JP2004190561A - スタータ用電磁スイッチ及びスタータ - Google Patents
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Abstract
【課題】プランジャ14と第1の可動接点とを連結する連結部材(フランジ部21とホルダ部)を含めた電磁スイッチの外径を小さくでき、且つ部品を追加することなく連結部材及びプランジャ14の回り止めを行うこと。
【解決手段】電磁スイッチのスイッチケース18は、励磁コイルの外周を囲む筒壁部18aを有し、この筒壁部18aの断面形状が長円形状に設けられ、且つ筒壁部18aの短径方向に対向する壁面同士が略平行な平面部18cによって形成されている。
プランジャ14には、フランジ部21が固定され、このフランジ部21の両腕部21aがスイッチケース18の短径方向両外側でホルダ部に連結され、そのホルダ部が第1の可動接点を保持している。この構成によれば、連結部材を含めたスイッチケース18の短径方向における電磁スイッチの外径を小さくできる。
【選択図】 図4
【解決手段】電磁スイッチのスイッチケース18は、励磁コイルの外周を囲む筒壁部18aを有し、この筒壁部18aの断面形状が長円形状に設けられ、且つ筒壁部18aの短径方向に対向する壁面同士が略平行な平面部18cによって形成されている。
プランジャ14には、フランジ部21が固定され、このフランジ部21の両腕部21aがスイッチケース18の短径方向両外側でホルダ部に連結され、そのホルダ部が第1の可動接点を保持している。この構成によれば、連結部材を含めたスイッチケース18の短径方向における電磁スイッチの外径を小さくできる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を始動するためのスタータに用いられる電磁スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
先に本出願人が提案した先願技術(特許文献1参照)がある。
この先願技術では、プランジャに対して可動接点を保持していた従来のロッドを廃止して、励磁コイルを収容するスイッチケースの外側にプランジャと可動接点とを連結する連結部材を配置している。その連結部材は、プランジャに固定されるフランジ部と、このフランジ部に連結される樹脂製のホルダ部とで構成され、このホルダ部が可動接点を絶縁保持している。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−110296
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の先願技術では、円筒形を有するスイッチケースの径方向両外側に連結部材が配置されるため、その連結部材を含めた電磁スイッチの外径が大きくなり、スタータへの搭載性が低下するという問題があった。
また、連結部材を介してプランジャを回り止めする必要があるため、連結部材の位置決め(回り止め)に要する部品追加によりコストアップを招くという問題もある。更に、部品を追加すると、部品間の信頼性確保のために、位置決め精度や組付け精度が要求される。
【0005】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、プランジャと可動接点とを連結する連結部材をスイッチケースの外側に配置した電磁スイッチにおいて、連結部材を含めた電磁スイッチの外径を小さくでき、且つ部品を追加することなく連結部材及びプランジャの回り止めを行うことができる電磁スイッチを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、励磁コイルの外周を覆うスイッチケースの径方向両外側を軸線方向に沿って延設された連結部材を有し、この連結部材によってプランジャと可動接点とが連結されたスタータ用電磁スイッチであり、
スイッチケースと励磁コイル及びプランジャは、それぞれ軸線と直交する断面形状が略長円形状に設けられ、連結部材は、スイッチケースの短径方向の両外側に配置され、スイッチケースの外周面をガイド面として軸線方向に可動することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、スイッチケースの短径方向に連結部材が配置されるので、その連結部材を含めたスイッチケースの短径方向における電磁スイッチの外径を小さくできる。
また、連結部材をスイッチケースの短径方向の両外側に配置しているので、連結部材がスイッチケースの長径方向へ回転することを阻止できる。つまり、位置決め用の別部品を追加することなく、連結部材の回り止めが可能となる。
【0008】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
スイッチケースは、略長円形状の短径方向に対向する二平面を有し、連結部材は、二平面の両外側に配置され、その二平面をガイド面として軸線方向に可動することを特徴とする。
この場合、連結部材をスイッチケースの凸曲面に沿って形成する必要がなく、スイッチケースの平面部に対向して平面形状にできるので、連結部材の加工が容易であり、且つ精度良く形成できる。
【0009】
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
連結部材は、プランジャの反エアギャップ側端部に固定されるフランジ部と、このフランジ部に連結される絶縁性を有したホルダ部とで構成され、このホルダ部が可動接点の外周部を両側から保持していることを特徴とする。
