JPWO2004009708A1 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
耐熱性、機械的特性、接着性に優れ、難燃性を向上させたフィルム形成能を有する硬化性樹脂組成物に関する。ジヒドロベンゾキサジン環を有する熱硬化性樹脂と、ポリイミド系樹脂を重量比で、5〜95:95〜5の割合で含有してなる硬化性樹脂組成物である。
Description
本発明は、耐熱性、硬化特性に優れた硬化物を与えるジヒドロキサジン環を有するジヒドロキサジン樹脂(以下、DHX樹脂ともいう)とポリイミド系樹脂からなる硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が開発され、それぞれの樹脂特性に合った分野へ応用されている。最近、プリント配線板用銅張積層板、多層配線板用接着剤、半導体用封止材料、半導体実装用接着剤、半導体搭載用モジュール等に用いられる硬化性樹脂や、自動車、航空機、建築部材等に用いられる硬化性樹脂において、高温・高湿下での安定性や信頼性に優れた樹脂材料が求められている。また、ハロゲンフリー難燃性を有する樹脂材料が強く望まれている。
近年、DHX樹脂が、フェノール樹脂に比較して、硬化物の耐熱性、耐湿性が良好な樹脂であることが報告されている(H.Ishida,et al.,J.Polym.Sci.,Vol.32,p921(1994),H.Ishida,et al.,J.Appl.Polym.Sci.,Vol.61,1595(1996))。この樹脂は、開環重合反応性を有しているため、低硬化収縮性を示し、開環反応後の硬化物は、低熱膨張性を有しているなど様々な特徴を有することも示されている(H.Ishida,et al.,J.Polym.Sci.,Vol.34,1019(1994),)。更に、これは、エポキシ樹脂とも反応性を示し、硬化剤として有効であることも示されている(特開平4−227922号公報)。
一方、様々なポリイミド樹脂が開発され、耐熱フィルム、絶縁ワニス、耐熱接着剤、成型材料として、フレキシブルプリント回路基板用銅張積層板、多層プリント回路基板用接着フィルム、プリント回路基板用カバーフィルム、半導体コーティング剤、アンダーフィル剤、TAB用封止材、航空宇宙分野の部材として用いられている。最近、熱可塑性で成型可能なポリイミド樹脂や有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂が開発され、その応用分野が広がっている。特に、半導体やプリント回路基板の分野では、耐熱性とともに高い信頼性が必要なため、機械的特性、電気的特性に優れたポリイミド材料が用いられるようになってきた。
しかし、一般にポリイミド樹脂を単独で、接着剤あるいは接着フィルムとして用いた場合、充分な接着強度が得られないという問題があった。また、環境問題の観点から、鉛フリーのハンダ材料が用いられつつあり、高いハンダ耐熱温度を有する材料の開発が望まれていた。更に、最近はハロゲンフリー難燃性も要求されている。しかしながら、これらの樹脂は、耐熱性や難燃性において特性が充分とはいえず、ハロゲン系難燃剤や各種の改質剤の配合を必要としていた。
特公昭49−47378号公報、特開平2−69567号公報、特開平4−227922号公報、特開平9−216994号公報には、ジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物及びこれを用いた熱硬化性樹脂組成物が報告されている。しかし、これらは、いずれも低分子量の樹脂からなり、フィルムやシートあるいは繊維として用いることができなかったり、また、充分な耐熱性、電気特性又は機械的特性が得られなかったりした。
近年、DHX樹脂が、フェノール樹脂に比較して、硬化物の耐熱性、耐湿性が良好な樹脂であることが報告されている(H.Ishida,et al.,J.Polym.Sci.,Vol.32,p921(1994),H.Ishida,et al.,J.Appl.Polym.Sci.,Vol.61,1595(1996))。この樹脂は、開環重合反応性を有しているため、低硬化収縮性を示し、開環反応後の硬化物は、低熱膨張性を有しているなど様々な特徴を有することも示されている(H.Ishida,et al.,J.Polym.Sci.,Vol.34,1019(1994),)。更に、これは、エポキシ樹脂とも反応性を示し、硬化剤として有効であることも示されている(特開平4−227922号公報)。
一方、様々なポリイミド樹脂が開発され、耐熱フィルム、絶縁ワニス、耐熱接着剤、成型材料として、フレキシブルプリント回路基板用銅張積層板、多層プリント回路基板用接着フィルム、プリント回路基板用カバーフィルム、半導体コーティング剤、アンダーフィル剤、TAB用封止材、航空宇宙分野の部材として用いられている。最近、熱可塑性で成型可能なポリイミド樹脂や有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂が開発され、その応用分野が広がっている。特に、半導体やプリント回路基板の分野では、耐熱性とともに高い信頼性が必要なため、機械的特性、電気的特性に優れたポリイミド材料が用いられるようになってきた。
しかし、一般にポリイミド樹脂を単独で、接着剤あるいは接着フィルムとして用いた場合、充分な接着強度が得られないという問題があった。また、環境問題の観点から、鉛フリーのハンダ材料が用いられつつあり、高いハンダ耐熱温度を有する材料の開発が望まれていた。更に、最近はハロゲンフリー難燃性も要求されている。しかしながら、これらの樹脂は、耐熱性や難燃性において特性が充分とはいえず、ハロゲン系難燃剤や各種の改質剤の配合を必要としていた。
特公昭49−47378号公報、特開平2−69567号公報、特開平4−227922号公報、特開平9−216994号公報には、ジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物及びこれを用いた熱硬化性樹脂組成物が報告されている。しかし、これらは、いずれも低分子量の樹脂からなり、フィルムやシートあるいは繊維として用いることができなかったり、また、充分な耐熱性、電気特性又は機械的特性が得られなかったりした。
