JP2004232707A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】いわゆる円筒形の防振装置にも適用できる高い設計自由度を持ち、低コストで消費電力も少ないものでありながら、広い周波数領域において防振性能を発揮することのできる液体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】内筒10と外筒12をゴム材よりなる防振基体14を介して結合し、防振基体14にて室壁の一部が形成された主液室16とダイヤフラム24にて室壁の一部が形成された副液室18を備える防振装置において、主液室16の室壁の一部を振動付加時の防振基体14の弾性変形に伴い主液室16のみの体積を可変するように変位可能なピストン状部材28とシリンダ状部材30で構成し、両者28,30間に磁界強さに応じて粘度が変化するMR流体34を密封保持し、また磁界強さを制御可能な電磁石40を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車エンジン等の振動体を防振的に支承するのに用いられる液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体封入式防振装置は、車体フレーム等の支持側とエンジン等の振動発生体側にそれぞれ取り付けられる2つの取付金具と、両取付金具を結合するゴム材よりなる防振基体と、防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と、主液室にオリフィスを介して連結されるとともにダイヤフラムにて室壁の一部が形成された副液室とを備えてなり、オリフィスによる両液室間の液流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能を果たすように構成されている。
【0003】
従来、かかる液体封入式防振装置において、シェイク振動とアイドル振動等の異なる周波数域の振動に対応させるように複数のオリフィスを設けたものが提案されている。例えば、特開2001−20992号公報に開示された液体封入式防振装置では、主液室と副液室とを仕切る仕切部に、主液室と副液室を連結する第1オリフィスを設けるとともに、第2副液室と該第2副液室に通じる第2オリフィスとを設けて、第1オリフィスで例えばシェイク振動を吸収し、第2オリフィスで例えばアイドル振動を吸収するように構成されている。
【0004】
しかしながら、最近の自動車ではアイドル振動の周波数域が低周波数化の傾向にあり、シェイク振動の周波数域との差が小さくなってきているため、上記のような単に複数のオリフィスを設けたものでは、各オリフィスでそれぞれの振動を効果的に吸収するには限界がある。
【0005】
一方、液体封入式防振装置においては、低周波数域の振動に対してはオリフィスを通る液体の流動効果により主液室内の液圧変動を吸収することができるものの、高周波数域の振動に対してはオリフィスが閉ざされたと同様の状態となるため、主液室内の液圧変動を吸収することができず、従って高周波数域の振動については良好な防振性能を確保できないという問題がある。
【0006】
かかる問題を解決するため、特開2002−206591号公報には、カップ状の下側取付金具とその軸心上に配された上側取付金具とを防振基体を介して結合し、下側取付金具の下部側にダイヤフラムを設けて防振基体との間の液室を仕切部により上下に仕切ったいわゆるお椀形の防振装置において、仕切部を上下の液室の体積を相対的に可変する方向に変位可能に構成するとともに、この仕切部の変位しやすさを調整するために、磁界強さにより粘度が増減変化可能なMR流体と、磁界強さを制御可能な電磁石を設けたものが開示されている。この防振装置では、電磁石への通電を制御することにより仕切部自体の動バネ定数を可変にして広い周波数領域の振動に対して防振性能を発揮させることができる。
【0007】
しかしながら、同公報に開示された技術は主液室と副液室とを区画する仕切部を持つものに適用されるものであり、このような仕切部を通常持たないいわゆる円筒形の防振装置には適用することができない。また、この防振装置では、電磁石を仕切部に一体に組付けることにより装置全体のコンパクト化を図っているが、上記の仕切部に電磁石を設ける場合、電磁石用のリード線を液室内を通さずに引き出すための工夫が必要となる。そのため、同公報では、ダイヤフラムの中央部に開口を設け、その開口周縁部を仕切部の下面に結合して、結合部の内側からリード線を引き出すことにより、液室内を通過させることなくリード線を引き出すようにしているが、このようにダイヤフラムの中央部を仕切部に結合させた場合、ダイヤフラムの撓み代を確保することが難しく、十分な撓み代を確保するために断面蛇腹状に折り返した形状とすると、ダイヤフラムの耐久性を損なうことが懸念される。
【0008】
