JPH10252815A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH10252815A
JPH10252815A JP5927397A JP5927397A JPH10252815A JP H10252815 A JPH10252815 A JP H10252815A JP 5927397 A JP5927397 A JP 5927397A JP 5927397 A JP5927397 A JP 5927397A JP H10252815 A JPH10252815 A JP H10252815A
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JP
Japan
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valve
liquid chamber
vibration
actuator
main liquid
Prior art date
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Pending
Application number
JP5927397A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータを小型化して高性能化する。 【解決手段】 外筒金具16の内側に仕切部材28が配
置され、仕切部材28と弾性体18とで区画された空間
が主液室30を構成する。仕切部材28の上部側に凹部
34が形成され、凹部34の底面に円形貫通孔36が形
成され、アイドルオリフィス42に繋がっている。凹部
34内に、連結シャフト54が連結される弁体50が主
液室30側に面して配置される。連結シャフト54の下
端部寄りは、底板金具12内の空間を上部空気室60及
び下部空気室62に区画する弾性膜56を貫通してい
る。弾性膜56は挟持板58A、58Bに挟まれ、底板
金具12の底面と挟持板58Bとの間に挟持板58A、
58B及び弾性膜56を上方に付勢する為のコイルスプ
リング68が配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、内
部に主液室及び副液室を設けると共に、オリフィスとな
る制限通路でこれらの液室を互いに連通した構造のもの
がある。そして、搭載されたエンジンが作動して振動が
発生した場合には、これら液室を連通する制限通路内の
液体の液柱共振等で振動を吸収し、振動の伝達を阻止す
るようになっている。
【0004】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、長さ及び内径を種々相違させた制限通路、
これら制限通路の少なくとも一つを開閉する為のバルブ
である開閉弁及び、この開閉弁を開閉動させるアクチュ
エータを設置した防振装置が、近年案出されるようにな
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、このような防
振装置では、例えば開閉弁を副液室側に配置し、エンジ
ンのインテークマニホールドの負圧を利用したアクチュ
エータにより、この開閉弁を開閉動して、制限通路を開
閉する構造が考えられる。
【0006】しかし、一般にこの構造では、走行時等に
おける主液室内の液体の圧力の上昇に伴って開閉弁に加
わる力に抗するように開閉弁をスプリング等で押さえ
て、制限通路が不用意に開放されないようにされてい
る。従って、制限通路の不用意な開放による液体の漏れ
を抑えて防振性能を向上させる為に、このスプリングの
付勢力を高めた場合、開閉弁の開放時に、アクチュエー
タがスプリングの高められた付勢力に抗して開閉弁を移
動しなければならなくなる。
【0007】この結果として、アクチュエータによる開
閉弁の吸引力を高める必要が生じるのに伴って、アクチ
ュエータを大型化しなければならず、アクチュエータが
防振装置内で大きなスペースをとり防振装置が大型化す
るという欠点がある。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、アクチュエー
タが小型化されて高性能化された防振装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材の間に配置
