JP4200729B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は燃料電池システム、とくに加湿水の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムにあって、燃料電池スタックを冷却する冷却水の一部を濾過して純水を取り出し、これを燃料電池の加湿水として利用するものが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−185877号報
【0004】
【発明の解決すべき課題】
この場合、燃料電池の起動時の温度が低いと、タンクに水が凍結し、起動が困難となり、加熱するにしても多量の水を有するのでエネルギが必要となった。また加湿に必要な純水の全量を冷却水から濾過するので、濾過システムが大型する問題もある。
【0005】
本発明の目的は、水の凍結の可能性が高い低温起動時にあっても、最小限のエネルギにより効果的に加湿が行え、かつ加湿のためのシステムの小型化を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃料電池と、燃料電池に不凍液を含む冷却水を循環させる閉回路の冷却系と、燃料電池に供給する燃料、空気を加湿する加湿手段と、燃料電池から排出される排ガス中の水分を回収する手段と、前記回収手段により回収した水を蓄える純水タンクと、前記冷却水の一部から純水を分離抽出する純水分離手段と、前記純水分離手段を加熱する加熱手段と、前記純水タンクと前記純水分離手段からの純水を前記加湿手段に送り込む移送手段と、前記純水タンクの温度を検出する手段と、前記純水タンクの液面レベルを測定する手段と、純水の凍結が推定されるときには冷却水から前記純水分離手段により分離した純水を前記加湿手段に供給し、凍結が解除されたときには前記純水分離手段での純水の分離を停止させ、前記純水タンクからの純水を前記加湿手段に供給するようにするコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記純水タンクの液面が上限値よりも低いときには、前記純水分離手段により冷却水から分離した純水で、前記加湿手段への純水の供給を補い、前記純水分離手段での純水の分離中だけ前記加熱手段による加熱が行われるようにする
ことを特徴とする。
【0007】
【作用・効果】
したがって、燃料電池システムの極低温からの起動時など、純水の凍結が予測されるときだけ、純水分離手段で分離抽出した純水で加湿を行い、凍結のおそれのないときは純水タンクからの純水で加湿を行い、また純水タンクには排ガスから回収した水分(純水)を供給することにより、燃料電池の加湿のため、システムの小型化と排ガス中に含まれる水分の有効活用とが図れる。
また、純水タンクの液面が低下したときには、純水分離手段に冷却水を送って純水を分離、抽出し、加湿用として補充するので、一時的に純水の回収量が低下したときでも、確実に必要量の加湿用の純水をシステム内から供給することができ、外部からの給水が不要となる。
【0008】
【実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1に燃料電池システムの構成を示すが、1は燃料電池(FCスタックともいう)で、燃料通路2から供給される燃料(水素リッチガス)と、空気通路6から供給される酸化剤としての空気とを反応させて発電する。
【0010】
燃料通路2と空気通路6の各供給燃料量と空気量は、燃料電池1の発電要求に応じて制御される。燃料通路2に設けた加湿器3と、空気通路6に設けた加湿器7により、それぞれ純水による加湿が行われる。32はFCスタック1の温度を測定するための温度センサである。
【0011】
FCスタック1で消費しきれなかった燃料は燃料燃焼器4で完全に燃焼させてから排気通路5に送り出す。また、FCスタック1で消費しきれなかった空気中に含まれる水分は、水回収手段としての熱交換器8によって復水され、余剰空気は排気通路9により外部に排出される。
【0012】
熱交換器8としては空冷の熱交換器などが利用でき、排気温度低下により凝縮した水分を回収するが、他のタイプの熱交換器、あるいは水分離膜など、公知の水回収手段を採用することができる。
【0013】
発電にともなって発熱したFCスタック1を冷却するために、FCスタック1内に設けた冷却水路に冷却水が循環させる冷却系が備えられる。
【0014】
冷却水には不凍液として例えば、エチレングリコールが予め所定の濃度となるように混入されている。冷却水は冷却水タンク12から冷却水ポンプ14により通路15を経由してFCスタック1に送り込まれる。FCスタック1を冷却して温度が上昇した冷却水は、通路10から熱交換器(ラジエータ)11に流れて冷却されたのち冷却水タンク12に戻される。
【0015】
