JP2004203090A - 自動車用空調装置の吹き出し口構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリルをインストルメントパネル面より出没自在とし、空調装置の稼働時にはグリルを引き出し、稼働していないときはグリルを収納してインストルメントパネル面の質感及び高級感を向上させる。
【解決手段】インストルメントパネル面5に形成された開口孔20に取り付けられる自動車用空調装置の吹き出し口構造において、自動車用空調装置から供給された空調風を室内に吹き出すベント吹き出し口7を側面に有すると共に天面に開口孔20を塞ぐ天板部6を有したグリル1と、グリル1をインストルメントパネル面5に対して出没自在とし、開口孔20を天板部6で閉塞する収納状態と、グリル1をインストルメントパネル面5より突出させる突出状態とする昇降駆動装置4とを備え、グリル1が開口孔20より突出して最大高さ位置となった時のみに、グリル1を回転自在とすると共に、グリル1の回転時は昇降を抑止する。
【選択図】 図1
【解決手段】インストルメントパネル面5に形成された開口孔20に取り付けられる自動車用空調装置の吹き出し口構造において、自動車用空調装置から供給された空調風を室内に吹き出すベント吹き出し口7を側面に有すると共に天面に開口孔20を塞ぐ天板部6を有したグリル1と、グリル1をインストルメントパネル面5に対して出没自在とし、開口孔20を天板部6で閉塞する収納状態と、グリル1をインストルメントパネル面5より突出させる突出状態とする昇降駆動装置4とを備え、グリル1が開口孔20より突出して最大高さ位置となった時のみに、グリル1を回転自在とすると共に、グリル1の回転時は昇降を抑止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空調装置の吹き出し口構造に関し、特に、空調装置が可動していないときには、吹き出し口を有したグリルをインストルメントパネル内部に収納してインストルメントパネル面との均一性を持たせた自動車用空調装置の吹き出し口構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用空調装置のグリル(空調風吹き出し口)101は、通常、図18(a)に示すように、インストルメントパネル102の中央、左端及び右端に配置されている。グリル101の吹き出し方向の調整は、グリル本体又はグリル内部に設けられた風向制御板(以下、ルーバーという)を向けたい方向へ操作することで可能となる。例えば、図18(b)に示すグリル101では、側面に設けられたつまみ103を回すことでルーバーの向きを調整することができる。
【0003】
図19に示すグリル104は、インストルメントパネル102の見栄えや質感を向上させる目的で、ルーバー105を完全に閉じることができる構造としたものである。図面に向かって左側がルーバー105を閉じた状態、右側がルーバー105を開いた状態である。このように、ルーバー105を完全に閉じることができるように構成すれば、インストルメントパネル102の凹凸感が無くなり、運転者などの乗員に対して質感や高級感を与えることができる。
【0004】
また、図20に示すグリル106は、空調装置から供給される空調風を自動的に制御する機能を持たせた、いわゆるスイングルーバーと呼ばれるグリルである。このグリル106は、ルーバーを左右方向に可動自在とすることで、空調風を矢印で示す向きに風向制御できる。このため、適度な温度の送風を左右にスイングさせながら吹き出させることにより、乗員により快適な環境を提供することができる。
【0005】
また、この他、グリルの一部に装飾パネルを設け、このグリルをインストルメントパネルに対して回転可能とし、空調装置を使用しないときには、グリルを回転させて装飾パネルをインストルメントパネルの一部として使用することで、当該インストルメントパネルの質感や高級感を与えるようにしたグリルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−250356号公報(第2〜3頁、第3図、第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の自動車用空調装置のグリルにあっては、常時インストルメントパネルにグリルの開口又は開口部枠形状があるため、インストルメントパネルのデザインの自由度が無く、質感や高級感を出すことが難しい。
【0008】
また、ルーバー角度によっては、空調風に対して抵抗が高くなり、風量の減少につながる。スイングルーバーにおいても、上記ルーバーの問題を抱えており、また駆動装置自体が単に左右に風を振り分ける駆動しかできないため、乗員の快適性の向上にはつながらないことはもちろん、部品コストの増加を招く。
【0009】
また、特許文献1に記載のグリルでは、インストルメントパネルの質感や高級感を出すことができるものの、装飾パネルを回転させるためにリンク機構を採用するため構造が複雑で且つ空調風を左右方向に吹き出させることができない。
【0010】
そこで本発明は、空調装置が稼動していない時には、グリルをインストルメントパネル内部に収納して当該インストルメントパネル面との均一性を確保してインストルメントパネルの見栄えや質感を向上させると共に、空調装置の稼動時には、グリル自体が首を振るスイング形式とすることで広範囲に空調風を吹き出させることのできる自動車用空調装置の吹き出し口構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インストルメントパネルに形成された開口孔に取り付けられる自動車用空調装置の吹き出し口構造において、前記自動車用空調装置から供給された空調風を室内に吹き出すベント吹き出し口を側面に有すると共に天面に前記開口孔を塞ぐ天板部を有したグリルと、前記グリルを前記インストルメントパネルの開口孔に対して出没自在とし、前記開口孔を前記天板部で閉塞する収納状態と、前記グリルをインストルメントパネルの開口孔より突出させる突出状態とする昇降可能手段とを備え、且つ前記グリルが前記インストルメントパネルの開口孔より突出して最大高さ位置となったときのみに、前記グリルを回転自在とすると共にグリルの回転時は昇降を抑止する回転可能機構を有したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降可能手段は、前記グリルに形成した昇降リブと、前記昇降リブをガイド溝に摺動自在に係合させて前記グリルをスライド自在に収納させるハウジングとを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記ガイド溝の上昇側の終端に続いて、昇降リブの左右方向の移動のみを許容する一方、昇降リブの昇降方向の移動を抑止する空隙周溝部を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降可能手段は、シャフトを上下動させて前記グリルを自動的に昇降動させると共に左右に回転させる昇降駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記グリルに前記シャフトを挿入させるシャフト挿入部を形成すると共にこのシャフト挿入部に突起部を形成し、前記突起部を係合挿入させるストレート溝部とこのストレート溝部に連続して屈曲する螺旋溝部とからなるガイド溝を前記シャフトの表面に形成し、前記シャフトを上下動させたときに前記ガイド溝に沿って移動する前記突起部の位置に応じて前記グリルが昇降し又は前記グリルが回転することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記突起部が前記ストレート溝部と前記螺旋溝部とが連結される連結部に位置したときに、前記グリルが前記シャフトによって昇降されることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、請求項5記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記グリルが最大高さ位置まで上昇されて初めて前記突起部が前記螺旋溝部に移動可能となり、当該突起部が前記螺旋溝部を移動するときに、前記グリルが回転することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、請求項4記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降駆動装置は、駆動モータの回転運動を直線運動に変換して前記シャフトを上下動させるギア機構を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、請求項4又は請求項8に記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降駆動装置は、前記シャフトの昇降位置を検出する位置検出手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、空調装置が稼働していない時には、グリルをインストルメントパネル内部に収納可能とすることで、インストルメントパネルの表面との均一性を得ることができるデザインとすることができる。また、自動車用空調装置が稼働していないときには、グリルの天板部がインストルメントパネルに形成された開口孔を閉塞してグリルとインストルメントパネルとが一体化されて当該インストルメントパネルの質感及び高級感を向上させることができる。さらに、自動車用空調装置を稼働させるときには、グリルをインストルメントパネルより突出させてグリルのベント吹き出し口から空調風を吹き出させることができると共に、回転可能機構によりグリル自体が首を振るスイング形式をとることで、より広い角度に開口を向けることができるため、広い範囲に空調風を吹き出すことができる。しかも左右のスイングがグリルの突出最大高さ位置のみで行えるようにしてあるので、グリルが不意に格納することがない。
