JP2004296351A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】システム起動時におけるコンプレッサ等の無駄な運転や、無駄な水素の消費を抑制する。
【解決手段】システム起動時には、コントロールユニット31が、燃料電池スタック1への水素供給を開始させた後、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給流量、水素供給流量のうちの少なくとも1以上を変化させる制御を行う。具体的には、燃料電池スタック1の電圧が上昇し始めた時、燃料電池スタック1の電圧上昇の傾きが所定以上となった時、あるいは燃料電池スタック1の電圧が所定電圧以上となった時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】システム起動時には、コントロールユニット31が、燃料電池スタック1への水素供給を開始させた後、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給流量、水素供給流量のうちの少なくとも1以上を変化させる制御を行う。具体的には、燃料電池スタック1の電圧が上昇し始めた時、燃料電池スタック1の電圧上昇の傾きが所定以上となった時、あるいは燃料電池スタック1の電圧が所定電圧以上となった時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関するものであり、特に、燃料電池システムの起動時における水素供給や空気供給の制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題、特に自動車の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気及び高エネルギ効率を可能とする燃料電池システムが注目を浴びている。燃料電池システムは、燃料となる水素及び空気を燃料電池スタックの水素極及び空気極に供給して電気化学反応を起こし、化学エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換システムである。
【0003】
このような燃料電池システムでは、システム起動時に、水素供給手段や空気供給手段からの燃料電池スタックに対する水素や空気の供給を開始させて、燃料電池スタックでの発電を開始させる。ただし、システム停止中に水素ガス流路中に残留した水素ガスが時間経過に伴い拡散によって空気に置換されているので、システム起動時には、水素ガス流路中の空気を速やかに水素ガスに置換する必要があり、そのための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0004】
この特許文献1に記載される技術では、燃料電池システムの起動に際し、起動時用燃料ガス排出弁を開状態にして、燃料ガス圧力を一定とするように燃料供給調整弁の開度を調整する制御をし、燃料供給調整弁の開度に基づいて起動時用燃料ガス排出弁を閉状態にする判定を行う、あるいは、起動時用燃料ガス排出弁を開状態にして、燃料供給調整弁の開度を一定に制御し、燃料ガス圧力に基づいて起動時用燃料ガス排出弁を閉状態にする判定を行うようにすることで、水素ガス流路中の空気を速やかに水素ガスに置換するとともに、その置換状況を的確に判断できるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−313390号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術のように、燃料電池システムの起動時には、水素ガス流路中の空気が水素ガスに置換されるまでの間は水素系の排気側を開放するので、この開放を適切に終了させないと無駄に水素を消費してしまうことになる。また、水素の供給を開始しても、直ちに燃料電池スタックでの発電が開始できるわけではないので、この間は多量の空気は必要ではなく、この間に空気供給手段を構成するコンプレッサ等を運転して空気を供給しても、無駄運転となり消費電力の浪費となる。さらに、例えば燃料電池スタックの排気側に燃焼器を備えた燃料電池システムの場合、空気供給過剰による燃焼器着火不良を招く虞れがある。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、以上のような問題に対して必ずしも満足のいく対策がとられておらず、起動時の制御に課題が残されていた。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題を解消すべく提案されたものであり、起動時のコンプレッサ等の無駄な運転や、無駄な水素の消費を抑制することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。さらに本発明は、例えば燃料電池スタックの排気側に燃焼器を備えた燃料電池システムにおいて、燃焼器の着火不良を招くことがなく、良好な燃焼状態を得ることが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタック、水素供給手段、空気供給手段、電圧検出手段、起動制御手段を備える。燃料電池スタックは、水素及び空気の供給により発電を行うものであり、水素供給手段は燃料電池スタックに水素を供給し、空気供給手段は燃料電池スタックに空気を供給する。また、電圧検出手段は燃料電池スタックの電圧を検出する。
【0010】
起動制御手段は、起動時に、燃料電池スタックへの水素供給を開始させた後、燃料電池スタックの電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給量、水素供給量のうちの少なくとも1以上を変化させる。
【0011】
具体的には、起動制御手段は、燃料電池スタックの電圧が上昇し始めた時、燃料電池スタックの電圧上昇の傾きが所定以上となった時、あるいは燃料電池スタックの電圧が所定電圧以上となった時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行う。
【0012】
本発明の燃料電池システムでは、起動初期には起動制御手段による制御によって少量の水素のみが供給される。したがって、無駄に排出される水素量や、空気供給手段のコンプレッサ等の無駄な運転が最小限に抑えられる。その後、燃料電池スタックの電圧の状況に応じて空気供給を開始させたり、水素供給量や空気供給量を増加させることにより、速やかに定常運転に移行される。
【0013】
また、例えば燃料電池スタックから排出される水素を燃焼する燃焼器を備える燃料電池システムでは、水素と空気が燃焼器に達する時期がほぼ同時期となるように制御され、燃焼器に過剰な空気が供給されることによる着火不良等が回避される。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池システム起動時に、起動制御手段が、燃料電池スタックの電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給流量、水素供給流量のうちの少なくとも1以上を変化させるようにしているので、起動時における空気供給手段のコンプレッサ等の無駄な運転や、無駄な水素の消費を抑制することができる。また、例えば排出される水素を燃焼する燃焼器を備える燃料電池システムでは、燃焼器の着火不良を招くことがなく、良好な燃焼状態を得ることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した燃料電池システムの具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料電池システムの主要部分の構成を示すものである。図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、水素及び空気の供給により発電を行う燃料電池スタック1を備える。
【0017】
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給される水素極と酸化剤ガスである空気(酸素)が供給される空気極とが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。この燃料電池スタック1の各発電セルでは、水素極に供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
【0018】
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
【0019】
燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1の各発電セルの電圧をモニタリングするためのセル電圧モニタ(電圧検出手段)2が接続されている。燃料電池スタック1は、このセル電圧モニタ2により各燃料電池セルの電圧がモニタリングされることによって、その発電状態が監視されるようになっている。
