JP2003331886A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2003331886A
JP2003331886A JP2002134148A JP2002134148A JP2003331886A JP 2003331886 A JP2003331886 A JP 2003331886A JP 2002134148 A JP2002134148 A JP 2002134148A JP 2002134148 A JP2002134148 A JP 2002134148A JP 2003331886 A JP2003331886 A JP 2003331886A
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heat medium
cells
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cell system
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JP2002134148A
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Tetsunari Ozaki
哲斉 尾▲崎▼
Toshiyuki Kawai
利幸 河合
Tomohiro Saito
齋藤  友宏
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルが積層された燃料電池を加熱された熱媒
体で加熱する燃料電池システムにおいて、各セルの出力
を安定化させる。 【解決手段】 複数のセル10a〜10nが積層されて
構成された燃料電池10と、燃料電池を構成する複数の
セルそれぞれに熱媒体を循環させる熱媒体循環経路20
と、熱媒体を加熱する熱媒体加熱手段24とを備える燃
料電池システムにおいて、熱媒体循環経路20に、熱媒
体加熱手段24にて加熱された熱媒体の一部あるいは全
部を、燃料電池の両端部あるいは燃料電池の両端部の近
傍に循環させる熱媒体バイパス経路26を設ける、燃料
電池の両端部を優先的に加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素と酸素との化
学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池からな
る燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポ
ータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】従来より、水素と空気(酸素)との電気
化学反応を利用して発電を行う燃料電池システムが知ら
れている。燃料電池では、発電に伴い内部で水分が発生
する。また、高分子型電解質膜を有する固体高分子型燃
料電池では、電解質膜の導電性を向上させる目的で、外
部から水分供給が行われている。冬期等の低温環境下で
は、これらの燃料電池内に存在する水分が凍結してしま
い、燃料電池が始動しないあるいは出力が低下するとい
う問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、例えば低温
起動時に、ヒータで加熱された熱媒体(温水)を燃料電
池に循環させ、燃料電池を昇温させて暖機運転を行う方
法が考えられる。ここで、低温環境下において、複数の
セルを積層して構成した燃料電池に燃料ガスと酸素を含
有する酸化ガス(空気)を供給し、発電させた場合に燃
料電池の出力変化について図9に基づいて説明する。
【0004】図9は、−30℃の環境下で、10個の燃
料電池セル100〜109が順に積層された燃料電池の
出力変化を示している。積層されたセルは両側を治具等
で挟み込むように締結され、各セルには加熱した温水が
循環するように構成されている。図9に示すように、両
端部に位置するセル100およびセル109の出力低下
が著しいことが分かった。これは、両端部のセル10
0、109においては、治具等に温水の熱が奪われ、燃
料電池内部の水分が凍結することで、反応面積が減少し
たためであると考えられる。
【0005】このように、積層した燃料電池の両端部で
は、治具等による熱損失で温度低下しやすく、出力低下
が生じやすい。このため、燃料電池を構成する各セルの
