JP2004189441A - エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主索の引っ掛かりや脱輪を防止するエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置の提供。
【解決手段】吊り車の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に延在する押え部と、当該押え部の前記幅方向の一方端側から延在して当該押え部を前記吊り車の回転周面に対して主索が通る主索通過間隙を保つように弾性的に支持する支持部とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】吊り車の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に延在する押え部と、当該押え部の前記幅方向の一方端側から延在して当該押え部を前記吊り車の回転周面に対して主索が通る主索通過間隙を保つように弾性的に支持する支持部とを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの主索交換作業の際に用いられる吊り車の主索外れ止め装置に関し、例えば、アンダースラング式エレベータにおいて、エレベータかご(以下、単にかごという)を牽引するために所要の吊り車に巻き掛けられた主索としての例えばロープの新旧交換作業の際、当該ロープが吊り車から外れないように所要の吊り車に仮設され交換作業終了後取り外されるエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置に関する。以下、エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置を単に主索外れ止め装置ともいう。
【0002】
【従来の技術】
図5及び図6において従来の主索外れ止め装置を説明する。図5はかごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図、図6は主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
図において、1A、1Bは吊り車、2は主索としてのロープであり、2Aは旧ロープ、2Bは新ロープである。又、図中の2ABは旧ロープ2Aの後端部と新ロープ2Bの先端部とを接続した新旧主索の接続部(以下、新旧主索接続部という)である。
【0003】
3は吊り車1A、1Bの適所に仮設された主索外れ止め装置である。図示の例ではロープ2が各吊り車1A、1Bに対して直角方向に曲がるよう掛け回されているため、各吊り車1A、1B毎に2つの主索外れ止め装置3、3が配設されている。以下、吊り車1A、1Bの配置位置を問わずに単に吊り車1ともいう。
従来の主索外れ止め装置3は、帯状の板部材をコ字形に折り成し、そのコ字形中央の平面部31が吊り車1(1A、1B)の回転周面を幅方向に跨ぎ、その両端側の支持部32、32が吊り車1Aの両側面に沿って各々吊り車の回転軸方向へ延在され、その両端が適所、この例では、上記2つの吊り車1A、1Bが軸着されているかご側フレーム55に固定されている。
【0004】
この主索外れ止め装置3のコ字形中央の平面部31は、吊り車1の回転周面に対して、ロープ2が通る間隔(以下、これを主索通過間隙という)を空けて位置するように、その両支持部32、32がかご側フレーム55に固定されているため、主索通過間隙は、そこを通過する主索としてのロープ2の径に対して、その間隙が大きすぎるとロープ2が回転周面から外れ易くなり、小さすぎるとロープ2が通過し難くなる。
【0005】
ところで、先に述べたように、エレベータ用吊り車1の主索2A、特に、エレベータのかご(図示せず)を昇降させるため、例えば図示されていない巻上機を介して吊合錘との間に掛け回されている主索としてのロープ2Aは、定期的に、使用してきた古い主索2A(以下、これらを旧主索という)を新しい主索2B(以下、新主索という)と交換する必要がある。
この場合、新旧の主索2A、2Bは、旧主索(ロープ)2Aの後端部に新主索(ロープ)2Bの先端部が接続(新旧主索接続部2AB)され、旧主索2Aをその他端側から引き抜くことによって、新主索2Bを旧主索2Aの掛け回し位置に引き込んでいく、という作業で行われる。
【0006】
この交換作業の際、新旧主索接続部2ABは、例えば、新旧両主索2A、2B(ロープ)の接続側端部のロープ編みを一旦解きほぐしてから、各々新旧のロープを構成する構成要素としての要素主索(図示せず)を互いに同数を削除した上で(図示せず)、恰も一本のロープのように再び編みなおして接続するのであるが、当該新旧主索接続部2ABにおける柔軟性や径の太さ等を旧主索1Aと全く同等にするのには困難が伴うため次のような問題が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、従来の主索外れ止め装置3では、コ字形の両端の支持部32、32が固定されて両持ち構造とされているため、中央の平面部31の位置が変化できず、主索通過間隙が変化しない。このため、主索2の新旧主索接続部2ABに弛みがあって主索自体の位置が変化したりあるいはその直径が主索通過間隙よりも大きくなったりすると、却って主索外れ止め装置3に引っ掛かかり易くなってしまうことがある。このような引っ掛かかりが生じないように主索通過間隙を大きく設定すると、主索2がその張力方向に振れて脱輪し易くなってしまう、という問題が生じて、新旧主索の交換作業の作業効率の向上を妨げていた。