この構成によれば、ホルダ部によって可動接点を確実に保持できるので、作動時(プランジャが移動する時)に可動接点がふらつくことなく、安定した動作が可能となる。また、ホルダ部が絶縁性を有するので、絶縁部材を使用する必要がなく、ホルダ部によって可動接点を直接保持できるため、機械的強度も向上する。
【0010】
(請求項4の発明)
本発明は、モータの軸方向反ピニオン側に請求項1〜3に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチが配置され、その電磁スイッチのプランジャに設けられたフック部に係合するクランクバーを介してプランジャの動きがピニオン規制部材に伝達され、そのピニオン規制部材に回転規制されたピニオンをヘリカルスプラインの作用により反モータ方向へ移動させてエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータである。
このスタータは、電磁スイッチの吸引力でピニオンを軸方向に押し出す必要がないので、大きな吸引力を必要とせず、電磁スイッチを小型化できる。
【0011】
(請求項5の発明)
請求項4に記載したスタータにおいて、
電磁スイッチの外周部がエンドカバーによって覆われていることを特徴とする。本発明の電磁スイッチは、連結部材がスイッチケースの外側に配置されるので、連結部材とスイッチケースとの摺動隙間に異物が混入することを防ぐ必要がある。これに対し、スタータのエンドカバーによって電磁スイッチの外周部を覆うことにより、電磁スイッチ専用のカバーを用いる必要がない。また、専用のカバーを必要としないため、電磁スイッチの外径が大きくなることもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はスタータ1の断面図である。
本実施例のスタータ1は、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の通電電流をON/OFFする電磁スイッチ3、モータ2に駆動されて回転する出力軸4、この出力軸4上を移動可能に配置されるピニオン5、モータ2の起動時にピニオン5の回転を規制するピニオン規制部材6、及び電磁スイッチ3の吸引力を利用してピニオン規制部材6を作動させるクランクバー7等を備えている。
【0013】
モータ2は、ヨーク8、磁極9(永久磁石)、アーマチャ10、及びブラシ11(図2参照)等から構成される周知の直流電動機であり、電磁スイッチ3によってモータ接点(後述する)が閉じると、バッテリ電流がブラシ11を通じてアーマチャ10に流れることにより、アーマチャ10に回転力を生じる。
このモータ2は、ヨーク8の前端側に組み合わされるフロントハウジング12と、ヨーク8の後端側に組み合わされるエンドカバー13との間に挟持されている。
【0014】
電磁スイッチ3は、図1に示す様に、スタータ1の後部(モータ2の後側)において、内蔵するプランジャ14の動作方向(図示上下方向)がモータ2の軸方向(図示左右方向)と交差する向きに配置され、板バネから成るバンド等(図示せず)により台座15に固定されている。
この電磁スイッチ3は、IGスイッチ16(図2参照)のON操作により通電されて磁力を発生する励磁コイル17と、この励磁コイル17の外周を覆うスイッチケース18、このスイッチケース18の軸線方向一端側に配置される固定鉄心19、励磁コイル17の内径側に図示しない筒状のスリーブを摺動面として挿入される上記のプランジャ14、及びモータ接点を形成する第1接点部Aと第2接点部B(図2参照)等を備えている。
【0015】
スイッチケース18と励磁コイル17及びプランジャ14は、それぞれ軸線と直交する断面形状が長径と短径とを有する略長円形状に設けられ、且つ短径方向に対向する外周面同士が略平行な平面部によって形成されている(図4参照)。なお、略長円形状として、長径方向の外周面と短径方向の外周面とが曲率の異なる曲面で構成される略楕円形状でも良い。
スイッチケース18は、図4に示す様に、励磁コイル17の外周を囲む筒壁部18aと、励磁コイル17の他端面に対向して筒壁部18aの他端側開口部に設けられる環状の側壁部18bとで形成され、筒壁部18aの短径方向に対向する壁面同士が略平行な平面部18cによって形成されている。
【0016】
固定鉄心19は、スイッチケース18の外形と同じく略長円形状に設けられ、スイッチケース18の一端側開口部を塞いで配置され、スイッチケース18と共に固定磁路を形成している。
プランジャ14は、固定鉄心19とエアギャップG(図1参照)を有して対向し、その固定鉄心19に対し、リターンスプリング20により図示下方へ付勢されている。
プランジャ14の反エアギャップ側端面には、下述するフランジ部21と共にフック部22が圧入等により固定されている。このフック部22は、クランクバー7の一端部を係合できる様に、鉤型に設けられている(図4参照)。
【0017】
フランジ部21は、図4に示す様に、一定の幅を有する金属板を略コの字状に折り曲げて形成された一組の腕部21aを有し、この一組の腕部21aがプランジャ14の短径方向両外側に設けられ、且つスイッチケース18の外側に配置される。このフランジ部21は、ホルダ部23(図3参照)と共に本発明の連結部材を構成するもので、プランジャ14の移動に伴い、一組の腕部21aがスイッチケース18の平面部18cをガイド面として軸線方向に可動する。
【0018】
ホルダ部23は、例えば絶縁性を有する樹脂製で、スイッチケース18の平面部18cの外側でフランジ部21の腕部21aに連結され、フランジ部21と一体に可動する。但し、フランジ部21の腕部21aとホルダ部23との間には、第1接点部AがONした時に接点圧を付与する接点圧スプリング26が組み込まれており、この接点圧スプリング26を介して両者(フランジ部21とホルダ部23)が相対移動できる様に連結されている。
