JPH116540A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH116540A
JPH116540A JP16004097A JP16004097A JPH116540A JP H116540 A JPH116540 A JP H116540A JP 16004097 A JP16004097 A JP 16004097A JP 16004097 A JP16004097 A JP 16004097A JP H116540 A JPH116540 A JP H116540A
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JP
Japan
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vibration
liquid chamber
movable wall
switching valve
main liquid
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JP16004097A
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Katsumi Tashiro
勝巳 田代
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドル振動をも含めた幅広い周波数の振動
を吸収する。 【解決手段】 弾性体18及び可動壁28で区画された
空間が主液室30を構成し、可動壁28と底板金具12
との間の空気室34内の空気が下部ポート12Bにより
吸排可能とされる。ダイヤフラム48を覆うように配置
された取付金具46が外筒金具14の外周面に固着さ
れ、ダイヤフラム48と外筒金具14の外周面との間の
空間が、アイドルオリフィス42を介して主液室30と
連通される副液室32とされる。ダイヤフラム48と取
付金具46との間の空気室36に対応する部分に側部ポ
ート46Aが形成される。側部ポート46Aが第1開口
筒88に連通され、下部ポート12Bが第2開口筒90
に連通されて、空気室34及び空気室36に切換弁82
がそれぞれ連結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、内
部に主液室及び副液室を設けると共に、オリフィスとな
る制限通路でこれらの液室を互いに連通した構造のもの
がある。そして、搭載されたエンジンが作動して振動が
発生した場合には、これら液室を連通する制限通路内の
液体の液柱共振等で振動を吸収し、振動の伝達を阻止す
るようになっている。
【0004】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、能動的制御を行う防振装置が、近年案出さ
れるようになった。
【0005】そして、従来の能動的制御を行う防振装置
としては、主液室の隔壁として可動壁を設け、その可動
壁をアクチュエータで振動に同期させて往復動させるこ
とで、主液室の内圧の上昇をキャンセルして、振動の伝
達を防止する構造のものがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車両の振動の
内のアイドル時にエンジンで発生するアイドル振動は、
エンジンの回転数を可能な限り下げているため、大きな
振幅の振動となっていた。このため、アイドル振動領域
ではエンジンからの振動の入力が大きくなり、上記のよ
うな構造の防振装置では制御力が不足して、防振効果が
不十分となってしまう欠点があった。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、アイドル振動
をも含めた幅広い周波数の振動に対応して振動を吸収し
得る防振装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材の間に配置
される弾性体と、弾性体を隔壁の一部として液体が封入
され且つ弾性体の変形により内容積が変化する主液室
と、主液室の隔壁の他一部を構成する可動壁と、主液室
との間が制限通路により連通され且つ液体が封入される
副液室と、副液室の隔壁の一部を変形可能に形成する弾
性膜と、可動壁の背面側及び弾性膜の背面側にそれぞれ
連結され且つ負圧状態と負圧を遮断する状態との間で切
り換えてこれら可動壁及び弾性膜を往復動する切換弁
と、を有することを特徴とする。
【0009】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、前記切換弁を作動する制御手段及び振
動の波形を検出するセンサを有し、センサが検出した振
動の波形に基づいて制御手段が切換弁を作動することを
特徴とする。
【0010】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。いずれかの取付部材に連結された振動発生部側
から振動が伝達されると、弾性体が変形して弾性体によ
り振動が減衰される。この弾性体の変形に伴って、主液
室の内容積が変化し、副液室とこの主液室との間を連通
する制限通路内の液体に圧力変化が生じ、主液室と連通
する副液室の隔壁の一部を変形可能に形成する弾性膜が
変形する。
