JP2005116310A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温時の起動時間の短縮・発電量の確保が可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック101と、燃料電池スタック101に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路301と、燃料ガスを供給する燃料ガス供給路202と、を備えた燃料電池システムにおいて、冷媒の流路である冷媒流路403と、燃焼ガスにより少なくとも冷媒を加熱する加熱システム501、502と、加熱システム501、502から排出される燃焼ガス中に含まれる水分により、酸化剤ガス、燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第一加湿手段102と、燃焼ガスを第一加湿手段102に供給する燃焼ガス供給手段508と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システム、特に燃料電池システムの低温起動時の酸化剤ガスおよび燃料ガスの加湿方法に関する。
燃料電池とは、燃料ガスと酸化剤ガスとの間で生じる電気化学反応により燃料のもつ化学エネルギを電気エネルギに変換する装置である。燃料電池は用いられる電解質によりいくつかの種類に分類されるが、その一つとして固体高分子膜を用いるものがある。固体高分子膜を電解質として機能させるためには、固体高分子膜に十分に水分を含有させる必要がある。固体高分子膜に水分を含有させる方法として、一般的に、燃料電池に予め加湿した酸化剤ガスおよび燃料ガスを供給する方法が知られている。
このような燃料電池システムを車輌などの移動体用として用いる場合には、燃料電池システムの環境温度が氷点下まで下がることがある。そのため、システム停止時にはシステム全体の凍結対策が必要となる。さらに移動体用の動力源に対して求められる起動性能や燃料消費率を達成するためには、システム起動時間の短縮やシステム起動に要する燃料消費量の低減が重要となる。
例えば、システム停止時に、燃料電池スタック内に留まった水を水自体の重さ、または反応ガスによって水タンクに回収し、燃料電池スタック内部での水の凍結を防止している。システム起動時に水タンク内の水が凍結している場合には、タンク内の水を加熱する加熱手段により水の解凍および加熱を行っている(例えば、特許文献1、参照。)。
さらに、燃料電池スタックの不凍液を加熱する不凍液加熱手段から排出する燃焼排ガスを、燃料電池スタックの燃料極または酸化剤極の少なくとも一方に供給し、燃料電池の固体高分子膜を直接加熱することによりシステム起動時間の短縮を図っている(例えば、特許文献2、参照。)。
特開平9−147892号公報 特開2000−164233号公報
しかしながら、上記に述べた従来の技術を採用した燃料電池システムには以下のような問題点がある。
特開平9−147892号公報に提示された方法では、システム停止時に燃料電池スタック内部での水の凍結を防止することはできるが、水タンク内の水が凍結するため、システム起動時に水タンク内の水を解凍する必要がある。燃料電池スタックで発電を行うためには、加湿された酸化剤ガスおよび燃料ガスが必要となるため、水タンク内の水の解凍・加熱が完了するまでは発電が困難となり、システムの起動時間が長くなるという問題点がある。
特開2000−164233号公報に提示された方法では、不凍液加熱手段から排出される燃焼排ガスを、燃料電池スタックの燃料極または酸化剤極の少なくとも片方に供給して固体高分子膜を直接加熱することにより、システム起動時間の短縮を図っている。しかしながら、燃料電池スタックで発電を行うためには十分に加湿された酸化剤ガスおよび燃料ガスが必要となるため、燃料電池スタック本体の予熱だけではなく、加湿装置や加湿に用いる水などの解凍・加熱も必要となり、システム起動時間が長くなるという問題点がある。
また、酸化剤極からの排出ガスに含まれる反応生成水を水透過膜や全熱交換装置などにより酸化剤ガスおよび燃料ガスに移動させて、酸化剤ガスおよび燃料ガスの加湿を行うシステムも考案されている。しかしながら、この場合においても発電開始初期には生成される水量が少なく、酸化剤ガスおよび燃料ガスの加湿が不足するために、出力が低下するという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムの低温起動時における起動時間の短縮や、起動初期における出力低下の防止を行える燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、酸化剤極に供給された酸化剤ガスと燃料極に供給された燃料ガスを用いて発電を行う固体高分子型燃料電池と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の温度を調整する冷媒の流路である冷媒流路と、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも前記冷媒を加熱する加熱システムと、前記加熱システムから排出される燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第一加湿手段と、前記加熱システムから排出される燃焼ガスを前記第一加湿手段に供給する燃焼ガス供給手段と、を備えた。
または、酸化剤極に供給された酸化剤ガスと燃料極に供給された燃料ガスを用いて発電を行う固体高分子型燃料電池と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給路と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の温度を調整する冷媒の流路である冷媒流路と、前記酸化剤ガスと燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第二加湿手段と、前記第二加湿手段における加湿に用いる水を貯える貯水手段と、前記貯水手段から前記第二加湿手段に水を供給する加湿水供給手段と、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により前記冷媒および前記貯水手段に貯えられた加湿水を加熱する加熱システムと、前記加熱システムから排出された燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第一加湿手段と、前記加熱システムから排出される燃焼ガスを前記第一加湿手段に供給する燃焼ガス供給手段と、を備えた。
または、酸化剤極に供給された酸化剤ガスと燃料極に供給された燃料ガスを用いて発電を行う固体高分子型燃料電池と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池を冷却する冷媒の流路である冷媒流路と、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも前記冷媒を加熱する加熱システムと、を備え、前記加熱システムにおいて酸素過剰率が大きい燃焼により燃焼ガスを生成する場合に、前記加熱システムから排出された燃焼ガスを、発電反応における酸化剤ガスとして用いる。
燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも冷媒を加熱する加熱システムと、加熱システムから排出される燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第一加湿手段と、加熱システムから排出される燃焼ガスを第一加湿手段に供給する燃焼ガス供給手段と、を備えることで、燃料電池の状態に影響されることなく加熱に用いた燃焼ガスで酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿することができる。これにより、燃料電池システムの低温起動時においても、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿することができ、起動時間を短縮し、起動初期の発電量の低減を抑制することができる。
または、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも冷媒を加熱する加熱システムと、を備え、加熱システムにおいて酸素過剰率が大きい燃焼により燃焼ガスを生成する場合に、燃料電池における発電に用いる酸化剤ガスとして燃焼ガスを用いることで、燃焼により生じた水分を含んだ燃焼ガスを酸化剤として利用することができる。
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの構成を図1に示す。本実施形態で用いる燃料ガスを、燃焼反応によりH2Oを生じる水素ガスまたは炭化水素系燃料ガスとする。また、後述する燃料電池スタック101としては、固体高分子電解質膜を有する固体高分子型燃料電池を用いる。
通常運転時には、水素貯蔵装置または燃料改質システム等からなる燃料ガス供給手段201内で所定の圧力に制御された燃料ガス、例えば水素ガスを、燃料ガス供給経路202を通じて加湿装置102に供給する。ここで、加湿装置102は、水素ガスの流通路となる燃料ガス層102a、加湿に用いる水分の供給源となる水分含有ガスの流通路となる水分含有ガス層102b、酸化剤ガスの流通路となる酸化剤ガス層102cにより構成する。燃料ガス層102aおよび酸化剤ガス層102cは、それぞれ水分含有ガス層102bに隣接し、水分含有ガス中の水分により酸化剤ガスおよび燃料ガスを加湿可能とする。例えば、水蒸気分圧差より水の受け渡しを行う水透過膜や、温度差ならびに水蒸気分圧差から水の受け渡しを行う全熱交換装置等により構成する。
加湿装置102において加湿した水素ガスを燃料電池スタック101の燃料極101aに供給して発電を行う。発電後、燃料極101aから排出された余剰水素ガスを、燃料ガス循環ポンプ204により燃料ガス循環経路203を通じて燃料極101aに再び供給する。
また、酸化剤ガスである空気を、酸化剤ガス供給経路301を通じて加湿装置102の酸化剤ガス層102cに供給し、空気の加湿を行う。加湿装置102の下流に配置した酸化剤ガス供給ポンプ302により、加湿された空気を所定圧力・流量に制御して、燃料電池スタック101の酸化剤極101bに供給して発電を行う。発電後に酸化剤極101bから排出される排出空気は、排出ガス加湿装置導入経路303を通じて加湿装置102の水分含有ガス層102bに供給される。このとき、排出ガス加湿装置導入経路303からシステム外部に分岐する酸化剤ガス排出経路309を設け、この分岐点に三方弁により構成した酸化剤ガス排出バルブ305を配置することにより、酸化剤極101bからの排出空気を加湿装置102に供給するか、システム外に排出するかを選択可能とする。加湿装置102に供給された場合、排出空気は、水素ガスおよび空気を加湿した後に酸化剤ガス排出経路304aからシステム外部に排気される。
また、発電反応に伴い熱が生じるので、燃料電池スタック101の温度調整を行うために、冷媒ポンプ402を用いて冷媒通路403を流れる冷媒を燃料電池スタック101に循環させる冷却システムを備える。循環する冷媒の温度は冷媒通路403上に配置したラジエータ401により調整する。また、このラジエータ401を迂回する冷媒バイパス経路405を配置し、ラジエータ401に供給するか迂回するかを制御する冷媒バイパスバルブ404を備える。
一方、システムの暖機運転時には、この冷却システムを用いて燃料電池スタック101の暖機を行う。上記の冷却通路403上にはさらに熱交換器502aを備え、またこの熱交換器502aに隣接して燃焼器501を備える。熱交換器502aでは、燃焼器501から供給される燃焼ガスと冷媒との間で熱交換を行い、この熱交換により、冷媒ひいては燃料電池スタック101の暖機を行う。
熱交換に用いる燃焼ガスを生成するために、燃焼器501には、燃料ガス供給手段201から燃料ガス供給路503を通じて水素ガスを供給する。この水素ガスの流量は、燃料ガス供給路503上に配置した燃料ガス流量制御バルブ509により調整する。また、燃焼器501には酸化剤供給経路504を通じて、酸化剤ガス供給ポンプ505により流量を制御した空気を供給し、水素ガスと空気との間に燃焼反応を生じさせる。
ここで、燃焼器501における燃焼について説明する。本実施形態では、燃焼器501において、発電停止時には燃料リッチな燃焼(以下、リッチ燃焼)を、発電時には燃料リーンな燃焼(以下、リーン燃焼)を行う。ここで、本実施形態では、リッチ燃焼は比較的空気過剰率λが小さい領域、リーン燃焼は比較的空気過剰率λが大きい領域とする。図9に水素ガスと空気との混合比に対する燃焼ガス温度を示す。ここでは、例えばリッチ燃焼をλ=4、リーン燃焼をλ=11としているが、この限りではない。リッチ燃焼により生成された燃焼ガス(以下、リッチ燃焼ガス)は熱交換器502aの劣化原因とならない範囲で高温になるように、また、リーン燃焼により生成された燃焼ガス(以下、リーン燃焼ガス)は加湿装置102に供給された際に劣化原因とならない範囲で高温となるように空気過剰率λを設定する。これにより、リッチ燃焼ガスの温度は高く、リーン燃焼ガスの温度はリッチ燃焼ガスに比較すると低くなる。また、熱交換器502aに供給される燃焼ガスと、熱交換器502aから排出される燃焼ガスとの温度差は、空気過剰率λが小さいほど大きくなる。つまり、リッチ燃焼ガスを用いた方が冷媒に供給する熱量が多くなり、速やかに燃料電池スタック101を昇温させることができる。さらに、熱交換器502aから排出される燃焼ガス温度は、空気過剰率λが小さいほど高く、この傾向は、燃料電池スタック101の暖機が進むにつれて顕著になる。つまり、リッチ燃焼ガスを用いた場合に熱交換器502aから排出される燃焼ガスは、比較的高温のガスとなる。
リッチ燃焼ガスまたはリーン燃焼ガスを熱交換器502aに供給する。熱交換器502aで冷媒を暖機した後、燃焼ガス加湿装置導入経路508に供給され、燃焼ガス流路切替えバルブ506により、燃焼ガス排出経路512を介してシステム外に排出されるか、加湿装置102に供給されるかを選択される。比較的高温のリッチ燃焼ガスは、加湿装置102の劣化の原因となる恐れがあるので、システム外に排出する。一方、比較的低温のリーン燃焼ガスは、加湿装置102に供給する。ここでは、燃焼ガス加湿装置導入経路508を排出ガス加湿装置導入経路303に接続させることにより、リーン燃焼ガスを水分含有ガス層102bに供給して、水素ガス、空気を加湿した後、燃料電池システム外部に排出する。
このような燃料電池システムを制御するための制御装置601を備え、これにより各ポンプやバルブを制御する。また、燃料電池スタック101には燃料電池温度検出手段113を備える。
次にこのような燃料電池システムの暖機運転時の制御を図2のフローチャートを用いて説明する。
