JP2023012195A - ラジエータの連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一対の第一ラジエータ5と第二ラジエータ6とを接続する連結構造において、連結強度が高く且つ、連結し易いものの提供。【解決手段】 二つ以上の複数のラジエータの連結構造として、第一ラジエータ5,第二ラジエータ6の樹脂タンク1の隣接位置で、一方の樹脂タンク1と他方の樹脂タンク1との各境の外面に一体に両樹脂タンク1を連結する差込み構造7と、その差込み構造7に直交して、各樹脂タンク1に一体に一対のレール部材8,レール部材9及びそのレール部材8,レール部材9間を架橋するクリップ部材10からなるレールクリップ構造11と、を設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、複数のラジエータを接続してなる複合型熱交換器における連結構造に関する発明である。
従来、ハイブリッド型自動車においては、エンジン冷却水用ラジエータおよび補機冷却用ラジエータを備える必要がある。これらのラジエータを配置する構造として、図6に示す如く、第一ラジエータ5と第二ラジエータ6を上下に連結する構造が知られている。
これらのラジエータ5、6は、一方(この例では下方側)の第二ラジエータ6の樹脂タンク1にブラケット16を設け、それを他方(この例では上方側)の第一ラジエータ5の樹脂タンク1にボルトおよびナット15を介して連結されている。
そして、第一ラジエータ5、第二ラジエータ6は、各ラジエータ5、6に形成されたブラケット14を介して車両等の強度メンバーに取付けられる。
しかしながら、図6に示すラジエータの連結構造は、一般的な樹脂製のタンクにブラケット16を射出成形によって一体に形成する場合、そのブラケット16の分、成形金型を大きくする必要があり、また、その金型構造も複雑になるとともに、そのブラケット16は樹脂製であるがゆえ、その強度および剛性を確保することが困難となる。
さらに、図6に示すごとく、連結において、上下、左右、および前後の動きを拘束するために、複数のボルトおよびナット15が必要となるので、各ラジエータの連結構造が複雑となり、またその連結作業性も悪くなる。
そこで、本発明は、樹脂製タンクの射出成形における金型の大型化の抑制、その構造の簡素化、連結構造の強度および剛性の確保、連結構造の簡素化、連結作業性の向上を目的としたラジエータの連結構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の本発明は、対向して配置された一対の樹脂タンク1と、
前記一対の樹脂タンク1間に配置されるチューブ2およびフィン3の集合体よりなるコア4と、
を具備する複数のラジエータが形成され、
隣接するラジエータ間が前記樹脂タンク1を介して連結された連結構造において、
前記複数のラジエータのうち、少なくとも一つのラジエータには、そのラジエータを強度部材に支持するブラケット14を有し、
前記複数のラジエータのうち、少なくとも一つのラジエータには、前記ブラケット14を有せず、
前記連結構造は、各ラジエータの各樹脂タンク1の隣接位置で、一つのラジエータの樹脂タンク1とそのラジエータに隣接するラジエータの樹脂タンク1との各境の外面に一体に、互いに第1の方向(17)に摺接して両樹脂タンク1を連結する差込み構造7と、
その差込み構造7に隣接して、前記一つのラジエータの樹脂タンク1とそのラジエータに隣接するラジエータの樹脂タンク1のそれぞれの外面に一体に、前記第1の方向(17)に直交する第2の方向(18)に離間して配置された一対のレール部材8、9および、各レール部材8、9間を架橋して摺接し、隣接する樹脂タンク1間を第2の方向(18)に連結するクリップ部材10とからなるレールクリップ構造11と、
を具備するラジエータの連結構造である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、
前記の複数のラジエータは、第一ラジエータ5および第二ラジエータ6の二つからなり、
各ラジエータ5、6はともに、その使用状態の姿勢において、それらの前記チューブ2が水平方向に配置されたクロスフロー型であり、
各ラジエータ5、6は鉛直方向の上下に配置され、それらのラジエータ5、6の両樹脂タンク1の隣接部で接続されたラジエータの連結構造である。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の発明において、
前記レールクリップ構造11の前記クリップ部材10は、表面に指係止突起12が形成され、
