JP2005173136A - 音楽システム及び音楽データ送受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 記録時、音楽機器は、時間経過に伴い現サンプル番号を進行させ、入力した演奏又は波形に対応する音楽データに、現サンプル番号に対応するタイミング情報を付与してネットワーク上に送信する。制御装置は、送信された音楽データを受信し、該音楽データに付与されたタイミング情報に従う順序で記憶手段に記憶させる。再生時、制御装置は、時間経過に伴い現サンプル番号を進行させ、現サンプル番号より後の再生順の音楽データを記憶手段から読み出し、読み出した音楽データに該再生順に応じたサンプル番号に対応するタイミング情報を付与してネットワーク上に送信する。音楽機器は、受信した音楽データをそこに付与されたタイミング情報に従うタイミングで再生処理する。
【選択図】 図5
Description
図1は、この発明に係る音楽システムの基本的な構成例を示すブロック図である。この音楽システムは、所定の通信規格例えばIEEE1394規格(USB等その他の規格でもよい)に従うネットワークを介して接続された複数のノードで構成される。図では、ノードの基本的な例として、少なくとも記憶装置を具える制御装置10と音楽機器20が示されており、更にその他の機器51、52が適宜接続される。制御装置10は、そこで記録された音楽データを音楽機器20に送る機器であり、例えばパーソナルコンピュータPCで実現される。ネットワークの接続形式は、図示したような各ノードを順次連鎖的に接続するチェーン接続方式に限らず、ハブ装置を介して各ノードを接続する方式であってもよく、また、有線に限らず無線式に接続する方式であってもよい。
従って、IEEE1394規格準拠の下位のデータ転送方式については、公知の構成を採用してよいので、その詳細説明は省略するが、次に、簡単に説明しておく。
IEEE1394規格に準拠するネットワークにおいては、125μsを1サイクルとするサイクル動作を行う。すなわち、ネットワークに接続された複数ノードのうちの1つのノードがサイクルマスタとなり、自ノードの「サイクルタイマ」により計時して所定の送信サイクル周期(例えば125μs)毎に、当該ノードのサイクルタイマの示すサイクル時刻を含むサイクル開始パケットを送出する。該サイクル開始パケットをトリガとしてアイソクロナス転送が開始され、アイソクロナス転送が終了したらアシンクロナス転送が開始される。サイクルマスタ以外のノードは該サイクル開始パケットを取り込み、自分の「サイクルタイマ」をそのサイクル開始パケットのサイクル時刻に合わせる。こうして、ネットワークに接続された全てのノードの「サイクルタイマ」が示すサイクル時刻を、サイクルマスタが計時するサイクル時刻に合わせる。サイクル時刻は、該ネットワークにおける共通の時刻情報として使用される。なお、サイクルタイマは所定の高速クロック(例えば25MHz)で動作する。
本出願人が提唱している音楽LAN(音楽データ用のロカール・エリア・ネットワーク方式)では、ネットワークに接続された複数のノードが共通のサンプリング周期で音楽データ処理動作を行なう。各ノードは、時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段として、サンプル番号をインクメントする「サンプルカウンタ」をそれぞれ備える。その場合、すべてのノードの現サンプル番号の進行を同期化するために、複数のノードの何れか1つのノードがワードクロックマスタとなり、ワードクロックマスタのサンプリングクロックに従い現サンプル番号を共通に進行させるよう同期化制御する。ワードクロックマスタのサンプリングクロックの周波数は、取り扱うオーディオ波形データのサンプリング周波数(例えば48kHz、その他)に応じたものである。ワードクロックマスタとなったノードは、所定サンプル数毎(例えば8サンプル毎)の時間間隔で、現在サンプル番号とそのサイクル時刻情報とを含むワードクロックパケットを発生し、ネットワークにブロードキャストする。ワードクロックマスタ以外の他のノードは、ワードクロックスレーブとなって、このワードクロックパケットを受信し、そのパケットに含まれるサンプル番号とサイクル時刻に基づいて当該ノードのサンプリングクロックを発生する。そして、該サンプリングクロックをカウントする。自ノードのサンプルカウンタの値を該受信したワードクロックパケットのサンプル番号に合わせる。こうして、すべてのノードでの現サンプル番号の時間進行(つまり「サンプルカウンタ」の値)がワードクロックマスタによって同期化される。なお、ワードクロックパケットで送信されるサイクル時刻情報は、IEEE1394規格で補償している通信遅延時間(例えば352μs)だけワードクロックマスタのサイクルタイマの示すサイクル時刻をオフセット加算したものである。各ノードでは、自己のサイクルタイマの示すサイクル時刻がワードクロックパケットに含まれるサイクル時刻情報になったとき、自ノードのサンプルカウンタの値を該ワードクロックパケットに含まれるのサンプル番号に合わせる。これにより、通信遅延時間を吸収して、すべてのノードでの現サンプル番号の時間進行(つまり「サンプルカウンタ」の値)が同期化される。