【0021】
請求項2の発明によれば、ハウジングに形成されたガイド溝にグリルに形成した昇降リブを挿入係合させていることから、ガイド溝に沿ってグリルを直線上にスムーズに昇降動させることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、左右方向にフリー状態となった昇降リブを左右方向にスムーズに移動させることができ、それに合わせてグリルも回転させることができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、グリルの首振り機能と昇降機能を一台の昇降駆動装置で機能させることができるため、装置構成を簡略化することができる。
【0024】
請求項5及び請求項6の発明によれば、グリルの上昇時に、シャフト挿入部に形成した突起部がシャフトのガイド溝のうちストレート溝部と螺旋溝部との連結部分である屈曲部にあるため、この突起部がシャフトと連結する連結部として機能し、グリルを上方に確実に押し上げることができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、最大高さ位置からシャフトがさらに上昇すると、グリルに形成された突起部が螺旋溝部に沿って移動することにより、フリー状態にあるグリルを軸周りに確実に回転させることができる。
【0026】
請求項8の発明によれば、ギア機構により駆動モータの回転運動を直線運動に変換させてシャフトを上下方向に昇降動させることにより、シャフトをケーシングに対して上下方向に確実に進退動させることができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、位置検出手段によって昇降用シャフトを所望の高さ位置に自由に昇降動させることができる。また、位置検出手段によって検出した昇降用シャフトの上昇高さ位置のデータに基づいて制御部が制御することで、任意の角度に空調風を左右に振り分けることができる。つまり、一般的に家庭用ルームエアコンなでも実施されているように、空調風の吹き出しを自動で左右にスイングさせ均等な温度調節を行うようにすることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、本発明を自動車用空調装置の吹き出し口構造に本発明を適用したものであり、インストルメントパネル面との均一性を確保して質感及び高級感を出すと共に、広範囲に空調風を車内に吹き出させることができるようにしたものである。
【0029】
本実施形態の自動車用空調装置の吹き出し口構造は、図1及び図2に示すように、グリル1と、このグリル1を内部に収納しガイドするハウジング2と、ハウジング2の先端に取り付けられるフィニッシャリング3と、グリル1を昇降動させる昇降可能手段を構成する昇降駆動装置4とを備えている。
【0030】
グリル1は、図1及び図2に示すように、図示しない自動車用空調装置が稼動していないときにはインストルメントパネル5の表面の一部を構成する天板部6と、自動車用空調装置から供給された空調風を室内へと吹き出すためのベント吹き出し口7を有した本体部8とを有している。
【0031】
本体部8は、所定高さの円筒体として形成されており、その周面の一部に複数のベント吹き出し口7を有している。このベント吹き出し口7は、本体部8の周方向に沿って所定長さの細長いスリットとして形成され、高さ方向に所定間隔を置いて複数形成されている。
【0032】
天板部6は、本体部8に対して一体的に形成されており、前記本体部8の一端側を閉塞する。この天板部6が本体部8の一端に形成されることによって、前記グリル1は、他端側(図中下方端)を開放した筒体として形成される。この天板部6の表面6aは、インストルメントパネル5の質感及び高級感を与えるべくインストルメントパネル5の表面と同一の模様とされている。また、より質感及び高級感を与えるために、グリル1自体をインストルメントパネル5と同一の材料で形成している。
【0033】
そして、この天板部6の内面には、後述する昇降駆動装置4の昇降用シャフト28が挿入されるシャフト挿入部9が形成されている。このシャフト挿入部9は、内部に昇降用シャフト28を挿入させることのできる大きさとされた細長い円筒体として形成され、本体部8の開口側に垂下するようにして天板部6に一体化されている。このシャフト挿入部9の内壁面の一部には、昇降用シャフト28に形成されたガイド溝に係合する突起部10が形成されている。
【0034】
また、本体部8には、後述するハウジング2に形成された昇降用ガイド溝18に摺動自在に係合するされて当該ハウジング2に対してグリル1をスライド自在とするための昇降リブ11が形成されている。昇降リブ11は、本体部8の開口端に形成され、当該本体部8の周面から外方に突出して形成されている。本実施の形態では、ハウジング2に対してグリル1をバランス良く昇降動させるために、前記昇降リブ11を、円筒体をなす本体部8の均等位置とした三箇所にそれぞれ矩形状のつば部として形成してある。
【0035】
ハウジング2は、図1及び図2に示すように、グリル1を内部に遊嵌するに足る大きさのキャビティを有した筒体として形成されている。このハウジング2は、底部12と、この底部12の外周囲に立ち上がる周壁13とからなり、これら底部12と周壁13とによってグリル1を内部に遊嵌状態で収納するキャビティを形成する。
【0036】
底部12には、昇降用シャフト28を挿入させるシャフトガイド部14が形成されている。シャフトガイド部14は、内部に昇降用シャフト28を挿入させるシャフト挿入孔15を有した円筒体として形成されており、底部12の内面12a及び外面12bよりそれぞれ突出している。
【0037】
周壁13には、図示しない自動車用空調装置から供給された空調風をダクト16を介してハウジング2のキャビティ内へ導入させるための空調風取り入れ口17が形成されている。空調風取り入れ口17は、キャビティ内により多くの空調風を取り入れるべく矩形状をなす大きな開口として数カ所に形成されている。本実施形態では、3つの空調風取り入れ口17を均等位置となるように周壁13に形成してある。
【0038】
また、周壁13には、前記したグリル1をこのハウジング2に対して真っ直ぐに昇降動させるための昇降用ガイド溝18が3箇所に形成されている。これら昇降用ガイド溝18は、周壁13の開口端から底部12の近傍に亘る位置まで細長い上端が開放した縦溝として形成されている。この昇降用ガイド溝18には、グリル1に形成された昇降リブ11が挿入係合される。
【0039】
また、周壁13の開口端には、当該周壁13の周縁に沿って外方に突出したフランジ部19が形成されている。このフランジ部19は、ダクト16に形成された開口孔20の周縁部に設けられたつば部21に引っ掛けられ、前記ハウジング2を当該ダクト16内に位置決め保持させる。なお、底部12の外面12bより外側に突出したシャフトガイド部14は、ダクト16内の底面16aに形成された凹部22にその先端側部を挿入させることによって、前記ハウジング2の前記ダクト16内での位置決めがなされる。
【0040】
フィニッシャリング3は、図1及び図2に示すように、リング部23と、前記ダクト16の開口孔20の周縁部に当該フィニッシャリング3を固定させるための3カ所の係合爪部24とを有する。
【0041】
リング部23は、ハウジング2よりも大径の円環体として形成され、その中心に前記グリル1を挿通可能なグリル挿通孔25を有している。このリング部23の表面23aには、インストルメントパネルの質感及び高級感を与えるべくインストルメントパネル面5と同一の模様が施されている。また、より質感及び高級感を与えるために、フィニッシャリング3自体をインストルメントパネルと同一の材料で形成している。
【0042】
また、リング部23には、グリル1の回転状態をガイドすると共にハウジング2のダクト16からの飛び出しを規制するためのガイド片26が形成されている。かかるガイド片26は、リング部23の表面23aとは反対側の裏面に円環状をなす突起として形成されている。このガイド片26と前記したつば部21との間にハウジング2のフランジ部19が介在されることによって、前記ハウジング2のダクト16からの飛び出しが防止される。また、グリル1の昇降リブ11が前記ガイド片26によって位置規制されることにより、当該グリル1の安定した回転状態が確保される。
【0043】
係合爪部24は、フィニッシャリング3をダクト16に固定させるためのもので、前記開口孔20の周縁部に形成された係合孔27に挿入される。この係合爪部24が前記係合孔27に挿入係合されることによって、前記フィニッシャリング3がダクト16に固定される。
【0044】