【0019】
第1接点部Aは、第1の可動接点24と第1の固定接点25とで構成される。
第1の可動接点24は、図3に示す様に、固定鉄心19の反エアギャップ方向に配置され、自身の外周部が両側からホルダ部23に絶縁保持されると共に、リード線11a(図1参照)を介して正極ブラシ11に接続されている。なお、フランジ部21の腕部21aとホルダ部23との間には、第1の可動接点24が第1の固定接点25に当接した時に接点圧を付与する接点圧スプリング26が組み込まれている。
第1の固定接点25は、エンドカバー13を貫通して取り付けられた端子ボルト27の頭部に接続され、第1の可動接点24と対向して配置されている。
端子ボルト27は、バッテリケーブルを介して車載バッテリ28(図2参照)に接続される。
【0020】
第2接点部Bは、第2の可動接点29と第2の固定接点30とで構成される。
第2の可動接点29は、上記のホルダ部23に弾力を持たせた導通板31(例えば銅板)を介して支持されている。なお、導通板31は、第2の可動接点29が第2の固定接点30に当接した時に、接点圧を付与する接点圧スプリングとして機能する。
第2の固定接点30は、端子ボルト27に導通板32を介して電気的に接続され、第2の可動接点29と対向して配置されている。この第2の固定接点30は、第1の固定接点25より電気抵抗の大きい材料(例えばカーボン材)を使用して形成されている。
【0021】
第1接点部Aと第2接点部Bは、モータ2の起動時にアーマチャ10の回転速度を低く抑えるために、第1接点部Aより先に第2接点部BがONする様に設けられている。具体的には、プランジャ14が初期位置(図1に示す位置)に静止している時に、第1の可動接点24と第1の固定接点25との接点間距離より第2の可動接点29と第2の固定接点30との接点間距離の方が小さくなる様に構成されている。
【0022】
出力軸4は、モータ2の前方側(図1の左側)にてモータ2の回転軸(アーマチャ軸10a)と同軸線上に配置され、一組の軸受33、34を介して回転自在に支持されている。この出力軸4は、以下に説明する減速装置と一方向クラッチを介してアーマチャ10の回転力が伝達されて回転する。
減速装置は、遊星ギヤ35の回転運動(自転運動と公転運動)によってアーマチャ10の回転を減速する遊星歯車減速装置である。
一方向クラッチは、アウタ36とインナ37との間に配置されるローラ38を介して回転トルクを断続する周知のローラ式クラッチである。
【0023】
ピニオン5は、内径側に内ヘリカルスプラインが形成され、この内ヘリカルスプラインが出力軸4に形成された外ヘリカルスプラインに噛み合って出力軸4上に配置され、ピニオンスプリング39により常時反リングギヤ方向(図1の右方向)に付勢されている。
このピニオン5は、始動時にエンジンのリングギヤ(図示しない)に噛み合うギヤ5a(以下ピニオンギヤ5aと呼ぶ)と、ピニオンギヤ5aの反リングギヤ側に設けられた大径部40とを有し、その大径部40の外径部に複数の凹部が周方向に連続して設けられている。
【0024】
ピニオン5の後側には、ピニオンギヤ5aがリングギヤに噛み合った後、ピニオン規制部材6と協働してピニオン5の後退を阻止する後退規制リング41が具備されている。
ピニオン規制部材6は、図1に示す様に、ピニオン5に設けられた大径部40の半径方向外側をピニオン5の回転方向に交差して配置され、モータ2の起動時に大径部40の凹部に係合してピニオン5の回転を規制する。
【0025】
クランクバー7は、金属製の丸棒部材によって形成され、その丸棒部材の両端側を所定角度折り曲げてクランク形状に設けられている。具体的には、丸棒部材の一端側に設けられる伝達部7aと、丸棒部材の他端側に設けられる作動部7b、及び伝達部7aと作動部7bとを繋ぐ棒状部7cとで構成される。
伝達部7aは、その先端部がプランジャ14の端面に固定されたフック部22に係合して、電磁スイッチ3の吸引力を棒状部7cに伝達する。
【0026】
棒状部7cは、ヨーク8の内側で隣合う磁極9同士の間を通り抜けてアーマチャ軸10aと略平行に配設され、一組の軸受(図示せず)により回動自在に支持されている。
作動部7bには、ピニオン規制部材6が取り付けられており、電磁スイッチ3の吸引力が伝達部7aから棒状部7cに伝達されて棒状部7cが回動すると、その棒状部7cと一体に回動してピニオン規制部材6を図1の上方へ押し上げる働きを有する。
【0027】
次に、本実施例の作動を説明する。
IGスイッチ16を閉じる(ON操作する)と、車載バッテリ28から電磁スイッチ3の励磁コイル17に電流が流れて磁力が発生し、その磁力によりプランジャ14が固定鉄心19側へ吸引され、リターンスプリング20を撓ませながら図1の上方へ移動する。このプランジャ14の移動に伴いクランクバー7が回動すると、ピニオン規制部材6が図1の上方へ移動し、大径部40の凹部に係合してピニオン5の回転を規制する。
【0028】
一方、プランジャ14が吸引されて移動することにより、先に第2接点部BがONする(第2の可動接点29が第2の固定接点30に当接する)。その結果、バッテリ電流が抑制されてアーマチャ10に流れることにより、アーマチャ10が低速度で回転する。
アーマチャ10の回転は、減速装置で減速された後、一方向クラッチを介して出力軸4に伝達され、出力軸4を回転させる。この出力軸4の回転により、ピニオン規制部材6に回転規制されているピニオン5がヘリカルスプラインの作用で出力軸4上を移動する。
【0029】