出力が安定化するのに時間がかかる。また、暖機運転時
における両端セルの昇温が遅れるため、全体としての暖
機運転時間が長くなる。
【0006】本発明は、上記点に鑑み、セルが積層され
た燃料電池を加熱された熱媒体で加熱する燃料電池シス
テムにおいて、各セルの出力を安定化させることを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、複数のセル(10a〜
10n)が積層されて構成された燃料電池(10)と、
燃料電池を加熱して、燃料電池を昇温させる燃料電池加
熱手段(20、21、24、26、27)とを備え、燃
料電池加熱手段は、燃料電池におけるセルの積層方向の
両端部を燃料電池の他の部位より優先的に加熱するよう
に構成されていることを特徴としている。
【0008】このように、燃料電池の両端部を優先的に
加熱する手段を設けることで、両端部に位置するセルで
凍結等により反応面積が減少して出力が低下することを
防止できる。これにより、燃料電池を構成する各セルの
出力を早期に安定化させることができる。また、燃料電
池全体としての暖機運転時間を短くすることができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、複数の
セル(10a〜10n)が積層されて構成された燃料電
池(10)と、燃料電池を構成する複数のセルそれぞれ
に熱媒体を循環させる熱媒体循環経路(20)と、熱媒
体を加熱する熱媒体加熱手段(24)と、熱媒体循環経
路(20)に設けられ、熱媒体加熱手段(24)にて加
熱された熱媒体の一部あるいは全部を、燃料電池の両端
部あるいは燃料電池の両端部の近傍に循環させる熱媒体
バイパス経路(26)とを備えることを特徴としてい
る。
【0010】このように、加熱された熱媒体を燃料電池
の両端部に集中的に循環させることで、燃料電池の両端
部を優先的に加熱することができ、両端部に位置するセ
ルで出力が低下することを防止できる。
【0011】また、請求項3に記載の発明では、燃料電
池の両端部それぞれの近傍には、熱媒体バイパス経路を
循環する熱媒体が通過可能な一対の熱媒体経路構成部材
(11、12、15、16、17、18)が複数のセル
とともに積層されていることを特徴としている。
【0012】このように、熱媒体経路構成部材を複数の
セルとともに積層することで、セルを固定する締結部材
あるいは外気に対するセルからの放熱を防ぐことができ
る。
【0013】また、請求項4に記載の発明では、一対の
熱媒体経路構成部材の少なくとも一方には、熱媒体循環
経路を循環する熱媒体が通過する熱媒体循環流路(11
b)、燃料電池に供給される水素が通過する水素流路
(11c)、燃料電池に供給される酸素が通過する酸素
流路(11d)が形成されていることを特徴としてい
る。これにより、燃料電池に熱媒体、水素、酸素を供給
することができる。
【0014】また、請求項5に記載の発明では、積層さ
れた複数のセルの両外側には一対の電極部材(13、1
4)が設けられており、熱媒体経路構成部材は複数のセ
ルと電極部材との間に配置された導電性部材(11、1
2)であることを特徴としている。これにより、電極部
材や電極部材の外側に配置される締結部材等に対するセ
ルからの放熱を防止できる。また、導電性部材を用いる
ことで、セルと電極部材との間の電流が遮断させること
を防止できる。
【0015】また、請求項6に記載の発明では、熱媒体
バイパス経路において、導電性部材に熱媒体が流入する
部位の少なくとも一部と、導電性部材から熱媒体が流出
する部位の少なくとも一部とを、絶縁性材料からなる配
管で構成することを特徴としている。これにより、燃料
電池からの漏電を防ぐことができる。
【0016】また、請求項7に記載の発明のように、積
層された複数のセルの両外側には一対の電極部材(1
3、14)が設けられ、一対の電極部材の両外側には一
対の絶縁部材(15、16)が設けられており、熱媒体
経路構成部材は絶縁部材(15、16)から構成するこ
とができる。
【0017】また、請求項8に記載の発明のように、積
層された複数のセルの両外側には、少なくとも複数のセ
ルを締結するための一対の締結部材(17、18)が設
けられており、熱媒体経路構成部材は締結部材から構成
することができる。
【0018】また、請求項9に記載の発明では、熱媒体
バイパス経路には、熱媒体バイパス経路に循環する熱媒
体の流量を制御する流量制御手段(27)が設けられて