燃料電池システムの起動開始の信号に応じて本制御を開始する。ステップS1において、燃料電池スタック101の温度を温度検出値信号として燃料電池温度検出手段113から制御装置601に送信し、燃料電池スタック温度Tcに換算する。ステップS2において、予め設定しておいた判断値T1と燃料電池スタック温度Tcを比較する。ここで、判断値T1は、燃料電池スタック101で発電を開始できる温度とする。燃料電池温度Tcが判断値T1以上であれば、ステップS6に進む。燃料電池温度Tcが判断値T1より小さければ、ステップS3に進み、燃料電池スタック101を急速に加温する。
ここで、燃料電池スタック101を急速に暖機する方法を説明する。燃料ガス流量制御バルブ509で所定流量Qfrに制御された水素ガスと、酸化剤供給ポンプ505で所定流量Qarに調整された空気を燃焼器501に供給する。このとき、リッチ燃焼により高温のリッチ燃焼ガスを生成し、生成したリッチ燃焼ガスを熱交換器502aに供給する。また、冷媒バイパスバルブ404を冷媒バイパス通路405側に設定し、冷媒ポンプ402を作動させて冷媒を循環させる。
このように制御することで、熱交換器502aで燃焼ガスと冷媒とが熱交換して冷媒温度が上昇する。温度上昇した冷媒を燃料電池スタック101に供給することにより燃料電池スタック101を解凍・昇温することができる。このとき、高温のリッチ燃焼ガスを熱源としているので、燃料電池スタック101の昇温時間を短縮することができる。
また、燃焼ガス流路切替えバルブ506を排出側に設定し、熱交換器502aから排出される高温の燃焼ガスをシステム外に排出する。これにより高温のリッチ燃焼ガスを加湿装置102に供給するのを避けることができ、加湿装置102の劣化を避けることができる。
上述のように燃料電池スタック101を急速に昇温させる運転を開始したら、ステップS4に進み、再び燃料電池温度Tcを検出し、ステップS5において検出した燃料電池温度Tcと判断値T1とを比較する。燃料電池温度Tcが判断値T1以上になるまでステップS3、S4を繰り返して暖機を継続する。燃料電池温度Tcが判断値T1以上となったら発電を開始することができると判断し、ステップS6に進む。
ステップS6では、燃焼ガス中の水分を加湿装置102において加湿に用いるための準備を行う。ここでは、加湿装置102の劣化を避けるために、燃焼器501における燃焼をリーン燃焼に切り替える。燃料ガス流量制御バルブ509と酸化剤ガス供給ポンプ505を調整して比較的低温の燃焼ガス、例えば80℃のリーン燃焼ガスを生成する。生成した燃焼ガスを熱交換器502aに供給し、冷媒を介して燃料電池スタック101をさらに加温する。
リッチ燃焼からリーン燃焼に切替え、燃焼ガス温度が安定する程度の所定時間が経過したら、燃焼ガス流路切替えバルブ506を加湿装置102側に設定し、リーン燃焼ガスを、燃焼ガス加湿装置導入経路508を通じて加湿装置102に導入する。このように、燃焼器501でリーン燃焼を行うことにより、熱交換器502aから排出される燃焼ガスを、直接加湿装置102へ導入することができる。
ステップS6において燃焼ガスを加湿装置102に導入したら、ステップS7に進み、燃焼ガス中の水分を用いた空気および水素ガスの加湿を開始するとともに発電を開始する。
燃料ガス供給手段201から水素ガスを燃料ガス層102aに供給するとともに、外部から酸化剤ガス層102cに空気を供給する。ステップS6において水分含有ガス層102bに供給した燃焼ガス中の水分により、空気および水素ガスの加湿を行い、加湿された空気および水素ガスを燃料電池スタック101に供給して発電を行う。このとき、酸化剤極101bから排出される排出ガスは、酸化剤ガス排出バルブ305を排出側に設定することによりシステム外に排出する。このとき、燃料電池スタック101における発電に伴う発熱と、熱交換器502aにおいて加温される冷媒により、燃料電池スタック101をさらに昇温させることができる。
燃料電池スタック101が、発電運転時で通常運転を行うことが出来ない温度範囲のときには、燃料電池スタック101で生成される生成水のみでは水素ガスおよび空気を十分に加湿することができない。そのため、上述したように、燃焼ガスに含まれる水分を加湿水として利用することで、燃料電池スタック101における発電を早期に開始できるとともに、発電初期の発電量低下を抑制することができる。
ステップS8において燃料電池スタック温度Tcを検出する。ステップS9において燃料電池スタック温度Tcと、判断値T2、ここでは通常運転を開始するのに必要な燃料電池スタック101の温度と、を比較する。燃料電池スタック温度Tcが判断値T2に到達していなければステップS8に戻り暖機を継続する。ステップS9において燃料電池スタック温度Tcが判断値T2以上となったらステップS10に進み通常運転に移行する。
ここでは、通常運転への移行を燃料電池スタック温度Tcにより判断したが、燃料電池スタック101の出力や、酸化剤極101bから排出される排出ガスの含有する水分濃度により判断することもできる。
ステップS10では、暖機運転を終了して暖機後の通常運転に移行する。燃料ガス流量制御バルブ509を閉じ、酸化剤ガス供給ポンプ505を停止して、燃焼器501における燃焼を停止する。また、酸化剤ガス排出バルブ305を加湿装置102側に設定して、酸化剤極101bからの排出ガスを加湿装置102の水分含有ガス層102bに導入する。さらに、冷媒バイパスバルブ404をラジエータ401側に切り替えて、ラジエータ401において温度調整された冷媒を燃料電池スタック101の冷却に用いる。
このように暖機運転を終了して通常運転を開始したら、本制御フローを終了し、通常運転における制御を開始する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
酸化剤極101bに供給された酸化剤ガスと燃料極101aに供給された燃料ガスを用いて発電を行う燃料電池スタック101と、燃料電池スタック101に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給経路301と、燃料電池スタック101に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路202と、を備える。また、燃料電池スタック101の温度を調整する冷媒の流路である冷媒通路403と、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも冷媒を加熱する加熱システムを備える。ここでは加熱システムとして、燃焼ガスを生成する燃焼器501と、生成した燃焼ガスと冷媒との間で熱交換を行う熱交換器502aを用いる。さらに、加熱システムから排出される燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する加湿装置102と、加熱システムから排出される燃焼ガスを加湿装置102に供給する燃焼ガス加湿装置導入経路508と、を備える。加熱システムにより、ここでは、燃焼器501で生成した燃焼ガスを用いて、熱交換器502aで冷媒を加温することにより、燃料電池スタック101を加温することができる。また、燃料電池スタック101の状態に影響されることなく加熱に用いた燃焼ガスで酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿することができる。その結果、燃料電池システムの低温起動時においても、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿することができ、起動時間を短縮し、起動初期の発電量の低下を抑制することができる。
