JP2004199051A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
Description
電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
ことが挙げられ、繰り返し使用する場合に、帯電性の低下、残留電位の上昇等の電気的安定性の悪化、およびそれに伴う画像不良が起こることが問題となっている。またこれとは別に、機械的な劣化として、クリ−ニングブレ−ド、磁気ブラシなどの摺擦や現像剤、紙との接触等による感光層表面の摩耗や傷の発生が起きる場合が多く、画像欠陥になり易い。このような、感光体の化学的、機械的劣化は、直接画像品質を損うため感光体の寿命を制限する大きな要因となっている。すなわち高寿命の感光体を開発するためには化学的耐久性を高めると同時に、機械的特性(摩擦、摩耗)を高めることも必須条件である。
樹脂によっても大きく変わることが知られている。現在使用されているポリカーボネート樹脂と同等以上の耐久性を示し、かつ電気特性面でもひけをとらず、感光体製造面でも問題の無いバインダー樹脂はほとんど無く、このような、耐久性と電気特性のバランスの取れたバインダー樹脂を有する感光体の開発が切望されていた。
参照)。
また、特定構造のビスフェノール成分を用いたポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いることで、電気特性面では上述の「U−ポリマー」並であるものの、溶解性、および溶液安定性が向上することが開示され、その中でも特に、特定の動粘度範囲をもつポリエステル樹脂を使用した電子写真感光体が機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが示されている(例えば、特許文献4 参照)。
ミン化合物を使用した場合、機械的な耐久性に優れ、しかも電気特性を損ねることなく特異的に化学的劣化を防ぎ、結果として繰り返し使用した際の電気的安定性、ひいては画質の安定性を大幅に向上することができることを見出し、本発明に至った。
基を表す。
アミン化合物とポリアリレート樹脂は、感光層であればどのような層中に含まれていても構わないが、少なくとも最外層が含有していることが好ましく、電荷輸送物質を含有する層が含有していることがより好ましい。特に好ましくは、積層型感光体の電荷輸送層が含有する。
<アミン化合物>
本発明におけるアミン化合物は、適度な塩基性と、電荷輸送材料の酸化電位、またはイオン化電位よりも大きい酸化電位、またはイオン化電位を有していることが、電気特性の安定化のために重要である。また、アミノ残基(>NH)を有していると、電気特性に顕著に悪影響を及ぼすので、好ましくない。また、沸点が100℃以下の化合物も、感光体作成時の乾燥工程で揮発してしまう可能性が高いため、好ましくない。このようなアミン化合物は、酸化防止剤として多種のものが知られているが、本発明においては、その中でも下記一般式(1)で表されるアミン化合物を用いる。
基を表す。
X1〜X3に用いることができる置換基を有してもよいアルキル基としては、通常、置
換基を含まないアルキル基部分の炭素数が1〜20、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜5のものが用いられ、直鎖または分岐の鎖状構造でも、環状構造でも構わない。これらのアルキル基の中でも、直鎖状のものが好ましい。
より具体的には、置換基を含まないアルキル基部分が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、1-メチルヘプチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、であるものがあげられる。
X3に用いることができる置換基を有してもよいアリール基として好ましい具体的な例としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、2,4-キシリル基、3,4-キシリル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、メシチル基が、あげられる。
は、例えば、フェニル基、トリル基、クメニル基、ナフチル基、フェナントリル基等のアリール基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシフェニル基;ヒドロキシル基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;カルボキシル基;エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;カルバモイル基;フェノキシ基等のアリーロキシ基;ベンジルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニロキシカルボニル基等のアリーロキシカルボニル基等が挙げられる。中でもアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシフェニル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシフェニル基が好ましく、特に、メチル基、フェニル基、メトキシ基、メトキシフェニル基、ヒドロキシル基が、好適に用いられる。これらの中でも特に、t-ブチル基、デシル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニル基、m-トリル基のような、立体構造的に嵩高いものが好ましい。
ンジル基、α-メチルベンジル基、フェネチル基のようなアラルキル基を有する化合物が
、適度な塩基性と酸化電位を有し、オゾンやNOxといったガスをトラップする機能に優れるため、好ましい。中でも、X1〜X3の中の2つ以上がベンジル基またはフェネチル基であることが好ましく、X1〜X3の全てがベンジル基またはフェネチル基であることがさらに好ましい。
一般式(1)で示される化合物の、好ましい具体例を下記に示す。
本発明のポリアリレート樹脂は、電子写真感光体の導電性支持体上に設けられる感光層を結着し、高い機械的安定性を与える。該ポリアリレート樹脂は、電子写真感光体に使用可能なものであればどのようなポリアリレート樹脂でも構わないが、通常、ジヒドロキシ成分とジカルボン酸成分のエステル結合からなる樹脂である。ジヒドロキシ成分としては、構造中に芳香族環を有するものがあげられる。ジカルボン酸成分としては、置換基を有してもよい鎖状構造のアルキレン残基;置換基を有してもよい環状構造のアルキレン残基;アルキリデン残基、フェニレン残基、ビフェニレン残基、ナフチレン残基等のアリーレン残基;ジフェニルエーテル残基に、2つのカルボン酸基が結合したものがあげられる。
しては、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族基があげられる。これらの置換基の中でも、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族基が好ましい。
Yは、単結合または2価基を示す。2価基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の鎖状構造のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の鎖状構造のアルキリデン基、置換基を有していてもよい炭素数3〜6の環状構造のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3〜6の環状構造のアルキリデン基、−O−、−S−、−CO−または−SO2−があげられる。炭素数1〜6の鎖状構造のアルキレン基が有する
