JP2004205818A - カラオケ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カラオケ曲の演奏をスタートする前に、曲データのガイドメロディデータをスキャンして最高音と最低音を検出し、その間を歌唱音域として表示する。この演奏曲の歌唱音域と並行して、歌唱者のレパートリー曲や過去に歌った曲の歌唱音域を一緒に表示し、比較できるようにする。これにより、このカラオケ曲の歌唱音域が歌唱者にとってどの程度の高さ、低さ、広さであるかが分かるようにする。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、演奏するカラオケ曲の音域を表示するカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ装置は、歌唱者が選択したカラオケ曲を演奏して、歌唱者に歌唱させる装置であるが(例えば特許文献1)、そのカラオケ曲の歌唱旋律がどのような音域であるかを演奏前に表示する機能を備えていなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−49183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、初めて歌唱するカラオケ曲は、どのような歌唱音域であるか分からないため、音域が高すぎる、低すぎる、または、広すぎることが演奏して初めて分かるため、曲の途中でキーを上下させたり、曲の途中で演奏をキャンセルしてしまうことがあるという問題点があった。
【0005】
この発明は、カラオケ曲の演奏前に音域を表示することにより、歌唱者に歌唱音域を知らせることができるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、カラオケ曲を演奏するための曲データを複数記憶した記憶手段と、曲データを選択する選曲手段と、選曲手段によって選択された曲データによりカラオケ曲を演奏する演奏手段と、演奏手段によるカラオケ曲の演奏に先立って、このカラオケ曲の歌唱音域を表示する音域表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記音域表示手段は、前記選曲手段によって曲データが選択されたカラオケ曲の歌唱音域と並行して、他のカラオケ曲の歌唱音域を表示することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記音域表示手段は、前記他のカラオケ曲として、選曲手段で曲データを選択した歌唱者のレパートリー曲の歌唱音域を表示することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、上記発明において、前記音域表示手段は、前記曲データに含まれるガイドメロディデータの最高音および最低音の間を歌唱音域として表示することを特徴とする。
【0010】
この発明では、カラオケ曲の演奏スタートに先立ってそのカラオケ曲の歌唱音域を表示する。これにより、歌唱者が歌ったことがない曲であっても歌唱前にその曲の歌唱音域を知ることができ、例えば演奏キーの調整(キーコン)などで自分が歌える音域に調整したり、歌唱が無理な場合には演奏はキャンセルするなどの対応が可能になる。
【0011】
また、この発明では、前記リクエスト(選曲)したカラオケ曲の歌唱音域と並行して他のカラオケ曲(たとえば、歌唱者のレパートリー曲やこの歌唱者が過去に歌唱したカラオケ曲など)の歌唱音域を表示する。これにより、歌唱者は、前記リクエストしたカラオケ曲の歌唱音域を他のカラオケ曲の歌唱音域と比較することができ、今までの歌唱経験に基づいてこのリクエストしたカラオケ曲の歌唱音域がどのようであるかを知ることが可能になる。
【0012】
また、この発明では、歌唱音域を曲データのガイドメロディデータに基づいて検出するため、歌唱音域に関する他の情報を持たせる必要がなく、以前からある曲データについてもこの歌唱音域の表示が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照してこの発明の実施形態であるカラオケ装置について説明する。このカラオケ装置は、カラオケ曲がリクエストされたとき、演奏をスタートするまえにその曲の歌唱音域を表示し、歌唱者がこの歌唱音域を確認したのち、演奏スタートまたは演奏キャンセルの操作をできるようにしている。また、リクエストされたカラオケ曲の音域を表示するとともに、歌唱者がレパートリーにしている曲や過去に歌唱した曲などの音域を並べて表示する。これにより、歌唱者は、リクエストしたカラオケ曲の歌唱音域を、レパートリーにしている曲や過去に歌唱した曲の歌唱音域と比較することによって、どの程度高い音や低い音が出てくるかを直観的に知ることができる。
