JP2008233558A - 電子楽器及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 外部のコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生に同期させての演奏データの提示を行うことができる電子楽器の提供。
【解決手段】 多数の音楽コンテンツを、音楽コンテンツの再生に基づき生成される楽音に対応する演奏データと、再生すべき楽音のテンポ及びその変化を示すテンポマップデータとに関連付けて記憶したコンテンツ再生装置から、演奏データとテンポマップデータとを取得する。コンテンツ再生装置から音楽コンテンツの再生位置を取得し、テンポマップデータに基づいて音楽コンテンツの再生位置を演奏データに基づく楽音の生成を制御するための音楽的な曲位置に変換する。音楽的な曲位置にあわせるように再生位置及び/又は再生テンポを変更しながら演奏データを再生し、これに従い所定の態様で演奏データの提示を行う。これにより、外部のコンテンツ再生に同期した演奏ガイドなどの演奏データの提示をうけることができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、コンテンツの記憶/再生機能を有する外部のコンテンツ再生装置を利用する電子楽器及びプログラムに関する。特に、外部のコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生に同期させての演奏ガイドなどの演奏データの提示を容易に行うことができるようにした電子楽器及びプログラムに関する。
従来から、MD(Mini Disc)やハードディスクレコーダあるいは各種ディジタルVTR等の記録再生装置において、MIDIシーケンサーを介して電子楽器等の外部機器と接続した場合に、所定のテンポマップデータに従って該接続した外部機器(電子楽器)を同期制御するものが知られている。例えば、下記に示す特許文献1に記載されている技術がその一例である。特許文献1に示した従来知られた技術においては、記録再生装置に記録されたディジタルオーディオデータに対応付けられたテンポマップデータに従って、外部機器を同期するための同期信号を出力することにより、記録再生装置によるディジタルオーディオデータの記録再生と、電子楽器による演奏データ(ここではMIDIデータ)の再生とを同期制御することが記載されている。
特開平9−288484号公報
ところで、最近では、小型筐体内に納められたハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置に多数の音楽コンテンツ(例えば、MP3形式のディジタルオーディオデータ、あるいは動画データなど)を記憶することができるとともに、該記憶した多数の音楽コンテンツの中からユーザが適宜に選択した音楽コンテンツを再生して楽音を発生することができる、所謂携帯メディアプレイヤーや携帯オーディオプレイヤーなどと呼ばれる、少なくとも音楽コンテンツ記憶機能及び音楽コンテンツ再生機能を備えた携帯型のコンテンツ再生装置が広く使用されるようになってきている。また、電子楽器において、曲の進行にあわせて該当範囲の楽譜の表示制御や鍵盤近傍に設けられた鍵盤LED等の発光素子の点灯制御などによる、ユーザが操作すべき演奏操作子を順次に指示する演奏ガイドを行うことができるようにしたものが従来から知られている。そこで、電子楽器においても、こうした外部のコンテンツ再生装置を有効に活用するべく、コンテンツ再生装置に記憶されている膨大な数の音楽コンテンツを利用して演奏ガイドを行うことができるようにすると有用である。なお、この明細書において、楽音という場合、音楽的な音に限るものではなく、音声あるいはその他任意の音を含んでいてもよい意味あいで用いるものとする。
しかし、外部のコンテンツ再生装置における音楽コンテンツの再生に同期させて、電子楽器側で楽譜の表示更新制御や鍵盤LED等の発光素子の点灯制御などの演奏ガイドを行うことができるようにするためには、外部のコンテンツ再生装置に記憶されている音楽コンテンツと、電子楽器に記憶されている演奏データ及びテンポマップデータとをユーザ自らが関連付けるなどの設定を予め行っておく必要があり、そうした設定操作は煩わしいだけでなく、特に子供や初心者などにとってはそうした設定をすること自体が難しい。また、それぞれのデータを曲毎に管理しなければならず煩わしい。そうしたことから、外部のコンテンツ再生装置を利用しての、演奏ガイドを受けながらの演奏練習を行うことができる電子楽器は未だに考えられていない。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、ユーザが外部のコンテンツ再生装置を利用して、該コンテンツ再生装置における音楽コンテンツの再生に同期した演奏ガイドなどの演奏データの提示を受けての演奏練習を行うことが容易にできるようにした、電子楽器及びプログラムを提供しようとするものである。
