JPH10311363A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH10311363A
JPH10311363A JP11725597A JP11725597A JPH10311363A JP H10311363 A JPH10311363 A JP H10311363A JP 11725597 A JP11725597 A JP 11725597A JP 11725597 A JP11725597 A JP 11725597A JP H10311363 A JPH10311363 A JP H10311363A
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JP
Japan
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vibration
coil spring
elastic film
membrane
air chamber
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Application number
JP11725597A
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English (en)
Inventor
Shoichi Kumakawa
正一 熊川
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屑を発生させずに長期間にわたって弾性膜の
復元力を維持する。 【解決手段】 弾性体18が内筒金具24と外筒金具1
6との間に取り付けられる。外筒金具16内に液室32
が設けられ、隔壁部材34が液室32を主液室32Aと
副液室32Bとに区画している。隔壁部材34の中央部
に凹部38が形成され、メンブラン46と凹部38の底
部との間に第2空気室50となる空間が区画される。メ
ンブラン46の外周部46Aはベローズ状とされつつ薄
肉に形成され、メンブラン46の内周部46Bが外周部
46Aより肉厚に形成される。第2空気室50内に、メ
ンブラン46を主液室32A側に付勢するように円錐状
のコイルスプリング48が配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動発生部からの
振動の伝達を防止する場合等に適用される防振装置に関
するものであり、振動を発生するエンジン等の部材を支
持するマウント類に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻
止するような構造となっている。
【0003】その例として、図5及び図6に示すような
防振装置がそれぞれ知られており、これらの図に基づき
従来の防振装置を以下に説明する。
【0004】これらの図に示すように、この防振装置1
10の外筒金具120と内筒金具116との間に、ゴム
製の弾性体118がこれら金具に加硫接着されて配置さ
れている。
【0005】さらに、外筒金具120内に配置されたダ
イヤフラム122と弾性体118との間に液室124が
設けられ、この液室124を一対の液室である主液室1
24A及び副液室124Bに区画すると共にオリフィス
132を有した隔壁部材130が、液室124内に設置
された構造となっている。
【0006】従って、搭載されたエンジンが作動して振
動が発生した場合には、弾性体118の制振機能及び、
これら両液室124A、124Bを連通するオリフィス
132内の液体の粘性抵抗等で振動を吸収し、振動の伝
達を阻止するようになっている。
【0007】また、低周波数の振動で作用するオリフィ
ス132が目詰まりするようなこの低周波数の振動より
高い周波数の振動を吸収する為に、主液室124Aに面
するように弾性膜112が隔壁部材130に設置され、
空気室114がこれら隔壁部材130及び弾性膜112
により区画されて形成されている。そして、エンジンの
吸入負圧を利用して空気室114内の気圧を変動させる
ことで、弾性膜112を変形可能な状態と変形不可能な
状態との間で切り換え、主液室124A内の液圧をオリ
フィス132の目詰まり時に制御可能としていた。
【0008】さらに、図5に示す防振装置の弾性膜11
2は、主液室124A側に中央部が円弧状に突出する構
造とされており、図6に示す防振装置の弾性膜112
は、平面状に形成される構造とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
従来の防振装置の内の図5のような弾性膜112を採用
した場合、弾性膜112が円弧状で均一に変形し難いた