いることを特徴としている。これにより、燃料電池の両
端部の加熱量を調整することができる。
【0019】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明の
第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。
本第1実施形態の燃料電池システムは、燃料電池を電源
として走行する電気自動車(燃料電池車両)に適用した
ものである。
【0021】図1は、本第1実施形態の燃料電池システ
ムの全体構成を示している。図1に示すように、本実施
形態の燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反
応を利用して電力を発生する固体高分子電解質型の燃料
電池(FCスタック)10を備えている。燃料電池10
は、基本単位となるセル10a〜10nが複数個(n
個)積層された積層体として構成されており、各セル1
0nは電解質膜が一対の電極で挟まれた構成となってい
る。
【0022】燃料電池10では、図示しない水素供給装
置から水素が供給され、図示しない空気供給装置から空
気(酸素)が供給されることにより、以下の水素と酸素
の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。 (負極側)H2→2H++2e- (正極側)2H++1/2O2 +2e-→H2O 上記電気化学反応のために、燃料電池10内部の電解質
膜が水分を含んだ状態にしておく必要がある。このた
め、図示しない加湿器等により予め加湿された水素およ
び空気が燃料電池10に供給され、燃料電池10内の電
解質膜が加湿される。
【0023】燃料電池10の両外側には、熱媒体(冷却
水)が通過する経路を構成する熱媒体経路構成部材1
1、12、燃料電池10の電流を外部に流す一対の電極
部材13、14、外部に電流が漏れるのを防ぐ一対の絶
縁部材15、16、積層されたセル10nを締結する一
対の締結部材(治具)17、18が外側に向けて順に積
層されている。締結部材17、18は、両外側から図示
しないボルトとナット等により固定されている。このよ
うに、本第1実施形態では、一対の熱媒体経路構成部材
17、18が燃料電池10の両外側に位置するセル10
a、10nと電極部材11、12との間にそれぞれ配置
されている。
【0024】絶縁部材15、16としては例えば絶縁性
を有する樹脂材料を用いることができ、締結部材17、
18としては例えば金属材料を用いることができる。ま
た、本第1実施形態の熱媒体経路構成部材17、18は
電極間内に設けられるため、積層した燃料電池20に流
れる電流を遮断しないように、例えばカーボン等の導電
性材料を用いる。また、熱媒体経路構成部材17、18
は、締結部材17、18等による燃料電池10の熱損失
を防ぐために、断熱効果を有する材料を用いることが望
ましい。この熱媒体経路構成部材17、18における冷
却水の流れについては後述する。
【0025】燃料電池10では発電の際の化学反応によ
り熱が発生するとともに、発電効率のために運転中一定
温度(例えば80℃程度)に維持する必要がある。ま
た、低温起動時においては、燃料電池10を昇温する必
要がある。このため、燃料電池システムには、熱媒体
(冷却水)を用いて燃料電池10を加熱・冷却する加熱
冷却システム20〜27が設けられている。なお、冷却
水としては、一般的な不凍液冷却水を用いることができ
る。
【0026】加熱冷却システムは、冷却水を燃料電池1
0に循環させるための熱媒体循環経路20、熱媒体循環
経路20に冷却水を循環させる循環経路ポンプ21、冷
却水を冷却するためのラジエータ22、ラジエータ22
に送風を行うファン23を備えている。熱媒体循環経路
20を循環する冷却水は、燃料電池10を構成する各セ
ル10a〜10nを通過するように構成されている。
【0027】また、加熱冷却システムには、熱媒体循環
経路20においてラジエータ22と並列的に設けられた
加熱ヒータ(熱媒体加熱手段)24、冷却水の流れをラ
ジエータ22あるいは加熱ヒータ24に切り替えるため
の流路切替バルブ(三方弁)25を備えている。加熱ヒ
ータ24としては、例えば電気ヒータ、燃焼式ヒータ等
を用いることができる。
【0028】通常運転時には、流路切替バルブ25は冷
却水がラジエータ22側に流れるように切り替えられて
おり、燃料電池10を通過した冷却水は熱媒体循環流路