また、酸化剤極101bから排出される排出ガスを加湿装置102に供給する排出ガス加湿装置導入経路303を備える。加湿装置102に、通常運転時には排出ガス加湿装置導入経路303から排出ガスを供給し、発電を伴う暖機運転時には燃焼ガス加湿装置導入経路508から燃焼ガスを供給する。これにより、排出ガス中の水分が少ない暖機運転時にも燃焼ガスを用いて、燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の加湿を促進することができる。その結果、起動時間を短縮し、発電量の減少を抑制することができる。ここでは、燃料電池スタック101の暖機が終了したら、酸化剤極101bから排出される排出空気により燃料電池スタック101へ供給される空気および水素ガスを加湿する。このように加湿装置102は暖機運転と通常運転における加湿機能を備えるため、システムコストを低減でき、システムを簡素化できる。
また、燃料電池スタック101の温度Tcを検出する燃料電池温度検出手段113と、燃料電池温度検出手段113の出力に応じて燃料電池システムの運転を制御する制御装置601と、を備える。制御装置601では、燃料電池スタック101の温度Tcが発電反応を生じるのが困難である低温領域の場合に、加熱システムにより少なくとも冷媒を加熱することにより燃料電池スタック101を加熱する。燃料電池スタック101の温度が発電反応を生じることはできるが、通常運転を行うのは困難である領域の場合に、加湿装置102に燃焼ガスを供給して酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿して、燃料電池スタック101で発電反応を生じる。これにより、起動時間を短縮し、かつ発電量の低減を抑制することができる。
また、燃料電池スタック101の温度Tcが低温領域の場合に、加熱システムにおいて酸素の過剰率λが小さな燃焼により高温の燃焼ガスを生成する。このように、燃料電池101を速やかに加温したい場合には、燃焼器501で高温のリッチ燃焼ガスを生成することにより、燃料電池スタック101の昇温を短時間で行うことができる。
また、燃焼ガス加湿装置導入経路508からシステム外部に分岐する燃焼ガス排出経路512と、燃焼ガスを加湿装置102に供給するか、システム外部に排出するかを選択する燃焼ガス流路切替えバルブ506を備える。加熱システムにおいて酸素の過剰率λが小さな燃焼により高温の燃焼ガスを生成する場合には、加熱システムから排出された燃焼ガスをシステム外部に排出する。これにより、高温の燃焼ガスによる加湿装置102の劣化を抑制することができる。
さらに、燃料電池スタック101の温度Tcが発電反応を生じることはできるが、通常運転を行うのは困難である領域の場合に、加熱システムにおいて酸素の過剰率λが大きい燃焼により低温の燃焼ガスを生成し、加湿装置102に供給して燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する。このように、燃焼ガスを用いて加湿を行う場合には、リーン燃焼ガスを生成することにより加湿装置102の劣化を避けつつ、加湿装置102に燃焼ガスを直接供給して加湿用の水分源として用いることができる。つまり、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方の加湿を向上させて、燃料電池スタック101における発電量の低減を抑制するとともに、加湿装置102の劣化を抑制することができる。
燃料電池スタック101の温度Tcを検出する燃料電池温度検出手段113を備え、燃料電池温度検出手段113の出力に応じて、燃料電池スタック101における発電を開始する。これにより、燃料電池スタック101における発電が可能な状態になったら遅滞なく開始することができるので、起動時間を短縮することができる。ここでは、燃料電池スタック101の温度Tcを検出し、燃料電池システムが発電開始可能かどうか、または通常運転開始可能かどうかを判断するので、遅滞なく加湿操作や発電、通常運転を開始することができ、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
次に、第2の実施形態に用いる燃料電池システムの構成を図3に示す。ここでは、暖機運転時の加湿を行う加湿装置102に加えて、通常運転時の加湿を行う加湿装置103を備えた。また、加湿装置102には、第1の実施形態と同様に、水透過膜または全熱交換装置等を用いる。
通常運転時には、燃料ガス供給手段201から加湿装置102を介して加湿装置103に水素ガスを供給する。加湿装置103において、後述する貯水タンク701から供給される水を用いて加湿を行い、加湿された水素ガスを燃料電池スタック101の燃料極101aに供給する。また、加湿装置103において加湿した空気を酸化剤供給ポンプ302を用いて燃料電池スタック101の酸化剤極101bに供給して、燃料極101aに供給した水素ガスとともに反応することにより発電を行う。このとき燃料極101aから排出される余剰水素ガスは、燃料ガス循環経路203を通って再び燃料電池スタック101に供給される。一方、発電後の排出空気は、凝縮装置104に供給され、発電反応で生成された生成水や加湿に用いられた水分を凝縮・回収されてからシステム外に排出される。ここで、回収された凝縮水は、加湿水回収経路704を通じて貯水タンク701に回収・貯蔵される。
加湿装置103における加湿用の水を、加湿水供給経路702を通じて貯水タンク701から加湿装置103に供給する。加湿に用いられなかった水は加湿水回収経路705を通って再び貯水タンク701に回収する。加湿水の供給は加湿水供給経路702に配置した加湿水ポンプ703により行う。
一方、起動運転時には、加湿装置102において燃料電池スタック101に供給する空気および水素ガスを加湿する。この加湿には、燃焼器501において生成された燃焼ガスを用いる。
燃焼器501に、燃料ガス供給手段201から燃料ガス流量制御バルブ509を介して水素ガスを供給する。また酸化剤ガス供給ポンプ505により空気が供給され、この水素ガスと空気との燃焼反応により燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、燃焼器501に隣接し、かつ、貯水タンク701内に配置された熱交換器502bに供給され、貯水タンク701内に貯えられた加湿水を加熱する。
燃焼ガスを熱交換器502bから燃料電池スタック101の冷却システム内、ここでは冷媒通路403に配置された熱交換器502aに供給し、燃料電池スタック101を循環する冷媒を加温する。その後、燃焼ガス流路切替えバルブ506を介してシステム外部に排出するか、発電が可能であれば加湿装置102に供給する。燃焼ガスを加湿装置102に供給した場合には、水素ガスまたは空気の加湿を行ってからシステム外部に排出する。
このような燃料電池システムを制御するために制御装置601を備える。また、燃料電池スタック101の温度を検出する燃料電池温度検出手段113、および、貯水タンク中の水温を検出する貯水タンク温度検出手段706を備え、この出力に応じて各ポンプ、バルブ等を制御する。
このような燃料電池システムの起動運転時の制御を図4に示す。
燃料電池システムの起動開始の信号により本制御フローを開始する。ステップS21において、燃料電池温度検出手段113により燃料電池温度検出信号を制御手段601に送信し、燃料電池スタック温度検出信号を燃料電池スタック温度Tcに換算する。