ピニオンギヤ5aがリングギヤに噛み合うと、ピニオン規制部材6が大径部40の凹部から外れて後退規制リング41の後側に入り込むことにより、ピニオン5の回転規制を解除すると共にピニオン5の後退を防止する。
その後、更にプランジャ14が移動して第1接点部AがONする(第1の可動接点24が第1の固定接点25に当接する)と、第2接点部Bが短絡されてアーマチャ10に高電流が流れるため、アーマチャ10が高速で回転し、その回転力がピニオンギヤ5aからリングギヤに伝達されてエンジンをクランキングさせる。
【0030】
以後、エンジンが始動してIGスイッチ16を開く(OFF 操作する)と、電磁スイッチ3の励磁コイル17に流れる電流が遮断されて磁力が消滅するため、プランジャ14がリターンスプリング20の反力で初期位置に押し戻される。このプランジャ14の移動に伴い、クランクバー7が始動時と反対方向に回動してピニオン規制部材6が後退規制リング41の後側から抜け出ることにより、ピニオン5の後退規制が解除され、ピニオンスプリング39の付勢力とリングギヤから受ける後退力とでピニオン5が出力軸4上を後退し、図1に示す静止位置に復帰する。
【0031】
(実施例の効果)
本実施例の電磁スイッチ3は、スイッチケース18と励磁コイル17及びプランジャ14の断面形状を略長円形状とし、且つスイッチケース18の短径方向の両外側に連結部材(フランジ部21とホルダ部23)を配置しているので、その連結部材を含めたスイッチケース18の短径方向における電磁スイッチ3の外径を小さくできる。
本実施例の如くブラシ11が軸方向に配置される場合、電磁スイッチ3の幅寸法を小さくすることで図3の如く、ブラシ11の軸方向スペースが取れブラシ11を長く設定できる為、寿命向上が可能となる。
【0032】
また、連結部材は、スイッチケース18の短径方向から長径方向へ回転することがないので、位置決め用の別部品を追加することなく、連結部材の回り止めが可能となり、且つ連結部材のフランジ部21が固定されたプランジャ14の回り止めとしても機能するため、プランジャ14が移動する時のこじれ(プランジャ14がスリーブに擦れながら移動する)を防止できる。
【0033】
更に、スイッチケース18は、筒壁部18aの短径方向に対向する壁面同士が略平行な平面部18cによって形成されているため、この平面部18cをガイド面として可動するフランジ部21(腕部21a)を平板形状のまま使用できるので、フランジ部21の加工(例えばプレス成形)が容易であり、且つ精度良く形成できる。これに対し、スイッチケース18の短径方向の壁面が曲率を有する凸曲面で形成されていると、その凸曲面に合わせてフランジ部21を湾曲させる場合に、フランジ部21の加工が困難であり、且つ加工精度も低下する虞がある。
【0034】
また、図3に示す様に、ホルダ部23によって第1の可動接点24の外周部を両側から保持しているので、作動時(プランジャ14が移動する時)に第1の可動接点24がふらつくことなく、安定した動作が可能となる。また、ホルダ部23が絶縁性を有するので、絶縁部材を使用する必要がなく、ホルダ部23によって第1の可動接点24を直接保持できるため、機械的強度も向上する。
【0035】
また、本実施例の電磁スイッチ3は、連結部材がスイッチケース18の外側に配置されるので、連結部材とスイッチケース18との摺動隙間に異物が混入することを防ぐ必要がある。これに対し、スタータ1のエンドカバー13によって電磁スイッチ3の外周部を覆っているので、スイッチ専用のカバーを用いる必要がない。また、専用のカバーを必要としないため、電磁スイッチ3の外径が大きくなることもない。
更に、本実施例の電磁スイッチ3は、プランジャ14を貫通するロッドを持たないので、ロッドの摺動ギャップを必要とせず、がたつきの少ない安定した動作が可能となる。
【0036】
なお、上記の実施例に記載した電磁スイッチ3は、スイッチケース18の短径方向に対向する2つの平面部18cがモータ2のアーマチャ軸10aと平行に配置されているが、2つの平面部18cがアーマチャ軸10aと交差する様に配置しても良い。
また、本実施例のスタータ1は、モータ2の通電回路に第1接点部Aと第2接点部Bとを設けて、モータ2を二段階に起動する構成であるが、接点部を一つにして、モータ2の起動を一度で行う様にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータの断面図である。
【図2】スタータの電気回路図である。
【図3】電磁スイッチの断面図である。
【図4】スイッチケースとプランジャ及びフランジ部の斜視図である。
【符号の説明】
1 スタータ
2 モータ(スタータモータ)
3 電磁スイッチ
4 出力軸
5 ピニオン
6 ピニオン規制部材
7 クランクバー
13 エンドカバー
14 プランジャ
17 励磁コイル
18 スイッチケース
18c 平面部(二平面)
19 固定鉄心
21 フランジ部(連結部材)
22 フック部
23 ホルダ部(連結部材)
24 第1の可動接点
25 第1の固定接点
G エアギャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を始動するためのスタータに用いられる電磁スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
先に本出願人が提案した先願技術(特許文献1参照)がある。
この先願技術では、プランジャに対して可動接点を保持していた従来のロッドを廃止して、励磁コイルを収容するスイッチケースの外側にプランジャと可動接点とを連結する連結部材を配置している。その連結部材は、プランジャに固定されるフランジ部と、このフランジ部に連結される樹脂製のホルダ部とで構成され、このホルダ部が可動接点を絶縁保持している。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−110296
