JP2003272681A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2003272681A
JP2003272681A JP2002066848A JP2002066848A JP2003272681A JP 2003272681 A JP2003272681 A JP 2003272681A JP 2002066848 A JP2002066848 A JP 2002066848A JP 2002066848 A JP2002066848 A JP 2002066848A JP 2003272681 A JP2003272681 A JP 2003272681A
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JP
Japan
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reforming
temperature
fuel cell
amount
catalyst
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JP2002066848A
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English (en)
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Masashi Matoba
雅司 的場
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】改質システム内に水が存在する場合に、速やか
に昇温する燃料電池システムを提供する。 【解決手段】改質システムにおける改質反応により生成
した水素含有ガスを燃料として発電を行う燃料電池3を
備えた燃料電池システムにおいて、起動時に、改質シス
テムを暖機する加熱ガスを生成する起動燃焼器15と、
改質システムを暖機するのに必要な熱量を改質システム
内に付着する水または氷に応じて推定する熱量推定手段
51、70と、熱量推定手段51、70により推定した
熱量を供給する加熱ガスを生成するように起動燃焼器1
5に供給する燃料量および酸化剤量を制御する流量制御
手段23、25、70とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池システム、特
に燃料改質システムの起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電解質膜を挟んで一対の電極
が配置され、陰極側には水素含有ガスが供給されるとと
もに陽極側には酸素含有ガスが供給されることにより、
両電極で起きる電気化学反応を利用して起電力を得る構
成の燃料電池が知られている。こうした燃料電池には、
通常酸素含有ガスとして空気が用いられ、水素含有ガス
として炭化水素(例えばメタノール)を水蒸気改質する
ことにより生成される二酸化炭素と水素との混合ガスが
用いられる。
【0003】水蒸気改質を行う改質システムには、改質
ガスを生成する改質反応器、改質ガス中のCOを除去す
るCO除去器、改質反応器に供給する燃料を気化するエ
ネルギを生成する燃焼器等の触媒が充填された反応器が
用いられる。これらの反応器は、充填した触媒を活性状
態にして効率のよい反応を行うために、所定の範囲内の
温度に維持される必要がある。
【0004】また、改質反応器内で進行するメタノール
の水蒸気改質反応は、メタノールガスおよび水蒸気の供
給を受けてメタノールガスの分解反応(CH3OH→C
O+2H2−90.0kj/mol)と一酸化炭素の変成反応
(CO+H2O→CO2+H2+40.5kj/mol)とを同
時に進行させる。改質反応器内の全体の反応(CH3
H+H2O→3H2+CO2−49.5kj/mol)としては
二酸化炭素と水素の混合ガスである水素含有ガスが生成
されるものであり、全体として吸熱反応である。
【0005】このように、改質システムにおいて効率の
よい反応を行うためには、燃料電池システム起動時に
は、改質システムを可能な限り急速に昇温させる必要が
ある。例えば、特開2001−27403号公報には起
動時の燃焼器の昇温方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
改質器システムを昇温する前には改質器システム内に水
が凝縮している可能性があり、さらに、改質器システム
が氷点下環境下に置かれた場合には、この凝縮水が凍結
していることも考えられる。このとき、改質システムの
昇温を行った場合、凝縮水の解凍、気化のために熱が奪
われ、改質器システムの起動時間が長くなるという問題
があった。
【0007】そこで、本発明は、起動時に改質システム
内に水が存在する場合に、速やかに改質システムを昇温
できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】第1の発明は、改質シ
ステムにおける改質反応により生成した水素含有ガスを
燃料として発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システ
ムにおいて、前記改質システムを暖機する加熱ガスを生
成する燃焼器と、前記改質システムを暖機するのに必要
な熱量を前記改質システム内に付着する水または氷に応