本発明は、このような問題を解消し、引っ掛かりや脱輪の生じ難いエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明のエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置は、吊り車の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に延在する押え部と、当該押え部の前記幅方向の一方端側から延在して当該押え部を前記吊り車の回転周面に対して主索が通る主索通過間隙を保つように弾性的に支持する支持部とを備え、前記主索の主索通過間隙を越える大径部分が通過する際には、前記押さえ部が弾性的に変位して前記大径部分の通過を許容するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
(2)また、押え部には、主索の延在方向の一方側又は双方側に主索通過間隙を拡大するように形成された折り曲げガイド部が設けられたものでもよい。
【0010】
(3)押え部は、支持部に固定された軸と、前記軸に回転自在に設けられ、主索通過間隙を通る主索に外周面が接して回転する筒状部材とを備えたものでもよい。
【0011】
(4)主索通過間隙を通る主索の両側をガイドするように、筒状部材の両端側には当該筒状部材の径より大きな径のストッパが配設されたものでもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明を実施の形態1を示す図1及び図2に基づいて説明する。図1はかごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図、図2は主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。尚、以下の実施の形態を示す図において、従来技術で説明した符号と共通の符号は実質的に同じ内容である。
【0013】
図1及び図2において、50は主索外れ止め装置である。この実施の形態1に示す主索外れ止め装置50は、吊り車1(1A、1B)の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に跨るように延在する押え部51と、この押え部51の幅方向の一方端側から吊り車1の一方の側面に沿って当該吊り車1の軸方向に延在する支持部52とから成る片持ち支持構造とされている。
支持部52は、押え部51が吊り車1の回転周面に対して主索2が通るよう所要の主索通過間隙を保つように、この例では、その支持部52の基端(延在方向の先端)が、2つの吊り車1A、1Bが配設されているかご側フレーム55に着脱自在に固定されている。
【0014】
又、この例では、吊り車1の回転周面に対する主索通過間隙を形成するように、押え部51と支持部52とが、帯状の板部材の一箇所を折り曲げて略L字状となるように形成されている。
【0015】
この押え部51による主索通過間隙は、通過していく主索2を常時軽く押圧するようにしてもよいが、少なくとも、通過する主索2のうち主索通過間隙を越える大径部分例えば新旧主索接続部2ABが通過する際には、押え部51が支持部の弾性により変位することができて、押付け力を吊り車1の回転周面に対して作用させながら、その通過を許容するように設定しておく。
【0016】
このように、押え部51を弾性的に支持することによって、当該押え部51と吊り車1の回転周面との間の主索通過間隙を通る主索2が吊り車1の回転周面に押し付けられるので、主索2に多少の弛みが生じても吊り車1からの脱輪を阻止することができると同時に、主索接続部2AB等の大径部分が主索外れ止め装置に引っ掛かってしまうことを防止できる。特に、新旧主索接続部2ABが通過の際には、当該の新旧主索接続部2ABの径が大きい程、押え部51の押付け力が大きくなるため、脱輪を更に効果的に阻止することができる。
【0017】
又、この例に示す押え部51は、通過する主索2を主索通過間隙に引き込むための折り曲げガイド部53、53を備えている。折り曲げガイド部53、53は押え部51の縁部が主索通過間隙を拡大するように形成されている。
この折り曲げガイド部53によって、通過する主索2において、当該主索2の通常の径よりも新旧主索接続部2ABが多少大径であったとしても、折り曲げガイド部53によって、或いは、当該折り曲げ部53と押え部51の上記押付け力による弾性とによって、引っ掛かることなく主索通過間隙に飲み込まれていくので、主索の交換作業を円滑に行うことができる。
【0018】
尚、この例では、折り曲げガイド部53、53が、押え部51の主索2の延在方向の双方側に向けて配設されているが、これに限らず、主索2Aの引き抜き作業において、主索2が主索通過間隙に進入してくる側のみの一方側だけに設けてもよい。
しかし、双方側に設けることによって、旧主索2Aの引き抜き方向の如何にかかわらず主索外れ止め装置3を配設することができるので、当該装置3の仮設作業を効率よく行うことができるという利点がある。
【0019】
実施の形態2.