【0011】この結果、振動発生部側からの振動が伝達
されると、弾性体だけでなく、主液室と副液室との間の
制限通路内の液体により振動が減衰されて、振動受部側
に振動が伝達され難くなる。
【0012】また、主液室の隔壁の他一部を可動壁が構
成すると共に、副液室の隔壁の一部を弾性膜が変形可能
に形成し、これら可動壁の背面側及び弾性膜の背面側に
それぞれ連結される切換弁が、負圧状態と負圧を遮断す
る状態との間で切り換えて、これら可動壁及び弾性膜を
往復動するようになっている。
【0013】従って、振動発生部側からの振動の周波数
が変わり、上記の制限通路では、振動を低減できないよ
うな高周波域の振動である例えばアイドル振動が伝達さ
れた場合、これに合わせて負圧状態と負圧を遮断する状
態との間で切換弁が切り換えて、主液室の隔壁の他一部
を構成する可動壁及び副液室の隔壁の一部を変形可能に
形成する弾性膜を往復動する。
【0014】つまり、アイドル振動領域では、切換弁を
振動の周期に合わせて連続的に切り換えて、負圧状態と
負圧を遮断する状態である例えば大気圧にする状態との
間で連続的に切り換える結果として、可動壁及び弾性膜
が切換弁により振動の周期に同期されつつ往復動され
て、可動壁により隔壁の他一部が構成される主液室及び
弾性膜により隔壁の一部が変形可能に形成される副液室
が、拡縮される。
【0015】これにより、主液室と副液室との間に大き
な差圧を生じさせ、主液室と副液室との間を繋ぐ制限通
路内を流れる液体の液量を増大させて、制限通路内の液
体により液柱共振を積極的に生じさせることで、振幅の
大きなアイドル振動領域での振動に対応して振動を吸収
することができる。
【0016】すなわち、可動壁及び弾性膜が振動に同期
して往復動することで、アイドル振動のような大きな振
幅の振動をも低減可能となり、これに伴っていずれの振
動帯域においても適切に振動が吸収されることになる。
【0017】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様な作用を奏する。但
し、本請求項では、切換弁を作動する制御手段及び振動
の波形を検出するセンサを有し、センサが検出した振動
の波形に基づいて制御手段が切換弁を作動する構成とさ
れている。
【0018】この為、センサにより検出された振動の波
形に基づいて切換弁が作動されるので、より確実に振動
が吸収されることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1から図6に示し、これらの図に基づき
本実施の形態を説明する。
【0020】本実施の形態を表す図1及び図2に示すよ
うに、防振装置10の下部側を第1の取付部材である皿
状の底板金具12が形成し、この底板金具12の底部に
は、開口となる下部ポート12Bが形成されている。
【0021】さらに、この底板金具12の外周側にはフ
ランジ部12Aが設けられており、このフランジ部12
Aがかしめられることで、このフランジ部12Aの上部
に、円筒状に形成された外筒金具14が、底板金具12
に連結されつつ配置されている。
【0022】また、この外筒金具14の上下方向中程の
部分には、図示しない車体にこの防振装置10を連結し
て固着する為のブラケット16が、外筒金具14の円周
方向に等間隔で3個設置されている。
【0023】さらに、この外筒金具14の上部側は上側
を大径としたテーパ状に形成されており、この外筒金具
14の上部側の内周面には、円筒形状をしたゴム製の弾
性体18の下部側が加硫接着されており、この弾性体1
8が薄肉で外筒金具14の内壁面に沿って下側に延びて
いる。
【0024】この弾性体18の上部側中央部には、補強
金具22を溶接により固着した頂板金具20が位置して
おり、第2の取付部材となるこれら頂板金具20及び補
強金具22に、この弾性体18の上部側が加硫接着され
ている。
【0025】そして、この頂板金具20の中央部から図
示しないエンジンの連結用として用いられるボルト24
が上側に突出しており、このボルト24にナット26が
締結されることで、エンジンを支持する支持台56が頂
板金具20に固定されつつ連結されている。
【0026】一方、この外筒金具14の下部には、外周
端を底板金具12と外筒金具14とで挟持された薄肉で
弾性変形可能なゴム製の可動壁28が配置されており、
弾性体18及び可動壁28で区画された空間が主液室3
0を構成し、例えば水、オイル等の液体が封入されてい
る。従って、これら弾性体18及び可動壁28により液
体が封入された主液室30の隔壁が構成されることにな
る。
【0027】また、可動壁28の底面と底板金具12の
底部との間の空間が空気室34とされて、可動壁28の
変位を容易にしているだけでなく、下部ポート12Bに
よりこの空気室34内の空気が吸排可能とされている。
【0028】他方、主液室30内には、図2に示すよう
に、リング状に形成された通路形成部材38が弾性体1
8の薄肉部分を介して、外筒金具14の内側に嵌合され
つつ配置されている。図1に示すように、この通路形成
部材38の外周面には、通路形成部材38の周方向に沿
って延びるように溝部40が形成されていて、通路形成
部材38の断面が外周側を開放したU字形となってい
る。
【0029】そして、この溝部40と外筒金具14の内
周面とでアイドル振動吸収用の制限通路であるアイドル
