JP4434130B2 - 燃料電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池装置に関する。更に詳しくは、低温環境下での動作に適した燃料電池装置の改良に関する。
寒冷地仕様の車輌に適用される燃料電池装置は氷点を大きく下回る厳寒の下におかれることがある。かかる環境下では、燃料電池装置を停止させたときにその内部の水が凍結するので、ガスの供給を防げるため低温起動性が低下する。
従来では、燃料電池装置の運転停止時に空気供給系を掃気して、特に燃料電池の空気極から水を除去していた。
他方、燃料電池の運転停止時に水供給装置の水へ凍結防止剤を混入させてこれを不凍化し、起動後には当該凍結防止剤を回収する装置が提案されている(特許文献1参照)。この方法を用いれば、氷点下の環境においても水の凍結を防止することができる。
しかしながら、燃料電池装置の運転停止時に空気供給系を掃気する方法においても、水供給装置内における水の凍結は避けようがないので、燃料電池装置の起動時にはこれを解凍するためエネルギーと時間が消費されていた。また、運転停止時に実行する掃気に長時間を要し(本発明者らの経験では10分程度)、実用上の課題となる。
また、水に凍結防止剤を混入する方法においても、凍結防止剤を適切に混入しまたこれを回収するために新たな装置が必要となり、装置が大型化する。また、水に対する凍結防止剤の濃度管理も必要となるので、システムとしても複雑なものとなる。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねてきた結果、燃料電池内へ水供給装置から供給された水を疎水性の不凍液で置換することに想到した。水を疎水性の不凍液で置換することにより、その置換作業を短時間で行うことができる。また、疎水性のため水と不凍液とは混じり合わないので、不凍液の分離回収は簡易に行うことができる。即ち、寒冷地での燃料電池装置の停止特性が向上する。
更には、いわゆる直噴タイプの燃料電池装置においては水供給装置内の水が解凍するまでの間、当該不凍液を燃料電池の空気極へ直接噴霧することにより、燃料電池の冷却を行うことができる。これにより、寒冷地での燃料電池装置の始動特性が向上する。
即ち、この発明の第1の局面の燃料電池装置は次のように規定される。
燃料電池の空気供給系へ水を供給する水供給装置が備えられる燃料電池装置において、
疎水性の不凍液を前記空気供給系へ供給する不凍液供給装置が更に備えられ、
前記空気供給系へ前記水と前記不凍液とが選択的に供給される、ことを特徴とする燃料電池装置。
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、上記第1の局面の燃料電池装置において、水供給装置は燃料電池の空気極へ水を噴霧するタイプとする。
かかる直噴型の燃料電池装置では大量の水が燃料電池の空気極へ送り込まれるので、疎水性の不凍液によりこの多量の水を迅速かつ確実に置換することができる。
この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、上記第1及び第2の局面の燃料電池装置において、前記水供給装置は水を貯蔵する水貯蔵部、前記空気供給系へ水を導入する水導入部及び前記燃料電池の空気排出系から前記水を回収する水回収部を備え、
前記不凍液供給装置は前記不凍液の貯蔵部、前記空気供給系へ前記不凍液を導入する不凍液導入部、前記燃料電池の空気排出系から前記不凍液を回収する不凍液回収部を備え、
前記空気供給装置の水導入部と前記不凍液供給装置の不凍液導入部とが共通化されている。
このように構成された燃料電池装置によれば、空気供給装置と不凍液供給装置との共通化が図られているため、部品点数ひいては装置の小型化が達成される。特に水導入部と不凍液導入部とを共通化することにより、燃料電池装置の運転停止時に当該水導入部の水を不凍液に置換できる。よって、当該水導入部内での水の凍結が防止されるので、水導入部に付設されるヒータが不要となるか若しくはヒータに要求される発熱量が小さくなる。
この発明の第4の局面は次のように規定される。即ち、既述の第3の局面の燃料電池装置において、前記水供給装置と前記不凍液供給装置においてその水貯蔵部と不凍液の貯蔵部とが共通化されている。
このように水と不凍液の貯蔵部を共通化することにより、燃料電池にとっての補機の部品点数が削減され、もって装置の小型化が達成される。更には、同じ貯蔵部に水と不凍液とを共存させることにより両者の熱交換が可能となる。例えば、燃料電池を通過して加温された不凍液を水貯蔵部(内部の水は凍結している)へ回収することにより、貯蔵部内の氷を不凍液の熱で直接解凍することができる。よって、燃料電池の生成したエネルギーで効率よく水供給装置の氷を解凍可能となる。
この発明の第5の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
既述の第4の局面の燃料電池装置において、不凍液の比重が前記水の比重と異なり、共通した貯蔵部において水と不凍液とが上下方向に分離される。
このように構成された燃料電池装置によれば、その貯蔵部から、同じく共通した導入部を介して空気供給系へ水又は不凍液を送り込む際に、その選択が容易になる。よって、装置構成を簡素化し安価な装置の提供が可能となる。
この発明の第6の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
既述の第1〜第5の燃料電池装置において、燃料電池装置の運転停止時に、不凍液供給系を動作させて水導入部及び燃料電池内の水を不凍液で置換する。