【0020】
燃料電池スタック1で発電を行うには、燃料ガスである水素や酸化剤ガスである空気を各発電セルの水素極や空気極に供給する必要があり、燃料電池システムでは、そのための機構として水素供給系及び空気供給系が設けられている。
【0021】
水素供給系は、例えば、水素タンク3、圧力制御弁4、水素供給配管5、エゼクタ6を備える。そして、水素供給源である水素タンク3から供給される水素が、圧力制御弁4で減圧され、水素供給配管5及びエゼクタ6を通って燃料電池スタック1の水素極に送り込まれるようになっている。
【0022】
燃料電池スタック1では供給された水素が全て消費されるわけではなく、残った水素(燃料電池スタック1の水素極から排出される水素)は、新たに水素タンク3から供給される水素とエゼクタ6にて混合されて、再度燃料電池スタック1の水素極に供給される。このため、燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1から水素を排出するための水素排気配管7が接続され、この水素排気配管7の中途位置から水素循環配管8が分岐されて、燃料電池スタック1から排出される水素が水素循環配管8を通ってエゼクタ6に環流されるようになっている。エゼクタ6は、水素供給配管5を流れる水素の流体エネルギを利用して、水素循環配管8を流れる水素を循環させる。
【0023】
また、水素排気配管7の水素循環配管8が分岐される中途位置の下流側には、パージ弁9が設けられている。このパージ弁9は、水素パージを行う際に開放されるもので、このパージ弁9が開放されることで、燃料電池スタック1内及び水素循環配管8内の水素が水素排気配管7の下流側へと排出され、後述する燃焼器14へと導かれることになる。上述したように水素を循環させて使用する場合、水素の循環に伴って系内に窒素やCO等の不純物質が蓄積される場合があり、不純物質が過度に蓄積されると水素分圧が降下して燃料電池スタック1の効率低下に繋がるので、このような場合には、パージ弁9を開放して水素をパージすることで、不純物質を水素と共に系外に排出する。
【0024】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、システム起動時においても、このパージ弁9が開放されて、系内の水素を含むガスが水素排気配管7の下流側へと排出され、後述する燃焼器14へと導かれるようになっている。
【0025】
一方、空気供給系は、外気を吸入して燃料電池スタック1の空気極に空気を圧送するためのコンプレッサ10及び空気供給配管11を備え、コンプレッサ10によって空気供給配管11内に空気が送り込まれて、燃料電池スタック1の空気極へと供給されるようになっている。
【0026】
また、燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1から空気を排出するための空気排気配管12が接続されており、燃料電池スタック1で消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、空気排気配管12を通して後述する燃焼器14へと導かれるようになっている。また、空気排気配管12には圧力制御弁13が設けられており、この圧力制御弁13の動作によって、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力が所望の圧力に制御される。
【0027】
本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からの排ガス(排水素及び排空気)を処理するための燃焼器14が設置されており、上述した水素排気配管7及び空気排気配管12は、何れもこの燃焼器14に接続されている。具体的には、この燃焼器14は、水素排気配管7のパージ弁9が設けられた位置よりも更に下流位置であって、空気排気配管12の圧力制御弁13が設けられた位置よりも更に下流位置に配置されている。この燃焼器14は、内部に酸化触媒を備えており、その触媒暖機の為、例えば通電によって発熱する電熱線を用いた電気ヒータ等が設けられている。また、燃焼器14での燃焼による熱エネルギ回収のため、燃焼器14の近傍には熱交換器15が設けられている。
【0028】
また、空気供給系には、燃料電池スタック1に供給する空気を加湿するための加湿手段が設けられている。この加湿手段は、空気供給配管11の中途部に設けられる加湿器16と、空気排気配管12の圧力制御弁13の上流位置に設けられ燃料電池スタック1で生成した水等を回収する水分凝縮装置17、回収された回収水を収容する水タンク18、加湿水を循環供給する水循環経路19、水循環経路19に設けられるバルブ20及びポンプ21とから構成されている。
【0029】
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を冷却する冷却機構が設けられている。例えば、固体高分子電解質型の燃料電池スタック1は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、過熱時にはこれを冷却することが必要となる。冷却機構は、冷媒を循環させる冷却液循環配管22及び冷却液ポンプ23を有し、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した冷却液を循環させて燃料電池スタック1を冷却し、これを最適な温度に維持する。
【0030】
冷却機構の冷却液循環配管22内には、ラジエータ24が設けられており、燃料電池スタック1の冷却により加熱された冷却液は、ここで冷却される。また、ラジエータ24と並列にバイパス配管25が設けられるとともに、分岐部分にサーモスタット三方切り替え弁26が設けられており、冷却液の温度に応じてこの三方切り替え弁26が動作することで、冷却液の流路が切り替えられる。なお、三方切り替え弁26が冷却液の流路を切り替える温度は、例えば40℃に設定される。
【0031】
以上のような冷却機構において、燃料電池スタック1で発生した熱は、冷却液循環配管22を流れる冷却水によって持ち去られ、ラジエータ23で外部に放出される。また、バイパス配管25を流れる冷却液は、図1中A部において上述した加湿手段の水タンク18に導かれて加湿水の暖機促進に用いられ、また図1中B部において燃焼器14の近傍に設けられた熱交換器15に導かれて、燃焼器14の熱の回収に用いられる。
【0032】
また、本実施形態の燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1に温度センサ27が設けられ、燃料電池スタック1の空気極入口に温湿度センサ28が設けられ、加湿手段の水タンク18には温度センサ29が設けられている。また、外気温度センサ30が適所に設けられるとともに、これら各センサからの情報、及び燃料電池スタック1に接続された上述したセル電圧モニタ2からの情報に基づいて各種制御を行うコントロールユニット31を備えている。このコントロールユニット31は、例えばCPUやROM、RAM、CPU周辺回路等を備え、これらがバスを介して接続されたマイクロプロセッサ構成を有している。
【0033】
以上の構成を有する燃料電池システムにおいては、水素タンク3からの水素と水素循環配管8を通る水素とがエゼクタ6にて混合され、燃料電池スタック1の水素極に供給される。燃料電池スタック1を通過した水素は、通常、水素循環配管8を通過してエゼクタ6に導かれ、新たに水素タンク3から送り込まれる水素と混合されて再度燃料電池スタック1に供給される。
【0034】
水素循環配管8内の窒素やCO等の不純物濃度が高くなった場合や、システム起動時には、パージ弁9が開放されることにより水素(水素を含むガス)が水素排気配管7の下流側に排出されて、燃焼器14に導かれる。このパージ弁9の開放によって排出された水素は、空気極からの排ガスと混合されて燃焼器14で燃焼、浄化され、外部(例えば車外)に排出される。
【0035】
外気を吸入、圧送するコンプレッサ10により空気供給配管11内に圧送された空気は、空気供給配管11の経路中に設けられた加湿器16で加湿されて、燃料電池スタック1の空気極に供給される。燃料電池スタック1で生成された水は、その下流に設けられた水分凝縮装置17にて凝集されて回収され、バルブ20を経由して水タンク18に導かれる。
【0036】
加湿手段のポンプ21はコントロールユニット31からの指令によってオン、オフ及び回転数制御され、加湿器16に、水タンク18から流出した水を圧送している。燃料電池スタック1の運転に必要な加湿量は、この加湿器16によって供給される。また、加湿量をコントロールユニット31で監視するため、加湿器16を通過後の湿度を温湿度センサ28により計測している。
