JP2004185968A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】凍結の可能性がある環境下で、燃料電池の加湿不足による故障(ドライアウト)を防止しつつ、速やかに起動を行う燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電解質膜を備え、燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電を行うスタック1を備えた燃料電池システムにおいて、スタック1を加湿する水の水タンク60を備える。また、水タンク60の水を用いてスタック1を加湿できるか否かを判断する加湿判断手段と、スタック1の温度を制御する温度制御手段100と、を備える。加湿判断手段によりスタック1の加湿ができないと判断された場合には、スタック1の運転温度を通常運転時より低く制限する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池システムに関する、特に燃料電池システムの水不足による燃料電池の劣化を抑制する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池システムでは、プロトン導電性電解質としての機能を確保する必要から、燃料電池に水を供給して固体高分子膜を飽和含水状態に維持する必要がある。そこで従来の固体高分子型燃料電池システムとしては、固体高分子膜を含水させるための水を確保するために、燃料電池のオフガス中の水分を回収して燃料電池に供給するガスを加湿する水透過型加湿器を設けたものが知られている。また、この水透過型加湿器とは別に、燃料電池オフガス中の水を回収する水回収装置と、水回収装置で回収した回収水により供給ガスを加湿する補助加湿手段を設けたものもある。水回収装置は、気液分離器および回収水貯蔵タンクから構成され、補助加湿手段は、逆止弁、回収水供給ポンプ、補助加湿用配管、およびインジェクタなどから構成される。燃料電池起動時には、回収水貯蔵タンク内の回収水を回収水供給ポンプによって移送し、インジェクタで霧状に噴射して燃料電池の給気側に供給する。これにより、燃料電池起動時にも固体高分子膜を加湿することができる(例えば、特許文献1、参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−256989号公報
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、従来の燃料電池システムにあたっては、寒冷地において貯蔵タンク等における凍結を防止するためにかなりの電力が必要となり、外部電源がないとバッテリが上がってしまう可能性がある。また、保温せずに貯蔵タンク内の氷を起動時に解凍する場合にも、非常に大きな電気エネルギが必要となり、燃料電池で発電しなければならない電力が増大して燃費の悪化が発生する、という問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、燃料電池システム内の水が凍結している可能性がある低温環境下で、燃料電池の加湿不足による故障(ドライアウト)を防止しつつ、速やかに起動を行うことのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、電解質膜を備え、燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池を加湿する水の貯蔵手段を備える。また、前記貯蔵手段の水を用いて前記燃料電池を加湿できるか否かを判断する加湿判断手段と、前記燃料電池の温度を制御する温度制御手段と、を備える。前記加湿判断手段により前記燃料電池の加湿ができないと判断された場合には、前記燃料電池の運転温度を通常運転時より低い制限温度以下に制限する。
【0007】
【作用及び効果】
燃料電池の加湿ができないと判断された場合には、燃料電池の運転温度を通常運転時より低く制限することで、燃料電池の電解質膜の乾燥を抑制することができる。これにより、貯蔵手段から水を供給しない状態で、導電性電解質としての機能の劣化を抑制しつつ燃料電池の運転を開始することができるので、燃料電池の発電に伴う熱または生成水を用いて貯蔵手段から水の供給を行うことができる状態にすることができる。その結果、燃料電池システム内の水が凍結する可能性がある低温環境下でも、燃料電池の加湿不足による故障(ドライアウト)を防止しつつ無駄な燃料、電力の消費を抑制できるので、効率的な運転を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの構成を図1に示す。固体高分子型燃料電池システムを車輌の駆動源として利用する場合について説明する。ここでは、停止時に後述する水タンク60中の純水が凍結する可能性があると予測された場合には、水タンク60中の水を排出して水の凍結を防止する。
【0009】
カソードに酸化剤を、アノードに燃料ガスを供給することにより発電を行う燃料電池スタック(以下、スタック)1を備える。ここでは、酸化剤として空気を、燃料ガスとして水素ガスを供給するがこの限りではない。
【0010】
まず、カソードに空気を供給・排出する酸化剤系について説明する。
【0011】
燃料電池システムに空気を導入するコンプレッサ20を備える。コンプレッサ20の吸気側にはエアクリーナ10、ケミカルフィルタ11、フローメータ12、サイレンサ13を、吐出側には、サイレンサ14、空気温調器15、マイクロフィルタ16を備える。また、スタック1に供給される空気を加湿するWRD(Water Recovery Device)21を備える。WRD21を、加湿対象となるガスが流れる被加湿側と、加湿源となる水含有ガスが流れる加湿側と、を備える主加湿手段とする。コンプレッサ20により導入した空気をWRD21の被加湿側に流通させ、後述するようにスタック1からのカソード排ガスを用いて加湿する。このように加湿した空気を、スタック1のカソードに備えるカソード入口マニホールド1aからスタック1に導入する。また、このWRD21とスタック1の間には、圧力センサ101と、温度センサ111を備え、スタック1に供給される空気の圧力および温度を検出する。
【0012】
カソードでは発電反応(1/2O+2H+2e→HO)により生成水が生じる。そこでカソード出口マニホールド1dには水セパレータ17を備え、カソードで生成された水を回収する。また、カソード排ガスの温度を検出する温度センサ112を備える。
【0013】
カソード出口マニホールド1dから排出されたカソード排ガスは、WRD21の加湿側を流通する。前述したように、カソード排ガスがWRD21の加湿側を流れる際に、被加湿側を流通する空気の加湿を行う。このとき、カソード排ガスの含有する水分が十分でないと、空気を十分に加湿することができない。そこで、補助加湿手段として水インジェクタ65と、水インジェクタ65から噴出する水量を調整するための供給圧力制御弁(PRV)64を備える。水インジェクタ65は、WRD21の上流側でカソード排ガスに水を噴射する。PRV64は、カソード排ガスの状態に応じて水インジェクタ65に加える圧力、ひいては水インジェクタ65から噴出する水の流量を調整する。ここでは、WRD21の加湿側の上流からPRV64に延びる配管22を備え、カソード排ガスの圧力を参照圧としてPRV64を調整する。
【0014】
WRD21の加湿側の下流には、燃焼器熱交換ASSY(燃焼装置)30を備える。WRD21と燃焼装置30との間には、カソードの圧力を調整する圧力制御弁(PCV)18を設ける。燃焼装置30は、電熱触媒(EHC)30a、触媒燃焼器(CAT)30b、熱交換器(HE)30cを備える。カソード排ガスを燃焼装置30における燃焼に用いた後、外部に排出する。排出部にはマフラー19を備える。また、EHC30aに温度センサ113を、HE30cの出口部には温度センサ114を備える。
【0015】
一方、アノードに水素を供給・排出する水素系を以下のように構成する。
【0016】