更に、サイクルマスタ及びワードクロックマスタに関連する本実施例での工夫事項を示すと、次の通りである。
制御装置10は、典型的には、パーソナルコンピュータ(PC)で構成され、CPU11、受信した音楽データやその他データ及びプログラム等を記憶するハードディスク15、プログラムやデータなどを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ12、プログラム・ワーキング及びデータ一時記憶用のRAM13、タイマ14、キーボードやマウス等の操作装置16、表示器17、TCP/IPインターフェース18などがCPUバス19を介して接続されており、更に、本実施例に従って音楽データの送受を制御する音楽LANインターフェース31がCPUバス19に接続されている。ハードディスク15に記憶されたプログラムはRAM13に転送され、RAM13上で展開される。PCでは、Windows(登録商標)のような所定のOSを動かすことができ、このOSにはIEEE1394用及びLANインタフェース用のドライバが入っている。このOS上で音楽ソフトウェア(シーケンサソフトウェア)を実行することにより、PCは制御装置10としての機能を実行する。
前述のとおり、それぞれの音楽LANインターフェース31、32は、サイクルタイマCTa、CTbとサンプルカウンタSCa,SCbを具備しており、それぞれがサイクルマスタとワードクロックマスタによって同期化されている。サンプルカウンタSCa,SCbは、ワードクロックマスタの指示に従う所定のサンプリング周波数に従い、時間経過に伴って現サンプル番号を進行させるものである。例えば、ワードクロックパケットで所定数(例えば8個)毎のサンプルについてのサンプル番号及び時刻の情報が伝送される場合、該送ワードクロックパケットに含まれるサンプル時刻(このサンプル時刻はサイクル時刻で表わされている)とサイクルタイマCTa、CTbが指示する現サイクル時刻とが一致するとき、該サンプル時刻に対応する該ワードクロックパケットに含まれるサンプル番号をサンプルカウンタSCa,SCbにセットすることで、各ノードのサンプル番号を同期化する。かつ、音楽LANインターフェース31、32内に含まれるフェーズロックループ等で該一致タイミングに同期してサンプリングクロックを発振させ、このサンプリングクロックでサンプルカウンタSCa,SCbをインクメントすることで、ワードクロックマスタにおけるサンプリング周波数に従う時間経過に伴って現サンプル番号を進行させることができ、このことを全ノードで同期して行なうことができる。
これは、例えば、音楽機器20の波形入出力インターフェース29(図2)を介して波形データを入力し、該音楽機器20の音楽LANインターフェース32の送信処理部Tx1で該波形データのデータパケットを作成してネットワークに送信し、これをネットワークに接続された制御装置10の音楽LANインターフェース31の受信処理部Rx1で受信し、該受信した波形データを該制御装置10の記憶装置すなわちハードディスク15(図2)に記憶する処理である。音楽機器20の波形入出力インターフェース29(図2)を介して入力された波形がアナログ波形であればアナログ/ディジタル変換器(図3のADC29A)でディジタル波形データに変換され、波形処理部30(図2)等で適宜のリアルタイム処理(フィルタリングやミキシング、ルーティングなど)を施したものが、送信処理部Tx1に与えられる。
なお、参考のために、図4においても、同じサンプル番号Scxに対応する時刻位置を例示する。ここから、サンプル番号Scxの時刻で制御装置10の受信処理部Rx1の受信バッファ内に受信済みの(あるいはそこから内部メモリにDMA転送される)波形データ群W1の中には、それよりも過去の前記サンプル番号Sctの波形データが含まれていることが理解できる。なお、図4と図5は異なるタイムスケールで図示しており、図4の方が時間軸が拡大表示されている。
これは、上述のように制御装置10の記憶装置すなわちハードディスク15に記憶された波形データを読み出し、該制御装置10の音楽LANインターフェース31の送信処理部Tx2(図3)で該読み出した波形データのデータパケットを作成してネットワークに送信し、これをネットワークに接続された音楽機器20の音楽LANインターフェース32の受信処理部Rx2(図3)で受信し、該受信した波形データを該音楽機器20で再生する処理である。