される弾性体と、弾性体を隔壁の一部として液体が封入
され且つ弾性体の変形により内容積が変化する主液室
と、隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成されて液体
が封入される副液室と、主液室と副液室の間を仕切るよ
うに配置され且つ主液室と副液室との間を連通する複数
の制限通路が形成された仕切部材と、主液室に面しつつ
複数の制限通路の少なくともいずれかに配置されてこの
制限通路を開閉するバルブと、バルブに連結され且つ負
圧によりバルブを開閉動するアクチュエータと、を有す
ることを特徴とする。
【0010】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、振動発生部がエンジンとされ、振動受
部が車両の車体とされ、エンジンで発生する負圧と大気
圧とを切り換える電磁弁をアクチュエータに接続し、車
両の走行時に電磁弁への電圧の印加を停止して、アクチ
ュエータ内を負圧としてバルブを閉じると共に、車両の
アイドル時に電磁弁に電圧を印加して、アクチュエータ
内を大気圧としてバルブを開く、ことを特徴とする。
【0011】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。いずれかの取付部材に連結された振動発生部側
から振動が伝達されると、弾性体が変形して弾性体によ
り振動が減衰される。この弾性体の変形に伴って、主液
室の内容積が変化し、隔壁の少なくとも一部が変形可能
に形成される副液室とこの主液室との間を連通する複数
の制限通路の内の何れかの制限通路内の液体に、圧力変
化が生じ、主液室と連通する副液室の隔壁が変形する。
そして、これら複数の制限通路は、主液室と副液室の間
を仕切るように配置された仕切部材に、形成されてい
る。
【0012】この結果、振動発生部側からの振動が伝達
されると、弾性体だけでなく、主液室と副液室との間の
制限通路内の液体により振動が減衰されて、振動受部側
に振動が伝達され難くなる。
【0013】また、振動発生部側からの振動の周波数が
変わり、上記の制限通路では、振動を低減できないよう
な例えば高周波域の振動が伝達された場合、これに合わ
せて負圧によりバルブを開閉動するアクチュエータが動
作して、主液室に面したバルブを開閉動し、この開閉動
によって新たに開放された制限通路によりこのような振
動を低減し、いずれの振動数においても適切に振動が吸
収される。
【0014】さらに、バルブを主液室に面して配置する
ことで、バルブが閉じている場合、主液室の内圧が大き
く増加してもバルブがセルフシールになり、バルブが浮
き上がって不用意に開放されることがなくなる。
【0015】従って、バルブの不用意な開放による液体
の漏れを抑える為に、アクチュエータを構成するスプリ
ングの付勢力を高める必要がなくなる。この為、アクチ
ュエータを大型化する必要が無くなって、防振装置を小
型化でき、相対的に防振装置の高性能化が図れることに
なる。
【0016】また、バルブを主液室に面して配置し、ア
クチュエータの負圧によりバルブを開閉動することで、
バルブが閉じている場合に主液室の内圧が低下して大気
圧に対して最大マイナス1気圧とされる負圧となって
も、バルブが浮き上がって不用意に開放されないような
構造にできる。
【0017】一方、上記のようにバルブを適正な位置に
配置することにより、防振装置内でバルブが邪魔となら
ず、副液室の容積を変化させるダイヤフラムの変形容量
が十分に確保でき、液柱共振による防振性能を発揮でき
て防振装置の防振特性が向上する。
【0018】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項においても請求項1と同様な作用を奏
する。但し、本請求項では、振動発生部がエンジンとさ
れ、振動受部が車両の車体とされ、エンジンで発生する
負圧と大気圧とを切り換える電磁弁をアクチュエータに
接続している。さらに、本請求項では、車両の走行時に
電磁弁への電圧の印加を停止して、アクチュエータ内を
負圧としてバルブを閉じると共に、車両のアイドル時に
電磁弁に電圧を印加して、アクチュエータ内を大気圧と
してバルブを開くようになっている。
【0019】従って、エンジンの作動中であって、相対
的に時間の長い車両の走行中に電磁弁に電圧を印加せ