オリフィス42が形成され、このアイドルオリフィス4
2の一端は通路形成部材38を貫通した穴部38Aで主
液室30に繋がっており、このアイドルオリフィス42
の他端側は外筒金具14を貫通した穴部14Aで外筒金
具14の外周面に繋がっている。
【0030】さらに、薄肉で弾性変形可能なゴム製の弾
性膜であるダイヤフラム48が、アイドルオリフィス4
2の開口端に対応する部分を含む外筒金具14の外周側
部分を覆うように外筒金具14に加硫接着されている。
また、ダイヤフラム48に加硫接着された取付片52を
挟持しつつ、ダイヤフラム48を覆うように配置された
取付金具46が、外筒金具14の外周面に溶接等により
固着されている。
【0031】この為、ダイヤフラム48と外筒金具14
の外周面との間の空間が、アイドルオリフィス42を介
して主液室30と連通される副液室32とされており、
また、ダイヤフラム48と取付金具46の内周面側との
間の空間が空気室36とされ、ダイヤフラム48の変形
を容易にしている。そして、取付金具46の空気室36
に対応する部分には、開口となる側部ポート46Aが形
成されている。
【0032】また、前述の下部ポート12Bには配管6
2の一端が連結され、この側部ポート46Aには配管6
4の一端が連結され、これらの配管62、64の他端
が、図3及び図5に示すような、コイル84を収納した
切換弁82の開口筒88、90に連結されている。つま
り、側部ポート46Aが配管64を介して第1開口筒8
8に連通され、下部ポート12Bが配管62を介して第
2開口筒90に連通されて、可動壁28の背面側の空気
室34及びダイヤフラム48の背面側の空気室36に切
換弁82がそれぞれ連結される。
【0033】さらに、この切換弁82の中心には、鋼製
で軸状に形成されたプランジャ86がその軸方向に沿っ
て移動可能に配置されており、このプランジャ86の基
端側が可動子となってコイル84への電圧の印加時にコ
イル84内に吸引されるようになる。また、このプラン
ジャ86の基端側とプランジャ86に形成されたフラン
ジ板86Cとの間には、フランジ板86Cを介してプラ
ンジャ86を上方に付勢するコイルスプリング92が配
置されている。
【0034】一方、プランジャ86の先端側寄りの部分
には、それぞれフランジ状の第1弁体板86A及び第2
弁体板86Bが形成されており、切換弁82の右側の部
分には、3つの開口部が形成されている。
【0035】この3つの開口部の内の中央部の第4開口
部96は、図1に示すように、エンジンの吸気部分であ
るインテークマニホールド76と接続される接続パイプ
66に連結されていて、上下の第3開口部94及び第5
開口部98は、それぞれ大気に開放されている。
【0036】また、切換弁82には、第1開口筒88、
第3開口部94及び第4開口部96がそれぞれ繋がる第
1弁室102が形成されていて、この第1弁室102内
に前述の第1弁体板86Aが配置されている。そして、
図3に示すように、第1弁体板86Aが第1弁室102
内の上部に位置した時に第3開口部94を閉鎖し、図5
に示すように、第1弁体板86Aが第1弁室102内の
下部に位置した時に第4開口部96を閉鎖するようにな
っている。
【0037】さらに、切換弁82には、第2開口筒9
0、第4開口部96及び第5開口部98がそれぞれ繋が
る第2弁室104が形成されていて、この第2弁室10
4内に前述の第2弁体板86Bが配置されている。そし
て、図3に示すように、第2弁体板86Bが第2弁室1
04内の上部に位置した時に第4開口部96を閉鎖し、
図5に示すように、第2弁体板86Bが第2弁室104
内の下部に位置した時に第5開口部98を閉鎖するよう
になっている。
【0038】以上より、切換弁82は、電磁的に作動す
る電磁弁である2位置切換弁を構成することになり、コ
イル84へ電圧を印加していない場合には、図3に示す
ように、プランジャ86がコイルスプリング92に付勢
されて、第1開口筒88がインテークマニホールド76
と連通されると共に、第2開口筒90が大気側と連通さ
れる。
【0039】一方、コイル84へ所定の電圧を印加した
場合、図5に示すように、プランジャ86がコイル84
の発生する電磁力によって、コイルスプリング92の付
勢力に抗しつつコイル84側に吸引され、第1開口筒8
8が大気側と連通されると共に、第2開口筒90がイン
テークマニホールド76と連通される。
【0040】他方、切換弁82のコイル84は、車両の
運転状況を判断して印加電圧をオン・オフする制御手段
である制御回路70に連結されている。制御回路70は
車両電源によって駆動され、少なくとも車両の運転状況
を判断する車速センサ72及びエンジン回転数センサ7
4からの検出信号を受け、車速及びエンジン回転数を検
出できる。これにより制御回路70は、アイドル振動発
生時かこもり音発生時かの判断、すなわち車両の停止時
か走行時かの判断ができるようになっている。
【0041】従って、制御回路70により、切換弁82
への通電及び通電の停止が制御されて、空気室34及び
空気室36内の気圧が大気圧と負圧との間で交互に切り
換えられることで、空気室34と可動壁28を介して隣
り合う主液室30及び、空気室36とダイヤフラム48
を介して隣り合う副液室32が、交互に拡縮されて、よ
り一層振動が低減されることになる。