20を介してラジエータ22に循環し、ここで外気と熱
交換され冷却される。また、低温起動時には、流路切替
バルブ25は冷却水が加熱ヒータ24側に流れるように
切り替えられており、加熱ヒータ24にて加熱された冷
却水が、熱媒体循環流路20を介して燃料電池10に循
環する。
【0029】また、本第1実施形態の加熱冷却システム
には、冷却水を熱媒体経路構成部材17、18に循環さ
せるための熱媒体バイパス経路26が設けられている。
熱バイパス経路26は、熱媒体循環経路20における加
熱ヒータ24の下流側であって燃料電池10の上流側か
ら分岐して、熱媒体経路構成部材17、18に冷却水を
循環させた後、熱媒体循環経路20における燃料電池1
0の下流側であって加熱ヒータ24の上流側に合流して
いる。
【0030】熱バイパス経路26は、熱媒体循環経路2
0から分岐した後、2つの熱媒体経路構成部材17、1
8に冷却水を循環させるために2つの経路26a、26
bに分岐し、熱媒体経路構成部材17、18を通過した
後、再び1つの経路26となる。
【0031】熱媒体バイパス経路26には、バイパス流
量制御手段としてバイパス経路ポンプ(流量制御手段)
27が設けられている。循環経路ポンプ21とバイパス
経路ポンプ27との流量比を制御することにより、バイ
パス経路に循環する冷却水流量を制御することができ
る。例えば循環経路ポンプ21の流量を10リットル/
minとし、バイパス経路ポンプ26の流量を3リット
ル/minとした場合には、熱媒体循環経路20により
燃料電池10に循環する冷却水流量は7リットル/mi
nで、熱媒体バイパス経路26に循環する冷却水流量は
3リットル/minとなる。
【0032】上記の熱媒体循環経路20、循環経路ポン
プ21、加熱ヒータ24、熱媒体バイパス経路26、バ
イパス経路ポンプ27等が、燃料電池10を加熱する燃
料電池加熱手段を構成している。
【0033】ここで、熱媒体経路構成部材11、12に
おける冷却水等の流れについて、図2〜図5に基づいて
説明する。図2は冷却水流入方向からみて手前側(図1
中の左側)に位置する第1の熱媒体経路構成部材11の
斜視図であり、図3は冷却水流入方向からみて奥側(図
1中の右側)に位置する第2の熱媒体経路構成部材11
の斜視図である。
【0034】図2、図3に示すように、熱媒体経路構成
部材11、12には、熱媒体バイパス経路26を循環す
る冷却水が通過する加熱用熱媒体通過経路11a、12
aが平行に複数形成されている。さらに第1の熱媒体経
路構成部材11には、熱媒体循環経路20を循環する冷
却水が通過する熱媒体通過経路(熱媒体循環流路)11
b、燃料電池10に供給される水素が通過する燃料ガス
通過経路(水素流路)11c、燃料電池10に供給され
る空気が通過する酸化ガス通過経路(酸素流路)11d
が形成されている。
【0035】図4は熱媒体経路構成部材11、12の構
成を示す斜視図であり、図5は熱媒体経路構成部材1
1、12の構成を示す分解図である。なお、図4、図5
では、第1の熱媒体経路構成部材11に形成されている
熱媒体通過経路11b、燃料ガス通過経路11c、酸化
ガス通過経路11dの図示を省略している。
【0036】図4に示すように、熱媒体経路構成部材1
1、12は、2枚の板状部材を貼り合わせて構成されて
いる。板状部材としては厚さ3mm程度の導電性材料
(カーボン材料等)を用いることができる。それぞれの
板状部材には加熱用熱媒体通過経路11a、12aを構
成する溝が形成されている。また、熱媒体経路構成部材
11、12における加熱用熱媒体通過経路11a、12
aの両端側には、熱媒体バイパス経路26を循環する冷
却水を加熱用熱媒体通過経路11a、12aに導く第1
の配管30、31が設けられている。
【0037】図5に示すように、加熱用熱媒体通過経路
11a、12aと第1の配管30、31の接合部には、
互いに嵌合するネジ山11e、12e、30a、31a
が形成されている。第1の配管30、31の冷却水出入
り口には、第2の配管32、33が設けられている。第
1の配管30、31は、導電性材料あるいは絶縁性材料
のいずれも用いることができるが、第2の配管32、3
3は燃料電池10からの漏電を防ぐために例えば樹脂等
の絶縁性材料を用いる。また、高温の冷却水が流れる場
合があるため、これらの配管30、31、32、33は
ある程度の耐熱性のある材料を用いることが望ましい。