冷却水タンク12には液面センサ13が備えられ、この液面センサ13により冷却水タンク12の水位を測定すると共に、後述するように、エチレングリコールの濃度を推定し、冷却水の凍結温度を推定可能となっている。
【0016】
前記冷却水ポンプ14の吐出側の通路15から分岐して通路16が設けられ、開閉バルブ17を介して純水分離手段18に接続する。バルブ17を開くことにより冷却水ポンプ14から不凍液を含む冷却水が、純水分離手段18に送り込まれる。純水分離手段18は水分離膜を備え、水分子とエチレングリコールの分子との分子径の差を利用して、冷却水から純水を分離するもので、この純水分離手段18には加熱手段としてのヒータ19が取り付けられる。ヒータ19による加熱により、冷却水が氷点下の状態から純水を取り出しても、純水が凍結することを防止できる。
【0017】
純水分離手段18の下流には圧送手段としての圧送ポンプ20が設けられ、このポンプ20の吐出側に接続した通路23が前記加湿器3と7に接続し、加湿器3と7に加圧した純水を供給可能となっている。なお、加湿器3と7に供給する純水の量を調整するための制御バルブを通路23に設けてもよい。
【0018】
通路23の途中からはドレン通路21が分岐し、ドレン通路21にはドレンバルブ22が設けられ、ドレンバルブ22を開くことにより、純水を系外(外部)に排出することができる。さらに通路23の途中からは冷却水タンク12につながる供給通路24が分岐し、この供給通路24に介装したバルブ25を開くと、冷却水タンクに純水を補給することができる。
【0019】
次に、前記熱交換器8によって回収された水分(純水)が通路26を介して導入される純水タンク27が設けられる。この純水タンク27には純水が凍結したときに解凍するための加熱解凍手段としてのヒータ30が備えられる。純水タンク27の下流は通路31によって前記圧送ポンプ20の吸込側に接続する。純水タンク27には純水の液面を測定する液面センサ28と、温度を測定する温度センサ29が備えられる。
【0020】
したがって、以上の構成からも分かるように、FCスタック1を冷却するための閉回路を構成する冷却系には、最初に一定量の不凍液を含む冷却水が封入され、これに対して、純水タンク27にはFCスタック1の発電反応により生じた純水が回収され、回収された純水は加湿器3、7により再びFCスタック1の加湿のために利用される。このため、原則的には冷却系と純水系とは互いに分離独立した形態で、必要な水量をまかなうことができる。しかし、本発明では、燃料電池システムの極低温からの起動時など、純水が凍結しているときや、あるいは純水タンク27からだけの純水では不足するときなど、純水分離手段18に冷却水を送り、ここで分離抽出した純水を、純水タンク27からの純水を補うように、加湿器3、7に供給したり、あるいは逆に冷却水タンク12の冷却水が不足したときに、純水を冷却水タンク12に導入して不足分を補ったりするようにして、排ガスから回収した水分(純水)を有効活用しながら、全体的に冷却及び加湿のためのシステムを必要最小限の小型なものとすること可能としている。
【0021】
このためにコントローラ50が備えられ、このコントローラ50が前記バルブ17、22、25の開閉を制御し、ポンプ14、20の駆動を制御し、またヒータ19、30の通電を制御するようになっている。そしてこれらの制御のために、コントローラ50には前記した液面センサ13、28からの信号、温度センサ29、32からの信号が入力し、コントローラ50は図2〜図4に示すフローチャートにしたがった制御を実行する。
【0022】
まず、図2のフローチャートを参照して全体的な制御動作について説明する。
【0023】
ステップS1ではFCスタック1の温度を温度センサ32により測定し、起動時の暖機が終了したかどうかの判断を行っている。ここでは一例として、50℃を暖機終了の判定値としているが、これはFCスタック1によって適宜変更することができる。
【0024】
ステップS1で、50℃以上と判定されたときは、ステップS2に進んで起動処理を終了させる。これに対して、そうでは無いときは、ステップS3に進んで起動方法を選択するために、温度センサ28によって測定した純水タンク27の温度が、凍結のおそれのある温度に近い、例えば5℃を判定値として、冷間起動か通常起動かの判断を行う。
【0025】
ステップS3で温度が5℃以下と判定されたときは、純水タンク27が凍結のおそれがあるためステップS4に進んで冷間起動を選択し、そうでないときはステップS5に進んで通常起動を選択する。
【0026】
ここで、冷間起動の処理ルーチンについて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
ステップS20で純水タンク27のヒータ30に通電し、ステップS21で純水分離手段18のヒータ19に通電する。そして、ステップS22でヒータ通電後所定時間、例えば10秒が経過するまで待つ。
【0028】