めに防振特性が安定しなかったり、弾性膜112が反転
したときに元に復元し難かったりして、防振特性が非線
形となる欠点があった。
【0010】つまり、弾性膜112が一旦反転してしま
うと、空気室114内の空気を給排するための吸入口1
26を弾性膜112が塞いで空気室114内が真空状態
となり、弾性膜112が元に復元しなくなる。
【0011】一方、図6のような弾性膜112を採用し
た場合、張力を予め与えて平面状に弾性膜112を形成
するが、組立の際のばらつきにより弾性膜112に加わ
る張力が変化して、防振特性のばらつきを生じさせる要
因となる欠点があった。また、弾性膜112が平面状に
形成されていて弾性膜112の伸びが少なくなる為、空
気室114内へ空気を吸入して変形可能な状態とした際
の弾性膜112の変形量が少なくなり、十分な防振特性
を得にくくなる。さらに、弾性膜112に常に張力が加
わっている為、弾性膜112が劣化して弾性膜112の
弾性が低下し易くなる欠点があった。
【0012】従って、上記のような欠点を改善すべく、
弾性膜112の中央部が円弧状に突出する図5の構造を
採用しつつ、吸入口126に弾性膜112が密着しない
ように弾性膜112に部分的な突起を設けたり、ウレタ
ン等を空気室114内に詰めて復元力を確保するなどの
対策が、考えられていた。
【0013】しかし、弾性膜112のこすれにより発生
する屑や、空気中の水分でウレタンが加水分解して劣化
等することで発生する屑が、空気室114に繋がる切換
弁に詰まったりする虞があった。また、ウレタンを採用
した場合、ウレタンによる復元力が長期の間に小さくな
る欠点があった。
【0014】本発明は上記事実を考慮し、屑を発生させ
ずに長期間にわたって弾性膜の復元力を維持し得る防振
装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材の間に配置
され且つ弾性変形可能な弾性体と、弾性体を隔壁の一部
として液体が封入され且つ弾性体の変形により内容積が
変化する主液室と、主液室との間が制限通路で連通され
て液体が封入される副液室と、主液室の隔壁の他の一部
とされる弾性変形可能な弾性膜と、弾性膜を介して主液
室に対向して配置される空気室と、弾性膜を主液室側に
付勢するように空気室内に配置されたコイルスプリング
と、負圧状態と負圧を遮断する状態との間で空気室内を
切り換える切換弁と、を有することを特徴とする。
【0016】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、弾性膜の外周側寄りの部分を薄肉に形
成し、弾性膜の内周側寄りの部分を外周側より肉厚に形
成したことを特徴とする。
【0017】請求項3による防振装置は、請求項1の防
振装置において、コイルスプリングを円錐状のコイルス
プリングとし、このコイルスプリングの大径側を弾性膜
に当接した状態でこのコイルスプリングを空気室内に配
置したことを特徴とする。
【0018】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。いずれかの取付部材に連結された振動発生部側
から振動が伝達されると、弾性体が変形して弾性体によ
り振動が減衰される。この弾性体の変形に伴って、主液
室の内容積が変化し、副液室とこの主液室との間を連通
する制限通路内の液体に圧力変化が生じる。
【0019】また、主液室の隔壁の他の一部とされる弾
性変形可能な弾性膜を介して、主液室に対向して空気室
が配置され、弾性膜を主液室側に付勢するように空気室
内にコイルスプリングが配置されている。そして、切換
弁がこの空気室内を負圧状態と負圧を遮断する状態との
間で切り換える。
【0020】以上の結果、振動発生部側から低周波数の
振動が伝達された場合、切換弁を切り換えて空気室内を
負圧状態にすることで、コイルスプリングの付勢力に抗
しつつ弾性膜が空気室の内側に吸い寄せられるように変
形して保持され、変形し難くなる。この為、弾性体の変
形及び主液室と副液室との間の制限通路内の液体の流動
等により、振動が減衰されて振動受部側に振動が伝達さ
れ難くなる。
【0021】一方、振動発生部側から制限通路が目詰ま
りするような高周波数の振動が伝達された場合、切換弁
を振動の周期に合わせて連続的に切り換えて、空気室内
を負圧状態と負圧を遮断する状態である例えば大気圧に
する状態との間で連続的に切り換える。これによって、
振動の周期に同期させて主液室の隔壁の一部とされる弾
性膜が変形して主液室の隔壁が変位することで、主液室
内の液圧変動が小さくなり、液圧が高くならない。つま
り、高周波数の振動が伝達されると、弾性体の変形及び
弾性膜の変形により、振動が減衰されて振動受部側に振
動が伝達され難くなる。