置換基としては、アリール基が好ましく、特にはフェニル基が好ましい。
4,4’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ−(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ−(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニルが、あげられる。
ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[フェノール]、4,4’−[1,
4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、
4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−
トリメチルフェノール]、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フェノールフタルレイン、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]
ビスフェノール、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン
、(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、があげられる。
シフェニル)プロパン、2−ヒドロキシフェニル(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、があげられる。
本発明の感光層に用いるポリアリレート樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができる。例えば界面重合法、溶融重合法、溶液重合法などがあげられる。
例えば、界面重合法による製造の場合は、ビスフェノール成分をアルカリ水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸クロライド成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合する。この際、触媒として、四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重合温度は0〜40℃の範囲、重合時間は2〜12時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂を得られる。
また、ここで用いられる、ハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。
触媒として用いられる四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩としては、トリブチルアミンやトリオクチルアミン等の三級アルキルアミンの塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
換体等の一官能性の酸ハロゲン化物を存在させてもよい。
本発明の式(2)の構造から成るポリアリレート樹脂は、粘度平均分子量が8,000未満であると樹脂の機械的強度が低下し実用的でないため、通常8,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、粘度平均分子量が300,000以上であると導電性支持体上に該感光層を形成する際、適当な膜厚に塗布する事が困難となることから、通常300,000以下、好ましくは100,000以下、さらに好ましくは60,000以下である。
電子写真感光体の導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウムスズ)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでもよい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することもある。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いてもよいし複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はス
テアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独または硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加してもよい。前記導電性支持体上に形成された感光層としては、分散型、積層型のいずれであってもよい。
感光層に用いる電荷発生物質としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
特に感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II相として示されており(Zeit.Kristallogr.159(1982)173)、A型は安定型として知られているものである。D型は、CuKα特性X線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜の27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。この結晶型では、他に9.5°,15.0°,24.1°に比較的明瞭なピークを持つことがある。フタロシアニン化合物は単一の化合物のみを用いてもよいし、いくつかの混合または混晶状態でもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合して用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、2種類の結晶を混合後に機械的に摩砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
積層型感光層の電荷発生層の場合、これらの電荷発生物質は、たとえばポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。電荷発生物質の比率は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は、通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
電荷輸送物質としては公知のものが使用可能であるが、2,4,7−トリニトロフルオレノンなどの芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン類などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、またはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質があげられる。
これらの中でもカルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されてなるものが好ましい。
これら電荷輸送物質は単独で用いてもよいし、いくつかを混合して用いてもよい。
上記の電荷輸送材料が、バインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成される。積層型感光層の電荷輸送層は、単一の層から成っていてもよいし、構成成分または組成比の異なる複数の層を重ねたものでもよい。電荷輸送層を決着するバインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂を含有していることが好ましい。
