JP2004205120A - 熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造 - Google Patents

熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】モータファンシュラウド付熱交換器の生産性を著しく向上できる熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造の提供。
【解決手段】モータファンシュラウド1の下側の左右一方に熱交換器2を重力に対して支持する支持面3bを備え、熱交換器2の対応する左右一方の下端が上方から挿入されてこの熱交換器2を前後上下左右方向に保持する基準係止部3aを設け、モータファンシュラウド1の下側の他方には熱交換器2を重力に対して支持する支持面4bを備え、熱交換器2の対応する左右他方の下端が上方から挿入されてこの熱交換器2を前後上下方向に保持する第2係止部4aを設け、基準係止部3aの対角位置に対応する熱交換器2の上端が前後方向に挿入されてこの熱交換器2を前後方向に保持する第3係止部6aを設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータとコンデンサ等の熱交換器に外部空気を導入するために装着されるモータファンシュラウドの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換器はラジエータを有して構成され、このラジエータとコンデンサを一体に固設して構成されるものは特に複合式熱交換器と称されている。
そして、通常、複合式を含む熱交換器の後方には外部空気を導入するためのモータファンシュラウドが装着されている。
【0003】
以下、図16に基づいて一般的な複合式熱交換器01とモータファンシュラウド02との取付け構造を説明する(特許文献1、2参照)。
図において、03はコンデンサであって、左右両側に垂直方向に沿う一対のコンデンサタンク04が連結され、コンプレッサ(図示せず)で圧縮されて高温になったガスを前記コンデンサタンク04に導いてコンデンサ本体05で冷却し、液化した後、再びコンプレッサに送るものである。
【0004】
06はラジエータであって、左右両側に垂直方向に沿う一対のラジエータタンク07が連結され、エンジンで熱せられた高温の冷却水を前記ラジエータタンク07に導いてラジエータ本体08で冷却し、この冷却した冷却水を再びエンジンに導くものである。
【0005】
そして、これらコンデンサ03とラジエータ06とはそれぞれの上下端部を重ねるようにして一体に固設して構成されている。
【0006】
複合式熱交換器01にモータファンシュラウド02を取付ける際には、ラジエータ本体08又はコンデンサ本体05に設けられる取付け穴09とモータファンシュラウド02の開口穴011とが一致するように複合式熱交換器01とモータファンシュラウド02とを重ね合わせ、前記開口穴011から取付け穴09にボルト012を挿通して締結固定する。
【0007】
そして、複合式熱交換器01は車載用取付けピン013によってラジエータコアサポート(図示せず)の所定位置に固定されて車両に搭載される。
【0008】
【特許文献1】
特開平06−147788号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−274037号公報(第2−3頁、第7図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の複合式を含む熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造では、熱交換器とモータファンシュラウドとを重ね合わせた状態にして複数の個所をボルトで締結固定しなければならないため、手間と時間がかかり作業効率が悪いという問題点があった。
【0010】
また、ボルトの締め付けトルクの管理を怠ると、締め付け時にモータファンシュラウドの係止部が破損したり、ボルトが緩んで外れる虞があった。
【0011】
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ボルトによる締結を行うことなく、ワンタッチ固定で簡便に行え、モータファンシュラウド付熱交換器の生産性を著しく向上できる熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、モータファンシュラウドの下側の左右一方に熱交換器を重力に対して支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右一方の下端が上方から挿入されてこの熱交換器を前後上下左右方向に保持する基準係止部を設け、前記モータファンシュラウドの下側の他方には前記熱交換器を重力に対して支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右他方の下端が上方から挿入されてこの