水素を貯蔵する水素タンク40、水素タンク40からの水素の供給を遮断するシャット弁41、供給される水素の温度を後述する冷媒を用いて調整する水素温調器42、水素ガス圧力を調整する圧力調整弁(PCV)43、水素ガス流量を検出するフローメータ44を備える。温度および圧力を調整した水素ガスは、後述するようにアノード排ガスを再循環させるイジェクタ45を介してスタック1に供給される。
【0017】
アノードに備えたアノード入口マニホールド1bを介して、水素ガスをスタック1に導入する。アノードの上流側には圧力センサ102と温度センサ115を備え、供給される水素ガスの圧力及び温度を検出する。アノードに供給された水素ガスは発電反応(H→2H+2e)に用いられて消費される。このとき、全ての水素ガスが発電反応により消費されるわけではなく、一部の水素ガスはアノード出口マニホールド1eを介して排出される。排出されたアノード排ガスは、アノードの下流側に備えられた水セパレータ46、シャット弁47を介してイジェクタ45の吸込み口に供給され、スタック1に再供給される。
【0018】
水セパレータ46とシャット弁47の間には分岐部49を備え、流量制御弁(FCV)48を介して燃焼装置30に接続する。アノードの循環路から排出されたアノード排ガスはCAT30bで燃焼処理されてから外部に排出される。
【0019】
次に、スタック1の温度調整を行う冷媒系について説明する。
【0020】
冷媒の貯蔵手段であるクーラントリザーバタンク51と、冷媒を循環させるクーラントポンプ52、冷媒の放熱を行うラジエータ50を備える。ラジエータ50にはラジエータファン50aを備え、通過風流量を調整することによりラジエータの冷却性能を制御する。クーラントポンプ52の吸入側はクーラントリザーバタンク51に、吐出側は分岐部58aに接続する。分岐部58aでは、燃焼装置30を循環する暖機ループとラジエータ50を循環する冷機ループとに分岐する。
【0021】
暖機ループは、燃焼装置30のHE30cに接続され、HE30cでは冷媒とCAT30bで生成された燃焼ガスとの間で熱交換を行う。HE30cから排出された冷媒は三方弁53に流入する。一方、冷機ループはラジエータ50に接続して冷媒の放熱を行う。冷却された冷媒は三方弁53に流入する。冷媒温度を上昇したい場合には暖機ループに、冷媒温度を抑制したい場合には冷機ループに冷媒を流すことにより、運転状況に応じて冷媒温度を調整することができる。
【0022】
温度調整をした冷媒が流入する三方弁53の残りのポートを、スタック1に備えたクーラント入口マニホールド1cに接続させる。三方弁53とスタック1の間には、電気伝導度計121、シャット弁54、温度センサ116、圧力センサ103を備える。電気伝導度計121とシャット弁54の間に、前述した空気温調器15、水素温調器42に分岐する分岐部57を構成する。空気温調器15では、冷媒とスタック1に供給される空気との間で熱交換を行う。さらに水素温調器42において、冷媒とスタック1に供給される水素ガスとの間で熱交換を行ってから、冷媒中のイオンを除去するために備えられたイオンフィルタ56を介してシャット弁54の下流側の合流部59に接続する。
【0023】
クーラント入口マニホールド1cから導入された冷媒によりスタック1の温度を調整する。その後、スタック1に備えたクーラント出口マニホールド1fから排出された冷媒は、クーラントポンプ52により再び冷媒系を循環する、または、クーラントリザーバタンク51に回収される。スタック1から排出される冷媒温度TSOを検出する温度センサ117と、冷媒の圧力を調整する圧力制御弁PCV55を備える。
【0024】
次に、スタック1の加湿に用いる純水系について説明する。純水系は図示しない電気ヒータなどの熱源を備え、加熱可能となっている。スタック1停止時に凍結が予測される場合には、この純水系から水を排出することにより凍結を防止する。
【0025】
水タンク60内には、水ポンプ61、水タンク60内の水量、ここでは水レベルLwを検出する水レベルセンサ151、温度センサ118を備え、さらに水ポンプ61の吸込み口には、水中の粒子等を濾別するストレーナ62を備える。水ポンプ61の吐出側には、電気伝導度計122、イオンフィルタ63、前述した水インジェクタ65を備えた吐出流路72を備える。水インジェクタ65の上流側をPRV64に接続し、PRV64で吐出流路72の圧力を調整することにより水インジェクタ65から噴出する水量を制御する。また、PRV64と水タンク60とを連通する戻り流路71を備え、吐出流路72の圧力調整のためにPRV64を介して吐出流路72から取り除いた水を回収する。さらに、吐出流路72にはシャット弁66を、戻り流路71にはシャット弁67を備える。シャット弁66、67それぞれを開放したときにはこの回路から水が排出される。
【0026】
また、空気出口マニホールド1dに設けた水セパレータ17と水タンク60を連通する流路を設け、これにシャット弁68を備える。これとは別に、水セパレータ17と外部とを連通する流路を設け、これにシャット弁69を備える。これにより、水セパレータ17で回収された水は、選択的に水タンク60に貯蔵される。また、水素出口マニホールド1e側に設けた水セパレータ46と外部とを連通する流路を設け、これにシャット弁70を備える。水セパレータ46において多くの水が回収される場合には、選択的に水セパレータ46の水を水タンク60に回収する回路を設けてもよい。
【0027】
さらに、水タンク60内の水を外部に選択的に排出するシャット弁74を備える。後述するような凍結予測手段100aにより、システム停止時に凍結が予測された場合には、このシャット弁74を開とすることで、水タンク60内の水を排出する。また、シャット弁67、68を開として吐出流路72、戻り流路71内の水を排出する。さらに、シャット弁69、70を開とすることで、水セパレータ17、46に回収された水を排出する。これにより、凍結が予測される際に純水系の水を排出することができるので、システム内の凍結を低減することができる。
【0028】
このような燃料電池システムを制御するコントローラ100を備える。コントローラ100では、各センサ等の出力から各装置およびバルブ等の制御を行うことにより、スタック1の温度制御を行う。コントローラ100は複数のコントローラを組み合わせたコントロールユニットにより構成してもよいし、また、車輌を制御するコントロールユニットの一部としてもよい。また、コントローラ100の一部としてシステム内の水の凍結を予測する凍結予測手段100aを備える。これは例えば、地域および季節に関する温度変化のデータ等を予め記憶しておき、これと外気温度TATMを比較したり、または、カーナビ等に付随して予想気温の情報を入力することにより実現することができる。また、外気温度TATMを検出する温度センサ119を備える。
【0029】
コントローラ100で行うスタック1の温度制御の概略ブロックを図2に示す。
【0030】
水タンク60に備えた水レベルセンサ151で検出した水レベルLwを示す信号(水レベル信号)を、燃料電池冷媒出口温度目標生成装置に入力する。冷媒出口温度目標生成装置において冷媒出口目標温度TSOUPRを求め、冷媒出口目標温度信号として燃料電池冷媒出口温度制御装置に出力する。また、温度センサ117により冷媒出口温度を検出し、その結果を冷媒出口温度TSOの信号として燃料電池冷媒出口温度制御装置に入力する。冷媒出口目標温度TSOUPRと冷媒出口温度TSO(検出値)とから、冷媒温度を調整するための三方弁53等を制御する燃料電池温度制御信号を出力し、これに従って、燃料電池温度制御手段を制御する。
【0031】
次に、起動時におけるスタック1の温度制御の概略フローを図3に示す。
【0032】
まず、起動開始の指令を検出し、車輌発進に必要な電力を発生させることができる温度状態にまでスタック1を昇温したら図3の制御を開始する。図3のステップS1における純水蓄積量判断において、水レベルセンサ151により水レベルLwを検出する。水レベルLwが所定レベルLw1以上の場合には、水タンク60内に十分の水があり加湿に用いることができると判断してステップS2に進む。ステップS2において、冷媒のスタック1出口の目標上限温度であるTSOUPRを通常温度TSONORMに設定する。一方、ステップS1においてLwがLw1に満たないと判断された場合には、純水蓄積量が不十分であるのでステップS3に進み、スタック1の冷媒出口目標温度TSOUPRを通常より低い制限温度TSOLIMに設定する。これにより、スタック1が加湿不足によりドライアウトを起こす前に、加湿用水を準備して純水による加湿を開始することができる。このように冷媒出口目標温度TSOUPRを設定したら、ステップS4において冷媒の温度調整(冷媒温度制御)をすることで、スタック1の温度を調整する。