このように構成された燃料電池装置によれば、燃料電池内の水を確実に除去できるとともに、不凍液が燃料電池内に留まるので、燃料電池装置が厳寒下におかれても凍結による不測のストレスを受けることがない。よって、燃料電池装置の寿命が伸びる。
この発明の第7の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
第2の局面のいわゆる直噴タイプの燃料電池装置において、水供給装置内の水が凍結しているときには、不凍液を空気極へ噴霧して前記燃料電池を冷却する。
これにより、水供給装置内の水が解凍するまでの間、当該不凍液を燃料電池の空気極へ直接噴霧することにより、燃料電池の冷却を行うことができる。これにより、燃料電池装置の始動特性が向上する。即ち、氷点下の環境においても初期段階から高い出力で燃料電池装置を運転させることができる。
この発明の第8の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
既述の第7の局面の燃料電池装置において、燃料電池へ噴霧された不凍液を回収して該不凍液と前記凍結した水との熱交換を行う。
これにより、燃料電池により加温された不凍液で凍結した水を解凍することができる。ここに、不凍液と凍結水とで直接熱交換を行うことにより、燃料電池で生成されたエネルギーで効率的に凍結水を解凍することができる。
この発明の第9の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
上記第1〜第8の局面のいずれかの燃料電池装置において、不凍液を燃料電池装置の水素ガス供給系へ供給する第2の不等液供給系が更に備えられ、水素ガス供給系へ水素ガスと前記不凍液とが選択的に供給される。
これにより、不凍液を水素ガス供給系へ供給することが可能となる。
この発明の第10の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
上記弟9の局面の燃料電池装置において、運転停止時に水素ガス供給系を空気で置換し、その後、弟2の不凍液供給系を動作させて水素ガス供給系の空気を不凍液で置換し、その後、不凍液を回収する。
これにより、運転停止時に水素ガス供給系に残留している水を不凍液で置換することができる。従って、水素ガス供給系に残留した水の凍結を防止することができるため、配管を閉塞させたり、バルブやポンプを固着させることもない。
この発明の第11の局面の燃料電池装置は次のように規定される。即ち、
燃料電池の水素極へ水素ガスを供給する水素ガス供給系が更に備えられる燃料電池装置において、疎水性の不凍液を水素ガス供給系へ供給する不凍液供給装置が備えられ、水素ガス供給系へ水素ガスと不凍液とが選択的に供給される。
これにより、不凍液供給装置から不凍液を水素ガス供給系へ供給することができる。そのため、水素ガス供給系に残留している水を不凍液で置換することができる。従って、水素ガス供給系に残留した水の凍結を防止することができるため、配管を閉塞させたり、バルブやポンプを固着させることもない。
以下、この発明を構成する各要素について説明する。
(燃料電池装置)
燃料電池装置は燃料電池を中心として、燃料電池の空気極へ空気を供給する空気供給系、その水素極へ水素を供給する水素ガス供給系を備えている。その外、燃料電池の温度を調整するための冷却装置、生成した電力を蓄積する二次電池やキャパシタ等の補機が任意に備えられる。
(水供給装置)
この発明の水供給装置は燃料電池装置の空気供給系へ水を供給する。供給の態様は特に限定されない。いわゆる水直噴タイプのように燃料電池の空気極へ水を直接噴霧することにより、燃料電池の湿潤状態維持と燃料電池の加熱防止を企図するものの他、水を加熱して水蒸気の状態で空気供給系へ導入するタイプや、超音波震動により水を霧化して空気供給系へ導入するタイプもある。
水供給装置の基本的構成要素として、水貯蔵部、空気供給系へ水を導入する水導入部、水を回収する水回収部を備える。回収した水を再利用するため、水供給装置は閉じられた系とすることが好ましい。なお、回収される水には燃料電池の生成水が含まれることとなることはいうまでもない。
この発明の燃料電池装置は寒冷地仕様であるため、水供給装置の必要な部分にヒータが付設され、凍結した水を解凍する。
(不凍液供給装置)
この発明の不凍液供給装置は不凍液貯蔵部、空気供給系へ不凍液を導入する不凍液導入部、不凍液を回収する不凍液回収部を基本的構成要素として備える。回収した不凍液を再利用するため、不凍液供給装置は閉じられた系とすることが好ましい。
不凍液は疎水性のものとする。これにより燃料電池内の水を確実に置換できる。また、かかる不凍液は水と異なる比重を持つものとすることが好ましい。比重が異なることにより、不凍液と水との分離が容易になる。
かかる不凍液として、フッ素系不活性液体(住友3M社、商品名;フロリナート)を挙げることができる。
不凍液供給装置と水供給装置とはその構成要素を共通化することが好ましい。部品点数の削減ひいては装置の小型化のためである。また、当該共通化により、水供給装置内の水を不凍液で置換可能となる。これにより、水導入系等に対するヒータが不要になるか若しくはヒータに要求される発熱量が小さくなる。
燃料電池へ供給して加温された不凍液で凍結した水を効率よく解凍するためには、水貯蔵部と不凍液貯蔵部とを共通化することが好ましい。
以下、この発明の実施例について説明する。
図1は実施例の燃料電池装置1の概略構成を示す。図1に示すように、この燃料電池装置1は燃料電池本体部としての燃料電池スタック10、水供給系20及び不凍液供給系200、水素ガス供給系40、空気供給系70、並びに出力系80から概略構成される。