熱交換器を前後上下方向に保持する第2係止部を設け、前記基準係止部の対角位置に対応する前記熱交換器の上端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後方向に保持する第3係止部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造において、係止部と対応する熱交換器の保持位置にパッチを設け、前記係止部に、変形することにより前記パッチに係合するフック、又は、当接することにより前記パッチを前記フックと共働して保持するストッパ部を設け、前記係止部により前記パッチを保持させたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明では、モータファンシュラウドの下側の左右一方に、熱交換器を所定位置に支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右一方の下端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後上下左右方向に保持する基準係止部を設け、前記モータファンシュラウドの下側の他方には前記熱交換器を所定位置に支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右他方の下端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後上下方向に保持する第2係止部を設け、前記基準係止部の上方位置又は対角位置に取付部を備え、前記熱交換器の対応する上端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後方向に保持する第3係止部を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造において、熱交換器がラジエータとコンデンサとを一体に固設してなる複合式熱交換器であることを特徴とする。
【0016】
【作用】
請求項1記載の発明にあっては、熱交換器はモータファンシュラウドに左右下側の二箇所と、上側の一箇所で固定される。
【0017】
具体的には、モータファンシュラウドの下側に配された基準係止部は、熱交換器を前後左右上下方向に保持し、第2係止部は熱交換器を前後上下方向に保持する。一方、前記基準係止部と対角位置に配された第3係止部は熱交換器を前後方向に保持する。
【0018】
モータファンシュラウドの取付けの際には、先ず、熱交換器の左右下端の一方を基準係止部に固定して基準位置を決定し、続いて、他方を第2係止部に固定することによって、熱交換器の左右方向長さのばらつきに影響されることなく、モータファンシュラウドの下側に熱交換器の下側が固定される。
【0019】
次に、基準係止部と対角に位置する熱交換器の上端を第3係止部に固定することによって、熱交換器の上下方向長さのばらつきに影響されることなく、モータファンシュラウドの上側に熱交換器の上側が固定される。
この際、熱交換器はモータファンシュラウドの第1,2係止部の支持面に載置された状態で取付けられる。
【0020】
請求項2記載の発明にあっては、熱交換器の係止部と対応する保持位置にパッチを設け、一方、係止部に前記パッチを保持するフックやストッパを設けることにより、モータファンシュラウドに熱交換器を容易かつ確実に固定することができる。
【0021】
請求項3記載発明にあっては、熱交換器はモータファンシュラウドに左右下側の二箇所と、上側の一箇所で固定される。
【0022】
具体的には、モータファンシュラウドの下側に配された基準係止部は、熱交換器を前後左右上下方向に保持し、第2係止部は熱交換器を前後上下方向に保持する。一方、前記基準係止部の上方位置又は対角位置に配された第3係止部は熱交換器を前後方向に保持する。
【0023】
モータファンシュラウドの取付けの際には、先ず、基準係止部に熱交換器の左右下端の一方を固定して基準位置を決定し、続いて、第2係止部に熱交換器の左右下端の他方を固定することによって、熱交換器の左右方向長さのばらつきに影響されることなく、モータファンシュラウドの下側に熱交換器の下側が固定される。
【0024】
次に、第3係止部に熱交換器の上端を固定することによって、熱交換器の上下方向長さのばらつきに影響されることなく、モータファンシュラウドの上側に熱交換器の上側が固定される。
この際、熱交換器はモータファンシュラウドの第1,2係止部の支持面に載置された状態で取付けられる。
【0025】
請求項4記載の発明にあっては、ラジエータからなる熱交換器だけでなく、ラジエータとコンデンサとを備える複合式熱交換器であっても対応可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1を説明する。
図1は熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造を説明する分解図、図2は上方から見た係止部3aとパッチ2cの位置関係を示す図である。