【0033】
次に、本制御の詳細を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
燃料電池システムの起動指令を検知したら、ステップS10において、クーラントポンプ52を駆動することにより冷媒を循環させる。ここで、システム停止中の凍結を防ぐため、冷媒として不凍液を用いる。クーラントポンプ52は図示しない二次バッテリからの電力により駆動する。このとき、冷媒の電気伝導度を電気伝導度計121によりモニタする。また、三方弁53は暖機ループとスタック1を接続するように設定する。
【0035】
冷媒の電気伝導度が運転不可能な所定の電気伝導度以上の場合には、シャット弁54を閉じる。これにより、全ての冷媒がイオンフィルタ56を通り、効率良く電気伝導度を低下させることができる。冷媒の電気伝導度が所定値より小さくなったところでシャット弁54を開き、ステップS20に進む。
【0036】
ステップS20では、スタック1の冷媒出口温度TSOを温度センサ117により検出する。ステップS30において、この冷媒出口温度TSOが所定温度Tに達しているか否かを判断する。ここで、所定温度Tは、少なくとも温度Tより大きいときに、スタック1において車輌の走行に必要な電力を発生できる温度とする。これはスタック1の性能に左右されるが、一般的には発電による生成水が再凍結しない0℃近傍より大きければ、走行に必要な出力性能を確保できる。ここではT=0℃とする。
【0037】
ステップS20において、TSOがT以下であると判断されたら(TSO≦T)車輌発進に必要な電力が得られないので、ステップS40に進み、発進禁止の信号を出力する。ステップS50においてスタック暖機制御によりスタック1の温度を上昇させてTSOを上昇させる。以下、ステップS50におけるスタック暖機制御について説明する。
【0038】
暖機制御は、燃焼装置30における燃焼に伴う熱を用いて行うスタック1の加熱と、スタック1自体の発電により発生する自己発熱を併用して行う。氷点下の運転始動時などにTSO≦Tと判断された場合には、EHC30aに通電することによりCAT30bの温度を上昇させる。その温度を温度センサ113でモニタし、水素が着火する温度域まで上昇したらコンプレッサ20を駆動する。コンプレッサ20から吐出された空気は、空気温調器15、WRD21、スタック1を通り、PCV18を通って燃焼装置30に供給される。同時にシャット弁41を開いて水素タンク40に貯蔵した水素ガスをスタック1に供給する。このとき、シャット弁47を閉じておくので、水素はインジェクタ45を介して再循環せずに分岐部49を介して燃焼装置30に供給される。燃焼装置30に導入する水素流量はFCV48により調整する。水素流量をフローメータ44でモニタし、これを用いてフィードバック制御を行う。ここでは水素流量を、CAT30bにおける触媒燃焼で所定の発熱を行うために必要な水素流量と、スタック1の自己発電に必要な水素流量の和となるようにFCV48を制御する。
【0039】
スタック1の発電量は、補機類で消費できる電力量とする。このとき、冷媒系を加熱する電気ヒータなどの電気加熱手段を用いると、発電可能量はさらに増大してスタック自己発熱量が増大する上、電気もスタック1の加熱に使用できるので、起動時間短縮や起動のための水素消費量低減に有利となる。
【0040】
また、CAT30bの燃焼温度をコントロールするため、コンプレッサ20の吐出流量が流通する水素流量に対する所定の空気流量、つまり所定の空燃比となるように制御する。燃焼ガス温度をHE30cに備えた温度センサ114を用いてモニタし、この温度が目標温度になるように空気流量をフィードバック制御する。
【0041】
この時、クーラントポンプ52を作動させているので、冷媒がHE30cの熱交換部を流通している。HE30cでは、CAT30bから供給された燃焼ガスと冷媒との間で熱交換を行うことにより冷媒温度が上昇する。その冷媒は三方弁53、開放されたシャット弁54を通過し、スタック1のクーラント入口マニホールド1cに導入される。また一部のクーラントは、分岐部57で分岐して空気温調器15、水素温調器42を経由して合流部59に戻り、スタック1に流れる。このように、CAT30bで発生した熱は冷媒を介してスタック1に伝えられる。よってスタック1は、自己発熱と燃焼装置30で生じる熱により、速やかに昇温することが可能である。
【0042】
スタック1は冷媒と非常に効率よく熱交換されるため、スタック1のクーラント出口マニホールド1fでは、冷媒温度はほぼスタック1の温度まで低下する。従ってスタック1は速やかに熱が加えられて温度上昇し、一方、冷媒はスタック1の温度近傍となる。よって、スタック1がTより高くならなければ、スタック1の冷媒出口温度TSOは、ほぼTより高くならない。そこで、スタック1がTより高いかどうかを、冷媒出口温度TSOにて判断する。スタック出口温度TSOが車輌を発進するのに必要な電力を発生できる温度Tより高くなるまで、ステップS10〜S50を繰り返す。
【0043】
一方、ステップS30において、TSO>Tであると判断されたら、ステップS60に進み、車輌を発進する際の発進制御を行う。この状態に遷移した状態で、車輌側には走行可能をドライバーに知らせるインフォメーションがReadyランプなどで実行される。ステップS60の発進制御を図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0044】
ステップS110において、外気温度TATM、水タンクレベルLw、スタック冷媒出口温度TSO、図示しない車両制御コントローラからの要求出力Pwdを検出する。次に、ステップS120に進む。水タンクレベルLwがLw1以上かどうかを検出する。Lw1は水循環を開始可能な水タンクレベルである。水タンクレベルが低すぎる場合、水ポンプ61が水を吸い込めないといった不具合を発生する可能性がある。
【0045】
水タンク60内には、発電時にカソード出口マニホールド1dに備えた水セパレータ17で回収した生成水を貯蔵している。水タンク60や、戻り流路71や、このスタック1からの水配管とその配管中のバルブ68については、図示しない電気ヒータで加熱して水の再凍結を防止する。スタック1の運転中には定期的、または、水セパレータ17に溜まる水レベルなどから判断して、バルブ68を開き、水セパレータ17に回収した生成水を水タンク60に貯蔵する。
【0046】
ここで、本実施形態では、システム停止中に水タンク60内の水が凍結する可能性があると判断された場合には、純水系から外部に水が排出される。よって、純水系から水が排出された場合には、次の起動の際に水を確保する必要がある。そこで、ステップS120において水タンク60の水レベルLwを検討することにより、水を確保する必要があるかどうかを判断する。
【0047】
ステップS120において、水タンクレベルLwがLw1より小さく水循環が不可能の場合にはステップS130に進む。ステップS130以降では、水タンク60の水レベルLwを増大するためのスタック1の温度制御を行う。
【0048】
ステップS130において、水タンク60に溜められた水の循環を禁止する指令を出力する。ステップS140で、冷媒出口目標温度TSOUPRをTSOLIMにセットする。TSOLIMは、水タンク60に水が溜まるまでに必要な時間に対するスタック1の加湿不足によるドライアウトを防止できる運転温度である。
【0049】
図6にスタック1の冷媒出口温度TSOに対する、スタック1が加湿不足によりドライアウトに至るまでの時間、および、最大負荷運転を行った場合に水タンク60に水が溜められるまでの時間を示す。ここで、スタック1が水不足によりドライアウトするまでの時間より、水を溜めるのに必要な時間が短くなるようにTSOLIMを設定する。スタック1の運転温度を抑えることによってカソード排ガスの温度が抑制され、水セパレータ17に回収される水量が増大するので、貯水に必要な時間を短縮することができる。同時にスタック1の固体高分子膜に含有された水分の蒸発を防ぐことができるので、加湿不足によるスタックのドライアウトが生じるまでの時間を延長する事が可能である。
