JP2004217941A - 熱硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Yasuyuki Hirai
康之 平井
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
Hideo Nagase
英雄 長瀬
Yoshinori Sato
義則 佐藤
Shinichi Kamoshita
真一 鴨志田
Minoru Kakiya
稔 垣谷
Shunichi Numata
俊一 沼田
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Abstract

【課題】 高価なマレイミド化合物を多用することなくその複合化効果により高耐熱、高強度の硬化物を与えるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】 オルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物とホルムアルデヒドとの混合物に1級アミンを徐々に加えながら反応させるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性に優れる、電子部品、プリント配線板用積層板及びプリント配線板、半導体封止材料、半導体搭載モジュール等の電子材料、自動車・車輛、航空機部品、建築部材、工作機械等に用いられる熱硬化性組成物及びその硬化物に関する。
本発明はまた、上記熱硬化性組成物を用いたプリプレグ、金属張積層板、プリント配線板に関する。
熱硬化性樹脂を用いる組成物は、軽量・安価・大量生産性といったプラスチックスの特徴に加え、高温での安定性、信頼性に優れ産業上の様々な分野で広く用いられている。しかし商業的に実際に用いられている熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等数種に限られ、これらの高機能化はもっぱら添加剤や充填材の寄与に依っていた。これらの樹脂自体を高機能化する手段としては、所謂スーパーエンプラとの複合化が有効であることが知られているが、高機能化の程度はこれらの添加量とほぼ比例するため、十分な特性の向上のためには高価なスーパーエンプラを多量に用いなければならず商業的意味を失ってしまう。
最近、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の開環重合反応を用いる新規な熱硬化性樹脂が見出されており、高耐熱性、難燃性、高機械強度の硬化物が得られるという報告がある。例えば、種々の2官能ベンゾオキサジン化合物の硬化物特性が(例えば、非特許文献1参照。)、あるいはジヒドロベンゾオキサジン化合物とエポキシ樹脂との樹脂組成物が(例えば、特許文献1参照。)、また分子内あるいは添加剤としてある種のフェノール性水酸基を共存させることによりジヒドロベンゾオキサジン化合物の硬化性を向上させられることが示されている(例えば、特許文献2及び非特許文献2参照。)。
しかし、これらのジヒドロベンゾオキサジン化合物に関する検討は未だわずかの報告しかなく、他の樹脂系、特にポリイミド等の高耐熱性樹脂との複合化による効果はこれまで知られていない。
Journal of Polymer Science:Part B:Polymer Physics, Vol. 32, 921-927(1994) 特開平4−227922号公報 特開平7−188364号公報 Journal of Applied Polymer Science, Vol. 58, 1751-1760(1995)
本発明は、高価なマレイミド化合物を多用することなくその複合化効果により高耐熱、高強度の硬化物を与えるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
本発明はまた、上記熱硬化性組成物を用いた耐熱性、機械的強度に優れたプリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂に少量のマレイミド環を有する熱硬化性樹脂を配合することにより、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の硬化物特性が大きく向上することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂及びマレイミド環を有する熱硬化性樹脂を必須成分として含有し、マレイミド環を有する熱硬化性樹脂の含有割合がジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂及びマレイミド環を有する熱硬化性樹脂の合計量に対して3〜30重量%であることを特徴とする熱硬化性組成物を提供するものである。
本発明の熱硬化性組成物は、高価なマレイミド化合物を多用することなくその複合効果により高耐熱、高強度の硬化物を与える。従って、本発明の熱硬化性組成物は電子部品、プリント配線板用積層板及びプリント配線板、半導体封止材料、半導体搭載モジュール等の電子材料、自動車・車輛、航空機部品、建築部材、工作機械等の原料として有用である。
本発明の熱硬化性組成物において、マレイミド環を有する熱硬化性樹脂の含有割合がジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂及びマレイミド環を有する熱硬化性樹脂の合計量に対して3〜30重量%であることが必要である。マレイミド環を有する熱硬化性樹脂の含有割合がこの範囲よりも少ないとマレイミド環を有する熱硬化性樹脂による硬化物特性、特にガラス転移温度の向上効果が得られず、逆にこの範囲よりも多いとイミド樹脂に特有の硬化物の脆さが顕在化し、また安価な原材料から製造しうるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の商業的な優位性が失われてしまう。マレイミド環を有する熱硬化性樹脂の含有割合の更に好ましい範囲は5〜20重量%である。