本発明は、耐熱性、難燃性において優れ、銅やステンレス等の金属に対する密着性にも優れた特性を有する硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、ポリイミド樹脂とDHX樹脂の特性を併せ持つ硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の硬化性樹脂組成物は、芳香族炭化水素環と縮合したジヒドロキサジン環を少なくとも一つ有する熱硬化性樹脂と、ポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体及びこれらの混合物から選択されるポリイミド系樹脂を重量比で、5〜95:95〜5の割合で含有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、少なくとも一つのジヒドロキサジン環を有する熱硬化性樹脂(DHX樹脂)と、ポリイミド樹脂、その前駆体又はそれらの混合物から選択されるポリイミド系樹脂を必須成分として含有する。樹脂組成物中のDHX樹脂の含有率が、樹脂成分の合計量に対して、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲である。また、ポリイミド系樹脂の含有率は、樹脂成分の合計量に対して、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲である。DHX樹脂の含有割合が少ないと硬化物特性の耐熱性、難燃性、密着性等において効果が得られず、逆に過剰であるとポリイミド樹脂の持つ可とう性が損なわれ、硬化物の脆さが顕在化し、材料としての優位性が失われる。
DHX樹脂としては、芳香族炭化水素環と縮合したジヒドロキサジン環を少なくとも一つ有し、このジヒドロキサジン環の開環重合反応により硬化する樹脂であれば制限はなく、公知のDHX樹脂等も使用可能である。ジヒドロキサジン環と縮合する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく挙げられ、これらの芳香族炭化水素環はメチル基等炭素数3以下のアルキル基やハロゲン等の置換基を有してもよいが、置換基を有しないものがよい。
ベンゼン環と縮合したジヒドロキサジン環は、ジヒドロベンゾキサジン環と称されるので、ジヒドロベンゾキサジン環樹脂(以下、DHB樹脂)といい、ナフタレン環と縮合したジヒドロキサジン環は、ジヒドロナフトキサジン環と称されるので、ジヒドロナフトキサジン環樹脂(以下、DHN樹脂)という。しかしながら、これはいずれもDHX樹脂の1種である。
DHX樹脂としては、ポリイミド系樹脂と混ざりやすく、硬化後の耐熱性低下を抑える点で、下記一般式(3)で表されるDHB樹脂又は一般式(4)で表されるDHN樹脂であることが望ましい。
(式中、R9及びR10は炭素数1〜10の有機基、R11は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、Yは存在しないか、−C(CH3)2−,−CO−,−O−,−S−,−SO2−,−CH2−,−C(CF3)2−又は式(5)で表される基示す)
(式中、R15は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R16は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチン基又は置換ナフチル基を示す)
ここで、式(5)で表される基は、特定のフェノール樹脂から誘導される基であり、下記式(5)で表される。
(式中、R12は炭素数1〜10の有機基、R13は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、R14はメチレン基又はp−キシリレン基を示し、nは1〜10の整数を示す)。
一般式(3)〜(5)で、R9及びR10は炭素数1〜10の有機基であるが、好ましくはアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基である。
R11は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、好ましくは水素原子又はアルキル基である。Yは存在しないか、−C(CH3)2−,−CO−,−O−,−S−,−SO2−,−CH2−,−C(CF3)2−又は式(5)で表される基を示すが、好ましくは−C(CH3)2−である。R15は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R16は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基又は置換ナフチル基を示す。また、R12は炭素数1〜10の有機基を示すが、好ましくはアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基である。R13は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、水素原子又はアルキル基である、R14はメチレン基又はp−キシリレン基を示し、nは1〜10の整数を示す。ここで、p−キシリレン基は下記式で表される。
本発明で使用する望ましいDHX樹脂は、上記一般式(3)又は一般式(4)で表される樹脂のみからなるものであってもよく、その部分重合物を少量含む樹脂であってもよく、これらの混合物であってもよい。その他、DHX樹脂の製造の際、副生する少量の不純物、部分開環物、未反応物等を含み得る。
本発明で使用するDHB樹脂は公知の方法により製造することができる。好ましい反応原料の一例としては、下記一般式で示されるフェノール化合物、1級アミン及びアルデヒドがある。
a)フェノール化合物:HO−Ar3又はHO−Ar4−OH
b)1級アミン:R−NH2
c)アルデヒド:R’−CHO
ここで、Ar3は1価の芳香族基であり、Ar4は2価の芳香族基であるが、2環以上の多環の芳香族基であることが好ましく、ハロゲン、アルキル基等の置換基を有し得るが、OH基に対しオルト位に置換可能な水素を少なくとも一つ有する。
Rは、1価の脂肪族、芳香族等の有機基であるが、芳香族基であることが好ましく、ハロゲン等の置換基を有し得る。また、2環以上の多環の芳香族基であることも好ましい。好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は置換フェニル基である。
R’は、水素又は1価の脂肪族、芳香族等の有機基であるが、水素又は低級アルキル基が好ましい。
フェノール化合物、1級アミン及びアルデヒドからDHB樹脂を得る反応の一例を下記に示す。
上記反応式からフェノール化合物、1級アミン又はアルデヒドを変化させることにより、種々のDHB樹脂が得られることが理解できる。例えば、上記一般式(3)で表されるDHB樹脂を得る場合は、フェノール化合物、1級アミン及びアルデヒドとして、次に示す化合物が原料として使用される。なお、下記式において、φはp−フェニレンを示し、R9とR10は同一であり得る。