【0050】
ただし、外気温度TATMが高くなるとスタック1の運転温度を車輌の走行が可能な高出力下で低温に保つことは困難である。そのため、制限温度TSOLIMをあまり低い温度に設定した場合には、外気温度がある所定値以上で出力制限を行う必要が発生する。そこで、TSOLIMを走行に必要な出力を得ながらスタック1の温度を制限できる下限以上の温度に設定する。なお、水の凍結が予想されるような低温時のみ排水を行うシステムにおいては、水タンク60内の水を排出してから再び起動する際には外気温度が低い事が予想される。その場合はスタック1の運転温度を低く設定することができる。
【0051】
ステップS140でTSOUPR=TSOLIMと設定したら、ステップS150に進み三方弁53の開度制御を行う。三方弁53の開度制御を図7に示したフローチャートを用いて説明する。なお、三方弁53の開度により、冷媒を暖機ループ側に流すか、冷機ループ側に流すか、その流量分配を調整する。
【0052】
ステップS310において、スタック1の冷媒出口温度TSOと冷媒出口目標温度TSOUPRとの偏差dT=TSOUPR−TSOを求める。ステップS320において、その偏差dTに応じて三方弁53の開度RV0を図8に示すようなマップで検索する。図8は、温度偏差dTに対して設定される冷機ループへの分流比RV0である。RV0=100%とは、循環する冷媒を全て冷機ループに流すことを意味する。偏差dTが大きい場合、RV0を最小値RV0MINとすることで、ほぼ全ての冷媒を暖機ループに流して冷媒温度の上昇を促進する。ところが温度偏差dTが所定値dT以下になると、分流比RV0を増大して冷機ループ側にも循環させる。温度偏差がdTになると、冷機ループへの分流比RVOが最大となる。これにより、冷媒系の能力が外気温度に対して十分な場合、温度偏差dTはdTからdTの間に制御可能である。しかし、この状態で温度偏差dTがdT以下になる場合、冷媒系の能力が不足して温度制御ができないことを表す。なお、ここではdT2を0近傍の正の値とする。つまり、TSOがTSOUPR未満且つその近傍の温度となった時に、冷機ループへの冷媒の分配が最大となるようにする。
【0053】
このように三方弁53を制御したらステップS160に進み、冷媒流量を制御する。冷媒流量の制御を、図9に示したフローチャートを用いて行う。
【0054】
まず、ステップS410において、要求出力Pwdに対して冷媒流量のベースQcbを図10に示すようなマップにより検索する。ベースQcbは、要求出力Pwdに対する通常の必要冷媒流量であり、クーラントポンプ52の最低流量Qcminから最大値のQcmaxの間で示される。次に、ステップS420において、図7のステップS310で求めた温度偏差dTに対する冷媒流量の最小制限値Qclimを求める。ここでは、図11に示すような温度偏差dTに対する最小制限値Qclimのマップを予め記憶しておき、これを検索することで冷媒流量の最小制限値Qclimを求める。dTが0近傍の正の値であるdT4となった時点で、最小制限値Qclimは最大値Qcmaxとなる。つまり、検出温度TSOが目標温度TSOUPR近傍に達した時点で、最大の冷媒流量となる。
【0055】
次にステップS430において、ベース流量Qcbと最小制限値Qclimの値を比較し、これらの値の大きい方を選択して冷媒流量Qcとする。クーラントポンプ52の回転数をこの冷媒流量Qcを実現する回転数に制御する。
【0056】
図8、11に示すように、Qclim=QcmaxとなるdTは冷媒を全て冷機ループ側に循環させるRVO=RVOMAXとなるdTより小さい値に設定される。つまり、冷機ループへの分流比RV0が先に最大値となり、それでも目標温度に制御するための冷却能力が不足する場合には、さらに全体の冷媒流量Qcを最大としてスタック1の温度を抑制する。特に、冷媒系で検出温度TSOが目標温度TSOUPRを超えている場合(dT<0)には、最大の冷媒流量が、冷機ループに最大量流れる状態となる。
【0057】
次に、ステップS170においてラジエータ50に備えたラジエータファン50aの制御を行う。図12にラジエータファン動力制御のフローチャートを示す。
【0058】
ステップS510において、温度偏差dTに対するラジエータファン動力Pwradを求める。ここでは、予め図13に示すようなマップを記憶しておき、ステップS310で求めた温度偏差dTに対してラジエータファン動力Pwradを検索する。図13に示すように、ここではdTが0近傍の正の値dT(<dT)でラジエータファン動力Pwradは最大となる。つまり、ラジエータ50を含む冷機ループでは、TSOがTSOUPR近傍に達したら、最大の冷却能力を発揮する。そのため、目標温度を超えている状況においては、冷却系が最大の能力を発揮していることになる。このときdT<dTより、クーラントポンプ52の負荷が最大となってから、ラジエータファン動力Pwradを最大とする。
【0059】
次に、ステップS180に進み、スタック1の運転圧力を決定する。ここで運転圧力とは具体的にはスタック1に供給される水素ガス圧力と酸化剤圧力であってあって、これらは図14に示した冷媒出口温度TSOに対する液水不足時参照マップに基づき、それぞれPCV43とPCV18によって制御される。尚、水素ガス圧力と酸化剤圧力は、固体高分子膜の両側の圧力を略同一に維持する必要があることから、ほぼ同圧力に制御されるため、図14のマップ一つを参照すればよい。通常運転時には、運転圧力は燃料電池運転温度を代表するTSOに対して水バランスが取れる圧力が設定されている。しかし、ステップS120において液水が不足していると判断された場合には、その通常制御時のマップより圧力の高い液水不足時参照マップを用いて検索する。この圧力は、水バランスがプラスになる圧力となっており、よりスタック1の加湿不足を防止可能とする上、加湿水が蓄積されるスピードも増大する。その結果、加湿水が溜まるまでの時間が短縮でき、運転温度制限時間も短縮可能であり、より耐久性の面で有利である。
【0060】
このようにスタック1の運転圧力を決定したら、ステップS190において、冷媒出口温度TSOが所定温度TSOUPRを超えていないかどうか判断する。
【0061】
超えていない場合、ステップS200に進み、スタック1の出力Pwを要求出力Pwdにセットする。つまり、出力を制限せずに要求通りの出力を発生する。よって、TSOが目標制限温度TSOUPRに満たない場合、外気温度TATMが高くても出力を制限せず、これにより出力制限を行う状況を低減することができる。
【0062】
一方、ステップS190で冷媒出口温度TSOが所定温度TSOUPRを超えている場合には、ステップS210に進む。ここでは外気温度TATMに対して設定される最大出力の制限値Pwlimを、図15に示すマップを用いて検索する。外気温度TATMが高く、冷却系の能力が不足する場合には、目標温度TSOUPRを保持するために出力制限を行う。ここで、出力が最大出力Pwlim以下の場合に、冷媒出口温度TSOが目標温度TSOUPR以下となる。つまり、TATM=TATMLIMのときに冷却性能を最大とし、三方弁53を冷機ループ側に最大に開、かつ、水ポンプ60の負荷を最大、ラジエータファン50aの動力を最大として、冷媒出口温度TSOが目標温度TSOUPRに維持される。
【0063】
次に、ステップS220において、要求出力Pwdと最大出力の制限値Pwlimを比較する。ここで、スタック出力Pwとして低いほうの値を選択してセットする。これにより、冷媒出口温度TSOが制限温度TSOUPR(=TSOLIM)を超える事、ひいては、スタック1が加湿不足でドライアウトすることを防ぎながら、スタック1からの出力制限が必要な状況を最小限にしている。
【0064】