実施の形態2は、上記実施の形態1における主索外れ止め装置50の板状の押え部51に代えて、主索外れ止め装置60の押え部61を、支持部62に固定された軸63と、当該軸63に回転自在に軸受けされた筒状部材64とで構成したものである。
以下、これを図3及び図4に基づいて説明する。図3はかごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図、図4は主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
尚、この形態2における支持部62は、上記実施の形態1の支持部52と同じである。
【0020】
図示の押え部61は、吊り車1の回転周面の幅方向に延在するよう一方の軸端が支持部62に固定された軸63に、主索通過間隙を通る主索2に外周面が接して回転する筒状部材としてのカラー64を回転自在に嵌挿して、軸受けさせた構成としたものである。
カラー64の長さは吊り車1の回転周面の幅と相応させており、この形態2でいう主索通過間隙は、カラー64の外周面と吊り車1の回転周面との間隙となる。
【0021】
この実施の形態2によれば、押え部61をこのように軸63とカラー64とで回転自在な構成としてあるので、当該押え部61自体の弾性力は期待できないが、当該軸63を軸受けする支持部材62を上記実施の形態1と同様の弾性を持つ板状部材で形成した片持ち支持構造として、押え部61(52)の自由端側を揺動自在にしているので、所要の押付け力を得ることができる。
又、押え部61を、上記のように軸63と筒状部材64とから成る自在回転構造とすることによって、主索通過間隙における主索の通過を、上記実施の形態1に比べてより効率よく、円滑に行わせることができる。
【0022】
尚、カラー64の両端側には、当該カラー64と吊り車1の回転周面とに挟まれて当該主索通過間隙を通る主索2が横ずれして主索通過間隙から外れないように、当該カラー64の径より大径のワッシャ65、65をストッパとして軸63に介装してある。このストッパ(ワッシャ)65、65によって、主索通過間隙を通る主索2の両側が規制されて、脱輪が防止される。図中の66、66はストッパとしてのワッシャ65、65をカラー64の両端側に位置させるために軸63の両端側に嵌めた筒状スペーサである。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、何れも、例えば、アンダースラング式エレベータの主索交換作業において、予め、主索が巻き掛けられているかご側の底面下や吊合錘側に配設されている所要の吊り車に、適宜、主索外れ止め装置を仮設しておくことによって、主索特に主索の新旧主索接続部が通過する際に各所の吊り車に発生していた主索の引っ掛かりや脱輪を防止することができるので、従来のように、脱輪や引っ掛かりが発生する度に、当該箇所に作業従事者が出向いて掛け直しをするという煩雑な手間を省くことができるので、従来に増して、主索交換作業を効率よく円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の、かごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図である。
【図2】実施の形態1の、主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
【図3】実施の形態2の、かごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図である。
【図4】実施の形態2の、主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
【図5】従来の、かごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図である。
【図6】従来の、主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1、1A、1B 吊り車、2 主索、2A 旧主索、2B 新主索、2AB 新旧主索接続部、50 エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置(主索外れ止め装置)、51 押え部、52 支持部、60 エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置(主索外れ止め装置)、61 押え部、62 支持部、63 軸、64 カラー(筒状部材)、65 ストッパ(ワッシャ)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの主索交換作業の際に用いられる吊り車の主索外れ止め装置に関し、例えば、アンダースラング式エレベータにおいて、エレベータかご(以下、単にかごという)を牽引するために所要の吊り車に巻き掛けられた主索としての例えばロープの新旧交換作業の際、当該ロープが吊り車から外れないように所要の吊り車に仮設され交換作業終了後取り外されるエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置に関する。以下、エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置を単に主索外れ止め装置ともいう。