昇降駆動装置4は、図1及び図2に示すように、グリル1をダクト16内から外に飛び出させる(インストルメントパネル5から室内に突出させる)と共にダクト16内に収納させるように昇降動させるための昇降用シャフト28と、この昇降用シャフト28を昇降駆動するための駆動機構部29とからなる。
【0045】
昇降用シャフト28は、駆動機構部29によって図1中矢印Xで示す上下方向に昇降動自在とされる。また、昇降用シャフト28は、単に上下方向に昇降動するだけで軸周り方向には回転しないようにされている。そして、この昇降用シャフト28には、図3に示すように、前記したグリル1のシャフト挿入部9内に形成された突起部10を挿入させて当該グリル1を左右方向に回転させるためのガイド溝30が形成されている。
【0046】
かかるガイド溝30は、図3に示すように、昇降用シャフト28の先端より軸方向に沿って形成されたストレート溝部30aと、このストレート溝部30aの端部より連続して形成される螺旋溝部30bとからなる。ストレート溝部30aは、昇降用シャフト28の先端より形成され、その先端側が開放されている。このストレート溝部30aの開放端から前記突起部10がガイド溝30内に入り込む。ストレート溝部30aの開放端から突起部10が入り込むのは、グリル1の嵌め込み時だけである。図3では、昇降用シャフト28を二周りするように螺旋溝部30bを形成してある。この螺旋溝部30bは、グリル1をどのように回転させるかによってその形状が決められ、例えば図4に示すような逆くの字形状であってもよいし、図5に示すような斜線形状であってもよい。なお、図4及び図5は、螺旋溝部30bを展開して示してある。
【0047】
駆動機構部29は、図1に示すように、ケーシング31を有し、そのケーシング31に形成された本体取付部32を例えばネジ33によって固定することで前記ダクト16の裏面に固定されている。ケーシング31内には、図6に示すように、昇降用シャフト28がこのケーシング31を貫通して設けられていると共に、この昇降用シャフト28を昇降動させるための駆動モータ34と、この駆動モータ34による回転運動を直線運動に変換させて前記した昇降用シャフト28を昇降動させるためのギア機構が設けられている。
【0048】
ギア機構は、図6及び図7に示すように、駆動モータ34の駆動ギア35に噛み合う第1の平歯車36と、この第1の平歯車36と噛み合う第2の平歯車37と、これら平歯車36、37による回転運動を直線運動に変換させる第3の歯車38、第4の歯車39及び第5の歯車40とからなる。
【0049】
第3の歯車38は、第2の平歯車37と噛み合う平歯車41と傘歯車42とが一体化された歯車とされている。第4の歯車39は、第3の歯車38の傘歯車42と噛み合う通常の傘歯車である。第5の歯車40は、第4の歯車39と噛み合う傘歯車43とピニオンギア44とが一体化された歯車とされている。ピニオンギア44は、前記した昇降用シャフト28の基端側に形成されたラックギア45と噛み合うようになっている。
【0050】
前記した各ギアからなるギア機構は、駆動モータ34の回転運動を直線運動に変換し、最終的にピニオンギア44とラックギア45とによって前記昇降用シャフト28を上下方向に昇降動させる。これにより、昇降用シャフト28は、ケーシング31に対して上下方向に進退操作自在となる。
【0051】
また、この昇降駆動装置4には、昇降用シャフト28の昇降位置を検出するための位置検出手段(図示省略)が設けられている。位置検出手段は、前記したギア機構からギアの回転位置を検出することによって昇降用シャフト28の昇降位置を検出する。この位置検出手段を設けることによって、昇降用シャフト28を所望の高さ位置に自由に昇降動させることが可能となる。
【0052】
次に、上述のように構成された自動車用空調装置の吹き出し構造の動作について説明する。先ず、簡単にその動作について説明すると、空調装置が稼動していないときには、インストルメントパネル5の表面の質感及び高級感を出すために、図8(a)で示すように、ダクト16の開口孔20をグリル1によって塞いだ状態とし、空調装置の稼動時には、図8(b)で示すように、グリル1をインストルメントパネル5の表面より室内へ突出させる。そして、インストルメントパネル5の表面より突出したグリル1を図9に示すように回転させることによって、車内に空調風を吹き出させるようにする。
【0053】
先ず、グリル1を昇降動させる動作について説明する。インストルメントパネル5と天板部6とがほぼ面一となったグリル収納状態(図8(a)参照)からインストルメントパネル5の表面より室内にグリル1が突出した状態(図8(b)参照)とするには、次のように制御する。例えば、車内の空調装置のスイッチを入れると、駆動モータ34が駆動し、その駆動モータ34の回転運動が前記したギア機構によって直線運動に変換される。
【0054】
そして、この変換された直線運動によって前記昇降用シャフト28は、図10(a)に示すインストルメントパネル5に形成された開口孔20を前記グリル1の天板部6によって閉じた状態から除々に上昇されて行く。この昇降用シャフト28の上昇に伴って、前記グリル1が、当該昇降用シャフト28と共に上昇して行く。すなわち、グリル1の上昇時は、シャフト挿入部9に形成した突起部10が昇降用シャフト28のガイド溝30のうちストレート溝部30aと螺旋溝部30bとの連結部分である屈曲部にあるため、この突起部10が昇降用シャフト28と連結する連結部として機能し、前記グリル1を上方に押し上げる。
【0055】
また、グリル1は、ハウジング2に形成された昇降用ガイド溝18に当該グリル1に形成した昇降リブ11を挿入係合させていることから、グリル1は左右に回転することなく当該昇降用ガイド溝18に沿って真っ直ぐに上昇する。このため、グリル1は、ハウジング2に対してふらつくことなく直線上にスムーズに上昇する。
【0056】
そして、昇降用シャフト28が、図10(b)に示す上昇中間点の状態から同図(c)に示す最大高さ位置に上昇すると、この昇降用シャフト28によってグリル1も最上昇高さ位置に押し上げられる。そして、このグリル1の最大上昇高さ位置では、前記した昇降リブ11がフィニッシャリング3のリング部23に当接する。これにより、グリル1は、その上昇最大高さ位置が決められ、それ以上上昇しないことになる。
【0057】
図10(c)に示すように、グリル1が最大高さ位置まで昇降用シャフト28によって上昇されると、昇降リブ11は、図1に示すように、前記昇降用ガイド溝18から外れてハウジング2のフランジ部19とフィニッシャリング3のリング部23との間の周方向に延びた溝状の空隙部に入り込む。つまり、グリル1が最大高さ位置まで上昇されると、グリル1はフィニッシャリング3によって上昇高さ位置が規制されると同時にハウジング2から抜け出て左右にフリーの状態になる。
【0058】
この最大高さ位置からさらに昇降用シャフト28を上昇させると、グリル1はハウジング2に対して左右に自由に動くことができるフリーな状態にあるから、左右方向に回転する。すなわち、この最大高さ位置から昇降用シャフト28がさらに上昇すると、グリル1に形成された突起部10は、ここから初めて螺旋溝部30bに沿って移動することになる。この突起部10が螺旋溝部30bに沿って移動することにより、フリー状態にあるグリル1は左右方向(軸周りに右方向又は左方向)に回転する。これらグリル1の突起部10と昇降用シャフト28の螺旋溝部30bとでグリル1がインストルメントパネル5の開口孔20より突出して最大高さ位置となったときに、グリル1を回転自在とする回転可能機構が構成される。
【0059】
例えば、図11(b)に示すように、昇降用シャフト28が上昇して突起部10が螺旋溝部30bの入口近傍に移動したときには、グリル1が回転して当該グリル1に形成されたベント吹き出し口7が同図(a)に示す位置に回転し、空調風を矢印方向に吹き出す。この状態から昇降用シャフト28がさらに上昇して突起部10が、図12(b)で示す位置に移動したときには、グリル1はさらに同方向に回転してベント吹き出し口7より空調風を同図(a)で示す方向に吹き出す。そして、さらに昇降用シャフト28が上昇して突起部10が、図13(b)で示す螺旋溝部30bの端部に移動したときには、グリル1がさらに同方向に回転してベント吹き出し口7より空調風を同図(a)で示す方向に吹き出す。
【0060】
この一方、昇降用シャフト28を下降させて行くと、昇降リブ11は、ハウジング2のフランジ部19により下方への移動が規制されているので、前記した動作とは反対にグリル1は先の回転方向とは反対方向に回転する。そして、突起部10がストレート溝部30aと螺旋溝部30bの連結部となる屈曲部に到達すると、昇降リブ11が下方への移動がフリーとなったハウジング2の昇降用ガイド溝18と対向する位置になる。そして、この状態から昇降用シャフト28をさらに下降させて行くと、前記昇降用ガイド溝18に前記昇降リブ11が案内されてグリル1がハウジング2内に収納されて行く。
【0061】
以上のようにして昇降用シャフト28を昇降動させれば、グリル1は右から左にまたその逆の回転動作を連続することになる。このときの昇降用シャフト28の昇降高さ位置は、前記した昇降駆動装置4に設けた位置検出手段によって検出されている。したがって、この位置検出手段によって検出した昇降用シャフト28の上昇高さ位置のデータに基づいて制御部が制御することで、任意の角度に空調風を左右に振り分けることができる。つまり、一般的に家庭用ルームエアコンなどでも実施されているように、空調風の吹き出しを自動で左右にスイングさせ均等な温度調節を行うようにすることが可能となる。