【0037】
燃料電池スタック1の発熱に対する冷却手段としては、冷却液として水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入したものを使用し、冷却液循環配管22を通して燃料電池スタック1の内部に流すことで冷却を行う。燃料電池スタック1の熱を奪った冷却液は、三方切り替え弁26によってその流路が切り替えられ、ラジエータ24を通過する流路とラジエータ24を迂回してバイパス配管25を通る流路の何れかを流れる。
【0038】
ラジエータ24は、さらに、コントロールユニット31の信号に基づいて、図示しないラジエターファンにより出口水温が所望の温度になるように温度調整する。また、冷却液循環配管22には冷却液ポンプ23が備えられ、燃料電池スタック1に設けられた温度センサ27の出力に応じてコントロールユニット31で判断された流量となるように、冷却液ポンプ23によって冷却液が圧送されて、燃料電池スタック1に送られる。
【0039】
バイパス配管25は、加湿手段の水タンク18に接続され(図1中A部)、水タンク18内部の熱交換部で熱交換することにより加湿水の暖機を促進する。次いで、燃焼器14近傍の熱交換器15に導かれ(図1中B部)、燃焼器14で燃焼された熱を交換し、冷却液に伝達する。その後、再度バイパス配管25に戻るように接続されている。
【0040】
コントロールユニット31は、外気温度センサ30の入力と合わせて、セル電圧モニタ2や温度センサ27等、各種センサからの入力信号が入力され、またその入力値に対する判断、演算結果により、各種制御信号を出力する。本実施形態の燃料電池システムにおいては、このコントロールユニット31が起動制御手段として機能し、システム起動時における制御を実現している。
【0041】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおいて、コントロールユニット31により制御される水素供給及び空気供給の動作の詳細について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
先ず、燃料電池システムが起動されると(ステップS1)、各種センサからの情報がコントロールユニット31に読み込まれる(ステップS2)。次いで、コントロールユニット31により、外気温度センサ30の測定値が所定の閾値Tth3未満であるか否かが判断される(ステップS3)。ここでの閾値Tth3は、例えば20℃に設定される。
【0043】
ステップS3での判断の結果、外気温度センサ30の測定値が閾値Tth3未満の場合、触媒活性不良の可能性があるので、燃焼器14の電気ヒータが通電されて、触媒活性の促進が図られる(ステップS4)。一方、ステップS3での判断の結果、外気温度センサ30の測定値が閾値Tth3以上の場合は、触媒は活性が良好なので、電気ヒータによる加熱は行われずに、ステップS5へ進む。
【0044】
次に、コントロールユニット31によって水素タンク3及び圧力制御弁4の動作が制御され、水素の供給が開始される(ステップS5)。ここでは、例えば、5L/分の流量で水素の供給が開始される。なお、空気供給配管11内はシステム停止中から当然空気で満たされているので、この時点では、まだコンプレッサ10の運転を行う必要はない。
【0045】
次に、コントロールユニット31によってセル電圧モニタ2の検出値から燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが求められ、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが所定の閾値Vth1を越えたか否かが判断される(ステップS6)。ここでの閾値Vth1は例えば0.05Vに設定され、燃料電池スタック1のセル電圧の上昇が開始されたか否かが、この閾値Vth1を用いたセル平均電圧Vtの判断で代用して検出される。
【0046】
次に、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが閾値Vth1を越えた段階、すなわち、燃料電池スタック1のセル電圧の上昇が開始された段階で、コントロールユニット31によってコンプレッサ10及び圧力制御弁13の動作が制御され、空気の供給が開始される(ステップS7)。ここでの空気供給量は、ステップS5で供給される水素の燃焼が可能で且つコンプレッサ10で流せる最小流量と、触媒の特性とに基づいて決定すればよく、例えば50L/分程度の流量とされる。
【0047】
次に、コントロールユニット31によって、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが閾値Vth2を越えたか否か、及び電圧上昇速度dV/dTが所定値dVthを越えたか否かが判断される(ステップS8)。ここでの閾値Vth2は例えば0.5Vに設定され、所定値dVthは例えば0.5V/secに設定される。ここでは、これら燃料電池スタック1の電圧状況から、水素濃度が急速に高まったことを検出している。
【0048】
次に、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが閾値Vth2を越え、且つ電圧上昇速度dV/dTが所定値dVthを越えた段階、すなわち、水素濃度が急速に高まった段階で、コントロールユニット31によって、水タンク18に設置された温度センサ29の検出値が、所定値Tth2を越えているか否かが判断される(ステップS9)。ここでの所定値Tth2は、例えば10℃に設定される。ここでは、水タンク18内の純水が氷点に近いか否かによって寒冷地等での起動であるかどうかを判断しており、寒冷地等での起動であると判断される場合には、燃料電池スタック1の暖機促進を図る必要があるので、ステップS10にて燃焼器14での水素燃焼により得られる熱エネルギで燃料電池スタック1の暖機を促進する。一方、水タンク18内の純水温度が高い場合には、常温の起動終了として、後述する通常運転(ステップS12)に移行する。
【0049】
ステップS10では、コントロールユニット31による制御に応じて空気及び水素の流量が増加され、燃焼器14における水素燃焼量を増加させて燃料電池スタック1の暖機促進が図られる。ここでの空気流量は例えば1000L/分、水素流量は例えば50L/分に設定される。ここでの流量設定は、燃焼器14に応じて最適な値を設定すればよく、またこの間、燃料電池スタック1での発電を実施する場合には、さらにその必要流量を加算すればよい。
【0050】
次に、コントロールユニット31によって、水タンク18に設置された温度センサ29の検出値が、所定値Tth1を越えたか否かが判断される(ステップS11)。そして、温度センサ29の検出値が所定値Tth1を越えた段階で暖機促進が完了し、後述する通常運転(ステップS12)に移行する。ここでの温度所定値Tth1は例えば3℃に設定され、水タンク18内の純水が解凍したか否かによって暖機促進の終了を判断している。なお、ここでの温度所定値Tth1をステップS9での判断と同様の値として、純水の解凍完了後に更に所定時間暖機促進を継続させるようにしてもよい。
【0051】
なお、以上の動作フローでは、燃料電池スタック1のセル電圧の代表的な値としてセル平均電圧を用いたが、特定の1つ若しくは複数のセルの電圧を使用しても構わないし、また特定の1つ若しくは複数のセル電圧の平均値等の演算結果を用いても構わない。
【0052】
次に、ステップS12における通常運転動作について、本実施形態の燃料電池システムを車両の駆動源として用いた場合を例に挙げて簡単に説明する。
【0053】
通常運転とは、コントロールユニット31が運転者のアクセル開度に応じた出力(=電力)に相応な燃料電池スタック1への水素供給量及び空気供給量を算出し、これに応じて水素供給系や空気供給系を制御して、燃料電池スタック1の水素極側に必要量の水素供給を行い、燃料電池スタック1の空気極側には必要量の空気供給を行う運転状態である。また、このとき、加湿手段により燃料電池スタック1に供給される空気が加湿され、燃料電池スタック1が加湿されるとともに、冷却機構によって燃料電池スタック1の温度がコントロールされる。
【0054】
通常運転では、温湿度センサ28により燃料電池スタック1の空気極入口の湿度が監視されており、万一加湿量が不足するような場合には、燃料電池スタック1の運転圧力を上昇させるとともに、加湿器16の圧力も上昇させて、加湿不足とならないよう制御される。また、冷却機構のポンプ23の動作がコントロールユニット31により制御され、燃料電池スタック1の発熱量に応じた流量で燃料電池スタック1に流通すべく冷却液の流量が調整される。この冷却液の流量は、燃料電池スタック1に設けられた温度センサ27の検出値に応じて補正される。このとき、燃料電池スタック1の温度がごく低温である場合には、ラジエータ24を通過させず、バイパス通路25を通過させるように三方切り替え弁26により冷却液の流路が切り替えられる。ラジエータ24の出口温度は、燃料電池スタック1の温度センサ27で検出された温度に応じて、図示しないラジエータファンの回転数を制御することにより、略一定温度を保つように制御されている。