本発明に係る電子楽器は、多数の音楽コンテンツを、前記音楽コンテンツの再生に基づき生成される楽音に対応する演奏データと、再生すべき楽音のテンポ及びその変化を示すテンポマップデータとにそれぞれ関連付けて記憶する機能を有するとともに、該記憶した音楽コンテンツを再生する機能を少なくとも有するコンテンツ再生装置を接続する接続手段と、前記接続されたコンテンツ再生装置に記憶済みの多数の音楽コンテンツのうち、いずれかを指定する指定手段と、前記接続されたコンテンツ再生装置から、前記指定した音楽コンテンツに関連付けられた演奏データとテンポマップデータとを取得するデータ取得手段と、前記指定した音楽コンテンツを選択して再生するよう、前記接続されたコンテンツ再生装置に対して再生指示するコンテンツ再生指示手段と、前記再生指示に応じて前記取得済みの演奏データを再生する再生手段と、前記接続されたコンテンツ再生装置における前記再生指示に従う音楽コンテンツの再生に応じて、現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を取得する取得手段と、前記取得済みのテンポマップデータに基づき、前記取得した前記コンテンツ再生装置における現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を、演奏データに基づく楽音の生成を制御するための音楽的な曲位置に変換する変換手段と、前記変換された音楽的な曲位置に基づき、前記再生中の演奏データの再生位置及び/又は再生テンポを変更する変更手段と、前記演奏データの再生に従って所定の態様で演奏データの提示を行う演奏データ提示手段とを具えてなり、前記接続されたコンテンツ再生装置から発せられる楽音に同期した演奏データの提示を行うことを特徴とする。
本発明によると、多数の音楽コンテンツを、前記音楽コンテンツの再生に基づき生成される楽音に対応する演奏データと、再生すべき楽音のテンポ及びその変化を示すテンポマップデータとにそれぞれ関連付けて記憶したコンテンツ再生装置から、指定した音楽コンテンツに関連付けられた演奏データとテンポマップデータとを取得する。コンテンツ再生装置による前記指定した音楽コンテンツの再生に応じて現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を取得し、前記取得済みのテンポマップデータに基づいて、前記取得した音楽コンテンツの再生位置を、前記取得済みの演奏データに基づく楽音の生成を制御するための音楽的な曲位置に変換する。そして、この変換された音楽的な曲位置にあわせるようにして再生位置及び/又は再生テンポを変更しながら前記取得済みの演奏データを再生し、これに従って所定の態様で演奏データの提示を行う。こうすると、ユーザは、外部のコンテンツ再生装置に記憶されている音楽コンテンツと、電子楽器側でのコンテンツ再生装置から発せられる音楽コンテンツの再生に基づく楽音に同期させての演奏ガイドなどの演奏データの提示を行うために必要な演奏データ及びテンポマップデータとを、ユーザ自らが関連付けるなどの設定を行う必要がないので便利である。また、コンテンツ再生装置はどの電子楽器に対しても簡単に接続することができることから、コンテンツ再生装置で模範演奏となる楽音を聴く一方で、電子楽器側で模範演奏の楽音に同期した演奏ガイドなどの演奏データの提示を受けながらの効果的な演奏練習を、ユーザはいつでもどこででも簡単且つすぐに行うことができる。
本発明は、装置の発明として構成し実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
この発明によれば、外部のコンテンツ再生装置に音楽コンテンツと該音楽コンテンツに関連付けた演奏データ及びテンポマップデータとを記憶しておき、電子楽器はコンテンツ再生装置から演奏データとテンポマップデータとを取得し、テンポマップデータに基づき電子楽器側において再生中の演奏データの再生位置及び/又は再生テンポを、外部のコンテンツ再生装置で再生中の音楽コンテンツにあわせて変更しながら演奏データをユーザに提示することができるという効果を得る。特に演奏データの提示として演奏ガイドを行うようにすると、ユーザはコンテンツ再生装置から楽音を聴くなどする一方で、電子楽器側でコンテンツ再生装置から発せられる楽音に同期した演奏ガイドを受けての効果的な演奏練習を行うことが容易にできるようになり、より効果的である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る電子楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子楽器は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、演奏操作検出回路4、設定操作検出回路5、表示回路6、音源回路7、効果回路8、外部記憶装置9、通信ネットワークインタフェース(I/F)10、MIDIインタフェース(I/F)11、および携帯コンテンツ再生装置(図示せず)を接続するコネクタCN内に含まれるUSB(Universal Serial Bus)インタフェースUI(詳しくはUSB Host),シリアル通信ネットワークインタフェース(I/F)SI,アナログオーディオインタフェース(I/F)AIなど、がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与えたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納するものである。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。詳しくは後述するが、この実施例では、コネクタCNを介して電子楽器本体に接続された外部の携帯コンテンツ再生装置から取得した、演奏練習可能な曲(音楽コンテンツ)をユーザに対して一覧提示するためのプレイリストデータ(後述する図2参照)や、ユーザが演奏練習したい任意の曲に関する演奏データ(詳しくはMIDIデータ)及びそれに対応付けられたテンポマップデータ(後述する図3参照)などを、一時的に記憶することができるようになっている。