a)フェノール化合物:HO−φ−Y−φ−OH
b)1級アミン:R9−NH2又はR10−NH2
c)アルデヒド:R11−CHO
本発明で使用するDHB樹脂を合成するには、フェノール化合物が有する水酸基数をyとしたとき、1級アミンを(0.8〜1.2)×yモル、好ましくは(0.9〜1.1)×yモルを使用し、アルデヒドを(1.6〜2.4)×yモル、好ましくは(1.8〜2.2)×yモルを使用して反応させることが望ましい。
DHB樹脂の原料となるフェノール化合物としては、オルソ位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール類、多官能フェノール類、ビスフェノール類、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのトリスフェノール類等が挙げられる。好ましくは、熱硬化物特性の観点から1分子中にフェノール性水酸基を2以上有する化合物である。具体的には、多官能フェノール類としてカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビスフェノール類としてビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ヘキサフルオロビスフェノールA等が挙げられる。また、フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種類あるいは2種類以上を用いることもできる。
1級アミンとしては、メチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、トルイジン、アニシジン等の芳香族アミンを用いることができ、これらは、1種あるいは2種類以上を用いることもできる。
アルデヒドとしては、前記アルデヒドが使用できるが、ホルムアルデヒドを使用する場合は、ホルマリン水溶液として、またパラホルムアルデヒドとして、いずれの形態でも用いることができる。
DHB樹脂として具体的には、次のようなDHB樹脂が例示される。しかし、これらに限定されることなく、1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明で使用するDHX樹脂として、ジヒドロナフトキサジン環を有する熱硬化性樹脂(DHN樹脂ともいう)も有利に用いることもできる。このDHN樹脂は、DHX樹脂として単独で使用することもでき、上記のようなDHB樹脂と、併用することもできる。DHN樹脂の具体的な製造方法は、上記DHB樹脂と同様に、1級アミンをホルムアルデヒドへ徐々に加える方法により反応させたのち、ナフトール系水酸基を有する化合物を加え、20分〜24時間、70〜120℃に保つ。このとき、必要に応じて有機溶剤を用いることもできる。反応後、生成物を抽出等の合成化学的手法で単離・精製し縮合水等の揮発成分を乾燥除去することにより目的とするDHN樹脂が得られる。
DHN樹脂としては、具体的には、次のような樹脂が好ましく挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
上記DHX樹脂は、加熱により開環重合反応を起こし、揮発分を発生させることなくフェノール性水酸基を生成しながら優れた特性を有する架橋構造を形成する。この硬化物は低吸湿性、高いガラス転移温度、高強度・高弾性率更には低硬化収縮率を示し、難燃性にも優れている。なお、DHX樹脂は硬化前は単一の化合物である場合もあり、少量の副反応物を含む混合物である場合もあり、上記化合物が部分的に重合したオリゴマーである場合もあるが、本発明でDHX樹脂という場合は、いずれの場合も含む。
本発明の硬化性樹脂組成物のもう一つの必須成分として用いられるポリイミド系樹脂としては、イミド基又はアミック酸又は両者を含む繰り返し単位からなる構成成分を主とする樹脂であれば制限はなく、公知のポリイミド樹脂やその前駆体も使用可能である。ポリイミド系樹脂は、テトラカルボン酸化合物とジアミン化合物から得られるものが好ましく、より好ましくは、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される繰り返し単位構造を含有するポリイミド樹脂又はその前駆体である。樹脂組成物としたときの物性の点で、上記一般式(2)又は(3)で示される構造単位のいずれか一つ又は両者を50重量%以上含むポリイミド樹脂又はその前駆体樹脂(ポリアミック酸)が好ましい。
(但し、一般式(1)及び(2)において、Ar1及びAr2は少なくとも一つの芳香族環を有する4価の有機基、R1及びR2は−OH,−NH2,−SH,−CONH2又は炭素数1〜6の有機基を示し、i及びjは0〜4の整数を示し、R3及びR4は炭素数1〜10の2価の有機基を示し、R5〜R8は水素又は炭素数1〜6の有機基を示し、Xは2価の基を示し、mは1〜10の数を示す)
上記一般式(1)及び(2)において、Ar1及びAr2は少なくとも一つの芳香族環を有する4価の有機基であり、テトラカルボン酸化合物の残基ともいえる。したがって、好ましいAr1及びAr2は、後記する好ましいテトラカルボン酸化合物から理解される。また、2つのNと結合する2価の基は、ジアミン化合物の残基ともいえる。したがって、一般式(1)において、好ましいR1及びR2、i及びj、並びにXは、後記する好ましいジアミン化合物から理解される。例えば、R1及びR2は−OH,−NH2,−SH,−CONH2又は炭素数1〜6の有機基を示すが、好ましくは低級アルキル基である。i及びjは0〜4の整数を示すが、好ましくは0〜2である。上記一般式(2)において、R3及びR4は炭素数1〜10の2価の有機基を示すが、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基である。R5〜R8は水素又は炭素数1〜6の有機基を示が、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基である。mは1〜10の数を示すが、好ましくは2〜8である。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸化合物としては、酸二無水物が好ましい。