【0002】
【従来の技術】
図5及び図6において従来の主索外れ止め装置を説明する。図5はかごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図、図6は主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
図において、1A、1Bは吊り車、2は主索としてのロープであり、2Aは旧ロープ、2Bは新ロープである。又、図中の2ABは旧ロープ2Aの後端部と新ロープ2Bの先端部とを接続した新旧主索の接続部(以下、新旧主索接続部という)である。
【0003】
3は吊り車1A、1Bの適所に仮設された主索外れ止め装置である。図示の例ではロープ2が各吊り車1A、1Bに対して直角方向に曲がるよう掛け回されているため、各吊り車1A、1B毎に2つの主索外れ止め装置3、3が配設されている。以下、吊り車1A、1Bの配置位置を問わずに単に吊り車1ともいう。
従来の主索外れ止め装置3は、帯状の板部材をコ字形に折り成し、そのコ字形中央の平面部31が吊り車1(1A、1B)の回転周面を幅方向に跨ぎ、その両端側の支持部32、32が吊り車1Aの両側面に沿って各々吊り車の回転軸方向へ延在され、その両端が適所、この例では、上記2つの吊り車1A、1Bが軸着されているかご側フレーム55に固定されている。
【0004】
この主索外れ止め装置3のコ字形中央の平面部31は、吊り車1の回転周面に対して、ロープ2が通る間隔(以下、これを主索通過間隙という)を空けて位置するように、その両支持部32、32がかご側フレーム55に固定されているため、主索通過間隙は、そこを通過する主索としてのロープ2の径に対して、その間隙が大きすぎるとロープ2が回転周面から外れ易くなり、小さすぎるとロープ2が通過し難くなる。
【0005】
ところで、先に述べたように、エレベータ用吊り車1の主索2A、特に、エレベータのかご(図示せず)を昇降させるため、例えば図示されていない巻上機を介して吊合錘との間に掛け回されている主索としてのロープ2Aは、定期的に、使用してきた古い主索2A(以下、これらを旧主索という)を新しい主索2B(以下、新主索という)と交換する必要がある。
この場合、新旧の主索2A、2Bは、旧主索(ロープ)2Aの後端部に新主索(ロープ)2Bの先端部が接続(新旧主索接続部2AB)され、旧主索2Aをその他端側から引き抜くことによって、新主索2Bを旧主索2Aの掛け回し位置に引き込んでいく、という作業で行われる。
【0006】
この交換作業の際、新旧主索接続部2ABは、例えば、新旧両主索2A、2B(ロープ)の接続側端部のロープ編みを一旦解きほぐしてから、各々新旧のロープを構成する構成要素としての要素主索(図示せず)を互いに同数を削除した上で(図示せず)、恰も一本のロープのように再び編みなおして接続するのであるが、当該新旧主索接続部2ABにおける柔軟性や径の太さ等を旧主索1Aと全く同等にするのには困難が伴うため次のような問題が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、従来の主索外れ止め装置3では、コ字形の両端の支持部32、32が固定されて両持ち構造とされているため、中央の平面部31の位置が変化できず、主索通過間隙が変化しない。このため、主索2の新旧主索接続部2ABに弛みがあって主索自体の位置が変化したりあるいはその直径が主索通過間隙よりも大きくなったりすると、却って主索外れ止め装置3に引っ掛かかり易くなってしまうことがある。このような引っ掛かかりが生じないように主索通過間隙を大きく設定すると、主索2がその張力方向に振れて脱輪し易くなってしまう、という問題が生じて、新旧主索の交換作業の作業効率の向上を妨げていた。