じて推定する熱量推定手段と、前記推定手段により推定
した熱量を供給する加熱ガスを生成するように前記燃焼
器に供給する燃料量および酸化剤量を制御する流量制御
手段と、を備えた。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、前記
改質システムの温度を測定する温度センサを備え、前記
熱量推定手段は、前記温度センサにより測定された温度
の勾配に基づいて前記改質システムを暖機するのに必要
な熱量を推定する。
【0010】第3の発明は、第1または2の発明におい
て、前記改質システムの温度を測定する温度センサを備
え、前記熱量推定手段は、前記温度センサにより測定さ
れた温度が水の凝固点温度を保持していると判断される
時間に基づいて前記改質システムを暖機するのに必要な
熱量を推定する。
【0011】第4の発明は、第2または3の発明におい
て、前記温度センサは前記改質システムを構成する反応
部の入口付近に配置した。
【0012】第5の発明は、第4の発明において、起動
開始直後には、前記燃焼器において生成した全ての加熱
ガスを、前記温度センサを備えた反応部に供給する。
【0013】第6の発明は、第5の発明において、前記
改質システムを複数の反応部から構成し、前記燃焼器に
供給する燃料量および酸化剤量を制御した後、前記燃焼
器からの加熱ガスを、前記改質システムを構成する反応
部のうち少なくとも2つの反応部に分配する。
【0014】第7の発明は、第4から6のいずれか一つ
の発明において、前記改質システムは、原燃料を用いて
改質反応により水素含有ガスを生成する改質触媒を備
え、前記温度センサを備えた反応部を前記改質触媒とし
た。
【0015】第8の発明は、第4から6のいずれか一つ
の発明において、前記改質システムは、原燃料を用いて
改質反応により水素含有ガスを生成する改質触媒と、前
記改質触媒により生成した水素含有ガス中のCO濃度を
低減するCO除去部と、を備え、前記温度センサを備え
た反応部を前記CO除去部とした。
【0016】第9の発明は、第4から6のいずれか一つ
の発明において、前記改質システムは、原燃料を用いて
改質反応により水素含有ガスを生成する改質触媒と、前
記改質触媒により生成した水素含有ガス中のCO濃度を
低減するCO除去部と、前記燃料電池からの排ガスを燃
焼する燃焼触媒と、を備え、前記温度センサを備えた反
応部を前記燃焼触媒とした。
【0017】
【作用及び効果】第1の発明は、改質システムを暖機す
るのに必要な熱量を改質システム内に付着する水または
氷に応じて推定して、推定した熱量を供給する加熱ガス
を生成するように燃焼器に供給する燃料量および酸化剤
量を制御することで、改質システム内に凝縮水または氷
が存在してもシステムの昇温遅れを抑制することができ
る。
【0018】第2の発明によれば、温度センサにより測
定された温度の勾配に基づいて改質システムを暖機する
のに必要な熱量を推定し、それに基づいて供給する燃料
量および酸化剤量を制御することにより、起動時に改質
システムの温度が0℃以下の場合でも、改質システムの
昇温遅れを抑制することができる。
【0019】第3の発明によれば、温度センサにより測
定された温度が水の凝固点温度を保持していると判断さ
れる時間に基づいて改質システムを暖機するのに必要な
熱量を推定し、それに基づいて供給する燃料量および酸
化剤量を制御することで、起動時に改質システムの温度
が0℃、且つ、氷結水分が付着していて加熱しても氷結
水分が融解するまで改質システムが昇温しない場合で
も、付着する氷を融解するための潜熱を検知することに
より改質システムの昇温遅れを抑制することができる。
【0020】第4の発明によれば、反応部の入口付近に
配置した温度センサにより燃焼器に供給する燃料量およ
び酸化剤量を制御することで、起動初期時に水が気化さ
れる入口付近で検出するので、速やかに制御することが
できる。
【0021】第5の発明は、起動開始直後には、燃焼器
において生成した全ての加熱ガスを、温度センサを配置
した反応部に供給することで、反応部入口付近の水を気
化するまでの時間を短縮することができるので、速やか
に燃焼器に供給する燃料量および酸化剤量を制御するこ
とができる。
【0022】第6の発明は、燃焼器に供給する燃料量お
よび酸化剤量を制御した後、燃焼器からの加熱ガスを少
なくとも2つの反応部に分配することから、複数の反応
部の暖機を同時に行うことができるので、改質システム
全体の暖機を短時間で行うことができる。
【0023】第7の発明は、温度センサを配置した反応
部を改質触媒とすることで、改質触媒を短時間で活性温
度まで昇温させて改質反応による改質ガスの生成を早期
に行うことができる。
【0024】第8の発明は、温度センサを配置した反応
部をCO除去部とすることで、改質システム内に凝縮水
が付着、凍結することにより生じる燃料電池へ改質ガス
を供給するまでの遅れ時間を短縮することができる。
【0025】第9の発明は、温度センサを配置した反応
部を燃焼触媒とすることで、改質システム内に凝縮水が
付着、凍結する場合にも燃焼触媒を短時間で活性温度に
まで昇温させることにより、改質システム起動中に生成
される未燃燃料やCOの排出を抑制することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】第1の実施形態における燃料電池
システムの構成を図1に示す。