ず、相対的に時間の短い車両の停止中に電磁弁に電圧を
印加することになるので、省エネルギー化を図ることが
可能となると共に、電磁弁の初期性能の長期間にわたる
確保も可能となり、防振装置の性能をより一層向上でき
るようになった。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1から図5に示し、これらの図に基づき
本実施の形態を説明する。
【0021】本実施の形態を表す図1及び図2に示すよ
うに、防振装置10の下部側を第1の取付部材である皿
状の底板金具12が形成し、この底板金具12の下部に
は、図示しない車体にこの防振装置10を連結して固着
する為のボルト14が植設されている。そして、この底
板金具12の外側にはフランジ部12Aが設けられてお
り、このフランジ部12Aの上部には、円筒状であって
上側がテーパ状に大径に形成された外筒金具16が配置
されている。
【0022】この外筒金具16の上部の内周面には、円
筒形状をしたゴム製の弾性体18の下部側を形成する薄
肉ゴム層18Aが加硫接着されており、この弾性体18
の上部側中央部は、第2の取付部材となる頂板金具20
に加硫接着されている。そして、この頂板金具20の中
央部から図示しないエンジンの連結用として用いられる
ボルト22が、上側に突出している。
【0023】弾性体18の下部であって弾性体18と空
間を挟んだ位置には、円筒状の仕切部材28が外筒金具
16の内側に薄肉ゴム層18Aを介して嵌合されつつ配
置されていて、弾性体18及び仕切部材28で区画され
た空間が主液室30を構成し、例えば水、オイル等の液
体が封入されている。従って、これら弾性体18及び仕
切部材28により液体が封入された主液室30の隔壁が
構成されることになる。尚、この仕切部材28は合成樹
脂、アルミニウム等の金属などで一体成形により、製造
することが出来る。
【0024】また、仕切部材28の下部は外周側に突出
しており、この仕切部材28の下部が外筒金具16の下
部と底板金具12のフランジ部12Aとの間に挟まれた
状態とされている。そして、外筒金具16の下部が底板
金具12のフランジ部12Aの外周部分にかしめられる
ことで、これら底板金具12、外筒金具16及び仕切部
材28が一体的に固着されている。
【0025】これら底板金具12の底部と仕切部材28
の下面との間であって底板金具12と同軸状の位置に
は、円筒状に形成された封止円筒24が配置されてお
り、底板金具12内の空間を封止円筒24の内周側と封
止円筒24の外周側とに区画している。そして、この封
止円筒24の外周側に薄肉で弾性変形可能なゴム製のダ
イヤフラム26が加硫接着されて、この封止円筒24の
外周側にリング状にダイヤフラム26が設置されてい
る。
【0026】このダイヤフラム26と仕切部材28の下
面との間の空間が副液室32とされており、また、ダイ
ヤフラム26の下側と底板金具12の底部との間の空間
が空気室40とされ、ダイヤフラム26の変形を容易に
している。
【0027】さらに、仕切部材28の上部側には、底面
が円形となるように窪んだ凹部34が形成されており、
この凹部34の底面であって凹部34と略同軸の位置に
は、凹部34よりも細径とされる円形貫通孔36が形成
されている。
【0028】一方、仕切部材28には、仕切部材28の
半径方向に沿って延びる大径の通路であるアイドルオリ
フィス42が形成されている。このアイドルオリフィス
42の一端は円形貫通孔36の下部と繋がっており、こ
のアイドルオリフィス42の他端側は下方に伸びて副液
室32に連結されている。そして、このアイドルオリフ
ィス42が、アイドル振動吸収用の制限通路となる。
【0029】他方、図1及び図2に示すように、仕切部
材28の外周面には、溝部38が仕切部材28の周方向
に沿って形成されており、この溝部38と薄肉ゴム層1
8Aの内周面とで形成された通路であるシェイクオリフ
ィス44の一端側は上方に伸びて主液室30に連結され
ている。さらに、このシェイクオリフィス44の他端側
は下方に伸びて副液室32に連結されている。そして、
このシェイクオリフィス44が、シェイク振動吸収用の
制限通路となる。
【0030】以上より、アイドルオリフィス42及びシ
ェイクオリフィス44を介して、主液室30と副液室3
2とがそれぞれ連通されることになる。
【0031】一方、凹部34内には、円盤状のバルブで
