JP2004232706A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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利文 坂田
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美江 神吉
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和正 久世
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】シェイク振動とアイドル振動等の異なる周波数域の振動に対し、各振動をそれぞれ対応するオリフィスで効果的に吸収することができる液体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】主液室30に第1オリフィス22を介して連結されるとともにダイヤフラム16にて室壁の一部が形成された第1副液室32と、主液室30に第2オリフィス28を介して連結された第2副液室34を設け、第2副液室34の室壁の一部を防振基体14の弾性変形に伴い第2副液室34の体積を可変する方向に相対変位可能なピストン状部材36とシリンダ状部材23で構成し、両者23,36間に磁界強さに応じて粘度が変化するMR流体38を密封保持し、また磁界強さを制御可能な電磁石44を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車エンジン等の振動体を防振的に支承するのに用いられる液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体封入式防振装置は、車体フレーム等の支持側に取付固定される筒状の第1取付金具と、エンジン等の振動発生体側に取り付けられる第2取付金具とを、ゴム材よりなる防振基体を介して結合し、上記第1取付金具の下部側に防振基体と対向してダイヤフラムを配し、防振基体とダイヤフラムとの間の内室を液体封入室とし、この液体封入室を仕切部により防振基体側の主液室とダイヤフラム側の副液室とに仕切り、両室をオリフィスにより連通せしめてなり、オリフィスによる両液室間の液流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能を果たすように構成されている。
【0003】
そして、かかる液体封入式防振装置において、シェイク振動とアイドル振動等の異なる周波数域の振動に対応させるように複数のオリフィスを設けたものが提案されている。
【0004】
例えば、特開2001−20992号公報に開示された液体封入式防振装置では、主液室と副液室とを仕切る仕切部に、主液室と副液室を連結する第1オリフィスを設けるとともに、第2副液室と該第2副液室に通じる第2オリフィスとを設けて、第1オリフィスで例えばシェイク振動を吸収し、第2オリフィスで例えばアイドル振動を吸収するように構成されている。
【0005】
しかしながら、最近の自動車ではアイドル振動の周波数域が低周波数化の傾向にあり、シェイク振動の周波数域との差が小さくなってきているため、上記のような単に複数のオリフィスを設けたものでは、各オリフィスでそれぞれの振動を効果的に吸収するには限界がある。
【0006】
一方、特開2002−206591号公報には、単一のオリフィスを持つ液体封入式防振装置において、主液室と副液室との間を区画する仕切部を両液室の体積を可変する方向に変位可能に構成し、この仕切部に設けた電磁石による磁界強さの調整により粘度が増減変化可能なMR流体を仕切部の外周面とシリンダ状の取付部材の内周面との間に密封状態に介在させたものが開示されている。この場合、電磁石への通電をオン/オフして磁界強さを調整することにより、MR流体の粘度を増減変化させ、これにより仕切部を定位置に固定したり、仕切部を変位させてその動バネ定数を小さくすることが可能であり、低周波数域の振動が作用する条件下ではオリフィスによる両液室間の液流動効果により振動を吸収し、高周波数域の振動が作用する条件下では仕切部の動バネ定数を調整して両液室の体積弾性率を変更可能とすることで広い高周波数域の振動に対して防振効果を発揮することができる。
【0007】
しかしながら、このように仕切部の動バネ定数を可変にするというだけでは、上記のようなシェイク振動とアイドル振動をそれぞれ吸収する上で必ずしも十分な振動減衰効果が得られない場合がある。
【0008】
【特許文献1】特開2001−20992号公報
【0009】