前記指係止突起12に対向して樹脂タンク1の外面にフィンガーフック13が形成されており、
使用状態において、前記鉛直方向の下方に配置されるラジエータの樹脂タンク1に形成された前記フィンガーフック13は、前記クリップ部材10のストッパを兼ねるラジエータの連結構造である。
請求項1に記載の発明は、隣接するラジエータの樹脂タンク1を互いに第1の方向17に摺接して連結する差込み構造7と、二つの樹脂タンク1間を連結するレールクリップ構造11と、を具備するものである。
これにより、従来のブラケット16が不要となり、樹脂タンク1における金型の大型化が抑制され、また、その構造が簡素化される。さらに、ブラケット16を介して連結する必要がなくなり、連結構造の強度および剛性の確保が容易となる。
そして、ボルトおよびナット15による締結が不要となり、連結構造が簡素化されるとともに、その連結作業性も向上する。
請求項2に記載の発明は、第一ラジエータ5と第二ラジエータ6がその使用状態の姿勢においてクロスフロー型であり、各ラジエータ5、6は鉛直方向の上下に配置されているので、上下に配置された2つのクロスフロー型のラジエータに、第1の発明の連結構造を適用することにより、一方のラジエータを他方のラジエータの下に懸架、または上に載置して連結することができ、当該一方のラジエータを、ブラケット14を要せずに、適切に支持し固定することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、クリップ部材10の表面に指係止突起12が形成され、指係止突起12に対向して樹脂タンク1の外面にフィンガーフック13が形成されているので、連結の作業性が向上する。
また、使用状態において、鉛直方向の下方に配置されるラジエータの樹脂タンク1に形成されたフィンガーフック13が、クリップ部材10のストッパを兼ねるので、クリップ部材10の位置ずれ、およびその脱落が防止される。
本発明のラジエータの連結構造を示す正面図。 図1のII部拡大図であって、(A)はその正面図、(B)は側面図、(C)は(A)のC-C矢視断面図。 本発明のラジエータの連結構造の要部斜視図。 同連結構造の連結方法を示す説明図。 本連結構造の取扱い説明図であって、(A)はそのクリップ部材10を上下一対のレール部材8,9に装着する説明図、(B)は装着されたクリップ部材10を取り外す方法を示す説明図。 従来型のラジエータの連結構造を示す説明図。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1~図5は本発明のラジエータの連結構造の実施の形態を示し、図1はその正面図、図2はその要部正面図及び側面図並びに図2(A)のC-C矢視断面図、図3は同要部斜視図、図4は同実施例の連結の手順を示す説明図、図5は同連結構造におけるクリップ部材10の着脱説明図である。
各図において、Z方向は鉛直方向、X方向は水平方向、Y方向はZ方向とX方向に直行する方向を示す。
本発明のラジエータの連結構造は、二つ以上の複数のラジエータを差込み構造7とレールクリップ構造11とを介して連結している。
この例では、図1に示す如く、第一ラジエータ5、第二ラジエータ6の二つのラジエータが隣接して連結されている。
各ラジエータ5、6は、底面1aと側面1bを有する、一端開口の箱状の一対の樹脂タンク1と、それらの樹脂タンク1間に配置されたコア4とを有する。各樹脂タンク1は樹脂の射出成型体からなる。
各ラジエータ5、6のコア4は、偏平なチューブ2が並列しており、それらの隣接するチューブ2の外面間にコルゲート状に曲折されたフィン3が接続されている。各チューブ2の先端は、ヘッダプレートに挿通されている。このヘッダプレートは各樹脂タンク1の開口を被嵌する。
各ラジエータ5、6は、図1に示す如く、その使用状態の姿勢において、各チューブ2の両開口端を結ぶ軸方向が水平方向に配置されたクロスフロー型である。そして、鉛直方向に対して上下に隣接するラジエータ5、6が配置される。
この例では、上方に位置する第一ラジエータ5の樹脂タンク1には、ブラケット14が形成され、その各ブラケット14が、図示しない補強部材(一例として、車両のフレーム)に支持される。下方に位置する第二ラジエータ6には、ブラケット14が形成されておらず、補強部材に支持されない。
このように構成することにより、複数のラジエータのうち、少なくとも一つのラジエータにブラケット14を形成することにより、補強部材のラジエータの取り付けスペースが少ない場合にも対応することが可能となる。