【0014】
図1はこの発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図である。カラオケ装置は、装置全体の動作を制御するCPU10と、これに接続された各種機器で構成されている。CPU10には、ハードディスク11、RAM12、音源13、ミキサ(エフェクタ)14、MPEGデコーダ20、合成回路21、操作部23が接続されている。CPU10は、シーケンスプログラム(シーケンサ)30、背景映像再生プログラム33、音域表示処理プログラム34、および操作入力処理プログラム35等のプログラムを実行する。シーケンサ30は、テンポクロックに同期して曲データを読み出してゆくことにより、カラオケ曲の演奏を実行するプログラムである。背景映像再生プログラム33は、カラオケ曲の演奏と並行して背景映像を再生するためのプログラムである。音域表示処理プログラム34は、カラオケ曲の演奏に先立って、リクエストされたカラオケ曲の歌唱音域を表示するためのプログラムである。操作入力処理プログラム35は、歌唱者等の利用者による操作入力を受け付けて対応する処理を実行するプログラムである。この操作入力処理プログラム35は、システムプログラムの一部である。
【0015】
ハードディスク11は、カラオケ曲を演奏するための曲データ、モニタに背景映像を表示するための映像データおよび各曲データの歌唱音域データベース、顧客の歌唱履歴データベースなどを記憶している。RAM12は、プログラムや曲データを読み出すエリアを備えている。
【0016】
音源13は、入力された曲データ(ノートイベントデータ等)に応じて楽音信号を形成する。曲データは、CPU10が実行するシーケンサ30により音源13に入力される。音源13が形成した楽音信号はミキサ14に入力される。ミキサ14は、音源13が発生した複数の楽音信号、および、マイク17、A/Dコンバータ18を介して入力された歌唱者の歌唱音声信号に対してエコーなどの効果を付与するとともに、これらの信号を適当なバランスでミキシングする。ミキシングされたデジタルの音声信号はサウンドシステム15に入力される。サウンドシステムはD/Aコンバータおよびパワーアンプを備えており、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して増幅し、スピーカ16から放音する。ミキサ14が各音声信号に付与する効果およびミキシングのバランスはCPU10によって制御される。
【0017】
ハードディスク11に記憶されている背景映像データ41は、MPEG2形式にエンコードされており、CPU10が実行する背景映像再生プログラム33がこの背景映像データ41を読み出してMPEGデコーダ20に入力する。MPEGデコーダ20は、入力されたMPEGデータをNTSCの映像信号にデコードして合成回路21に入力する。合成回路21は、この背景映像の映像信号の上に歌詞テロップや種々のOSDを合成する回路である。この合成された映像信号はモニタディスプレイ22に表示される。
【0018】
操作部23は、パネルスイッチインタフェースやリモコン受信回路などからなっており、利用者によるパネルスイッチやリモコン装置の操作に応じた操作信号をCPU10に入力する。CPU10は、操作入力処理プログラム35によってこの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。パネルスイッチやリモコン装置は、曲番号を入力するテンキーやカラオケ曲の演奏をスタートするためのスタートボタン、カラオケ曲の演奏をキャンセルするためのキャンセルボタン、カラオケ曲の演奏キーを上下させるためのキーコンボタンなどを備えている。
【0019】
ここで、図2を参照してハードディスク11の記憶内容について説明する。同図(A)は、曲データの構成を説明する図である。曲データは、カラオケ曲を演奏するための楽音トラック、ガイドメロディを発生するためのガイドメロディトラック、歌詞テロップを表示するための歌詞トラックなどからなっている。曲データは、これ以外にヘッダ、音声データ、音声データ制御トラックなどを有しているが説明を簡略化するためにこの図では省略する。
【0020】
各トラックは、MIDIフォーマットに従って記述され、イベントデータと各イベントデータの読み出しタイミングを示すタイミングデータからなっている。タイミングデータは、各イベントデータ間の時間的間隔を示すデュレーションデータや曲のスタート時刻からの絶対時間を示す絶対時間データなどで構成することができる。楽音トラック、ガイドメロディトラックのイベントデータは、楽音の音高、音量、オン/オフなどを示すノートイベントデータなどで構成され、このノートイベントデータを音源13に入力することにより、音源13はこのイベントデータに対応する楽音を発音したり消音したりする。