【特許文献2】特開2002−206591号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、シェイク振動とアイドル振動等の異なる周波数域の振動に対し、各振動をそれぞれ対応するオリフィスで効果的に吸収することができる液体封入式防振装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体封入式防振装置は、第1取付部材と、第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム材よりなる防振基体と、該防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と、該主液室に第1オリフィスを介して連結されるとともにダイヤフラムにて室壁の一部が形成された第1副液室と、該主液室又は該第1副液室に第2オリフィスを介して連結された第2副液室とを備え、前記第2副液室の室壁の一部が、振動付加時の前記防振基体の弾性変形に伴い該第2副液室の体積を可変する方向に相対変位可能なピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、前記ピストン状部材とシリンダ状部材の間に、磁界強さに応じて粘度が変化するMR流体を流動可能な状態に密封保持するMR流路が形成され、該MR流路を横断する磁路を形成してMR流体の粘度を変化させるための磁界強さを制御可能な電磁石が設けられたものである。
【0012】
本発明の液体封入式防振装置では、電磁石に通電すると、MR流体の粘度が上昇してピストン状部材を定位置に固定することができ、それにより第2副液室の体積が一定となるので、第2オリフィスを作用させずに第1オリフィスを作用させることができる。一方、電磁石への通電をオフにすると、MR流体の粘度が小さくなってピストン状部材が第2副液室の体積を可変する方向に変位可能となるため、第2オリフィスを作用させることが可能となる。このように電磁石への通電をオン/オフすることにより第1オリフィスと第2オリフィスとの切り換えを行うことができるので、各オリフィスをそれぞれ異なる周波数域の振動を吸収するように調整しておくことにより、異なる周波数域の振動をそれぞれ対応するオリフィスによって効果的に吸収することができる。
【0013】
本発明の防振装置においては、前記第2副液室が仕切部を介して前記第1副液室に隣接して設けられ、該仕切部が前記ピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、前記第2副液室が前記第2オリフィスを介して前記主液室と連結されてもよい。
【0014】
この場合、電磁石への通電オフ時には、主液室内の液圧変動により主液室と第2副液室との間で第2オリフィスを通じて液体が流動し、ピストン状部材は第2副液室内の液圧変動によりその体積を可変する方向に変位する。
【0015】
また、この場合、前記第1副液室が第2ダイヤフラムにより2室に仕切られて、そのうちの一方が前記第1オリフィスを介して前記主液室に連結され、他方が前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成されるとともに第3オリフィスを介して前記第2副液室に連結されてもよい。
【0016】
本発明の防振装置においては、また、前記第2副液室が仕切部を介して前記主液室に隣接して設けられ、該仕切部が前記ピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、前記第2副液室が前記第2オリフィスを介して前記第1副液室と連結されてもよい。
【0017】
この場合、電磁石への通電オフ時には、主液室内の液圧変動によりピストン状部材が第2副液室の体積を可変する方向に変位し、これにより第1副液室と第2副液室との間で第2オリフィスを通じて液体が流動する。
【0018】
また、この場合、前記第1副液室が第2ダイヤフラムにより2室に仕切られて、そのうちの一方が前記第1オリフィスを介して前記主液室に連結され、他方が前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成されるとともに前記第2オリフィスを介して前記第2副液室に連結されてもよい。
【0019】
本発明の防振装置においては、前記第1取付部材が筒状をなし、前記第2取付部材が該第1取付部材の軸心上に配置されて、該第1取付部材の軸方向に振動が付加される防振装置であって、前記ダイヤフラムが前記防振基体に対向させて前記第1取付部材に取り付けられて、該第1取付部材の内側における防振基体とダイヤフラムとの間に防振基体側から順に前記主液室、前記第2副液室及び前記第1副液室が形成されることができる。
【0020】