なお、特開平7−224885号公報や特開平5−164181号公報には、主液室の室壁の一部を振動板により構成し、この振動板を可動コイルへの通電による電磁力で加振することにより、主液室内の内圧を制御するようにしたものが提案されている。しかしながら、このように振動板を加振するタイプの防振装置は、そのための部品コストが高く、また消費電力も大きいという問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2001−20992号公報
【0010】
【特許文献2】特開2002−206591号公報
【0011】
【特許文献3】特開平7−224885号公報
【0012】
【特許文献4】特開平5−164181号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、いわゆる円筒形の防振装置にも適用できる高い設計自由度を持ち、低コストで消費電力も少ないものでありながら、広い周波数領域において防振性能を発揮することのできる液体封入式防振装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体封入式防振装置は、第1取付部材と、第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム材よりなる防振基体と、該防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と、該主液室にオリフィスを介して連結されるとともにダイヤフラムにて室壁の一部が形成された副液室とを備え、前記主液室の室壁の一部が、振動付加時の前記防振基体の弾性変形に伴い該主液室のみの体積を可変するように相対変位可能なピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、前記ピストン状部材とシリンダ状部材の間に、磁界強さに応じて粘度が変化するMR流体を流動可能な状態に密封保持するMR流路が形成され、該MR流路を横断する磁路を形成してMR流体の粘度を変化させるための磁界強さを制御可能な電磁石が設けられたものである。
【0015】
本発明の液体封入式防振装置では、電磁石への通電をオン/オフあるいは通電電流をコントロールしてMR流体の粘度を増減変化させることにより、ピストン状部材を定位置に固定したり、主液室の体積を可変する方向に変位させたりすることができ、これにより、防振装置の動バネ定数や減衰係数を切り替え制御することができるので、広い周波数領域にわたり防振性能を発揮することができる。そして、特に本発明によれば、ピストン状部材を主液室のみの体積を可変するように設けるので、主液室と副液室とを区画する仕切部のないいわゆる円筒形の防振装置にも適用することができ、設計自由度が高い。更に、上記従来の振動板を加振するタイプの防振装置に比べて、部品コストを抑え、更に消費電力も低減される。
【0016】
本発明の防振装置は、第1取付部材と第2取付部材が軸部材とこれを軸平行に取り囲む外筒部材からなり、これら軸部材及び外筒部材の軸直角方向に振動が付加される、いわゆる円筒形の防振装置であって、前記軸部材を挟んで相対する一方側に前記防振基体により主液室が形成され、他方側に前記ダイヤフラムにより副液室が形成されてもよい。この場合、外筒部材にシリンダ状部材としての凹部が設けられ、該凹部内にピストン状部材が外筒部材の軸直角方向に変位可能に配されていることが好ましい。このように円筒形の場合、外筒部材の周方向において比較的自由にピストン状部材及びシリンダ状部材を配置することができる。
【0017】
また、本発明の防振装置は、第1取付部材が筒状をなし、第2取付部材が該第1取付部材の軸心上に配置されて、該第1取付部材の軸方向に振動が付加される、いわゆるお椀形の防振装置であって、前記ダイヤフラムが前記防振基体に対向させて前記第1取付部材に取り付けられて、該第1取付部材の内側における防振基体とダイヤフラムとの間に前記主液室と前記副液室が形成されてもよい。この場合、主液室と副液室との間を仕切る仕切部を備え、該仕切部の主液室側の面にシリンダ状部材としての凹部が設けられ、該凹部内にピストン状部材が前記第1取付部材の軸方向に変位可能に配されていることが好ましい。この構造では、仕切部内を通して電磁石用のリード線を引き出すことができるので、仕切部自体を変位させる従来の構造に比べて製造が容易であり、またダイヤフラムの耐久性の問題も生じない。
【0018】
本発明の防振装置において、前記電磁石はピストン状部材に設けられることが好ましく、これにより、液圧を受けるピストン状部材の受圧面積を確保しながら装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0019】
また、本発明の防振装置においては、前記MR流路が、ピストン状部材とシリンダ状部材の相対変位方向に沿い互いに平行に位置する流路部分とそれら流路部分を相互に連通するように前記相対変位方向に直交又はほぼ直交する方向に沿って位置して磁路の横断部を構成する流路部分とを有する断面クランク状に形成されていることが好ましい。
【0020】
