーマルヘッド20とプラテンローラ18と間に向けて送り出される。
【0036】
この送り出しにより、最初の位置決めマーク14aがマークセンサ18aに達すると、マークセンサ18aからマーク検知信号が発生する。このマーク検知信号の発生後、コントローラ40は、カラー感熱記録紙14を適当な長さだけ余分に送ってからパルスモータ12aの回転を停止する。次に、コントローラ40は、サーマルヘッド20を圧接位置に揺動する。これにより、発熱素子アレイ20aがカラー感熱記録紙14に圧接された状態になる。
【0037】
次に、コントローラ30は、イエロー用ランプドライバ45を介して、イエロー用紫外線ランプ30を点灯させる。この点灯により、イエロー用紫外線ランプ30からの紫外線の一部が紫外線センサ33に直接に入射して受光され、イエロー用紫外線ランプ30の発光強度に応じた信号が出力される。
【0038】
紫外線センサ33からの信号は、アンプ43,A/D変換器34を介して、照度データとしてコントローラ40に送られる。コントローラ40は、照度データに基づいたランプ調光信号を発生し、この信号をイエロー用ランプドライバ45に送り、イエロー用紫外線ランプ30の発光強度が所定値に保たれるように調整する。なお、この時には、シャッタ34が閉じた状態で調整されるから、カラー感熱記録紙14の反射の影響を受けない。また、イエロー用紫外線ランプ30の発光強度の調整は、点灯中に継続して行われる。
【0039】
この調整によりイエロー用紫外線ランプ30の発光強度が所定値になると、コントローラ40は、パルスモータ12aを一定の速度で逆方向に回転させる。これにより、搬送ローラ対12が逆方向に回転され、カラー感熱記録紙14が一定速度で記録紙ロール10に向けて引き戻される。この引き戻しによって、位置決めマーク14aがマークセンサ18aに検出されると、すなわち先端記録エリアPAに発熱素子アレイ20aが達した時点で、コントローラ40は、ヘッドドライバ42にイエロー画像の記録開始を指示する。この指示により、各発熱素子がイエロー画像データに基づいて駆動され、先端記録エリアPA内にイエロー画像が1ラインずつ記録される。
【0040】
そして、先端エリアPSの後端が光定着装置17の紫外線の照射領域に達すると、シャッタ34がカラー感熱記録紙14の引き戻し速度と同じ速度で、引き戻し方向(図2中矢印A方向)にスライド移動される。これにより、図1(a)に示されるようにして、イエロー用紫外線ランプ30からの420nmの紫外線が先端エリアPSだけに照射されるようになる。イエロー画像の最終ラインを記録した後にも、カラー感熱記録紙14の先端(先端エリアPSの先端)が光定着装置17の紫外線の照射領域を通過するまで、カラー感熱記録紙14が引き戻される。
【0041】
なお、先端エリアPSが紫外線の照射領域に達したことと、カラー感熱記録紙14の先端が光定着装置17を通過したこととは、パルスモータ15に供給される駆動パルスの個数をカウントすることにより判断される。もちろん、センサを用いて検出してもよい。
【0042】
先端エリアPSが紫外線の照射領域を通過する間にも、紫外線センサ33の測定値に基づいてイエロー用紫外線ランプ30の発光強度が継続的に調整されている。
【0043】
イエロー用紫外線ランプ30は、発光強度が調節されることにより、先端エリアPSのイエロー用感熱発色層24が過不足なく定着され、イエロー感熱発色層24に残っていた発色能力が全て消失される。先端エリアPSが紫外線の照射領域を通過した後、イエロー用紫外線ランプ20が消灯されるとともに、シャッタ24が閉じられてイエロー画像の記録工程が終了する。
【0044】
次に、コントローラ40は、サーマルヘッド30を退避位置に移動させてから、搬送ローラ対12を正方向に回転して、カラー感熱記録紙14を再びプラテンローラ18に向けて送り出す。上述の手順と同様にして、カラー感熱記録紙14を所定長だけ送り出してからパルスモータ12aの回転を停止し、サーマルヘッド20を圧接位置に揺動する。
【0045】
この後、コントローラ40は、マゼンタ画像の記録を行う。まず、コントローラ40は、マゼンタ用ランプドライバ46を介してマゼンタ用紫外線ランプ31を点灯する。この時には、マゼンタ用ランプドライバ46は、マゼンタ用紫外線ランプ31をフル発光するようにして点灯させる。
【0046】
マゼンタ用紫外線ランプ31が点灯すると、図1(b)に示されるように、マゼンタ用紫外線ランプ31から放出された紫外線の一部は、イエロー用紫外線ランプ30の管表面または管内面で反射,散乱されて、紫外線センサ33で受光される。これにより、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度に応じた信号が紫外線センサ33から出力され、アンプ43,A/D変換器44を介して、照度データとしてコントローラ40に送られる。コントローラ40は、マゼンタ用紫外線ランプ31がその起動特性、経年劣化等により点灯直後に所定の発光強度に達しない場合があるので、照度データを参照してマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を監視する。