ステップS22において、燃料電池温度Tcと判断値T1とを比較する。ここで、判断値T1を発電を開始できる温度とする。燃料電池温度Tcが判断値T1に達していれば、ステップS26に進み、発電を開始する。燃料電池温度Tcが判断値T1より小さければ燃料電池スタック101を加熱する必要があるので、ステップS23において燃料電池スタック101および貯水タンク701を急速に加温する。
ステップS23における燃料電池スタック101および貯水タンク701の加温方法を説明する。
所定流量Qfrに調整された水素ガスと、所定流量Qarに調整された空気を燃焼器501に供給し、リッチ燃焼により高温のリッチ燃焼ガスを生成する。燃焼ガスを、燃焼器501から熱交換器502bに供給して、貯水タンク701中の加湿水の加温に用いてから、冷却システム内に配置した熱交換器502aに供給する。熱交換器502aにおいて燃焼ガスにより冷媒を加熱し、冷媒ポンプ402を稼動して加熱された冷媒を循環させることにより燃料電池スタック101を加熱する。このとき冷媒バイパスバルブ404は冷媒バイパス通路405側に設定する。
熱交換器502aから排出された燃焼ガスは高温のリッチ燃焼ガスなので、燃焼ガス流路切替えバルブ506を排出側(512側)に設定して燃焼ガスをシステム外部に排出する。このように、燃焼ガスが高温の場合には加湿装置102に供給するのを避けることにより、加湿装置102の熱による劣化を防止することができる。
ステップS23において、燃料電池スタック101および貯水タンク701内の加湿水の加温を開始したら、ステップS24に進み、再び燃料電池スタック温度Tcを検出する。ステップS25に進み、燃料電池スタック温度Tcと判断値T1とを比較する。燃料電池スタック温度Tcが判断値T1に達するまで暖機を継続し、判断値T1に到達したらステップS26に進む。
ステップS26においては、加湿装置102による空気および水素ガスの加湿の準備を行う。ここでは、燃焼器501でリーン燃焼により比較的低温の燃焼ガスを生成し、熱交換器502aから排出される燃焼ガス温度を直接加湿装置102へ導入できる温度、例えば80℃程度まで下げる。リーン燃焼を開始してから燃焼ガス温度が安定する程度の所定時間経過後、燃焼ガス流路切替えバルブ506を加湿装置102側に設定して燃焼ガスを加湿装置102に供給する。
次に、ステップS27に進み、燃焼ガスによる空気および水素ガスの加湿と、燃料電池スタック101における発電を開始する。
水素ガスを燃料ガス供給手段201で所定圧力に制御し、加湿装置102においてステップS26で加湿装置102に導入した燃焼ガス中の水分を用いて加湿してから燃料極101aに供給する。また、空気を加湿装置102において燃焼ガス中の水分を用いて加湿してから、酸化剤ガス供給ポンプ302により所定圧力・流量に制御し、酸化剤極101bに供給する。加湿した水素ガスと空気を用いて発電を開始する。
ステップS28において、貯水タンク温度Twを、貯水タンク701に備えた貯水タンク水温検出手段706により検出する。ステップS29において、貯水タンク温度Twと判断値T3の比較を行う。ここで判断値T3を、貯水タンク701内の水を用いて加湿装置103で加湿を行うことのできる温度とする。貯水タンク温度Twが判断値T3に達していない場合にはステップS28に戻り、発電・加温を継続する。ステップS29において、貯水タンク温度Twが判断値T3に達していると判断されたら、ステップS30に進む。
ステップS30においては、加湿装置103における加湿を開始し、暖機運転から通常運転へ移行する。
貯水タンク701内の水を加湿装置103に供給するために加湿水ポンプ703の稼動を開始し、加湿装置103における加湿を開始する。一方、燃料ガス流量制御バルブ509を閉じ、酸化剤供給ポンプ505を停止することにより燃焼器501における燃焼を停止する。これにより、燃焼ガスによる貯水タンク701および燃料電池スタック101の加熱を停止すると共に、燃焼ガスを用いた加湿装置102における加湿を停止する。また、冷媒バイパスバルブ404をラジエータ401側に設置して、燃料電池スタック101の冷却を開始する。このように、燃料電池システムの暖機運転を終了して通常運転に移行する。
次に、本実施形態の効果について説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる効果を中心に説明する。
酸化剤極101bに供給された酸化剤ガスと燃料極101aに供給された燃料ガスを用いて発電を行う燃料電池スタック101と、燃料電池スタック101に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給経路301と、燃料電池スタック101に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路202と、を備える。燃料電池スタック101の温度Tcを調整する冷媒の流路である冷媒通路403と、酸化剤ガスと燃料ガスの少なくとも一方を加湿する加湿装置103と、加湿装置103における加湿に用いる水を貯える貯水タンク701と、貯水タンク701から加湿装置103に水を供給する加湿水供給経路702と、を備える。また、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により冷媒および貯水タンク701に貯えられた加湿水を加熱する加熱システムを備える。ここでは加熱システムとして、燃焼ガスを生成する燃焼器501、燃焼ガスと加湿水との間で熱交換を行う熱交換器502b、燃焼ガスと冷媒との間で熱交換を行う熱交換器502aを備える。また、加熱システムから排出された燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する加湿装置102と、加熱システムから排出される燃焼ガスを加湿装置102に供給する燃焼ガス加湿装置導入経路508と、を備える。これにより、燃料電池スタック101の状態に影響されることなく加熱に用いた燃焼ガスで酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿することができる。その結果、燃料電池システムの低温起動時においても、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿することができ、起動時間を短縮し、起動初期の発電量の低減を抑制することができる。
また、貯水タンク701に貯えられた加湿水を用いて加湿を行うことができるかどうかを判断する判断手段を備える。ここでは判断手段として、貯水タンク温度検出手段706を用いる。発電時に、貯水タンク701に貯えられた加湿水を用いて加湿を行うことができないと判断されたら加湿装置102により燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿し、貯水タンク701内の加湿水を用いて加湿を行うことができると判断されたら加湿装置103により燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する。これにより、貯水手段に貯えられた加湿水を用いることが出来ないような状況でも速やかに起動することができ、かつ発電量の低減を抑制することができる。
ここでは、起動運転時に、燃料電池スタック101の冷却に用いる冷媒、および、通常運転で用いる加湿水を、燃焼器501で生成した燃焼ガスを用いて熱交換器502b、502aで加熱する。このとき、熱交換器502b、502aから排出される燃焼ガスを加湿装置102へ導入して加湿に用いることにより、発電初期においても燃料電池スタック101へ供給される空気および水素ガスを十分に加湿することができ、起動初期の発電効率低下を抑制することができる。また、貯水タンク701内の水が凍結している場合や、燃料電池スタック101における生成水が少ない場合にも発電を開始することができ、起動時間を短縮することができる。