【0027】
図3は上方から見た係止部4aとパッチ2dの位置関係を示す図、図4は上方から見た係止部5aとラジエータタンク12の位置関係を示す図、図5は上方から見た係止部6aとパッチ2eの位置関係を示す図である。
【0028】
図6はモータファンシュラウド1の取付けを説明する図、図7は図6(b)におけるA−A断面図、図8は図6(b)におけるB−B断面図である。
【0029】
図1において、1は樹脂製のモータファンシュラウドであり、後述する複合式熱交換器2に外部空気を導入するためのファン1aが備えられている。
【0030】
前記複合式熱交換器2は、コンデンサ2aとラジエータ2bとから構成されている。
前記コンデンサ2aは左右両側に垂直方向に沿う一対の円柱状のコンデンサタンク10が設けられ、コンプレッサ(図示せず)で圧縮されて高温になったガスをコンデンサ本体11で冷却して液化し、再びコンプレッサに送るものである。
【0031】
前記ラジエータ2bは、左右両側に垂直方向に沿う一対の矩形状のラジエータタンク12が設けられ、エンジンで熱せられた高温の冷却水をラジエータタンク12に導いてラジエータ本体13で冷却し、この冷却した冷却水を再びエンジンに導くものである。
【0032】
そして、これらコンデンサ2aとラジエータ2bとはパッチ2c,2d、2e、2fでコンデンサタンク10とラジエータタンク12が連結されて一体に構成される。
【0033】
モータファンシュラウド1にはアーム部3,4,5,6がそれぞれ設けられると共に、これらの先端には係止部3a(基準係止部),4a(第2係止部),5a,6a(第3係止部)が設けられている。
【0034】
前記モータファンシュラウド1の左右下側のうち、一方の係止部3aには、パッチ2cと合致する形状で、かつ、複合式熱交換器2の下端を支持するための支持面3bが設けられている。
また、前記支持面3bには、フック3c,3d,3eとストッパ部3fがそれぞれ設けられている(図1,2参照)。
【0035】
前記モータファンシュラウド1の左右下側のうち、他方の係止部4aには、パッチ2dと合致する形状で、かつ、複合式熱交換器2の下端を支持するための支持面4bが設けられている。
【0036】
また、前記支持面4bにはフック4c,4dが設けられている(図1,3参照)。
【0037】
前記係止部3aの上方に位置する係止部5aには、ストッパ部5bとフック5cとが設けられている(図1,4参照)。
【0038】
前記係止部3aの対角に位置する係止部6aにはストッパ部6bとフック6cとが設けられている(図1,5参照)。
なお、9は後述する車載用取付けピンである。
【0039】
以下、図6に基づいて本実施の形態の複合式熱交換器2とモータファンシュラウド1の取付け動作について説明する。
図6(a)に示すように、先ず、複合式熱交換器2の下端を係止部3aに固定させる。
【0040】
この際、図2に示すように、複合式熱交換器2を傾倒させた状態にして、パッチ2cの一辺をストッパ部3fに当接させた状態で支持面3bに上方から挿入して重ね合わせると、図7,8に示すようにフック3c,3d,3eがパッチ2cの端縁に弾性変形しながら係合してパッチ2cを固定する。
このとき、係止部3aは複合式熱交換器2を前後左右上下方向に固定する。
【0041】
次に、図3に示すように、パッチ2dを支持面4bに上方から挿入して重ね合わせると、フック4c,4dがパッチ2dの端縁に弾性変形しながら係合してパッチ2dを固定する。
このとき、係止部4aは複合式熱交換器2を前後上下方向に固定する。
【0042】
次に、複合式熱交換器2の上側を起立させるようにして、複合式熱交換器2の上端を係止部5a,6aに係止させてモータファンシュラウド1の取付けを終了する(図6(b)参照)。
【0043】
この際、図4に示すように、ラジエータタンク12の一辺がストッパ部5bに当接するまで前後方向に押し込むと、フック5cがラジエータタンク12の外側の前端部に弾性変形しながら係合してラジエータタンク12を固定する。
このとき、係止部5aは複合式熱交換器2を前後左右方向に固定する。
【0044】
また、図5に示すように、パッチ2eの一辺がストッパ部6bに当接するまで前後方向に押し込むと、フック6cがパッチ2eの手前側の一辺に弾性変形しながら係合してパッチ2eを固定する(図5参照)。
このとき、係止部6aは複合式熱交換器2を前後方向に固定する。
【0045】
そして、モータファンシュラウド1が取付けられた複合式熱交換器2は、車両前部のラジエータコアサポート(図示せず)の所定位置に車載用取付けピン9で固定されて車両に搭載される。
【0046】
従って、本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造では、複合式熱交換器2を傾倒させた状態にして複合式熱交換器2の下端を各支持面3b,4bに載置し、複合式熱交換器2を起立させて複合式熱交換器2の上下端を固定するという簡便な作業でもって、モータファンシュラウド1に複合式熱交換器2をワンタッチで固定できる。