【0027】定常運転時に蒸発器14に水と炭化水素系
燃料、例えばメタノールを供給するため、水タンク3
5、燃料タンク36およびポンプ33、34を備える。
それぞれの供給流量はインジェクタ37、38により調
整する。蒸発器14において、後述する触媒燃焼器9で
生成された熱を用いて水とメタノールを気化させる。
【0028】気化した水とメタノールの混合ガスを改質
触媒10に供給して、水蒸気改質反応により改質ガスを
生成する。改質ガスは中間熱交換器29において、下流
に配置されたCO除去器11の許容する温度範囲に調整
される。
【0029】ここでは、中間熱交換器29およびCO除
去器11のそれぞれの温度を、冷却ポンプ40により循
環させた冷却水により制御する。中間熱交換器29およ
びCO除去器11へ供給する冷却水流量は、冷却流量調
整弁47a、47bにより調整する。また、冷却水の循
環路には冷却水の温度を調整する冷却装置45を備え、
冷却水温度が高くなりすぎた時には、切替え弁39によ
って冷却水を冷却装置45に供給して温度を調整する。
【0030】CO除去器11において燃料電池3の劣化
原因となるCOを低減した後、切替え弁12を介して燃
料電池3のアノード極4へ改質ガスを供給する。ここで
切替え弁12は、CO除去器11から排出されたガスを
燃料電池3と後述する混合器13のどちらに供給するか
を制御する弁である。一方、燃料電池3のカソード極5
には、コンプレッサ1から空気を供給する。
【0031】燃料電池3では、改質ガス中の水素と空気
中の酸素を用いた電気化学反応により起電力を生じる。
それぞれの電極4、5内の圧力は、それぞれの電極4、
5の下流側に配置した圧力調整バルブ30、31により
調整する。
【0032】発電後、燃料電池3の両極からの排出ガス
は、混合器13に供給されて均一に混合される。混合さ
れた排出ガスを触媒燃焼器9に供給して生成した高温ガ
スを、前述の蒸発器14で水とメタノールを気化する熱
源として利用してから燃料電池システム外に排出する。
【0033】混合器13、改質触媒10、CO除去器1
1にはコンプレッサ1より空気が供給され、その流量を
空気流量調整バルブ23a、23c、23dによって調
整する。また、起動時に改質システムを暖機する加熱ガ
スを生成する起動燃焼器15を配置する。起動燃焼器1
5には第1燃料噴射機24および第2燃料噴射機25を
備える。起動燃焼器15で生成した加熱ガスは改質触媒
10、CO除去器11、混合器13(触媒燃焼器9)へ
供給が可能で、それぞれへの供給は燃焼ガス分配弁5
4、55、56により制御する。
【0034】また、このような燃料電池システムを制御
するために、改質触媒10、CO除去器11、触媒燃焼
器9の入口付近にそれぞれ温度センサ51、52、53
を配置し、それぞれの下流側には排ガス温度を測定する
ための排ガス温度センサ21a、21b、21cを配置
する。また、蒸発器14からの排ガスの温度を測定する
ために蒸発器14の下流側に排ガス温度センサ21d
を、CO除去器11の下流には、CO除去が適正に行わ
れているかどうかを判断するためにCOセンサ22を配
置する。これらの測定結果に基づき、コントロールユニ
ット70で運転制御を行う。
【0035】このような燃料電池システムにおける起動
運転について説明する。
【0036】例えば、起動前に改質システムの温度が水
の凝固点温度Ti(℃)(ここでは0℃)未満の場合に
は、改質システム内に付着した水が凍結している場合が
ある。このとき水が付着していない場合に比べると、付
着している氷を融解点Ti(℃)(前述の凝固点に等し
い)まで昇温するための熱量、氷を融解するための熱
量、0℃の水を気化するための熱量の合計が起動時に余
分に必要となる熱量となる。改質システムの起動時間を
延長しないためには、これらの熱量を考慮して起動燃焼
器15に供給するメタノールおよび空気の流量を調整す
る必要がある。
【0037】そこで本実施形態では、改質触媒10の入
口付近に温度センサ51を配置し、入口付近の触媒中の
水を除去するまでの温度変化を温度センサ51により検
出する。この検出結果から改質システム中に水が存在す
ることにより暖機に余分に必要となる熱量を求め、起動
燃焼器15に供給するメタノールと空気の流量を制御す
る。以下、この計算方法を説明する。
【0038】起動開始直後の上記の熱量の計算が終了す
るまでは、起動燃焼器15に供給するメタノール流量を
Qm1(kg/sec)、空気流量をQa1(kg/sec)とし、
グロープラグ27により着火して高温の燃焼ガスを生成
する。ここでは、各流量Qm 1(kg/sec)、Qa1(kg
/sec)は水が付着していないときに、所定の起動時間
で改質システムの暖機を行うことのできる量とする。こ
のとき、起動燃焼器15へは、酸素リッチな組成の混合
気となるようにメタノールおよび空気を供給してリーン
燃焼を行う。
【0039】ここで図2に示すように、改質触媒10の
全長をL1(m)とし、入口から温度センサ51までを
2(m)、温度センサ51を配置した位置より上流側
を触媒上流部10aとする。L2はL1に比べて非常に小
さく、つまり温度センサ51を改質触媒10の入口付近
に配置するので、改質システム全体の解凍、昇温よりも
触媒上流部10aの解凍、昇温は早い時点で行われる。
これにより、改質システム昇温の初期段階でメタノール
および空気の流量を算出することができる。