まず、燃料電池スタック10について説明する。燃料電池単位セルの単位ユニットは空気極と燃料極とで固体高分子電解質膜を狭持した構成である。この単位ユニットとセパレータとを交互に複数枚積層して燃料電池スタックを構成している。単位ユニットには空気流路及び水素ガス流路が設けられている。空気流路を流れる空気中の酸素と水素ガス流路を流れる水素とが固体高分子電解質膜を介して結合し、もって燃料電池反応が生じることとなる。
燃料電池スタック10の上方には空気マニホールド11が形成されている。空気マニホールド11にはノズル29が取り付けられており、このノズル29から水が噴出される。ノズル29から直接噴射された水は燃料電池単位セルの空気流路の全面へ供給され、電解質膜の加湿と燃料電池本体部の冷却に利用される。
ヒータ13は燃料電池スタック10の両端に付設されている。ヒータ13の制御系は図2を参照されたい。
実施例の水供給系20では、タンク22から配管部30が供給切替弁203、フィルタ26、直噴水ポンプ27、直噴水供給電磁弁28を介して、ノズル29まで連結されている。タンク22から直噴水ポンプ27により吸い上げられた水は直噴水供給電磁弁28により所望の水圧に調節され、ノズル29から吹き出して空気マニホールド11内では霧状になる。そして吹き出し時の運動量(初速)、霧の自重および空気流等によって燃料電池スタックを構成する燃料電池単位セルの上部開口から空気流路に入る。この空気流路内で蒸気化されて空気極へ供給されたものを除き、水は燃料電池スタック10の下流側に設けられた凝縮器36において回収され、凝縮水回収ポンプ38によりタンク22へ戻される。
タンク22には水温度センサ24、タンク水位センサ25及びヒータ23が設けられている。
符号203は供給切替弁であり、タンク22内の水21と不凍液201とを選択的に配管部30へ導入可能とする。符号37はフィルタであり、このフィルタの目的は外部からの異物(塵埃、虫など)の混入を防止する。
ノズル29は空気流路入口へ向けて直接水を噴射することが好ましい。これにより空気供給量の如何に拘わらず、所望の量の水を空気流路に供給することができる。即ち、空気の供給量と水の供給量とを独立して制御可能となる。空気供給量の変更と水供給量の変更とは常に同時に要求されるわけではなく、独立してそれらの変更が必要となる場合がある。
上記においてタンク22が水貯蔵部を構成し、配管部30及びそれに付設される供給切替弁203、フィルタ26、直噴水ポンプ27、直噴水供給電磁弁28及びノズル29が水導入部を構成し、凝縮器36及び凝縮水回収ポンプ38が水回収部を構成する。
不凍液供給系200は既述の水供給系20と要素を共有している。即ち、タンク22が不凍液貯蔵部を構成し、配管部30及びそれに付設される供給切替弁203、フィルタ26、直噴水ポンプ27、直噴水供給電磁弁28及びノズル29が不凍液導入部を構成し、凝縮器36及び凝縮水回収ポンプ38が不凍液回収部を構成する。
この実施例では、不凍液201としてフッ素系不活性液体(住友3M社、商品名;フロリナート)を採用した。このフッ素系不活性液体は疎水性(水に不溶)であり、その比重が1.63〜1.93g/cmであって水より大きい。従って、タンク22内に当該不凍液201と水21とを共存させると、図に示すように、水21と不凍液201とは完全に分離する。従って、水21と不凍液201との取出し口をタンク22において高さを変えて設けることにより、供給切替弁203にて水21と不凍液201とを選択的に取出すことができる。
なお、水21と不凍液201との粘性が異なる場合は、ポンプ27の出力、直噴水供給電磁弁28の開閉度を適宜調整することはいうまでもない。また、ノズル29の開口度も調整することが好ましい。
次に水素ガス供給系40について説明する。水素ガス供給系40の水素供給装置として、この実施例では水素貯蔵タンク41を採用した。その他、液体水素の水素ボンベ、水/メタノール混合液等の改質材料を改質器にて改質反応させて水素リッチな改質ガスを生成させ、この改質ガスをタンクに貯留しておいてこれを水素源とすることもできる。
水素貯蔵タンク41の水素ガスは水素ガス配管43を介して燃料電池スタック10へ供給される。水素ガス配管43に水素1次圧センサ46、水素調圧弁47、水素供給電磁弁48、水素2次圧センサ49が付設されて燃料電池スタック10への供給量が制御される。水素貯蔵タンク41へは水素充填口45を介して外部から水素が補充される。
燃料電池スタック10へ供給された水素ガスはそのすべてが消費されるわけではないので、燃料電池スタック10から排出されたガスを循環系50により循環使用する。循環系50は循環ポンプ51と循環電磁弁53とを備えている。トラップ54は燃料電池スタック10から出る水を捕捉し、これが循環系50及び水素ガス供給系40へ侵入しないようにする。減圧電磁弁65は起動及び停止時に燃料電池極室内のガスを排出(減圧)するときに用いられる。排気電磁弁67は水素ガスを排気するときに解放される。減圧電磁弁65及び排気電磁弁67からの排気は空気供給系70の排気へ混合される。水素ガス排気中に含まれる水素ガス成分を希釈するためである。
外気導入電磁弁63は燃料電池スタック10の停止後に開かれて、水素ガス供給系から水素ガスを外気によりパージする。なお、符号61は外気からの異物侵入を防止するフィルタである。
空気供給系70ではフィルタ71を介して空気ファン73により取り込んだ空気をヒータ75で所望の温度に昇温させる。符号76は外気温度センサ、符号77は燃料電池スタックにおける空気入口温度センサである。当該センサ77で検出された空気入口の空気温度が閾値を超えているときには、ヒータがオフに制御される。