このようなフローが終了すると、最初に戻ってこれらの制御を繰り返す。ただし、ステップS120にて水タンクレベルLw>Lw1を検出すると、水循環に必要な液水が確保できたと判断し、ステップS230へ進む。ここで水ポンプ61を駆動して水循環を開始する。そして、ステップS240に進み通常時の運転に移行する。通常時運転への移行を図16のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
ステップS610において、外気温度TATMと、スタック1の冷媒出口温度TSOを検出する。ステップS620において、冷媒出口目標温度TSOUPRをTSONORMにセットする。ここで、温度TSONORMは熱水バランスが達成可能で、通常の効率を優先した運転温度である。ステップS630〜650において、図5のS150〜170と同様に、三方弁53の開度、冷媒流量、ラジエータファン50aの動力を設定する。ただし、ステップS630〜S650において、TSOUPRの値は、TSOLIMではなくTSONORMにセットされている。このように冷媒の冷却性能を設定したら、ステップS660に進み、ステップS180と同様に燃料電池の運転圧力を設定する。ただし、図14においては通常時参照マップを用い、燃料電池運転温度を代表するTSOに対して水バランスが取れる圧力を設定する。このようにスタック1の運転圧力を決定したら、ステップS670においてスタック1の出力Pwを要求出力Pwdにセットする
このように冷却システムを調整してスタック1の温度を抑制することで、スタック1の加湿不足による劣化を抑制しつつ、スタック1からの出力を要求出力に維持できる機会を増大することができる。
【0066】
次に、上記のような制御を行った際の、水タンク60内に蓄積される水量の時間変化と、スタック温度変化を図17に示す。起動開始後、スタック1において走行に必要な電力を発電可能となるまで、燃焼および自己発熱によりスタック1の暖機を行う。このとき、スタック1における反応に伴って生成水が生じ、水タンク60に水が貯蔵される。スタック1が走行可能な電力を発電可能なまで昇温したら車輌の走行を開始する。これとともに、スタック温度および貯水量が増大するが、スタック温度が運転目標温度TSOUPR(=TSOLIM)を超さないように冷媒系の調整を行う。このとき、冷媒系のみで温度を抑制しきれなくなったら、スタック1の出力を抑制することにより運転温度の抑制を行う。貯蔵された水の量が、加湿可能な所定量に達したら、この運転目標温度TSOUPRをTSONORMに設定して通常運転を開始する。
【0067】
次に、本実施形態の燃料電池システムによる効果について説明する。
【0068】
電解質膜を備え、燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電を行うスタック1を備えた燃料電池システムにおいて、スタック1を加湿する水の水タンク60を備える。また、水タンク60の水を用いてスタック1を加湿できるか否かを判断する加湿判断手段(S120)と、スタック1の温度を制御する温度制御手段(コントローラ100)と、を備える。加湿判断手段によりスタック1の加湿ができないと判断された場合には、ステップS140に示すようにスタック1の運転温度を通常運転時より低い制限温度TSOLIMに制限する。これにより、水タンク60の水を用いた加湿が行えない場合に、スタック1の加湿不足による故障を低減するとともに、車輌走行に必要な発電量を得られる時間を短縮することができる。その結果、スタック1の発電に伴う熱または生成水を用いて水タンク60から水の供給を行うことのできる状態にすることができ、低温環境下においても、無駄な燃料・電力の消費を抑制して、効率的に起動することができる。
【0069】
加湿判断手段は、水タンク60内の水が液水として所定値(Lw1)以上存在するかどうかを判断する水量判断手段(S120)であり、液水が所定値以上存在しない場合には、スタック1の運転温度を通常運転時より低く制限する。これにより、車輌走行に必要な燃料電池発電量を得られるまでの時間を短縮し、加湿用の水が蓄積されるまでの時間、燃料電池の加湿不足による故障を防止可能で、加湿用の液水が準備できた後は通常の高効率の運転が可能になる。
【0070】
水タンク内の水が凍結する可能性があるかどうかを予測する凍結予測手段100aと、水タンク内の水を排出するシャット弁74と、水タンク60内の水の量を検出する水レベルセンサ151と、を備える。水タンク60内の水が凍結する可能性があると予測された場合には、水タンク60内の水を排出し、起動時に、水タンク60内の水が所定量Lw1以上溜まるまで、スタック1の運転温度を通常運転時より低く制限する。これにより、水による凍結時の部品信頼性を確保できるシステムにおいて起動時に水供給の必要がない。これは特に、移動体、ここでは車輌に用いる場合に有効である。
【0071】
燃料電池温度制御手段として、スタック1との間で熱交換を行う冷媒を圧送するクーラントポンプ52と、ラジエータ50と、を備える。スタック1の温度を通常運転時より低く制限する場合には、スタック1から排出される冷媒の温度が制限された制限温度TSOLIMで、ラジエータ50を循環する冷媒流量を最大とする。ここでは、TSOがTSOUPR未満且つその近傍で、三方弁53により冷機ループを循環する割合を最大とする。また、冷媒ポンプ52による吐出量を最大とする。これにより、スタック1の温度制御を正確に行うことが可能となり、確実にスタック1の加湿不足による故障を防止可能である。
【0072】
燃料電池温度制御手段として、さらに、スタック1の出力制限を行う出力制限手段(S220)を備える。これにより、外気温度TATMが高く温度制限が困難な状況においても確実にスタック1温度を制限することが可能となり、その結果、より広い環境状況において、確実にスタック1の加湿不足による故障を防止しつつ、効率的な運転を行うことができる。
【0073】
スタック1の運転温度を制限する際には、優先的にラジエータ50への冷媒流量を増大させ、ラジエータ50への冷媒循環流量が最大になった後にもスタック1の運転温度が制限温度TSOUPRを越える場合に、スタック1の出力Pwを制限する。これにより、スタック1の出力制限が必要となる状況を低減することができ、ドライバーの意図通りに加速できない状況を少なくすることができる。
【0074】
また、スタック1の温度を通常運転時より低く制限する場合には、スタック1から排出される冷媒の温度が制限温度TSOLIMで、ラジエータファン50aの動力を最大とする。これにより、スタック1の温度制御を正確に行うことが可能となり、確実にスタック1の加湿不足による故障を防止可能である。
【0075】
ここにおいても、スタック1の運転温度を制限する際には、優先的にラジエータ50aの動力を増大させ、ラジエータ50aの動力が最大になった後にもスタック1の運転温度が制限温度TSOLIMを越える場合に、スタック1の出力Pwを制限する。これにより、スタック1の出力制限が必要となる状況をより少なくすることができ、ドライバーの意図通りに加速出来ない状況を少なくすることができる。
【0076】
さらに、第1の実施形態の燃料電池システムは、スタックの運転圧力を調整する圧力調整手段(PCV18、43)を備える。加湿判断手段(S120)によりスタック1を加湿できないと判断された場合には、スタック1の運転圧力を増大する。ここでは、図14に示すように設定圧力の大きい液水不足時参照マップを用いる。これにより、発電によって生成する生成水がカソード排ガスに伴って持ち出され難くなるため、スタック1の加湿不足をより効果的に防止可能で、かつ、加湿用液水を早く蓄積することができる。
【0077】
より具体的には、加湿判断手段によりスタック1を加湿できないと判断された場合には、スタック1の運転温度が上昇するに伴ってスタック1の圧力を増大し、スタック1の温度が制限される温度に達した際には、最大の圧力で運転する。これにより、スタック1が制限温度TSOLIMの状態で最大の圧力POMAXで運転することになり、スタック1の加湿不足をシステム能力の最大限にて防止する事が可能となる。
【0078】
なお、本実施形態においては、基本的な加湿デバイスとしてWRD21を設けており、高温の厳しい運転条件以外は加湿不足は生じにくい。よって、低温下の起動時であってもある程度はWRD21で加湿を行うことができるため、補助加湿が必要にならない程度に、少しスタック1の運転温度を制限する事で十分に電解質膜の保湿を維持することができる。