【0042】次に本実施の形態の作用を説明する。頂板
金具20に搭載されるエンジンが作動すると、エンジン
の振動が頂板金具20を介して弾性体18に伝達され
る。弾性体18は吸振主体として作用し、弾性体18の
内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収すること
ができる。
【0043】さらに、この弾性体18の変形に伴って、
主液室30の内容積が変化し、隔壁の一部がダイヤフラ
ム48により変形可能に形成される副液室32とこの主
液室30との間を連通するアイドルオリフィス42内の
液体に圧力変化が生じ、ダイヤフラム48が変形する。
【0044】この結果、エンジン側からの振動が伝達さ
れると、弾性体18だけでなく、主液室30と副液室3
2との間のアイドルオリフィス42内の液体の流動の粘
性抵抗及び液柱共振等に基づく減衰作用により振動が減
衰されて、車体側に振動が伝達され難くなる。
【0045】そして、主液室30の隔壁の一部として可
動壁28を設け、この可動壁28の背面側及びダイヤフ
ラム48の背面側にそれぞれ連結される切換弁82が、
この部分を負圧状態と大気圧状態との間で切り換えて、
これら可動壁28及びダイヤフラム48を往復動するよ
うにした結果として、以下のように作用する。
【0046】以下に具体的な動作を説明する。例えば車
両が停止すると、エンジンがアイドリング運転となって
振動の周波数が高く振幅の大きいアイドル振動(20〜
40Hz)が生じる。この場合、制御回路70は、車速セ
ンサ72及びエンジン回転数センサ74によりアイドル
振動発生時であると判断し、負圧と大気圧との間での切
り換えによってアイドルオリフィス42内に液体が積極
的に流れるように、切換弁82のコイル84に制御回路
70が電圧を印加する。
【0047】つまり、アイドル振動領域では、切換弁8
2を振動の周期に合わせて連続的に切り換え、負圧状態
と負圧を遮断する状態である大気圧にする状態との間で
連続的に切り換えて、主液室30及び副液室32を交互
に拡縮する。この結果として、切換弁82によって主液
室30の隔壁の一部を構成する可動壁28及び副液室3
2の隔壁の一部を構成するダイヤフラム48が振動の周
期に同期されつつ往復動され、主液室30と副液室32
との間に大きな差圧を生じさせて、主液室30と副液室
32との間を繋ぐアイドルオリフィス42内を流れる液
体の液量を増大させることができる。
【0048】具体的には、図4に示すように、エンジン
が振動して頂板金具20を矢印A方向に移動する瞬間に
は、図3に示すように、切換弁82のコイル84に電圧
を印加しないこととして、主液室30に隣り合う空気室
34内を大気に連通して、可動壁28をこれと逆の矢印
B方向に移動すると共に、副液室32に隣り合う空気室
36内を負圧としてダイヤフラム48を変形させて副液
室32の容積を拡大する。
【0049】また、図6に示すように、エンジンが振動
して頂板金具20を矢印B方向に移動する瞬間には、図
5に示すように、切換弁82のコイル84に電圧を印加
して、主液室30に隣り合う空気室34内を負圧として
可動壁28をこれと逆の矢印A方向に移動すると共に、
副液室32に隣り合う空気室36内を大気に連通して、
ダイヤフラム48を変形させて副液室32の容積を縮小
する。
【0050】これによって、アイドルオリフィス42を
介して主液室30と副液室32とで液体を積極的に行き
来させて、アイドルオリフィス42内で液体が液柱共振
を積極的に生じさせることで、動ばね定数が低減され、
振幅の大きなアイドル振動領域での振動に対応して振動
を吸収することができる。
【0051】他方、例えば車両が高速走行すると、振動
の周波数がさらに高いこもり音(40Hz以上)が生じ
る。この場合、アイドルオリフィス42は目詰まり状態
となるが、この際、制御回路70は、車速センサ72及
びエンジン回転数センサ74によりこもり音発生時であ
ると判断し、切換弁82のコイル84に電圧を印加す
る。
【0052】この結果、上記のアイドル振動発生時と逆
に、通常の同位相で主液室30の内圧のキャンセル動作
を行う。
【0053】具体的には、エンジンが振動して頂板金具
20を矢印A方向に移動する瞬間に、可動壁28をこれ
と同方向の矢印A方向に移動するように、コイル84に
電圧を印加し、エンジンが振動して頂板金具20を矢印
B方向に移動する瞬間に、可動壁28をこれと同方向の
矢印B方向に移動するように、コイル84に電圧を印加
する。
【0054】これによって、主液室30の内圧が上昇し
ないので、こもり音領域での振動に対応して振動を吸収
することができる。
【0055】尚、この車両の高速走行時(こもり音領
域)において、切換弁82のコイル84に電圧を印加し
ない状態のままで固定するようにしても良い。これによ
り、副液室32側の空気室36を負圧としてダイヤフラ
ム48を吸引固定し、主液室30側の空気室34を大気
に連通することで、主液室30の隔壁の一部となる可動
壁28を変形可能として、この可動壁28の弾性変形に
より振動を吸収するようにする。
【0056】つまり、アイドル振動時のみ防振装置10
の状態を制御し、高速走行時には切換弁82のコイル8
4に電圧を印加しないで省エネとして、エネルギを節約
する。
【0057】以上より、車両の走行時と停止時とでは、