【0040】ここで、図3に温度センサ51により測定
される起動時間に対する触媒温度の変化を示す。
【0041】改質触媒10に水が付着していない場合に
は、触媒温度は温度勾配gbで上昇する。一方、起動前
の改質触媒10の温度Ts(℃)が0℃より小さい場合
には、改質触媒10に付着した氷は温度勾配grで凝固
点Tiまで上昇する。解凍時はほぼ氷点を維持し、解凍
後には温度勾配がgrからgbへ変化しながら再び上昇す
る。
【0042】起動開始時から触媒上流部10aの除水が
終了し、改質触媒10の温度勾配が水が付着していない
場合の勾配gbとなるまでの温度変化を温度センサ51
により測定する。測定された温度勾配がgbとなったら
温度センサ51の測定結果を用いて、水が付着している
ために改質触媒10の昇温に余分に必要となる熱量を演
算する。これから改質システム全体の昇温に必要となる
熱量を求め、起動燃焼器15に供給するメタノールおよ
び空気の流量を調整する。
【0043】最初に、起動開始から改質触媒10に付着
した氷が融解点まで上昇するのに必要な熱量Hih(kj)
を求める。図3に示すように0℃より低い範囲では、温
度勾配grで略直線的に温度が上昇する。ここで予め、
改質触媒10に水が付着していない場合の温度上昇率g
bを測定しておき、勾配の低下割合Rg=gr/gbを求
める。また、水が付着していない時の改質触媒10の熱
容量HCrc(kj/K)を予め求めておき、氷が付着して
いる時の改質触媒10の熱容量HCrci(kj/K)を次式
より求める。
【0044】
【式1】 よって、改質触媒10に付着した氷を初期温度Tsから
融解点Tiまで昇温させるために必要な熱量Hih(kj)
は次式のようになる。
【0045】
【式2】 改質触媒10全体としてみれば熱容量がgb/gr倍とな
り、0℃までの昇温に必要な熱量がHih(kj)だけ増加
したことになる。このように、温度勾配の大小により起
動時に改質システムの温度が0度以下の場合でも、付着
する触媒層の熱容量の増加分を検知することにより余分
に必要となる熱量を推定することができる。
【0046】次に、改質触媒10に付着した氷を解凍す
るために必要な熱量Him(kj)を求める。
【0047】メタノールの流量をQm1(kg/sec)、空
気の流量をQa1(kg/sec)とした時の起動燃焼器15
における発熱量をHsu(kj/sec)とする。ここで発熱
量Hsu(kj/sec)は、予め実験や計算で求めておき、
既知の値とする。また、図3に示すように温度センサ5
1の検出結果が0℃を維持する時間、つまり触媒上流部
10に付着した氷を解凍するまでの時間をtr(sec)と
する。
【0048】ここで起動初期において、起動燃焼器15
で生成される加熱ガスと改質触媒10との温度差が十分
に大きいので、起動燃焼器15で発生した熱は改質触媒
10に十分に供給される。そのため、起動初期には加熱
ガスから供給される熱は触媒上流部10aの氷の融解に
使われると仮定できる。これにより、触媒上流部10a
の氷の融解に必要な潜熱Him0(kj)は次式のように表
される。
【0049】
【式3】 ここで、改質触媒10の長さをL1、改質触媒10の入
口から温度センサ51までの距離をL2としているの
で、改質触媒10全体の氷を解凍するのに必要な熱量H
imは次式のようになる。
【0050】
【式4】 このように、改質触媒10に付着した全ての氷を解凍す
るには、Him(kj)の熱量を増加する必要がある。シス
テム内の水(氷)が凝固点温度を保持していると判断さ
れる時間tr(sec)を求めることにより、付着してい
る氷が融解するための潜熱を検知することができる。
【0051】次に、解凍した後に改質触媒10に付着し
た水を気化するのに必要な熱量Hwvを求める。
【0052】氷が融解した後では、温度センサ51で検
知される温度上昇勾配gr0は温度上昇による水の気化に
伴って徐々にgbに近づく。触媒上流部10aの水が全て
気化された時点で、温度センサ51により測定される温
度勾配はgbとなる。
【0053】水が付着している場合の改質触媒10の熱
容量をHCrcw(kj/K)、微小時間Δt(sec)の間に
おける温度上昇量をΔT(℃)、そのときの温度上昇勾
配をΔgr0とする。このとき、水が付着している場合の
改質触媒10の熱容量HCrcw(kj/K)と、水が付着し
ていない場合の改質触媒10の熱容量HCrc(kj/K)
との差は次式のように表すことができる。
【0054】
【式5】 これより、Δt(sec)間にΔT(℃)だけ温度上昇さ
せるとき、水の昇温、気化に必要となる熱量増加量をΔ
Hwv(kj)は、次式のように表される。
【0055】
【式6】 ここで、改質触媒10を昇温させる過程では、触媒温度
が100℃となる以前において気化する可能性が高く、
Δgr0も0にならないと考えられるため、(5)式、
(6)式は水の昇温と気化を含んだ値となる。これによ
り、水が融解してから温度勾配gbとなるまでの時間を
twv(sec)とすると、(6)式を0(sec)からtwv
(sec)まで積算することにより改質触媒10全体に付
着する水の昇温、気化に必要な熱量Hwvを算出すること
ができる。
【0056】
【式7】 よって、改質触媒10全体に付着する水(氷)により増
加する、起動のために必要な熱量Htrc(kj)は式
(2)、(4)、(7)の合計となる。
【0057】
【式8】 ここで、改質触媒10だけではなく改質システム全体に