【0062】
例えば、図14(a)に示すように、乗員46に直接空調風(矢印で示す)が吹き掛かると乗員46に不快感を与えるため、乗員46に向かって空調風を吹きかける角度にグリル1が回転した場合には、同図(b)に示すようにグリル1の向きを変えたり或いは風量を減少させる。また、このようにグリル1を回転させて空調風をいわばスイングさせることができるため、スイング動作の右、左の両端部においては、後部席の乗員47への空調風供給が可能となるため、空調風風量を増大することにより、室内全体の温度調節が可能となる。
【0063】
以上では、グリル1の左右回転の様子を、図5に開示した斜線形状で説明したが、図4に開示した逆く字状の場合は、シャフト28の一回の上昇だけで、グリル1を右回転から左回転に回転方向を変化させることができる。即ち、図4中の実線矢印で示す場合が、シャフト28の上昇時の突起部10の螺旋溝部30b内での移動を示すことになるが、まずストレート溝部30aに繋がる最初の螺旋溝部30bでは、シャフト28の上昇に伴い、グリル1は例えば右回転し、その後続く逆方向に屈曲した螺旋溝部30bでは、シャフト28の上昇に伴い、先とは反対の左回転するようになっている。尚、グリル1を確実にハウジング2内に格納するためには、回転し始めた元のグリル1が上昇しきった位置に戻す必要性から、シャフト28の上昇時の左回転となる螺旋溝部30bの終端は右回転の開始位置とはシャフト28の周方向で異なるようにしてある。
【0064】
前記実施形態では、昇降駆動手段4を使用して自動的にグリル1を昇降動させたが、手動でグリル1を昇降動させるようにしてもよい。図15は、グリル1の天板部6に指先で摘んでグリル1をダクト16から引き出すためのつまみ部48を形成した例を示す。つまみ部48は、天板部6に平面半円弧状の窪み49を所定間隔を置いて形成することによって、当該天板部6のほぼ中央に形成されている。図15(a)に示す収納状態から前記つまみ部48を指先で摘んで引っ張り上げれば、グリル1をインストルメントパネル面5から室内へ引き出すことができる。グリル1を引き出した後は、ユーザがこのつまみ部48を摘んで左右に回転させれば、任意の方向に空調風を吹き出させることができる。
【0065】
この他、図16に示すように、グリル1の外周部(ダクト16)をすり鉢状に彫りこんだグリル保持用くぼみ部50を形成することにより、グリル1を手動で引き出すこともできる。
【0066】
また、グリル1をダクト16内に収納するときには手動とし、ダクト16からグリル1を引き出すときには自動としてもよい。例えば、図17に示すように、シャフト挿入部9の外周にコイルスプリング51を装着させると共に、そのコイルスプリング51の一端をシャフトガイド部14の先端に当接させ且つ他端をシャフト挿入部9に形成したバネ受け部52に係止させる。さらに、ハウジング2の昇降用ガイド溝18の基端部に、グリル1の昇降リブ11を係止させる昇降リブ引っ掛け部53を形成する。
【0067】
このように構成することによって、前記グリル1をダクト16から引き出す場合には、昇降リブ11を前記昇降リブ引っ掛け部53から外す方向にグリル1を回転させるだけで、自動的にコイルスプリング51の反力によってグリル1自体が押し上げられる。一方、グリル1をダクト16内に収納させるには、天板部6をインストルメントパネル5と面一となるまでグリル1を押し込んだ後、昇降リブ11が昇降リブ引っ掛け部53に係止される方向にグリル1を回転させる。
【0068】
以上の手動式の昇降手段によるグリル1であっても、グリル1を最上昇高さ位置で左右に回転させれば、ハウジング2のフランジ部19により下方移動が抑えられるので、車両の振動などの不意な入力で、グリル1が下降してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の自動車用空調装置の吹き出し口構造の断面図である。
【図2】本発明の実施形態の自動車用空調装置の吹き出し口構造の分解斜視図である。
【図3】昇降用シャフトに形成されたガイド溝を示す斜視図である。
【図4】昇降用シャフトに形成されたガイド溝の一例を示すもので、そのガイド溝を展開して示した展開図である。
【図5】昇降用シャフトに形成されたガイド溝の他の例を示すもので、そのガイド溝を展開して示した展開図である。
【図6】昇降駆動装置の駆動機構部を示す平面図である。
【図7】駆動機構部の一部を構成するギア機構を示す斜視図である。
【図8】グリルを昇降動自在とした吹き出し口構造を示すもので、(a)はグリルでダクトの開口孔を塞いだグリル収納状態を示す斜視図、(b)はグリルを上昇させたグリル上昇時の状態を示す斜視図である。
【図9】グリルの回転動作を示すもので、(a)はグリルを左に回転させた状態を示す斜視図、(b)はグリルを中央位置に回転させた状態を示す斜視図、(c)はグリルを右に回転させた状態を示す斜視図である。
【図10】グリルの上昇状態を示すもので、(a)はグリルの上昇時の状態を示す断面図、(b)はグリルの上昇中間時の状態を示す断面図、(c)はグリルの上昇終了時の状態を示す断面図である。
【図11】(a)は螺旋溝部を移動する突起部の移動位置に応じてグリルが回転する状態を示す平面図で、(b)は突起部が螺旋溝部の入口近傍に移動したときの状態を示す展開図である。
【図12】(a)は螺旋溝部を移動する突起部の移動位置に応じてグリルが回転する状態を示す平面図で、(b)は突起部が螺旋溝部の入口近傍からさらに移動したときの状態を示す展開図である。
【図13】(a)は螺旋溝部を移動する突起部の移動位置に応じてグリルが回転する状態を示す平面図で、(b)は突起部が螺旋溝部の端部に移動したときの状態を示す展開図である。
【図14】空調風の車内への送風状態を示すもので、(a)は乗員に直接空調が吹き掛かった状態を示す平面図、(b)はグリルを回転させて乗員に直接空調風が吹き掛からないようにした状態を示す平面図である。
【図15】グリルに形成したつまみ部を摘んで手動でグリルをダクトから引き出し可能とした例を示すもので、(a)はグリルの収納状態の斜視図、(b)はグリルの引き出し状態の斜視図である。
【図16】グリルの外周部にすり鉢状のグリル保持用くぼみ部を形成して手動でグリルをダクトから引き出し可能とした例を示すもので、(a)はグリルの収納状態の斜視図、(b)はグリルの引き出し状態の斜視図である。
【図17】グリルの収納は手動とし引き出しは自動とした例を示すもので、(a)はコイルスプリングの反力を利用してグリルを自動的に引き出す(上昇)ように構成した吹き出し構造の断面図であり、(b)はグリルに形成された昇降リブを係止させる昇降リブ引っ掛け部をハウジングに形成した部分の要部の斜視図である。
【図18】従来のグリルを示すもので、(a)はインストルメントパネルに対するグリルの配置位置を示す斜視図、(b)はグリルの斜視図である。
【図19】従来のグリルを示すもので、ルーバーを完全に閉じることができる構造としたグリルの斜視図である。
【図20】従来のグリルを示すもので、スイングルーバーとしたグリルの斜視図である。
【符号の説明】
1…グリル
2…ハウジング
3…フィニッシャリング
4…昇降駆動装置(昇降手段)
5…インストルメントパネル
6…天板部
7…ベント吹き出し口
9 シャフト挿入部
10 突起部(回転可能機構)
11…昇降リブ
14…シャフトガイド部
18…昇降用ガイド溝
20 開口孔
28…昇降用シャフト
30…ガイド溝
30a ストレート溝部
30b 螺旋溝部(回転可能機構)
34 駆動モータ
35〜40 ギア機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空調装置の吹き出し口構造に関し、特に、空調装置が可動していないときには、吹き出し口を有したグリルをインストルメントパネル内部に収納してインストルメントパネル面との均一性を持たせた自動車用空調装置の吹き出し口構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用空調装置のグリル(空調風吹き出し口)101は、通常、図18(a)に示すように、インストルメントパネル102の中央、左端及び右端に配置されている。グリル101の吹き出し方向の調整は、グリル本体又はグリル内部に設けられた風向制御板(以下、ルーバーという)を向けたい方向へ操作することで可能となる。例えば、図18(b)に示すグリル101では、側面に設けられたつまみ103を回すことでルーバーの向きを調整することができる。
【0003】
図19に示すグリル104は、インストルメントパネル102の見栄えや質感を向上させる目的で、ルーバー105を完全に閉じることができる構造としたものである。図面に向かって左側がルーバー105を閉じた状態、右側がルーバー105を開いた状態である。このように、ルーバー105を完全に閉じることができるように構成すれば、インストルメントパネル102の凹凸感が無くなり、運転者などの乗員に対して質感や高級感を与えることができる。
【0004】
