JP4000971B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池本体に水素及び空気を供給して発電させる燃料電池システムに関し、特に、燃料電池本体で未使用の水素を燃料電池本体の入口側へと循環させる水素循環型の燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムは、燃料電池本体の燃料極(水素極)に水素ガス、空気極に空気をそれぞれ供給して、燃料電池本体において水素と酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得るものである。このような燃料電池システムは、例えば自動車の動力源等としての実用化に大きな期待が寄せられており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
【0003】
燃料電池システムに用いられる燃料電池本体としては、特に自動車に搭載する上で好適なものとして、固体高分子タイプの燃料電池本体が知られている。この固体高分子タイプの燃料電池本体は、燃料極と空気極との間に膜状の固体高分子が設けられたものであり、この固体高分子膜が水素イオン伝導体として機能するようになっている。この固体高分子タイプの燃料電池本体では、燃料極で水素ガスが水素イオンと電子とに分離される反応が起き、空気極で酸素ガスと水素イオンと電子とから水を生成する反応が行われる。このとき、固体高分子膜がイオン伝導体として機能し、水素イオンは固体高分子膜を空気極に向かって移動することになる。
【0004】
ところで、固体高分子膜をイオン伝導体として機能させるためには、この固体高分子膜にある程度の水分を含ませておく必要がある。このため、このような固体高分子タイプの燃料電池本体を用いた燃料電池システムでは、水素ガスや空気を加湿装置により加湿した状態で燃料電池本体に供給することで、燃料電池本体の固体高分子膜を加湿することが一般に行われている。
【0005】
固体高分子膜を加湿する方法としては種々の方法が知られているが、特に燃料消費量節減や出力特性の改善等の観点から、燃料電池本体で未使用の水素ガスを燃料電池本体へと循環させて再利用する水素循環型の燃料電池システムが有効である。この水素循環型の燃料電池システムでは、燃料電池本体外部に接続した負荷で消費する電力に要する水素量より幾分多めの水素ガスを燃料電池本体の燃料極へと供給して、未使用の水素ガスを燃料極出口から排出させ、この排出水素をポンプやエゼクタ等の循環装置を用いて循環させる。そして、この循環装置で循環させた排出水素を水素供給源から新たに供給される水素と混合させて、燃料電池本体にて再利用するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
以上のような水素循環型の燃料電池システムでは、水蒸気を多く含んだ状態で燃料電池本体の燃料極出口から排出される排出水素が水素供給源からの乾燥している水素に混合されて、混合水素として燃料電池本体の燃料極へ供給されるので、燃料電池本体の固体高分子膜を効果的に加湿することができる。
【0007】
また、この水素循環型の燃料電池システムでは、燃料電池本体の燃料極に対して多めの水素ガスが供給されて一定以上のストイキ比が確保されるので、フラッディングの防止を図る上でも有効である。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−22714号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような水素循環型の燃料電池システムにおいて、燃料電池本体から排出される排出水素は、その温度が80〜90℃程度の高温となっており、相対湿度も100%に近い状態となっている。そのため、この排出水素の見かけ上の分子量は、純水素の場合に比べてかなり大きくなっている。
【0010】
上述したように、フラッティング防止のためには、ある一定以上のストイキ比で水素を燃料電池本体の燃料極に供給する必要があるが、循環装置にエゼクタを用いた場合、見かけ上の分子量が大きい排出水素を十分に循環させることができなくなるという不都合がある。例えば、水素供給源から供給される水素の状態が同じである場合には、吸引する気体の分子量が大きくなると吸引量が小さくなり、排出水素に含まれる水分の分だけ水素を循環させることができなくなり、循環される水素量が大幅に低下する。
【0011】
また、循環装置にポンプを用いた場合には、排出水素に含まれる水分が持つ質量に対しても仕事を行わなければならず、同じ水素循環流量を維持しようとすると、水分の分だけポンプの負荷が大きくなるという問題がある。