おいても改質触媒10と同様に水(氷)が付着している
と考えると、改質システム全体の必要増加熱量Ht(k
j)は、改質触媒10の内容積をVrc(m3)、昇温の対
象となる部位、ここでは、改質触媒10とCO除去器1
1、触媒燃焼器9の内容積の総和Vt(m3)とする
と、次式のように表される。
【0058】
【式9】 水が付着していない時にメタノール流量Qm1(kg/se
c)、および空気流量Qa1(kg/sec)で暖機して、所
定の温度まで昇温するのに必要な時間をt(sec)とす
る。このとき、0℃より低温の氷が付着している状態か
ら所定時間t(sec)で起動するために供給するメタノ
ール流量Qm(kg/sec)、および空気流量Qa(kg/s
ec)を以下のように設定することにより、氷の付着によ
る起動遅れを抑制することができる。
【0059】
【式10】 このように、改質触媒10の一部分に関して、水の付着
が原因で増加する必要熱量を演算することにより、改質
システム全体で増加する必要熱量を推定することがで
き、これより起動燃焼機15に供給する燃料量および酸
化剤量を適当に制御することができる。
【0060】次に、起動前に温度センサ51で検出され
る温度Ts(℃)が0℃である場合の必要増加熱量Htr
c(kj)を考える。
【0061】改質触媒10温度が0℃であると判断され
たときは、触媒表面に氷が凍結している可能性がある。
そこで必要増加熱量Htrc(kj)は、0℃の氷を解凍す
るために必要な熱量Him(kj)と0℃の水を気化するの
に必要な熱量Hwv(kj)の合計となる。
【0062】
【式11】 ここで、Him(kj)は式(4)で表される値、Hwv(k
j)は式(7)で表される値となる。このHtrc(kj)を
式(9)に代入し、さらに式(10)、(11)に代入
することで、メタノール流量Qm(kg/sec)、空気流
量Qa(kg/sec)を求めることができる。
【0063】次に起動前に温度センサ51で検出される
温度Ts(℃)が0℃より高い場合の必要増加熱量Htr
c(kj)を考える。
【0064】このときは、水が付着していない場合と比
べて、水を気化する分の熱量Hwv(kj)が必要増加熱量
Htrc(kj)となる。
【0065】
【式12】 上記の場合と同様に、式(13)を式(9)、(1
0)、(11)に代入することにより、メタノール流量
Qm(kg/sec)、空気流量Qa(kg/sec)を求めるこ
とができる。
【0066】このように、水(氷)が付着している際
に、その水の解凍、気化のために必要となる熱量に応じ
て、生成する加熱ガス量を変えることで起動時間が延び
るのを避けることができる。
【0067】次に、上記の流量演算方法を用いた燃料電
池システムのコントロールユニット70における起動制
御方法を図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0068】ステップS1において、切替え弁12を制
御することにより、CO除去器11からの排出ガスの供
給先を、燃料電池3から混合器13に切替える。ステッ
プS2において、起動燃焼器15に備えたグロープラグ
27に所定時間通電することにより、起動燃焼器15の
稼動を可能な状態にする。ステップS3において、燃焼
ガス分配弁54を開く。このとき、CO除去器11およ
び起動燃焼器9への供給を調整する燃焼ガス分配弁5
5、56は閉じておく。ステップS4において起動燃焼
器15へ第1燃料噴射機24により流量をQm1(kg/s
ec)に調整したメタノールを、また空気流量調整弁23
bにより流量をQa1(kg/sec)に調整した空気を供給
する。これにより、起動燃焼器15で生成された燃焼ガ
スは全て改質触媒10に供給される。
【0069】次に、ステップS5において、起動開始時
の改質触媒10の温度Tsを温度センサ51により測定
する。ステップS6において温度センサ51を用いて改
質触媒10の時間に対する温度勾配gを求め、ステップ
S7で温度勾配gが水が付着していないときの温度勾配
bに達したかどうかを判断する。達していなければス
テップS6に戻り再び温度勾配gを求める。ステップS
7において、温度センサ51で測定される温度勾配がg
bとなったら、触媒上流部10aに付着する水の気化が
終了したということであり、図3のような温度変化を得
ることができる。これにより、上述した流量を求める演
算で必要であった温度勾配gr、Δgr0、解凍時間tr
(sec)、昇温、気化時間twv(sec)、微小時間Δt
(sec)での上昇温度ΔT(℃)が得られる。
【0070】ステップS8において、起動開始温度Ts
(℃)と0℃とを比較する。起動開始温度Ts(℃)が
0℃より小さければ、ステップS9に進み、0℃以下の
氷を解凍、気化するのに必要な熱量(Hih、Him、Hwv
を用いて求めたHt)を求める。起動開始温度Ts
(℃)が0℃であれば、ステップS10に進み、0℃の
氷を解凍、気化するのに必要な熱量(Him、Hwvを用い
て求めたHt)を求める。起動開始温度Ts(℃)が0
℃より大きければ、ステップS11に進み、水を昇温、
気化するのに必要な熱量(Hwvを用いて求めたHt)を
求める。
【0071】ステップS12に進み、ステップS9また
は10または11で求めた必要熱量増加量Ht(kj)を
式(10)、(11)に代入して、起動時間t(sec)
で暖機するための供給メタノール流量Qm、供給空気流