このようにMR流体の流路を断面クランク状にし、そのクランク状流路のうちピストン状部材の変位方向に対して概略直交する流路部分に磁路を横断させる構成を採用したことにより、通電に伴い磁路横断箇所に対応する流路部分のMR流体の粘度増大によってMR流体の流れを堰き止めてピストン状部材の剛性を急速に増大させることができる。詳述すると、例えば、MR流体流路を一直線状に形成し、その直線状流路の一部分に磁路を横断させることにより、通電に伴い粘度増大するMR流体の内部摩擦力に依存して剛性の増大を図るように構成したものに比べて、通電電流に対する剛性(ばね定数)の変化率を大きくすることが可能である。従って、振動減衰性能の切り換えを少ない消費電力のもとで発揮させてランニングコストの低減が図れるとともに、切り換えの迅速化が図られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る液体封入式防振装置について、図1〜5に基づいて説明する。
【0022】
本実施形態の防振装置は、自動車のエンジンを防振的に支承するエンジンマウントであり、エンジン側に取り付けられる横設された内筒10と、これを軸平行に取り囲み車体側に取り付けられる外筒12とを、ゴム材よりなる防振基体14を介して結合してなり、これら内筒10及び外筒12の軸直角方向に振動が付加される、いわゆる円筒形の液体封入式防振装置である。
【0023】
内筒10と外筒12の間には、防振基体14によって室壁の一部が形成された主液室16と、防振基体14から延びた薄肉ゴム膜からなる可撓性のダイヤフラム24により室壁の一部が形成された副液室18とが設けられている。主液室16は内筒10の下側に防振基体14の凹部により形成され、副液室18は内筒10の上側に空隙19を介在させて設けられたダイヤフラム24により形成されている。
【0024】
主液室16と副液室18とは、外筒12の内面に沿って周方向に延びるオリフィス20により互いに連通されている。オリフィス20は、外筒12の内側にやや小径の中間筒22を設けて、該中間筒22と外筒12との間に所定の幅及び高さの流路を設けることで形成されている。
【0025】
外筒12は、詳細には内外二重に構成されており、内側金具12Aの内周面に防振基体14が取り付けられ、外側金具12Bが内側金具12Aの外周にかしめ固定されている。
【0026】
主液室16の内部には、樹脂製のフロート25が配されており、内筒10の軸直角方向への過大変位を規制するストッパとして作用している。また、主液室16は、内筒10下方の主液室本体部16Aから外筒12の内周面に沿って周方向にかつ上方に延びる延長部16Bを備える。延長部16Bの高さ(外筒の軸直角方向における寸法)は本体部16Aの高さよりも十分小さく設定されている。
【0027】
そして、この主液室の延長部16BにMR機構部26が設けられている。MR機構部26は、振動付加時の防振基体14の弾性変形に伴い主液室16のみの体積を可変するように変位可能なピストン状部材28とシリンダ状部材30とを備えてなり、主液室16の室壁の一部を構成する。
【0028】
外筒12は、内向きに開口しかつ外方に張り出し形成された凹形成部32を備え、この凹形成部32内にシリンダ状部材30としての凹部が設けられている。そして、この凹部内に円盤状のピストン状部材28が外筒12の軸直角方向に変位可能に配されている。
【0029】
シリンダ状部材30の内側におけるピストン状部材28との間には、磁界強さによって粘度が変化するMR流体34を流動可能な状態に密閉保持するMR流路36が全周にわたって設けられている。MR流路36は、薄肉のカバーゴム38によりシールされている。
【0030】
図2に示すように、ピストン状部材28は、MR流路36を横断する磁路mpを形成してMR流体34の粘度を変化させるための磁界強さを制御可能な円環状コイルからなる電磁石40と、電磁石40を保持するボビン42と、ボビン42を締結ボルト44を用いて上下に挟み込むように保持するケース46とからなる。ケース46の外周面は全周にわたって切り欠かれ、これにより、ピストン状部材28は外周面に周方向に延びる凹部48を持つ短円柱状に形成されている。
【0031】
シリンダ状部材30は、非磁性あるいは弱磁性材質からなり、その内周面には内側のピストン状部材28に向けて突出する強磁性材質からなる円環状のヨーク部50が設けられている。また、シリンダ状部材30の凹部底面は、ピストン状部材28との接触を和らげる突起を持つゴム51で被覆されている。
【0032】
MR流路36は、ピストン状部材28とシリンダ状部材30との相対変位方向に沿って互いに平行に位置する垂直流路部分36A及び中間垂直流路部分36Bと、両者36A,36Bを連通するように相対変位方向に直交又はほぼ直交する方向に沿って位置する水平流路部分36Cとを有し、断面クランク状に形成されている。この断面クランク状の流路36は、ピストン状部材28の凹部48に対しその外側からシリンダ状部材30のヨーク部50の内周端を差し入れることで形成されている。
【0033】