演奏操作子4Aは楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた例えば鍵盤等のようなものであり、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏操作子4A(鍵盤等)はユーザ自身の手弾きによるマニュアル演奏や自動伴奏用のコード入力などのために使用することができるのは勿論のこと、コネクタCNを介して電子楽器本体に接続された外部の携帯コンテンツ再生装置を制御するための制御手段などとして使用することもできる。演奏操作検出回路4は、演奏操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによって検出出力を生じる。設定操作子(スイッチ等)5Aは、例えばユーザが演奏練習したい曲の選択を行うためのスイッチ、ユーザが演奏練習を始めたい曲の位置やパートなどを指定するためのスイッチ、コネクタCNを介して接続された携帯コンテンツ再生装置に対してコンテンツの再生開始を指示するスイッチ、ユーザのマニュアル演奏にあわせて自動的に演奏される自動伴奏の開始/停止を指示するスイッチなどがある。勿論、設定操作子5Aは他にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示される所定のポインティングデバイスを操作するために用いるマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。検出回路5は、上記各スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。
表示回路6は例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに、例えばプレイリストデータに基づく演奏練習可能な曲を提示する曲一覧画面(図示せず)や、演奏データの再生に応じた曲位置に対応する例えば楽譜等の表示を利用した演奏ガイド、現在設定されているマニュアル演奏環境、あるいはCPU1の制御状態などを表示したりする。ユーザは該ディスプレイ6Aに表示されるこれらの各種情報を参照することで、例えば演奏練習する曲の選択やマニュアル演奏に関する演奏環境の設定、あるいはマニュアル演奏の練習などを容易に行うことができるようになる。
音源回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた、ユーザによる演奏操作子4Aのマニュアル操作に応じて発生される、あるいは予め記憶されている演奏データに従って発生される各種演奏情報を入力し、これらの演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号は、効果回路8などを介して効果付与されてアンプやスピーカなどを含むサウンドシステム8Aから発音される。この音源回路7と効果回路8とサウンドシステム8Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源回路7はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよいし、また専用のハードウェアで構成してもよい。
外部記憶装置9は、各種データやCPU1が実行する各種制御プログラム等を記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置9はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
通信ネットワークインタフェース(I/F)10は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークXに接続されており、該通信ネットワークXを介してサーバ機器(サーバコンピュータ)10Aと接続され、当該サーバ機器10Aから制御プログラムあるいは各種データなどを電子楽器側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置9(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合には、サーバ機器10Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。こうした通信ネットワークインタフェース10は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。MIDIインタフェース(I/F)11は、外部接続された他のMIDI機器11A等からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力したり、あるいは当該電子楽器からMIDI形式の演奏データを他のMIDI機器11A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器11Aは、ユーザによるマニュアル演奏操作に応じてMIDI形式のデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、ギター型、管楽器型、打楽器型、身振り型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。