本発明は、このような問題を解消し、引っ掛かりや脱輪の生じ難いエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明のエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置は、吊り車の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に延在する押え部と、当該押え部の前記幅方向の一方端側から延在して当該押え部を前記吊り車の回転周面に対して主索が通る主索通過間隙を保つように弾性的に支持する支持部とを備え、前記主索の主索通過間隙を越える大径部分が通過する際には、前記押さえ部が弾性的に変位して前記大径部分の通過を許容するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
(2)また、押え部には、主索の延在方向の一方側又は双方側に主索通過間隙を拡大するように形成された折り曲げガイド部が設けられたものでもよい。
【0010】
(3)押え部は、支持部に固定された軸と、前記軸に回転自在に設けられ、主索通過間隙を通る主索に外周面が接して回転する筒状部材とを備えたものでもよい。
【0011】
(4)主索通過間隙を通る主索の両側をガイドするように、筒状部材の両端側には当該筒状部材の径より大きな径のストッパが配設されたものでもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明を実施の形態1を示す図1及び図2に基づいて説明する。図1はかごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図、図2は主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。尚、以下の実施の形態を示す図において、従来技術で説明した符号と共通の符号は実質的に同じ内容である。
【0013】
図1及び図2において、50は主索外れ止め装置である。この実施の形態1に示す主索外れ止め装置50は、吊り車1(1A、1B)の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に跨るように延在する押え部51と、この押え部51の幅方向の一方端側から吊り車1の一方の側面に沿って当該吊り車1の軸方向に延在する支持部52とから成る片持ち支持構造とされている。
支持部52は、押え部51が吊り車1の回転周面に対して主索2が通るよう所要の主索通過間隙を保つように、この例では、その支持部52の基端(延在方向の先端)が、2つの吊り車1A、1Bが配設されているかご側フレーム55に着脱自在に固定されている。
【0014】
又、この例では、吊り車1の回転周面に対する主索通過間隙を形成するように、押え部51と支持部52とが、帯状の板部材の一箇所を折り曲げて略L字状となるように形成されている。
【0015】
この押え部51による主索通過間隙は、通過していく主索2を常時軽く押圧するようにしてもよいが、少なくとも、通過する主索2のうち主索通過間隙を越える大径部分例えば新旧主索接続部2ABが通過する際には、押え部51が支持部の弾性により変位することができて、押付け力を吊り車1の回転周面に対して作用させながら、その通過を許容するように設定しておく。
【0016】
このように、押え部51を弾性的に支持することによって、当該押え部51と吊り車1の回転周面との間の主索通過間隙を通る主索2が吊り車1の回転周面に押し付けられるので、主索2に多少の弛みが生じても吊り車1からの脱輪を阻止することができると同時に、主索接続部2AB等の大径部分が主索外れ止め装置に引っ掛かってしまうことを防止できる。特に、新旧主索接続部2ABが通過の際には、当該の新旧主索接続部2ABの径が大きい程、押え部51の押付け力が大きくなるため、脱輪を更に効果的に阻止することができる。
【0017】
又、この例に示す押え部51は、通過する主索2を主索通過間隙に引き込むための折り曲げガイド部53、53を備えている。折り曲げガイド部53、53は押え部51の縁部が主索通過間隙を拡大するように形成されている。
この折り曲げガイド部53によって、通過する主索2において、当該主索2の通常の径よりも新旧主索接続部2ABが多少大径であったとしても、折り曲げガイド部53によって、或いは、当該折り曲げ部53と押え部51の上記押付け力による弾性とによって、引っ掛かることなく主索通過間隙に飲み込まれていくので、主索の交換作業を円滑に行うことができる。
【0018】
尚、この例では、折り曲げガイド部53、53が、押え部51の主索2の延在方向の双方側に向けて配設されているが、これに限らず、主索2Aの引き抜き作業において、主索2が主索通過間隙に進入してくる側のみの一方側だけに設けてもよい。
しかし、双方側に設けることによって、旧主索2Aの引き抜き方向の如何にかかわらず主索外れ止め装置3を配設することができるので、当該装置3の仮設作業を効率よく行うことができるという利点がある。
【0019】
実施の形態2.