【0055】
運転中は、燃料電池スタック1の空気極側の空気供給系では、水分凝縮装置17により燃料電池スタック1から排出された空気中の水分が凝縮回収され、水循環経路19を通して水タンク18へ導かれて加湿用水として貯蔵される。
【0056】
燃料電池スタック1の水素極側の水素供給系では、燃料電池スタック1からの排気は水素循環配管8及びエゼクタ6により循環されているが、燃料電池スタック1の電解質膜の透過等により空気中の窒素等の不純物濃度が次第に増加するため、所定間隔毎にパージ弁9を開弁することで、水素循環配管8内の水素をパージし、その下流の燃焼器14で空気と混合して燃焼し、浄化して排気する。以上のような通常時動作により、運転者のアクセル操作に応じた電力が燃料電池システムから出力され、駆動モータに供給されて車両が駆動される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムにおいては、システム起動時に水素供給を開始させた後、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミングを変化させており、水素濃度の変化を検出してから空気供給を開始させているので、水素と空気が燃焼器14に達する時期をほぼ同時期とすることができ、このため無駄にコンプレッサ10を運転することも無く、また燃焼器14に過剰な空気を供給して着火不良を招くことがなく、燃焼器14での燃焼を良好な状態で行うことができる。
【0058】
また、燃焼器14に過剰な空気を供給して燃焼器14を冷却してしまうことがないため、電気ヒータ等による電力消費量を抑制することもできる。
【0059】
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、システム起動時に水素供給を開始させた後、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて空気供給流量を変化させ、例えば初期に少量の水素を供給して燃料電池スタック1の電圧が変化した後、空気流量を増加させることで、初期のコンプレッサ10の無駄な運転をより抑制することができ、且つ起動時間を短くすることができる。同様に、初期に少量の水素を供給して燃料電池スタック1の電圧が変化した後、水素流量を増加させることで、無駄に排出する水素量をさらに減少させることができる。
【0060】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の電圧の状況として、セル電圧が上昇し始めた時点を検出して制御するようにしているので、水素濃度の変化をいち早く検出することが可能となり、起動時間の促進、無駄な水素の排出の抑制を効果的に実現することができる。さらに、燃料電池スタック1の電圧の状況として、スタック電圧の上昇の傾きを検出して制御するようにしているので、水素濃度の変化度合いを検出することができ、水素供給系の配管内が水素で置換されたことを確実に検出することができる。さらにまた、燃料電池スタック1の電圧の状況として、セル電圧が所定値以上に達した時期を検出しているので、一般的な制御方法を用いて比較的容易に水素濃度の変化を検出することができる。
【0061】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からの排水素を循環させる水素循環配管8を設け、パージ弁9の開閉によって燃料電池スタック1からの排水素が水素循環配管8を循環させるか排出させるかを切り替えるようにしているので、通常運転時の水素利用効率を高めることができると共に、起動時に水素濃度の変化を検出し難いという水素循環系の弱点を補い、水素濃度の変化を正確に検出することができ、その下流に配した燃焼器14での良好な着火性を得ることができる。
【0062】
(第2の実施形態)
本実施形態は、燃焼器14をバイパスさせて空気を排出させる流路を設けることで、燃焼器14に供給される空気流量を制御可能としたものである。すなわち、本実施形態の燃料電池システムでは、図3に示すように、上述した第1の実施形態の燃料電池システムの構成に加えて、空気の燃焼器バイパス配管40及びバイパス流量調整弁41が付与されている。その他の構成は上述した第1の実施形態の燃料電池システムと同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0063】
第1の実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて空気流量をコンプレッサ10により変化させるようにしていたが、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサ10による流量変化に加えて、燃焼器バイパス配管40を流れる空気流量をバイパス流量調整弁41で調整することによって、燃焼器14へ流入する空気流量を制御可能としている。このような構成とすることで、燃料電池スタック1で要求される空気流量が、燃焼器14での要求流量より多い場合についても、双方に最適な流量を与えることができる。
【0064】
また、図2に示したフローチャートでは、ステップS7で空気の供給を開始しているが、このときバイパス流量調整弁41を開放することで、コンプレッサ10の最小流量より少ない空気を燃焼器14に供給することが可能となる。また、空気供給配管11内や燃料電池スタック1内の空気極側に凝縮水が存在する場合等においては、燃料電池スタック1の起動に備えて空気側のパージを行うことが有効であるが、このような場合には、燃料電池スタック1へはある程度多い量の空気を供給し、燃焼器14には着火性に最適な量を供給することも可能となる。
【0065】
なお、本実施形態の燃料電池システムでは、燃焼器バイパス配管40を流れる空気流量をバイパス流量調整弁41で調整することによって、燃焼器14へ流入する空気流量を制御するようにしているが、これに加えて、燃焼器14に流入する空気量を積極的に制限する手段を設けるようにしてもよい。この場合には、コンプレッサ10による流量変化や燃焼器バイパス配管40を流れる空気流量の調整に加えて、必要に応じて燃焼器14への空気流入量を積極的に制限することで、燃焼器14に流入する空気流量の制御幅をさらに拡大することができる。
【0066】
また、燃料電池スタック1の空気極出口と燃焼器14との間の配管中、すなわち空気極排気配管12の燃焼器14よりも上流位置に、燃料電池スタック1から排出される空気以外の空気を導入可能な手段、例えば第2のコンプレッサを設けるようにしてもよい。この場合には、燃焼器14の状態に合わせて燃料電池スタック1へ供給する空気量を変化させることなく、第2のコンプレッサから最適な流量の空気を燃焼器14に流入させることができ、燃焼器14の着火性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の燃料電池システムにおける水素供給及び空気供給動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 セル電圧モニタ
3 水素タンク
5 水素供給配管
7 水素排気配管
8 水素循環配管
9 パージ弁
10 コンプレッサ
11 空気供給配管
12 空気排気配管
14 燃焼器
31 コントロールユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関するものであり、特に、燃料電池システムの起動時における水素供給や空気供給の制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題、特に自動車の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気及び高エネルギ効率を可能とする燃料電池システムが注目を浴びている。燃料電池システムは、燃料となる水素及び空気を燃料電池スタックの水素極及び空気極に供給して電気化学反応を起こし、化学エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換システムである。
【0003】
このような燃料電池システムでは、システム起動時に、水素供給手段や空気供給手段からの燃料電池スタックに対する水素や空気の供給を開始させて、燃料電池スタックでの発電を開始させる。ただし、システム停止中に水素ガス流路中に残留した水素ガスが時間経過に伴い拡散によって空気に置換されているので、システム起動時には、水素ガス流路中の空気を速やかに水素ガスに置換する必要があり、そのための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0004】