量Qaを算出する。
【0072】ここで、ステップS4からステップS12
までの供給メタノール流量および供給空気量を算出する
際の改質システム内のガスの流れを図5に示す。燃焼ガ
スは、起動燃焼器15から改質触媒10、中間熱交換器
29、CO除去器11、混合器13、触媒燃焼器9、蒸
発器を流れシステム外部に排出される。
【0073】ステップS13に進み、燃焼ガス分配弁5
4、55、56を調整して改質触媒10、CO除去部1
1、触媒燃焼器9へそれぞれ燃焼ガスを分配供給する。
これにより、改質触媒10、CO除去部11、触媒燃焼
器9を同時に昇温させて改質システム全体の昇温を行う
ことができるので、暖機時間を短く設定することができ
る。ここで、燃焼ガスの分配割合は、例えば各触媒の容
積に応じて設定する。
【0074】ステップS14において、第1燃料噴射機
24および空気流量調整弁23bを制御して起動燃焼器
15に供給するメタノールおよび空気流量を調整する。
ステップS15において改質触媒10の下流に配置した
排ガス温度センサ21aにより改質触媒10が活性温度
に達したかどうかを判断する。起動燃焼器15に供給す
る各流量Qm(kg/sec)、Qa(kg/sec)は改質触媒
10を基準に設定したので、改質触媒10が活性温度に
達するのは暖機を開始してからt(sec)後程度とな
る。
【0075】ここで、ステップS13からS15に示し
た改質システム、特に改質触媒10の暖機運転における
燃焼ガスの流れを図6に示す。燃焼ガスは起動燃焼器1
5から改質触媒10、CO除去器11、混合器13(触
媒燃焼器9)に分配され、各装置を加熱する。このよう
に、複数の反応器に燃焼ガスを供給することで、同時に
暖機することができ、改質システム全体の暖機を短時間
で行うことができる。ここでは、特に高温雰囲気下で活
性状態となる触媒を充填した反応器に燃焼ガスを分配す
るので、暖機に時間のかかる触媒を充填した反応器の起
動時間を短縮することができる。
【0076】改質触媒10が活性温度に達したらステッ
プS16に進み、燃焼ガス分配弁55、56を閉じてC
O除去器11、触媒燃焼器9に燃焼ガスを供給するのを
停止する。また、燃料ガス分配弁54を調整することに
より改質触媒10へ燃焼ガスを供給する。ステップS1
7において、起動燃焼器15へのメタノールおよび空気
供給量を増加する。ここでメタノール流量の増加は第2
燃料噴射機25により調整し、空気流量の増加は空気流
量調整弁23bにより調整する。このとき、メタノール
と空気の供給割合をメタノールリッチに調整させ、改質
触媒10において発熱反応である部分酸化反応を生じさ
せる。またCO除去器11および触媒燃焼器9に空気を
供給する。
【0077】ここで、改質触媒10は部分酸化反応によ
りさらに昇温するので、CO除去器11に供給される改
質ガスも高温となる。また、CO除去器11では改質触
媒10で生成される改質ガス中のCOの選択酸化反応に
よりさらに昇温する。よって、ステップS18におい
て、CO除去器11への冷却水の供給を開始する。冷媒
流路切替え弁39を冷媒冷却装置45のバイパス側へ切
替えた後で、冷却ポンプ40を駆動してCO除去器11
および中間熱交換器29へ所定量の冷却水を循環させる
ことにより、CO除去器11が過冷却または過昇温とな
るのを防ぐ。このとき、CO除去器11の入口部に設け
た温度センサ52、CO除去器11から排出されるガス
の温度を測定する排ガス温度センサ21bによる出力が
所定上限値よりも大きくなった場合には、CO除去器1
1に充填された触媒が劣化するおそれがあるので、冷却
流路切替え弁39を切替える。これにより冷却水が冷却
装置45に供給されて冷却水温度が調整されるので、C
O除去器11の温度を適温に制御することができる。
【0078】ステップS19において、蒸発器14の暖
機状態を判断する。これは蒸発器14の下流に配置した
排ガス温度センサ21dにより蒸発器14から排出され
る加熱ガスの温度を測定して、蒸発器14の温度を推定
することにより判断する。または、蒸発器14に温度セ
ンサを備えて、その出力に応じて判断してもよい。改質
触媒10およびCO除去器11でさらに高温になった加
熱ガスにより、蒸発器14が所定の温度より大きくなっ
たら暖機終了と判断してステップS20に進む。
【0079】ここで、ステップS16からS19に示し
た改質反応開始から暖機終了までの改質システム内のガ
スの流れを図7に示す。起動燃焼器15に供給したメタ
ノールリッチな燃料ガスを改質触媒10に供給して部分
酸化反応を生じさせることによりさらに高温の改質ガス
を生成し、下流に配置した蒸発器14の暖機を行う。
【0080】蒸発器14の暖機が終了した段階で通常の
発電を開始する。ステップS20では蒸発器14にメタ
ノールと水を供給して燃料ガスを生成し、改質器10に
供給する。さらに、ステップS21において、起動燃焼
器15へのメタノールおよび空気の供給を停止すること
で、改質触媒10において蒸発器14で生成した燃料ガ
スを用いた改質反応を開始する。
【0081】ステップS22において、空気流量調整弁
23a、23c、23dを用いて混合器13(触媒燃焼
器9)、改質触媒10、CO除去器11への空気流量を
所定量に調整する。ステップS23において、CO除去
器11から排出される改質ガス中のCO濃度が所定濃度
より低いかどうかを判断する。ここでは、CO除去器1