実施の形態2は、上記実施の形態1における主索外れ止め装置50の板状の押え部51に代えて、主索外れ止め装置60の押え部61を、支持部62に固定された軸63と、当該軸63に回転自在に軸受けされた筒状部材64とで構成したものである。
以下、これを図3及び図4に基づいて説明する。図3はかごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図、図4は主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
尚、この形態2における支持部62は、上記実施の形態1の支持部52と同じである。
【0020】
図示の押え部61は、吊り車1の回転周面の幅方向に延在するよう一方の軸端が支持部62に固定された軸63に、主索通過間隙を通る主索2に外周面が接して回転する筒状部材としてのカラー64を回転自在に嵌挿して、軸受けさせた構成としたものである。
カラー64の長さは吊り車1の回転周面の幅と相応させており、この形態2でいう主索通過間隙は、カラー64の外周面と吊り車1の回転周面との間隙となる。
【0021】
この実施の形態2によれば、押え部61をこのように軸63とカラー64とで回転自在な構成としてあるので、当該押え部61自体の弾性力は期待できないが、当該軸63を軸受けする支持部材62を上記実施の形態1と同様の弾性を持つ板状部材で形成した片持ち支持構造として、押え部61(52)の自由端側を揺動自在にしているので、所要の押付け力を得ることができる。
又、押え部61を、上記のように軸63と筒状部材64とから成る自在回転構造とすることによって、主索通過間隙における主索の通過を、上記実施の形態1に比べてより効率よく、円滑に行わせることができる。
【0022】
尚、カラー64の両端側には、当該カラー64と吊り車1の回転周面とに挟まれて当該主索通過間隙を通る主索2が横ずれして主索通過間隙から外れないように、当該カラー64の径より大径のワッシャ65、65をストッパとして軸63に介装してある。このストッパ(ワッシャ)65、65によって、主索通過間隙を通る主索2の両側が規制されて、脱輪が防止される。図中の66、66はストッパとしてのワッシャ65、65をカラー64の両端側に位置させるために軸63の両端側に嵌めた筒状スペーサである。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、何れも、例えば、アンダースラング式エレベータの主索交換作業において、予め、主索が巻き掛けられているかご側の底面下や吊合錘側に配設されている所要の吊り車に、適宜、主索外れ止め装置を仮設しておくことによって、主索特に主索の新旧主索接続部が通過する際に各所の吊り車に発生していた主索の引っ掛かりや脱輪を防止することができるので、従来のように、脱輪や引っ掛かりが発生する度に、当該箇所に作業従事者が出向いて掛け直しをするという煩雑な手間を省くことができるので、従来に増して、主索交換作業を効率よく円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の、かごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図である。
【図2】実施の形態1の、主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
【図3】実施の形態2の、かごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図である。
【図4】実施の形態2の、主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
【図5】従来の、かごの底面下の2つの吊り車に配設された主索外れ止め装置を示す説明図である。
【図6】従来の、主索の延在方向から見た吊り車と主索との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1、1A、1B 吊り車、2 主索、2A 旧主索、2B 新主索、2AB 新旧主索接続部、50 エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置(主索外れ止め装置)、51 押え部、52 支持部、60 エレベータ用吊り車の主索外れ止め装置(主索外れ止め装置)、61 押え部、62 支持部、63 軸、64 カラー(筒状部材)、65 ストッパ(ワッシャ)。
Claims (4)
- 吊り車の回転周面の一部に対して当該回転周面の幅方向に延在する押え部と、当該押え部の前記幅方向の一方端側から延在して当該押え部を前記吊り車の回転周面に対して主索が通る主索通過間隙を保つように弾性的に支持する支持部とを備え、前記主索の主索通過間隙を越える大径部分が通過する際には、前記押さえ部が弾性的に変位して前記大径部分の通過を許容するようにしたことを特徴とするエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置。
- 押え部には、主索の延在方向の一方側又は双方側に主索通過間隙を拡大するように形成された折り曲げガイド部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置。
- 押え部は、支持部に固定された軸と、前記軸に回転自在に設けられ、主索通過間隙を通る主索に外周面が接して回転する筒状部材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置。
- 主索通過間隙を通る主索の両側をガイドするように、筒状部材の両端側には当該筒状部材の径より大きな径のストッパが配設されたことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ用吊り車の主索外れ止め装置。
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- 2002-12-12 JP JP2002361279A patent/JP2004189441A/ja active Pending
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