また、本発明の防振装置においては、前記MR流路が、前記のピストン状部材とシリンダ状部材の相対変位方向に沿い互いに平行に位置する流路部分とそれら流路部分を相互に連通するように前記相対変位方向に直交又はほぼ直交する方向に沿って位置して磁路の横断部を構成する流路部分とを有する断面クランク状に形成されていることが好ましい。
【0021】
このようにMR流体の流路を断面クランク状にし、そのクランク状流路のうちピストン状部材の変位方向に対して概略直交する流路部分に磁路を横断させる構成を採用したことにより、通電に伴い磁路横断箇所に対応する流路部分のMR流体の粘度増大によってMR流体の流れを堰き止めてピストン状部材の剛性を急速に増大させることができる。詳述すると、例えば、MR流体流路を一直線状に形成し、その直線状流路の一部分に磁路を横断させることにより、通電に伴い粘度増大するMR流体の内部摩擦力に依存して剛性の増大を図るように構成したものに比べて、通電電流に対する剛性(ばね定数)の変化率を大きくすることが可能である。従って、上記したオリフィスの切り換えを少ない消費電力のもとで発揮させてランニングコストの低減が図れるとともに、切り換えの迅速化が図られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る液体封入式防振装置について、図1〜5に基づいて説明する。
【0023】
本実施形態の防振装置は、自動車のエンジンを防振的に支承するエンジンマウントであり、筒状をなし車体側に取付固定される下側の第1取付金具10と、その軸心上に配されてエンジン側に取り付けられる上側の第2取付金具12とを、ゴム材よりなる防振基体14を介して結合してなり、第1取付金具10の軸方向に振動が付加される防振装置である。
【0024】
防振基体14は、外形が略截頭円錐形をなし、その上部軸心上に第2取付金具12の下部が加硫成形手段により埋設されており、防振基体14の下端外周部は第1取付金具10の上部内周面に加硫成形手段により接着固定されている。
【0025】
第1取付金具10の下部側には、防振基体14と対向するようにゴム膜よりなるダイヤフラム16が装着されている。ダイヤフラム16は、外周部にリング状の補強金具18を備えて、この補強金具18により第1取付金具10の下端に取付固定されている。
【0026】
第1取付金具10の内側には、ダイヤフラム16と防振基体14との間に密閉された液体封入室20が形成されており、この液体封入室20に液体が封入されている。液体封入室20における第1取付金具10の内周には、外周に第1オリフィス22を形成する円環状のオリフィス形成部材23を有する第1仕切部材24が液密に嵌着されており、液体封入室20は、この第1仕切部材24により上下に仕切られている。また、第1仕切部材24の上面には、第1仕切部材24の上側の液室を更に上下に仕切る円盤状の第2仕切部材26が設けられており、第2仕切部材26は下面側にオリフィス形成部材29を備えて、該オリフィス形成部材29により第2オリフィス28が形成されている。
【0027】
そして、上記により、第1取付金具10の内側における防振基体14とダイヤフラム16との間には、防振基体14にて室壁の一部が形成された主液室30と、主液室30に第1オリフィス22を介して連結させるとともにダイヤフラム16にて室壁の一部が形成された第1副液室32と、第1仕切部材24と第2仕切部材26との間に設けられて主液室30に第2オリフィス28を介して連結された第2副液室34とが形成されている。これらは、防振基体14側から主液室30、第2副液室34及び第1副液室32の順にて、仕切部材24,26を介して互いに隣接して設けられている。
【0028】
本実施形態では、10Hz程度の低周波数域のシェイク振動については第1オリフィス22で吸収するように、また、20Hz程度のより高い周波数域のアイドル振動については第2オリフィス28で吸収するように、各オリフィスの断面積と長さが設定されている。従って、断面積Aと長さLの比(A/L)は第1オリフィス22よりも第2オリフィス28の方が大きく設定されており、そのため、液体の流路抵抗は第2オリフィス28の方が小さくなっている。
【0029】
上記第1仕切部材24は、上記した外周部の円環状のオリフィス形成部材23をシリンダ状部材とし、その内側の円盤状の隔壁部36を振動付加時の防振基体14の弾性変形に伴い第2副液室34の体積を可変する方向、即ち上下方向(軸方向)に変位可能なピストン状部材として構成されている。オリフィス形成部材23と隔壁部36との間には、磁界強さによって粘度が変化するMR流体38を流動可能な状態に密閉保持するMR流路40が、オリフィス形成部材23の内周面と隔壁部36の外周部との間に取着された薄肉のカバーゴム42により、全周にわたって形成されている。
【0030】