【0022】また、コイルスプリングが弾性膜を主液室
側に付勢しているので、振動の周波数が低周波数から高
周波数に変わる際に、空気室内の空気を給排するための
吸入口を弾性膜が塞いで弾性膜が元に復元しないことが
なくなる。
【0023】そして、コイルスプリングを採用したこと
で、弾性膜のこすれにより発生する屑やウレタンから発
生する屑がなくなるだけでなく、弾性膜の復元力がコイ
ルスプリングにより長期間の間にわたって維持される。
【0024】以上より本請求項の防振装置は、広い周波
数範囲で振動を低減することができるようになる。
【0025】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様な作用を奏する。但
し、本請求項では、弾性膜の外周側寄りの部分を薄肉に
形成し、弾性膜の内周側寄りの部分を外周側より肉厚に
形成した構成とされている。
【0026】従って、張力が予め与えられて平面状に形
成された弾性膜と異なって、防振装置の組立の際のばら
つきにより張力が変化して、防振特性がばらつくことが
なくなる。また、弾性膜の外周側寄りの部分を薄肉に形
成したことで、平面状に形成された弾性膜と異なって、
弾性膜の伸びが大きくなる。この為、負圧を遮断する状
態における弾性膜の変形量が増大し、十分な防振特性が
得られることになる。
【0027】さらに、平面状に形成された弾性膜と異な
って弾性膜に予め張力が加わえられていない為、弾性膜
が劣化して弾性膜の弾性が低下することがない。
【0028】一方、弾性膜の外周側寄りの部分をベロー
ズ状に形成すれば、主液室の液圧変動の低減に寄与する
弾性膜の有効な可動面積をより一層大きくすることがで
きる。
【0029】請求項3に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様な作用を奏する。但
し、本請求項では、コイルスプリングを円錐状のコイル
スプリングとし、このコイルスプリングの大径側を弾性
膜に当接した状態でこのコイルスプリングを空気室内に
配置した構成とされている。
【0030】つまり、コイルスプリングが小径では弾性
膜の有効な可動面積が小さくなって、弾性膜の耐久性が
低くなり、また、等径のコイルスプリングでは、コイル
スプリングが長くなって屈曲し易くなるが、コイルスプ
リングを円錐状のコイルスプリングとし、コイルスプリ
ングの大径側を弾性膜に当接したことで、弾性膜の耐久
性が向上し、コイルスプリングが屈曲し難くなる。
【0031】さらに、本請求項により、負圧状態で弾性
膜が空気室の内側に吸い寄せられた際の弾性膜の空気室
側への密着度が高められる。つまり、負圧状態で弾性膜
が確実に吸われていないと、制限通路に流体が流れ難く
なる為、制限通路による減衰力が低下するが、この現象
を防止できることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の防振装置に係る一実施の
形態を図1から図4に示し、これらの図に基づき本実施
の形態を説明する。
【0033】本実施の形態を表す図1に示すように、こ
の防振装置10の第1の取付部材の下側寄りの部分を円
筒状に形成される外筒金具16が構成している。さら
に、この外筒金具16の上端部に円板状のフランジ部1
6Aが形成されており、外筒金具16とほぼ同様の径を
有した上部筒状金具20の下部がこのフランジ部16A
にかしめられて、この上部筒状金具20が外筒金具16
の上部側に固定されつつ配置されている。つまり、外筒
金具16及び上部筒状金具20で第1の取付部材が構成
されることになる。
【0034】そして、この上部筒状金具20の上面を形
成する支持面20Aの中央部には、貫通穴22が形成さ
れている。
【0035】さらに、外筒金具16の外周側には、それ
ぞれL字状に形成され且つ貫通穴14Aをそれぞれ有し
た三つの脚部14(一つのみ示す)が、外筒金具16の
外周側に溶接されて、設けられている。
【0036】一方、外筒金具16の内周面には、円筒形
状に形成されるゴム製の弾性体18の外周面が加硫接着
されており、この外筒金具16が弾性体18を囲んで保
持することになる。そして、外筒金具16の下部側に対
応する弾性体18の部分は薄肉とされた肉薄部18Aと
されている。
【0037】また、外筒金具16の内周側の弾性体18
の中心部には、金属製の第2の取付部材である内筒金具
24が加硫接着されつつ埋設されており、この内筒金具
24の上部を弾性体18から上方に突出する連結筒部2
4Aが形成し、この連結筒部24Aが前述の貫通穴22
を貫通している。さらに、この内筒金具24の連結筒部
24Aには、雌ねじが形成されたねじ穴24Bが設けら
れている。
【0038】この弾性体18から突出される内筒金具2