また、図20に示すグリル106は、空調装置から供給される空調風を自動的に制御する機能を持たせた、いわゆるスイングルーバーと呼ばれるグリルである。このグリル106は、ルーバーを左右方向に可動自在とすることで、空調風を矢印で示す向きに風向制御できる。このため、適度な温度の送風を左右にスイングさせながら吹き出させることにより、乗員により快適な環境を提供することができる。
【0005】
また、この他、グリルの一部に装飾パネルを設け、このグリルをインストルメントパネルに対して回転可能とし、空調装置を使用しないときには、グリルを回転させて装飾パネルをインストルメントパネルの一部として使用することで、当該インストルメントパネルの質感や高級感を与えるようにしたグリルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−250356号公報(第2〜3頁、第3図、第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の自動車用空調装置のグリルにあっては、常時インストルメントパネルにグリルの開口又は開口部枠形状があるため、インストルメントパネルのデザインの自由度が無く、質感や高級感を出すことが難しい。
【0008】
また、ルーバー角度によっては、空調風に対して抵抗が高くなり、風量の減少につながる。スイングルーバーにおいても、上記ルーバーの問題を抱えており、また駆動装置自体が単に左右に風を振り分ける駆動しかできないため、乗員の快適性の向上にはつながらないことはもちろん、部品コストの増加を招く。
【0009】
また、特許文献1に記載のグリルでは、インストルメントパネルの質感や高級感を出すことができるものの、装飾パネルを回転させるためにリンク機構を採用するため構造が複雑で且つ空調風を左右方向に吹き出させることができない。
【0010】
そこで本発明は、空調装置が稼動していない時には、グリルをインストルメントパネル内部に収納して当該インストルメントパネル面との均一性を確保してインストルメントパネルの見栄えや質感を向上させると共に、空調装置の稼動時には、グリル自体が首を振るスイング形式とすることで広範囲に空調風を吹き出させることのできる自動車用空調装置の吹き出し口構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インストルメントパネルに形成された開口孔に取り付けられる自動車用空調装置の吹き出し口構造において、前記自動車用空調装置から供給された空調風を室内に吹き出すベント吹き出し口を側面に有すると共に天面に前記開口孔を塞ぐ天板部を有したグリルと、前記グリルを前記インストルメントパネルの開口孔に対して出没自在とし、前記開口孔を前記天板部で閉塞する収納状態と、前記グリルをインストルメントパネルの開口孔より突出させる突出状態とする昇降可能手段とを備え、且つ前記グリルが前記インストルメントパネルの開口孔より突出して最大高さ位置となったときのみに、前記グリルを回転自在とすると共にグリルの回転時は昇降を抑止する回転可能機構を有したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降可能手段は、前記グリルに形成した昇降リブと、前記昇降リブをガイド溝に摺動自在に係合させて前記グリルをスライド自在に収納させるハウジングとを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記ガイド溝の上昇側の終端に続いて、昇降リブの左右方向の移動のみを許容する一方、昇降リブの昇降方向の移動を抑止する空隙周溝部を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降可能手段は、シャフトを上下動させて前記グリルを自動的に昇降動させると共に左右に回転させる昇降駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記グリルに前記シャフトを挿入させるシャフト挿入部を形成すると共にこのシャフト挿入部に突起部を形成し、前記突起部を係合挿入させるストレート溝部とこのストレート溝部に連続して屈曲する螺旋溝部とからなるガイド溝を前記シャフトの表面に形成し、前記シャフトを上下動させたときに前記ガイド溝に沿って移動する前記突起部の位置に応じて前記グリルが昇降し又は前記グリルが回転することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記突起部が前記ストレート溝部と前記螺旋溝部とが連結される連結部に位置したときに、前記グリルが前記シャフトによって昇降されることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、請求項5記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記グリルが最大高さ位置まで上昇されて初めて前記突起部が前記螺旋溝部に移動可能となり、当該突起部が前記螺旋溝部を移動するときに、前記グリルが回転することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、請求項4記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降駆動装置は、駆動モータの回転運動を直線運動に変換して前記シャフトを上下動させるギア機構を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、請求項4又は請求項8に記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、前記昇降駆動装置は、前記シャフトの昇降位置を検出する位置検出手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、空調装置が稼働していない時には、グリルをインストルメントパネル内部に収納可能とすることで、インストルメントパネルの表面との均一性を得ることができるデザインとすることができる。また、自動車用空調装置が稼働していないときには、グリルの天板部がインストルメントパネルに形成された開口孔を閉塞してグリルとインストルメントパネルとが一体化されて当該インストルメントパネルの質感及び高級感を向上させることができる。さらに、自動車用空調装置を稼働させるときには、グリルをインストルメントパネルより突出させてグリルのベント吹き出し口から空調風を吹き出させることができると共に、回転可能機構によりグリル自体が首を振るスイング形式をとることで、より広い角度に開口を向けることができるため、広い範囲に空調風を吹き出すことができる。しかも左右のスイングがグリルの突出最大高さ位置のみで行えるようにしてあるので、グリルが不意に格納することがない。
【0021】
請求項2の発明によれば、ハウジングに形成されたガイド溝にグリルに形成した昇降リブを挿入係合させていることから、ガイド溝に沿ってグリルを直線上にスムーズに昇降動させることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、左右方向にフリー状態となった昇降リブを左右方向にスムーズに移動させることができ、それに合わせてグリルも回転させることができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、グリルの首振り機能と昇降機能を一台の昇降駆動装置で機能させることができるため、装置構成を簡略化することができる。
【0024】
請求項5及び請求項6の発明によれば、グリルの上昇時に、シャフト挿入部に形成した突起部がシャフトのガイド溝のうちストレート溝部と螺旋溝部との連結部分である屈曲部にあるため、この突起部がシャフトと連結する連結部として機能し、グリルを上方に確実に押し上げることができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、最大高さ位置からシャフトがさらに上昇すると、グリルに形成された突起部が螺旋溝部に沿って移動することにより、フリー状態にあるグリルを軸周りに確実に回転させることができる。
【0026】
請求項8の発明によれば、ギア機構により駆動モータの回転運動を直線運動に変換させてシャフトを上下方向に昇降動させることにより、シャフトをケーシングに対して上下方向に確実に進退動させることができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、位置検出手段によって昇降用シャフトを所望の高さ位置に自由に昇降動させることができる。また、位置検出手段によって検出した昇降用シャフトの上昇高さ位置のデータに基づいて制御部が制御することで、任意の角度に空調風を左右に振り分けることができる。つまり、一般的に家庭用ルームエアコンなでも実施されているように、空調風の吹き出しを自動で左右にスイングさせ均等な温度調節を行うようにすることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、本発明を自動車用空調装置の吹き出し口構造に本発明を適用したものであり、インストルメントパネル面との均一性を確保して質感及び高級感を出すと共に、広範囲に空調風を車内に吹き出させることができるようにしたものである。
【0029】