携帯コンテンツ再生装置コネクタCNは、図示しない携帯コンテンツ再生装置などの公知のコンテンツ再生装置を外部接続して、本電子楽器と携帯コンテンツ再生装置との間で相互に情報を送受信するためのインタフェース機器である。このコネクタCNは、電子楽器と携帯コンテンツ再生装置との間で情報を送受信するための通信経路(又は信号線)として、送受信する情報の種類毎に異なるインタフェースを有している。ここでは、ディジタルオーディオデータやディジタルオーディオ信号を送受信することができるUSBインタフェースUI(詳しくはUSB Host)、携帯コンテンツ再生装置の動作を制御する制御命令(コマンド)を送信することができるシリアル通信ネットワークインタフェース(I/F)SI、アナログオーディオ信号を送受信することができるアナログオーディオインタフェース(I/F)AIの3つの通信経路を有している例を示した。USBインタフェースUIは、制御命令(コマンド)通信を兼ねるものであってよい。これらの各インタフェースは公知であることから、ここでは説明を省略する。上記複数のインタフェースを含むコネクタCNを介して電子楽器と携帯コンテンツ再生装置とが接続されると、電子楽器から携帯コンテンツ再生装置の動作を制御したり、携帯コンテンツ再生装置に記憶されている演奏データやテンポマップデータを電子楽器側に取り込んだり、携帯コンテンツ再生装置から発生されたディジタルオーディオデータを電子楽器側で取得したりすることができる(詳しくは後述する)。なお、電子楽器が具備するUSBインタフェースUIは所謂USBホストコントローラと呼ばれるインタフェース機器であり、従って電子楽器はUSBホスト機器となる。一方、携帯コンテンツ再生装置が具備するUSBインタフェースは所謂USBターゲットコントローラと呼ばれるインタフェース機器であり、従って携帯コンテンツ再生装置はUSBターゲット機器となる。
ここで、上記コネクタCNを介して電子楽器と接続される携帯コンテンツ再生装置について簡単に説明する。従来知られているように、携帯コンテンツ再生装置は、ディジタルオーディオデータや動画データなどからなる多数の音楽コンテンツを、楽曲名や音楽ジャンル等の当該音楽コンテンツに関連付けられた楽曲付随情報(図示せず)などと共に内蔵データストレージ(例えば、ハードディスクや半導体メモリなど)に記憶する音楽コンテンツ記憶機能、またユーザ操作に応じて内蔵データストレージ内に記憶した音楽コンテンツを再生(デコードを含んでよい)する音楽コンテンツ再生機能、さらには外部機器との間で音楽コンテンツを含む各種情報の送受信を行うデータ送受信機能を少なくとも有する機器である。すなわち、携帯コンテンツ再生装置は外付けのハードディスク装置やUSBメモリなどのような単に音楽コンテンツを記憶することができる機器(外部記憶装置9)とは異なって、多数の音楽コンテンツを記憶することができるだけでなく、該記憶した多数の音楽コンテンツの中から任意の音楽コンテンツを、ユーザ指定に応じてあるいはランダムに再生することで楽音を発生することができる機器である。さらには、外部機器を接続するインタフェースを具えており、該インタフェースに接続された外部機器との間で、音楽コンテンツなどの情報を送受信することができる機器である。なお、携帯コンテンツ再生装置は上記した以外にも他の機能、例えば内蔵データストレージ内に記憶済みの音楽コンテンツの一覧や再生中の音楽コンテンツの曲名やアルバム名などを、前記楽曲付随情報に基づいて、内蔵する液晶パネルなどの表示装置に表示する表示機能などを有していてもよい。
なお、電子楽器は演奏操作子4Aやディスプレイ6Aあるいは音源回路7などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る電子楽器は上記したような形態に限らず、パーソナルコンピュータやカラオケ装置やゲーム装置など、演奏操作子としても機能するスイッチやボタンあるいはパッドなどのユーザによるマニュアル操作に応じて楽音を発生するものであれば、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。
なお、電子楽器に接続されうるコンテンツ再生装置は携帯型でなくてもよいことは勿論である。
図1に示した電子楽器においては、ディスプレイ6Aを駆動して楽譜表示を利用した演奏ガイドや、図示しない鍵盤LEDを駆動して自動的に点灯/消灯を繰り返す演奏ガイドなどを、コネクタCNを介して接続された携帯コンテンツ再生装置における音楽コンテンツの再生にあわせて連動(同期)して実行することができるようになっている。そこで、携帯コンテンツ再生装置での音楽コンテンツの再生に同期して電子楽器側で演奏ガイドを行う演奏ガイド連動機能の概要について、図2を用いて説明する。図2は、演奏ガイド連動機能の一実施例を模式的に示すブロック図である。図中における矢印は、データや信号の流れを示すものである。なお、演奏ガイド連動機能を実現する構成としては図2に示す以外のハードウェア等を有する場合もあるが、ここでは必要最小限の資源を用いた場合について説明する。
携帯コンテンツ再生装置CSは、多数の音楽コンテンツを記憶する音楽コンテンツ記憶機能、記憶済みの音楽コンテンツを再生する音楽コンテンツ再生機能、さらには外部機器との間で各種情報の送受信を行うデータ送受信機能を有する。記憶部DCは前記音楽コンテンツ記憶機能を実現するものであり、ここでは多数の音楽コンテンツを記憶すると共に、該記憶済みの多数の音楽コンテンツを曲名やアーティスト名等の曲を特定できる情報で一覧表示するためのプレイリスト(Playlist)PLCを記憶する。記憶部DCにおける音楽コンテンツの具体的な記憶方法の一例としては、各音楽コンテンツを曲ジャンル等で分類できるように、曲ジャンル等の分類毎に対応付けられたフォルダSF(Song1,Song2,Song3・・・)に分けて、曲データセットファイルSD(Song1.html)として記憶する。1つの曲データセットファイルSD(Song1.html)は、複数のデータ(ファイル)と関連付けがなされている。各データの関連付けの方法としてはいくつかの方法がある。例えば、関連付ける各データへのリンクパスで構成される関連付けファイルを別に用意する、各データに付与するデータファイル名を共通にする一方で拡張子を各データ毎に異ならせる、コンテンツ名を冠した1つのフォルダに関連付ける各データをまとめておく、等の方法がある。勿論、上記方法に限らず、関連付ける複数のデータをユーザが容易に管理/特定することができる方法であれば、どのような方法であってもよい。