図1~図5に示す如く、本発明のラジエータの連結構造は差込み構造7と、レールクリップ構造11を有する。
差込み構造7は、図4に示す如く、溝7aと凸条7bとからなる。
この例では、第一ラジエータ5の樹脂タンク1の側面1bの外面側の下端部に、蟻溝状の溝7aが一体に形成されている。そして、第二ラジエータ6の樹脂タンク1の側面1bの外面側の上端部に、溝7aに整合するT字状の凸条7bが一体に形成されている。
溝7aと凸条7bは、Y方向に沿って形成されている。この例では、Y方向が第1の方向17となる。
溝7aには、凸条7bが図4においてY方向に沿って摺接自在に挿入される。
次に、レールクリップ構造11は、図4、図5に示す如く、差込み構造7に直交した位置に配置されたレール部材8、9とクリップ部材10とを有する。
この例のレール部材8、9は、図4、図5に示す如く、第一ラジエータ5の樹脂タンク1の底面1aの外面側の下端部に形成されたレール部材8と、第二ラジエータ6の樹脂タンク1の底面1aの外面側の上端部に形成されたレール部材9とで構成される。
各レール部材8、9は、図2(C)に示す如く、樹脂タンク1の長手方向を横断する断面がT字状に形成され、Z方向に沿って樹脂タンク1の底面1aに一体に形成されている。
各レール部材8、9には、そのT字状に整合するチャンネル型のクリップ部材10が挿脱自在に摺接して、両レール部材8、9間を架橋する。
各ラジエータ5、6を差込み構造7で固定した状態においては、図5に記載のごとく、各レール部材8、9のレール面8a、9aは面一となる。
さらに、この例のように、第二ラジエータ6が鉛直方向の下側に配置される場合、そこに形成されるレール部材9には、図4、図5に記載のごとく、そのレール部材9のZ方向の下方端にフィンガーフック13がレール面9aに対して直行する方向に立設される。
また、第一ラジエータ5の樹脂タンク1のレール部材8のZ方向の上方にも、間隔をあけた位置にクリップ部材10を取り外すためのフィンガーフック13が突設されている。この例では、Z方向が第2の方向18となる。
そして、一対のレール部材8,9にはそれらを連結するクリップ部材10が上下動自在に装着される。クリップ部材10の断面は、図2(C)、図3、図4に示す如く、レール部材8,9の形状に整合する蟻溝状に形成されている。さらに、クリップ部材10の各レール面8a、9aと摺接する面の外面10aには、Z方向に離間して突設された一対の指係止突起12が形成されている。
第一ラジエータ5の樹脂タンク1と第二ラジエータ6の樹脂タンク1とが差込み構造7により固定された状態(図5(A)に記載の状態)において、レール部材8、9にクリップ部材10を架橋することにより、各レール部材8、9が連結されて、図3に示す如く、レールクリップ構造11が形成される。この時、第二ラジエータ6に形成されたフィンガーフック13は、クリップ部材10のストッパとして機能する。
図5はレールクリップ構造11のクリップ部材10の着脱を示す説明図である。
前述の如く、レールクリップ構造11を連結するには、予め、図4に示す如く、第一ラジエータ5の樹脂タンク1と第二ラジエータ6の樹脂タンク1とを差込み構造7により固定しておく。
次いで、図5(A)に示す如く、クリップ部材10の下方に形成された指係止突起12と第二ラジエータ6側のフィンガーフック13とを、手の指間で保持した状態で、クリップ部材10を図5(A)の矢印の方向(Z方向の上方から下方)に下げることにより、図5(B)のように連結できる。
レールクリップ構造11を解除する場合には、図5(B)の如く、レールクリップ構造11のクリップ部材10を矢印の方向(Z方向の下方から上方)に引き上げるように移動すればよい。即ち、クリップ部材10の上方に形成された指係止突起12と第一ラジエータ5側のフィンガーフック13とを指間で保持した状態で、クリップ部材10を持ち上げれば良い。
次に、第一ラジエータ5と第二ラジエータ6の連結を完全に解除するには、差込み構造7の蟻溝7aと凸条7bとを分離すれば良い。
なお、差込み構造7の蟻溝7a,凸条7bの摺接方向(この例では、Y方向)と、レールクリップ構造11のクリップ部材10及びレール部材8、レール部材9の摺接方向(この例では、Z方向)とは、互いに直交する。
〔変形例〕
差込み構造7は、上記の形状に限られない。例えば、凸条7bをL字状に形成し、その凸条7bに整合するように溝7aを形成してもよい。
また、凸条7bと溝7aとを、上下入れ換えてもよい。
また、第二ラジエータ6を第一ラジエータ5の上方に載置して連結してもよい。