この特許文献1に記載される技術では、燃料電池システムの起動に際し、起動時用燃料ガス排出弁を開状態にして、燃料ガス圧力を一定とするように燃料供給調整弁の開度を調整する制御をし、燃料供給調整弁の開度に基づいて起動時用燃料ガス排出弁を閉状態にする判定を行う、あるいは、起動時用燃料ガス排出弁を開状態にして、燃料供給調整弁の開度を一定に制御し、燃料ガス圧力に基づいて起動時用燃料ガス排出弁を閉状態にする判定を行うようにすることで、水素ガス流路中の空気を速やかに水素ガスに置換するとともに、その置換状況を的確に判断できるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−313390号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術のように、燃料電池システムの起動時には、水素ガス流路中の空気が水素ガスに置換されるまでの間は水素系の排気側を開放するので、この開放を適切に終了させないと無駄に水素を消費してしまうことになる。また、水素の供給を開始しても、直ちに燃料電池スタックでの発電が開始できるわけではないので、この間は多量の空気は必要ではなく、この間に空気供給手段を構成するコンプレッサ等を運転して空気を供給しても、無駄運転となり消費電力の浪費となる。さらに、例えば燃料電池スタックの排気側に燃焼器を備えた燃料電池システムの場合、空気供給過剰による燃焼器着火不良を招く虞れがある。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、以上のような問題に対して必ずしも満足のいく対策がとられておらず、起動時の制御に課題が残されていた。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題を解消すべく提案されたものであり、起動時のコンプレッサ等の無駄な運転や、無駄な水素の消費を抑制することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。さらに本発明は、例えば燃料電池スタックの排気側に燃焼器を備えた燃料電池システムにおいて、燃焼器の着火不良を招くことがなく、良好な燃焼状態を得ることが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタック、水素供給手段、空気供給手段、電圧検出手段、起動制御手段を備える。燃料電池スタックは、水素及び空気の供給により発電を行うものであり、水素供給手段は燃料電池スタックに水素を供給し、空気供給手段は燃料電池スタックに空気を供給する。また、電圧検出手段は燃料電池スタックの電圧を検出する。
【0010】
起動制御手段は、起動時に、燃料電池スタックへの水素供給を開始させた後、燃料電池スタックの電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給量、水素供給量のうちの少なくとも1以上を変化させる。
【0011】
具体的には、起動制御手段は、燃料電池スタックの電圧が上昇し始めた時、燃料電池スタックの電圧上昇の傾きが所定以上となった時、あるいは燃料電池スタックの電圧が所定電圧以上となった時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行う。
【0012】
本発明の燃料電池システムでは、起動初期には起動制御手段による制御によって少量の水素のみが供給される。したがって、無駄に排出される水素量や、空気供給手段のコンプレッサ等の無駄な運転が最小限に抑えられる。その後、燃料電池スタックの電圧の状況に応じて空気供給を開始させたり、水素供給量や空気供給量を増加させることにより、速やかに定常運転に移行される。
【0013】
また、例えば燃料電池スタックから排出される水素を燃焼する燃焼器を備える燃料電池システムでは、水素と空気が燃焼器に達する時期がほぼ同時期となるように制御され、燃焼器に過剰な空気が供給されることによる着火不良等が回避される。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池システム起動時に、起動制御手段が、燃料電池スタックの電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給流量、水素供給流量のうちの少なくとも1以上を変化させるようにしているので、起動時における空気供給手段のコンプレッサ等の無駄な運転や、無駄な水素の消費を抑制することができる。また、例えば排出される水素を燃焼する燃焼器を備える燃料電池システムでは、燃焼器の着火不良を招くことがなく、良好な燃焼状態を得ることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した燃料電池システムの具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料電池システムの主要部分の構成を示すものである。図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、水素及び空気の供給により発電を行う燃料電池スタック1を備える。
【0017】
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給される水素極と酸化剤ガスである空気(酸素)が供給される空気極とが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。この燃料電池スタック1の各発電セルでは、水素極に供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
【0018】
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
【0019】
燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1の各発電セルの電圧をモニタリングするためのセル電圧モニタ(電圧検出手段)2が接続されている。燃料電池スタック1は、このセル電圧モニタ2により各燃料電池セルの電圧がモニタリングされることによって、その発電状態が監視されるようになっている。
【0020】
燃料電池スタック1で発電を行うには、燃料ガスである水素や酸化剤ガスである空気を各発電セルの水素極や空気極に供給する必要があり、燃料電池システムでは、そのための機構として水素供給系及び空気供給系が設けられている。
【0021】
水素供給系は、例えば、水素タンク3、圧力制御弁4、水素供給配管5、エゼクタ6を備える。そして、水素供給源である水素タンク3から供給される水素が、圧力制御弁4で減圧され、水素供給配管5及びエゼクタ6を通って燃料電池スタック1の水素極に送り込まれるようになっている。
【0022】
燃料電池スタック1では供給された水素が全て消費されるわけではなく、残った水素(燃料電池スタック1の水素極から排出される水素)は、新たに水素タンク3から供給される水素とエゼクタ6にて混合されて、再度燃料電池スタック1の水素極に供給される。このため、燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1から水素を排出するための水素排気配管7が接続され、この水素排気配管7の中途位置から水素循環配管8が分岐されて、燃料電池スタック1から排出される水素が水素循環配管8を通ってエゼクタ6に環流されるようになっている。エゼクタ6は、水素供給配管5を流れる水素の流体エネルギを利用して、水素循環配管8を流れる水素を循環させる。
【0023】
また、水素排気配管7の水素循環配管8が分岐される中途位置の下流側には、パージ弁9が設けられている。このパージ弁9は、水素パージを行う際に開放されるもので、このパージ弁9が開放されることで、燃料電池スタック1内及び水素循環配管8内の水素が水素排気配管7の下流側へと排出され、後述する燃焼器14へと導かれることになる。上述したように水素を循環させて使用する場合、水素の循環に伴って系内に窒素やCO等の不純物質が蓄積される場合があり、不純物質が過度に蓄積されると水素分圧が降下して燃料電池スタック1の効率低下に繋がるので、このような場合には、パージ弁9を開放して水素をパージすることで、不純物質を水素と共に系外に排出する。
【0024】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、システム起動時においても、このパージ弁9が開放されて、系内の水素を含むガスが水素排気配管7の下流側へと排出され、後述する燃焼器14へと導かれるようになっている。
【0025】