また、燃料電池スタック101並びに貯水タンク701を速やかに加温したい場合には、燃焼器501で高温のリッチ燃焼ガスを生成することにより、燃料電池スタック101および貯水タンク701の加温時間を短縮することができる。このとき、燃料ガス流路切替えバルブ506により熱交換後の燃焼ガスをシステム外に排出することで、加湿装置102の熱による劣化を抑制することができる。また、燃焼ガスを用いて加湿を行う場合には、リーン燃焼ガスを生成することにより加湿装置102の劣化を避けつつ、加湿装置102に燃焼ガスを直接供給して加湿用の水分源として用いることができる。
さらに、燃料電池スタック101の温度を検出し、発電が可能かどうかを判断することにより、遅滞なく燃焼ガスによる加湿装置および発電を開始することができ燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。また、貯水タンク701内に貯えられた加湿水の温度を検出し、加湿装置103における加湿が可能かどうかを判断することにより、遅滞なく加湿装置103による加湿操作および発電を開始し、通常運転に移行することができる。これにより、燃料電池システムの起動時間の短縮、加湿水を加温のために要するエネルギ消費量の低減を行うことができる。
第3の実施形態に用いる燃料電池システムの構成を図5に示す。
本実施形態の構成を第1の実施形態の構成と同様とする。ただし、燃焼器501で生成した燃焼ガスを、熱交換器502a、燃焼ガス再循環経路510を介して酸化剤ガス供給経路301上に配置した燃焼ガス再循環バルブ511に供給する。燃焼ガス再循環バルブ511は、加湿装置102の下流側、且つ酸化剤極101bの上流側に配置し、酸化剤極101bに、外部からの空気を導入するか、熱交換器502aから排出される燃焼ガスを導入するかを選択する。これにより、熱交換器502aで冷媒を加熱した後、リッチ燃焼ガスは燃焼ガス流路切替えバルブ506を介してシステム外部に排出され、リーン燃焼ガスは燃焼ガス再循環バルブ511を介して酸化剤極101bに供給されるように制御することができる。酸化剤極101b側に供給された燃焼ガスは、排出ガス加湿装置導入経路303を通って、水分含有ガス層102bに供給される。
なお、本実施形態における燃焼ガス供給手段は燃焼ガス再循環バルブ511および排出ガス加湿装置導入経路303により構成する。
このような燃料電池システムにおいて、通常運転時は第1の実施形態と同様に、酸化剤極101bから排出した排出空気中の水分を用いて、加湿装置102で空気および水素ガスの加湿を行い、燃料電池スタック101で発電を行う。
一方、システムが暖機するまでの暖機運転の制御を図6の制御フローを用いて説明する。
ステップS41〜S45までは、第1の実施形態のステップS1〜S5と同様とし、燃料電池スタック101の急速な加温を行う。ステップS42またはS45において、燃料電池スタック101の温度Tcが発電可能な程度まで上昇したと判断されたら、ステップS46に進む。
ステップS46において、燃焼器501で生成した燃焼ガスによる水素ガスの加湿準備および燃焼ガスの酸化剤極101bへの導入を行う。ここでは、第1の実施形態のステップS6と同様に、リーン燃焼により生成した比較的低温の燃焼ガスを用いて冷媒ひいては燃料電池スタック101の加熱を行う。その後、燃焼ガス流路切替えバルブ506を燃焼ガス再循環経路510側に設定して、燃焼ガスを燃焼ガス再循環バルブ511を介して酸化剤極101bに供給する。酸化剤極101bから排出された燃焼ガスは、排出ガス加湿装置導入経路303を通って、加湿装置102に供給され、加湿に用いる水の供給源として利用された後システム外部に排出される。
このように水素ガスの加湿準備および、燃焼ガスの酸化剤極101bへの導入を行ったら、ステップS47に進み、燃焼器501からの燃焼ガスによる水素ガス加湿、およびそれらを用いた発電を開始する。
ステップS47では、ステップS46において加湿装置102の水分含有ガス層102bに供給された燃焼ガスにより、水素ガスを加湿する。燃焼ガスにより加湿を行った水素ガスと、熱交換器502aから酸化剤極101bに供給される燃焼ガスと、を用いて発電を行う。ここで、酸化剤極101bに供給される燃焼ガスの流量および温度、酸素濃度は、燃料電池スタック101の発電量などに応じて、燃料ガス流量制御バルブ509および酸化剤ガス供給ポンプ505により調整する。このように、加熱に用いた燃焼ガスを酸化剤極101bに供給して発電を行い、さらに加湿器102に供給することで、加湿水または発電に伴う生成水を水素ガスの加湿に用いることができる。
ステップS48に進み、燃料電池温度Tcを測定する。ステップS49において、燃料電池Tcと判断値T2との比較を行う。燃料電池温度Tcが判断値T2に達していなければ再びステップS48に戻り発電および燃料電池スタック101の暖機を継続する。燃料電池温度Tcが判断値T2に到達したら、ステップS50に進み、第1の実施形態と同様に暖機運転から通常運転に移行する。
次に、本実施形態の効果について説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる効果を中心に説明する。
燃焼ガス供給手段は、加熱システムから排出される燃焼ガスを酸化剤極101bに供給してから加湿装置102に供給する。これにより、燃焼反応により生じた水分を含んだ燃焼ガスを燃料電池スタック101の酸化剤ガスとして用いることができる。
本実施形態では、第1の実施形態に加えて、起動運転時には燃料電池スタック101の冷却に用いる冷媒を加熱する熱交換器502aから排出された燃焼ガスを燃料電池スタック101の酸化剤極101bに導入することで、燃焼ガスを発電の酸化剤ガスとして利用している。このとき、燃焼ガスをリーン燃焼により生成することで、酸化剤極101bに発電に必要な酸素を十分に供給することができる。また、燃焼反応に伴って水分が生成されるため、燃焼ガス中には水分が含まれるので、酸化剤ガスとして利用する際に加湿する必要がない。さらに、酸化剤極101bから排出された燃焼ガスを加湿装置102に導くことにより、発電初期においても燃料電池スタック101へ供給される水素ガスを十分に加湿することができ、起動初期に発電量が低減するのを防止することができる。
次に第4の実施形態の燃料電池システムの構成を図7に示す。
本実施形態の構成を第2の実施形態と同様とする。ただし、ここで用いる加湿装置102を、熱交換器502aから排出された燃焼ガスの流路となる水分含有ガス層102bと、水素ガスの流路となる燃料ガス層102aとから構成する。暖機運転時には、水分含有ガス層102bを流通する燃焼ガス中の水分により加湿された水素ガスは、加湿装置103を介して燃料電池スタック101の燃料極101aに供給される。一方、燃焼ガスは加湿装置102から燃焼ガス酸化剤極供給経路507を介して酸化剤ガス供給経路301に供給され、加湿装置103を介して燃料電池スタック101の酸化剤極101bに供給される。このように燃料電池スタック101に供給された水素および酸化剤としての燃焼ガスを用いて発電を行う。
このような燃料電池システムにおける通常運転を、第2の実施形態と同様とする。
一方、暖機運転時の燃料電池システムの制御フローを図8に示す。