低温環境で使用される燃料電池装置においては、導入する空気を加熱して燃料電池スタック10を構成する各燃料電池単位セルの空気流路へ導入することが好ましい。これにより、燃料電池スタック10が加熱されて生成水の凍結が防止され、低温状態にあった燃料電池スタック10において発電が可能となる。
次に出力系80の説明をする。
燃料電池スタック10で生成された電力は車輌の電源系へ出力されて、駆動モータ81及びその他車輌の機能部品へ供給されるとともに、燃料電池装置1自体にも供給される。制御構成図を図2に示す。
図2において、燃料電池スタック10からの電力は電力配分装置91を介して燃料電池装置駆動系制御部93、燃料電池装置加熱系制御部95及び車輌電源系制御部97へ供給される。これら各制御部93、95及び97は中央制御部90により統一的に制御される。なお、外部加熱モードにおいて中央制御部90は電力配分装置91を補助電源92側に切り替える。この補助電源92として汎用的なキャパシタや二次電池を用いることができる。中央制御部90には汎用的なコンピュータ装置を用いることができる。中央制御部90にはセンサ制御部100を介して各センサの出力が入力される。中央制御部90は当該センサ出力に基づき、予めインストールされた制御プログラムに従って燃料電池装置駆動系制御部93、燃料電池装置加熱系制御部95及び車輌電源系制御部97を制御する。
燃料電池装置駆動系制御部93は水供給系20、水素ガス供給系40及び空気供給系70に組み込まれたポンプ、ファン、電磁弁等を制御する。
燃料電池装置加熱系制御部95は燃料電池スタック10のヒータ13、水供給系20のタンクヒータ23及び配管部ヒータ33、並びに空気ヒータ75を制御する。
車輌用電源系制御部97は駆動モータ81等へ電力を供給するとともに、補助電源92をチャージする。
なお、参考のため、図2の右端に記載した各種モードにおいて駆動する要素は図面上においてそのモードと同じ水平位置に記載してある。
次に、実施例の車輌用燃料電池装置の動作について説明をする。なお、この実施例は寒冷地(-50℃未満)において当該燃料電池装置を起動させる場合の例である。
図3は燃料電池装置1の燃料電池スタック10の温度と運転モードとの関係を示す。図4は燃料電池装置1の基本動作を示すフローチャートである。
車輌のイグニッションキーがオンになると図4に示す動作が始動する。ステップ1では外気温度を外気温度センサ76で測定し、タンク22内の温度を水温度センサ24で測定する。各センサ76、24の測定結果はセンサ制御部100を介して中央制御部90へ送られて、ここでステップ2の判断が行われる。
ステップ2では外気温度とタンク22内の温度(以下、水温ということがある)がそれぞれ氷点(この実施例では0℃と設定)と比較される。外気温度と水温がともに氷点を超えている場合は、後述する定常運転モード(ステップ10)が実行され、燃料電池装置は通常の方法で起動され、かつ運転される。
外気温度及び水温の少なくとも一方が氷点以下の場合はステップ3へ進んで燃料電池スタック10(フローチャート内ではFCと省略することがある)の温度が測定される。具体的には、空気出口温度センサ39において燃料電池スタック10から排出される空気を測定する。そして、燃料電池スタック10の温度が−25℃未満の場合はステップ5へ進み、−25℃以上5℃未満の場合はステップ7へ進み、5℃以上40℃未満の場合はステップ9へ進む。
ステップ5では図5のフローチャートに示す外部加熱モードが実行される。
先ず、補助電源92の電力容量(SOC)が下限値(閾値)を下回らないことを確認する(ステップ51)。当該補助電源92のSOCが下限値を下回っているときはシステムを停止させる。補助電源92のSOCが下限値以上のときは電力配分装置91により補助電源92を選択する。そして、当該補助電源92の電力を燃料電池装置加熱系制御部95へ送ってスタックヒータ13及び空気ヒータ75をONにする(ステップ54)。
それとともに補助電源92の電力を燃料電池装置駆動系制御部93へ印加して空気供給系70をONとする。このとき空気ファン73による空気の流量(空気供給量)はステップ55で測定する外気温度に基づいて制御される。制御の一態様を図6に示した。図6に示す関係は制御装置90のメモリ内に保存されている。制御装置90は外気温度センサ76及びセンサ制御部100を介して得られた外気温度を図6の関係に照らし合わせて空気流量を決定し、当該空気流量が達成されるように燃料電池装置駆動系制御部93を介して空気ファン73を制御する(ステップ56)。このとき、燃料電池スタック10をより速く加熱するためにスタックヒータ13をオンとすることができる。
この外部加熱モードを実行することにより、燃料電池スタック10が昇温される。その結果、燃料電池スタック10の温度(より具体的には空気出口温度)が−25℃以上になると、自己発熱モード(ステップ7)へ移行する(ステップ57〜59)。
この実施例では外部加熱モードと自己発熱モードとの閾値温度を−25℃としたが、燃料電池の設計においては−25℃以上の温度でも生成水が瞬間的に凍結する場合がある。その場合は、当該閾値温度を高くするよう変更することとなる。
この外部加熱モードにおいては水供給系20、不凍液供給系200、燃料供給系40は停止の状態であり、燃料電池スタック10の発電はない。
自己発熱モードの動作を図7のフローチャートに基づきながら説明をする。