4の連結筒部24Aはエンジンへの連結用として用いら
れることとなり、振動発生部となるエンジン(図示せ
ず)の取り付け部に、上方から止めボルトが挿通され、
内筒金具24のねじ穴24Bにこの止めボルトが螺合さ
れて、連結筒部24Aの頂面上にエンジンが連結される
ことになる。
【0039】さらに、止めねじが三つの脚部14の貫通
穴14Aをそれぞれ貫通して振動受部となる車体に締結
されることで、車体に防振装置10が固定される。つま
り、外筒金具16の外周側に形成された三つの脚部14
を介して外筒金具16が、車体に連結されることにな
る。
【0040】他方、外筒金具16の下部側の部分には、
ゴム製のダイヤフラム30が配置される。
【0041】このダイヤフラム30と弾性体18との間
には、これらの部材で内壁面が形成された液室32が設
けられていて、例えば水、オイル等の液体が封入されて
いる。そして、この液室32内には、例えば合成樹脂材
料或いはアルミニウム材料で形成された隔壁部材34
が、弾性体18の肉薄部18Aの内壁面に嵌合されると
共に肉薄部18Aの上端部に外周側が係合して軸方向の
位置決めがされて、配置されていて、液室32を一対の
小液室である主液室32Aと副液室32Bとに二分して
区画している。
【0042】また、この隔壁部材34の外周面となる外
周端部34Cには、外周端部34Cに沿いほぼ一周にわ
たって溝状に形成された溝部36が設けられている。こ
の溝部36の一端部には、主液室32Aと溝部36内と
を連通する小孔52が形成され、他端部には、副液室3
2Bと溝部36内とを連通する小孔54が形成されてい
る。
【0043】従って、弾性体18の内壁面により塞がれ
たこの溝部36及び小孔52、54が主液室32Aと副
液室32Bとの間を連通する制限通路であるオリフィス
42を構成することとなる。
【0044】さらに、一対の穴部12Aを有した底板金
具12が、外筒金具16の下部側を概ね塞ぐように配置
されており、外筒金具16の下部側寄りの部分であるか
しめ部16Bを屈曲して、底板金具12の外周側寄りの
部分及びダイヤフラム30の外周側寄りの部分を隔壁部
材34とかしめ部16Bとの間で挟持するようにされて
いる。また、ダイヤフラム30と底板金具12との間は
第1空気室44とされてダイヤフラム30の変形を可能
としている。
【0045】一方、前述の隔壁部材34は、リング状に
形成された上部構成部材34Aと円板状に形成された下
部構成部材34Bとを組み合わせて形成されており、こ
の隔壁部材34の中央部に円形の凹部38が形成される
形となっている。
【0046】さらに、隔壁部材34の上部構成部材34
Aと下部構成部材34Bとの間であってこの凹部38を
二分する位置には、弾性膜であるゴム製のメンブラン4
6の外周部分が、これらに挟着されて配置されていて、
このメンブラン46と凹部38の底部との間には、第2
空気室50となる空間が区画されている。
【0047】そして、メンブラン46の外周側寄りの部
分である外周部46Aはベローズ状とされつつ薄肉に形
成され、メンブラン46の内周側寄りの部分である内周
部46Bが外周部46Aより肉厚に形成されている。
【0048】また、この第2空気室50内には、メンブ
ラン46を主液室32A側に付勢するように円錐状のコ
イルスプリング48が配置されている。つまり、コイル
スプリング48の大径側をメンブラン46に当接した状
態とすると共に、コイルスプリング48の小径側を凹部
38の底面に形成された吸入口58に嵌め込む状態とす
ることで、このコイルスプリング48が第2空気室50
内に配置されている。
【0049】そして、外筒金具16には連結チューブ6
0が外筒金具16を貫通しつつ取り付けられていて、隔
壁部材34内には、第2空気室50の隔壁となる凹部3
8の底面に形成された吸入口58から、この連結チュー
ブ60の一端に繋がる通路56が形成されている。
【0050】この連結チューブ60の他端には配管78
の一端が連結され、この配管78の他端が、電磁的に作
動する電磁弁である3ポート2位置切換弁により構成さ
れる切換弁82の一端に連結されている。また、エンジ
ンの吸気側であるインテークマニホールド76と接続さ
れる接続パイプ80が、切換弁82の他端に連結され、
切換弁82とインテークマニホールド76とが連通され
ている。
【0051】他方、切換弁82は、車両の運転状況を判
断して印加電圧をオン・オフする制御手段である制御回
路70に連結されている。制御回路70は車両電源によ
って駆動され、少なくとも車両の運転状況を判断する車
速センサ72及びエンジン回転数センサ74からの検出
信号を受け、車速及びエンジン回転数を検出できる。こ
れにより制御回路70は、アイドル振動発生時かシェイ