相互にエンジンの発生する振動の周波数が異なるが、空
気室34、36内の気圧を切換弁82の動作により切り
換えることで、周波数の相違に対応することできる。つ
まり、切換弁82により空気室34、36を大気側に連
通するかインテークマニホールド76に連通するかで、
可動壁28及びダイヤフラム48が振動の周期に同期し
て往復動し、アイドル振動やこもり音のような振動を低
減することができる。
【0058】この結果、いずれの振動数においても適切
に振動が吸収されて、防振装置10の特性を変化させ、
幅広い周波数範囲に渡って振動を吸収することができ
る。
【0059】尚、上記実施の形態において、制限通路を
アイドルオリフィス42のみとすると共に副液室を一つ
のみとしたが、シェイク振動吸収用の制限通路であるシ
ェイクオリフィス及びこれに対応した副液室を設けるよ
うにしても良い。また、上記実施の形態において、振動
の波形を検出するセンサを車速センサ72及びエンジン
回転数センサ74としたが、振動センサを採用しても良
い。
【0060】一方、上記実施の形態において説明した切
換弁82以外のバルブを可動壁及び弾性膜を往復動する
為の切換弁として、採用しても良い。
【0061】さらに、上記実施の形態において車体に第
1の取付部材である底板金具12側が取り付けられ、エ
ンジンに第2の取付部材である頂板金具20側が取り付
けられる構成としたが、この逆の構成としてもよい。
【0062】また、上記実施の形態において、車両に搭
載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振
装置は他の用途にも用いられることはいうまでもなく、
また、形状等も実施の形態のものに限定されるものでは
ない。
【0063】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、アイドル振動をも含めた幅広い周
波数の振動に対応して振動を吸収することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
である。
【図2】図1の2−2矢視線断面図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態に適用さ
れる切換弁のプランジャが上昇した状態の断面図であ
る。
【図4】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
であって、アイドル振動発生時において頂板金具が矢印
A方向に移動した状態の図である。
【図5】本発明に係る防振装置の一実施の形態に適用さ
れる切換弁のプランジャが下降した状態の断面図であ
る。
【図6】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
であって、アイドル振動発生時において頂板金具が矢印
B方向に移動した状態の図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板金具(第1の取付部材) 18 弾性体 20 頂板金具(第2の取付部材) 28 可動壁 30 主液室 32 副液室 48 ダイヤフラム 82 切換弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 主液室の隔壁の他一部を構成する可動壁と、 主液室との間が制限通路により連通され且つ液体が封入
    される副液室と、 副液室の隔壁の一部を変形可能に形成する弾性膜と、 可動壁の背面側及び弾性膜の背面側にそれぞれ連結され
    且つ負圧状態と負圧を遮断する状態との間で切り換えて
    これら可動壁及び弾性膜を往復動する切換弁と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 前記切換弁を作動する制御手段及び振動
    の波形を検出するセンサを有し、センサが検出した振動
    の波形に基づいて制御手段が切換弁を作動することを特
    徴とする請求項1記載の防振装置。
JP16004097A 1997-06-17 1997-06-17 防振装置 Pending JPH116540A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2817600A1 (fr) * 2000-12-05 2002-06-07 Tokai Rubber Ind Ltd Dispositif actif actionne pneumatiquement d'amortissement des vibrations
US6491290B2 (en) 2000-07-14 2002-12-10 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device having pressure receiving chamber whose spring stiffness is controllable
JP2006022960A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Hutchinson 制御可能な液圧振動減衰支持装置

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