この具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(ODPA)、2,2’−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(a−ODPA)、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(BDCP)、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(BDCF)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCA)、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物(CPTA)、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物(PTCA)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物(BTCA)等をあげることができるが、これらに限定されることなく、種々のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。また、これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
また、ジアミン化合物としては、アミノ基を2つ以上分子内に有する化合物であれば限定されること無く用いることができるが、耐熱性向上の観点から、芳香族ジアミノ化合物であることが望ましい。ジアミノ化合物の具体例としては、次のようなジアミンが好ましく挙げられる。しかし、これらに限定することなく、1種又は2種以上を用いることができる。更に、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等も用いることができる。
また、一般式(2)で示される繰り返し単位を与えるシロキサン系のジアミンとしては、ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、あるいは下記一般式(6)
(式中、R3〜R4及びnは一般式(2)と同じである)で表されるジアミノポリシロキサンが挙げられる。また、一般式(2)で好ましいR3及びR4としてはトリメチレン基が、R5〜R8としてはメチル基、ビニル基又はフェニル基が挙げられる。
上記ポリイミド系樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物とを、ほぼ等モルで反応させることにより合成できる。反応条件は公知の条件を採用することができる。ポリイミド系樹脂は、一般式(1)又は(2)で表されるポリイミド樹脂単位又はその前駆体単位が繰返し単位として50重量%以上、好ましくは80重量%以上含まれることがよい。一般式(1)及び(2)表されるポリイミド樹脂単位又はその前駆体単位の両者を含み、一般式(1)及び(2)で表される単位の重量割合が20〜80:80〜20であることも有利である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記ポリイミド系樹脂とDHX樹脂を通常のブレンド法や、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液に、DHX樹脂を添加、混合し、必要により乾燥させることにより製造することができる。ポリイミド系樹脂とDHX樹脂の重量比は、5〜95:95〜5である。
また、本発明の硬化性樹脂組成物においては、樹脂組成物の一成分としてエポキシ樹脂を使用することもできる。本発明の硬化性樹脂組成物の一成分として用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、各種の脂環式エポキシ樹脂、ナフタレン構造を有する各種エポキシ樹脂、あるいは臭素化エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定することなく用いることができる。更に、これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
更に、必要に応じて、ジヒドロキサジン環を開環する効果のあるフェノール性水酸基を有する化合物、例えば、ビスフェノールA、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、アミノ基を有する化合物を用いることもできる。
また、硬化反応触媒として、例えば、イミダゾール系化合物、ジシアンジアミド系化合物、リン系化合物を使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、以上に記した成分以外に必要に応じ、各種フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂等を含有することができる。
また、充填材、補強材、離型剤、カップリング剤、可塑剤、難燃剤、硬化助剤、着色剤、カップリング剤、あるいはカーボンブラック等を含有することができる。樹脂の難燃性を更に向上させる目的で、トリフェニルフォスフィン等のホスフィン類、リン酸エステル、亜ホスフィン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフィンオキサイド等の各種有機リン系化合物を使用することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、DHX樹脂及びポリイミド系樹脂を必須成分として含有する。DHX樹脂及びポリイミド系樹脂の2成分からなる場合、その配合量は前記のとおりであるが、より好ましくはポリイミド系樹脂100重量部に対し、DHX樹脂5〜50重量部である。また、必要により前記のような他の樹脂成分を加える場合、他の樹脂成分は全樹脂成分の40重量%以下、好ましくは20重量%以下とすることがよい。なお、硬化性樹脂組成物中の全樹脂成分は、充填材等の樹脂以外の成分を除いた成分をいう。