本発明において用いられるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環重合反応により硬化する樹脂であれば特に限定されない。具体的には、例えば、下記反応式に示されるように、オルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を有する化合物、1級アミン及びホルムアルデヒドから合成することができる。
Figure 2004217941
(式中のRは炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は少なくとも1つの炭素数1〜3のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基である。)
この樹脂は、加熱により開環重合反応を起こし、揮発分を発生させることなくフェノール性水酸基を生成しながら優れた特性を有する架橋構造を形成する。この硬化物は低吸水率、比較的高いガラス転移温度、高強度を示し、難燃性に優れている。
この樹脂を合成するには、オルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を有する化合物と1級アミンとホルムアルデヒドとを、フェノール性水酸基1モル当たり1級アミンを0.5〜1.0モル、及びホルムアルデヒドを1級アミン1モル当たり2モル以上の割合で用いて反応させることが望ましい。1級アミンの使用割合を上記のようにすると、フェノール性水酸基を有する化合物のフェノール性水酸基の一部が未反応で残存し、硬化性、機械強度等の硬化物特性が改善される。
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の原料となる、オルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール類、多官能フェノール類、ビスフェノール類、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのトリスフェノール類、フェノール樹脂等が挙げられるが、硬化物特性の観点から1分子中にオルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を2以上有する化合物であることが望ましい。具体的には、多官能フェノール類としてカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビスフェノール類としてビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ヘキサフルオロビスフェノールA等が挙げられる。またフェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。これらは1種類だけでも2種類以上用いることもできる。
また、1級アミンとしてはメチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、トルイジン、アニシジン等の芳香族アミンを用いることができる。またこれら複数のアミンを併用することもできる。
ホルムアルデヒドはホルマリン水溶液として、またパラホルムアルデヒドとして、いずれの形態でも用いることができる。
また、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の具体的な製造方法は、上記3種の原料を、1級アミンをホルムアルデヒドへ徐々に加えるという手順で反応させ(フェノール性水酸基を有する化合物はアミン、アルデヒドのどちら側にあってもよい)、添加後20分〜24時間、70〜120℃に保つ。この時溶剤を用いることもできる。反応後、生成物を抽出等の合成化学的手法で単離し縮合水等の揮発成分を乾燥除去することにより目的とする熱硬化性樹脂が得られる。
また、本発明のもう一方の必須成分であるマレイミド環を有する熱硬化性樹脂としては、モノマレイミド類、ビスマレイミド類、ポリマレイミド類のいずれも用いることができるが、マレイミドの硬化物特性は架橋点であるマレイン酸由来の二重結合の密度により非常に脆さや強度が大きく変化する。本発明においては、ビスマレイミドを用いた場合に最も強度と靭性のバランスがとれ、特に4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミドあるいは2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを用いることが望ましい。
マレイミド化合物、特にビスマレイミド化合物は、それ自身が高耐熱性の特殊樹脂に位置し、高密度多層プリント配線板等の特に高い信頼性を要求される分野に限って用いられている。このような高耐熱性のマレイミド樹脂を複合化すれば汎用樹脂においても高機能化を図れるが、一般に異種の樹脂混合物は両者の中間的な特性しか示さない場合が多く、特殊なミクロ分散技術等によって相分離構造、界面構造を制御できた場合にのみ異種材料の利点のみが活かされたアロイを形成する。本発明においてはマレイミド化合物の添加量と硬化物特性、特にガラス転移温度の間に非直線関係が見出され、マレイミド化合物の少量の添加で大きな効果があることが認められた。また、機械特性についてもマレイミドの添加による破断歪率の低下が小さく強度のみが若干向上するという傾向が見られた。これは、マレイミドの架橋により硬化物のソフトセグメントであるアミノメチレン鎖が選択的に補強されるものと推定される。また、他の熱硬化性樹脂と比較して硬化のやや遅いジヒドロベンゾオキサジン環の特徴がマレイミド化合物の重合速度と同期し、両者の架橋構造が所謂IPNを形成する可能性も考えられる。このように、高価なマレイミド化合物の導入において僅かの添加量で大きな効果が得られるということは、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂に特有の利点であり、本発明の最も重要な要素である。