前記互いに関連付けられる複数のデータは、ディジタルオーディオデータ(Song1.mp3)、MIDI等の演奏データ(Song1.mid)、テンポマップデータ(Song1.map)である。ディジタルオーディオデータ(Song1.mp3)はお手本となる楽音を発生するためのデータであって、演奏家や先生(音楽教師)などによる実際の生演奏に応じて自然楽器や電子楽器等から発生される楽音をサンプリング化しながら録音し、該録音済みのサンプリング化した楽音に対してデータ圧縮化などを施すことによって生成されるデータである(つまり、MIDIなどの演奏データでない)。ディジタルオーディオデータは、典型的には曲の全パートを分けることなくミックスした状態のままで記憶されていてよいが、右手パート、左手パート、それらのマイナスワンあるいはユーザが弾かない伴奏パートなどの、パート毎に分かれたマルチチャンネルデータとして記憶されていてもよいし、あるいは前記パート毎にそれぞれが別々のデータとして記憶されていてもよい。こうしたディジタルオーディオデータにおいては、曲の再生位置の情報を、サンプリング周波数とサンプルカウントの組み合わせや、曲頭からの経過時間などで特定できるよう規定する。
演奏データ(Song1.mid)は、関連付けられたディジタルオーディオデータに基づく曲等の楽音(ディジタルオーディオ信号)を電子楽器を制御して発生させることができる、例えばMIDIデータである。また、演奏データは演奏ガイドを行うために電子楽器を制御する際に必要とされる制御データでもある。テンポマップデータ(Song1.map)は、携帯コンテンツ再生装置における上記したディジタルオーディオデータの再生と、電子楽器における上記した演奏データの再生とを同期させるためのデータである。具体的には、ディジタルオーディオデータに規定されるサンプルカウントや時間といった音楽コンテンツにおける再生位置を特定する情報を、演奏データに規定される曲のテンポ、あるいは拍や小節といった音楽的な曲位置を特定する情報に変換するためのデータである。こうしたテンポマップデータは公知のどのようなものであってもよく、その一例を図3に示す。図3は、テンポマップデータのデータ構成の一実施例を示す概念図である。
テンポマップデータは、演奏家や先生(音楽教師)などによる実際の生演奏に応じて自然楽器や電子楽器等から発生される楽音を聴きながら、演奏者自身や演奏者以外の人が一拍ごとに公知の専用装置(図示せず)のスイッチをタッピングし、そのタッピング操作の時間間隔に従いテンポの変化を記録することにより生成される。ただし、一般的に、ユーザが無理なく正確にスイッチをタッピングできる一拍間隔でのテンポ変化の記録では、曲中でのテンポ変化を捉えるには時間間隔が粗すぎるため、より細かい時間間隔で補完しながらテンポ変化を時系列に記録する。例えば、図3(a)に示すテンポマップデータのように、曲の先頭から1/24拍毎に、その時間間隔内に含まれるサンプル数を時系列に記録する。実施の演奏に応じて発生された楽音を録音する際のサンプリング周波数が48KHzであって、曲の演奏テンポが120beat/minである場合には、1/24拍に含まれるサンプル数は「1000」サンプルに相当する。ただし、図3(a)に示す例においては、1拍毎の微妙なタイミングのずれを補完するための補完値(ここでは2サンプル)が考慮されている。
一方、図3(b)に示すテンポマップデータは、曲毎のテンポと拍子と持続小節数を示す時系列データからなる。図3(b)に示すテンポマップデータに従うと、曲の先頭から最初の200小節まではテンポ=120,拍子=4/4、次の160小節ではテンポ=140,拍子=4/4、更に次の200小節ではテンポ=140,拍子=3/4、そして最後の200小節ではテンポ=120,拍子=4/4で曲(詳しくはディジタルオーディオデータ)が再生されることを示している。電子楽器では、このようなテンポマップデータを演奏データと共に携帯コンテンツ再生装置から取り込んでおき、これをベースにして電子楽器における演奏データに基づく演奏ガイドを、前記携帯コンテンツ再生装置におけるディジタルオーディオデータの再生に同期させるように制御している(詳しくは後述する)。なお、この実施例に示すテンポマップデータにおいては、曲の先頭の持続小節数には「−」符号が付加されている。この「−」符号は、携帯コンテンツ再生装置におけるディジタルオーディオデータの再生開始から、電子楽器における演奏データの再生開始(演奏ガイドの開始)までの空白期間を挿入することを意味し、「−」符号に続く数値が、その空白期間の長さ(小節数)を示している。
図2の説明に戻って、データ転送部FFはデータ送受信機能を実現するものであり、ここでは携帯コンテンツ再生装置CSからコネクタCNに接続された電子楽器EMに対して、記憶部DCに記憶しているデータのうちプレイリストデータ、テンポマップデータ及び演奏データを必要に応じて送信するものである。すなわち、データ転送部FFは、コネクタCNに電子楽器EMが装着されることに応じて、プレイリストデータを電子楽器EMに対して送信する。また、コネクタCNに接続された電子楽器EMで曲が選択されることに応じて、該選択された曲に関連付けられたテンポマップデータ及び演奏データを送信する。再生部PCは音楽コンテンツ再生機能を実現するものであり、コネクタCNに接続された電子楽器EMからの曲の再生指示(あるいは自機での指示)に応じて、記憶部DCに記憶された該当する曲のディジタルオーディオデータを再生する。再生部PCでディジタルオーディオデータが再生されることにより発生する楽音は、携帯コンテンツ再生装置CSのヘッドホンH(オーディオ出力部)へと送られる。したがって、ユーザは携帯コンテンツ再生装置CSのオーディオ出力から楽音をモニタすることができる。