【0021】
同図(B)は、各カラオケ曲の歌唱音域データベースを示す図である。このデータベースには、ハードディスク11に記憶されている複数のカラオケ曲(曲データ)の歌唱音域が記憶されている。歌唱音域は、上記ガイドメロディトラックのノートイベントデータの最高音および最低音である。新たなカラオケ曲がハードディスク11に登録されたとき、この曲のガイドメロディトラックをスキャンして最高音および最低音を検出し、これをこのデータベースに登録する。
なお、カラオケ曲のリクエストされる毎に、およびレパートリー曲が入力される毎にガイドメロディトラックをスキャンするのであればこのデータベースは不要である。
【0022】
同図(C)は、顧客(歌唱者)別の歌唱曲データベースを示す図である。このデータベースには、各顧客のレパートリー曲や過去に歌唱した曲の曲番号およびその曲を歌唱したときのキーコン値が記憶されている。レパートリー曲は、歌唱者が所定の登録操作で曲番号を登録した曲であり、歌唱者が常時歌っている曲が選ばれる。データベースには2種類のレパートリー曲が登録可能であり、レパートリー曲1は、音域的に楽に歌える歌唱音域の曲であり、レパートリー曲2は、音域的にぎりぎりで歌える歌唱音域の曲である。また、過去歌唱曲は、このカラオケ装置においてこの顧客が過去にリクエストしたカラオケ曲の曲番号およびそのキーコン値からなっている。この過去歌唱曲は、この顧客がカラオケ曲をリクエストする毎に更新される。顧客は、顧客IDで識別される。顧客が個人で所持するIDリモコンを使えば、カラオケ曲をリクエストしたとき、曲番号と一緒に顧客IDがカラオケ装置に送信される。
【0023】
上記構成のカラオケ装置において、パネルスイッチやリモコン装置から曲番号が入力されると、操作入力処理プログラム35がこれを検出し、カラオケ曲のリクエストであるとしてシーケンサ30および音域表示処理プログラム34に伝達する。音域処理プログラム34は、このカラオケ曲の歌唱音域を歌唱音域データベースから読み出してモニタに表示する。この音域表示処理と並行してシーケンサ30が、このカラオケ曲の曲データをハードディスク11の曲データ記憶エリア40から読み出す。曲をリクエストした歌唱者が上記音域表示を見たのち、スタートボタンを押した場合にはモニタ22の表示をカラオケ演奏の表示に切り換えたのちカラオケ演奏をスタートする。歌唱者が音域表示を見たのち、キャンセルボタンを押した場合には、モニタ22の表示を消去したのち待機動作にもどる。このように、歌唱音域を表示したのちにカラオケ曲をスタートするかキャンセルするかを選択することができるため、曲の演奏をスタートしてから音域が高すぎたり低すぎたりするために、途中でキーを上下させたり、広すぎるために途中で演奏をキャンセルするような不都合が生じなくなる。
【0024】
なお、この歌唱音域を表示するときに、この歌唱者のレパートリー曲や過去(直前)に歌唱した曲の歌唱音域を並べて表示することにより、リクエストしたカラオケ曲の歌唱音域がより分かりやすくなる。
【0025】
歌唱者が上記歌唱音域の表示を見て、演奏スタートのボタンを押すと、シーケンサ30がカラオケ曲の演奏を実行する。シーケンサ30は、曲シーケンサおよび歌詞シーケンサからなっており、曲データ中の演奏データトラック、ガイドメロディトラックなどのトラックのデータを読み出し、このデータで音源13を制御することによってカラオケ曲の演奏音を発生させるとともに、曲データ中の歌詞トラックのデータを読み出し、このデータに基づいて歌詞テロップの画像パターンを作成して合成回路21に出力する。また、このカラオケ曲の演奏と並行して、背景映像再生プログラム33が、所定の背景映像データを読み出してMPEGデコーダ20に入力することにより、モニタ22に背景映像を表示する。
【0026】
図3は、同カラオケ装置においてカラオケ曲がリクエストされたときの動作を示すフローチャート、図4は、同カラオケ装置の音域表示の例を示す図である。図3において、まず、顧客(歌唱者)が入力した曲番号を受信する(s1)。この曲番号の入力がIDリモコンから行われた場合には、このとき同時に顧客IDが送信されるためこれも受信する。ハードディスク11からこの曲番号の曲データを読み出すとともに(s2)、歌唱音域データベースを検索してこのカラオケ曲の歌唱音域をチェックする(s3)。もし歌唱音域データベースがない場合には、曲データのガイドメロディトラックをスキャンして最高音と最低音を検出すればよい。そして、図4(A)の左欄に示すような音域の棒グラフをモニタ22に表示する(s4)。