本実施形態の自動車用空調装置の吹き出し口構造は、図1及び図2に示すように、グリル1と、このグリル1を内部に収納しガイドするハウジング2と、ハウジング2の先端に取り付けられるフィニッシャリング3と、グリル1を昇降動させる昇降可能手段を構成する昇降駆動装置4とを備えている。
【0030】
グリル1は、図1及び図2に示すように、図示しない自動車用空調装置が稼動していないときにはインストルメントパネル5の表面の一部を構成する天板部6と、自動車用空調装置から供給された空調風を室内へと吹き出すためのベント吹き出し口7を有した本体部8とを有している。
【0031】
本体部8は、所定高さの円筒体として形成されており、その周面の一部に複数のベント吹き出し口7を有している。このベント吹き出し口7は、本体部8の周方向に沿って所定長さの細長いスリットとして形成され、高さ方向に所定間隔を置いて複数形成されている。
【0032】
天板部6は、本体部8に対して一体的に形成されており、前記本体部8の一端側を閉塞する。この天板部6が本体部8の一端に形成されることによって、前記グリル1は、他端側(図中下方端)を開放した筒体として形成される。この天板部6の表面6aは、インストルメントパネル5の質感及び高級感を与えるべくインストルメントパネル5の表面と同一の模様とされている。また、より質感及び高級感を与えるために、グリル1自体をインストルメントパネル5と同一の材料で形成している。
【0033】
そして、この天板部6の内面には、後述する昇降駆動装置4の昇降用シャフト28が挿入されるシャフト挿入部9が形成されている。このシャフト挿入部9は、内部に昇降用シャフト28を挿入させることのできる大きさとされた細長い円筒体として形成され、本体部8の開口側に垂下するようにして天板部6に一体化されている。このシャフト挿入部9の内壁面の一部には、昇降用シャフト28に形成されたガイド溝に係合する突起部10が形成されている。
【0034】
また、本体部8には、後述するハウジング2に形成された昇降用ガイド溝18に摺動自在に係合するされて当該ハウジング2に対してグリル1をスライド自在とするための昇降リブ11が形成されている。昇降リブ11は、本体部8の開口端に形成され、当該本体部8の周面から外方に突出して形成されている。本実施の形態では、ハウジング2に対してグリル1をバランス良く昇降動させるために、前記昇降リブ11を、円筒体をなす本体部8の均等位置とした三箇所にそれぞれ矩形状のつば部として形成してある。
【0035】
ハウジング2は、図1及び図2に示すように、グリル1を内部に遊嵌するに足る大きさのキャビティを有した筒体として形成されている。このハウジング2は、底部12と、この底部12の外周囲に立ち上がる周壁13とからなり、これら底部12と周壁13とによってグリル1を内部に遊嵌状態で収納するキャビティを形成する。
【0036】
底部12には、昇降用シャフト28を挿入させるシャフトガイド部14が形成されている。シャフトガイド部14は、内部に昇降用シャフト28を挿入させるシャフト挿入孔15を有した円筒体として形成されており、底部12の内面12a及び外面12bよりそれぞれ突出している。
【0037】
周壁13には、図示しない自動車用空調装置から供給された空調風をダクト16を介してハウジング2のキャビティ内へ導入させるための空調風取り入れ口17が形成されている。空調風取り入れ口17は、キャビティ内により多くの空調風を取り入れるべく矩形状をなす大きな開口として数カ所に形成されている。本実施形態では、3つの空調風取り入れ口17を均等位置となるように周壁13に形成してある。
【0038】
また、周壁13には、前記したグリル1をこのハウジング2に対して真っ直ぐに昇降動させるための昇降用ガイド溝18が3箇所に形成されている。これら昇降用ガイド溝18は、周壁13の開口端から底部12の近傍に亘る位置まで細長い上端が開放した縦溝として形成されている。この昇降用ガイド溝18には、グリル1に形成された昇降リブ11が挿入係合される。
【0039】
また、周壁13の開口端には、当該周壁13の周縁に沿って外方に突出したフランジ部19が形成されている。このフランジ部19は、ダクト16に形成された開口孔20の周縁部に設けられたつば部21に引っ掛けられ、前記ハウジング2を当該ダクト16内に位置決め保持させる。なお、底部12の外面12bより外側に突出したシャフトガイド部14は、ダクト16内の底面16aに形成された凹部22にその先端側部を挿入させることによって、前記ハウジング2の前記ダクト16内での位置決めがなされる。
【0040】
フィニッシャリング3は、図1及び図2に示すように、リング部23と、前記ダクト16の開口孔20の周縁部に当該フィニッシャリング3を固定させるための3カ所の係合爪部24とを有する。
【0041】
リング部23は、ハウジング2よりも大径の円環体として形成され、その中心に前記グリル1を挿通可能なグリル挿通孔25を有している。このリング部23の表面23aには、インストルメントパネルの質感及び高級感を与えるべくインストルメントパネル面5と同一の模様が施されている。また、より質感及び高級感を与えるために、フィニッシャリング3自体をインストルメントパネルと同一の材料で形成している。
【0042】
また、リング部23には、グリル1の回転状態をガイドすると共にハウジング2のダクト16からの飛び出しを規制するためのガイド片26が形成されている。かかるガイド片26は、リング部23の表面23aとは反対側の裏面に円環状をなす突起として形成されている。このガイド片26と前記したつば部21との間にハウジング2のフランジ部19が介在されることによって、前記ハウジング2のダクト16からの飛び出しが防止される。また、グリル1の昇降リブ11が前記ガイド片26によって位置規制されることにより、当該グリル1の安定した回転状態が確保される。
【0043】
係合爪部24は、フィニッシャリング3をダクト16に固定させるためのもので、前記開口孔20の周縁部に形成された係合孔27に挿入される。この係合爪部24が前記係合孔27に挿入係合されることによって、前記フィニッシャリング3がダクト16に固定される。
【0044】
昇降駆動装置4は、図1及び図2に示すように、グリル1をダクト16内から外に飛び出させる(インストルメントパネル5から室内に突出させる)と共にダクト16内に収納させるように昇降動させるための昇降用シャフト28と、この昇降用シャフト28を昇降駆動するための駆動機構部29とからなる。
【0045】
昇降用シャフト28は、駆動機構部29によって図1中矢印Xで示す上下方向に昇降動自在とされる。また、昇降用シャフト28は、単に上下方向に昇降動するだけで軸周り方向には回転しないようにされている。そして、この昇降用シャフト28には、図3に示すように、前記したグリル1のシャフト挿入部9内に形成された突起部10を挿入させて当該グリル1を左右方向に回転させるためのガイド溝30が形成されている。
【0046】
かかるガイド溝30は、図3に示すように、昇降用シャフト28の先端より軸方向に沿って形成されたストレート溝部30aと、このストレート溝部30aの端部より連続して形成される螺旋溝部30bとからなる。ストレート溝部30aは、昇降用シャフト28の先端より形成され、その先端側が開放されている。このストレート溝部30aの開放端から前記突起部10がガイド溝30内に入り込む。ストレート溝部30aの開放端から突起部10が入り込むのは、グリル1の嵌め込み時だけである。図3では、昇降用シャフト28を二周りするように螺旋溝部30bを形成してある。この螺旋溝部30bは、グリル1をどのように回転させるかによってその形状が決められ、例えば図4に示すような逆くの字形状であってもよいし、図5に示すような斜線形状であってもよい。なお、図4及び図5は、螺旋溝部30bを展開して示してある。
【0047】
駆動機構部29は、図1に示すように、ケーシング31を有し、そのケーシング31に形成された本体取付部32を例えばネジ33によって固定することで前記ダクト16の裏面に固定されている。ケーシング31内には、図6に示すように、昇降用シャフト28がこのケーシング31を貫通して設けられていると共に、この昇降用シャフト28を昇降動させるための駆動モータ34と、この駆動モータ34による回転運動を直線運動に変換させて前記した昇降用シャフト28を昇降動させるためのギア機構が設けられている。
【0048】
ギア機構は、図6及び図7に示すように、駆動モータ34の駆動ギア35に噛み合う第1の平歯車36と、この第1の平歯車36と噛み合う第2の平歯車37と、これら平歯車36、37による回転運動を直線運動に変換させる第3の歯車38、第4の歯車39及び第5の歯車40とからなる。
【0049】
第3の歯車38は、第2の平歯車37と噛み合う平歯車41と傘歯車42とが一体化された歯車とされている。第4の歯車39は、第3の歯車38の傘歯車42と噛み合う通常の傘歯車である。第5の歯車40は、第4の歯車39と噛み合う傘歯車43とピニオンギア44とが一体化された歯車とされている。ピニオンギア44は、前記した昇降用シャフト28の基端側に形成されたラックギア45と噛み合うようになっている。
【0050】
前記した各ギアからなるギア機構は、駆動モータ34の回転運動を直線運動に変換し、最終的にピニオンギア44とラックギア45とによって前記昇降用シャフト28を上下方向に昇降動させる。これにより、昇降用シャフト28は、ケーシング31に対して上下方向に進退操作自在となる。