本発明の硬化性樹脂組成物は、成形材料やワニスとして用いられるだけでなく、成型性にも優れるため、フィルム、シート、繊維等の形態で利用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱反応により架橋構造を形成し、熱硬化することが可能である。このようにして得られる硬化物は、耐熱性、難燃性において優れ、金属に対する密着性にも優れた特性を有する硬化樹脂となる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、芳香族炭化水素環と縮合したジヒドロキサジン環を少なくとも一つ有する熱硬化性樹脂と、ポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体及びこれらの混合物から選択されるポリイミド系樹脂を重量比で、5〜95:95〜5の割合で含有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、少なくとも一つのジヒドロキサジン環を有する熱硬化性樹脂(DHX樹脂)と、ポリイミド樹脂、その前駆体又はそれらの混合物から選択されるポリイミド系樹脂を必須成分として含有する。樹脂組成物中のDHX樹脂の含有率が、樹脂成分の合計量に対して、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲である。また、ポリイミド系樹脂の含有率は、樹脂成分の合計量に対して、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲である。DHX樹脂の含有割合が少ないと硬化物特性の耐熱性、難燃性、密着性等において効果が得られず、逆に過剰であるとポリイミド樹脂の持つ可とう性が損なわれ、硬化物の脆さが顕在化し、材料としての優位性が失われる。
DHX樹脂としては、芳香族炭化水素環と縮合したジヒドロキサジン環を少なくとも一つ有し、このジヒドロキサジン環の開環重合反応により硬化する樹脂であれば制限はなく、公知のDHX樹脂等も使用可能である。ジヒドロキサジン環と縮合する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく挙げられ、これらの芳香族炭化水素環はメチル基等炭素数3以下のアルキル基やハロゲン等の置換基を有してもよいが、置換基を有しないものがよい。
ベンゼン環と縮合したジヒドロキサジン環は、ジヒドロベンゾキサジン環と称されるので、ジヒドロベンゾキサジン環樹脂(以下、DHB樹脂)といい、ナフタレン環と縮合したジヒドロキサジン環は、ジヒドロナフトキサジン環と称されるので、ジヒドロナフトキサジン環樹脂(以下、DHN樹脂)という。しかしながら、これはいずれもDHX樹脂の1種である。
DHX樹脂としては、ポリイミド系樹脂と混ざりやすく、硬化後の耐熱性低下を抑える点で、下記一般式(3)で表されるDHB樹脂又は一般式(4)で表されるDHN樹脂であることが望ましい。
(式中、R9及びR10は炭素数1〜10の有機基、R11は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、Yは存在しないか、−C(CH3)2−,−CO−,−O−,−S−,−SO2−,−CH2−,−C(CF3)2−又は式(5)で表される基示す)
(式中、R15は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R16は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチン基又は置換ナフチル基を示す)
ここで、式(5)で表される基は、特定のフェノール樹脂から誘導される基であり、下記式(5)で表される。
(式中、R12は炭素数1〜10の有機基、R13は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、R14はメチレン基又はp−キシリレン基を示し、nは1〜10の整数を示す)。
一般式(3)〜(5)で、R9及びR10は炭素数1〜10の有機基であるが、好ましくはアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基である。
R11は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、好ましくは水素原子又はアルキル基である。Yは存在しないか、−C(CH3)2−,−CO−,−O−,−S−,−SO2−,−CH2−,−C(CF3)2−又は式(5)で表される基を示すが、好ましくは−C(CH3)2−である。R15は水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R16は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基又は置換ナフチル基を示す。また、R12は炭素数1〜10の有機基を示すが、好ましくはアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基である。R13は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、水素原子又はアルキル基である、R14はメチレン基又はp−キシリレン基を示し、nは1〜10の整数を示す。ここで、p−キシリレン基は下記式で表される。
本発明で使用する望ましいDHX樹脂は、上記一般式(3)又は一般式(4)で表される樹脂のみからなるものであってもよく、その部分重合物を少量含む樹脂であってもよく、これらの混合物であってもよい。その他、DHX樹脂の製造の際、副生する少量の不純物、部分開環物、未反応物等を含み得る。
本発明で使用するDHB樹脂は公知の方法により製造することができる。好ましい反応原料の一例としては、下記一般式で示されるフェノール化合物、1級アミン及びアルデヒドがある。
a)フェノール化合物:HO−Ar3又はHO−Ar4−OH
b)1級アミン:R−NH2
c)アルデヒド:R’−CHO
ここで、Ar3は1価の芳香族基であり、Ar4は2価の芳香族基であるが、2環以上の多環の芳香族基であることが好ましく、ハロゲン、アルキル基等の置換基を有し得るが、OH基に対しオルト位に置換可能な水素を少なくとも一つ有する。
Rは、1価の脂肪族、芳香族等の有機基であるが、芳香族基であることが好ましく、ハロゲン等の置換基を有し得る。また、2環以上の多環の芳香族基であることも好ましい。好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は置換フェニル基である。
R’は、水素又は1価の脂肪族、芳香族等の有機基であるが、水素又は低級アルキル基が好ましい。
フェノール化合物、1級アミン及びアルデヒドからDHB樹脂を得る反応の一例を下記に示す。
上記反応式からフェノール化合物、1級アミン又はアルデヒドを変化させることにより、種々のDHB樹脂が得られることが理解できる。例えば、上記一般式(3)で表されるDHB樹脂を得る場合は、フェノール化合物、1級アミン及びアルデヒドとして、次に示す化合物が原料として使用される。なお、下記式において、φはp−フェニレンを示し、R9とR10は同一であり得る。
a)フェノール化合物:HO−φ−Y−φ−OH
b)1級アミン:R9−NH2又はR10−NH2
c)アルデヒド:R11−CHO
本発明で使用するDHB樹脂を合成するには、フェノール化合物が有する水酸基数をyとしたとき、1級アミンを(0.8〜1.2)×yモル、好ましくは(0.9〜1.1)×yモルを使用し、アルデヒドを(1.6〜2.4)×yモル、好ましくは(1.8〜2.2)×yモルを使用して反応させることが望ましい。