ある弁体50が主液室30側に面して配置されている。
弁体50の下面との凹部34の当接部とされる凹部34
の底面には、ゴム材等の弾性材料で形成されたシール材
52が、円形貫通孔36の開口端を囲むようにリング状
に配置されている。この為、シール材52が、凹部34
の底面への弁体50の当接時における封止を確実にして
いる。
【0032】そして、この弁体50の下面側中央には連
結シャフト54がねじ止められて連結されており、この
連結シャフト54の上下方向中程は仕切部材28を貫通
していて、貫通部分に配置されたOリング53が、連結
シャフト54をその軸方向に移動可能にしつつ、連結シ
ャフト54と仕切部材28との間の封止を確実にしてい
る。
【0033】この連結シャフト54の下端部寄りの部分
は、底板金具12内に配置された薄肉状のゴム製の弾性
膜56を貫通している。さらに、この弾性膜56はそれ
ぞれ連結シャフト54に強固に嵌合された一対の挟持板
58A、58Bに挟まれて、連結シャフト54に対して
ずれないようにされている。
【0034】また、弾性膜56の外周端部は封止円筒2
4の内周面に一周にわたって接着されており、外周端部
が封止円筒24の内周面に接着されたこの弾性膜56に
よって、底板金具12内の空間を一対の空気室である上
部空気室60及び下部空気室62に区画している。
【0035】この底板金具12の側面には、この上部空
気室60内と防振装置10の外部との間を連通する図示
しない連通孔が形成されており、下部空気室62内の底
板金具12の底面と挟持板58Bとの間には、一対の挟
持板58A、58B及び弾性膜56を上方に付勢する為
のコイルスプリング68が配置されている。つまり、一
対の挟持板58A、58B及び弾性膜56がコイルスプ
リング68に付勢されて上方に移動したり、下方に移動
したりする際に、上部空気室60の空気を連通孔が逃が
したり連通孔から空気を取り込んだりして、一対の挟持
板58A、58B及び弾性膜56の上下動を妨げないよ
うになっている。
【0036】以上より、連結シャフト54、弾性膜5
6、挟持板58A、58B、下部空気室62及びコイル
スプリング68により、弁体50を開閉動するアクチュ
エータ100が構成されることになる。
【0037】下部空気室62の隔壁となる底板金具12
の底部には配管78の一端が連結され、この配管78の
他端が、図3及び図5に示すような、コイル84をボビ
ン85に巻き付けつつ収納した切換弁82の連結管80
に、連結されている。
【0038】さらに、この切換弁82のコイル84の中
心には、プランジャ86が移動可能に配置されており、
プランジャ86の基端側とコイル84の中心に同じく設
置された吸引子94との間には、コイルスプリング92
が配置されている。そして、プランジャ86の先端側に
は、三角錐状のパッキン86Aが取り付けられており、
大気側に繋がる外気連通パイプ88をパッキン86Aで
閉鎖可能とされている。
【0039】この為、連結管80及び外気連通パイプ8
8を貫通して下部空気室62と大気とを連通する大気側
通路96を、このパッキン86Aで遮断可能となってい
る。
【0040】一方、ボビン85の内壁面とプランジャ8
6の間には、隙間が形成されており、また、吸引子94
のプランジャ86との対向面には、図示しないパッキン
が配置され、さらに、貫通孔94Aがこの吸引子94に
穿設されている。そして、エンジンの吸気側であるイン
テークマニホールド76と接続される接続パイプ90
が、吸引子94の一端に連結され、貫通孔94Aとイン
テークマニホールド76とが連通されている。
【0041】この為、連結管80、ボビン85の内壁面
とプランジャ86の間の隙間及び、吸引子94の貫通孔
94Aを貫通して下部空気室62とインテークマニホー
ルド76とを連通する負圧側通路98を、プランジャ8
6の吸引子94への当接で遮断可能となっている。
【0042】以上より、切換弁82は、電磁的に作動す
る電磁弁である3ポート2位置切換弁を構成することに
なり、コイル84へ電圧を印加していない場合には、図
3に示すように、プランジャ86がコイルスプリング9
2に付勢されて、パッキン86Aが大気側通路96を閉
鎖すると共に、バルブストロークLが生ずる為に負圧側
通路98が開放される。一方、コイル84へ所定の電圧
を印加すると、図5に示すように、プランジャ86がコ