本発明の熱硬化性組成物には、ノボラック型フェノール樹脂を含有させることができる。ノボラック型フェノール樹脂を配合することにより硬化性が改善されるほか、硬化物物性、機械強度も改善される。ノボラック型フェノール樹脂中の水酸基は前記のジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂中に残存する水酸基と同様の作用を有するものである。ノボラック型フェノール樹脂の配合量は、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂とノボラック型フェノール樹脂中のフェノール性水酸基数の合計とジヒドロベンゾオキサジン環数の比(フェノール性水酸基数/ジヒドロベンゾオキサジン環数)が1.5以下とすることが好ましい。この比が1.5よりも大きいと硬化性は著しく改善されるが硬化物の架橋密度の低下が著しくなり、良好な硬化物物性、特に機械特性が得られない傾向がある。また、この比が0.2〜1.2である場合、更に好ましい結果が得られる。この比が0.2未満の場合、十分な硬化物物性は得られるがノボラックフェノール樹脂を添加した主目的、すなわち硬化性改善の効果が小さくなってしまう傾向がある。
本発明の熱硬化性組成物は、以上に記した成分以外に必要に応じ、充填材、補強材、難燃剤、離型剤、カップリング剤、可塑剤、硬化助剤、着色剤、可撓化剤、溶剤等を含有することができる。また、熱硬化性樹脂成分としても上記以外にエポキシ樹脂等を粘度、流れ性等の調整に混合することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、ニーダー、加熱ロール等によって混練し、然る後に150〜220℃、成形圧20〜100kgf/cm2で15分〜2時間加熱加圧することによって硬化物が得られる。また、この硬化物を更に180〜220℃で30分〜4時間、後硬化させることにより、より優れた硬化物物性が得られる。
本発明の熱硬化性組成物は、耐熱性に特に優れる、電子部品、プリント配線板用積層板及びプリント配線板、半導体封止材料、半導体搭載モジュール等の電子材料、自動車・車輛、航空機部品、建築部材、工作機械等に好適に用いられる。
例えば、本発明の熱硬化性組成物をそのまま、あるいは必要に応じて充填材、離型剤、難燃剤、着色剤、カップリング剤等を添加して成形材料、半導体封止材料として用いることができる。また、あるいは、本発明の熱硬化性組成物に溶剤等を加えてワニス化し、これをガラスクロス等の基材に含浸させ、加熱乾燥して積層板用プリプレグを作製することができる。更に、このプリプレグを金属箔と共に加熱加圧することによってプリント配線板用積層板を作製し、更に回路を形成しプリント配線板を作製することができる。こうして作製したプリント配線板は耐熱性、機械特性等に優れた信頼性の高いものとなり、半導体搭載基板等の用途に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下に示す熱硬化性樹脂及び組成物の各特性については、ゲルタイムは樹脂又は組成物0.3gを180℃に維持したホットプレート上で直径1mmの鉄棒により1回/秒の速度で撹拌し糸引きが無くなるまでの時間を測定し、曲げ強度、曲げ破断歪率はJIS K 6911に準じて測定し、ガラス転移温度は熱機械特性評価装置(TMA)による熱膨張曲線(昇温速度10℃/分)の変曲点より求めた。
積層板特性については、ガラス転移温度は上記TMA法で、銅箔ピール強度はJIS C 6481に準じて、吸水率は全面エッチング板の120℃水蒸気10時間処理後の重量変化によって、難燃性はUL−94に準じて、耐電食性は穴径0.4mm・壁間0.3mmのスルーホール間に50V・85℃・湿度85%の処理をして絶縁抵抗が108Ω以下になるまでの時間を測定することによって求めた。耐湿耐熱性は全面エッチング板を120℃水蒸気で処理し、260℃のハンダ槽に20秒浸漬した時に異常を示さない時間を求めることにより評価した。
成形材料の成形品特性はJIS K 6911及びUL−94に準じて測定し、金型汚れは目視により評価した。
実施例1
(1)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂aの合成
ホルマリン及びフェノールをホルムアルデヒド/フェノール=6/10のモル比でシュウ酸を触媒として常法により合成したフェノールノボラック(平均核体数4、未反応フェノール0.1重量%以下)、1.70kgをメチルエチルケトン0.89kgに溶解し、37%ホルマリン2.60kgを加えて撹拌・乳化させ、ここへアニリン1.49kgを1時間かけて徐々に添加し、同時に1時間で還流温度(80〜82℃)になるように徐々に昇温した。添加後7時間還流温度を維持し、溶剤・水分・未反応物を乾燥除去して赤色の透明均一な熱硬化性樹脂aを得た。
NMRスペクトルにより、生成したジヒドロベンゾオキサジン環の形成率及び反応せずに残存したフェノール性水酸基の割合を定量したところ、原料のフェノールノボラックのフェノール性水酸基の内、75%がジヒドロベンゾオキサジン環化し25%が水酸基のまま残留していることが分かった。
(2)熱硬化性組成物の作製
上記のヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂a1.00kg、その原料として用いたフェノールノボラック樹脂0.20kg、4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミド0.10kgを粉砕・混合後、150℃に加熱した2軸ニーダー中に投入し3分間混練し、温度を110℃に下げて更に5分間混練し、冷却、粉砕して熱硬化性組成物を作製した。この組成物のフェノール性水酸基数とジヒドロベンゾオキサジン環数の比は、配合したフェノールノボラック樹脂の量より、フェノール性水酸基数/ジヒドロベンゾオキサジン環数=0.8となる。
(3)硬化物の作製
上記に作製した熱硬化性組成物を、内寸120×80×4mmの金型内に充填し、185℃、50kgf/cm2で90分間加熱加圧成形し、板状の硬化物を作製した。
実施例2〜6
実施例1(1)のジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂aの合成において原料の配合割合を表1のように変えたほかは同様にして、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂b及びcを合成した。また、実施例1(2)の熱硬化性組成物の作製において、原料の配合割合を表2のように変えたほかは同様にして、実施例2〜6の熱硬化性組成物を作製し、実施例1(3)の硬化物の作製と同様に硬化物を作製した。これらの特性を表3に示す。