ヒータ19、30の通電後に10秒が経過し、初期的な加熱が行われたら、冷却水ポンプ14を駆動し、またバルブ17を開く(ステップS23、S24)。これにより冷却水を供給する通路16の圧力が上昇し(例えば0.2Mpa)、純水分離手段18に冷却水が送り込まれる。この場合、冷却水には不凍液が含まれており、純水に比べて凍結温度が低く、冷間起動であっても、冷却水を純水分離手段18に送り込むことができる。
【0029】
ついで、ステップS25でバルブ17を開いてからの時間が、所定の時間、例えば10秒、過ぎたかどうかを待ち、この間に純水分離手段18で純水が生成されるのを判断する。この時間は純水分離手段18の容量などによって適宜変更することができ、時間の経過後にステップS26に進んで、圧送ポンプ20を起動して純水分離手段18から純水の供給を開始する。ヒータ19に通電して分離抽出した純水を加熱しているので、分離された純水が凍結することはない。純水の供給量は例えばポンプ20の回転速度を調整することで制御でき、加湿器3、7が必要とする水量が供給できるように設定する。
【0030】
ステップS27では、ポンプ20による圧送開始後、所定の時間、例えば10秒が経過したかどうか判断する。この時間は通路23の配管径などを考慮して、加湿器3、7までの経路が十分に純水で満たされるのに必要な時間とする。
【0031】
ただし、加湿器3、7の構造によっては、純水がポンプ20との間を循環する構成とすることもできる。
【0032】
そして、所定時間が経過したら、ステップS28に進んで、燃料電池システムの起動を行う。具体的には、燃料通路2と空気通路6とから燃料と空気の供給を開始し、加湿器3、7により加湿しながら、FCスタック1での発電を開始させるのである。
【0033】
その後、ステップS29で純水の温度が5℃にまで上昇したかどうかの判断を行っている。ここでは、純水タンク27のヒータ30さらにはヒータ19の通電を切るかどうかを決めるもので、凍結のおそれのない5℃を越えたら、ステップS30に進み、ヒータ30、19をオフにし、またステップS31でバルブ17を閉じる。これにより純水分離手段18への冷却水の供給を停止し、加湿器3、7に供給する純水は、純水タンク27からの純水のみとなるように切り換えている。
【0034】
次に通常起動時の処理ルーチンについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
純水の温度が凍結のおそれのない5℃以上からの起動では、ステップS41で圧送ポンプ20を駆動して純水を加湿器3と7に供給する。供給量はFCスタック1に供給される空気量に応じて決められ、例えばポンプ回転速度に応じて制御することができる。
【0036】
ステップS42で圧送ポンプ20による圧送を開始後、所定の時間、例えば10秒が経過したかどうか判断し、この間に通路23が純水により満たされるのを待ち、ステップS43で燃料電池システムの起動を行う。これによりFCスタック1に空気と燃料の供給が開始され、発電を行うのである。
【0037】
ここで、図2に戻り、ステップS4とS5で冷間起動または通常起動が選択され、燃料電池システムが発電を開始したならば、ステップS6に進んで、冷却水タンク12の液面が所定の上限値(上限レベル)に達しているかどうかの判定を行う。なお、液面の判定には例えば1分間の液面の平均値を取り、この平均値を判定値と比較することにより制御のハンチングの防止を図っている。この場合、判定値に対しても一定のヒステリシスを設けて判断を行うようにしてもよい。
【0038】
ここで冷却水の上限値については、冷却水の凍結温度上限値により決定している。冷却水には上記したように、不凍液が混入され、その混入濃度によって凍結温度が変化する。原則的に閉回路に構成される冷却系に冷却水を所定の不凍液濃度で充填すると、基本的には常に同一の液面レベルが維持され、同一のレベルでは同一濃度であるから、凍結温度は一義的に決まる。そこで、例えば、−20℃よりも高い温度では凍結しないように不凍液濃度を設定する。
【0039】
しかし、冷却水は前記したように、一部が純水分離手段18に供給され、水分のみが分離されて加湿水として消費されるので、この消費分を補わないと、不凍液濃度が変動し、凍結温度も異なった温度となる。したがって、後述するが、冷却水のレベルが変化したときには、冷却水中に純水を補給することにより、不凍液濃度を初期の状態に戻し、設定された凍結温度を維持することができる。
【0040】
もし、液面が上限値に達しているならば、ステップS7に進んで、純水タンク27の液面が上限値(上限レベル)に達しているかどうか判断する。この上限レベルは純水タンク27が溢れない程度の液面レベルに設定する。
【0041】
ステップS6とS7で共に上限レベルに達しているときは、冷却水と純水とが共に、すなわちシステム全体の水が上限にあるので、一部を外部に排出するために、ステップS8に進んでドレンバルブ22を一定時間、例えば10秒だけ開弁する。これにより、例えば、純水タンク27の液面が上限値に対して、9/10となるまで低下するように、バルブ流量が設定されている。