【0079】
次に、第2の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図18を用いて説明する。ここでは、システム停止時にも水タンク60内に純水を保持し、凍結している場合には低電力で解凍を行う燃料電池システムについて説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0080】
まず、カソードに空気を供給・排出する酸化剤系について説明する。
【0081】
エアクリーナ10、ケミカルフィルタ11、フローメータ12を備え、その下流側とコンプレッサ20の吸入側とを接続する。コンプレッサ20の吐出側には、サイレンサ14、マイクロフィルタ16を備え、さらに空気温調器15を備える。さらに、カソード排ガスを加湿源とするWRD21の被加湿側を介して、スタック1のカソード入口マニホールド1aに接続する。WRD21とスタック1との間には、圧力センサ101、空気センサ111を備える。スタック1のカソード出口マニホールド1dから下流は、第1の実施形態と同様に構成する。但し、第2の実施形態では、カソード出口マニホールド1dに設けられた水セパレータ17の水は、全て水タンク60に送出されるため、シャット弁69は設けられていない。
【0082】
次に、アノードに水素ガスを供給・排出する水素系について説明する。
【0083】
水素タンク40からシャット弁41を経由して水素温調器42に接続する。圧力制御弁PCV43、フローメータ44を経てイジェクタ45に接続する。イジェクタ45からはスタック1のアノード入口マニホールド1bに接続され、その上流側にはスタック1に供給する水素圧力および温度を検出する圧力センサ102、温度センサ115を備える。アノード出口マニホールド1eはイジェクタ45に戻り水素循環路を形成している。アノード出口マニホールド1eとイジェクタ45との間に設けた分岐部49からは燃焼装置30に伸びる分岐路を構成し、流量制御弁FCV48により燃焼装置30に分岐させるアノード排ガス流量を調整する。以下、水素系については、第1の実施形態と同様に構成する。
【0084】
次に、スタック1の温度を制御する冷媒系について説明する。
【0085】
クーラントリザーバタンク51をクーラントポンプ52の吸入側に接続する。クーラントポンプ52の吐出側は電気伝導度計121を介して、スタック1のクーラント入口マニホールド1cに接続する。クーラント出口マニホールド1fの下流側にはスタック1から排出された冷媒の冷媒出口温度TSOを検出する温度センサ117を備える。さらにその下流側で、空気温調器15と水素温調器42に分岐し、空気及び水素ガスとそれぞれ熱交換した後、再び合流する。その後、冷媒系は水タンク60内を通過する。水タンク60内に配置した冷媒系の配管を熱交換部60aとし、冷媒がこの熱交換部60aを流れる際に水タンク60内に貯蔵された水との間で熱交換を行う。これにより、例えば水タンク60内の水が凍結している際に、比較的温度の高い冷媒から熱を供給することにより、水タンク60内の水の解凍を促進することができる。熱交換部60aを循環した冷媒はその後、ラジエータ50と燃焼装置30に分岐する三方弁53に接続される。三方弁53からは、第1の実施形態と同様に暖機ループと冷機ループに分岐し、冷媒の温度調整を行う。暖機ループと冷機ループは合流部58bで接続し、水ポンプ52の吸入側に接続する。なお、水ポンプ52に並列して冷媒の電気伝導度を低減するイオンフィルタ56を備える。
【0086】
次に、スタック1の加湿を行う純水系について説明する。
【0087】
水タンク60内に、水レベルセンサ151、水ポンプ61、水ポンプ61の吸い込み口のストレーナ62を備える。水ポンプ61の吐出側には、電気伝導度計122、イオンフィルタ63を介してスタック1に接続する吐出経路72を備える。スタック1内ではアノードおよびカソードと多孔質のプレートを介して水チャンネルを設ける。水チャネル内を純水が流通する際に、多孔室プレートを介して各電極に、ひいては電解質膜に水分が供給されて加湿が行われる。つまり、本実施形態では、主加湿手段としてWRD21を用いるとともに、補助加湿手段としてスタック1内を循環する純水による加湿を行う。
【0088】
スタック1で加湿に使用されなかった純水を水タンク60に回収する戻り回路71には、シャット弁81、シャット弁83、圧力制御弁PRV84を備える。PRV84は、スタック1のカソード出口圧を参照圧として接続する。シャット弁81とシャット弁83との間には、シャット弁82を介してカソード排気側に接続する流路を構成する。これらのシャット弁82、シャット弁81、シャット弁83を開くことにより、カソード排ガスにより回路内の水が水タンク60に回収される。またこの水経路およびその水経路中の部品は、図示しない電気ヒータなどの熱源によって加熱可能となっている。
【0089】
なお、シャットダウン時には、発電停止後には、図示しない二次電池からの電力により、コンプレッサ20を駆動する。PCV18によりカソードの圧力を若干増大することにより、水セパレータ17内の水を水タンク60に回収する。カソード出口マニホールド1d内の排水が終了したら、シャット弁68を閉としてマニホールド1d内が排水された状態を維持する。また、シャット弁81〜83を開とすることで、吐出経路72および戻り経路71の排水を行う。これにより、純水の配管内での凍結を防止する。
【0090】
次に、起動時のスタック温度制御を説明する。図19のフローチャートを用いて制御の概略を説明する。まず、起動開始の指令を検出し、車輌発進に必要な電力を発生させることができる温度Tまでスタック1を昇温したら図19のフローを開始する。
【0091】
ステップS11において、水タンク60内の純水を解凍する必要があるかどうかを判断する。これは、水タンク60に備えた温度センサ118の出力により判断することができる。水タンク60内の純水温度Twが所定温度Tw1以上の場合には、ステップS12に進み、冷媒出口目標温度TSOUPRを通常温度TSONORMに設定する。一方、純水温度Twが所定温度Tw1に満たない場合には、ステップS13に進み、冷媒出口目標温度TSOUPRを制限温度TSOLIMに設定する。ステップS14の冷媒温度制御において、ステップS12またはS13において設定した冷媒出口目標温度TSOUPRと検出された冷媒出口温度TSOに応じて冷却系を制御する。これにより、水タンク60内の水の凍結時にスタック1の温度が抑制されるので、スタック1が加湿不足によりドライアウトを起こす前に、加湿用水を準備して純水による加湿を開始することができる。
【0092】
次に、制御の詳細を説明する。以下、第1実施形態における制御と異なる部分を中心に説明する。
【0093】
起動時の温度制御のメインルーチンを第1実施形態と同様に図4に示す。ステップS30において、スタック1の温度が発進に必要な電力を生じるのに必要な温度に達しているか否かを判断する。ここでは冷媒出口温度TSOがT(=0℃)に達しているかどうかで判断する。Tに達していない場合には発進禁止指令を出力した後、ステップS50においてスタック暖機制御を行うが、ステップS30において冷媒出口温度TSOが、Tに達していない場合には、雰囲気温度が氷点下であると考えられ、水タンク60内の水が凍結している可能性があると判断できる。これを考慮して、スタック暖機制御を次のように行う。
【0094】
スタック暖機制御では、二次電池等を用いて燃焼装置30で燃焼を行い、循環する冷媒温度を上昇させる。昇温した冷媒をスタック1に流通させることにより、スタック1の温度を上昇させる。スタック1と冷媒とは非常に効率良く熱交換されるため、クーラント出口マニホールド1fでは、冷媒温度はほぼスタック1と同程度となっている。
【0095】