その差込み構造7に合わせて、レールクリップ構造11のレール部材8、9とフィンガーフック13を配置する。この場合は、第一ラジエータ5の樹脂タンク1の底面1aの外面側の上端部にレール部材8が形成され、第二ラジエータ6の樹脂タンク1の底面1aの外面側の下端部にレール部材9が形成される。そして、レール部材8の下端部にストッパを兼ねたフィンガーフック13が形成される。また、第二ラジエータ6の樹脂タンク1のレール部材9の上方で間隔をあけた位置に、クリップ部材10を取り外すためのフィンガーフック13が突設される。
上記実施例では、第一ラジエータ5と第二ラジエータ6は上下に2つ配置されていたが、3つ以上の複数個のラジエータを連結することができる。その場合、各ラジエータを連結させるための差込み構造7とレールクリップ構造11を3つ以上、形成する。
また、この例では、上側に設けた第一ラジエータ5にブラケット14を形成し、そのブラケット14を介して図示しない強度部材に固定しているが、それに変えて、第二ラジエータ6にブラケット14を形成し、そのブラケット14を強度部材に固定しても良い。
さらには、この例では、ラジエータをクロスフロー型に配置するため、チューブ2の長手方向を水平方向と平行にして一対の樹脂タンク1を左右に配置したが、チューブ2の長手方向を水平方向と直交させて一対の樹脂タンク1を上下に配置することもできる。
本発明は、特に、ハイブリッド型自動車におけるエンジン冷却水用ラジエータおよび補機冷却水用ラジエータの連結、固定、等の構造として利用することができる。
1 樹脂タンク
1a 底面
1b 側面
2 チューブ
3 フィン
4 コア
5 第一ラジエータ
6 第二ラジエータ
7 差込み構造
7a 溝
7b 凸条
8 レール部材
8a レール面
9 レール部材
9a レール面
10 クリップ部材
10a 外面
11 レールクリップ構造
12 指係止突起
13 フィンガーフック
14 ブラケット
15 ボルトおよびナット
16 ブラケット
17 第1の方向
18 第2の方向

Claims (3)

  1. 対向して配置された一対の樹脂タンク(1)と、
    前記一対の樹脂タンク(1)間に配置されるチューブ(2)およびフィン(3)の集合体よりなるコア(4)と、
    を具備する複数のラジエータが形成され、
    隣接するラジエータ間が前記樹脂タンク(1)を介して連結された連結構造において、
    前記複数のラジエータのうち、少なくとも一つのラジエータには、そのラジエータを強度部材に支持するブラケット(14)を有し、
    前記複数のラジエータのうち、少なくとも一つのラジエータには、前記ブラケット(14)を有せず、
    前記連結構造は、各ラジエータの各樹脂タンク(1)の隣接位置で、一つのラジエータの樹脂タンク(1)とそのラジエータに隣接するラジエータの樹脂タンク(1)との各境の外面に一体に、互いに第1の方向(17)に摺接して両樹脂タンク(1)を連結する差込み構造(7)と、
    その差込み構造(7)に隣接して、前記一つのラジエータの樹脂タンク(1)とそのラジエータに隣接するラジエータの樹脂タンク(1)のそれぞれの外面に一体に、前記第1の方向(17)に直交する第2の方向(18)に離間して配置された一対のレール部材(8)(9)および、各レール部材(8)(9)間を第2の方向(18)に架橋して摺接し、隣接する樹脂タンク(1)間を連結するクリップ部材(10)とからなるレールクリップ構造(11)と、
    を具備するラジエータの連結構造。
  2. 請求項1に記載の発明において、
    前記の複数のラジエータは、第一ラジエータ(5)および第二ラジエータ(6)の二つからなり、
    各ラジエータ(5)(6)はともに、その使用状態の姿勢において、それらの前記チューブ(2)が水平方向に配置されたクロスフロー型であり、
    各ラジエータ(5)(6)は鉛直方向の上下に配置され、それらのラジエータ(5)(6)の両樹脂タンク(1)の隣接部で接続されたラジエータの連結構造。
  3. 請求項2に記載の発明において、
    前記レールクリップ構造(11)の前記クリップ部材(10)は、表面に指係止突起(12)が形成され、
    前記指係止突起(12)に対向して樹脂タンク(1)の外面にフィンガーフック(13)が形成されており、
    使用状態において、前記鉛直方向の下方に配置されるラジエータの樹脂タンク(1)に形成された前記フィンガーフック(13)は、前記クリップ部材(10)のストッパを兼ねるラジエータの連結構造。
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