【0047】
マゼンタ用紫外線ランプ31に対しては、イエロー用紫外線ランプ30で反射,散乱された紫外線でその発光強度を測定するため、多少なりとも測定精度が低くなるが、発光強度が所定値以上に達しているか否かの判断が行えるだけの測定精度を得ることができる。また、この場合には、反射,散乱されて紫外線センサ33に入射する紫外線の強度は比較的小さいので、シャッタ34が閉じた状態で測定を行うことにより、カラー感熱記録紙14からの反射した紫外線の影響がなくなり測定精度が向上される。
【0048】
コントローラ40は、測定データに基づいてマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度が所定値に達すると、測定をいったん停止してから、搬送ローラ対12を逆方向に回転し、カラー感熱記録紙14を記録紙ロール10に向けて引き戻す。そして、位置決めマーク14aがマークセンサ18aに検出された時点で、ヘッドドライバ42にマゼンタ画像の記録開始を指示する。この指示により、発熱素子アレイ20aの各発熱素子がマゼンタ画像データに基づいて駆動され、先端記録エリアPA内にマゼンタ画像が1ラインずつ記録される。
【0049】
このマゼンタ画像が記録された先端エリアPSの後端が光定着装置17の紫外線の照射領域に達すると、シャッタ34がスライド移動され、マゼンタ用紫外線ランンプ31からの365nmの紫外線が先端エリアPSだけに照射され、この照射された部分のマゼンタ感熱発色層の発色能力が消失される。
【0050】
また、マゼンタ画像の最終ラインを記録した後にも、カラー感熱記録紙14の先端が紫外線の照射領域を通過するまでカラー感熱記録紙14が引き戻される。これにより、先端エリアPSの全面に365nmの紫外線が照射されて、この先端エリアPSのマゼンタ感熱発色層の発色能力が消失される。このマゼンタ用紫外線ランプ31は、シアン画像の記録時に、カラー感熱記録紙14の白地部分が薄い黄色になるのを防止するために、排紙が完了するまで点灯している。
【0051】
この後、コントローラ40は、シャッタ34を閉じて、再び紫外線センサ33でマゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定して、光定着中に発光強度の良否を判定する。マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度が所定値に達していない場合には、マゼンタ用紫外線ランプ31の劣化等の何らかの不都合が生じていると判断し、ランプ交換の表示を操作者に行う。定着不足の場合は、例えばカラー感熱記録紙14の送りを低速にすることで、マゼンタ感熱発色層23を定着するのに充分なマゼンタ用紫外線ランプ31からの紫外線を照射する。
【0052】
マゼンタ画像の記録工程の終了後には、上述と同様な手順でカラー感熱記録紙14をプラテンローラ18に向けて送り出す。そして、再び記録紙ロール10に向けて引き戻す。そして、この引き戻しの間にシアン画像が1ラインずつ記録される。
【0053】
シアン画像の最終ラインの記録終了後に、上記のようにして先端エリアPSの後端のカット予定線LCがカッタ16に向かうようにして、カラー感熱記録紙14が搬送される。そして、先端エリアPSの位置決めマーク14aがマークセンサ16aに対峙すると、搬送ローラ対12の回転が停止されるとともに、排紙ローラ対19がカラー感熱記録紙14の先端をニップした状態に移動される。この後、カッタ16が作動されて、カラー画像記録された先端エリアPSが記録紙ロール10から切り離され、記録済みシートとされる。記録済みシートは、それをニップした排紙ローラ対19の回転によってカラー感熱プリンタから排紙される。
【0054】
上記実施形態では、カラー感熱記録紙14を引き戻す際に、光定着を行っているが、イエロー画像の記録後の送り出し時にイエロー感熱発色層の光定着を行い、マゼンタ画像の記録後の送り出し時にマゼンタ感熱発色層の光定着を行うこともできる。この場合に、シャッタ34を省略することができる。なお、シート状のカラー感熱記録紙を用いる場合にも、光定着装置のシャッタを省略することができる。
【0055】
光定着装置のシャッタを省略した場合には、カラー感熱記録紙が引き戻されて光定着装置17の紫外線の照射領域から退避している時に、マゼンタ用紫外線ランプ31の発光強度を測定すればよい。もちろん、光定着装置に対向するプラテンドラム,あるいはカラー感熱記録紙の搬送路を形成するガイド板等の紫外線の反射を抑えるようにしておく必要があるのはいうまでもない。
【0056】