実施例7
実施例1において作製した熱硬化性組成物100重量部、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量400、臭素含有量48重量%)25重量部、ジシアンジアミド1重量部、シランカップリング剤0.3重量部、メチルエチルケトン67重量部を混合溶解し、ワニス化した。これを厚さ200μmのガラスクロスに含浸させ、乾燥機により溶剤成分を揮発させて樹脂分42重量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、その外層に18μmの電解銅箔を積層してステンレス鏡板で挟み、185℃、30kgf/cm2で90分間加熱加圧し、厚さ0.8mmの銅張積層板を得た。この積層板の特性を表4に示す。
実施例8〜10
実施例3〜5において作製した熱硬化性組成物を用いて、実施例7と同様にプリプレグ及び銅張積層板を作製した。これらの積層板の特性を表4に示す。
実施例11
実施例1で作製した熱硬化性組成物100重量部、ガラス繊維(繊維径10μm)130重量部、タルク50重量部、ステアリン酸亜鉛3重量部、シランカップリング剤1.5重量部、カーボンブラック1.5重量部を混合し、150℃に加熱した2軸加熱ロールで2分、温度を120℃に下げて3分間混練し、冷却後粉砕して成形材料を作製した。これを名機製作所製M−100A−TS型射出成形機を用いて金型温度200℃、射出圧50kgf/cm2、10分間の条件で成形を行った。この成形品特性及び成形材料50kg成形後の金型汚れを表5に示す。
実施例12〜14
実施例3〜5において作製した熱硬化性組成物を用いて、実施例11と同様に成形材料及びその成形品を作製した。これらの成形品特性及び成形材料50kg成形後の金型汚れを表5に示す。
比較例1〜5
実施例1と同様に、熱硬化性組成物及び硬化物を作製した。各々の比較例において用いた原料及び配合を表1及び表2に示す。また、これらの特性を表3に示す。なお、比較例4、5においてはジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂及びその硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルメタンを用いた。また、比較例2、3は、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂/マレイミド環を有する熱硬化性樹脂、の比と硬化物特性との関係を明瞭化するために示したものであり、実施例よりも良好な硬化物特性が得られていることは本発明とは矛盾しない。図1に実施例1、2及び比較例1〜5によって得られた、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂あるいはエポキシ樹脂/マレイミド環を有する熱硬化性樹脂、の比と硬化物のガラス転移温度との関係を示す。
比較例6及び7
比較例1及び4において作製した熱硬化性組成物を用いて、それぞれ実施例7と同様にプリプレグ及び銅張積層板を作製した。これらの積層板の特性を表4に示す。
比較例8
比較例1において作製した熱硬化性組成物を用いて、実施例11と同様にこれらの成形品特性及び成形材料50kg成形後の金型汚れを表5に示す。
比較例9
実施例11において、実施例1で作製した熱硬化性組成物100重量部に代えて、実施例1の(1)で用いたフェノールノボラック85重量部及びヘキサメチレンテトラミン15重量部を用いて、同様に成形材料及び成形品を作製した。成形品特性及び50kg成形後の金型汚れを表5に示す。
なお、各表における配合組成はすべて重量部で示した。
Figure 2004217941
(注)実施例1の(1)において合成したもの
Figure 2004217941
(注1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と4,4′−ジアミノジフェニルメタン50重量部の混合物
(注2)実施例1の(1)で合成したもの
(注3)4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミド
(注4)2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(注5)実施例1と同様にジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂のNMRスペクトルとノボラック型フェノール樹脂の添加量から算出
Figure 2004217941
Figure 2004217941
Figure 2004217941
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂(又はエポキシ樹脂)/マレイミド環を有する熱硬化性樹脂、の比と硬化物のガラス転移温度の関係を示すグラフ。

Claims (2)

  1. オルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物とホルムアルデヒドとの混合物に1級アミンを徐々に加えながら反応させることを特徴とするジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造法。
  2. オルト位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物、1級アミン及びホルムアルデヒドを、フェノール性水酸基1モル当たり1級アミン0.5〜1.0モル、ホルムアルデヒドを1級アミン1モル当たり2モル以上の割合で反応させる請求項1記載のジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造法。
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