【0042】
これに対して、ステップS7で純水タンク27が上限値に達していないときは、冷却水は上限ではあるが、純水は足りないと判断し、ステップS9で純水分離手段18に冷却水を導くようにバルブ17を開き、ここで抽出した純水により純水タンク27に純水を補給する。ただし、この場合、純水分離手段18で抽出された純水も、純水タンク27からの純水と合流しながら圧送ポンプ20により加湿器3、7に送られるので、この加湿用の供給量が所定量となるように制御していることで、結果的に純水タンク27のレベルが相対的に上昇する。
【0043】
ステップS10に移ってこんどは冷却水タンク12が下限値に達したかどうかの判定を行う。もし、下限値に達していると判断されたならば、ステップS11で冷却水タンク12に純水を補給する。これは、バルブ25を所定時間、例えば10秒だけ開いて、圧送ポンプ20により加圧されている純水の一部を冷却水タンク12へと送り込む。この補給量は、冷却水タンク12の上限、下限のおよそ1/10となるように、バルブ流量を設定しておく(圧送ポンプ20の吐出量は加湿用と補給用とが供給できるように増量される)。
【0044】
なお、この冷却水タンク下限値については、冷却水の量がここまで減少しても、冷却性能が悪化しない程度に下限レベルを設定する。冷却液のレベルが下がれば不凍液の濃度が高くなり、冷却性能が低下するので、所定の冷却性能が保てるレベルに予め決められる。
【0045】
ステップS12で純水タンク27が上限値に達したかどうかの判断を行う。ステップS7との相違は、ステップS7ではシステム全体の水の量を判断しているのに対して、ここでは純水タンク27のみのレベルを判断している。
【0046】
上限レベルに達しているときは、ステップS13でバルブ25を所定時間、例えば10秒だけ開くことにより、純水を冷却水タンク12に移動させる。この移動量も、冷却水タンク12の上限、下限レベルのおよそ1/10となるようにバルブ流量を設定する。
【0047】
ステップS14では純水タンク27の液面が下限値に達したかどうかの判断を行う。もし下限値に達していると判断されたときは、ステップS15に進んで冷却水タンク12も下限値に達しているかどうかを判断する。
【0048】
ステップS14とS15で共に下限値にまで低下していると判断されたときは、システム全体の水の量が不足する可能性が高いということで、この場合にはステップS16に進んで、FCスタック1の運転状態を所定の時間だけ水生成運転モードに切り換える。
【0049】
この水生成運転モードとは、FCスタック1の冷却温度を低下させることで、FCスタック1の要求加湿量を低下させ、加湿純水の消費量を減少させると共に、スタック内で生じる凝縮水量を増加させ、FCスタック1から流出する液水を熱交換器8で回収させることで、純水量を増加させる運転モードである。
【0050】
FCスタック1の冷却を促進するために、冷却水の循環量を増やしたり、ラジエータ11の放熱量を高めたりする必要があるが、この間FCスタック1を低温で運転することによる効率低下を少しでも減らすため、水生成運転モードの運転時間は純水タンク27の液面レベルの所定の上昇を判定したときに終了させることもできる。また、熱交換器8での水の回収効率を高めるために、冷却ファンによる冷却を行ったり、空冷式ではなく液冷式の熱交換器と置換することも可能である。
【0051】
一方、ステップS14で純水タンク12の液面が下限値に達していないときには、ステップS17に進んでバルブ25を所定時間、例えば10秒間開いて冷却水タンク12に純水を供給する。
【0052】
以上の動作を繰り返し継続することにより、冷却水タンク12と純水タンク27の液面を所定のレベルに保ちつつ、加湿器3と7に加湿用の純水を供給し、かつFCスタック1の冷却を行い、また、FCスタック1の低温からの起動時に純水が凍っているときでも、純水分離手段18により分離抽出した純水を供給可能としている。
【0053】
次に本発明による水の供給システムの作用について、図5〜図8を参照しながら説明する。
【0054】
まず、図5は燃料電池システムの低温起動時の作用を示すもので、純水が凍結するおそれのある低温状態から起動するときには、不凍液を含む冷却水の一部が冷却水タンク12から純水分離手段18に送り込まれる。ここで純水が分離抽出されるが、ヒータ19による加熱で抽出された純水が凍ることはなく、この純水が圧送ポンプ20を介して加湿器3、7に供給され、これにより燃料と空気の加湿を行う。
【0055】
このようにして、純水タンク27の純水が凍結した場合であっても、凍結していない冷却水を利用して純水を分離し、加湿を行えるので、氷点下からの起動時であっても、速やかに起動を開始することができる。
【0056】