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の先願技術では、円筒形を有するスイッチケースの径方向両外側に連結部材が配置されるため、その連結部材を含めた電磁スイッチの外径が大きくなり、スタータへの搭載性が低下するという問題があった。
また、連結部材を介してプランジャを回り止めする必要があるため、連結部材の位置決め(回り止め)に要する部品追加によりコストアップを招くという問題もある。更に、部品を追加すると、部品間の信頼性確保のために、位置決め精度や組付け精度が要求される。
【0005】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、プランジャと可動接点とを連結する連結部材をスイッチケースの外側に配置した電磁スイッチにおいて、連結部材を含めた電磁スイッチの外径を小さくでき、且つ部品を追加することなく連結部材及びプランジャの回り止めを行うことができる電磁スイッチを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、励磁コイルの外周を覆うスイッチケースの径方向両外側を軸線方向に沿って延設された連結部材を有し、この連結部材によってプランジャと可動接点とが連結されたスタータ用電磁スイッチであり、
スイッチケースと励磁コイル及びプランジャは、それぞれ軸線と直交する断面形状が略長円形状に設けられ、連結部材は、スイッチケースの短径方向の両外側に配置され、スイッチケースの外周面をガイド面として軸線方向に可動することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、スイッチケースの短径方向に連結部材が配置されるので、その連結部材を含めたスイッチケースの短径方向における電磁スイッチの外径を小さくできる。
また、連結部材をスイッチケースの短径方向の両外側に配置しているので、連結部材がスイッチケースの長径方向へ回転することを阻止できる。つまり、位置決め用の別部品を追加することなく、連結部材の回り止めが可能となる。
【0008】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
スイッチケースは、略長円形状の短径方向に対向する二平面を有し、連結部材は、二平面の両外側に配置され、その二平面をガイド面として軸線方向に可動することを特徴とする。
この場合、連結部材をスイッチケースの凸曲面に沿って形成する必要がなく、スイッチケースの平面部に対向して平面形状にできるので、連結部材の加工が容易であり、且つ精度良く形成できる。
【0009】
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
連結部材は、プランジャの反エアギャップ側端部に固定されるフランジ部と、このフランジ部に連結される絶縁性を有したホルダ部とで構成され、このホルダ部が可動接点の外周部を両側から保持していることを特徴とする。
この構成によれば、ホルダ部によって可動接点を確実に保持できるので、作動時(プランジャが移動する時)に可動接点がふらつくことなく、安定した動作が可能となる。また、ホルダ部が絶縁性を有するので、絶縁部材を使用する必要がなく、ホルダ部によって可動接点を直接保持できるため、機械的強度も向上する。
【0010】
(請求項4の発明)
本発明は、モータの軸方向反ピニオン側に請求項1〜3に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチが配置され、その電磁スイッチのプランジャに設けられたフック部に係合するクランクバーを介してプランジャの動きがピニオン規制部材に伝達され、そのピニオン規制部材に回転規制されたピニオンをヘリカルスプラインの作用により反モータ方向へ移動させてエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータである。
このスタータは、電磁スイッチの吸引力でピニオンを軸方向に押し出す必要がないので、大きな吸引力を必要とせず、電磁スイッチを小型化できる。
【0011】
(請求項5の発明)
請求項4に記載したスタータにおいて、
電磁スイッチの外周部がエンドカバーによって覆われていることを特徴とする。本発明の電磁スイッチは、連結部材がスイッチケースの外側に配置されるので、連結部材とスイッチケースとの摺動隙間に異物が混入することを防ぐ必要がある。これに対し、スタータのエンドカバーによって電磁スイッチの外周部を覆うことにより、電磁スイッチ専用のカバーを用いる必要がない。また、専用のカバーを必要としないため、電磁スイッチの外径が大きくなることもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はスタータ1の断面図である。
本実施例のスタータ1は、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の通電電流をON/OFFする電磁スイッチ3、モータ2に駆動されて回転する出力軸4、この出力軸4上を移動可能に配置されるピニオン5、モータ2の起動時にピニオン5の回転を規制するピニオン規制部材6、及び電磁スイッチ3の吸引力を利用してピニオン規制部材6を作動させるクランクバー7等を備えている。
【0013】
モータ2は、ヨーク8、磁極9(永久磁石)、アーマチャ10、及びブラシ11(図2参照)等から構成される周知の直流電動機であり、電磁スイッチ3によってモータ接点(後述する)が閉じると、バッテリ電流がブラシ11を通じてアーマチャ10に流れることにより、アーマチャ10に回転力を生じる。