【0047】
また、モータファンシュラウド1に車載用取付けピン9を設けたことにより、従来のラジエータやコンデンサに車載用取付けピンを設けた場合と比べて、熱交換器の取付け位置が制限されず、ラジエータコアサポートや周辺部材の設計範囲が広がる。
【0048】
なお、本実施の形態において、対向する位置に配されるフックとストッパの組み合わせは適宜設定できる。例えば、フック3cとストッパ部3fにおいてはストッパ部3fをフック3cと同様にフック形状に構成しても良い。
【0049】
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2を説明する。
本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造は、前記実施の形態で説明した係止部3a及び係止部4aの構造以外は前記実施の形態1と同様であるため同一の構成部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0050】
図9は本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウド20の取付け構造を説明する分解図、図10は上方から見た係止部7とラジエータタンク12の位置関係を示す図である。
図11は図10のS11−S11線による端面図、図12は上方から見た係止部8とパッチ2dの位置関係を示す図(a)とフック8b,8cがパッチ2dと嵌合する様子を示す図(b)である。
【0051】
本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造は、図9に示すように、モータファンシュラウド20の基準係止部としての係止部7にパッチ2cと合致する形状で、かつ、複合式熱交換器2の下端側を支持するための支持面7aが設けられている。
また、前記支持面7aには、図10に示すように、ストッパ部7bとフック7cとが設けられている。
【0052】
さらに、図11に示すように、ストッパ部7bにはパッチ2cの厚みと同じ支持面7aからの高さを有する係止溝7dが形成されている。
【0053】
一方、図9に示すように、第2係止部としての係止部8には、パッチ2dと合致する形状で、かつ、複合式熱交換器2の下端を支持するための支持面8aが設けられ、この支持面8aにはフック8b,8cとが設けられている。
【0054】
以下、図9に基づいて本実施の形態の複合式熱交換器2のモータファンシュラウド20への取付け動作について説明する。
複合式熱交換器2をモータファンシュラウド20に取付ける際には、図10,11に示すように、パッチ2cの一辺をストッパ部7bに当接させながら支持面7aに重ねるように前後方向に挿入し、パッチ2cの一辺がストッパ部7bの係止溝7dに嵌合するように押し込むと、フック7cがラジエータタンク12の外側の前端部に弾性変形しながら係合してパッチ2cを固定する。
このとき、係止部7は複合式熱交換器2を前後左右上下方向に固定する。
【0055】
次に、図12に示すように、複合式熱交換器2のパッチ2dを支持面8aに前後方向に重ねるように挿入すると、前記支持面8aの一部が弾性変形してフック8b,8cがパッチ2dの端部に係合してパッチ2dを固定する。
このとき、係止部8は複合式熱交換器2を前後上下方向に固定する。
なお、係止部5a,6aによって複合式熱交換器2は、前記実施の形態1と同様に、複合式熱交換器2の左右上端を前後方向に挿入することで固定される。
【0056】
従って、本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造においては、複合式熱交換器2を各係止部3a〜6aに前後方向に挿入する動作でもってモータファンシュラウド20に取付けることができ、取付け時の作業効率を向上させることができる。
【0057】
<実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3を説明する。
図13は本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウド30の取付け構造及び取付け動作を説明する分解図、図14は図13の係止部37とパッチ33の固定を説明する図、図15は図13の係止部38とパッチ34の固定を説明する図である。
【0058】
図13に示すように、本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウド30の取付け構造では、複合式熱交換器29の左右上下端にそれぞれ、パッチ33〜36が設けられている。
【0059】
一方、モータファンシュラウド30の前記パッチ33〜36に対応する位置には係止部37(基準係止部)、係止部38(第2係止部)、係止部39、係止部40(第3係止部)がそれぞれ設けられている。
【0060】
図14に示すように、係止部37は複合式熱交換器29の対応する下端を所定位置に支持する支持面37aが設けられている。