【0038】以下、上記構成の燃料電池システムの低温
起動時における作動について説明する。まず、循環経路
ポンプ21および加熱ヒータ25が作動を開始する。こ
のとき、流路切替バルブ25は冷却水が加熱ヒータ25
側に流れるように切り替えられているので、加熱ヒータ
24にて加熱された冷却水が、熱媒体流路20を介して
燃料電池10に循環する。
【0039】このとき、バイパス経路ポンプ27が作動
を開始することにより、加熱ヒータ25にて加熱された
冷却水が熱媒体バイパス経路26に循環する。熱媒体バ
イパス経路26を循環する冷却水は、熱媒体経路構成部
材11、12を通過する。この結果、加熱された冷却水
が燃料電池10の両端部に集中的に循環し、燃料電池1
0の両端部が優先的に加熱される。これにより、締結具
17、18等による熱損失で燃料電池10の両端部の熱
が奪われることを防止でき、燃料電池10全体を平均的
に昇温させることができる。
【0040】このように、加熱された冷却水を燃料電池
10に循環させることにより、凍結していた燃料電池1
0内部の水が融解し、燃料電池10が発電可能な状態と
なる。燃料電池10に水素および空気の供給を開始する
ことにより、燃料電池10では発電を開始する。このと
き、燃料電池10の両端部を優先的に加熱しているの
で、燃料電池10の両端部の出力が低下することを防止
でき、燃料電池10を構成する各セル10aの出力を安
定化させることができる。
【0041】また、燃料電池10は発電に伴い発熱する
ので、この自己発熱によっても燃料電池10は昇温す
る。
【0042】所定の暖機運転終了条件を満たした場合に
暖機運転を終了して、通常運転に移行する。具体的に
は、加熱ヒータ24、バイパス経路ポンプ27を停止
し、流路切替バルブ25を冷却水がラジエータ22側に
流れるように切り替える。また、必要に応じてラジエー
タファン23を作動させる。この結果、熱媒体バイパス
経路26に循環しなくなるとともに、冷却水はラジエー
タ22にて冷却される。これにより、燃料電池10で発
生した熱をラジエータ22で放熱することができ、燃料
電池10の温度を発電効率のよい一定温度に維持するこ
とができる。
【0043】以上、本第1実施形態のように燃料電池1
0の両端部を優先的に加熱する手段を設けることで、両
端部に位置するセルで凍結等により反応面積が減少して
出力が低下することを防止できる。これにより、燃料電
池10を構成する各セルの出力を早期に安定化させるこ
とができる。また、燃料電池全体としての暖機運転時間
を短くすることができる。
【0044】また、本第1実施形態では、燃料電池10
の両端部と締結部材17、18等との間に熱媒体経路構
成部材11、12を配置しているので、熱媒体経路構成
部材11、12による断熱効果を得ることができ、セル
から締結部材17、18等への放熱を防ぎ、締結部材1
7、18等による熱損失を防ぐことができる。
【0045】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について図6に基づいて説明する。本第2実施形態
は、上記第1実施形態に比較して、熱媒体経路構成部材
の構成が異なるものである。上記第1実施形態と同様の
部分については、同一の符号を付して説明を両略する。
【0046】図6は、燃料電池10の構成を示す概念図
である。図6に示すように、本第2実施形態では、電極
部材13、14と締結部材17、18との間に配置され
ている絶縁部材15、16が熱媒体経路構成部材を構成
している。絶縁部材15、16には、熱媒体バイパス経
路26を循環する冷却水が通過可能な加熱用熱媒体通過
経路が形成されている。
【0047】以上のような構成によっても、上記第1実
施形態と同様に燃料電池10両端部に位置するセルで出
力が低下することを防止でき、燃料電池10を構成する
各セルの出力を早期に安定化させることができる。ま
た、燃料電池全体としての暖機運転時間を短くすること
ができる。また、セルから締結部材等への放熱を防止す
ることができる。
【0048】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態について図7に基づいて説明する。本第3実施形態
は、上記第1実施形態に比較して、熱媒体経路構成部材
の構成が異なるものである。上記第1実施形態と同様の
部分については、同一の符号を付して説明を両略する。
【0049】図7は、燃料電池10の構成を示す概念図