ステップS61〜S65においては、第2の実施形態のステップS21〜S25と同様とし、燃料電池スタック101および貯水タンク701の急速な加温が必要かどうかを判断し、燃料電池スタック101を発電可能な温度まで暖機する。
発電可能な温度まで暖機したら、ステップS66に進み、燃焼ガスによる水素ガスの加湿準備をし、燃焼ガスを酸化剤極101bに導入する。ここでは、第2の実施形態と同様に、燃焼器501でリーン燃焼を行い、比較的低温の燃焼ガスを生成する。安定した燃焼ガスを得られるまでの所定時間が経過後、燃焼ガス流路切替えバルブ506を加湿装置102側に設定し、燃焼ガスを水分含有ガス層102bに供給する。
さらに、燃焼ガスを加湿装置102から燃焼ガス酸化剤極供給経路507を介して酸化剤ガス供給経路301に供給し、加湿装置103を介して燃料電池スタック101の酸化剤極101bに供給する。ここで、この燃焼ガスはリーン燃焼により生成したので、燃焼ガス内には比較的多くの酸素が含まれる。
次に、ステップS67に進み、燃焼ガスによる水素ガスの加湿を開始して、燃料電池スタック101における発電を開始する。燃料ガス供給手段201から加湿装置102に水素ガスを供給することで、水分含有ガス層102bを流れる燃焼ガス中の水分を用いて水素ガスの加湿を行うことができる。加湿後の水素ガスを燃料極101aに供給し、ステップS66における操作により酸化剤極101bに供給される燃焼ガス中の酸素と反応させることにより発電を開始する。この燃焼ガスの流量、温度、酸素濃度は、燃料電池スタック101の発電量等に応じて、燃料ガス流量制御バルブ509および酸化剤ガス供給ポンプ505により制御する。
発電後、燃料極101aから排出された余剰水素ガスは燃料ガス循環ポンプ204により燃料循環経路203を通じて再び燃料極101aに供給される。一方、発電後に酸化剤極101bから排出された燃焼ガスは、凝縮装置104に供給されて、水分を回収された後、酸化剤ガス排出経路304bを通って燃料電池システム外に排出される。
ステップS67において発電を開始したら、ステップS68に進み、貯水タンク水温検出手段706を用いて、貯水タンク701内に貯蔵されている水の温度(貯水タンク温度Tw)を検出する。ステップS69に進み、検出した貯水タンク温度Twと、判断値T3とを比較する。
貯水タンク温度Twが判断値T3より小さければステップS68に戻り、燃焼ガスを用いた貯水タンク701内の水の昇温を継続する。ステップS69において、貯水タンク温度Twが判断値T3以上となったら、ステップS70に進み、加湿装置103における加湿を開始し、暖機運転から通常運転へ移行する。
ステップS70では、貯水タンク701から加湿装置103へ水を供給する加湿ポンプ703を稼動して、加湿装置103における空気および水素ガスの加湿を開始する。このとき、酸化剤供給ポンプ302を稼動することにより酸化剤極101bに空気を供給する。また、燃料ガス流量制御バルブ509を閉じ、酸化剤ガス供給ポンプ505を停止することにより燃焼器501における燃焼を停止する。さらに、燃料電池スタック101の冷却を行うために、冷媒バイパスバルブ404をラジエータ401側に設定して、冷媒の温度調整を行う。
このような操作により、燃料電池システムを暖機運転から通常運転に移行する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第2実施形態とは異なる効果を中心に説明する。
酸化剤極101bに供給された酸化剤ガスと燃料極101aに供給された燃料ガスを用いて発電を行う燃料電池スタック101と、燃料電池スタック101に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給経路301と、燃料電池スタック101に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路202と、を備える。また、燃料電池スタック101を冷却する冷媒の流路である冷媒通路403と、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも冷媒を加熱する加熱システムを備える。ここでは加熱システムとして、燃焼ガスを生成する燃焼器501、燃焼ガスと冷媒との間で熱交換を行う熱交換器502aを備える。加えて、燃焼ガスと加湿水との間で熱交換を行う熱交換器502bを備える。加熱システムにおいて酸素過剰率λが大きい燃焼により燃焼ガスを生成する場合に、加熱システムから排出された燃焼ガスを、発電反応における酸化剤ガスとして用いる。これにより、燃焼により生じた水分を含んだ燃焼ガスを酸化剤ガスとして利用することができる。
また、加湿装置102から排出された燃焼ガスを酸化剤極101bに導入する燃焼ガス酸化剤極導入経路507を備え、加湿装置102において燃料ガスを加湿した燃焼ガスを発電反応における酸化剤ガスとして用いる。これにより、燃焼により生成された水分を含む燃焼ガスを、燃料ガスの加湿源として用いるとともに、発電反応における酸化剤ガスとして用いることができる。
本実施形態では、燃料電池スタック101の温度調整に用いる冷媒および加湿水を加熱する熱交換器502a、502bから排出される燃焼ガスを加湿装置102に導入するとともに、この燃焼ガスをさらに酸化剤極101bに導入して酸化剤ガスとして利用する。これにより、発電初期においても十分に加湿された水素ガス及び酸化剤ガスを確保することができ、起動初期に発電量が低減するのを防止することができる。燃焼ガスを加湿装置102に導入することにより、燃焼ガスに含まれる水分を水素ガスの加湿に用いることができる。また、燃焼ガスを酸化剤極101bに供給することで、燃焼ガスを酸化剤ガスとして利用することができる。このとき、燃焼ガスをリーン燃焼により生成するので、酸化剤極101bに十分な酸素を供給することができる。また、燃焼反応に伴って水分が生成されるため、燃焼ガス中には水分が含まれるので、酸化剤ガスとして利用する際に加湿する必要がない。このように、加熱システムとしての燃焼器501、熱交換器502は、冷媒や加湿水を加熱する機能を備えた構成であればよい。
なお、上記実施形態では、燃焼器501と熱交換器502aまたは502bが隣接するように配置しているが、必ずしも隣接させる必要はない。また、燃焼器501と熱交換器502aまたは502bを一体としてもよい。
このように、本発明は、上記の発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
本発明は、固体高分子型燃料電池システムに適用することができる。特に、低温環境下に放置され、燃料電池内の凍結が起こる可能性のある燃料電池システムに提供される。例えば、システム起動時間の短縮や燃料消費量の低減が求められている燃料電池車等の移動体に、効果的に適用することができる。
第1の実施形態における燃料電池システムの構成図である。 第1の実施形態における起動運転時の制御を示すフローチャートである。 第2の実施形態における燃料電池システムの構成図である。 第2の実施形態における起動運転時の制御を示すフローチャートである。 第3の実施形態における燃料電池システムの構成図である。 第3の実施形態における起動運転時の制御を示すフローチャートである。 第4の実施形態における燃料電池システムの構成図である。 第4の実施形態における起動運転時の制御を示すフローチャートである。 空気過剰率に対する燃焼ガス温度、燃焼ガス中酸素濃度を示す図である。
符号の説明
101 燃料電池スタック
102 加湿装置(第一加湿手段)
103 加湿装置(第二加湿手段)
113 燃料電池温度検出手段(温度検出手段)
202 燃料ガス供給経路(燃料ガス供給路)