他方、電子楽器EMは上述した図1に示すような構成であって、ユーザによるマニュアル演奏を実現できるだけでなく、コネクタCNを介して接続された前記携帯コンテンツ再生装置CSにおいて再生中の曲の進行にあわせてディスプレイ6Aに楽譜を表示する、あるいは図示しない鍵盤LEDを点灯/消灯したりするなどして、ユーザに対する演奏ガイドを行うことができるようになっている。データ転送部FRは、携帯コンテンツ再生装置CSにおける上記したデータ転送部FFから送信されるプレイリストデータ、テンポマップデータ及び演奏データを受信し、該受信した各データを記憶部DEに送るものである。記憶部DEは、携帯コンテンツ再生装置CSから送られたプレイリストデータ、テンポマップデータ及び演奏データを記憶する(図中において斜線で示す)。プレイリストデータは、電子楽器EMに携帯コンテンツ再生装置CSが接続されることに応じて自動的に取得されて記憶される。ユーザインタフェース部YIは、前記記憶部DEに記憶されたプレイリストデータに基づき前記携帯コンテンツ再生装置に記憶されている多数の音楽コンテンツをディスプレイ6Aに一覧表示するよう、表示回路6等を制御する。ユーザは、ディスプレイ6Aに表示された曲(音楽コンテンツ)の一覧をもとに、演奏練習したい曲選択を行うことができる。テンポマップデータ及び演奏データは、ユーザによる曲選択に応じて、携帯コンテンツ再生装置CSにおけるユーザ所望の曲のディジタルオーディオデータの再生前に、関連するものだけが取得されて記憶される。
記憶部DEは上記データの他に、サンプルカウント値を記憶する。このサンプルカウント値は、計測部Kによって出力される。計測部Kは、前記携帯コンテンツ再生部CSの再生部PCでのディジタルオーディオデータの再生に伴い発生される楽音(ディジタルオーディオ信号)のサンプル数をカウントする。この計測部Kにおけるディジタルオーディオ信号からのサンプル数のカウント方法は公知のどのような方法であってもよいことから、ここではその説明を省略する。再生部PEは、記憶部DEに記憶された演奏データを再生する。この再生部PEは演奏データの再生時に、変換部CVから曲位置及びテンポ更新情報を受信すると、曲位置及び曲の再生テンポを変更して演奏データを再生する。変換部CVは、携帯コンテンツ再生装置CSにおけるディジタルオーディオデータの再生に応じて随時に更新されながら記憶部DEに記憶されるサンプルカウント値に基づき、ディジタルオーディオデータにおける曲位置及びテンポ情報を演奏データにおける曲位置及びテンポ情報に変換する。再生部PEでの演奏データの再生により発生された信号(オーディオ信号)は、演奏ガイド制御部G(演奏データ提示部)に送られる。
演奏ガイド制御部G(演奏データ提示部)は、前記再生部PEでの演奏データの再生により発生された信号(オーディオ信号)に基づき演奏ガイドなどの演奏データの提示を行うようユーザインタフェース部YIを制御する。演奏ガイドを行う場合、ユーザインタフェース部YIはディスプレイ6Aの表示や図示しない鍵盤LEDの点灯/消灯等を制御する。すなわち、再生部PEによる演奏データの再生時においては、演奏ガイド制御部Gからの制御指示に応じて、曲の進行にあわせてディスプレイ6Aの表示を更新したり、図示しない鍵盤LED等を点灯制御したりする。このように、ユーザインタフェース部YIは演奏ガイド制御部Gからの制御指示に基づき、表示回路6や鍵盤LED等の演奏ガイドを行う機器を駆動して、携帯コンテンツ再生装置CSでの音楽コンテンツ(ディジタルオーディオデータ)の再生に基づき発生される楽音の進行と同期して、電子楽器EM側での演奏ガイドを行う。
次に、携帯コンテンツ再生装置CS側での音楽コンテンツの再生に同期して電子楽器EM側で演奏ガイドを行う具体的な処理(演奏ガイド制御処理)について、図4を用いて説明する。図4は、「演奏ガイド制御処理」の一実施例を示すフローチャートである。当該処理は、少なくとも電子楽器EM及び携帯コンテンツ再生装置CSの本体電源がON状態で、当該電子楽器EMのコネクタCNに携帯コンテンツ再生装置CSが装着されており、更にユーザが設定操作子5Aで所定の操作をすることに応じて、電子楽器EM側で起動される処理である。以下、図4に示したフローチャートに従って、「演奏ガイド制御処理」について説明する。
ステップS1は、本電子楽器のコネクタCNに装着された携帯コンテンツ再生装置から、該携帯コンテンツ再生装置が記憶している多数の音楽コンテンツの一覧(詳しくは、曲名などを記載したプレイリストデータ)を取得する。ステップS2は、前記取得したプレイリストデータに基づきディスプレイ6Aに曲(音楽コンテンツ)一覧を表示して、ユーザに対して演奏練習したい曲の選択を促す。ステップS3は、ユーザによる演奏練習したい曲の選択操作に応じて、コネクタCNを介して接続されている携帯コンテンツ再生装置に対し、該選択された曲に関連付けられた演奏データとテンポマップデータとを送信するよう要求し、携帯コンテンツ再生装置から返信される該当の情報を取得する。ステップS4は、ユーザ操作に応じて、演奏練習を開始する曲の位置(演奏開始位置)、演奏練習したい曲の演奏パートを取得する。ステップS5は、演奏ガイド時のテンポと、演奏ガイドを開始する演奏位置を初期化する。ステップS6は、ユーザ操作を待って、携帯コンテンツ再生装置に対し、演奏練習したい曲に選ばれた曲の再生(詳しくはディジタルオーディオデータの再生)を開始するよう要求する。具体的には、再生開始コマンドを送信する。ステップS7は、ディジタルオーディオデータの再生に応じて発生されたオーディオサンプルデータの受信を待って、前記ステップS3において携帯コンテンツ再生装置から受信済みの演奏データの再生を開始する。