【0012】
本発明は、このような従来技術の有する欠点を解消するために提案されたものであり、水素循環型の燃料電池システムにおいて、エゼクタを効率的に動作させたりポンプの負荷を低減する等、効率的な水素循環を可能とし、同時に安定した加湿を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、燃料電池本体の燃料極から排出された排出水素を循環させるための循環経路及び循環手段を備え、水素供給手段から新たに供給される供給水素に前記排出水素を混合した混合水素を燃料極へ供給する水素循環型の燃料電池システムである。そして、このような水素循環型の燃料電池システムにおいて、水透過型加湿装置を用いて、混合前の排出水素に含まれる水分を燃料極に供給される混合水素中に移動させてこれを加湿するようにし、また、燃料電池本体の発電に伴う生成水を回収して水透過型加湿装置に供給するようにしたものである。
【0014】
本発明の燃料電池システムでは、排出水素が循環手段に導入される前に、この排出水素に含まれる水分が水透過型加湿装置によって混合水素中へと移動されるので、循環手段へ導入される排出水素に含まれる水分が大幅に減少することになる。そして、この排出水素の見かけ上の分子量は小さくなり、水分に起因する質量も減少する。その結果、循環手段への負荷が小さくなり、排出水素が効率的に循環される。同時に、排出水素に含まれる水分も加湿水として有効利用されることになる。
【0015】
また、この燃料電池システムは、排出水素を循環させることによって循環経路内に蓄積していく不純物や窒素等を除去するために、必要に応じて排出水素を外部に排出してパージを行う構成としてもよい。この場合、従来のシステムではパージに伴って水分まで外部に排出されることで、加湿用の水が不足することも懸念されるが、本発明の燃料電池システムでは、外部へ排出する前に排出水素に含まれる水分が回収されるので、水分まで外部に排出されることはなく、回収した水が加湿水として有効利用されることになる。
【0016】
【発明の効果】
本発明においては、水透過型加湿装置を用いて排出水素に含まれる水分を燃料極に供給される混合水素中に移動させているので、循環手段へ導入される排出水素に含まれる水分を大幅に減少させることができ、循環手段であるエゼクタを効率的に動作させたり、ポンプの負荷を低減させることができる。したがって、排出水素を効率良く循環させて水素循環量を増加させ、効率的な発電を実現することができる。さらに、燃料電池本体からの生成水を回収して水透過型加湿装置に供給して混合水素の加湿に利用することで、加湿不足が懸念される運転条件においても混合水素を十分に加湿して、円滑な運転を維持することが可能となる。
【0017】
また、特に、不純物や窒素等が蓄積した排出水素をパージで外部に排出する場合、排出水素中の水分が予め回収されるので、排出水素と共に水分も外部へ排出したときに懸念される水不足の問題を未然に回避できる。したがって、水不足の条件となった場合に新たに水を生成するような運転状態をあえて作る必要がなく、トータルでの運転効率や燃費等の観点からも、事前に水を回収する本発明の燃料電池システムは非常に有利である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
以下で説明する実施形態は、電気自動車の燃料電池システムに本発明を適用した例である。ここでは、まず、本発明の適用対象となる燃料電池システムの基本構成について説明する。
【0020】
本発明の適用対象となる燃料電池システムの最も基本となる構成を図1に示す。この図1に示す燃料電池システムは、水素循環型の燃料電池システムとして構成されており、燃料電池スタック(燃料電池本体)1と、この燃料電池スタック1の燃料極に供給する水素の供給源である水素供給手段2と、水分の移動を行う水透過型加湿装置3と、燃料電池スタック1の燃料極から排出される排出水素の循環経路4と、及び排出水素を強制的に循環させる循環手段5(例えば、エゼクタやポンプ等)とを備えている。なお、この燃料電池システムには、以上の各構成要素の他、燃料電池スタック1の空気極に酸化剤である空気を供給するための空気供給系や、燃料電池スタック1に供給する水素及び酸素の流量や圧力を制御する手段等も設けられているが、これらは本発明の要部と直接関係しない部分であるので、ここでは図示及び詳細な説明を省略する。
【0021】