イル84の発生する電磁力によって、コイルスプリング
92の付勢力に抗しつつ吸引子94側に吸引され、プラ
ンジャ86の先端のパッキン86Aが逃げて大気側通路
96が開放されると共に、バルブストロークLが0とな
って負圧側通路98が閉鎖される。
【0043】他方、切換弁82のコイル84は、車両の
運転状況を判断して印加電圧をオン・オフする制御手段
である制御回路70に連結されている。制御回路70は
車両電源によって駆動され、少なくとも車両の運転状況
を判断する車速センサ72及びエンジン回転数センサ7
4からの検出信号を受け、車速及びエンジン回転数を検
出できる。これにより制御回路70は、アイドル振動発
生時かシェイク振動発生時かの判断、すなわち車両の走
行時か停止時かの判断ができるようになっている。
【0044】従って、制御回路70により、切換弁82
への通電及び通電の停止が制御されて、弁体50が上昇
してアイドルオリフィス42が開放される位置と、弁体
50が下降してアイドルオリフィス42が閉鎖される位
置との間で、弁体50の位置が切り換えられることで、
アイドルオリフィス42が開閉されることになる。
【0045】具体的には、切換弁82のコイル84へ通
電されている状態では、インテークマニホールド76に
よる負圧が遮断されることになる。これにより、下部空
気室62内は、大気側に連通されて大気圧となるため、
連結シャフト54がコイルスプリング68により押し上
げられ、この連結シャフト54の移動に伴って、弁体5
0が上方に移動される。
【0046】この結果、図4に示すように、弁体50が
凹部34の底面から離れてアイドルオリフィス42を開
放する開放状態となり、アイドルオリフィス42を介し
て主液室30と副液室32とが連通され、このアイドル
オリフィス42が振動を減衰可能な状態となる。
【0047】一方、切換弁82のコイル84への通電が
停止されている状態では、下部空気室62は、大気側と
の連通が遮断されると共に、インテークマニホールド7
6と連通する。このため、下部空気室62内の空気圧が
低下して負圧となり、挟持板58A、58B及び連結シ
ャフト54が下側に移動するのに伴って、弁体50が下
方に移動される。
【0048】この結果、図1に示すように、弁体50の
凹部34の底面への当接によって、アイドルオリフィス
42を閉鎖する閉鎖状態となり、主液室30と副液室3
2とがアイドルオリフィス42によっては連通されない
ようになる。
【0049】つまり、弁体50が、図4に示すようにア
イドルオリフィス42を介して主液室30と副液室32
との間を連通する開放状態と、図1に示すように主液室
30と副液室32との間を連通しない閉鎖状態とを選択
的に採るように、切換弁82によって移動されることに
なる。
【0050】次に本実施の形態の作用を説明する。頂板
金具20に搭載されるエンジンが作動すると、エンジン
の振動が頂板金具20を介して弾性体18に伝達され
る。弾性体18は吸振主体として作用し、弾性体18の
内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収すること
ができる。
【0051】さらに、この弾性体18の変形に伴って、
主液室30の内容積が変化し、隔壁の一部がダイヤフラ
ム26により変形可能に形成される副液室32とこの主
液室30との間を連通するオリフィス42、44内の液
体に圧力変化が生じ、ダイヤフラム26が変形する。そ
して、これらオリフィス42、44は、主液室30と副
液室32の間を仕切るように配置された仕切部材28
に、形成されている。
【0052】この結果、エンジン側からの振動が伝達さ
れると、弾性体18だけでなく、主液室30と副液室3
2との間のオリフィス42、44内の液体の流動の粘性
抵抗及び液柱共振等に基づく減衰作用により振動が減衰
されて、車体側に振動が伝達され難くなる。
【0053】そして、常時開放されているシェイクオリ
フィス44の他に、アイドルオリフィス42が繋がる凹
部34内に、弁体50を主液室30に面するように設け
た結果として、以下のように作用する。
【0054】以下に具体的な動作を説明する。例えば車
両が走行すると、シェイク振動(15Hz未満)が生じ
る。制御回路70は、車速センサ72及びエンジン回転
数センサ74によりシェイク振動発生時であると判断
し、切換弁82のコイル84に電圧を印加せず、図3に