まず、空気ヒータ75をオフにして(ステップ71)、電力配分装置91により燃料電池スタック10からも出力を行う(ステップ72)。そして水素ガス供給系40をONにして燃料電池スタックを起動させる。このときの空気供給量(即ち空気ファン75)は燃料電池スタックの空気出口温度(Tfc)と燃料電池スタック10の出力(Ifc)に基づいて制御される。即ち、これらの関係(図8)が制御装置90のメモリに保存されており、空気出口センサ39の検出結果と出力センサ113との検出結果に基づき、制御装置90は空気ファン73の空気流量を決定する(ステップ74)。これにより、燃料電池スタック10の温度が低い場合には空気流量を小さくして発電効率を低下し、燃料電池スタック10の自己発熱量を定常運転時よりも大きくしてその暖機を促進する。そして、燃料電池スタック10の温度が上がってきたら相対的に空気流量を増大させて生成水の排出を促進してフラッテングを防止する。
他方、急激な温度上昇にともない燃料電池スタック10のドライアップを防止するため、燃料電池スタック10の出力が制限される(ステップ75〜77)。この実施例では上限値を燃料電池スタック10の定格出力の90%とした。また、素早い起動を達成するため下限値を定格出力の5%とした。
燃料電池スタック10で発電された電力と補助電源92からの電力とが電力配分装置91において合わされて、燃料電池装置駆動系制御部93へ送られて各種装置を駆動させるとともに、燃料電池装置加熱系制御部95へ送られてスタックヒータ13、タンクヒータ23及び配管部ヒータ33を発熱させる。スタックヒータ13を加熱することにより燃料電池スタック10の昇温が加速される。また、空気ヒータ75をオンにすることもできる。
この自己発熱モードにおいて、燃料電池スタック10による発電のみでは各種装置を作動することが困難な場合が多い、従って、既述のように燃料電池スタック10の電力と補助電源92の電力とを電力配分装置91において適切な配分で併用して(いわゆるハイブリッド的に)出力する。
もちろん、燃料電池スタック10による発電で充分な場合は補助電源の電力を併用する必要はない。
また、この自己発熱モードにおいて、必要に応じて、車輌の電源系へ電力を供給することができる。
燃料電池スタック10で生産された電力は水供給系の加熱にも利用される。図9Aにタンクヒータ23の制御用フローチャートを示す。タンクヒータ23は水温が氷点(この実施例では0℃)以下のときに常にON状態になる。即ち、ステップ781でタンク22の水温を測定し、その温度が0℃以下のときはタンクヒータ23をオンとし(ステップ783)、タンク22の温度が0℃を超えたときにタンクヒータ23をオフとする(ステップ784)。
図9Bに配管部ヒータ33の制御用フローチャートを示す。配管部ヒータ33は外気温度が氷点(この実施例では0℃)以下のときに常にON状態になる。即ち、ステップ785で外気温度を測定し、その温度が0℃以下のときは配管部ヒータ33をオンとし(ステップ787)、外気温度が0℃を超えているときには配管部ヒータ33をオフとする(ステップ788)。これにより、水供給系20が動作可能となる。
上記図9A及び図9Bのフローチャートはモードの如何に拘わらず実行することができる。
図7のフローチャートに戻り、燃料電池スタック10の温度(即ち空気出口温度)が氷点(この実施例では0℃)以上となるとスタックヒータをオフとする(ステップ79、80、81)。ここまで暖機が進行すると燃料電池スタック10が凍結するおそれがなく、かつヒータをオンしていると必要以上に電力を消費するので効率を考慮してオフしたほうが好ましいためである。
そして燃料電池スタック10の温度が5℃を超えた時点で温度制御モードへ移行する(ステップ82、83)。
温度制御モードの動作を図10のフローチャートに基づいて説明する。
このモードでは燃料電池スタック10の電力が車輌電源系へも出力可能とされる(ステップ92)。このときの空気供給量(即ち空気ファン73)は燃料電池スタックの空気出口温度(Tfc)と燃料電池スタック10の出力(Ifc)に基づいて制御される。即ち、これらの関係(図11)が制御装置90のメモリに保存されており、空気出口センサ39の検出結果と出力センサ113との検出結果に基づき、制御装置90は空気ファン73の空気流量を決定する(ステップ93)。当該温度制御モードにおける空気流量は自己発熱モードにおける空気流量よりも大きい。これは、低下させた発電効率を元に戻すためと、燃料電池スタック10の温度が高くなっているためであり、また十分な空気流量を確保して燃料電池スタック10を冷却してオーバーヒートを回避する必要もある。
車輌の駆動装置のような大きな負荷へ連結した場合には燃料電池スタック10がオーバーヒートしやすくなる。そこで、燃料電池スタック10の出力が制限される(ステップ94、95,96)。この実施例では上限値を燃料電池スタック10の定格出力の90%とした。また、オーバーヒートを確実に防止するため燃料電池スタック10の出力を停止させる場合もある。
ステップ97では空気出口温度センサ39により燃料電池スタック10の温度を測定する。この温度が所定の下限値(この例では5℃)を超えている場合、燃料電池スタック10の過熱を防止するため、不凍液供給系200を動作させて不凍液201を燃料電池スタック10へ吹き出す。他方、この不凍液201は燃料電池スタック10で熱交換して昇温され、さらに不凍液回収部で回収されタンク22へ戻される。タンク22へ戻された不凍液201は凍結した水21と熱交換する。これにより、凍結した水21の解凍が促進される。
水21と不凍液201との熱交換を促進するため、図13に示すとおり、不凍液の回収ライン(水の回収ラインとも共通)をタンク22において水の存在位置おいて蛇行させておくことが好ましい。即ち、回収ラインと水との接触面積をできる限り多くとることにより、不凍液と水(凍結した水)との熱交換効率が向上する。また、チューブにフィンを付けたフィンチューブ型熱交換器やプレートフィン型熱交換器など、一般的な熱交換器を用いることも可能である。