なお、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤などの添加物を含有させてもよい。
分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前記電荷発生物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
加されていてもよい。
感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいてもよい。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいてもよい。
これらの感光体を構成する各層は、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等により塗布して形成される。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
塗布液の作成に用いられる溶媒または分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル、等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を併用して用いられる。
このようにして得られた本発明の電子写真感光体は長期間にわたって優れた耐刷性と滑り性を維持し、複写機、プリンター、ファックス、製版機等の電子写真分野に好適である。
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。
暗部電位を一定に保つため、スコロトロン帯電が好ましい。導電性ローラー等を用いた接触帯電装置の場合の帯電方式としては、直流帯電または交流重畳直流帯電を用いることができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーT
の帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
[粘度平均分子量の測定]
バインダー樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調整した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を
用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(14.01g)とH2O(1120ml)を量り取
り、窒素バブリングしながら攪拌し溶解させた。そこにベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.1744g)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[以下、テトラメチルビスフェノールFまたはTmBPFということがある](23.79g)およびビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシメチルフェニル)メタンの混合物[本州化学(株)製 BPF−D;p,p’:o,p’:o,o’=約35:48:1
7] (7.96g)を添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。その後2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−フェノール(0.712g)を添加した。
20ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(3000ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して下記構造のポリアリレート樹脂Aを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量は36,700であった。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(5.15g)とH2O(426ml)を量り取り、
窒素バブリングしながら攪拌し溶解させた。そこにp−tert−ブチルフェノール(0
.2155g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0632g)および2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン [テトラメチルビスフェノールF] (12.68g)の順に添加、攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
別途、イソフタル酸クロライド(3.12g)、テレフタル酸クロライド(7.14g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し200ml滴下ロート内に移した。
した。その後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(400ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(400ml)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(400ml)にて洗浄を2回行った。
実施例1
CuKα特性X線に対するX線回折スペクトルが、ブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に主たる回折ピークを示すD型オキシチタニウムフタロシアニン10重量部と、150重量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 を混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作成した。
先に作成した顔料分散液160重量部に、バインダー溶液100重量部、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0重量%の電荷発生層形成用の塗布液を作成した。
次に、以下に示す、(i),(ii),(iii)で表される構造異性体の混合物からなる電荷輸送性化合物40重量部、製造例1で製造したポリアリレート樹脂A100重量部、酸化防止剤として下記構造式で示す酸化防止剤、チバガイギー製:商品名IRGANOX 1076(以下、Irg
1076 ということがある)8重量部、ならびに例示化合物(1)のアミン化合物1重量部
、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.03重量部を、テトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(混合比80:20)640重量部と混合して電荷輸送層形成用の塗布液を作成した。
この塗布液を、先にフィルム上に作成した電荷発生層の上に塗布し、125℃で20分間乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmとなるように電荷輸送層を設け、電子写真感光体を作成した。
実施例1の電荷輸送層形成用の塗布液に、酸化防止剤として、Irg 1076 8重量部を混