スタック1が大幅に氷点を下回る場合(例えば−20℃)、通常運転(本実施例では車輌走行可能な運転状態)に必要な大電力を発電すると生成水が冷えたスタック1で冷やされ再凍結してしまうため、0℃近傍までスタック1を加熱しないと大電力を発電することは困難である。従って大電力の発電ができるまで冷媒出口温度TSOは氷点以上にはなりにくい。その結果、そのスタック1下流にある水タンク60へは氷点以上の冷媒が入ってこないため、水タンク60内の熱交換部で氷の表面から少しずつ氷に熱を加えることにはなるが、凍結水を解凍するには至らない。よって、水タンク熱交換部60aでは、冷媒はあまり熱は取られず、水タンク60の解凍のために積極的に電力が消費されることはない。そのためCAT30bで発生する熱量を用いて、効率よくスタック1の氷点近傍への加温が可能となる。以上によって、同じ水素消費量で考えた場合、スタック1を早く大電力発電可能な状態に持っていく事ができるので、起動時間の低減、起動消費エネルギの低減が可能になる。
【0096】
その後、スタック1が発電可能な温度に達すると、CAT30bの運転を停止し、暖機運転を終了する。つまり、ステップS30において、TSO>Tと判断されたらステップS60に進み発進制御を行う。この場合には、スタック1の発電によって発生した熱を用いて水タンク60内の純水を解凍する。本実施形態の発進制御のフローチャートを図20に示す。
【0097】
本実施形態では、通常運転を開始するかどうかを水タンク60の水レベルLwではなく、水タンク60に蓄積された水の温度Twにより判断する。ここでは、水タンク60に備えた温度センサ118の出力に応じて判断する。つまり、ステップS720では、水タンク60内の水の温度Twが所定温度Tw1より大きいかどうかにより水タンク60内の水を用いて加湿できるか否かを判断する。ここで、所定温度Tw1は、水タンク60内の水が所定量、ここでは水ポンプ61により循環させることのできる量だけ解凍したと判断できる温度とする。これは、例えば0℃近傍に予め設定することができる。ステップS720で、Tw≦Tw1であれば、水循環を行えるほど解凍されていないと判断できるので、ステップS730からS820までの制御を行う。これらのステップは、第1実施形態におけるステップS130〜S220と同様の制御である。この制御により、スタック1と低温に設定した冷媒との間で熱交換を行い、高温となった冷媒を水タンク60の熱交換部60aに流通させる。これにより、スタック1の発電に伴う熱を用いて水タンク60内の水の解凍を行うことができる。よって、CAT30bを用いて水タンク60内の水を解凍するよりも消費する燃料が低減できる。このとき、水タンク60の温度Twが0℃を超え、水タンク60の水による加湿が可能であると判断されるまでは、スタック1が無加湿で運転可能な温度を超えることを制限する。これによって水タンク60が解凍されるまでスタック1を水不足によりドライアウトさせることなく運転することができるので、効率的な起動を行うことができる。
【0098】
尚、ステップS740において、運転温度を制限する際の冷媒出口目標温度TSOUPR(=TSOLIM)を設定する際には、図6のかわりに図21に示した冷媒出口温度に対する凍結に要する時間の関係からTSOLIMを設定する。なお、この解凍に要する時間は、第1実施形態における水が溜まるまでの時間に相当する。
【0099】
一方、ステップS720でTw>Tw1であると判断されたら、ステップS830、S840に進み、水ポンプ61を稼動させることで、第1の実施形態のステップS230、S240と同様に通常運転を開始する。
【0100】
このように制御することにより、スタック1の温度および解凍された水の量の時間変化は図22に示すようになる。
【0101】
暖機運転時には、燃焼装置30において冷媒を昇温することにより、スタック1の暖機を行う。スタック1が、再凍結を防ぎ、大きな電力を発生できる温度T(0℃近傍)まで暖機されたら、燃焼装置30における燃焼を停止して、積極的に発電を行い車輌の走行を開始する。発電に伴ってスタック1温度が上昇する、ひいては冷媒温度が上昇するので、この冷媒を水タンク60の熱交換部60aに流通させて、水タンク60内の解凍を行う。このとき、スタック1では純水系による加湿を行わない運転を行っているため、スタック1の温度が過度に上昇すると水不足が生じてスタック1が劣化する可能性がある。そこで、冷媒流量、ラジエータ50に循環させる冷媒の割合、ラジエータの冷却性能を大きくすることで、冷媒系の冷却性能を増大する。さらに、運転圧力を増大することにより、スタック1の水不足をさらに抑制する。さらに温度抑制が必要な場合には、スタック1の出力を制限することによりスタック1の劣化を抑制する。
【0102】
これにより、スタック1の温度が目標温度TSOUPRを超えるのを防ぎつつ、必要な出力を発生しやすいようにスタック1の温度を調整することができる。このような状態を維持して水タンク60内の解凍を継続し、解凍量が所定量、ここでは水ポンプ61により循環できる量を超えたら通常運転を開始する。
【0103】
次に、本実施形態の効果を説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0104】
水タンク60内の凍結を解凍する解凍手段(熱交換部60a)と、水タンク60内の水の状態を検出する温度センサ118と、を備える。加湿判断手段として、水タンク60内で少なくとも所定量の水が液水状態であるか否かを判断する凍結判断手段(S720)を用いる。水タンク60内の水が凍結しており、液水である水が所定量に満たないと判断された際には、スタック1の運転温度を通常運転より低い制限温度TSOLIMに制限する。また水タンク60内で少なくとも所定量の水が液水状態であると判断されたら、スタック1の運転温度の制限を解除する。これにより、加湿用の液水が凍結している間、スタック1の加湿不足による故障を防止するとともに、車輌走行に必要な発電量を得られる時間を短縮し、なおかつ、加湿用の液水を準備するエネルギを最小化することが可能となる。その後、加湿用の液水が準備できたら、通常の高効率運転が可能となる。
【0105】
水タンク60内の水の状態を検出する状態検出手段として、水タンク60内の水の温度を検知する温度センサ118を備え、水タンク60内の水の温度が0℃を超える所定温度Tw1になった場合には、水タンク60内で所定量以上の水が液水であると判断する。これにより、水タンク60の解凍状況を検知する事が可能となり、加湿水を循環できるかどうかを確実に判断することが可能となる。よって、凍結状態のまま水循環を開始して、純水系の循環系部品を損傷することを防止することができる。
【0106】
水素含有ガスと酸化剤ガスとを燃焼する燃焼装置30を備え、さらに、燃料電池温度制御手段として、冷媒を燃焼装置30、スタック1、水タンク60の順に循環させて、冷媒との間で熱交換を行う冷媒系を備える。スタック1の暖機には燃焼装置30で生じる熱を冷媒を介してスタック1に供給し、スタック1の暖機を終了して燃焼装置30を停止した後に、スタック1の発電に伴う熱を冷媒を介して水タンク60に供給することにより水タンク60の暖機を行う。このように燃焼装置30でスタック1のみの暖機を行うことで、スタック1で走行できる発電を行うまでの時間を短縮することができる。また、スタック1を発電可能な程度まで暖機したのち燃焼を停止して、スタック1からの廃熱を用いて水タンク60内の水の解凍を行うので、燃料効率のよい解凍を行うことができる。このとき、冷媒系および運転圧力、必要に応じて運転出力を調整することができるので、無加湿運転を行ってもドライアウトが生じない温度範囲にスタック1を設定することができる。
【0107】
また、加湿判断手段(S720)によりスタック1を加湿できないと判断された場合には、スタック1の運転圧力を増大する。ここでは、図14に示すように設定圧力の大きい液水不足時参照マップを用いる。これにより、スタック1の加湿不足をより効率的に防止可能で、特にスタック1の制限運転温度を高く設定することができる。冷媒の熱を用いて水タンク60内の氷を解凍する場合には、高い温度の冷媒によって解凍時間をより短縮する事が可能となり、短時間で加湿用液水を準備することが可能となる。
【0108】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの構成図である。
【図2】第1の実施形態における燃料電池の温度制御の概略図である。