燃料電池スタック1は、水素が供給される燃料極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーへと変換する。燃料極では、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させて、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び前記電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
【0022】
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質が用いられる。高分子固体電解質は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能することから、この燃料電池スタック1においては水を供給して加湿することが必要になる。
【0023】
水素供給手段2は、例えば高圧水素タンク等の水素貯蔵手段を有し、流量及び圧力が制御された水素ガスを燃料電池スタック1の燃料極に供給するようになっている。ここで、本実施形態の燃料電池システムでは、この水素供給手段2から供給される水素ガス(以下、供給水素という。)のみならず、発電に寄与することなく燃料電池スタック1から排出された水素ガス(以下、排出水素という。)も循環経路4及び循環手段5によって循環させて、燃料電池スタック1の燃料極に供給するようにしている。すなわち、燃料電池スタック1からの排出水素を循環させて、水素供給手段2から新たに供給される供給水素に混合させ、この混合水素を燃料電池スタック1の燃料極に供給するようにしている。
【0024】
このとき、燃料電池スタック1からの排出水素を水分を多く含んだままの状態で循環利用しようとすると、循環手段5に大きな負荷がかかることになる。そこで、本実施形態では、水透過型加湿装置3を用いて、排出水素中の水分を予め水透過型加湿装置3によって燃料電池スタック1の燃料極に供給される混合水素側に移動させておき、排出水素中の水分を減らすようにしている。
【0025】
水透過型加湿装置3は、湿潤気体に含まれる水分を乾燥気体に水分交換するものであり、例えば中空糸膜を用いたものが知られている。このような中空糸膜を用いた水透過型加湿装置3の一例を図2に示す。この図2に示す水透過型加湿装置3は、ハウジング21内に中空糸膜の束を水分交換部22として設けたものであり、この水分交換部22を中心部を通る内装管とし、その周囲に円環状の空間23が設けられた、いわゆる2重管構造を有している。そして、この水透過型加湿装置3は、流入口24から湿潤した気体が導入されて、水分交換部22で水分を放出した後、排出口25から排出されるようになっている。一方、流入口26からは乾燥気体が導入され、この乾燥気体が水分交換部22の周囲の空間23を通過する過程で加湿されて排出口27から排出されるようになっている。
【0026】
以上のような構造の水透過型加湿装置3では、湿潤気体を中空糸膜の束である水分交換部22を通過させることにより、湿潤気体中の水分が中空糸膜の毛管作用によって分離され、中空糸膜の毛管と透過して中空糸膜の外側、すなわち水分交換部22の周囲の空間23に移動する。一方、乾燥気体を水分交換部22の周囲の空間23に送り込むと、ここには湿潤気体から分離された水分が移動してきており、この水分によって乾燥気体が加湿されることになる。
【0027】
本実施形態の燃料電池システムでは、以上のような水透過型加湿装置3の流入口24及び排出口25(吸湿側)が燃料電池スタック1の燃料極出口側と前記循環手段5の間に接続されてオフガス側32とされ、流入口26及び排出口27(加湿側)が前記循環手段5と燃料電池スタック1の燃料極入口側の間に接続されてスイープガス側31とされている。
【0028】
以上のような構成の燃料電池システムにおいては、水素供給手段2から供給された供給水素と循環手段5によって循環してきた循環水素とが混合され、この混合水素は、水透過型加湿装置3のスイープガス側31に導入されることで加湿及び昇温されて、燃料電池スタック1に導入される。また、燃料電池スタック1で消費されなかった余分な高温多湿の排出水素が、水透過型加湿装置3のオフガス側32へ導入されることで、この排出水素中に含まれる水分と熱がスイープガス側31へと移動する。このため、オフガス側32を通過した排出水素は、水分が大幅に減少した状態で循環経路4を循環することになる。また、水透過型加湿装置3では、水分だけでなく熱も同時に移動するため、オフガス側32を通過した排出水素の温度は降下し、飽和蒸気圧が減少するので、水素に含まれる水分量はより少なくなる。
【0029】