また、純水が凍結するおそれのない温度からの起動では、純水タンク27からの純水を加湿用に供給し、直ちにFCスタック1の起動を開始できる。
【0057】
図6は燃料電池システムの通常運転時であり、純水タンク27から純水が加湿器3、7に供給され、燃料と空気の加湿を行い、FCスタック1の発電により生成された水(純水)は、熱交換器8で凝縮、回収され、純水タンク27に戻される。通常は発電による生成水を回収し、再度加湿用にこれを利用することができるので、とくに純水分離手段18により冷却水から純水を分離抽出する必要はない。このため純水分離手段18は大型化する必要はなく、前記低温起動時にのみ必要量の純水を分離できればよい。
【0058】
また、この通常運転時には冷却水は冷却水タンク12から、ポンプ14によりFCスタック1を冷却するために循環され、暖められた冷却水はラジエータ11で放熱した後に冷却水タンク12に戻る。
【0059】
図7は、純水タンク27の液面レベルが熱交換器8による水分の回収が高まり、加湿用に供給しているにもかかわらず増え、上限値よりも上昇したときなどに冷却水タンク12に通じるバルブ25を開いて純水の一部を冷却水タンク12に供給する。
【0060】
このようにして、冷却水タンク12のレベルは所定の範囲に維持され、このことは冷却水中の不凍液濃度が所定範囲に保持され、常に必要とする冷却性能を維持することが可能となる。
【0061】
また、この場合、冷却水タンク12の液面が上限値に達しているときには、純水が余剰に存在していることになるので、ドレンバルブ22を開いて系外に水の一部を放出する。
【0062】
図8は、純水タンク27の液面が下降した場合であり、熱交換器8での生成水の回収にもかかわらず純水が不足した場合で、純水分離手段18に一部の冷却水を送り込み、純水を分離抽出する。この純水は純水タンク27の不足分として補われる。
【0063】
また、純水タンク27だけでなく、冷却水タンク12の液面も下限値まで低下したようになときには、冷却系と純水供給系の水が共に不足するときであり、この場合には、前述の水生成モード運転によって純水タンク27の液面レベルを回復させ、かつ冷却水タンク12に必要量を補充する。このような燃料電池の水生成運転モードは、冷却水タンク12と純水タンク27の液面レベルが初期状態に回復したら終了させ、通常の発電モード運転に復帰させる。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、次の効果を生じる。
【0065】
純水の凍結が推定されるときには冷却水から純水分離手段18により分離した純水を加湿器3、7に供給し、凍結が解除されたときには純水分離手段18での純水の分離を停止させ、純水タンク27からの純水を加湿器3、7に供給するようにするため、純水分離手段18の容量は小さくてすむ。
【0066】
また、純水タンク27には排ガスから回収した水を導入することにより、水の有効活用が図れる。
【0067】
純水分離手段18を加熱するヒータ19を低温からの起動時にのみ作動させることで、消費エネルギを小さくすることができる。
【0068】
冷却系には純水タンク27の液面が上限レベルに達したとき、あるいは冷却系の水量が下限値まで減ったときなどに、バルブ25を開いて純水の一部を補給するため、冷却系に備える冷却水タンク12の容量は必要最小限にすることができる。
【0069】
また、これらにより冷却水タンク12に蓄えられる冷却水中の不凍液濃度を一定の範囲に保持することができ、いつも一定の凍結防止機能と冷却機能を維持できる。とくに、冷却水の一部が純水として消費されることで、冷却水の水量が少なくなり、不凍液の濃度が必要以上に濃くなって、冷却不能に陥ったりすることもない。
【0070】
また、純水タンク27の液面が上限値に達し、かつ冷却系の水量も上限値に達しているときは、純水の一部を系外に排出するため、運転条件によって水分の回収量が多いときにも、必要量だけの水量を保持し、このため純水タンク27や冷却水タンク12などの容量を必要以上に大型化しないですむ。
【0071】
また、純水タンク27の液面が下限値よりも低下したときには、純水分離手段18に冷却水を送って純水を分離、抽出し、加湿用として補充するので、一時的に純水の回収量が低下したときでも、確実に必要量の加湿用の純水をシステム内から供給することができ、外部からの給水が不要となる。
【0072】
さらに、純水タンク27の液面が下限値よりも低く、かつ冷却水タンク12の液面も下限値以下、つまり冷却系の水量が下限値よりも少ないときには、水分が増大するようにFCスタック1を水生成運転モードで運転することで、必要量の水量を自動的に補充することができる。
【0073】
また、この場合、液面が回復すると、FCスタック1を水生成運転モードから通常の運転モードに戻すので、効率ロスを最小限にとどめられる。
【0074】