また、前記支持面37a上には、パッチ33を前後方向に水平移動させて保持するためのコ字状の案内溝37bとフック37cが設けられている。
【0061】
図15に示すように、係止部38は複合式熱交換器29の対応する下端を所定位置に支持する支持面38aが設けられている。
【0062】
また、前記支持面38aには、パッチ34を前後方向に水平移動させて保持するための案内溝38bが設けられ、この案内溝38bの対向位置には、フック38cが設けられている。
【0063】
図13に示すように、係止部39には取付部39aが設けられると共に、この取付部39aの一端にはストッパ部39cが設けられている。
【0064】
さらに、前記取付部39aの下方には、前後方向に延設されたフック39bが設けられている。
一方、係止部40には、取付部40aが設けられると共に、この取付部40aには前後方向に延設されたフック40bが設けられている。
【0065】
なお、50はラジエータ2bの出入口パイプ51をモータファンシュラウド30に挿通するための開口穴、52は後述する車載用取付けピンである。
【0066】
以下、図13に基づいて本実施の形態の複合式熱交換器29のモータファンシュラウド30への取付け動作について説明する。
本実施の形態の複合式熱交換器29をモータファンシュラウド30に取付ける際には、先ず、複合式熱交換器29の下端を係止部33に固定させる。
【0067】
この際、図14に示すように、パッチ33を互いに対向する案内溝37bに嵌合させながらパッチ34の一辺がフック37cと対向する案内溝37bに嵌合するまで挿入すると、フック37cがパッチ33の後方側の一辺に弾性変形しながら係合してパッチ33を固定する。
このとき、係止部37は複合式熱交換器29を前後左右上下方向に固定する。
【0068】
次に、図15に示すように、パッチ34をパッチ34の手前側の一辺が案内溝38bに嵌合するまで挿入すると、フック38cがパッチ34の一辺に弾性変形しながら係合してパッチ34を固定する。
このとき、係止部38は複合式熱交換器29を前後上下方向に固定する。
【0069】
次に、複合式熱交換器29の上端を取付部39a,40aに係止させることによりモータファンシュラウド30の取付けを終了する(図13(b)参照)。
【0070】
この際、前記パッチ35をストッパ部39cに当接させながらモータファンシュラウド30の一面60に当接するまで前後方向に挿入すると、フック39bがラジエータタンク31に弾性変形しながら係合してパッチ35を固定する。
このとき、係止部39は複合式熱交換器29を前後左右方向に固定する。
【0071】
また、前記パッチ36をモータファンシュラウド30の一面61に当接するまで前後方向に挿入すると、フック40bがパッチ36の一辺に弾性変形しながら係合してパッチ36を固定する。
このとき、係止部40は複合式熱交換器29を前後方向に固定する。
【0072】
そして、モータファンシュラウド30が取付けられた複合式熱交換器29は、車両前部のラジエータコアサポート(図示せず)の所定位置に車載用取付けピン52で固定されて車両に搭載される。
【0073】
従って、本実施の形態の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造においては、複合式熱交換器29を各係止部37〜40に前後方向に挿入する動作でもって、より少ない労力でモータファンシュラウド30に熱交換器29を固定することができる。
【0074】
また、係止部37,38の支持面に対応するパッチ33,34はそれぞれ案内溝37b,38bとフック37c,38cによって固定されるため、これら両者における特に上下方向の固定を確実にできる。
【0075】
また、モータファンシュラウド30に車載用取付けピン52を設けたことにより、従来のラジエータやコンデンサに車載用取付けピンを設けた場合と比べて、複合式熱交換器29の取付け位置が制限されず、ラジエータコアサポートや周辺部材の設計範囲が広がる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、各係止部に設けたフックの数、方向及びフックと係合する複合式熱交換器の係合部位は自由に設定することができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造にあっては、以上のように構成したため、簡便な作業でもってモータファンシュラウドを熱交換器に装着でき、従来と比べて、取付け作業にかかる時間と手間を大幅に削減し、また、モータファンシュラウド付熱交換器の生産性を大幅に向上できるという効果を奏する。
【符号の説明】
1、20、30 モータファンシュラウド
1a ファン
2、29 複合式熱交換器
2a、31 ラジエータ
2b コンデンサ
2c、2d、2e、2f、33、34、35、36 パッチ
3、4、5,6 アーム
3a、4a、5a、6a、7、8、37、38,39、40 係止部
3b、4b、7a、8a、37a、38a 支持面