図2に示すように、ピストン状部材である隔壁部36は、MR流路40を横断する磁路mpを形成してMR流体38の粘度を変化させるための磁界強さを制御可能な円環状コイルからなる電磁石44と、電磁石44を保持するボビン46と、ボビン46を締結ボルト48を用いて上下に挟み込むように保持するケース50とからなる。ケース50の外周面は全周にわたって切り欠かれ、これにより、隔壁部36は外周面に周方向に延びる凹部36Aを持つ短円柱状に形成されている。
【0031】
シリンダ状部材であるオリフィス形成部材23は非磁性あるいは弱磁性材質からなり、その内周面には内側の隔壁部36に向けて突出する強磁性材質からなる円環状のヨーク部52が設けられている。
【0032】
MR流路40は、隔壁部36とオリフィス形成部材23との上下相対変位方向に沿って互いに平行に位置する上下一対の垂直流路部分40A,40A及び中間垂直流路部分40Bと、それら上下一対の垂直流路部分40A,40A及び中間垂直流路部分40Bをそれぞれ相互に連通するように上下相対変位方向に直交又はほぼ直交する方向に沿って位置する上下一対の水平流路部分40C,40Cとを有し、全体として断面クランク状に形成されている。詳細には、隔壁部36の凹部36Aに対しその外側からオリフィス形成部材23のヨーク部52の内周端を差し入れることで断面クランク状の流路40が形成されており、ヨーク部52の上下両側にそれぞれ前記垂直流路部分40A,40Aが設けられるとともに、ヨーク部52の内周端に沿って中間垂直流路部分40Bが設けられ、これらを連通する水平流路部分40C,40Cがヨーク部52の上下両面に沿ってそれぞれ設けられている。
【0033】
上記電磁石44は、MR流路40の上下一対の水平流路部分40C,40Cを横断するような磁路mpを形成するように、ピストン状部材である隔壁部36の凹部36Aの内側に配置されている。電磁石44にはリード線54が接続され、リード線54は制御部56に接続されている。この実施形態では、ダイヤフラム16の中央部が隔壁部36に一体に結合されており、この結合部の内側におけるダイヤフラム16のない部分からリード線54が引き出されている。
【0034】
そして、制御部56からの信号に基づき、電磁石44への通電電流をコントロールすることにより、MR流路40の上下一対の水平流路部分40C,40Cを横断する磁路mpに流れる磁界強さを制御してMR流体38の粘度を増減変化可能に構成している。
【0035】
なお、MR流体38は、高濃度の懸濁液中に1〜10μm程度の粒子径をもつ強磁性金属微粒子を分散させてなるビンガム流体で、−40〜150℃の作動温度域を有し磁界強さの大きさによって粘度が変化するものであり、磁気粘性流体あるいは磁気流動学的流体と呼ばれている。
【0036】
図3は、上記した防振装置の構成を模式的に示した図であり、この実施形態では、ピストン状部材である隔壁部36とシリンダ状部材であるオリフィス形成部材23とMR流路40とからなるMR機構部58が第1副液室32と第2副液室34との仕切部に設けられ、第2副液室34が第2オリフィス28を介して主液室30と連結されている。
【0037】
以上よりなる本実施形態の防振装置では、電磁石44への通電をオンにすると、MR流体38の粘度が上昇してピストン状部材である隔壁部36が変位しにくくなり定位置に固定される。一方、電磁石44への通電をオフにすると、MR流体38の粘度が小さくなってピストン状部材である隔壁部36が変位しやすくなり、その変位に伴って第2副液室34の体積を可変することができるようになる。
【0038】
従って、走行時に通電をオンにすると、上記隔壁部36が定位置に固定され、それにより第2副液室34の体積が一定になることで、アイドル振動用の第2オリフィス28を作用させずに、シェイク振動用の第1オリフィスを作用させることができ、車体からの振動入力に対して10Hz前後での減衰係数を上げてシェイク振動を効果的に吸収することができる。また、アイドル時に通電をオフにすると、上記隔壁部36が第2副液室の体積を可変する方向に変位可能となるため、アイドル振動用の第2オリフィス28を作用させることができ、20Hz前後の動バネ定数を低減してアイドル振動を効果的に吸収することができる。
【0039】
図4は、上記した第1の実施形態の防振装置について、電磁石44への通電オン時における周波数に対する動バネ定数及び減衰係数の変化を示すグラフであり、図5は、電磁石44への通電オフ時における同様のグラフである。図4に示すように、通電オン時には10Hz付近で高い減衰係数を示しており、シェイク振動の減衰効果に優れている。また、図5に示すように、通電オフ時には20Hz付近のアイドル振動領域を含む広い範囲で動バネ定数が低下しており、アイドル振動を防振効果に優れている。
【0040】