上記電磁石40は、MR流路の水平流路部分36Cを横断するような磁路mpを形成するように、ピストン状部材28の凹部48の内側に配置されている。電磁石40にはリード線52が接続されており、リード線52はMR流路36を通ってシリンダ状部材30の凹部底部から外側に引き出され、制御部54に接続されている。そして、制御部54からの信号に基づき、電磁石40への通電電流をコントロールすることにより、MR流路の水平流路部分36Cを横断する磁路mpに流れる磁界強さを制御してMR流体34の粘度を増減変化可能に構成している。なお、MR流体34は、高濃度の懸濁液中に1〜10μm程度の粒子径をもつ強磁性金属微粒子を分散させてなるビンガム流体で、−40〜150℃の作動温度域を有し磁界強さの大きさによって粘度が変化するものであり、磁気粘性流体あるいは磁気流動学的流体と呼ばれている。
【0034】
以上よりなる本実施形態の防振装置では、電磁石40への通電をオンにすると、MR流体34の粘度が上昇してピストン状部材28が変位しにくくなり定位置に固定される。一方、電磁石40への通電をオフにすると、MR流体34の粘度が小さくなってピストン状部材28が変位しやすくなり、その変位に伴って主液室16の体積を可変することができるようになる。また、通電電流を制御してMR流体34の粘度を調整することにより、MR流体34の粘性効果によって振動を減衰することもできる。
【0035】
図5に示すように、通電をオフにすると、オンの場合に比べて、減衰係数のピーク周波数(オリフィス20の共振周波数)が低周波数側にシフトする。また、通電をオフにした場合、オンの場合に比べて、高周波数領域において動バネ定数が低下する。そこで、この現象を利用して以下のように制御することが好ましい。
【0036】
まず、その前提として、オリフィス20の共振周波数を、通電オフのときにシェイク振動(例えば12Hz前後)を減衰し、通電オンのときにアイドル振動(例えば15〜20Hz)を減衰するように設定しておく。そして、アイドル時には通電をオンにし、車両走行時には通電をオフに制御する。これにより、アイドル時には例えば17Hzのアイドル振動をオリフィス20で減衰することができる。また、走行時には通電をオフにすることで、オリフィス20の共振周波数が12Hz前後まで下がるのでシェイク振動を減衰することができるとともに、20Hzを越える高周波数域(例えば40〜300Hz)の振動に対して防振効果を発揮することができる。このように制御することにより、車両走行中における電力消費量を低減することができ、車両全体としての低燃費化に寄与することができる。
【0037】
なお、制御方法は上記に限定されるものではなく、例えば以下のように制御してもよい。低周波数領域の振動が作用する条件下では通電をオンにし、ピストン状部材28を定位置に固定して、オリフィス20を介して主液室16から副液室18に液体を流動させて主液室16内の液圧変動を吸収し、これにより低周波数領域の振動を減衰させる。そして、高周波数領域の振動が作用する条件下では通電をオフにし、あるいは通電電流を増減制御して磁界強さの大きさを調整することにより、ピストン状部材28の動バネ定数を通電時よりも小さくして、高周波数領域の振動に対して防振効果を発揮させる。
【0038】
図6は、第2の実施形態に係る液体封入式防振装置を示したものである。この防振装置は、筒状をなし車体側に取付固定される下側取付金具60と、その軸心上に配されてエンジン側に取り付けられる上側取付金具62とを、ゴム材よりなる防振基体64を介して結合してなり、下側取付金具60の軸方向に振動が付加される、いわゆるお椀形の液体封入式防振装置である。
【0039】
防振基体64は、外形が略截頭円錐形をなし、その上部軸心上に上側取付金具62の下部が加硫成形手段により埋設されており、防振基体64の下端外周部が下側取付金具60の上部内周面に加硫成形手段により接着固定されている。
【0040】
下側取付金具60の下部側には、防振基体64と対向するようにゴム膜よりなるダイヤフラム66が装着されている。ダイヤフラム66は、外周部にリング状の補強金具68を備えて、この補強金具68により下側取付金具60の下端に取付固定されている。
【0041】
下側取付金具60の内側には、ダイヤフラム66と防振基体64との間に密閉された液室70が形成されており、液室70における下側取付金具60の内周には、外周にオリフィス72を形成する円盤状の仕切部材73が液密に嵌着されており、液室70は、この仕切部材73により上下に仕切られている。仕切部材73の上側には、防振基体64にて室壁の一部が形成された主液室74が設けられ、仕切部材73の下側には、ダイヤフラム66にて室壁の一部が形成された副液室76が設けられ、両液室74,76はオリフィス72を介して連結されている。
【0042】
仕切部材73の上面、即ち主液室74側の面には、第1の実施形態と同様のMR機構部26が設けられている。すなわち、仕切部材73には、主液室74側に開口するシリンダ状部材としての凹部78が設けられており、この凹部78内に上記のピストン状部材28が下側取付金具60の軸方向(即ち、上下方向)に変位可能に配されている。従って、この実施形態でも、ピストン状部材28は振動付加時の防振基体64の弾性変形に伴い主液室74のみの体積を可変するように変位可能である。
【0043】
なお、この実施形態では仕切部材73がシリンダ状部材となるため、これが非磁性あるいは弱磁性材質からなる。また、電磁石40用のリード線52は仕切部材73の内部を通り、更に下側取付金具60を貫通して水平に引き出されて制御部54に接続されている。MR機構部26のその他の構成は第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0044】