301 酸化剤ガス供給経路(酸化剤ガス供給路)
303 排出ガス加湿装置導入経路(排出ガス供給手段)
403 冷媒通路(冷媒流路)
501 燃焼器(加熱システム)
502 熱交換器(加熱システム)
506 燃焼ガス流路切替えバルブ(選択手段)
507 燃焼ガス酸化剤極供給経路(燃焼ガス導入手段)
508 燃焼ガス加湿装置導入経路(燃焼ガス供給手段)
512 燃焼ガス排出経路(燃焼ガス排出路)
701 貯水タンク(貯水手段)
702 加湿水供給経路(加湿水供給手段)
706 貯水タンク温度検出手段(判断手段)

Claims (12)

  1. 酸化剤極に供給された酸化剤ガスと燃料極に供給された燃料ガスを用いて発電を行う固体高分子型燃料電池と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池の温度を調整する冷媒の流路である冷媒流路と、
    燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも前記冷媒を加熱する加熱システムと、
    前記加熱システムから排出される燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第一加湿手段と、
    前記加熱システムから排出される燃焼ガスを前記第一加湿手段に供給する燃焼ガス供給手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記酸化剤極から排出される排出ガスを前記第一加湿手段に供給する排出ガス供給手段と、を備え、
    前記第一加湿手段に、通常運転時には前記排出ガス供給手段から排出ガスを供給し、発電を伴う暖機運転時には前記燃焼ガス供給手段から燃焼ガスを供給する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃焼ガス供給手段は、前記加熱システムから排出される燃焼ガスを前記酸化剤極に供給してから前記第一加湿手段に供給する請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 酸化剤極に供給された酸化剤ガスと燃料極に供給された燃料ガスを用いて発電を行う固体高分子型燃料電池と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池の温度を調整する冷媒の流路である冷媒流路と、
    前記酸化剤ガスと燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第二加湿手段と、
    前記第二加湿手段における加湿に用いる水を貯える貯水手段と、
    前記貯水手段から前記第二加湿手段に水を供給する加湿水供給手段と、
    燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により前記冷媒および前記貯水手段に貯えられた加湿水を加熱する加熱システムと、
    前記加熱システムから排出された燃焼ガスに含まれる水分により、酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿する第一加湿手段と、
    前記加熱システムから排出される燃焼ガスを前記第一加湿手段に供給する燃焼ガス供給手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 前記第一加湿手段から排出された燃焼ガスを前記酸化剤極に導入する燃焼ガス導入手段を備え、
    前記第一加湿手段において燃料ガスを加湿した燃焼ガスを発電反応における酸化剤ガスとして用いる請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記貯水手段に貯えられた加湿水を用いて加湿を行うことができるかどうかを判断する判断手段を備え、
    発電時に、前記貯水手段に貯えられた加湿水を用いて加湿を行うことができないと判断されたら第一加湿手段により燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿し、前記貯水手段内の加湿水を用いて加湿を行うことができると判断されたら第二加湿手段により燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する請求項4に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の出力に応じて燃料電池システムの運転を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段では、前記燃料電池の温度が発電反応を生じるのが困難である低温領域の場合に、前記加熱システムにより少なくとも前記冷媒を加熱することにより前記燃料電池を加熱し、
    前記燃料電池の温度が発電反応を生じることはできるが、通常運転を行うのは困難である領域の場合に、前記第一加湿手段に燃焼ガスを供給して前記酸化剤ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方を加湿して、前記燃料電池で発電反応を生じる請求項1または4に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池の温度が前記低温領域の場合に、前記加熱システムにおいて酸素の過剰率が小さな燃焼により高温の燃焼ガスを生成する請求項7に記載の燃料池システム。
  9. 前記燃焼ガス供給手段からシステム外部に分岐する燃焼ガス排出路と、
    前記燃焼ガスを前記第一加湿手段に供給するか、システム外部に排出するかを選択する選択手段を備え、
    前記加熱システムにおいて酸素の過剰率が小さな燃焼により高温の燃焼ガスを生成する場合には、前記加熱システムから排出された燃焼ガスをシステム外部に排出する請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池の温度が発電反応を生じることはできるが、通常運転を行うのは困難である領域の場合に、前記加熱システムにおいて酸素の過剰率が大きい燃焼により低温の燃焼ガスを生成し、前記第一加湿手段に供給して燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する請求項7から9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記温度検出手段の出力に応じて、前記燃料電池における発電を開始する請求項1から10のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  12. 酸化剤極に供給された酸化剤ガスと燃料極に供給された燃料ガスを用いて発電を行う固体高分子型燃料電池と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池を冷却する冷媒の流路である冷媒流路と、
    燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する際に生じる反応熱により少なくとも前記冷媒を加熱する加熱システムと、を備え、
    前記加熱システムにおいて酸素過剰率が大きい燃焼により燃焼ガスを生成する場合に、前記加熱システムから排出された燃焼ガスを、発電反応における酸化剤ガスとして用いることを特徴とした燃料電池システム。
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