制御装置10で行う、ハードディスク15からの波形データの読み出しと、それに基づくプラグイン・エフェクト処理及び送信処理に関連するタイミングチャートが図5(a)に例示されている。
音楽LANインターフェース31内のサンプルカウンタSCaのカウント値に基づく或る時点での現サンプル番号Scxを基準にすると、それよりも適当な未来(例えば500ms位未来)の約100ms相当の複数クラスタ分のサンプル番号の波形データ群Wt3(図5(a)参照)がハードディスク15から読み出され、内部メモリに転送記憶される。
これは、例えば、音楽機器20のMIDI入出力インターフェース28(図2)を介してMIDI等の演奏データを入力し、該音楽機器20の音楽LANインターフェース32の送信処理部Tx1で該演奏データのデータパケットを作成してネットワークに送信し、これをネットワークに接続された制御装置10の音楽LANインターフェース31の受信処理部Rx1で受信し、該受信した演奏データを該制御装置10の記憶装置すなわちハードディスク15(図2)に記憶する処理である。例えば、MIDI出力型電子楽器におけるリアルタイムでのキーボード演奏に応じてMIDI形式の演奏データが発生され、これがMIDI入出力インターフェース28(図2)を介して音楽機器20に入力されることを想定して説明を行う。この演奏データは、ノートオンやノートオフ、あるいはコントロールチェンジ等のイベントデータであり、キーオン(又はオフ)されたノートを示すノートナンバデータや、ベロシティデータ、MIDIチャンネルデータなどを含む公知の演奏データ形式からなっていてよい。
これは、制御装置10の記憶装置すなわちハードディスク15に記憶された演奏データを読み出し、該制御装置10の音楽LANインターフェース31の送信処理部Tx2(図3)で該読み出した演奏データのデータパケットを作成してネットワークに送信し、これをネットワークに接続された音楽機器20の音楽LANインターフェース32の受信処理部Rx2(図3)で受信し、該受信した演奏データを該音楽機器20で再生する処理である。
制御装置10では、まず、再生開始に先行して(例えば前記と同様に500ms位先行して)、送信しようとする演奏データのファイル(例えば1曲分のファイル)をハードディスク15から適宜一括して読み出して、内部メモリの所定送信領域に転送記憶する。そして、図6(b)に示す10ms毎の割込み処理によって、該所定送信領域の演奏データを順次読み出して送信処理部Tx2の送信バッファ(FIFO)に順次転送する。演奏イベントは波形サンプルタイミングのように頻繁には起こらないので、送信バッファ(FIFO)への転送は、該送信バッファ(FIFO)の空き具合(送信済み具合)を見ながら、適宜行うようにしてよい。また、送信処理部Tx2における演奏データ用の送信バッファ(FIFO)も小容量であってよい。この演奏データ用の送信バッファ(FIFO)が保持しうる演奏イベントの最大数をImaxとする。このImaxは、少なくとも10msの間に起こりうる演奏イベントの最大数に相当していればよく、例えば数乃至10イベント程度の数であっても用が足りると思われる。
このように、記録した演奏データを読み出して送信し、これを受信側で再生させる場合においても、送信する演奏データの再生イベント時刻に対応するサンプル番号に対応するタイミング情報を付与して該演奏データを送信する。
上記実施例では、転送に際して音楽データに付与するタイミング情報としてサンプル番号そのものからなる情報を用いているが、これに限らず、当該サンプル番号に係るサンプル位置の時刻つまりサンプル時刻を示す情報であってもよく、要するに時系列的なサンプル番号の時間関係を明らかにすることができる情報であればよい。
20 音楽機器
11,21 CPU
12,22 フラッシュメモリ
13,23 RAM
15 ハードディスク
28 MIDI入出力インターフェース
29 波形入出力インターフェース
30 波形処理部
31,32 音楽LANインターフェース
CTa、CTb サイクルタイマ
SCa,SCb サンプルカウンタ
Tx1,Tx2 送信処理部
Rx1,Rx2 受信処理部
Claims (8)
- 演奏又は波形の入力を行う機能を有する音楽機器と、該音楽機器に対してネットワークを介して結合する制御装置とを含む音楽システムであって、
前記音楽機器が、時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段と、入力した演奏又は波形に対応する音楽データに、現サンプル番号に対応するタイミング情報を付与して送信する制御手段とを具備し、