【0027】
次に顧客IDを受信しているかをチェックする(s5)。顧客IDを受信しているときは、この顧客IDで顧客の歌唱曲データベースを検索してレパートリー曲の曲番号を読み出し、この曲番号で歌唱音域データベースを検索してこの曲の歌唱音域をチェックする(s9)。そして、図4(A)右欄に示すようなレパートリー曲の音域をモニタ22に表示する(s10)。レパートリー曲は、図2(C)に示すように楽に歌える音域の曲(レパートリー曲1)とぎりぎり歌える音域の曲(レパートリー曲2)が登録されているため、この両方の音域を表示している。ただし、いずれか一方のみでもよい。また、この歌唱者がその前にも歌唱している場合には、直前に歌唱した曲(過去歌唱曲)の音域も一緒に表示すれば歌唱者にとって今回リクエストした曲の歌唱音域が分かりやすい。
【0028】
また、リクエスト時(曲番号の入力時)に顧客IDを受信しなかった場合には、s5の判断でs7に進む。s7では、モニタ22に顧客IDまたはレパートリー曲の曲番号の入力を要求する表示を行う。これに応じて歌唱者が顧客IDを入力した場合にはs8の判断でs6に進む。また、歌唱者がレパートリー曲の曲番号を入力した場合にはs10に進み、この入力された曲番号で歌唱音域データベースを検索してこのレパートリー曲の歌唱音域を読み出す(s10)。そして、図4(A)に示すような歌唱音域の表示を行う(s11)。
なお、歌唱音域データベースが存在しない場合、s10では、レパートリー曲の曲データのガイドメロディトラックを読み出してその最高音と採点音を検出するようにすればよい。
【0029】
こののち、歌唱者によりキーコンボタン、スタートボタン、キャンセルボタンのいずれかがオンされるまで待機する(s20、s21、s22)。キーコンボタンがオンされると(s20)、カラオケ曲の演奏キーを上下にシフトするとともに(s23)、図4(B)に示すようにこの選択曲の音域表示をキーコンに合わせて上下させる(s24)。なお、図4(B)は、図4(A)から1半音だけキーを下げた状態を示している。そしてスタートボタンがオンされると(s21)、表示をカラオケ曲の演奏スタートの表示に切り換え(s25)、カラオケ曲の演奏をスタートさせる。一方、キャンセルボタンがオンされた場合には、図4の音域表示を消去したのち(s26)、このリクエスト対応動作を終了する。
【0030】
上記実施形態では、歌唱音域を縦の棒グラフ状に表示しているが、表示の態様はこれに限定されな。たとえば、ピアノの鍵盤や五線譜を表示してそのなかで歌唱音域を示すようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、カラオケ曲の歌唱音域をカラオケ曲の演奏に先立って表示することができるため、初めて歌唱するカラオケ曲であっても、歌唱前にそのカラオケ曲の歌唱音域を知ることができ、事前にキーコンで音域を合わせたり、歌唱が無理な曲であれば、演奏スタート前にキャンセルしたりすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図
【図2】同カラオケ装置のハードディスクの記憶内容を示す図
【図3】同カラオケ装置のリクエスト時の動作を示すフローチャート
【図4】同カラオケ装置における歌唱音域の表示例を示す図
【符号の説明】
10…CPU、11…ハードディスク、12…RAM、13…音源、14…ミキサ、15…サウンドシステム、16…スピーカ、17…マイク、18…A/Dコンバータ、20…MPEGデコーダ、21…合成回路、22…モニタ、23…操作部、30…シーケンサ、33…背景映像再生プログラム、34…音域表示処理プログラム、35…操作入力処理プログラム、40…曲データ、41…背景映像
Claims (4)
- カラオケ曲を演奏するための曲データを複数記憶した記憶手段と、
曲データを選択する選曲手段と、
選曲手段によって選択された曲データによりカラオケ曲を演奏する演奏手段と、
演奏手段によるカラオケ曲の演奏に先立って、このカラオケ曲の歌唱音域を表示する音域表示手段と、
を備えたカラオケ装置。 - 前記音域表示手段は、前記選曲手段によって選択されたカラオケ曲の歌唱音域と並行して、他のカラオケ曲の歌唱音域を表示する請求項1に記載のカラオケ装置。
- 前記音域表示手段は、前記他のカラオケ曲として、選曲手段で曲データを選択した歌唱者のレパートリー曲の歌唱音域を表示する請求項2に記載のカラオケ装置。
- 前記音域表示手段は、前記曲データに含まれるガイドメロディデータの最高音および最低音の間を歌唱音域として表示する請求項1、請求項2または請求項3に記載のカラオケ装置。
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