同様に、図14には、不凍液の比重が水の比重より小さい場合の例を示す。
ステップ102において、タンク22の水温が解氷完了温度(この例では、5℃)を超えたとき、定常運転モードへ移行する。
なお、ステップ98において、燃料電池スタック10の温度が下限温度以下の場合は、不凍液201の供給を行わない。不凍液201の供給を行わなくても燃料電池スタックが過熱する可能性が小さいからである。また、不凍液供給系200を動作させるために電力が消費されることを防ぐためである。
この温度調整モードにおいても、燃料電池スタック10による発電のみでは各種装置を作動することが困難な場合がある。その場合には、燃料電池スタック10の電力と補助電源92の電力を電力配分装置91において適切な配分で併用して(いわゆるハイブリッド的に)出力することができる。もちろん、燃料電池スタック10による発電で充分な場合は補助電源の電力を併用する必要はない。
図3において、温度制御モードにある程度の時間を要しているのは、水供給系の解凍を完全に行う必要があるからである。
定常運転モードにおいては、水供給系20が稼働されてノズル29より直噴水が燃料電池スタック10へ供給される。これにより、燃料電池スタック10を定格で作動させても、ヒートアップやドライアップが生じることはない。この定常運転モードにおいて空気流量及び水素ガス流量は燃料電池装置に要求される出力に応じて適宜制御される。水供給系からの直噴水量は燃料電池スタック10の温度や出力に応じて適宜制御される。なお、この定常運転モードにおいても水供給系20に付設された加熱装置は図9A及び図9Bのフローチャートに基づいて制御される。これは、寒冷地における水供給系の凍結を確実に防止するためである。
図10のステップ99において不凍液201を供給していた場合、この定常運転モードにおいて水21を供給すると、当該水により不凍液201が押し流されてタンク22へ戻される。疎水性でかつ比重の大きい不凍液201はタンク22において底部に沈殿し、水21と完全に分離している。
寒冷地において燃料電池装置を停止するときには、燃料電池スタック10及び水供給系20の配管部30から水分を完全にパージする必要がある。そのため、図12に示すとおり、外気温度センサ76で検出した外気温度が例えば5℃以下の場合、凍結の可能性があるとして(ステップ1201)、不凍液供給系200を動作させる。これにより、燃料電池スタック10及び水供給系20内の水21が不凍液201に置換される。当該置換のための時間(約10〜100秒)が予め設定されており、この時間が経過した後に不凍液の供給が停止されるとともに、燃料電池装置の通常の停止処理が行われる(ステップ1207)。
従来では、燃料電池スタック10及び水供給系20の水を除去するため、それぞれを空気で掃気していた。そのために約10分程度を要しており、この実施例によれば、燃料電池装置の停止がスムーズに行えるようになる。
上記の説明は燃料電池スタックの温度が−25℃未満の低温環境における起動動作に関するものである。燃料電池スタックの温度が−25℃以上5℃未満の場合は、燃料電池装置は自己発熱モード→温度制御モード→定常運転モードのように起動される。また、燃料電池スタックの温度が5℃以上40℃未満の場合は、温度制御モード→定常運転モードのように起動される。
上記において、外部加熱モードと自己発電モードとの閾値温度は燃料電池スタックを動作させたときの生成水が凍結するか否かにより任意に定めることができる。また、自己発電モードと温度制御モードとの閾値温度は車輌を駆動するのに十分な電力を発電できるか否かにより任意に定めることができる。温度制御モードと通常運転モードとの閾値温度は燃料電池スタックの冷却及び/又は加湿に対して直噴水が有効に作用するか否かに基づいて任意に定めることができる。
このように構成された実施例の燃料電池装置によれば、燃料電池本体部の温度に基づいて暖機運転のモードを適切に選択することにより、暖機運転を出来る限り速やかに行うことができる。また、燃料電池本体部のオーバヒートやドライアップを未然に防止できる。
更には、不凍液で水を置換することにより、始動特性及び停止特性が向上する。
図15には他の実施例の水供給系300と不凍液供給系400の例を示す。なお、図1と同一の要素には同一の符号を付してのその説明を部分的に省略する。
この実施例では、水21を貯蔵するタンク302と不凍液201を貯蔵するタンク402とを別体にした。これにより、水21及び不凍液201の管理が容易になる。更には、従来品に不凍液タンク402及び切替弁303,203を取付けることにより実施例の構成を得ることができるので、製造が容易になる。
また、図16にその模式図を示すとおり、不凍液の回収ラインを水タンク302内において蛇行させて、不凍液と水との熱交換を行い、解氷を促進することが好ましい。なお、図16において、図15と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図15の装置において、不凍液タンク402から空気マニホールド11まで独自に供給ラインを設けることもできる。
図17には他の実施例の水供給系500と不凍液供給系600の例を示す。
なお、図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例の水供給系500は空気供給系の空気を加湿する。符号501は加湿器であって、超音波式や加熱式など汎用的なものが用いられる。
いわゆる直噴タイプ以外の燃料電池装置においても、燃料電池スタック及び水供給系内の水を不凍液で置換することにより、寒冷地での始動特性及び停止特性が向上する。