ステップS8は、ディジタルオーディオサンプルデータを受信し、受信したディジタルオーディオサンプルデータを計測してサンプルカウント値を更新する。ステップS9は、前記ステップS3において携帯コンテンツ再生装置から受信済みのテンポマップデータを用いて、前記計測したサンプルカウント値に従い現在携帯コンテンツ再生装置において再生中の曲の音楽的な曲位置(例えば小節、拍等)を求める。前記サンプルカウント値は、携帯コンテンツ再生装置において現在再生中の音楽コンテンツの再生位置であり、音楽コンテンツに基づく楽音の生成を制御するための、音楽コンテンツにおける制御単位である。一方、音楽的な曲位置は、演奏データに基づく楽音の生成を制御するための、演奏データにおける制御単位である。すなわち、ここでは音楽コンテンツの制御単位である現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を、演奏データの制御単位である音楽的な曲位置に変換する。
ステップS10は、前記求めた音楽的な曲位置に応じて、電子楽器において演奏データに基づき再生中の曲のカレントポジション(再生位置)、テンポを更新する。例えば、所定時間経過後に携帯コンテンツ再生装置において再生中の楽音と曲位置が一致するように、電子楽器側で再生中の演奏データの再生位置や再生テンポを更新する。ステップS11は、前記更新したカレントポジション及びテンポに応じて、再生中の演奏データのカレントポジション(再生位置)、テンポを変更するとともに、演奏データの再生に基づいて演奏ガイドを行う。すなわち、携帯コンテンツ再生装置における現在の曲の再生位置及び曲の再生テンポと、電子楽器側における曲の演奏ガイド位置と演奏ガイドのためのテンポとを一致させて、携帯コンテンツ再生装置から発せられる楽音に同期した演奏ガイドを行うようにする。ステップS12は、ユーザによるマニュアル演奏操作に応じて楽音を発生する。ステップS13は、曲の終端つまり演奏データの終わりまで再生位置が達したか否かを判定する。曲の終端まで再生が行われたと判定した場合、つまり再生が終了した場合には(ステップS13のYES)、当該処理を終了する。一方、曲の終端まで再生が行われていないと判定した場合には(ステップS13のNO)、ステップS8の処理に戻って、上記ステップS8〜ステップS13の処理を繰り返し実行する。
以上のようにして、多数の音楽コンテンツを、音楽コンテンツの再生に基づき生成される楽音に対応する演奏データと、再生すべき楽音のテンポ及びその変化を示すテンポマップデータとにそれぞれ関連付けて記憶したコンテンツ再生装置から、音楽コンテンツの指定に応じて、該指定された音楽コンテンツに関連付けられた演奏データ及びテンポマップデータを取得する。コンテンツ再生装置から現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を取得し、前記取得したテンポマップデータに基づいて前記取得した音楽コンテンツの再生位置を、前記取得した演奏データに基づく楽音の生成を制御するための音楽的な曲位置に変換する。そして、この変換後の音楽的な曲位置にあわせるようにして、再生位置及び/又は再生テンポを変更しながら演奏データの再生を行い、これに従い所定の態様で演奏データの提示を行う。こうすると、ユーザは、外部のコンテンツ再生装置に記憶されている音楽コンテンツと、電子楽器側でのコンテンツ再生装置から発せられる音楽コンテンツの再生に基づく楽音に同期させての演奏ガイドを行うために必要な演奏データ及びテンポマップデータとを、ユーザ自らが関連付けるなどの設定を行わなくてもよく、またコンテンツ再生装置を電子楽器に接続するだけで、コンテンツ再生装置で模範演奏となる楽音を聴きながら(あるいは見ながら)、電子楽器側で模範演奏の楽音に同期した演奏ガイドなどの演奏データの提示を受けての効果的な演奏練習を行うことができるようになる。
なお、携帯コンテンツ再生装置によるオーディオファイルの再生、電子楽器による演奏データの再生、ユーザの演奏操作子(鍵盤)操作による電子楽器の楽音生成は、右手/左手/両手などの練習パートを指定することでパート切り替えをするようにすると、演奏練習がより効果的に行えることができ便利である。
なお、携帯コンテンツ再生装置が再生するのは、ディジタルオーディオデータに限らない。例えば、お手本となる演奏操作を録画した動画データ(楽音+映像)であってもよい。この場合、電子楽器は、ディジタルオーディオ信号のサンプル数をカウントするのではなく、動画データに含まれる動画情報であるフレーム数をカウントし、該カウントしたフレーム数に従って携帯コンテンツ再生装置における動画データの再生との同期を行うようにするとよい。
なお、携帯コンテンツ再生装置に記憶される音楽コンテンツ、プレイリストデータ、演奏データ及びテンポマップデータ等の各種データの作成・更新・変更、あるいはそれらの各データの対応付け設定などを、ユーザが電子楽器から任意に行うことができるようになっていることは言うまでもない。
なお、演奏データとテンポマップデータとを別々に記憶することに限らず、これらのデータのうち関連付けされたデータについては1つのファイルとしてまとめて記憶するようにしてもよい。
なお、演奏データの提示はユーザに対してお手本あるいは次に演奏すべき演奏操作子を提示する演奏ガイドの態様以外のどのような提示態様であってもよく、上記した以外にも、例えば自機が有する演奏操作子(鍵盤)4Aを駆動して自動的に押鍵動作を行う、音源回路7を駆動して楽音を発生する、などの提示態様であってもよい。