第2の実施形態の防振装置においても、第1の実施形態と同様、通電をオンにするとピストン状部材28が変位しにくくなり定位置に固定され、また、通電をオフにするとピストン状部材28が変位しやすくなりその変位に伴って主液室74の体積を可変することができる。制御方法についても第1の実施形態と同様の制御が可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、いわゆる円筒形の防振装置にも適用できる高い設計自由度を持ち、低コストで消費電力も少ないものでありながら、広い周波数領域において防振性能を発揮することのできる液体封入式防振装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液体封入式防振装置の縦断面図。
【図2】同防振装置の要部拡大断面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】図1のIV−IV線断面図。
【図5】同防振装置の周波数と動バネ定数及び減衰係数との関係を示すグラフ。
【図6】第2の実施形態に係る液体封入式防振装置の縦断面図。
【符号の説明】
10……内筒(軸部材、第2取付部材)
12……外筒(外筒部材、第1取付部材)
14……防振基体
16……主液室
18……副液室
20……オリフィス
24……ダイヤフラム
28……ピストン状部材
30……シリンダ状部材
34……MR流体
36……MR流路
36A,36B……垂直流路部分
36C……水平流路部分
40……電磁石
60……下側取付金具(第1取付部材)
62……上側取付金具(第2取付部材)
64……防振基体
66……ダイヤフラム
72……オリフィス
73……仕切部材
74……主液室
76……副液室
78……凹部

Claims (7)

  1. 第1取付部材と、第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム材よりなる防振基体と、該防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と、該主液室にオリフィスを介して連結されるとともにダイヤフラムにて室壁の一部が形成された副液室とを備え、
    前記主液室の室壁の一部が、振動付加時の前記防振基体の弾性変形に伴い該主液室のみの体積を可変するように相対変位可能なピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、
    前記ピストン状部材とシリンダ状部材の間に、磁界強さに応じて粘度が変化するMR流体を流動可能な状態に密封保持するMR流路が形成され、
    該MR流路を横断する磁路を形成してMR流体の粘度を変化させるための磁界強さを制御可能な電磁石が設けられた
    ことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 前記第2取付部材が軸部材であり、前記第1取付部材が該軸部材を軸平行に取り囲む外筒部材であり、これら軸部材及び外筒部材の軸直角方向に振動が付加される防振装置であって、
    前記軸部材を挟んで相対する一方側に前記防振基体により前記主液室が形成され、他方側に前記ダイヤフラムにより前記副液室が形成されたことを特徴とする請求項1記載の液体封入式防振装置。
  3. 前記外筒部材に前記シリンダ状部材としての凹部が設けられ、該凹部内に前記ピストン状部材が外筒部材の軸直角方向に変位可能に配されたことを特徴とする請求項2記載の液体封入式防振装置。
  4. 前記第1取付部材が筒状をなし、前記第2取付部材が該第1取付部材の軸心上に配置されて、該第1取付部材の軸方向に振動が付加される防振装置であって、
    前記ダイヤフラムが前記防振基体に対向させて前記第1取付部材に取り付けられて、該第1取付部材の内側における防振基体とダイヤフラムとの間に前記主液室と前記副液室が形成されたことを特徴とする請求項1記載の液体封入式防振装置。
  5. 前記主液室と前記副液室との間を仕切る仕切部を備え、該仕切部の主液室側の面に前記シリンダ状部材としての凹部が設けられ、該凹部内に前記ピストン状部材が前記第1取付部材の軸方向に変位可能に配されたことを特徴とする請求項4記載の液体封入式防振装置。
  6. 前記電磁石が、前記ピストン状部材に設けられた請求項1〜5のいずれかに記載の液体封入式防振装置。
  7. 前記MR流路が、前記のピストン状部材とシリンダ状部材の相対変位方向に沿い互いに平行に位置する流路部分とそれら流路部分を相互に連通するように前記相対変位方向に直交又はほぼ直交する方向に沿って位置して磁路の横断部を構成する流路部分とを有する断面クランク状に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体封入式防振装置。
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