である。図7に示すように、本第3実施形態では、積層
された複数のセル10a〜10n、電極部材13、1
4、絶縁部材15、16を締結するための締結部材1
7、18が熱媒体経路構成部材を構成している。締結部
材17、18には、熱媒体バイパス経路26を循環する
冷却水が通過可能な加熱用熱媒体通過経路が形成されて
いる。
【0050】以上のような構成によっても、上記第1実
施形態と同様に燃料電池10両端部に位置するセルで出
力が低下することを防止でき、燃料電池10を構成する
各セルの出力を早期に安定化させることができる。ま
た、燃料電池全体としての暖機運転時間を短くすること
ができる。また、セルから外気への放熱を防止すること
ができる。
【0051】(他の実施形態)なお、上記各実施形態で
は、燃料電池10の両端部を優先的に加熱する手段とし
て、燃料電池10全体を昇温させるための加熱された冷
却水を燃料電池10の両端部付近に集中的に循環させる
ように構成したが、燃料電池10の両端部を他の加熱手
段によって加熱して、他の部位より優先的に加熱するよ
うに構成してもよい。他の加熱手段として、例えば電気
式ヒータを用いることができる。
【0052】また、上記各実施形態では、熱バイパス経
路26にバイパス経路ポンプ27を設け、循環経路ポン
プ21とバイパス経路ポンプ27との流量比によって、
熱媒体バイパス経路26に流れる冷却水の流量を調整し
たが、バイパス経路ポンプ27に代えて熱媒体バイパス
経路26の流路断面積を変更できる流路制御弁を設けて
もよい。流路制御弁を閉じた状態では、冷却水は熱媒体
循環経路20のみを循環し、流路制御弁を開くことで冷
却水を熱媒体バイパス経路26に循環させることができ
る。
【0053】また、各セル10a〜10nの温度を検出
する手段を設け、各セル10a〜10nの温度に基づい
て、熱媒体バイパス経路26に循環する冷却水量を制御
するように構成してもよい。具体的には、燃料電池10
の両端に位置するセルの温度が他のセルの温度より低い
場合には、温度差に応じて熱媒体バイパス経路26に循
環する冷却水量を設定する。一方、燃料電池10の両端
に位置するセルの温度が他のセルの温度より高いような
場合には、熱媒体バイパス経路26に循環する冷却水量
をゼロとすることができる。
【0054】また、上記各実施形態において、暖機運転
終了条件を以下のように設定することもできる。例えば
燃料電池10の温度を検出する温度センサを設け、燃料
電池の温度が所定温度以上に上昇した場合を暖機運転流
量条件とすることができる。あるいは、燃料電池10の
出力する電力が所定電力以上となった場合、燃料電池1
0の出力電圧が所定電圧以上となった場合、燃料電池1
0の出力電流が所定電流以上となった場合のいずれかの
条件を暖機運転終了条件をすることもできる。これら条
件は、単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0055】また、上記各実施形態では、熱媒体バイパ
ス経路26を循環する冷却水を燃料電池10の両端部の
近傍に循環させるように構成したが、これに限らず、燃
料電池10の両端に位置するセルに直接循環させるよう
に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池システムの全体構成を
示す概念図である。
【図2】熱媒体経路構成部材の斜視図である。
【図3】熱媒体経路構成部材の斜視図である。
【図4】熱媒体経路構成部材の構成を示す斜視図であ
る。
【図5】熱媒体経路構成部材の構成を示す平面図であ
る。
【図6】第2実施形態の熱媒体経路構成部材の斜視図で
ある。
【図7】第3実施形態の熱媒体経路構成部材の斜視図で
ある。
【図8】燃料電池を構成する各セルの出力特性を示す特
性図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、10a〜10n…セル、11、12…
熱媒体経路構成部材、13、14…電極部材、15、1
6…絶縁部材、17、18…締結部材、20…熱媒体循
環経路、21…循環経路ポンプ、24…加熱ヒータ、2
6…熱媒体バイパス経路、27…バイパス経路ポンプ。
フロントページの続き (72)発明者 齋藤 友宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC10 5H027 AA06 CC06 CC11 KK46 MM16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセル(10a〜10n)が積層さ