なお、携帯コンテンツ再生装置と電子楽器との同期を、電子楽器側でのカウントによるサンプルカウント値に基づき行うようにしたがこれに限らない。例えば、携帯コンテンツ再生装置が現在再生中の曲位置を定期的に電子楽器に対して送るようにしてもよい。この場合、携帯コンテンツ再生装置は、サンプルカウント値あるいは所定の時間間隔に従って定期的に曲位置を送るようにするとよい。あるいは、電子楽器が携帯コンテンツ再生装置に対して定期的に現在再生中の曲位置を問い合わせて取得することができるようにしてもよい。
この発明に係る電子楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。 演奏ガイド連動機能の一実施例を模式的に示したブロック図である。 テンポマップデータの一実施例を示す概念図である。 演奏ガイド制御処理の一実施例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…CPU、1A・・・タイマ、2…ROM、3…RAM、4・・・演奏操作検出回路、5…設定操作検出回路、4A…演奏操作子、5A…設定操作子、6…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源回路、8…効果回路、8A…サウンドシステム、9…外部記憶装置、10…通信ネットワークインタフェース、10A…サーバ機器、11…MIDIインタフェース、11A…MIDI機器、CN・・・携帯コンテンツ再生装置コネクタ、UI・・・USBインタフェース(USB Host)、SI…シリアル通信インタフェース、AI・・・アナログオーディオインタフェース、1D…通信バス、X…通信ネットワーク、CS・・・携帯コンテンツ再生装置、EM・・・電子楽器、DC(DE)・・・記憶部、SF・・・ソングフォルダ、SD・・・ソングファイル、PLC・・・プレイリスト、FF(FR)・・・データ転送部、H・・・ヘッドフォン、K・・・計測部、CV・・・変換部、PC(PE)・・・再生部、YI・・・ユーザインタフェース部、G・・・演奏ガイド制御部

Claims (2)

  1. 多数の音楽コンテンツを、前記音楽コンテンツの再生に基づき生成される楽音に対応する演奏データと、再生すべき楽音のテンポ及びその変化を示すテンポマップデータとにそれぞれ関連付けて記憶する機能を有するとともに、該記憶した音楽コンテンツを再生する機能を少なくとも有するコンテンツ再生装置を接続する接続手段と、
    前記接続されたコンテンツ再生装置に記憶済みの多数の音楽コンテンツのうち、いずれかを指定する指定手段と、
    前記接続されたコンテンツ再生装置から、前記指定した音楽コンテンツに関連付けられた演奏データとテンポマップデータとを取得するデータ取得手段と、
    前記指定した音楽コンテンツを選択して再生するよう、前記接続されたコンテンツ再生装置に対して再生指示するコンテンツ再生指示手段と、
    前記再生指示に応じて前記取得済みの演奏データを再生する再生手段と、
    前記接続されたコンテンツ再生装置における前記再生指示に従う音楽コンテンツの再生に応じて、現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を取得する取得手段と、
    前記取得済みのテンポマップデータに基づき、前記取得した前記コンテンツ再生装置における現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を、演奏データに基づく楽音の生成を制御するための音楽的な曲位置に変換する変換手段と、
    前記変換された音楽的な曲位置に基づき、前記再生中の演奏データの再生位置及び/又は再生テンポを変更する変更手段と、
    前記演奏データの再生に従って所定の態様で演奏データを提示する演奏データ提示手段と
    を具えてなり、
    前記接続されたコンテンツ再生装置から発せられる楽音に同期した演奏データの提示を行うことを特徴とする電子楽器。
  2. コンピュータに、
    多数の音楽コンテンツを、前記音楽コンテンツの再生に基づき生成される楽音に対応する演奏データと、再生すべき楽音のテンポ及びその変化を示すテンポマップデータとにそれぞれ関連付けて記憶する機能を有するとともに、該記憶した音楽コンテンツを再生する機能を少なくとも有するコンテンツ再生装置を接続する手順と、
    前記接続されたコンテンツ再生装置に記憶済みの多数の音楽コンテンツのうち、いずれかを指定する手順と、
    前記接続されたコンテンツ再生装置から、前記指定した音楽コンテンツに関連付けられた演奏データとテンポマップデータとを取得する手順と、
    前記指定した音楽コンテンツを選択して再生するよう、前記接続されたコンテンツ再生装置に対して再生指示する手順と、
    前記再生指示に応じて前記取得済みの演奏データを再生する手順と、
    前記接続されたコンテンツ再生装置における前記再生指示に従う音楽コンテンツの再生に応じて、現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を取得する手順と、
    前記取得済みのテンポマップデータに基づき、前記取得した前記コンテンツ再生装置における現在再生中の音楽コンテンツの再生位置を、演奏データに基づく楽音の生成を制御するための音楽的な曲位置に変換する手順と、
    前記変換された音楽的な曲位置に基づき、前記再生中の演奏データの再生位置及び/又は再生テンポを変更する手順と、
    前記演奏データの再生に従って所定の態様で演奏データの提示を行う手順と
    を実行させるためのプログラム。
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