このモータ2は、ヨーク8の前端側に組み合わされるフロントハウジング12と、ヨーク8の後端側に組み合わされるエンドカバー13との間に挟持されている。
【0014】
電磁スイッチ3は、図1に示す様に、スタータ1の後部(モータ2の後側)において、内蔵するプランジャ14の動作方向(図示上下方向)がモータ2の軸方向(図示左右方向)と交差する向きに配置され、板バネから成るバンド等(図示せず)により台座15に固定されている。
この電磁スイッチ3は、IGスイッチ16(図2参照)のON操作により通電されて磁力を発生する励磁コイル17と、この励磁コイル17の外周を覆うスイッチケース18、このスイッチケース18の軸線方向一端側に配置される固定鉄心19、励磁コイル17の内径側に図示しない筒状のスリーブを摺動面として挿入される上記のプランジャ14、及びモータ接点を形成する第1接点部Aと第2接点部B(図2参照)等を備えている。
【0015】
スイッチケース18と励磁コイル17及びプランジャ14は、それぞれ軸線と直交する断面形状が長径と短径とを有する略長円形状に設けられ、且つ短径方向に対向する外周面同士が略平行な平面部によって形成されている(図4参照)。なお、略長円形状として、長径方向の外周面と短径方向の外周面とが曲率の異なる曲面で構成される略楕円形状でも良い。
スイッチケース18は、図4に示す様に、励磁コイル17の外周を囲む筒壁部18aと、励磁コイル17の他端面に対向して筒壁部18aの他端側開口部に設けられる環状の側壁部18bとで形成され、筒壁部18aの短径方向に対向する壁面同士が略平行な平面部18cによって形成されている。
【0016】
固定鉄心19は、スイッチケース18の外形と同じく略長円形状に設けられ、スイッチケース18の一端側開口部を塞いで配置され、スイッチケース18と共に固定磁路を形成している。
プランジャ14は、固定鉄心19とエアギャップG(図1参照)を有して対向し、その固定鉄心19に対し、リターンスプリング20により図示下方へ付勢されている。
プランジャ14の反エアギャップ側端面には、下述するフランジ部21と共にフック部22が圧入等により固定されている。このフック部22は、クランクバー7の一端部を係合できる様に、鉤型に設けられている(図4参照)。
【0017】
フランジ部21は、図4に示す様に、一定の幅を有する金属板を略コの字状に折り曲げて形成された一組の腕部21aを有し、この一組の腕部21aがプランジャ14の短径方向両外側に設けられ、且つスイッチケース18の外側に配置される。このフランジ部21は、ホルダ部23(図3参照)と共に本発明の連結部材を構成するもので、プランジャ14の移動に伴い、一組の腕部21aがスイッチケース18の平面部18cをガイド面として軸線方向に可動する。
【0018】
ホルダ部23は、例えば絶縁性を有する樹脂製で、スイッチケース18の平面部18cの外側でフランジ部21の腕部21aに連結され、フランジ部21と一体に可動する。但し、フランジ部21の腕部21aとホルダ部23との間には、第1接点部AがONした時に接点圧を付与する接点圧スプリング26が組み込まれており、この接点圧スプリング26を介して両者(フランジ部21とホルダ部23)が相対移動できる様に連結されている。
【0019】
第1接点部Aは、第1の可動接点24と第1の固定接点25とで構成される。
第1の可動接点24は、図3に示す様に、固定鉄心19の反エアギャップ方向に配置され、自身の外周部が両側からホルダ部23に絶縁保持されると共に、リード線11a(図1参照)を介して正極ブラシ11に接続されている。なお、フランジ部21の腕部21aとホルダ部23との間には、第1の可動接点24が第1の固定接点25に当接した時に接点圧を付与する接点圧スプリング26が組み込まれている。
第1の固定接点25は、エンドカバー13を貫通して取り付けられた端子ボルト27の頭部に接続され、第1の可動接点24と対向して配置されている。
端子ボルト27は、バッテリケーブルを介して車載バッテリ28(図2参照)に接続される。
【0020】
第2接点部Bは、第2の可動接点29と第2の固定接点30とで構成される。
第2の可動接点29は、上記のホルダ部23に弾力を持たせた導通板31(例えば銅板)を介して支持されている。なお、導通板31は、第2の可動接点29が第2の固定接点30に当接した時に、接点圧を付与する接点圧スプリングとして機能する。
第2の固定接点30は、端子ボルト27に導通板32を介して電気的に接続され、第2の可動接点29と対向して配置されている。この第2の固定接点30は、第1の固定接点25より電気抵抗の大きい材料(例えばカーボン材)を使用して形成されている。
【0021】
第1接点部Aと第2接点部Bは、モータ2の起動時にアーマチャ10の回転速度を低く抑えるために、第1接点部Aより先に第2接点部BがONする様に設けられている。具体的には、プランジャ14が初期位置(図1に示す位置)に静止している時に、第1の可動接点24と第1の固定接点25との接点間距離より第2の可動接点29と第2の固定接点30との接点間距離の方が小さくなる様に構成されている。
【0022】
出力軸4は、モータ2の前方側(図1の左側)にてモータ2の回転軸(アーマチャ軸10a)と同軸線上に配置され、一組の軸受33、34を介して回転自在に支持されている。この出力軸4は、以下に説明する減速装置と一方向クラッチを介してアーマチャ10の回転力が伝達されて回転する。
減速装置は、遊星ギヤ35の回転運動(自転運動と公転運動)によってアーマチャ10の回転を減速する遊星歯車減速装置である。