水透過型加湿装置3のオフガス側32を通過することで水分の少なくなった排出水素は、循環手段5の作用によって、水素供給手段2からの新たな供給水素と混合されることになる。このとき、燃料電池スタック1でのフラッティング防止等の理由により、燃料電池スタック1に供給する水素量は、ある一定以上のストイキ比を確保することが要求されるが、本実施形態の燃料電池システムでは、以上のように、循環する排出水素中に存在する余分な水分の量が少なくされて、その分、より多くの水素を循環させることができるので、ストイキ比の確保が容易となる。
【0030】
本発明の適用対象となる燃料電池システムには、排出水素を外部に排出するためのパージ弁が設けられていてもよい。
【0031】
パージ弁が設けられた燃料電池システムの要部構成を図3に示す。この図3に示す燃料電池システムでは、循環経路4内に蓄積される不純物等を排出水素と共に外部に排出させるためのパージ弁17が、循環経路4の中途部に設けられている。
【0032】
循環経路4及び循環手段5によって排出水素を循環させるようにした場合、循環経路4内には不純物や窒素等が蓄積して水素分圧が降下し、燃料電池スタック1の効率が低下する場合がある。このような問題の対策として、循環経路4の中途部にパージ弁17を設けて、必要に応じてパージを行うことで循環経路4内に蓄積された不純物や窒素等を除去するようにしてもよい。この場合、燃料電池スタック1からの排出水素をそのまま外部に排出するようにすると、排出水素と同時に水分も外部へ排出されてしまう。そこで、水透過型加湿装置3のオフガス側32をパージ弁17の上流に設けることで、排出水素に含まれる水分を、パージ時に水素供給手段2から供給される供給水素へと移動させ、循環経路4内からパージ弁17を介して外部へと水分が排出されることを防止することが望ましい。
【0033】
以上のように、不純物や窒素などが蓄積した水素をパージにより外部へ排出する前に、水透過型加湿装置3を用いて供給側へ水分を移動することにより、外部へ水を捨てることに起因して加湿不足が生じるといった問題を未然に回避することができる。
【0034】
本発明の適用対象となる燃料電池システムにおいて、循環手段としては、図4に示すように、エゼクタ6を用いることができる。
【0035】
エゼクタ6は、吸引する気体の分子量が大きくなると吸引量が小さくなる。そのため、循環手段としてエゼクタ6を用いた場合には、循環水素中に水分が多く含まれていると、その分だけ水素を循環させることができなくなり、循環される水素量が大幅に低下することになる。そこで、循環手段としてエゼクタ6を用いた場合には、水透過型加湿装置3を用いて循環水素中の水分を予め混合水素側へと移動させ、エゼクタ6に供給される循環水素中には水分が少ない状態となるようにすることが望ましい。これにより、エゼクタ6を効率的に動作させて排出水素の循環量を大きくし、効率的な発電を実現することができる。
【0036】
また、本発明の適用対象となる燃料電池システムにおいて、循環手段としては、図5に示すように、ポンプ7を用いるようにしてもよい。
【0037】
循環手段としてポンプ7を用いた場合、循環水素に水分が多く含まれていると、この水分が持つ質量に対してもポンプ7が仕事を行わなければならず、その分だけポンプの負荷が大きくなる。そこで、循環手段としてポンプ7を用いた場合には、水透過型加湿装置3を用いて循環水素中の水分を予め混合水素側へと移動させ、ポンプ7に供給される循環水素中には水分が少ない状態となるようにすることが望ましい。これにより、ポンプ7を駆動するモータに余分な水分に対して仕事をさせる必要がなく、少ない仕事量で所定の水素循環量を達成して、効率的な発電を実現することができる。
【0038】
第1の実施形態
本実施形態は、図6に示すように、図3に示した燃料電池システムの構成に加えて、燃料電池スタック1で生成した水を回収する生成水回収手段9と、この生成水回収手段9により回収した生成水を水透過型加湿装置3に供給するための生成水供給経路10及び生成水供給手段11とが設けられた点を特徴とするものである。また、本実施形態において、水透過型加湿装置3には、供給される生成水を効率的にスイープガス側31に移行するために多孔質材料8が設けられている。
【0039】
本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の発電に伴って生成される生成水が、生成水回収手段9(例えば気水分離器など)により燃料電池スタック1の排空気または排水素から回収されるようになっている。そして、精製水回収手段9により回収された生成水が、生成水供給手段11によって、生成水供給経路10を通じて水透過型加湿装置3に供給され、多孔質材料8に浸透して混合水素の加湿に用いられるようになっている。
【0040】