一方、空気供給系は、外気を吸入して燃料電池スタック1の空気極に空気を圧送するためのコンプレッサ10及び空気供給配管11を備え、コンプレッサ10によって空気供給配管11内に空気が送り込まれて、燃料電池スタック1の空気極へと供給されるようになっている。
【0026】
また、燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1から空気を排出するための空気排気配管12が接続されており、燃料電池スタック1で消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、空気排気配管12を通して後述する燃焼器14へと導かれるようになっている。また、空気排気配管12には圧力制御弁13が設けられており、この圧力制御弁13の動作によって、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力が所望の圧力に制御される。
【0027】
本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からの排ガス(排水素及び排空気)を処理するための燃焼器14が設置されており、上述した水素排気配管7及び空気排気配管12は、何れもこの燃焼器14に接続されている。具体的には、この燃焼器14は、水素排気配管7のパージ弁9が設けられた位置よりも更に下流位置であって、空気排気配管12の圧力制御弁13が設けられた位置よりも更に下流位置に配置されている。この燃焼器14は、内部に酸化触媒を備えており、その触媒暖機の為、例えば通電によって発熱する電熱線を用いた電気ヒータ等が設けられている。また、燃焼器14での燃焼による熱エネルギ回収のため、燃焼器14の近傍には熱交換器15が設けられている。
【0028】
また、空気供給系には、燃料電池スタック1に供給する空気を加湿するための加湿手段が設けられている。この加湿手段は、空気供給配管11の中途部に設けられる加湿器16と、空気排気配管12の圧力制御弁13の上流位置に設けられ燃料電池スタック1で生成した水等を回収する水分凝縮装置17、回収された回収水を収容する水タンク18、加湿水を循環供給する水循環経路19、水循環経路19に設けられるバルブ20及びポンプ21とから構成されている。
【0029】
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を冷却する冷却機構が設けられている。例えば、固体高分子電解質型の燃料電池スタック1は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、過熱時にはこれを冷却することが必要となる。冷却機構は、冷媒を循環させる冷却液循環配管22及び冷却液ポンプ23を有し、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した冷却液を循環させて燃料電池スタック1を冷却し、これを最適な温度に維持する。
【0030】
冷却機構の冷却液循環配管22内には、ラジエータ24が設けられており、燃料電池スタック1の冷却により加熱された冷却液は、ここで冷却される。また、ラジエータ24と並列にバイパス配管25が設けられるとともに、分岐部分にサーモスタット三方切り替え弁26が設けられており、冷却液の温度に応じてこの三方切り替え弁26が動作することで、冷却液の流路が切り替えられる。なお、三方切り替え弁26が冷却液の流路を切り替える温度は、例えば40℃に設定される。
【0031】
以上のような冷却機構において、燃料電池スタック1で発生した熱は、冷却液循環配管22を流れる冷却水によって持ち去られ、ラジエータ23で外部に放出される。また、バイパス配管25を流れる冷却液は、図1中A部において上述した加湿手段の水タンク18に導かれて加湿水の暖機促進に用いられ、また図1中B部において燃焼器14の近傍に設けられた熱交換器15に導かれて、燃焼器14の熱の回収に用いられる。
【0032】
また、本実施形態の燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1に温度センサ27が設けられ、燃料電池スタック1の空気極入口に温湿度センサ28が設けられ、加湿手段の水タンク18には温度センサ29が設けられている。また、外気温度センサ30が適所に設けられるとともに、これら各センサからの情報、及び燃料電池スタック1に接続された上述したセル電圧モニタ2からの情報に基づいて各種制御を行うコントロールユニット31を備えている。このコントロールユニット31は、例えばCPUやROM、RAM、CPU周辺回路等を備え、これらがバスを介して接続されたマイクロプロセッサ構成を有している。
【0033】
以上の構成を有する燃料電池システムにおいては、水素タンク3からの水素と水素循環配管8を通る水素とがエゼクタ6にて混合され、燃料電池スタック1の水素極に供給される。燃料電池スタック1を通過した水素は、通常、水素循環配管8を通過してエゼクタ6に導かれ、新たに水素タンク3から送り込まれる水素と混合されて再度燃料電池スタック1に供給される。
【0034】
水素循環配管8内の窒素やCO等の不純物濃度が高くなった場合や、システム起動時には、パージ弁9が開放されることにより水素(水素を含むガス)が水素排気配管7の下流側に排出されて、燃焼器14に導かれる。このパージ弁9の開放によって排出された水素は、空気極からの排ガスと混合されて燃焼器14で燃焼、浄化され、外部(例えば車外)に排出される。
【0035】
外気を吸入、圧送するコンプレッサ10により空気供給配管11内に圧送された空気は、空気供給配管11の経路中に設けられた加湿器16で加湿されて、燃料電池スタック1の空気極に供給される。燃料電池スタック1で生成された水は、その下流に設けられた水分凝縮装置17にて凝集されて回収され、バルブ20を経由して水タンク18に導かれる。
【0036】
加湿手段のポンプ21はコントロールユニット31からの指令によってオン、オフ及び回転数制御され、加湿器16に、水タンク18から流出した水を圧送している。燃料電池スタック1の運転に必要な加湿量は、この加湿器16によって供給される。また、加湿量をコントロールユニット31で監視するため、加湿器16を通過後の湿度を温湿度センサ28により計測している。
【0037】
燃料電池スタック1の発熱に対する冷却手段としては、冷却液として水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入したものを使用し、冷却液循環配管22を通して燃料電池スタック1の内部に流すことで冷却を行う。燃料電池スタック1の熱を奪った冷却液は、三方切り替え弁26によってその流路が切り替えられ、ラジエータ24を通過する流路とラジエータ24を迂回してバイパス配管25を通る流路の何れかを流れる。
【0038】
ラジエータ24は、さらに、コントロールユニット31の信号に基づいて、図示しないラジエターファンにより出口水温が所望の温度になるように温度調整する。また、冷却液循環配管22には冷却液ポンプ23が備えられ、燃料電池スタック1に設けられた温度センサ27の出力に応じてコントロールユニット31で判断された流量となるように、冷却液ポンプ23によって冷却液が圧送されて、燃料電池スタック1に送られる。
【0039】
バイパス配管25は、加湿手段の水タンク18に接続され(図1中A部)、水タンク18内部の熱交換部で熱交換することにより加湿水の暖機を促進する。次いで、燃焼器14近傍の熱交換器15に導かれ(図1中B部)、燃焼器14で燃焼された熱を交換し、冷却液に伝達する。その後、再度バイパス配管25に戻るように接続されている。
【0040】
コントロールユニット31は、外気温度センサ30の入力と合わせて、セル電圧モニタ2や温度センサ27等、各種センサからの入力信号が入力され、またその入力値に対する判断、演算結果により、各種制御信号を出力する。本実施形態の燃料電池システムにおいては、このコントロールユニット31が起動制御手段として機能し、システム起動時における制御を実現している。
【0041】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおいて、コントロールユニット31により制御される水素供給及び空気供給の動作の詳細について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
先ず、燃料電池システムが起動されると(ステップS1)、各種センサからの情報がコントロールユニット31に読み込まれる(ステップS2)。次いで、コントロールユニット31により、外気温度センサ30の測定値が所定の閾値Tth3未満であるか否かが判断される(ステップS3)。ここでの閾値Tth3は、例えば20℃に設定される。
【0043】