前記制御装置が、記憶手段と、前記送信された音楽データを受信し、該受信した音楽データを該音楽データに付与されたタイミング情報に従う順序で前記記憶手段に記憶させる制御手段とを具備する
ことを特徴とする音楽システム。 - 前記制御装置の制御手段は、前記受信した音楽データが波形データならば、前記タイミング情報の示すサンプル番号に対応づけて該波形データを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の音楽システム。
- 前記制御装置の制御手段は、前記受信した音楽データが演奏データならば、前記タイミング情報をテンポマップに基づく第2のタイミング情報に変換し、該第2のタイミング情報を付加して該演奏データを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の音楽システム。
- 音楽データ再生機能を有する音楽機器と、該音楽機器に対してネットワークを介して結合する制御装置とを含む音楽システムであって、
前記制御装置が、順次に再生されるべき音楽データを記憶する記憶手段と、時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段と、現サンプル番号より後の再生順の音楽データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した音楽データに該再生順に応じたサンプル番号に対応するタイミング情報を付与して送信する制御手段を具備し、
前記音楽機器が、前記送信された音楽データを受信し、該受信した音楽データを該音楽データに付与されたタイミング情報に従うタイミングで再生処理する制御手段を具備する
ことを特徴とする音楽システム。 - 前記制御装置の記憶手段は、順次の各サンプル番号に対応して波形データを記憶しており、前記制御装置の制御手段は、現サンプル番号より後のサンプル番号に対応する波形データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した波形データに対して当該後のサンプル番号に対応するタイミング情報を付与して送信し、
前記音楽機器は、時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段を具備し、前記音楽機器の制御手段は、前記受信した音楽データが波形データならば、現サンプル番号の進行が前記タイミング情報の示すサンプル番号に対応するものとなったとき該波形データを再生することを特徴とする請求項4に記載の音楽システム。 - 前記制御装置の記憶手段は、演奏イベント順に演奏データを記憶しており、前記制御装置の制御手段は、現サンプル番号より後のイベント時刻に対応する演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した演奏データに対して当該イベント時刻に対応する現サンプル番号より後のサンプル番号に対応するタイミング情報を付与して送信し、
前記音楽機器は、時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段を具備し、前記音楽機器の制御手段は、前記受信した音楽データが演奏データならば、現サンプル番号の進行が前記タイミング情報の示すサンプル番号に対応するものとなったとき該演奏データに係る演奏イベントを再生することを特徴とする請求項4に記載の音楽システム。 - 演奏又は波形の入力を行う機能と音楽データ再生機能とを有する音楽機器における音楽データ送受装置であって、
時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段と、
入力した演奏又は波形に対応する音楽データに、現サンプル番号に対応するタイミング情報を付与して他の装置に送信する第1の制御手段と、
他の装置から送信された音楽データを受信し、該受信した音楽データを該音楽データに付与されたタイミング情報に従うタイミングで再生処理する第2の制御手段と
を具備する音楽データ送受装置。 - 順次に再生されるべき音楽データを記憶する記憶手段を有する制御装置における音楽データ送受装置であって、
時間経過に従って現サンプル番号を進行させる手段と、
現サンプル番号より後の再生順の音楽データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した音楽データに該再生順に応じたサンプル番号に対応するタイミング情報を付与して他の装置に送信する第1の制御手段と、
他の装置から送信された音楽データを受信し、該受信した音楽データを該音楽データに付与されたタイミング情報に従う順序で前記記憶手段に記憶させる第2の制御手段と
を具備する音楽データ送受装置。
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