ク振動発生時かの判断、すなわち車両の走行時か停止時
かの判断ができるようになっている。従って、この制御
回路70の指令により切換弁82が切り換えられて、第
2空気室50を負圧状態及び負圧を遮断する状態の間で
切り換えるようになる。
【0052】この結果、切換弁82が第2空気室50を
負圧状態であるインテークマニホールド76側に切り換
えている状態では、第2空気室50内の空気圧が低下し
て負圧となり、コイルスプリング48の付勢力に抗しつ
つ、メンブラン46が下方に移動されて、図2に示すよ
うに、メンブラン46が下降した位置に移動される。
【0053】一方、切換弁82が第2空気室50を負圧
を遮断する状態である大気側に切り換えている状態で
は、インテークマニホールド76による負圧が遮断さ
れ、第2空気室50内が大気側に連通されて大気圧とな
る。このため、メンブラン46がコイルスプリング48
により押し上げられて、図3に示すように、メンブラン
46が上昇した位置に移動される。
【0054】次に本実施の形態の作用を説明する。外筒
金具16が脚部14を介して車体に連結され、この外筒
金具16の内周側に内筒金具24が位置し、この内筒金
具24の端部がエンジンに連結される。さらに、これら
内筒金具24と外筒金具16との間に配置される弾性体
18が、内筒金具24と外筒金具16とを弾性変形可能
に連結する。
【0055】従って、内筒金具24に搭載されるエンジ
ンが作動すると、エンジンの振動が内筒金具24を介し
て弾性体18に伝達される。弾性体18は吸振主体とし
て作用し、弾性体18の内部摩擦に基づく制振機能によ
って振動を吸収することができる。さらに、この弾性体
18の変形に伴って、主液室32Aの内容積が変化し、
主液室32A及び副液室32B内の液体がオリフィス4
2を通って相互に流通し、オリフィス空間に生ずる液体
の圧力変化、液体流動の粘性抵抗等に基づく減衰作用で
防振効果を向上することができる。
【0056】また、主液室32Aの隔壁の他の一部とさ
れる弾性変形可能なメンブラン46を介して、主液室3
2Aに対向して第2空気室50が配置され、このメンブ
ラン46を主液室32A側に付勢するように第2空気室
50内にコイルスプリング48が配置されている。そし
て、切換弁82がこの第2空気室50内を負圧状態と負
圧を遮断する状態との間で切り換えるようになってい
る。
【0057】以下に具体的な動作を説明する。例えば車
両が走行すると、シェイク振動(15Hz未満)が生じ
る。制御回路70は、車速センサ72及びエンジン回転
数センサ74によりシェイク振動発生時であると判断
し、切換弁82を切り換えて、第2空気室50内をイン
テークマニホールド76と連通させて負圧状態にする。
【0058】これによって、第2空気室50内の空気圧
が低下して負圧となり、図2に示すように、メンブラン
46がコイルスプリング48の付勢力に抗しつつ第2空
気室50の内側に吸い寄せられるように変形して保持さ
れ、変形し難くなる。
【0059】そして、コイルスプリング48の線材間が
密着して、メンブラン46が上下方向に移動しない状態
となり、オリフィス42内を液体が積極的に行き来して
通過抵抗を受け、または液柱共振することによって高減
衰となり、図4に示すようにシェイク振動が吸収され
る。尚、図4においてCは減衰を表しKは動ばね定数を
表す。
【0060】この為、弾性体18の変形及び主液室32
Aと副液室32Bとの間のオリフィス42内の液体の流
動等により、振動が減衰されて車体側に振動が伝達され
難くなる。
【0061】一方、例えば車両が停止すると、エンジン
がアイドリング運転となって振動の周波数が高いアイド
ル振動(20〜40Hz)が生じる。この場合、オリフィ
ス42が目詰まり状態となるが、この際、制御回路70
は、車速センサ72及びエンジン回転数センサ74によ
りアイドル振動発生時であると判断し、切換弁82を振
動の周期に合わせて連続的に切り換えて、第2空気室5
0内を負圧状態と第2空気室50内を負圧を遮断する状
態となる大気側と連通させる状態との間で、連続的に切
り換える。
【0062】つまり、振動に伴って内筒金具24及び弾
性体18が上方に移動して主液室32Aが拡大されよう
とした瞬間には、切換弁82を切り換えて第2空気室5
0内を大気側と連通させて第2空気室50内を大気圧と
同圧とする。この結果、図3に示すように、コイルスプ
リング48により押し上げられて、メンブラン46が上
方に移動されるように変形され、主液室32Aの容積変
動が小さくなって液圧変動が小さくされる。
【0063】また、振動に伴って内筒金具24及び弾性
体18が下方に移動して主液室32Aが縮小されようと
した瞬間には、切換弁82を切り換えて第2空気室50