1の下流にCOセンサ22を配置し、この出力により判
断する。
【0082】CO濃度が所定濃度より低くなったらステ
ップS24において、切替え弁12を切替えることによ
り、CO除去器11からの改質ガスを燃料電池3に供給
する。ステップS25において燃料電池3への空気流量
を調整し、ステップS26で原燃料、各装置へ供給する
空気量、CO除去器11用の冷却水の循環流量を制御す
ることにより通常運転を開始して燃料電池システムの起
動を終了する。
【0083】ここで、ステップS20からステップS2
6までの改質システムの安定化をはかる起動運転の最終
動作時における改質ガスの流れを図8に示す。蒸発器1
4で生成した燃料ガスを用いて改質触媒10で改質反応
を行い、改質ガス中のCO濃度をCO除去器11により
低減することで、燃料電池3に低CO濃度の改質ガスを
供給する。
【0084】このように供給熱量の推定手段に応じて起
動燃焼器15に供給する燃料、空気流量を制御すること
で、停止時にシステム内に凝縮水または氷点下の場合に
は氷が付着していても、改質器システムの昇温遅れを抑
制することができる。ここでは、改質システム内に配置
した温度センサ51により温度の時間変化を測定するこ
とで、改質システムに付着した水(氷)を気化するのに
必要な熱量を推定することができる。これにより、改質
触媒10の暖機を速やかに行うことができるので、改質
ガスの生成を早期に行うことができるので、改質システ
ムの昇温の遅れを抑制することができる。
【0085】また、温度センサ51を改質触媒10の入
口付近に配置することで、改質触媒10の入口付近に付
着した水が気化するまでの時間で、起動燃焼器15への
供給燃料量および供給空気量を演算することができる。
これにより、起動制御の早い段階で適当な流量を供給す
ることができるので、システムの昇温にかかる時間が長
時間となるのを回避することができる。
【0086】次に第2の実施形態について説明する。燃
料電池システムは第1の実施形態の燃料電池システムと
同様のものを用いる。
【0087】第1の実施形態では改質システムの暖機に
必要な熱量を、改質触媒10の一部に付着した水(氷)
の気化の状態から求めたが、本実施形態においては、C
O除去器11の一部に付着した水が気化する様子から求
める。
【0088】そこで、CO除去器11の入口付近に温度
センサ52を配置し、温度センサ52の上流部分を触媒
上流部11aとする。図9に示すように、起動開始直後
に改質システムの必要熱量を算出する際には、起動燃焼
器15で生成した燃焼ガスをCO除去器11のみに直接
供給する。つまり、図10に示したフローチャートのス
テップS33においては、燃焼ガス分配弁55のみを開
き、燃料ガス分配弁54、56を閉じておく。これによ
り生成された燃焼ガスは全てCO除去器11に供給され
るので、触媒上流部11aの水が除去されるまでの時間
を短縮することができるので、暖機に必要な熱量を速や
かに算出することができる。また、ステップS35にお
いて、余分に供給する熱量の計算の基準となる温度Ts
をCO除去部11に配置した温度センサ52により検出
する。さらに、ステップS45においては、触媒を充填
した反応器の暖機の完了をCO除去部11から排出され
るガス温度により判断する。
【0089】このように、CO除去器11を供給熱量を
推定する際の温度測定対象とすることで、CO除去器1
1に最も多く水(氷)が付着する場合においてもシステ
ムの昇温時間が延びるのを抑制することができる。例え
ば、改質システム停止時に改質触媒10およびCO除去
器11をパージせず、且つ、触媒燃焼器9を空気を用い
てパージしてから停止する際に、各装置での反応の違い
によりCO除去器11に停滞するガス中の水分濃度が高
い場合においても、CO除去器11を短時間で活性温度
にまで昇温させてCOの選択酸化反応を開始することが
できる。これにより、燃料電池3へ改質ガスを供給する
までの時間を短縮することができる。
【0090】次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態も第1の実施形態と同様の燃料電池システム
を用いる。起動開始直後の供給熱量を演算する際の燃焼
ガスの流れを図11、起動運転の制御方法を図12のフ
ローチャートに示す。
【0091】ここでは、改質システムへの供給熱量を算
出する際に、触媒燃焼器9の上流部分である触媒上流部
9aに付着した水を気化する際の温度の時間変化を、触
媒上流部9aの下流端部に配置した温度センサ53によ
り測定する。
【0092】起動開始直後には、ステップS53におい
て燃焼ガス分配弁56のみを開き、燃焼ガス分配弁5
4、55を閉じることで、起動燃焼器15で生成される
すべての燃焼ガスを触媒燃焼器9に供給する。このよう
に、熱供給量を推定するための温度センサ53を備えた
CO除去器11のみに燃焼ガスを供給することで、CO
除去器11の入口付近の昇温が促進され、供給熱量の演
算を迅速に終了させることができる。
【0093】このように触媒燃焼器9に備えた温度セン
サ53の出力により起動燃焼器15へ供給するメタノー
ルおよび空気の流量を制御することで、触媒燃焼器9に
最も多く水(氷)が付着する場合においてもシステムの
昇温時間が延びるのを抑制することができる。例えば、
改質システム全体をパージせずに停止する際に、触媒燃
焼器9に停滞するガス中の水分濃度が高い場合において