ストイキ比が小さい運転条件では、循環している水分が少ないため、この循環している水分だけでは燃料電池スタック1の運転を継続するために必要な水分量が確保できず、加湿不足が生じる場合もある。このような場合に、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からの生成水を水透過型加湿装置3に供給して、燃料電池1に供給される混合水素を加湿することできる。したがって、本実施形態の燃料電池システムでは、加湿不足が懸念される運転条件においても混合水素を十分に加湿して、円滑な運転を維持することが可能である。
【0041】
第2の実施形態
本実施形態は、図7に示すように、第1の実施形態の構成に加えて、生成水供給経路10を流れる生成水を加熱するための加熱手段14が設けられた点を特徴とするものである。
【0042】
本実施形態の燃料電池システムにおいて、加熱手段14の熱源としては、例えば、燃料電池スタック1を冷却した後の高温の冷却水が用いられる。この場合、加熱手段14は、燃料電池スタック1の冷却経路13に組み込まれる。そして、冷却経路13を流れる冷却水が、この加熱手段14で生成水を加熱した後、ラジエータ12で冷却されて、燃料電池スタック1へ循環される。
【0043】
水透過型加湿装置3に供給される生成水を加熱手段14によって加熱すると、生成水が気化しやすくなるため、加湿不足が生じたときに速やかに生成水で混合水素を加湿することができる。したがって、本実施形態の燃料電池システムでは、加湿不足が懸念される運転条件下で混合水素の加湿を速やかに行って、円滑な運転を維持することが可能である。
【0044】
なお、加熱手段14の熱源としては、燃料電池スタック1を冷却した後の高温の冷却水に限らず、強電部品を冷却した後の冷却水や電熱ヒータ、コンプレッサによって加圧され高温となった空気等を利用することも可能である。
【0045】
第3の実施形態
本実施形態は、図8に示すように、第1の実施形態の構成に加えて、水透過型加湿装置3のスイープガス側31を加熱するための加熱手段15が設けられた点を特徴とするものである。
【0046】
本実施形態の燃料電池システムにおいて、加熱手段15の熱源としては、例えば、上述した第6の実施形態の燃料電池システムにおける加熱手段14と同様に、燃料電池スタック1を冷却した後の高温の冷却水が用いられる。この場合、加熱手段15は、燃料電池スタック1の冷却経路13に組み込まれ、冷却経路13を流れる冷却水が、この加熱手段15で水透過型加湿装置3のスイープガス側31を加熱した後、ラジエータ12で冷却され、燃料電池スタック1へ循環される。
【0047】
水透過型加湿装置3のスイープガス側31を加熱手段15によって加熱すると、このスイープガス側31に供給される混合水素が加熱されて生成水が気化しやすくなるため、加湿不足が生じたときに速やかに生成水で混合水素を加湿することができる。したがって、本実施形態の燃料電池システムでは、加湿不足が懸念される運転条件下で混合水素の加湿を速やかに行って、円滑な運転を維持することが可能である。
【0048】
なお、本実施形態においても、加熱手段15の熱源としては、燃料電池スタック1を冷却した後の高温の冷却水に限らず、強電部品を冷却した後の冷却水や電熱ヒータ、コンプレッサによって加圧され高温となった空気等を利用することが可能である。
【0049】
水素供給手段2と循環手段5との間には、図9に示すように、供給水素を加熱するための加熱手段16を設けるようにしてもよい。
【0050】
図9に示す構成の燃料電池システムにおいて、加熱手段16の熱源としては、例えば、上述した第2の実施形態及び第3の実施形態の燃料電池システムにおける加熱手段14,15と同様に、燃料電池スタック1を冷却した後の高温の冷却水が用いられる。この場合、加熱手段16は、燃料電池スタック1の冷却経路13に組み込まれ、冷却経路13を流れる冷却水が、この加熱手段16で供給水素を加熱した後、ラジエータ12で冷却され、燃料電池スタック1へ循環される。
【0051】
水素供給手段2から供給される供給水素の温度が循環水素の温度よりも低い場合、供給水素と循環水素とが循環手段5にて合流して混合水素とされた後に、混合水素中の水分が凝縮して気体の水分量が少なくなってしまう。そこで、図9に示す構成の燃料電池システムでは、水素供給手段2と循環手段5との間に加熱手段16を設け、この加熱手段16により供給水素を加熱することで、混合水素中の水分の凝縮を避けるようにしている。したがって、この燃料電池システムでは、循環水素を十分な水分量で加湿して、円滑な運転を維持することが可能である。
【0052】