なお、冷却水についても、これを疎水性の不凍液で置換することができる。
直噴タイプ以外の水供給系及び不凍液供給系においても、図14、15、16に示したそれらの構成を採用可能である。
以下、この発明の他の実施例について説明する。
図18は他の実施例の燃料電池装置の一部である水素ガス供給系40、循環系50、不凍液供給系700、排出系800、燃料電池スタック10、タンク22の構成図である。図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例の水素ガス供給系40では、切換バルブ55がトラップ54と循環ポンプ51との間に設けられている。切換バルブ55はトラップ54から循環ポンプ51への流路、又はタンク22から循環ポンプ51への流路の切換が可能である。この切換バルブ55とタンク22とを配管で接続することで不凍液供給系700を形成し、タンク22に収容された不凍液201を水素ガス供給系40へ供給することが可能となる。
本実施例のタンク22に収容される不凍液201はフッ素系不活性液体(住友3M社、商品名;フロリナート)を採用しているため、比重の違いからタンク22内において不凍液201は水21と分離する。従って、水21と不凍液201との取り出し口をタンクにおいて高さを変えて設けることにより、水21と不凍液201とを選択的に取り出すことができる。
以下に、燃料電池装置が氷点下において、運転停止時に水素ガス供給系40、循環系50に残留した水を除去する動作を説明する。
(水素ガス排出ステップ)
図19は運転停止時に水を除去する動作を示すフローチャートである。
図20は運転停止後に水素ガス供給系40、循環系50内に残留している水素ガスを排出する過程を示す図である。
燃料電池装置に対して停止命令が入力されたとき(ステップ111)、水素供給電磁弁48が閉じられ(ステップ112)、燃料電池スタック10への水素ガスの供給が停止される。また、循環電磁弁53も閉じられる(ステップ113)。
次に、減圧電磁弁65を開放することにより水素ガス供給系40及び循環系50に閉じ込められた水素ガスを、水素ガス供給系40、トラップ54、循環ポンプ51、減圧電磁弁65、凝縮器36、フィルタ37を通じて外部へ排出する(ステップ114)。これを水素ガスの圧力が図示しない圧力センサにより所定圧力、例えば、0.01MPa以下となるか、所定時間、例えば、40秒経過まで行われる。この場合、所定圧力は相当の負圧であるので、流路内には実質的に水素ガスが残留していない(ステップ115)。
(空気導入ステップ)
図21は水素ガス排出後に空気を導入する過程を示す図である。
水素ガス供給系40及び循環系50内の圧力が所定圧力まで下がるか、所定時間経過したとき(ステップ115:Y)、外気導入電磁弁63を開放し(ステップ116)、水素ガス供給系40内を空気に置換する。これを空気の置換が完了するまで行う(ステップ117)。
次に、温度センサ24の出力に基づき水素ガス供給系40、循環系50内部で水の凍結の可能性の有無を判断する(ステップ118)。
(不凍液導入ステップ)
図22は空気導入後に不凍液201を導入する過程を示す図である。
水の凍結の可能性があると判断されたとき(ステップ118:N)、水素ガス供給系40、循環系50に不凍液201を導入するために、外気導入電磁弁63、減圧電磁弁65を閉じ(ステップ119、120)、循環電磁弁53を開放する(ステップ121)。
次に、切換バルブ55をタンク22側へ切り換えることにより(ステップ122)、これにより、水素ガス供給系40及び循環系50内に不凍液201を導入することが可能となる。また、導入した不凍液201を再びタンク22に戻すために排気電磁弁67を開放する(ステップ123)。水素ガス供給系40、循環系50内が不凍液201に置換されるまで行う(ステップ124)。
(空気導入ステップ)
図23は不凍液導入後に空気を導入する過程を示す図である。
水素ガス供給系40、循環系50内が不凍液201で置換されると(ステップ124:Y)、排気電磁弁67は閉じられ(ステップ125)、切換バルブ55はトラップ側に切り換えられる(ステップ126)。
次に、始動時に水素タンク22から水素ガスの供給を速やかに行うため、水素ガス供給系40、循環系50に空気を導入し、不凍液201を除去する必要がある。そこで、循環電磁弁53を閉じ(ステップ127)、減圧電磁弁65を開く(ステップ128)。続いて、外気導入電磁弁63を開放し(ステップ129)、水素ガス供給系40、循環系50に空気を導入し、不凍液201を除去する。水素ガス供給系40、循環系50内が空気で置換されるまで行う(ステップ130)。
水素ガス供給系40、循環系50内が空気で置換されたとき(ステップ130:Y)、循環ポンプ51を停止し(ステップ131)、減圧電磁弁65を閉じ(ステップ132)、外気導入電磁弁63を閉じることで(ステップ133)、水素ガス供給系40に水素ガスの供給を行うことが可能となる。
このように構成された本実施例の燃料電池装置によれば、運転停止時に水素ガス供給系40、循環系50に残留する水を不凍液201を用いて除去することができる。従って、水素ガス供給系40、循環系50内の配管を閉塞させたり、バルブやポンプを固着させることを防止できる。よって、低温下(氷点下)からの始動性が向上する。
なお、本実施例では、タンク22に収容された不凍液201を不凍液供給系700を通じて取り入れたが、別途、不凍液供給装置を設け、そこから水素ガス供給系40、循環系50に不凍液を導入してもよい。