【0051】
また、この昇降駆動装置4には、昇降用シャフト28の昇降位置を検出するための位置検出手段(図示省略)が設けられている。位置検出手段は、前記したギア機構からギアの回転位置を検出することによって昇降用シャフト28の昇降位置を検出する。この位置検出手段を設けることによって、昇降用シャフト28を所望の高さ位置に自由に昇降動させることが可能となる。
【0052】
次に、上述のように構成された自動車用空調装置の吹き出し構造の動作について説明する。先ず、簡単にその動作について説明すると、空調装置が稼動していないときには、インストルメントパネル5の表面の質感及び高級感を出すために、図8(a)で示すように、ダクト16の開口孔20をグリル1によって塞いだ状態とし、空調装置の稼動時には、図8(b)で示すように、グリル1をインストルメントパネル5の表面より室内へ突出させる。そして、インストルメントパネル5の表面より突出したグリル1を図9に示すように回転させることによって、車内に空調風を吹き出させるようにする。
【0053】
先ず、グリル1を昇降動させる動作について説明する。インストルメントパネル5と天板部6とがほぼ面一となったグリル収納状態(図8(a)参照)からインストルメントパネル5の表面より室内にグリル1が突出した状態(図8(b)参照)とするには、次のように制御する。例えば、車内の空調装置のスイッチを入れると、駆動モータ34が駆動し、その駆動モータ34の回転運動が前記したギア機構によって直線運動に変換される。
【0054】
そして、この変換された直線運動によって前記昇降用シャフト28は、図10(a)に示すインストルメントパネル5に形成された開口孔20を前記グリル1の天板部6によって閉じた状態から除々に上昇されて行く。この昇降用シャフト28の上昇に伴って、前記グリル1が、当該昇降用シャフト28と共に上昇して行く。すなわち、グリル1の上昇時は、シャフト挿入部9に形成した突起部10が昇降用シャフト28のガイド溝30のうちストレート溝部30aと螺旋溝部30bとの連結部分である屈曲部にあるため、この突起部10が昇降用シャフト28と連結する連結部として機能し、前記グリル1を上方に押し上げる。
【0055】
また、グリル1は、ハウジング2に形成された昇降用ガイド溝18に当該グリル1に形成した昇降リブ11を挿入係合させていることから、グリル1は左右に回転することなく当該昇降用ガイド溝18に沿って真っ直ぐに上昇する。このため、グリル1は、ハウジング2に対してふらつくことなく直線上にスムーズに上昇する。
【0056】
そして、昇降用シャフト28が、図10(b)に示す上昇中間点の状態から同図(c)に示す最大高さ位置に上昇すると、この昇降用シャフト28によってグリル1も最上昇高さ位置に押し上げられる。そして、このグリル1の最大上昇高さ位置では、前記した昇降リブ11がフィニッシャリング3のリング部23に当接する。これにより、グリル1は、その上昇最大高さ位置が決められ、それ以上上昇しないことになる。
【0057】
図10(c)に示すように、グリル1が最大高さ位置まで昇降用シャフト28によって上昇されると、昇降リブ11は、図1に示すように、前記昇降用ガイド溝18から外れてハウジング2のフランジ部19とフィニッシャリング3のリング部23との間の周方向に延びた溝状の空隙部に入り込む。つまり、グリル1が最大高さ位置まで上昇されると、グリル1はフィニッシャリング3によって上昇高さ位置が規制されると同時にハウジング2から抜け出て左右にフリーの状態になる。
【0058】
この最大高さ位置からさらに昇降用シャフト28を上昇させると、グリル1はハウジング2に対して左右に自由に動くことができるフリーな状態にあるから、左右方向に回転する。すなわち、この最大高さ位置から昇降用シャフト28がさらに上昇すると、グリル1に形成された突起部10は、ここから初めて螺旋溝部30bに沿って移動することになる。この突起部10が螺旋溝部30bに沿って移動することにより、フリー状態にあるグリル1は左右方向(軸周りに右方向又は左方向)に回転する。これらグリル1の突起部10と昇降用シャフト28の螺旋溝部30bとでグリル1がインストルメントパネル5の開口孔20より突出して最大高さ位置となったときに、グリル1を回転自在とする回転可能機構が構成される。
【0059】
例えば、図11(b)に示すように、昇降用シャフト28が上昇して突起部10が螺旋溝部30bの入口近傍に移動したときには、グリル1が回転して当該グリル1に形成されたベント吹き出し口7が同図(a)に示す位置に回転し、空調風を矢印方向に吹き出す。この状態から昇降用シャフト28がさらに上昇して突起部10が、図12(b)で示す位置に移動したときには、グリル1はさらに同方向に回転してベント吹き出し口7より空調風を同図(a)で示す方向に吹き出す。そして、さらに昇降用シャフト28が上昇して突起部10が、図13(b)で示す螺旋溝部30bの端部に移動したときには、グリル1がさらに同方向に回転してベント吹き出し口7より空調風を同図(a)で示す方向に吹き出す。
【0060】
この一方、昇降用シャフト28を下降させて行くと、昇降リブ11は、ハウジング2のフランジ部19により下方への移動が規制されているので、前記した動作とは反対にグリル1は先の回転方向とは反対方向に回転する。そして、突起部10がストレート溝部30aと螺旋溝部30bの連結部となる屈曲部に到達すると、昇降リブ11が下方への移動がフリーとなったハウジング2の昇降用ガイド溝18と対向する位置になる。そして、この状態から昇降用シャフト28をさらに下降させて行くと、前記昇降用ガイド溝18に前記昇降リブ11が案内されてグリル1がハウジング2内に収納されて行く。
【0061】
以上のようにして昇降用シャフト28を昇降動させれば、グリル1は右から左にまたその逆の回転動作を連続することになる。このときの昇降用シャフト28の昇降高さ位置は、前記した昇降駆動装置4に設けた位置検出手段によって検出されている。したがって、この位置検出手段によって検出した昇降用シャフト28の上昇高さ位置のデータに基づいて制御部が制御することで、任意の角度に空調風を左右に振り分けることができる。つまり、一般的に家庭用ルームエアコンなどでも実施されているように、空調風の吹き出しを自動で左右にスイングさせ均等な温度調節を行うようにすることが可能となる。
【0062】
例えば、図14(a)に示すように、乗員46に直接空調風(矢印で示す)が吹き掛かると乗員46に不快感を与えるため、乗員46に向かって空調風を吹きかける角度にグリル1が回転した場合には、同図(b)に示すようにグリル1の向きを変えたり或いは風量を減少させる。また、このようにグリル1を回転させて空調風をいわばスイングさせることができるため、スイング動作の右、左の両端部においては、後部席の乗員47への空調風供給が可能となるため、空調風風量を増大することにより、室内全体の温度調節が可能となる。
【0063】
以上では、グリル1の左右回転の様子を、図5に開示した斜線形状で説明したが、図4に開示した逆く字状の場合は、シャフト28の一回の上昇だけで、グリル1を右回転から左回転に回転方向を変化させることができる。即ち、図4中の実線矢印で示す場合が、シャフト28の上昇時の突起部10の螺旋溝部30b内での移動を示すことになるが、まずストレート溝部30aに繋がる最初の螺旋溝部30bでは、シャフト28の上昇に伴い、グリル1は例えば右回転し、その後続く逆方向に屈曲した螺旋溝部30bでは、シャフト28の上昇に伴い、先とは反対の左回転するようになっている。尚、グリル1を確実にハウジング2内に格納するためには、回転し始めた元のグリル1が上昇しきった位置に戻す必要性から、シャフト28の上昇時の左回転となる螺旋溝部30bの終端は右回転の開始位置とはシャフト28の周方向で異なるようにしてある。
【0064】
前記実施形態では、昇降駆動手段4を使用して自動的にグリル1を昇降動させたが、手動でグリル1を昇降動させるようにしてもよい。図15は、グリル1の天板部6に指先で摘んでグリル1をダクト16から引き出すためのつまみ部48を形成した例を示す。つまみ部48は、天板部6に平面半円弧状の窪み49を所定間隔を置いて形成することによって、当該天板部6のほぼ中央に形成されている。図15(a)に示す収納状態から前記つまみ部48を指先で摘んで引っ張り上げれば、グリル1をインストルメントパネル面5から室内へ引き出すことができる。グリル1を引き出した後は、ユーザがこのつまみ部48を摘んで左右に回転させれば、任意の方向に空調風を吹き出させることができる。
【0065】
この他、図16に示すように、グリル1の外周部(ダクト16)をすり鉢状に彫りこんだグリル保持用くぼみ部50を形成することにより、グリル1を手動で引き出すこともできる。
【0066】
また、グリル1をダクト16内に収納するときには手動とし、ダクト16からグリル1を引き出すときには自動としてもよい。例えば、図17に示すように、シャフト挿入部9の外周にコイルスプリング51を装着させると共に、そのコイルスプリング51の一端をシャフトガイド部14の先端に当接させ且つ他端をシャフト挿入部9に形成したバネ受け部52に係止させる。さらに、ハウジング2の昇降用ガイド溝18の基端部に、グリル1の昇降リブ11を係止させる昇降リブ引っ掛け部53を形成する。
【0067】