    れて構成された燃料電池(10)と、 前記燃料電池を加熱して、前記燃料電池を昇温させる燃
    料電池加熱手段(20、21、24、26、27)とを
    備え、 前記燃料電池加熱手段は、前記燃料電池における前記セ
    ルの積層方向の両端部を前記燃料電池の他の部位より優
    先的に加熱するように構成されていることを特徴とする
    燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 複数のセル(10a〜10n)が積層さ
    れて構成された燃料電池(10)と、 前記燃料電池を構成する前記複数のセルそれぞれに熱媒
    体を循環させる熱媒体循環経路(20)と、 前記熱媒体を加熱する熱媒体加熱手段(24)と、 前記熱媒体循環経路(20)に設けられ、前記熱媒体加
    熱手段(24)にて加熱された熱媒体の一部あるいは全
    部を、前記燃料電池の両端部あるいは前記燃料電池の両
    端部の近傍に循環させる熱媒体バイパス経路(26)と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 前記燃料電池の両端部それぞれの近傍に
    は、前記熱媒体バイパス経路を循環する熱媒体が通過可
    能な一対の熱媒体経路構成部材(11、12、15、1
    6、17、18)が前記複数のセルとともに積層されて
    いることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記一対の熱媒体経路構成部材の少なく
    とも一方には、前記熱媒体循環経路を循環する熱媒体が
    通過する熱媒体循環流路(11b)、前記燃料電池に供
    給される水素が通過する水素流路(11c)、前記燃料
    電池に供給される酸素が通過する酸素流路(11d)が
    形成されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料
    電池システム。
  5. 【請求項5】 積層された前記複数のセルの両外側には
    一対の電極部材(13、14)が設けられており、 前記熱媒体経路構成部材は前記複数のセルと前記電極部
    材との間に配置された導電性部材(11、12)である
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の燃料
    電池システム。
  6. 【請求項6】 前記熱媒体バイパス経路において、前記
    導電性部材に前記熱媒体が流入する部位の少なくとも一
    部と、前記導電性部材から前記熱媒体が流出する部位の
    少なくとも一部とを、絶縁性材料からなる配管で構成す
    ることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システ
    ム。
  7. 【請求項7】 積層された前記複数のセルの両外側には
    一対の電極部材(13、14)が設けられ、前記一対の
    電極部材の両外側には一対の絶縁部材(15、16)が
    設けられており、 前記熱媒体経路構成部材は前記絶縁部材(15、16)
    から構成されていることを特徴とする請求項3または請
    求項4に記載の燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 積層された前記複数のセルの両外側に
    は、少なくとも前記複数のセルを締結するための一対の
    締結部材(17、18)が設けられており、 前記熱媒体経路構成部材は前記締結部材から構成されて
    いることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の
    燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 前記熱媒体バイパス経路には、前記熱媒
    体バイパス経路に循環する熱媒体の流量を制御する流量
    制御手段(27)が設けられていることを特徴とする請
    求項2ないし8のいずれか1つに記載の燃料電池システ
    ム。
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