また、上記実施形態では、カラー感熱記録紙を記録紙ロールから引き出し、これを往復動させて画像を記録しているが、予め所定のサイズにカットされたシート状のカラー感熱記録紙を往復動させて画像を記録してもよい。また、径の大きなプラテンドラムを用い、この外周にシート状のカラー感熱記録紙を巻き付けて、プラテンドラムを3回転させる間に各色の画像の記録を行ってもよい。この場合には、プラテンドラムの1回転目でイエロー画像の記録を行い、このイエロー画像の記録直後にイエロー用紫外線ランプからの紫外線をカラー感熱記録紙に照射する。そして、イエロー画像の記録と光定着の終了後に、マゼンタ用紫外線ランプを点灯させ、マゼンタ用紫外線ランプの発光強度が所定値に達した後に、2回転目を開始してマゼンタ画像の記録を行い、このマゼンタ画像の記録直後にマゼンタ用紫外線ランプからの紫外線をカラー感熱記録紙に照射する。
【0057】
また、上記実施形態では、上層からイエロー感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,シアン感熱発色層の順番で配されたカラー感熱記録紙を用いた例について説明したが、上層からマゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層,シアン感熱発色層の順番で配されたカラー感熱記録紙を用いた場合には、マゼンタ、イエロー,シアンの順番で記録する。この場合には、マゼンタ用紫外線ランプの発光強度を所定値に保ち、イエロー用紫外線ランプをの発光強度を所定値以上にする必要があるから、紫外線センサをマゼンタ用ランプの背後に配して、マゼンタ用紫外線ランプからの紫外線を直接に受光するようにし、マゼンタ用紫外線ランプで反射,散乱されたイエロー用紫外線ランプからの紫外線を受光するようにする。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、第1感熱発色層に特有な紫外線を放出する第1紫外線ランプ及び第2感熱発色層に特有な紫外線を放出する第2紫外線ランプをカラー感熱記録紙の幅方向に配置しておき、これらの背後を覆うリフレクタの第1紫外線ランプの背後の部分に測定用開口を設け、この測定用開口を介して紫外線センサで第1紫外線ランプからの紫外線を直接に受光するとともに、第1紫外線ランプで反射された第2紫外線ランプからの紫外線を受光するようにしたから、1個の紫外線センサで第1と第2紫外線ランプをそれぞれ必要な精度で測定することができる。これにより、光定着装置を安価に作ることができる。また、第1紫外線ランプの背後に紫外線センサを配したから、カラー感熱記録紙で反射された紫外線の影響を少なくして、発光強度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した光定着装置の紫外線センサの受光状態を示す説明図である。
【図2】本発明のカラー感熱プリンタの一例を示す概略図である。
【図3】カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図である。
【図4】記録紙ロールから引き出したカラー感熱記録紙を示す説明図である。
【図5】光定着装置を示す斜視図である。
【図6】光定着装置を側面及び上面側から示す平面図である。
【図7】カラー感熱プリンタの要部の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
14 カラー感熱記録紙
17 光定着装置
20 サーマルヘッド
30 イエロー用紫外線ランプ
31 マゼンタ用紫外線ランプ
32 リフレクタ
33 紫外線センサ
40 コントローラ
35 測定用開口
Claims (2)
- 少なくとも第1〜第3感熱発色層が積層され、下層の感熱発色層ほど熱感度が低いカラー感熱記録紙を用い、サーマルヘッドで上層にある熱感度が高い第1感熱発色層から順に記録して画像を3色面順次で記録する際に、第1感熱発色層の記録直後に、第1感熱発色層に特有な第1の紫外線をカラー感熱記録紙に照射して第1感熱発色層を光定着し、また第2感熱発色層の記録直後に、第2感熱発色層に特有な第2の紫外線をカラー感熱記録紙に照射して第2の感熱発色層を光定着する光定着装置において、
カラー感熱記録紙の送り方向と直交する方向に配置され、第1及び第2の紫外線をそれぞれ放出する第1紫外線ランプ及び第2紫外線ランプと、これらの各紫外線ランプの後方へ照射された第1及び第2の紫外線をカラー感熱記録紙に向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタの前記第1紫外線ランプの背後の部分に設けた測定用開口と、この測定用開口を介して前記第1紫外線ランプからの第1の紫外線を直接に受光するとともに、第1紫外線ランプで反射または散乱した第2紫外線ランプからの第2の紫外線を受光するように、前記測定用開口に向けて配された紫外線センサとを備えたことを特徴とする光定着装置。 - 前記紫外線センサは、カラー感熱記録紙の記録エリアの外側の部分に対向するように配されていることを特徴とする請求項1記載の光定着装置。
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3553737B2 (ja) |
-
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