内をインテークマニホールド76と連通させて、第2空
気室50内の空気圧を低下して負圧とする。この結果、
図2に示すように、メンブラン46がコイルスプリング
48の付勢力に抗しつつ第2空気室50の内側に吸い寄
せられるように変形され、主液室32Aの容積変動が小
さくなって液圧変動が小さくされる。
【0064】従って、振動の周期に同期させて主液室3
2Aの隔壁の一部とされるメンブラン46が弾性変形し
て主液室32Aの隔壁が変位することで、主液室32A
内の液圧変動が小さくなり、主液室32A内の液圧が高
くならないようになる。つまり、高周波数の振動が伝達
されると、弾性体18の変形及びメンブラン46の変形
により、振動が減衰されて車体側に振動が伝達され難く
なる。
【0065】尚、この際の振動の周期及び振動の位相
は、エンジン回転数センサ74によりエンジン回転数を
検出するのに伴って検出することが可能であり、また、
振動センサを設置してこの振動センサにより振動の周期
を検出するようにしても良い。
【0066】この結果、オリフィス42では振動を低減
できない高周波数の振動が生じても、図4に示すように
低動ばねとなり、防振特性が低減されずに維持され、防
振装置10の効果が十分発揮されて、アイドル振動が吸
収される。
【0067】以上より、車両の走行時と停止時とでは、
相互にエンジンの発生する振動の周波数が異なるが、第
2空気室50内の気圧を切換弁82の動作により切り換
えることで、周波数の相違に対応することできる。つま
り、切換弁82により第2空気室50を大気側に連通す
るかインテークマニホールド76に連通するかで、防振
装置10の特性を変化させ、幅広い周波数範囲に渡って
振動を吸収することができる。
【0068】他方、コイルスプリング48がメンブラン
46を主液室32A側に付勢しているので、コイルスプ
リング48によりメンブラン46が凹部38の底面に密
着しないだけでなく、振動の周波数が低周波数から高周
波数に変わる際に、第2空気室50内の空気を給排する
ための吸入口58をメンブラン46が塞いでメンブラン
46が元に復元しないことがなくなる。
【0069】そして、コイルスプリング48を採用した
ことで、メンブラン46のこすれにより発生する屑やウ
レタンから発生する屑がなくなり信頼性が向上するだけ
でなく、メンブラン46の復元力がコイルスプリング4
8により長期間の間にわたって維持される。
【0070】また、本実施の形態では、メンブラン46
の外周部46Aが薄肉に形成され、メンブラン46の内
周部46Bが外周側より肉厚に形成されている。
【0071】従って、張力が予め与えられて平面状に形
成されたメンブランと異なって、防振装置10の組立の
際のばらつきにより張力が変化して、防振特性がばらつ
くことがなくなる。また、平面状に形成されたメンブラ
ンと異なって、メンブラン46の外周部46Aを薄肉に
形成したことで、メンブラン46の伸びが大きくなる。
この為、負圧を遮断する状態におけるメンブラン46の
変形量が増大し、十分な防振特性が得られることにな
る。
【0072】さらに、平面状に形成されたメンブランと
異なってメンブラン46に予め張力が加わえられていな
い為、メンブラン46が劣化してメンブラン46の弾性
が低下することがない。
【0073】一方、メンブラン46の外周部46Aがベ
ローズ状に形成されているので、主液室32Aの液圧変
動の低減に寄与するメンブラン46の有効な可動面積で
ある内周部46Bをより一層大きくすることができた。
【0074】さらに、本実施の形態では、コイルスプリ
ング48を円錐状のコイルスプリングとし、このコイル
スプリング48の大径側をメンブラン46に当接した状
態でこのコイルスプリング48を第2空気室50内に配
置した。
【0075】つまり、コイルスプリングが小径ではメン
ブラン46の有効な可動面積が小さくなって、メンブラ
ン46の耐久性が低くなり、また、等径のコイルスプリ
ングでは、コイルスプリングが長くなって屈曲し易くな
るが、コイルスプリング48を円錐状のコイルスプリン
グ48とし、コイルスプリング48の大径側をメンブラ
ン46に当接したことで、メンブラン46の耐久性が向
上し、コイルスプリング48が屈曲し難くなる。
【0076】さらに、本実施の形態により、負圧状態で
メンブラン46が第2空気室50の内側に吸い寄せられ
た際のメンブラン46の第2空気室50側への密着度が
高められる。つまり、負圧状態でメンブラン46が確実
に吸われていないと、オリフィス42に流体が流れ難く
なる為、オリフィス42による減衰力が低下するが、こ
の現象を防止できることになる。
【0077】尚、上記実施の形態において、振動発生部