【図3】第1の実施形態における燃料電池の温度制御の概略を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における燃料電池システムの冷媒系のメインルーチンである。
【図5】第1の実施形態における発進時の冷媒系制御のフローチャートである。
【図6】冷媒出口温度に対するドライアウトに至るまでの時間および水を確保するのに必要な時間を示す図である。
【図7】第1の実施形態における三方弁開度を設定するためのフローチャートである。
【図8】温度偏差に対する三方弁開度を示す図である。
【図9】第1の実施形態における冷媒流量を設定するためのフローチャートである。
【図10】燃料電池出力に対する冷媒流量を示す図である。
【図11】温度偏差に対する冷媒流量最小制限値である。
【図12】第1の実施形態におけるラジエータファンの動力制御のフローチャートである。
【図13】温度偏差に対するラジエータファン動力を示す図である。
【図14】燃料電池温度に対する運転圧力を示す図である。
【図15】外気温度に対する燃料電池最大出力を示す図である。
【図16】第1の実施形態における通常運転に移行する際のフローチャートである。
【図17】第1の実施形態のスタック温度および蓄積水量の時間変化を示す図である。
【図18】第2の実施形態における燃料電池システムの構成図である。
【図19】第2の実施形態における燃料電池の温度制御の概略を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施形態における発進時の冷媒系制御のフローチャートである。
【図21】冷媒出口温度に対するドライアウトに至るまでの時間および解凍に必要な時間を示す図である。
【図22】第2の実施形態のスタック温度および解凍水量の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1 スタック
18 PCV(圧力調整手段)
30 燃焼装置
50 ラジエータ
50a ラジエータファン
52 クーラントポンプ
53 三方弁
60 水タンク(貯蔵手段)
60a 熱交換部(解凍手段)
74 シャット弁(水排出手段)
61 水ポンプ
100 コントローラ(温度制御手段)
100a 凍結予測手段
117 温度センサ
118 温度センサ(状態検出手段、水温度検出手段)
151 水レベルセンサ(水量検出手段)
S120、S720 加湿判断手段
S220、S820 出力制限手段

Claims (13)

  1. 電解質膜を備え、燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池を加湿する水の貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段の水を用いて前記燃料電池を加湿できるか否かを判断する加湿判断手段と、
    前記燃料電池の温度を制御する温度制御手段と、を備え、
    前記加湿判断手段により前記燃料電池の加湿ができないと判断された場合には、前記燃料電池の運転温度を通常運転時より低い制限温度以下に制限することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記加湿判断手段は、前記貯蔵手段内の水が液水として所定値以上存在するか否かを判断する水量判断手段であり、
    前記液水が所定値以上存在しない場合には、前記燃料電池の運転温度を前記制限温度以下に制限する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記貯蔵手段内の凍結を解凍する解凍手段と、
    前記貯蔵手段内の水の状態を検出する状態検出手段と、を備え、
    前記加湿判断手段は、前記貯蔵手段内で少なくとも所定量の水が液水状態であるか否かを判断する凍結判断手段であり、
    前記貯蔵手段内の水が凍結しており、液水である水が所定量に満たないと判断された際には、前記燃料電池の運転温度を前記制限温度以下に制限し、前記貯蔵手段内で少なくとも所定量の水が液水状態であると判断されたら、前記燃料電池の運転温度の制限を解除する請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記貯蔵手段内の水が凍結する可能性があるかどうかを予測する凍結予測手段と、
    前記貯蔵手段内の水を排出する水排出手段と、
    前記貯蔵手段内の水の量を検出する水量検出手段と、を備え、
    前記貯蔵手段内の水が凍結する可能性があると予測された場合には、前記貯蔵手段内の水を排出し、
    起動時に、前記貯蔵手段内の水が所定量以上溜まるまで、前記燃料電池の運転温度を前記制限温度以下に制限する請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池温度制御手段として、前記燃料電池との間で熱交換を行うクーラントを圧送するクーラントポンプと、クーラントの放熱を行うラジエータと、を有する冷媒系を備え、
    前記燃料電池の温度を前記制限温度以下に制限する場合には、前記燃料電池から排出される前記クーラントの温度が、前記制限温度で前記ラジエータを循環するクーラント流量を最大とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池温度制御手段として、さらに、前記燃料電池の出力制限を行う出力制限手段を備える請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池の運転温度を制限する際には、優先的に前記ラジエータへのクーラント流量を増大させ、前記ラジエータへのクーラント循環流量が最大になった後にも前記燃料電池の運転温度が前記制限温度を越える場合に、前記燃料電池の出力制限を行う請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記ラジエータを通過する通過風の流量を増減させるラジエータファンを備え、
    前記燃料電池の運転温度を制限する際には、優先的に前記ラジエータファンの動力を増大させ、前記ラジエータファンの動力が最大になった後にも前記燃料電池の運転温度が前記制限温度を越える場合に、前記燃料電池の出力制限を行う請求項6に記載の燃料電池システム。
  9. 前記ラジエータを通過する通過風の流量を増減させるラジエータファンを備え、
    燃料電池の運転温度を制限する際には、前記ラジエータへのクーラント流量と前記ラジエータファンの動力が共に最大となった後にも前記燃料電池が前記制限温度を超える場合に、前記燃料電池の出力制限を行う請求項6に記載の燃料電池システム。
  10. 前記貯蔵手段内の水の状態を検出する状態検出手段として、前記貯蔵手段内の水の温度を検知する水温度検出手段を備え、
    前記貯蔵手段内の水の温度が0℃を超える所定温度になった場合には、前記凍結判断手段において、前記貯蔵手段の所定量以上の水が液水であると判断する請求項3に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池の運転圧力を調整する圧力調整手段を備え、前記加湿判断手段により前記燃料電池を加湿できないと判断された場合には、前記燃料電池の運転圧力を増大する請求項1に記載の燃料電池システム。
  12. 前記加湿判断手段により前記燃料電池を加湿できないと判断された場合には、前記燃料電池の運転温度が上昇するに伴って前記燃料電池の圧力を増大し、前記燃料電池の温度が前記制限温度に達した際には、最大の圧力で運転する請求項11に記載の燃料電池システム。
  13. 水素含有ガスと酸化剤ガスとを燃焼する燃焼装置を備え、
    さらに、前記燃料電池温度制御手段として、クーラントを前記燃焼装置、前記燃料電池、前記貯蔵手段の順に循環させて、クーラントとの間で熱交換を行う冷媒系を備え、
    前記燃料電池の暖機には前記燃焼装置で生じる熱をクーラントを介して燃料電池に供給し、前記燃料電池の暖機を終了して前記燃焼装置を停止した後に、前記燃料電池の発電に伴う熱をクーラントを介して前記貯蔵手段に供給することにより前記貯蔵装置の暖機を行う請求項3に記載の燃料電池システム。
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