図6は、第2の実施形態に係る液体封入式防振装置の模式図である。この実施形態では、主液室30と第3オリフィス60を介して連結された第3副液室62を設けた点が上記した第1の実施形態とは相違する。第3副液室62は、第2のダイヤフラム64にて室壁の一部が形成されており、主液室30内の液圧変動により主液室30との間で第3オリフィス60を通じて液体が流動するように形成されている。この場合、例えば、第3オリフィス60をアイドル振動よりも高周波数域(例えば40〜300Hz)のこもり音を吸収するように設定しておけば、アイドル時に電磁石への通電をオフすることで第2オリフィス28によりアイドル振動を吸収することができ、また、走行時に電磁石への通電をオンすることで、低周波数域のシェイク振動を第1オリフィス22により吸収するとともに、高周波数域のこもり音については第3オリフィス60により吸収することができる。
【0041】
図7は、第3の実施形態に係る液封入式防振装置の模式図である。この実施形態では、上記した第1の実施形態において、第1副液室32が第2のダイヤフラム70により2室に仕切られて、そのうちの一方の液室32Aが第1オリフィス22を介して主液室30に連結され、他方の液室32Bがダイヤフラム16にて室壁の一部が形成されるとともに第3オリフィス72を介して第2副液室34に連結されている。この場合、第3オリフィス72での液体の流路抵抗を第2オリフィス28での流路抵抗よりも大きく設定しておけば、電磁石への通電オフ時、MR機構部58により第2副液室34の体積を可変させることで、第3オリフィス72を作用させることなく第2オリフィス28を作用させることが可能となる。
【0042】
図8は、第4の実施形態に係る液封入式防振装置の模式図である。この実施形態では、第1副液室32と第2副液室34とが互いに干渉されることなく変位するように形成されている点が上記した第1の実施形態とは異なる。すなわち、第1の実施形態では、第1副液室32と第2副液室34との仕切部にMR機構部58を設けているので、MR機構部58の作用により第2副液室34が下方に変位したときにそれに伴って第1副液室32及びダイヤフラム16も下方に変位するが、本実施形態ではMR機構部58を上記仕切部ではない第2副液室34の室壁の一部に設けている。
【0043】
図9は、第5の実施形態に係る液封入式防振装置の模式図である。この実施形態では、第2オリフィス28によって第2副液室34と主液室30を連結させるのではなく、第2副液室34と第1副液室32を連結させ、また、MR機構部58を第1副液室32と第2副液室34との仕切部ではなく、第2副液室34と主液室30との仕切部に設けた点が、上記した第1の実施形態とは異なる。この場合、電磁石への通電オン時には第1の実施形態と同様に作用するが、電磁石への通電オフ時には、主液室30内の液圧変動によりMR機構部58のピストン状部材が第2副液室34の体積を可変する方向に変位し、これにより第1副液室32と第2副液室34との間で第2オリフィス28を通じて液体が流動して、その液流動効果により振動を吸収することができる。
【0044】
図10は、第6の実施形態に係る液封入式防振装置の模式図である。この実施形態では、上記した第5の実施形態において、第1副液室32が第2のダイヤフラム80により2室に仕切られて、そのうちの一方の液室32Aが第1オリフィス22を介して主液室30に連結され、他方の液室32Bがダイヤフラム16にて室壁の一部が形成されるとともに第2オリフィス28を介して第2副液室34に連結されている。
【0045】
なお、以上の実施形態では、筒状の第1取付金具とその軸心上に配置された第2取付金具とを備えて、該第1取付金具の軸方向に振動が付加される、いわゆるお椀形の防振装置について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、軸部材と、これを軸平行に取り囲む外筒部材と、両部材の間を結合する防振基体とを備えて、軸部材の軸直角方向に振動が付加される、いわゆる円筒形タイプについても適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の液体封入式防振装置であると、電磁石への通電をオン/オフすることにより第1オリフィスと第2オリフィスとの切り換えを行うことができるので、各オリフィスをそれぞれ異なる周波数域の振動を吸収するように調整しておくことにより、異なる周波数域の振動をそれぞれ対応するオリフィスによって効果的に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液体封入式防振装置の縦断面図。
【図2】同防振装置の要部拡大断面図。
【図3】同防振装置の模式図。
【図4】同防振装置の通電オン時における周波数と動バネ定数及び減衰係数との関係を示すグラフ。