図24に他の実施例の燃料電池装置の構成を示す。図1、18で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施例の燃料電池装置では、不凍液201を水供給系20及び水素ガス供給系40へ導入することで、燃料電池装置内での水の凍結を防止することができる。よって、低温下(氷点下)での始動性が向上する。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
図1はこの発明の実施例の燃料電池装置の構成を示す。 図2は同じく燃料電池装置の制御系を示すブロック図である。 図3は同じく燃料電池スタック温度とモードとの関係を示す図である。 図4は同じく燃料電池装置の基本動作を示すフローチャートである。 図5は外部加熱モードの動作を示すフローチャートである。 図6は外部加熱モードにおける空気風量マップである。 図7は自己加熱モードの動作を示すフローチャートである。 図8は自己発熱モードにおける空気風量マップである。 図9は水供給系の加熱装置の動作を示すフローチャートである。 図10は温度制御モードの動作を示すフローチャートである。 図11は温度制御モードにおける空気風量マップである。 図12は実施例の燃料電池層の停止動作を示すフローチャートである。 図13は水タンクの熱交換方法の実施例である。 図14は水タンクの熱交換方法の実施例である。 図15はこの発明の燃料電池装置の他の実施例を示す要部構成図である。 図16はこの発明の燃料電池装置の他の実施例を示す要部構成図である。 図17はこの発明の燃料電池装置の他の実施例を示す要部構成図である。 図18は他の実施例である燃料電池装置の構成を示す。 図19は運転停止時に水を除去する動作を示すフローチャートである。 図20は運転停止後に水素ガスを排出する過程を示す図である。 図21は水素ガス排出後に空気を導入する過程を示す図である。 図22は空気導入後に不凍液を導入する過程を示す図である。 図23は不凍液導入後に空気を導入する過程を示す図である。 図24は他の実施例の燃料電池装置の構成を示す。
符号の説明
1 燃料電池装置
10 燃料電池スタック
13 スタックヒータ
20、300、500 水供給系
23 水タンクヒータ
40 水素供給系
70 空気供給系
200、400、600 700 不凍液供給系

Claims (10)

  1. 燃料電池スタックの空気供給系へ水を供給する水供給装置と、疎水性の不凍液を前記空気供給系へ供給する不凍液供給装置とが備えられ、前記空気供給系へ前記水と前記不凍液とが選択的に供給される燃料電池装置において、
    前記水供給装置と前記不凍液供給装置とはノズルを共有し、該ノズルを前記燃料電池スタックの空気流路入口へ向けて直接前記水又は前記不凍液を噴射する、
    ことを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記燃料電池スタックの上方に空気マニホールドが形成され、該空気マニホールドに前記ノズルが取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記水供給装置は水を貯蔵する水貯蔵部、前記水貯蔵部から前記ノズルへ前記水を導入する水導入部及び前記燃料電池の空気排出系から前記水を回収する水回収部を備え、
    前記不凍液供給装置は前記不凍液の貯蔵部、前記不凍液の貯蔵部から前記ノズルへ前記不凍液を導入する不凍液導入部、前記燃料電池の空気排出系から前記不凍液を回収する不凍液回収部を備え、
    前記空気供給装置の水導入部と前記不凍液供給装置の不凍液導入部とが共通化されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池装置。
  4. 前記水供給装置と前記不凍液供給装置において、更にその水貯蔵部と不凍液の貯蔵部とが共通化されている、ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池装置。
  5. 前記不凍液の比重が前記水の比重と異なり、前記共通した貯蔵部において前記水と前記不凍液とが上下方向に分離される、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池装置。
  6. 前記燃料電池装置の運転停止時に、前記不凍液供給装置を動作させて前記燃料電池内の水を前記不凍液で置換する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池装置。
  7. 前記水供給装置内の水が凍結しているときには、前記不凍液を前記空気極へ噴霧して前記燃料電池を冷却する、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池装置。
  8. 前記燃料電池へ噴霧された前記不凍液を回収して該不凍液と前記凍結した水との熱交換を行う、ことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池装置。
  9. 前記不凍液を前記燃料電池装置の水素ガス供給系へ供給する第2の不凍液供給系が更に備えられ、
    前記水素ガス供給系へ水素ガスと前記不凍液とが選択的に供給される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池装置。
  10. 前記燃料電池装置の運転停止時に、前記水素ガス供給系を空気で置換し、その後、前記第2の不凍液供給系を動作させて前記水素ガス供給系の空気を前記不凍液で置換し、その後、前記不凍液を回収する、ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池装置。
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