も、触媒燃焼器9内に付着した水量に応じて起動燃焼器
15に燃料および空気を供給することで、触媒燃焼器9
を短時間で活性温度にまで昇温させることができる。こ
れにより、燃料電池3からの排ガスを完全に燃焼するこ
とができ、燃料電池システムからの排ガスに含有される
未燃燃料やCOを低減することができる。
【0094】なお、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるわけではなく、特許請求の範囲に記載した技術思
想の範囲内で様々な変更が成し得ることは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの概
略構成図である。
【図2】第1の実施形態における温度センサの取り付け
位置を示す図である。
【図3】第1の実施形態における温度センサによる出力
の時間変化を示す図である。
【図4】第1の実施形態における起動制御のフローチャ
ートである。
【図5】第1の実施形態における供給熱量演算時の燃焼
ガスの流れを示す図である。
【図6】第1の実施形態における昇温時の燃焼ガスの流
れを示す図である。
【図7】第1の実施形態における改質反応開始時の改質
ガスの流れを示す図である。
【図8】第1の実施形態における起動終了時の改質ガス
の流れを示す図である。
【図9】第2の実施形態における供給熱量演算時の燃焼
ガスの流れを示す図である。
【図10】第2の実施形態における起動制御のフローチ
ャートである。
【図11】第3の実施形態における供給熱量演算時の燃
焼ガスの流れを示す図である。
【図12】第3の実施形態における起動制御のフローチ
ャートである。
【符号の説明】
3 燃料電池 9 触媒燃焼器(燃焼触媒) 10 改質触媒 10a 触媒上流部 11 CO除去器(CO除去部) 15 起動燃焼器(燃焼器) 51、52、53 温度センサ 54、55、56 燃焼ガス分配弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】改質システムにおける改質反応により生成
    した水素含有ガスを燃料として発電を行う燃料電池を備
    えた燃料電池システムにおいて、 前記改質システムを暖機する加熱ガスを生成する燃焼器
    と、 前記改質システムを暖機するのに必要な熱量を前記改質
    システム内に付着する水または氷に応じて推定する熱量
    推定手段と、 前記推定手段により推定した熱量を供給する加熱ガスを
    生成するように前記燃焼器に供給する燃料量および酸化
    剤量を制御する流量制御手段と、を備えたことを特徴と
    する燃料電池システム。
  2. 【請求項2】前記改質システムの温度を測定する温度セ
    ンサを備え、 前記熱量推定手段は、前記温度センサにより測定された
    温度の勾配に基づいて前記改質システムを暖機するのに
    必要な熱量を推定する請求項1に記載の燃料電池システ
    ム。
  3. 【請求項3】前記改質システムの温度を測定する温度セ
    ンサを備え、 前記熱量推定手段は、前記温度センサにより測定された
    温度が水の凝固点温度を保持していると判断される時間
    に基づいて前記改質システムを暖機するのに必要な熱量
    を推定する請求項1または2に記載の燃料電池システ
    ム。
  4. 【請求項4】前記温度センサは前記改質システムを構成
    する反応部の入口付近に配置した請求項2または3に記
    載の燃料電池システム。
  5. 【請求項5】起動開始直後には、前記燃焼器において生
    成した全ての加熱ガスを、前記温度センサを備えた反応
    部に供給する請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 【請求項6】前記改質システムを複数の反応部から構成
    し、 前記燃焼器に供給する燃料量および酸化剤量を制御した
    後、前記燃焼器からの加熱ガスを、前記改質システムを
    構成する反応部のうち少なくとも2つの反応部に分配す
    る請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 【請求項7】前記改質システムは、原燃料を用いて改質
    反応により水素含有ガスを生成する改質触媒を備え、 前記温度センサを備えた反応部を前記改質触媒とした請
    求項4から6のいずれか一つに記載の燃料電池システ
    ム。
  8. 【請求項8】前記改質システムは、原燃料を用いて改質
    反応により水素含有ガスを生成する改質触媒と、 前記改質触媒により生成した水素含有ガス中のCO濃度
    を低減するCO除去部と、を備え、 前記温度センサを備えた反応部を前記CO除去部とした
    請求項4から6のいずれか一つに記載の燃料電池システ
    ム。
  9. 【請求項9】前記改質システムは、原燃料を用いて改質
    反応により水素含有ガスを生成する改質触媒と、 前記改質触媒により生成した水素含有ガス中のCO濃度
    を低減するCO除去部と、 前記燃料電池からの排ガスを燃焼する燃焼触媒と、を備
    え、 前記温度センサを備えた反応部を前記燃焼触媒とした請
    求項4から6のいずれか一つに記載の燃料電池システ
    ム。
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