DHB樹脂の原料となるフェノール化合物としては、オルソ位の少なくとも一方に水素が結合しているフェノール類、多官能フェノール類、ビスフェノール類、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのトリスフェノール類等が挙げられる。好ましくは、熱硬化物特性の観点から1分子中にフェノール性水酸基を2以上有する化合物である。具体的には、多官能フェノール類としてカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビスフェノール類としてビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ヘキサフルオロビスフェノールA等が挙げられる。また、フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種類あるいは2種類以上を用いることもできる。
1級アミンとしては、メチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、トルイジン、アニシジン等の芳香族アミンを用いることができ、これらは、1種あるいは2種類以上を用いることもできる。
アルデヒドとしては、前記アルデヒドが使用できるが、ホルムアルデヒドを使用する場合は、ホルマリン水溶液として、またパラホルムアルデヒドとして、いずれの形態でも用いることができる。
DHB樹脂として具体的には、次のようなDHB樹脂が例示される。しかし、これらに限定されることなく、1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明で使用するDHX樹脂として、ジヒドロナフトキサジン環を有する熱硬化性樹脂(DHN樹脂ともいう)も有利に用いることもできる。このDHN樹脂は、DHX樹脂として単独で使用することもでき、上記のようなDHB樹脂と、併用することもできる。DHN樹脂の具体的な製造方法は、上記DHB樹脂と同様に、1級アミンをホルムアルデヒドへ徐々に加える方法により反応させたのち、ナフトール系水酸基を有する化合物を加え、20分〜24時間、70〜120℃に保つ。このとき、必要に応じて有機溶剤を用いることもできる。反応後、生成物を抽出等の合成化学的手法で単離・精製し縮合水等の揮発成分を乾燥除去することにより目的とするDHN樹脂が得られる。
DHN樹脂としては、具体的には、次のような樹脂が好ましく挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
上記DHX樹脂は、加熱により開環重合反応を起こし、揮発分を発生させることなくフェノール性水酸基を生成しながら優れた特性を有する架橋構造を形成する。この硬化物は低吸湿性、高いガラス転移温度、高強度・高弾性率更には低硬化収縮率を示し、難燃性にも優れている。なお、DHX樹脂は硬化前は単一の化合物である場合もあり、少量の副反応物を含む混合物である場合もあり、上記化合物が部分的に重合したオリゴマーである場合もあるが、本発明でDHX樹脂という場合は、いずれの場合も含む。
本発明の硬化性樹脂組成物のもう一つの必須成分として用いられるポリイミド系樹脂としては、イミド基又はアミック酸又は両者を含む繰り返し単位からなる構成成分を主とする樹脂であれば制限はなく、公知のポリイミド樹脂やその前駆体も使用可能である。ポリイミド系樹脂は、テトラカルボン酸化合物とジアミン化合物から得られるものが好ましく、より好ましくは、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される繰り返し単位構造を含有するポリイミド樹脂又はその前駆体である。樹脂組成物としたときの物性の点で、上記一般式(2)又は(3)で示される構造単位のいずれか一つ又は両者を50重量%以上含むポリイミド樹脂又はその前駆体樹脂(ポリアミック酸)が好ましい。
(但し、一般式(1)及び(2)において、Ar1及びAr2は少なくとも一つの芳香族環を有する4価の有機基、R1及びR2は−OH,−NH2,−SH,−CONH2又は炭素数1〜6の有機基を示し、i及びjは0〜4の整数を示し、R3及びR4は炭素数1〜10の2価の有機基を示し、R5〜R8は水素又は炭素数1〜6の有機基を示し、Xは2価の基を示し、mは1〜10の数を示す)
上記一般式(1)及び(2)において、Ar1及びAr2は少なくとも一つの芳香族環を有する4価の有機基であり、テトラカルボン酸化合物の残基ともいえる。したがって、好ましいAr1及びAr2は、後記する好ましいテトラカルボン酸化合物から理解される。また、2つのNと結合する2価の基は、ジアミン化合物の残基ともいえる。したがって、一般式(1)において、好ましいR1及びR2、i及びj、並びにXは、後記する好ましいジアミン化合物から理解される。例えば、R1及びR2は−OH,−NH2,−SH,−CONH2又は炭素数1〜6の有機基を示すが、好ましくは低級アルキル基である。i及びjは0〜4の整数を示すが、好ましくは0〜2である。上記一般式(2)において、R3及びR4は炭素数1〜10の2価の有機基を示すが、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基である。R5〜R8は水素又は炭素数1〜6の有機基を示が、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基である。mは1〜10の数を示すが、好ましくは2〜8である。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸化合物としては、酸二無水物が好ましい。この具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(ODPA)、2,2’−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(a−ODPA)、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(BDCP)、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(BDCF)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCA)、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物(CPTA)、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物(PTCA)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物(BTCA)等をあげることができるが、これらに限定されることなく、種々のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。また、これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