ステップS3での判断の結果、外気温度センサ30の測定値が閾値Tth3未満の場合、触媒活性不良の可能性があるので、燃焼器14の電気ヒータが通電されて、触媒活性の促進が図られる(ステップS4)。一方、ステップS3での判断の結果、外気温度センサ30の測定値が閾値Tth3以上の場合は、触媒は活性が良好なので、電気ヒータによる加熱は行われずに、ステップS5へ進む。
【0044】
次に、コントロールユニット31によって水素タンク3及び圧力制御弁4の動作が制御され、水素の供給が開始される(ステップS5)。ここでは、例えば、5L/分の流量で水素の供給が開始される。なお、空気供給配管11内はシステム停止中から当然空気で満たされているので、この時点では、まだコンプレッサ10の運転を行う必要はない。
【0045】
次に、コントロールユニット31によってセル電圧モニタ2の検出値から燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが求められ、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが所定の閾値Vth1を越えたか否かが判断される(ステップS6)。ここでの閾値Vth1は例えば0.05Vに設定され、燃料電池スタック1のセル電圧の上昇が開始されたか否かが、この閾値Vth1を用いたセル平均電圧Vtの判断で代用して検出される。
【0046】
次に、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが閾値Vth1を越えた段階、すなわち、燃料電池スタック1のセル電圧の上昇が開始された段階で、コントロールユニット31によってコンプレッサ10及び圧力制御弁13の動作が制御され、空気の供給が開始される(ステップS7)。ここでの空気供給量は、ステップS5で供給される水素の燃焼が可能で且つコンプレッサ10で流せる最小流量と、触媒の特性とに基づいて決定すればよく、例えば50L/分程度の流量とされる。
【0047】
次に、コントロールユニット31によって、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが閾値Vth2を越えたか否か、及び電圧上昇速度dV/dTが所定値dVthを越えたか否かが判断される(ステップS8)。ここでの閾値Vth2は例えば0.5Vに設定され、所定値dVthは例えば0.5V/secに設定される。ここでは、これら燃料電池スタック1の電圧状況から、水素濃度が急速に高まったことを検出している。
【0048】
次に、燃料電池スタック1のセル平均電圧Vtが閾値Vth2を越え、且つ電圧上昇速度dV/dTが所定値dVthを越えた段階、すなわち、水素濃度が急速に高まった段階で、コントロールユニット31によって、水タンク18に設置された温度センサ29の検出値が、所定値Tth2を越えているか否かが判断される(ステップS9)。ここでの所定値Tth2は、例えば10℃に設定される。ここでは、水タンク18内の純水が氷点に近いか否かによって寒冷地等での起動であるかどうかを判断しており、寒冷地等での起動であると判断される場合には、燃料電池スタック1の暖機促進を図る必要があるので、ステップS10にて燃焼器14での水素燃焼により得られる熱エネルギで燃料電池スタック1の暖機を促進する。一方、水タンク18内の純水温度が高い場合には、常温の起動終了として、後述する通常運転(ステップS12)に移行する。
【0049】
ステップS10では、コントロールユニット31による制御に応じて空気及び水素の流量が増加され、燃焼器14における水素燃焼量を増加させて燃料電池スタック1の暖機促進が図られる。ここでの空気流量は例えば1000L/分、水素流量は例えば50L/分に設定される。ここでの流量設定は、燃焼器14に応じて最適な値を設定すればよく、またこの間、燃料電池スタック1での発電を実施する場合には、さらにその必要流量を加算すればよい。
【0050】
次に、コントロールユニット31によって、水タンク18に設置された温度センサ29の検出値が、所定値Tth1を越えたか否かが判断される(ステップS11)。そして、温度センサ29の検出値が所定値Tth1を越えた段階で暖機促進が完了し、後述する通常運転(ステップS12)に移行する。ここでの温度所定値Tth1は例えば3℃に設定され、水タンク18内の純水が解凍したか否かによって暖機促進の終了を判断している。なお、ここでの温度所定値Tth1をステップS9での判断と同様の値として、純水の解凍完了後に更に所定時間暖機促進を継続させるようにしてもよい。
【0051】
なお、以上の動作フローでは、燃料電池スタック1のセル電圧の代表的な値としてセル平均電圧を用いたが、特定の1つ若しくは複数のセルの電圧を使用しても構わないし、また特定の1つ若しくは複数のセル電圧の平均値等の演算結果を用いても構わない。
【0052】
次に、ステップS12における通常運転動作について、本実施形態の燃料電池システムを車両の駆動源として用いた場合を例に挙げて簡単に説明する。
【0053】
通常運転とは、コントロールユニット31が運転者のアクセル開度に応じた出力(=電力)に相応な燃料電池スタック1への水素供給量及び空気供給量を算出し、これに応じて水素供給系や空気供給系を制御して、燃料電池スタック1の水素極側に必要量の水素供給を行い、燃料電池スタック1の空気極側には必要量の空気供給を行う運転状態である。また、このとき、加湿手段により燃料電池スタック1に供給される空気が加湿され、燃料電池スタック1が加湿されるとともに、冷却機構によって燃料電池スタック1の温度がコントロールされる。
【0054】
通常運転では、温湿度センサ28により燃料電池スタック1の空気極入口の湿度が監視されており、万一加湿量が不足するような場合には、燃料電池スタック1の運転圧力を上昇させるとともに、加湿器16の圧力も上昇させて、加湿不足とならないよう制御される。また、冷却機構のポンプ23の動作がコントロールユニット31により制御され、燃料電池スタック1の発熱量に応じた流量で燃料電池スタック1に流通すべく冷却液の流量が調整される。この冷却液の流量は、燃料電池スタック1に設けられた温度センサ27の検出値に応じて補正される。このとき、燃料電池スタック1の温度がごく低温である場合には、ラジエータ24を通過させず、バイパス通路25を通過させるように三方切り替え弁26により冷却液の流路が切り替えられる。ラジエータ24の出口温度は、燃料電池スタック1の温度センサ27で検出された温度に応じて、図示しないラジエータファンの回転数を制御することにより、略一定温度を保つように制御されている。
【0055】
運転中は、燃料電池スタック1の空気極側の空気供給系では、水分凝縮装置17により燃料電池スタック1から排出された空気中の水分が凝縮回収され、水循環経路19を通して水タンク18へ導かれて加湿用水として貯蔵される。
【0056】
燃料電池スタック1の水素極側の水素供給系では、燃料電池スタック1からの排気は水素循環配管8及びエゼクタ6により循環されているが、燃料電池スタック1の電解質膜の透過等により空気中の窒素等の不純物濃度が次第に増加するため、所定間隔毎にパージ弁9を開弁することで、水素循環配管8内の水素をパージし、その下流の燃焼器14で空気と混合して燃焼し、浄化して排気する。以上のような通常時動作により、運転者のアクセル操作に応じた電力が燃料電池システムから出力され、駆動モータに供給されて車両が駆動される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムにおいては、システム起動時に水素供給を開始させた後、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミングを変化させており、水素濃度の変化を検出してから空気供給を開始させているので、水素と空気が燃焼器14に達する時期をほぼ同時期とすることができ、このため無駄にコンプレッサ10を運転することも無く、また燃焼器14に過剰な空気を供給して着火不良を招くことがなく、燃焼器14での燃焼を良好な状態で行うことができる。
【0058】
また、燃焼器14に過剰な空気を供給して燃焼器14を冷却してしまうことがないため、電気ヒータ等による電力消費量を抑制することもできる。
【0059】
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、システム起動時に水素供給を開始させた後、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて空気供給流量を変化させ、例えば初期に少量の水素を供給して燃料電池スタック1の電圧が変化した後、空気流量を増加させることで、初期のコンプレッサ10の無駄な運転をより抑制することができ、且つ起動時間を短くすることができる。同様に、初期に少量の水素を供給して燃料電池スタック1の電圧が変化した後、水素流量を増加させることで、無駄に排出する水素量をさらに減少させることができる。