3c、3d、3e、4c、4d、5c、6c、7c、8b、8c、37c、38c、39b、40b フック
3f、5b、6b、7b、39c ストッパ部
7d 係止溝
9、52 車載用取付けピン
10 コンデンサタンク
11 コンデンサ本体
12 ラジエータタンク
13 ラジエータ本体
37b、38b 案内溝
39a、40a 取付部
50 開口穴
51 冷却パイプ
60、61 一面
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造を説明する分解図である。
【図2】上方から見た係止部3aとパッチ2cの位置関係を示す図である。
【図3】上方から見た係止部4aとパッチ2dの位置関係を示す図である。
【図4】上方から見た係止部5aとラジエータタンク12の位置関係を示す図である。
【図5】上方から見た係止部6aとパッチ2eの位置関係を示す図である。
【図6】本実施の形態のモータファンシュラウドの取付けを説明する図である。
【図7】図6(b)におけるA−A断面図である。
【図8】図6(b)におけるB−B断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造を説明する分解図である。
【図10】上方から見た係止部7とラジエータタンク12の位置関係を示す図である。
【図11】図10のS11−S11線による端面図である。
【図12】上方から見た係止部8とパッチ2dの位置関係を示す図(a)とフック8cがパッチ2dと嵌合する様子を示す図(b)である。
【図13】本発明の実施の形態3の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造を説明する分解図である。
【図14】係止部37とパッチ33の固定を説明する図である。
【図15】係止部38とパッチ34の固定を説明する図である。
【図16】従来の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造を説明する分解図である。

Claims (4)

  1. モータファンシュラウドの下側の左右一方に熱交換器を重力に対して支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右一方の下端が上方から挿入されてこの熱交換器を前後上下左右方向に保持する基準係止部を設け、前記モータファンシュラウドの下側の他方には前記熱交換器を重力に対して支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右他方の下端が上方から挿入されてこの熱交換器を前後上下方向に保持する第2係止部を設け、
    前記基準係止部の対角位置に対応する前記熱交換器の上端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後方向に保持する第3係止部を設けたことを特徴とする熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造。
  2. 請求項1記載の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造において、
    前記係止部と対応する熱交換器の保持位置にパッチを設け、
    前記係止部に、変形することにより前記パッチに係合するフック、又は、当接することにより前記パッチを前記フックと共働して保持するストッパ部を設け、前記係止部により前記パッチを保持させたことを特徴とする熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造。
  3. モータファンシュラウドの下側の左右一方に、熱交換器を所定位置に支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右一方の下端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後上下左右方向に保持する基準係止部を設け、
    前記モータファンシュラウドの下側の他方には前記熱交換器を所定位置に支持する支持面を備え、前記熱交換器の対応する左右他方の下端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後上下方向に保持する第2係止部を設け、
    前記基準係止部の上方位置又は対角位置に取付部を備え、前記熱交換器の対応する上端が前後方向に挿入されてこの熱交換器を前後方向に保持する第3係止部を設けたことを特徴とする熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造において、
    前記熱交換器がラジエータとコンデンサとを一体に固設してなる複合式熱交換器であることを特徴とする熱交換器用のモータファンシュラウドの取付け構造。
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