【図5】同防振装置の通電オフ時における周波数と動バネ定数及び減衰係数との関係を示すグラフ。
【図6】第2の実施形態に係る液体封入式防振装置の模式図。
【図7】第3の実施形態に係る液体封入式防振装置の模式図。
【図8】第4の実施形態に係る液体封入式防振装置の模式図。
【図9】第5の実施形態に係る液体封入式防振装置の模式図。
【図10】第6の実施形態に係る液体封入式防振装置の模式図。
【符号の説明】
10……第1取付金具(第1取付部材)
12……第2取付金具(第2取付部材)
14……防振基体
16……ダイヤフラム
22……第1オリフィス
23……オリフィス形成部材(シリンダ状部材)
24……第1仕切部材(第1副液室と第2副液室を仕切る仕切部)
28……第2オリフィス
30……主液室
32……第1副液室
34……第2副液室
36……隔壁部(ピストン状部材)
38……MR流体
40……MR流路
40A,40B……垂直流路部分
40C……水平流路部分
44……電磁石
58……MR機構部
70,80……第2ダイヤフラム
72……第3オリフィス

Claims (7)

  1. 第1取付部材と、第2取付部材と、これら取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム材よりなる防振基体と、該防振基体にて室壁の一部が形成された主液室と、該主液室に第1オリフィスを介して連結されるとともにダイヤフラムにて室壁の一部が形成された第1副液室と、該主液室又は該第1副液室に第2オリフィスを介して連結された第2副液室とを備え、
    前記第2副液室の室壁の一部が、振動付加時の前記防振基体の弾性変形に伴い該第2副液室の体積を可変する方向に相対変位可能なピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、
    前記ピストン状部材とシリンダ状部材の間に、磁界強さに応じて粘度が変化するMR流体を流動可能な状態に密封保持するMR流路が形成され、
    該MR流路を横断する磁路を形成してMR流体の粘度を変化させるための磁界強さを制御可能な電磁石が設けられた
    ことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 前記第2副液室が仕切部を介して前記第1副液室に隣接して設けられ、該仕切部が前記ピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、前記第2副液室が前記第2オリフィスを介して前記主液室と連結されたことを特徴とする請求項1記載の液体封入式防振装置。
  3. 前記第1副液室が第2ダイヤフラムにより2室に仕切られて、そのうちの一方が前記第1オリフィスを介して前記主液室に連結され、他方が前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成されるとともに第3オリフィスを介して前記第2副液室に連結されたことを特徴とする請求項2記載の液体封入式防振装置。
  4. 前記第2副液室が仕切部を介して前記主液室に隣接して設けられ、該仕切部が前記ピストン状部材とシリンダ状部材で構成され、前記第2副液室が前記第2オリフィスを介して前記第1副液室と連結されたことを特徴とする請求項1記載の液体封入式防振装置。
  5. 前記第1副液室が第2ダイヤフラムにより2室に仕切られて、そのうちの一方が前記第1オリフィスを介して前記主液室に連結され、他方が前記ダイヤフラムにて室壁の一部が形成されるとともに前記第2オリフィスを介して前記第2副液室に連結されたことを特徴とする請求項4記載の液体封入式防振装置。
  6. 前記第1取付部材が筒状をなし、前記第2取付部材が該第1取付部材の軸心上に配置されて、該第1取付部材の軸方向に振動が付加される防振装置であって、
    前記ダイヤフラムが前記防振基体に対向させて前記第1取付部材に取り付けられて、該第1取付部材の内側における防振基体とダイヤフラムとの間に防振基体側から順に前記主液室、前記第2副液室及び前記第1副液室が形成された
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれに記載の液体封入式防振装置。
  7. 前記MR流路が、前記のピストン状部材とシリンダ状部材の相対変位方向に沿い互いに平行に位置する流路部分とそれら流路部分を相互に連通するように前記相対変位方向に直交又はほぼ直交する方向に沿って位置して磁路の横断部を構成する流路部分とを有する断面クランク状に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体封入式防振装置。
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