示すように、下部空気室62内をインテークマニホール
ド76と連通させる。
【0055】これによって、下部空気室62内の空気圧
が低下して負圧となり、図1に示すように、弁体50が
コイルスプリング68の付勢力に抗しつつ下方に移動さ
れる。そして、弁体50の凹部34の底面への当接によ
って、アイドルオリフィス42を閉鎖する閉鎖状態とな
り、シェイクオリフィス44のみで、主液室30と副液
室32との間が連通される。この結果、シェイクオリフ
ィス44内を液体が積極的に行き来して通過抵抗を受
け、または液柱共振することによって、シェイク振動が
吸収される。
【0056】一方、例えば車両が停止すると、エンジン
がアイドリング運転となって振動の周波数が高いアイド
ル振動(20〜40Hz)が生じる。この場合、シェイク
オリフィス44が目詰まり状態となるが、この際、制御
回路70は、車速センサ72及びエンジン回転数センサ
74によりアイドル振動発生時であると判断し、切換弁
82のコイル84に電圧を印加し、図5に示すようにプ
ランジャ86を吸引して、下部空気室62内を大気と連
通させる。
【0057】これによって、下部空気室62内が大気圧
と同圧となり、図4に示すように、コイルスプリング6
8により押し上げられる連結シャフト54の移動に伴っ
て、弁体50が上方に移動される。そして、弁体50が
凹部34の底面から離れてアイドルオリフィス42を開
放する開放状態となり、アイドルオリフィス42を介し
て主液室30と副液室32とが連通され、液体がアイド
ルオリフィス42を行き来することができるようにな
る。
【0058】この結果、アイドルオリフィス42内で液
体が液柱共振して防振装置10の動ばね定数が低減さ
れ、アイドル振動が吸収される。
【0059】以上より、車両の走行時と停止時とでは、
相互にエンジンの発生する振動の周波数が異なるが、下
部空気室62内の気圧を切換弁82の動作により切り換
えることで、周波数の相違に対応することできる。つま
り、切換弁82により下部空気室62を大気側に連通す
るかインテークマニホールド76に連通するかで、防振
装置10の特性を変化させ、幅広い周波数範囲に渡って
振動を吸収することができる。
【0060】さらに、弁体50を主液室30に面して配
置することで、弁体50が閉じている場合、主液室30
の内圧が大きく増加しても弁体50がセルフシールにな
り、弁体50が浮き上がって不用意に開放されることが
なくなる。
【0061】従って、弁体50の不用意な開放による液
体の漏れを抑える為に、アクチュエータ100を構成す
るコイルスプリング68の付勢力を高める必要がなくな
る。この為、より少ないパワーでアイドルオリフィス4
2を確実に閉鎖できるので、アクチュエータ100を大
型化する必要が無くなって、防振装置10を小型化で
き、相対的に防振装置10の高性能化が図れることにな
る。
【0062】また、弁体50を主液室30に面して配置
し、負圧により弁体50を開閉動することで、弁体50
が閉じている場合に主液室30の内圧が低下して大気圧
に対して最大マイナス1気圧とされる負圧となっても、
弁体50が浮き上がって不用意に開放されないような構
造にもできる。
【0063】つまり、弁体50が閉じている場合であっ
て頂板金具20が矢印Aで示されるように上方に引っ張
られた際に、主液室30の内圧は負圧となるものの、そ
の圧力は大気圧に対して最大でもマイナス1気圧にしか
ならない。この為、図1に示すように、弁体50の面積
S1より挟持板58A、58Bの面積S2を遙に大きく
形成しておけば、インテークマニホールド76の負圧を
拡大することが可能となり、主液室30の負圧に抗して
弁体50によるアイドルオリフィス42の閉鎖状態が確
保されることになる。
【0064】一方、上記のように弁体50を主液室30
に面して配置して、弁体50が適正な位置に配置される
ことで、防振装置10内で弁体50が邪魔とならず、副
液室32を大型化できると共に、副液室32の容積を変
化させるダイヤフラム26の変形容量が十分に確保で
き、液柱共振による防振性能が発揮されて、これによっ
ても防振装置10の防振特性が向上する。
【0065】さらに、本実施の形態では、振動発生部が
エンジンとされ、振動受部が車両の車体とされ、エンジ
ンで発生する負圧と大気圧とを切り換える切換弁82を
アクチュエータ100に接続している。さらに、本実施