一方向クラッチは、アウタ36とインナ37との間に配置されるローラ38を介して回転トルクを断続する周知のローラ式クラッチである。
【0023】
ピニオン5は、内径側に内ヘリカルスプラインが形成され、この内ヘリカルスプラインが出力軸4に形成された外ヘリカルスプラインに噛み合って出力軸4上に配置され、ピニオンスプリング39により常時反リングギヤ方向(図1の右方向)に付勢されている。
このピニオン5は、始動時にエンジンのリングギヤ(図示しない)に噛み合うギヤ5a(以下ピニオンギヤ5aと呼ぶ)と、ピニオンギヤ5aの反リングギヤ側に設けられた大径部40とを有し、その大径部40の外径部に複数の凹部が周方向に連続して設けられている。
【0024】
ピニオン5の後側には、ピニオンギヤ5aがリングギヤに噛み合った後、ピニオン規制部材6と協働してピニオン5の後退を阻止する後退規制リング41が具備されている。
ピニオン規制部材6は、図1に示す様に、ピニオン5に設けられた大径部40の半径方向外側をピニオン5の回転方向に交差して配置され、モータ2の起動時に大径部40の凹部に係合してピニオン5の回転を規制する。
【0025】
クランクバー7は、金属製の丸棒部材によって形成され、その丸棒部材の両端側を所定角度折り曲げてクランク形状に設けられている。具体的には、丸棒部材の一端側に設けられる伝達部7aと、丸棒部材の他端側に設けられる作動部7b、及び伝達部7aと作動部7bとを繋ぐ棒状部7cとで構成される。
伝達部7aは、その先端部がプランジャ14の端面に固定されたフック部22に係合して、電磁スイッチ3の吸引力を棒状部7cに伝達する。
【0026】
棒状部7cは、ヨーク8の内側で隣合う磁極9同士の間を通り抜けてアーマチャ軸10aと略平行に配設され、一組の軸受(図示せず)により回動自在に支持されている。
作動部7bには、ピニオン規制部材6が取り付けられており、電磁スイッチ3の吸引力が伝達部7aから棒状部7cに伝達されて棒状部7cが回動すると、その棒状部7cと一体に回動してピニオン規制部材6を図1の上方へ押し上げる働きを有する。
【0027】
次に、本実施例の作動を説明する。
IGスイッチ16を閉じる(ON操作する)と、車載バッテリ28から電磁スイッチ3の励磁コイル17に電流が流れて磁力が発生し、その磁力によりプランジャ14が固定鉄心19側へ吸引され、リターンスプリング20を撓ませながら図1の上方へ移動する。このプランジャ14の移動に伴いクランクバー7が回動すると、ピニオン規制部材6が図1の上方へ移動し、大径部40の凹部に係合してピニオン5の回転を規制する。
【0028】
一方、プランジャ14が吸引されて移動することにより、先に第2接点部BがONする(第2の可動接点29が第2の固定接点30に当接する)。その結果、バッテリ電流が抑制されてアーマチャ10に流れることにより、アーマチャ10が低速度で回転する。
アーマチャ10の回転は、減速装置で減速された後、一方向クラッチを介して出力軸4に伝達され、出力軸4を回転させる。この出力軸4の回転により、ピニオン規制部材6に回転規制されているピニオン5がヘリカルスプラインの作用で出力軸4上を移動する。
【0029】
ピニオンギヤ5aがリングギヤに噛み合うと、ピニオン規制部材6が大径部40の凹部から外れて後退規制リング41の後側に入り込むことにより、ピニオン5の回転規制を解除すると共にピニオン5の後退を防止する。
その後、更にプランジャ14が移動して第1接点部AがONする(第1の可動接点24が第1の固定接点25に当接する)と、第2接点部Bが短絡されてアーマチャ10に高電流が流れるため、アーマチャ10が高速で回転し、その回転力がピニオンギヤ5aからリングギヤに伝達されてエンジンをクランキングさせる。
【0030】
以後、エンジンが始動してIGスイッチ16を開く(OFF 操作する)と、電磁スイッチ3の励磁コイル17に流れる電流が遮断されて磁力が消滅するため、プランジャ14がリターンスプリング20の反力で初期位置に押し戻される。このプランジャ14の移動に伴い、クランクバー7が始動時と反対方向に回動してピニオン規制部材6が後退規制リング41の後側から抜け出ることにより、ピニオン5の後退規制が解除され、ピニオンスプリング39の付勢力とリングギヤから受ける後退力とでピニオン5が出力軸4上を後退し、図1に示す静止位置に復帰する。
【0031】
(実施例の効果)
本実施例の電磁スイッチ3は、スイッチケース18と励磁コイル17及びプランジャ14の断面形状を略長円形状とし、且つスイッチケース18の短径方向の両外側に連結部材(フランジ部21とホルダ部23)を配置しているので、その連結部材を含めたスイッチケース18の短径方向における電磁スイッチ3の外径を小さくできる。
本実施例の如くブラシ11が軸方向に配置される場合、電磁スイッチ3の幅寸法を小さくすることで図3の如く、ブラシ11の軸方向スペースが取れブラシ11を長く設定できる為、寿命向上が可能となる。
【0032】
また、連結部材は、スイッチケース18の短径方向から長径方向へ回転することがないので、位置決め用の別部品を追加することなく、連結部材の回り止めが可能となり、且つ連結部材のフランジ部21が固定されたプランジャ14の回り止めとしても機能するため、プランジャ14が移動する時のこじれ(プランジャ14がスリーブに擦れながら移動する)を防止できる。
【0033】
更に、スイッチケース18は、筒壁部18aの短径方向に対向する壁面同士が略平行な平面部18cによって形成されているため、この平面部18cをガイド面として可動するフランジ部21(腕部21a)を平板形状のまま使用できるので、フランジ部21の加工(例えばプレス成形)が容易であり、且つ精度良く形成できる。これに対し、スイッチケース18の短径方向の壁面が曲率を有する凸曲面で形成されていると、その凸曲面に合わせてフランジ部21を湾曲させる場合に、フランジ部21の加工が困難であり、且つ加工精度も低下する虞がある。