本発明は上記した実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、当業者がなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のブロック図である。
【図2】コントローラの制御動作を示すフローチャートである。
【図3】コントローラの制御動作を示すフローチャートである。
【図4】コントローラの制御動作を示すフローチャートである。
【図5】純水の流れを説明する動作説明図である。
【図6】純水の流れを説明する動作説明図である。
【図7】純水の流れを説明する動作説明図である。
【図8】純水の流れを説明する動作説明図である。
【符号の説明】
1 燃料電池(FCスタック)
2 燃料通路
3 加湿器(加湿手段)
5 排気通路
6 空気通路
7 加湿器(加湿手段)
8 熱交換器(水回収手段)
11 熱交換器(ラジエータ)
12 冷却水タンク
13 液面センサ
14 冷却水ポンプ
15 通路
16 通路
17 バルブ
18 純水分離手段
19 ヒータ(加熱手段)
20 圧送ポンプ(圧送手段)
22 ドレンバルブ(流路切換手段)
23 通路
25 バルブ(流路切換手段)
27 純水タンク
28 液面センサ
29 温度センサ
30 ヒータ(加熱手段)
32 温度センサ
50 コントローラ

Claims (7)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に不凍液を含む冷却水を循環させる閉回路の冷却系と、
    前記燃料電池に供給する燃料、空気を加湿する加湿手段と、
    前記燃料電池から排出される排ガス中の水分を回収する手段と、
    前記回収手段により回収した水を蓄える純水タンクと、
    前記冷却水の一部から純水を分離抽出する純水分離手段と、
    前記純水分離手段を加熱する加熱手段と、
    前記純水タンクと前記純水分離手段からの純水を前記加湿手段に送り込む移送手段と、
    前記純水タンクの温度を検出する手段と、
    前記純水タンクの液面レベルを測定する手段と、
    純水の凍結が推定されるときには冷却水から前記純水分離手段により分離した純水を前記加湿手段に供給し、凍結が解除されたときには前記純水分離手段での純水の分離を停止させ、前記純水タンクからの純水を前記加湿手段に供給するようにするコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記純水タンクの液面が上限値よりも低いときには、前記純水分離手段により冷却水から分離した純水で、前記加湿手段への純水の供給を補い、
    前記純水分離手段での純水の分離中だけ前記加熱手段による加熱が行われるようにする
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記冷却系に冷却水を循環させるポンプと、
    このポンプの下流から分岐して冷却水を前記純水分離手段に導く通路に介装したバルブとを備え、
    前記コントローラは前記純水分離手段が純水を分離するときにのみバルブを開く請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記移送手段からの純水の一部を前記冷却系に選択的に供給可能とする流路切換手段を備え、
    前記コントローラは、前記純水タンクの液面が上限値に達したときには、前記冷却系に純水の一部を補給するように流路を切り換える請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記冷却系の水量を測定する手段を備え、
    前記コントローラは、前記冷却系の水量が下限値まで減ったときには、前記純水タンクの液面が上限値に達していなくても、前記冷却系に純水の一部を補給するように流路を切り換える請求項1〜3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記移送手段からの純水の一部を系外に選択的に排出可能とする流路切換手段を備え、
    前記コントローラは、前記純水タンクの液面が上限値に達し、かつ冷却系の水量も上限値に達しているときは、純水の一部を系外に排出するように流路を切り換える請求項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記コントローラは、前記純水タンクの液面が下限値よりも低く、かつ冷却系の水量が下限値よりも少ないときには、前記回収手段での水分の回収量が増大するように燃料電池を水生成運転モードで運転する請求項1〜5のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記コントローラは、前記水生成運転モードでは、燃料電池の温度を相対的に低下させ るように、冷却水の温度を低下させる請求項に記載の燃料電池システム。
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