このように構成することによって、前記グリル1をダクト16から引き出す場合には、昇降リブ11を前記昇降リブ引っ掛け部53から外す方向にグリル1を回転させるだけで、自動的にコイルスプリング51の反力によってグリル1自体が押し上げられる。一方、グリル1をダクト16内に収納させるには、天板部6をインストルメントパネル5と面一となるまでグリル1を押し込んだ後、昇降リブ11が昇降リブ引っ掛け部53に係止される方向にグリル1を回転させる。
【0068】
以上の手動式の昇降手段によるグリル1であっても、グリル1を最上昇高さ位置で左右に回転させれば、ハウジング2のフランジ部19により下方移動が抑えられるので、車両の振動などの不意な入力で、グリル1が下降してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の自動車用空調装置の吹き出し口構造の断面図である。
【図2】本発明の実施形態の自動車用空調装置の吹き出し口構造の分解斜視図である。
【図3】昇降用シャフトに形成されたガイド溝を示す斜視図である。
【図4】昇降用シャフトに形成されたガイド溝の一例を示すもので、そのガイド溝を展開して示した展開図である。
【図5】昇降用シャフトに形成されたガイド溝の他の例を示すもので、そのガイド溝を展開して示した展開図である。
【図6】昇降駆動装置の駆動機構部を示す平面図である。
【図7】駆動機構部の一部を構成するギア機構を示す斜視図である。
【図8】グリルを昇降動自在とした吹き出し口構造を示すもので、(a)はグリルでダクトの開口孔を塞いだグリル収納状態を示す斜視図、(b)はグリルを上昇させたグリル上昇時の状態を示す斜視図である。
【図9】グリルの回転動作を示すもので、(a)はグリルを左に回転させた状態を示す斜視図、(b)はグリルを中央位置に回転させた状態を示す斜視図、(c)はグリルを右に回転させた状態を示す斜視図である。
【図10】グリルの上昇状態を示すもので、(a)はグリルの上昇時の状態を示す断面図、(b)はグリルの上昇中間時の状態を示す断面図、(c)はグリルの上昇終了時の状態を示す断面図である。
【図11】(a)は螺旋溝部を移動する突起部の移動位置に応じてグリルが回転する状態を示す平面図で、(b)は突起部が螺旋溝部の入口近傍に移動したときの状態を示す展開図である。
【図12】(a)は螺旋溝部を移動する突起部の移動位置に応じてグリルが回転する状態を示す平面図で、(b)は突起部が螺旋溝部の入口近傍からさらに移動したときの状態を示す展開図である。
【図13】(a)は螺旋溝部を移動する突起部の移動位置に応じてグリルが回転する状態を示す平面図で、(b)は突起部が螺旋溝部の端部に移動したときの状態を示す展開図である。
【図14】空調風の車内への送風状態を示すもので、(a)は乗員に直接空調が吹き掛かった状態を示す平面図、(b)はグリルを回転させて乗員に直接空調風が吹き掛からないようにした状態を示す平面図である。
【図15】グリルに形成したつまみ部を摘んで手動でグリルをダクトから引き出し可能とした例を示すもので、(a)はグリルの収納状態の斜視図、(b)はグリルの引き出し状態の斜視図である。
【図16】グリルの外周部にすり鉢状のグリル保持用くぼみ部を形成して手動でグリルをダクトから引き出し可能とした例を示すもので、(a)はグリルの収納状態の斜視図、(b)はグリルの引き出し状態の斜視図である。
【図17】グリルの収納は手動とし引き出しは自動とした例を示すもので、(a)はコイルスプリングの反力を利用してグリルを自動的に引き出す(上昇)ように構成した吹き出し構造の断面図であり、(b)はグリルに形成された昇降リブを係止させる昇降リブ引っ掛け部をハウジングに形成した部分の要部の斜視図である。
【図18】従来のグリルを示すもので、(a)はインストルメントパネルに対するグリルの配置位置を示す斜視図、(b)はグリルの斜視図である。
【図19】従来のグリルを示すもので、ルーバーを完全に閉じることができる構造としたグリルの斜視図である。
【図20】従来のグリルを示すもので、スイングルーバーとしたグリルの斜視図である。
【符号の説明】
1…グリル
2…ハウジング
3…フィニッシャリング
4…昇降駆動装置(昇降手段)
5…インストルメントパネル
6…天板部
7…ベント吹き出し口
9 シャフト挿入部
10 突起部(回転可能機構)
11…昇降リブ
14…シャフトガイド部
18…昇降用ガイド溝
20 開口孔
28…昇降用シャフト
30…ガイド溝
30a ストレート溝部
30b 螺旋溝部(回転可能機構)
34 駆動モータ
35〜40 ギア機構
Claims (9)
- インストルメントパネル(5)に形成された開口孔(20)に取り付けられる自動車用空調装置の吹き出し口構造において、
前記自動車用空調装置から供給された空調風を室内に吹き出すベント吹き出し口(7)を側面に有すると共に天面に前記開口孔(20)を塞ぐ天板部(6)を有したグリル(1)と、
前記グリル(1)を前記インストルメントパネル(5)の開口孔(20)に対して出没自在とし、前記開口孔(20)を前記天板部(6)で閉塞する収納状態と、前記グリル(1)をインストルメントパネル(5)の開口孔(20)より突出させる突出状態とする昇降可能手段(4,11,18,51)とを備え、且つ前記グリル(1)が前記インストルメントパネル(5)の開口孔(20)より突出して最大高さ位置となったときのみに、前記グリル(1)を回転自在とすると共にグリル(1)の回転時は昇降を抑止する回転可能機構(10,30b,11,19,23)を有したことを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項1に記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記昇降可能手段(4)は、前記グリル(1)に形成した昇降リブ(11)と、前記昇降リブ(11)をガイド溝(18)に摺動自在に係合させて前記グリル(1)をスライド自在に収納させるハウジング(2)とを備えたことを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項2記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記ガイド溝(18)の上昇側の終端に続いて、昇降リブ(11)の左右方向の移動のみを許容する一方、昇降リブ(11)の昇降方向の移動を抑止する空隙周溝部(19,23)を備えたことを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記昇降可能手段(4)は、シャフト(28)を上下動させて前記グリル(1)を自動的に昇降動させると共に左右に回転させる昇降駆動装置を備えたことを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項4記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記グリル(1)に前記シャフト(28)を挿入させるシャフト挿入部(9)を形成すると共にこのシャフト挿入部(9)に突起部(10)を形成し、前記突起部(10)を係合挿入させるストレート溝部(30a)とこのストレート溝部(30a)に連続して屈曲する螺旋溝部(30b)とからなるガイド溝(30)を前記シャフト(28)の表面に形成し、前記シャフト(28)を上下動させたときに前記ガイド溝(30)に沿って移動する前記突起部(10)の位置に応じて前記グリル(1)が昇降し又は前記グリル(1)が回転することを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項5記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記突起部(10)が前記ストレート溝部(30a)と前記螺旋溝部(30b)とが連結される連結部に位置したときに、前記グリル(1)が前記シャフト(28)によって昇降されることを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項5記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記グリル(1)が最大高さ位置まで上昇されて初めて前記突起部(10)が前記螺旋溝部(30b)に移動可能となり、当該突起部(10)が前記螺旋溝部(30b)を移動するときに、前記グリル(1)が回転することを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項4記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記昇降駆動装置(4)は、駆動モータ(34)の回転運動を直線運動に変換して前記シャフト(28)を上下動させるギア機構(35〜40)を備えたことを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。 - 請求項4又は請求項8に記載の自動車用空調装置の吹き出し口構造であって、
前記昇降駆動装置(4)は、前記シャフト(28)の昇降位置を検出する位置検出手段を備えたことを特徴とする自動車用空調装置の吹き出し口構造。
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