【0034】
また、図3に示す様に、ホルダ部23によって第1の可動接点24の外周部を両側から保持しているので、作動時(プランジャ14が移動する時)に第1の可動接点24がふらつくことなく、安定した動作が可能となる。また、ホルダ部23が絶縁性を有するので、絶縁部材を使用する必要がなく、ホルダ部23によって第1の可動接点24を直接保持できるため、機械的強度も向上する。
【0035】
また、本実施例の電磁スイッチ3は、連結部材がスイッチケース18の外側に配置されるので、連結部材とスイッチケース18との摺動隙間に異物が混入することを防ぐ必要がある。これに対し、スタータ1のエンドカバー13によって電磁スイッチ3の外周部を覆っているので、スイッチ専用のカバーを用いる必要がない。また、専用のカバーを必要としないため、電磁スイッチ3の外径が大きくなることもない。
更に、本実施例の電磁スイッチ3は、プランジャ14を貫通するロッドを持たないので、ロッドの摺動ギャップを必要とせず、がたつきの少ない安定した動作が可能となる。
【0036】
なお、上記の実施例に記載した電磁スイッチ3は、スイッチケース18の短径方向に対向する2つの平面部18cがモータ2のアーマチャ軸10aと平行に配置されているが、2つの平面部18cがアーマチャ軸10aと交差する様に配置しても良い。
また、本実施例のスタータ1は、モータ2の通電回路に第1接点部Aと第2接点部Bとを設けて、モータ2を二段階に起動する構成であるが、接点部を一つにして、モータ2の起動を一度で行う様にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータの断面図である。
【図2】スタータの電気回路図である。
【図3】電磁スイッチの断面図である。
【図4】スイッチケースとプランジャ及びフランジ部の斜視図である。
【符号の説明】
1 スタータ
2 モータ(スタータモータ)
3 電磁スイッチ
4 出力軸
5 ピニオン
6 ピニオン規制部材
7 クランクバー
13 エンドカバー
14 プランジャ
17 励磁コイル
18 スイッチケース
18c 平面部(二平面)
19 固定鉄心
21 フランジ部(連結部材)
22 フック部
23 ホルダ部(連結部材)
24 第1の可動接点
25 第1の固定接点
G エアギャップ
Claims (5)
- 通電されて磁力を発生する励磁コイルと、
この励磁コイルの少なくとも外周を覆うスイッチケースと、
このスイッチケースの軸線方向一端側に配置される固定鉄心と、
前記励磁コイルの内径側に摺動可能に挿入され、前記固定鉄心との間にエアギャップを有して対向するプランジャと、
このプランジャの反エアギャップ側端部に連結され、前記スイッチケースの径方向両外側を軸線方向に沿って配置された連結部材と、
前記固定鉄心の反エアギャップ方向にて前記連結部材に絶縁保持され、その連結部材を介して前記プランジャと一体に可動する可動接点と、
この可動接点に対向して配置される固定接点とを有し、
前記励磁コイルが通電されて前記プランジャが前記固定鉄心側へ吸引されることにより、前記可動接点が前記固定接点に当接してスタータモータの通電回路を閉成するスタータ用電磁スイッチであって、
前記スイッチケースと前記励磁コイル及び前記プランジャは、それぞれ軸線と直交する断面形状が略長円形状に設けられ、
前記連結部材は、前記スイッチケースの短径方向の両外側に配置され、前記スイッチケースの外周面をガイド面として軸線方向に可動することを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - 請求項1に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
前記スイッチケースは、略長円形状の短径方向に対向する二平面を有し、
前記連結部材は、前記二平面の両外側に配置され、その二平面をガイド面として軸線方向に可動することを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - 請求項1または2に記載したスタータ用電磁スイッチにおいて、
前記連結部材は、前記プランジャの反エアギャップ側端部に固定されるフランジ部と、このフランジ部に連結される絶縁性を有したホルダ部とで構成され、このホルダ部が前記可動接点の外周部を両側から保持していることを特徴とするスタータ用電磁スイッチ。 - 回転力を発生するモータと、
このモータに駆動されて回転する出力軸と、
この出力軸上にヘリカルスプライン嵌合するピニオンと、
前記モータの軸方向反ピニオン側に配置される請求項1〜3に記載した何れかのスタータ用電磁スイッチと、
前記ピニオンに係合して前記ピニオンの回転を規制するピニオン規制部材と、
前記プランジャの反エアギャップ側端部に設けられたフック部に係合して、前記プランジャの動きを前記ピニオン規制部材に伝達するクランクバーとを備え、
前記ピニオン規制部材に回転規制された前記ピニオンを前記ヘリカルスプラインの作用により反モータ方向へ移動させてエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式のスタータ。 - 請求項4に記載したスタータにおいて、
前記電磁スイッチの外周部がエンドカバーによって覆われていることを特徴とするスタータ。
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