また、ジアミン化合物としては、アミノ基を2つ以上分子内に有する化合物であれば限定されること無く用いることができるが、耐熱性向上の観点から、芳香族ジアミノ化合物であることが望ましい。ジアミノ化合物の具体例としては、次のようなジアミンが好ましく挙げられる。しかし、これらに限定することなく、1種又は2種以上を用いることができる。更に、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等も用いることができる。
また、一般式(2)で示される繰り返し単位を与えるシロキサン系のジアミンとしては、ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、あるいは下記一般式(6)
(式中、R3〜R4及びnは一般式(2)と同じである)で表されるジアミノポリシロキサンが挙げられる。また、一般式(2)で好ましいR3及びR4としてはトリメチレン基が、R5〜R8としてはメチル基、ビニル基又はフェニル基が挙げられる。
上記ポリイミド系樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物とを、ほぼ等モルで反応させることにより合成できる。反応条件は公知の条件を採用することができる。ポリイミド系樹脂は、一般式(1)又は(2)で表されるポリイミド樹脂単位又はその前駆体単位が繰返し単位として50重量%以上、好ましくは80重量%以上含まれることがよい。一般式(1)及び(2)表されるポリイミド樹脂単位又はその前駆体単位の両者を含み、一般式(1)及び(2)で表される単位の重量割合が20〜80:80〜20であることも有利である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記ポリイミド系樹脂とDHX樹脂を通常のブレンド法や、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液に、DHX樹脂を添加、混合し、必要により乾燥させることにより製造することができる。ポリイミド系樹脂とDHX樹脂の重量比は、5〜95:95〜5である。
また、本発明の硬化性樹脂組成物においては、樹脂組成物の一成分としてエポキシ樹脂を使用することもできる。本発明の硬化性樹脂組成物の一成分として用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、各種の脂環式エポキシ樹脂、ナフタレン構造を有する各種エポキシ樹脂、あるいは臭素化エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定することなく用いることができる。更に、これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
更に、必要に応じて、ジヒドロキサジン環を開環する効果のあるフェノール性水酸基を有する化合物、例えば、ビスフェノールA、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、アミノ基を有する化合物を用いることもできる。
また、硬化反応触媒として、例えば、イミダゾール系化合物、ジシアンジアミド系化合物、リン系化合物を使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、以上に記した成分以外に必要に応じ、各種フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂等を含有することができる。
また、充填材、補強材、離型剤、カップリング剤、可塑剤、難燃剤、硬化助剤、着色剤、カップリング剤、あるいはカーボンブラック等を含有することができる。樹脂の難燃性を更に向上させる目的で、トリフェニルフォスフィン等のホスフィン類、リン酸エステル、亜ホスフィン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフィンオキサイド等の各種有機リン系化合物を使用することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、DHX樹脂及びポリイミド系樹脂を必須成分として含有する。DHX樹脂及びポリイミド系樹脂の2成分からなる場合、その配合量は前記のとおりであるが、より好ましくはポリイミド系樹脂100重量部に対し、DHX樹脂5〜50重量部である。また、必要により前記のような他の樹脂成分を加える場合、他の樹脂成分は全樹脂成分の40重量%以下、好ましくは20重量%以下とすることがよい。なお、硬化性樹脂組成物中の全樹脂成分は、充填材等の樹脂以外の成分を除いた成分をいう。
本発明の硬化性樹脂組成物は、成形材料やワニスとして用いられるだけでなく、成型性にも優れるため、フィルム、シート、繊維等の形態で利用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱反応により架橋構造を形成し、熱硬化することが可能である。このようにして得られる硬化物は、耐熱性、難燃性において優れ、金属に対する密着性にも優れた特性を有する硬化樹脂となる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の樹脂原料の略号は、酸二無水物、ジアミン化合物、DHB樹脂及びDHN樹脂の説明の項に記載した略号に対応する。その他の略号は以下のものを意味する。
BAPD:ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
PSX750:平均分子量750のビス(3−アミノプロピル)ジメチルポリシロキサン
PSX1000:平均分子量1000のビス(3−アミノプロピル)ジメチルポリシロキサン
(1a):フェノールノボラック(OH当量=200)から合成される下記式で示されるDHB樹脂
合成例1