合することなく、例示化合物(1)のアミン化合物1重量部のみを混合した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例2において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物の量を2重量部とした以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例2において、バインダー樹脂として用いた製造例1で製造したポリアリレート樹脂Aを、製造例2で製造したポリアリレート樹脂Bとした以外は、実施例2と同様に感光体を作成した。
実施例4において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物の量を2重量部とした以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例4において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物を、例示化合物(3)のアミン化合物とした以外は、実施例4と同様に感光体を作成した。
実施例4において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物を、例示化合物(6)のアミン化合物とした以外は、実施例4と同様に感光体を作成した。
実施例4において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物を、例示化合物(7)のアミン化合物とした以外は、実施例4と同様に感光体を作成した。
実施例4において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物を、例示化合物(13)のアミン化合物とした以外は、実施例4と同様に感光体を作成した。
実施例4において、酸化防止剤として用いた例示化合物(1)のアミン化合物を、例示
化合物(17)のアミン化合物とした以外は、実施例4と同様に感光体を作成した。
実施例1において、電荷輸送層形成用の塗布液に混合した酸化防止剤を、使用しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
比較例1において、電荷輸送層形成用の塗布液に酸化防止剤として、Irg 1076 8重量
部を混合した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
比較例1において、バインダー樹脂として用いた製造例1で製造したポリアリレート樹脂Aを、下記構造のポリカーボネート樹脂C(粘度平均分子量32,000)とした以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
比較例3において、電荷輸送層形成用の塗布液に酸化防止剤として、Irg 1076 8重量
部を混合した以外は、比較例3と同様にして電子写真感光体を作成した。
電子写真学会測定標準に従って作成された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、780nmの光を2.4μJ/cm2照射した時点の表面電位(以下、VLと言うことがある)を測定した。VL
測定に際しては、露光−電位測定に要する時間を139msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下で行った。この表面電位(VL)の値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示す。結果を表1に示す。
感光体シートの帯電性と、オゾン濃度150ppm雰囲気下で9時間放置した後の感光体シートの帯電性を、川口電機製EPA−8100により測定した。測定は、帯電器への流れ込み電流等の測定条件を一定にしておき、オゾン暴露後の初期表面電位(V0’)/
オゾン暴露前の初期表面電位(V0)の比(百分率)により、表面電位保持率(%)を算
出した。表面電位保持率が100%に近いほど、耐ガス性に優れることを示す。結果を表1に示す。
酸化防止剤を含有することにより、表面電位保持率が改善される程度を、改善率として評価した。改善率は、酸化防止剤を含有する感光体の表面電位保持率(%)から、酸化防止剤を含有しない感光体の表面電位保持率(%)を引いた差の数値とした。結果を表1に示す。
上記で作成したシート状の感光体の摩擦係数を、協和界面科学(株)社製全自動摩擦摩耗試験機DFPM−SSを用いて測定した。接触子には肉厚2mm、幅10mm、長さ約20mmのウレタンゴムのシートを張り付けて、このウレタンゴムのシートと感光体が、角度45゜、幅10mmで接するようにした。シート状感光体の上には、トナーを約0.1mg/cm2となるよう均一に乗せ、荷重200g、速度5mm/sec、ストローク
20mmの条件で接触子を移動させ動摩擦係数を測定した。100回移動させたときの100回目の動摩擦係数を表1に示す。
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。結果を表1に示す。
A型(β型)オキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、4−メトキシ−4−メチ
ルペンタノン−2 150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
量部を混合してバインダー溶液を作成した。
先に作成した顔料分散液160重量部に、バインダー溶液100重量部、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。
次にこのアルミニウム製チューブ上に、前記正孔輸送性化合物[1]40重量部、および製造例1で製造したポリアリレート樹脂A100重量部、酸化防止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)8重量部と例示化合物(1)1重量部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.03重量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(混合比80:20)640重量部に溶解させた液を浸せき塗布し、125℃で20分間乾燥し、乾燥後の膜厚が25μmとなるように電荷輸送層を設け、チューブ状感光体を得た。
実施例11において、電荷輸送層のバインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂Aに代えてポリカーボネート樹脂Cを用いた以外は、実施例11と同様にして感光体を作成し、カートリッジに装着し、フルカラープリンタに搭載して、実施例11と同様の評価をしたところ、感光層は約6μm摩耗し、画像にはカブリ、ゴーストなどの欠陥が見られた。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (6)
- 式(2)で表される繰り返し構造からなるポリアリレート樹脂の粘度平均分子量が、15,000〜100,000であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電
子写真感光体。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体を、静電潜像担持体として用いる画像形成装置。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体を、静電潜像担持体として用いる画
像形成装置用のカートリッジ。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体を、静電潜像担持体として用いることを特徴とする、画像形成方法。
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