なお、図9に示した構成の燃料電池システムにおいても、加熱手段16の熱源としては、燃料電池スタック1を冷却した後の高温の冷却水に限らず、強電部品を冷却した後の冷却水や電熱ヒーター、コンプレッサによって加圧され高温となった空気等を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の適用対象となる燃料電池システムの基本構成を示す図である。
【図2】 水透過型加湿装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】 パージ弁が設けられた燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【図4】 循環手段としてエゼクタを用いた燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【図5】 循環手段としてポンプを用いた燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【図6】 第1の実施形態の燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【図7】 第2の実施形態の燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【図8】 第3の実施形態の燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【図9】 供給水素を加熱する加熱手段が設けられた燃料電池システムの要部構成を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 水素供給手段
3 水透過型加湿装置
4 循環経路
5 循環手段
6 エゼクタ
7 ポンプ
8 多孔質材料
9 生成水回収手段
14,15,16 加熱手段
17 パージ弁
31 水透過型加湿装置スイープガス側
32 水透過型加湿装置オフガス側

Claims (10)

  1. 燃料電池本体の燃料極から排出された排出水素を循環させるための循環経路及び循環手段を備え、水素供給手段から新たに供給される供給水素に前記排出水素を混合した混合水素を前記燃料極へ供給する燃料電池システムにおいて、
    混合前の排出水素に含まれる水分を前記燃料極に供給される混合水素中に移動させる水透過型加湿装置と、
    前記燃料電池本体の発電に伴う生成水を回収する生成水回収手段と、
    前記生成水回収手段で回収された生成水を前記水透過型加湿装置に供給する生成水供給手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水透過型加湿装置は少なくとも一部が多孔質材料で構成され、前記生成水はこの多孔質材料に供給されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水透過型加湿装置に供給される生成水を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水透過型加湿装置の吸湿側が前記燃料極の出口側と前記循環手段の間に接続され、加湿側が前記循環手段と前記燃料極の入口側の間に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記循環手段がエゼクタであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記循環手段がポンプであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記排出水素の循環経路に、前記水透過型加湿装置の設置位置よりも下流で且つ前記循環手段の上流に位置して、前記排出水素を外部に排出するためのパージ弁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記水透過型加湿装置に導入される混合水素を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記水素供給手段と前記循環手段の間に、前記供給水素を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池本体と熱交換器との間で冷媒を循環させて前記燃料電池本体を冷却する冷却手段を備え、前記燃料電池本体で加熱された冷媒を前記加熱手段の熱源として用いることを特徴とする請求項3、8、9の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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