の形態では、車両の走行時に切換弁82への電圧の印加
を停止して、アクチュエータ100内を負圧として弁体
50を閉じると共に、車両のアイドル時に切換弁82に
電圧を印加して、アクチュエータ100内を大気圧とし
て弁体50を開くようになっている。
【0066】従って、エンジンの作動中であって、相対
的に時間の長い車両の走行中に切換弁82に電圧を印加
せず、相対的に時間の短い車両の停止中に切換弁82に
電圧を印加することになるので、省エネルギー化を図る
ことが可能となると共に、切換弁82の初期性能の長期
間にわたる確保も可能となり、防振装置10の性能をよ
り一層向上できるようになった。
【0067】尚、上記実施例においてバルブを円盤状の
弁体50としたが、バルブは他の形状であっても良い。
さらに、上記実施例において車体に第1の取付部材であ
る底板金具12側が取り付けられ、エンジンに第2の取
付部材である頂板金具20側が取り付けられる構成とし
たが、この逆の構成としてもよい。
【0068】また、上記実施の形態において、車両に搭
載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振
装置は他の用途にも用いられることはいうまでもなく、
また、形状等も実施の形態のものに限定されるものでは
ない。
【0069】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、アクチュエータが小型化されて高
性能化することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態のシェイ
ク時における断面図である。
【図2】図1の2−2矢視線断面図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態に適用さ
れる切換弁のシェイク時における断面図である。
【図4】本発明に係る防振装置の一実施の形態のアイド
ル時における断面図である。
【図5】本発明に係る防振装置の一実施の形態に適用さ
れる切換弁のアイドル時における断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板金具(第1の取付部材) 18 弾性体 20 頂板金具(第2の取付部材) 26 ダイヤフラム 30 主液室 32 副液室 50 弁体(バルブ) 82 切換弁(電磁弁) 100 アクチュエータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成されて液体が封
    入される副液室と、 主液室と副液室の間を仕切るように配置され且つ主液室
    と副液室との間を連通する複数の制限通路が形成された
    仕切部材と、 主液室に面しつつ複数の制限通路の少なくともいずれか
    に配置されてこの制限通路を開閉するバルブと、 バルブに連結され且つ負圧によりバルブを開閉動するア
    クチュエータと、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 振動発生部がエンジンとされ、振動受部
    が車両の車体とされ、エンジンで発生する負圧と大気圧
    とを切り換える電磁弁をアクチュエータに接続し、 車両の走行時に電磁弁への電圧の印加を停止して、アク
    チュエータ内を負圧としてバルブを閉じると共に、車両
    のアイドル時に電磁弁に電圧を印加して、アクチュエー
    タ内を大気圧としてバルブを開く、 ことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
JP5927397A 1997-03-13 1997-03-13 防振装置 Pending JPH10252815A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014202346A (ja) * 2013-04-10 2014-10-27 東洋ゴム工業株式会社 液封入式防振装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014202346A (ja) * 2013-04-10 2014-10-27 東洋ゴム工業株式会社 液封入式防振装置

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