【0060】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の電圧の状況として、セル電圧が上昇し始めた時点を検出して制御するようにしているので、水素濃度の変化をいち早く検出することが可能となり、起動時間の促進、無駄な水素の排出の抑制を効果的に実現することができる。さらに、燃料電池スタック1の電圧の状況として、スタック電圧の上昇の傾きを検出して制御するようにしているので、水素濃度の変化度合いを検出することができ、水素供給系の配管内が水素で置換されたことを確実に検出することができる。さらにまた、燃料電池スタック1の電圧の状況として、セル電圧が所定値以上に達した時期を検出しているので、一般的な制御方法を用いて比較的容易に水素濃度の変化を検出することができる。
【0061】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からの排水素を循環させる水素循環配管8を設け、パージ弁9の開閉によって燃料電池スタック1からの排水素が水素循環配管8を循環させるか排出させるかを切り替えるようにしているので、通常運転時の水素利用効率を高めることができると共に、起動時に水素濃度の変化を検出し難いという水素循環系の弱点を補い、水素濃度の変化を正確に検出することができ、その下流に配した燃焼器14での良好な着火性を得ることができる。
【0062】
(第2の実施形態)
本実施形態は、燃焼器14をバイパスさせて空気を排出させる流路を設けることで、燃焼器14に供給される空気流量を制御可能としたものである。すなわち、本実施形態の燃料電池システムでは、図3に示すように、上述した第1の実施形態の燃料電池システムの構成に加えて、空気の燃焼器バイパス配管40及びバイパス流量調整弁41が付与されている。その他の構成は上述した第1の実施形態の燃料電池システムと同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0063】
第1の実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の電圧の状況に応じて空気流量をコンプレッサ10により変化させるようにしていたが、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサ10による流量変化に加えて、燃焼器バイパス配管40を流れる空気流量をバイパス流量調整弁41で調整することによって、燃焼器14へ流入する空気流量を制御可能としている。このような構成とすることで、燃料電池スタック1で要求される空気流量が、燃焼器14での要求流量より多い場合についても、双方に最適な流量を与えることができる。
【0064】
また、図2に示したフローチャートでは、ステップS7で空気の供給を開始しているが、このときバイパス流量調整弁41を開放することで、コンプレッサ10の最小流量より少ない空気を燃焼器14に供給することが可能となる。また、空気供給配管11内や燃料電池スタック1内の空気極側に凝縮水が存在する場合等においては、燃料電池スタック1の起動に備えて空気側のパージを行うことが有効であるが、このような場合には、燃料電池スタック1へはある程度多い量の空気を供給し、燃焼器14には着火性に最適な量を供給することも可能となる。
【0065】
なお、本実施形態の燃料電池システムでは、燃焼器バイパス配管40を流れる空気流量をバイパス流量調整弁41で調整することによって、燃焼器14へ流入する空気流量を制御するようにしているが、これに加えて、燃焼器14に流入する空気量を積極的に制限する手段を設けるようにしてもよい。この場合には、コンプレッサ10による流量変化や燃焼器バイパス配管40を流れる空気流量の調整に加えて、必要に応じて燃焼器14への空気流入量を積極的に制限することで、燃焼器14に流入する空気流量の制御幅をさらに拡大することができる。
【0066】
また、燃料電池スタック1の空気極出口と燃焼器14との間の配管中、すなわち空気極排気配管12の燃焼器14よりも上流位置に、燃料電池スタック1から排出される空気以外の空気を導入可能な手段、例えば第2のコンプレッサを設けるようにしてもよい。この場合には、燃焼器14の状態に合わせて燃料電池スタック1へ供給する空気量を変化させることなく、第2のコンプレッサから最適な流量の空気を燃焼器14に流入させることができ、燃焼器14の着火性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の燃料電池システムにおける水素供給及び空気供給動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 セル電圧モニタ
3 水素タンク
5 水素供給配管
7 水素排気配管
8 水素循環配管
9 パージ弁
10 コンプレッサ
11 空気供給配管
12 空気排気配管
14 燃焼器
31 コントロールユニット
Claims (12)
- 水素及び空気の供給により発電を行う燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに水素を供給する水素供給手段と、
前記燃料電池スタックに空気を供給する空気供給手段と、
前記燃料電池スタックの電圧を検出する電圧検出手段と、
起動時に、前記燃料電池スタックへの水素供給を開始させた後、前記燃料電池スタックの電圧の状況に応じて、空気供給開始タイミング、空気供給流量、水素供給流量のうちの少なくとも1以上を変化させる起動制御手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記起動制御手段は、前記燃料電池スタックの電圧が上昇し始めた時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記起動制御手段は、前記燃料電池スタックの電圧上昇の傾きが所定以上となった時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記起動制御手段は、前記燃料電池スタックの電圧が所定電圧以上となった時に、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタックに接続された水素排気配管及び空気排気配管と、これら水素排気配管及び空気排気配管に接続された燃焼器とを更に備えることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。
- 前記水素排気配管の中途位置から分岐され、前記燃料電池スタックから排出された水素を循環させて前記燃料電池スタックに再度供給する水素循環路と、この水素循環路が分岐される中途位置より前記水素排気配管の下流側に設けられたパージ弁とを更に備え、
前記燃焼器は、前記水素排気配管の前記パージ弁よりも更に下流位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。 - 前記燃焼器を加熱する加熱手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
- 外気温度センサを更に備え、
前記起動制御手段は、前記外気温度センサによる測定値が所定温度未満の場合、前記加熱手段により前記燃焼器を加熱することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。 - 純水タンクと、この純水タンクに貯留される純水で前記燃料電池スタックに供給される空気を加湿する加湿手段とを更に備えることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
- 前記純水タンクの水温を測定する純水タンク温度センサを更に備え、
前記起動制御手段は、空気供給開始、空気供給流量増加、水素供給流量増加のうちの少なくとも1以上を行った後、前記純水タンク温度センサによる測定値が所定温度未満の場合、空気及び水素の流量を増加させ、前記測定値が所定温度以上になるまで燃焼器での燃焼量を増加させて暖機の促進を行うことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。 - 前記空気排気配管に、前記燃焼器をバイパスするバイパス配管及びバイパス流量を調整するバイパス流量調整弁が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
- 前記空気排気配管の前記燃焼器の上流位置に、前記燃料電池スタックからの排気以外の空気を導入する空気導入手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
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