であるエンジンに内筒金具24側を連結し、振動受部で
ある車体に外筒金具16側を連結するような構成とした
が、この逆の構成としても良い。
【0078】他方、実施の形態において、車両に搭載さ
れるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置
は例えば車両のボディマウント等、あるいは車両以外の
他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、
弾性体等の形状、寸法及びオリフィスの数なども実施の
形態のものに限定されるものではない。
【0079】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、屑を発生させずに長期間にわたっ
て弾性膜の復元力を維持できると言う優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態を示す断
面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の一実施の形態の要部を
示す拡大断面図であって、負圧状態を示す図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態の要部を
示す拡大断面図であって、負圧を遮断する状態を示す図
である。
【図4】本発明に係る防振装置の一実施の形態の防振特
性を示す図である。
【図5】従来技術に係る第1の防振装置を示す断面図で
ある。
【図6】従来技術に係る第2の防振装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10 防振装置 16 外筒金具 18 弾性体 24 内筒金具 32A 主液室 32B 副液室 46 メンブラン 50 第2空気室 48 コイルスプリング 82 切換弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置され且つ弾性変形可能
    な弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 主液室との間が制限通路で連通されて液体が封入される
    副液室と、 主液室の隔壁の他の一部とされる弾性変形可能な弾性膜
    と、 弾性膜を介して主液室に対向して配置される空気室と、 弾性膜を主液室側に付勢するように空気室内に配置され
    たコイルスプリングと、 負圧状態と負圧を遮断する状態との間で空気室内を切り
    換える切換弁と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 弾性膜の外周側寄りの部分を薄肉に形成
    し、弾性膜の内周側寄りの部分を外周側より肉厚に形成
    したことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 コイルスプリングを円錐状のコイルスプ
    リングとし、このコイルスプリングの大径側を弾性膜に
    当接した状態でこのコイルスプリングを空気室内に配置
    したことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
JP11725597A 1997-05-07 1997-05-07 防振装置 Pending JPH10311363A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067993A1 (ja) * 2003-01-29 2004-08-12 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. 液体封入式防振装置
WO2006054336A1 (ja) * 2004-11-17 2006-05-26 Toyo Tire & Rubber Co.,Ltd. 液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニット

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WO2004067993A1 (ja) * 2003-01-29 2004-08-12 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. 液体封入式防振装置
WO2006054336A1 (ja) * 2004-11-17 2006-05-26 Toyo Tire & Rubber Co.,Ltd. 液封入式防振装置及び液封入式防振装置ユニット

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