Dean−Stark型脱水冷却装置、撹拌翼を取り付けた1LのセパラブルフラスコにN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)200mlとトルエン100mlを入れ、氷冷により25℃以下に温度を保ち、窒素気流下で、ジアミン(1)40.1gを溶解した後、DSDA35.4gを粉体のまま少量づつ投入した。2時間反応し充分ポリアミド酸の重合を進行させた後、トルエン還流が起こるまで温度を徐々に上昇させ、イミド化脱水反応により生成する水を重合反応系外に除去した。脱水イミド化反応が終了した後、更に、1時間150℃にて撹拌を行い反応を終了させた。得られたポリイミド溶液にNMPを加え固形分濃度が20重量%となるように調整した。
BAPD:ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
PSX750:平均分子量750のビス(3−アミノプロピル)ジメチルポリシロキサン
PSX1000:平均分子量1000のビス(3−アミノプロピル)ジメチルポリシロキサン
(1a):フェノールノボラック(OH当量=200)から合成される下記式で示されるDHB樹脂
合成例1
Dean−Stark型脱水冷却装置、撹拌翼を取り付けた1LのセパラブルフラスコにN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)200mlとトルエン100mlを入れ、氷冷により25℃以下に温度を保ち、窒素気流下で、ジアミン(1)40.1gを溶解した後、DSDA35.4gを粉体のまま少量づつ投入した。2時間反応し充分ポリアミド酸の重合を進行させた後、トルエン還流が起こるまで温度を徐々に上昇させ、イミド化脱水反応により生成する水を重合反応系外に除去した。脱水イミド化反応が終了した後、更に、1時間150℃にて撹拌を行い反応を終了させた。得られたポリイミド溶液にNMPを加え固形分濃度が20重量%となるように調整した。
上記のポリイミド溶液に、ジヒドロベンゾキサジン環を有する熱硬化性樹脂10gを混合した後、ガラス基板上に流延し、ドクターブレードを用いてキャストした。更に、これを窒素気流下のイナートオーブン中で、100℃で60分、150℃で60分で乾燥させた後、樹脂層をガラス基板から隔離し、ステンレス製の金属枠に固定した。これを、180℃で10分間乾燥させ、硬化性樹脂組成物のフィルムを得た。このフィルムを用いて、銅、ステンレスとの接着強度の測定を行った。また、このフィルムを更に、180℃で60分の熱処理を行った後、物性測定を行った。
なお、ガラス転移温度(Tg)は動的粘弾性測定装置(DMA)を用い、熱膨張係数は、熱機械分析装置(TMA)を用い、熱分解開始温度(5%重量減少温度)は熱重量分析装置(TGA)を用いて、曲げ強度及び曲げ弾性率はJIS K 6911に準じて測定を行った。
吸水率は、3mm厚の硬化物を作成した後、硬化物をPCT(121℃、2atm)処理時間20時間の条件で処理した後、PCT処理前後の重量変化を測定し、吸水率を求めた。更に、難燃性はUL規格の方法に従って、1.6mm厚の硬化物の難燃性を評価した。
接着強度については、加圧プレスを用いて圧着温度(ガラス転移温度+50℃)、圧着圧力(19.6MPa)にてJIS K 6850に従って評価を行った。なお、接着強度(1)は対銅を示し、接着強度(2)は対ステンレスを示す。
ポリイミド樹脂の原料組成及び樹脂組成物の配合組成を表1に、得られた硬化物の物性を表2に示す。
なお、ガラス転移温度(Tg)は動的粘弾性測定装置(DMA)を用い、熱膨張係数は、熱機械分析装置(TMA)を用い、熱分解開始温度(5%重量減少温度)は熱重量分析装置(TGA)を用いて、曲げ強度及び曲げ弾性率はJIS K 6911に準じて測定を行った。
吸水率は、3mm厚の硬化物を作成した後、硬化物をPCT(121℃、2atm)処理時間20時間の条件で処理した後、PCT処理前後の重量変化を測定し、吸水率を求めた。更に、難燃性はUL規格の方法に従って、1.6mm厚の硬化物の難燃性を評価した。
接着強度については、加圧プレスを用いて圧着温度(ガラス転移温度+50℃)、圧着圧力(19.6MPa)にてJIS K 6850に従って評価を行った。なお、接着強度(1)は対銅を示し、接着強度(2)は対ステンレスを示す。
ポリイミド樹脂の原料組成及び樹脂組成物の配合組成を表1に、得られた硬化物の物性を表2に示す。
ポリイミド樹脂の製造原料組成及び硬化性樹脂組成物の配合組成を表1に示す組成とした以外は、実施例1の記載と同様の方法により評価を行った。
比較例1〜2
DHX樹脂の代わりにエポキシ樹脂(エピコート828)を用い、ポリイミド樹脂の製造原料組成及び硬化性樹脂組成物の配合組成を表1に示す組成とした以外は、実施例1の記載と同様の方法により評価を行った。なお、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィンをそれぞれ用いた。
ポリイミド樹脂の原料組成及び樹脂組成物の配合組成を表1に、得られた硬化物の物性を表2にまとめて示す。
比較例1〜2
DHX樹脂の代わりにエポキシ樹脂(エピコート828)を用い、ポリイミド樹脂の製造原料組成及び硬化性樹脂組成物の配合組成を表1に示す組成とした以外は、実施例1の記載と同様の方法により評価を行った。なお、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィンをそれぞれ用いた。
ポリイミド樹脂の原料組成及び樹脂組成物の配合組成を表1に、得られた硬化物の物性を表2にまとめて示す。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱反応により架橋構造を有するため耐熱性、難燃性において優れ、銅やステンレス等の金属に対する密着性にも優れる。本発明の硬化性樹脂組成物から生じる硬化物は、電気特性や機械的特性も良好なため、プリント配線板用積層板、プリント配線板、半導体封止材、半導体搭載用モジュール、その他各種電子部品周辺部材として有用である。また、自動車、航空機部材、建築部材等、炭素繊維や炭素電極、各種複合材料等のバインダーやマトリックス樹脂として用いることができる。更に、本発明の硬化性樹脂組成物は、ワニスとして用いられるだけでなく、成型性にも優れるため、フィルム、シート、繊維等の形態で利用できる。
Claims (5)
- 芳香族炭化水素環と縮合したジヒドロキサジン環を有する熱硬化性樹脂と、ポリイミド樹脂及び/又はポリイミド前駆体を重量比で、5〜95:95〜5の割合で含有してなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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