JP2004182762A - コンクリ−ト保護材料、コンクリ−ト保護層の製造方法および表面処理されたコンクリ−ト - Google Patents
コンクリ−ト保護材料、コンクリ−ト保護層の製造方法および表面処理されたコンクリ−ト Download PDFInfo
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Abstract
【課題】施工時の硬化収縮による内部応力及び施工後の気温の変化など熱衝撃による塗膜のひび割れ、はがれ等の発生を防止し、かつ耐アルカリ性などの耐久性に優れたコンクリ−ト保護材料、コンクリ−ト保護層の製造法及び表面処理されたコンクリ−トを提供する。
【解決手段】(A)(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルと(d)
一般式(I)
【化1】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモルおよび(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポリエステル。
【選択図】 なし。
【解決手段】(A)(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルと(d)
一般式(I)
【化1】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモルおよび(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポリエステル。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリ−ト保護材料、さらに詳しくはコンクリ−ト表面に塗布される硬化可能なコンクリ−ト保護材料、これを用いたコンクリ−ト保護層の製造法および表面処理されたコンクリ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木、建築分野において、コンクリ−ト構造物の劣化防止の方法として、表面に塗料の吹付けや樹脂をライニングする方法が広く採用されている。しかし、塗料を用いた場合には、一般的に塗料樹脂の分子量が低く、また溶剤が塗膜内に残る場合があるため、耐アルカリ性や耐水性などの耐久性が低下するという欠点があった。この欠点に対処するため、ビスフェノ−ルAプロピレンオキシドなどの多価アルコ−ル成分を用いた不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。
【0003】
しかし、これらの樹脂の場合には上記欠点は解決されるが、施工時の硬化収縮による内部応力の発生および施工後の気温の変化などによる熱衝撃によってひび割れ、はがれ等が発生するという問題がある。このような内部応力の発生やひび割れ、はがれ等の発生を防止する方法として、樹脂の反応性を低下させ、また樹脂成分である酸とグリコ−ル成分の一部を変更して樹脂の軟質化を図り、硬化物の伸びを大きくするという方法がとられているが、この場合には、耐アルカリ性および耐水性が低下するという問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術の問題を解決し、施工時の硬化収縮による内部応力及び施工後の気温の変化など熱衝撃による塗膜のひび割れ、はがれ等の発生を防止し、かつ耐アルカリ性などの耐久性に優れたコンクリ−ト保護材料、コンクリ−ト保護層の製造法及び表面処理されたコンクリ−トを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のものに関する。
(1) (A)(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルと(d)
一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモルおよび(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポリエステル
(B)分子中に重合性二重結合を有するエチレン性不飽和単量体および
(C)ガラスフレ−クを含み、かつ(C)の配合量が(A),(B)および(C)の総量に対して20〜40重量%であるコンクリ−ト保護材料。
(2) 上記(1)記載のコンクリ−ト保護材料をコンクリ−トの表面に塗布し、硬化することを特徴とするコンクリ−ト保護層の製造法。
(3) 上記(1)記載のコンクリ−ト保護材料で表面処理されたコンクリ−ト。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、コンクリ−トとは、コンクリ−ト、セメントモルタル等を含む材料を意味し、その表面にコンクリ−ト保護材料をスプレ−、ロ−ラ−及びハケなどを用いて公知の方法によって塗布され、硬化させて保護層とされる。
本発明に用いられる不飽和ポリエステル(A)は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物cモルと
(d)一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモルおよび(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1及びまたは(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られる。
a/(a+b+c)が0.05/1未満では、耐アルカリ性が低下し、 a/(a+b+c)が0.7/1を超えた場合は、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレ−、ロ−ラ−及びハケなどによる作業性を著しく低下させる。
そのため、a/(a+b+c)は0.5/1以下であることが好ましい。
本発明に(a)成分として用いるポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト(以下、PENと略す。)は成形前のポリマ−素材でなくてもかまわない。例えば、PEN製造時に発生する
端物屑、フィルムボトル等のPEN成型品、その生産工程で発生する端物屑不良品等の廃棄対象物、回収された使用済みのフィルム、ボトルでも使用可能である。フィルム、ボトル等の回収品を使用する場合は、多価アルコ−ル分解がすみやかに進むように、30mm角以下、好ましくは10mm角以下に破砕し、洗浄、乾燥しておくことが好ましい。
PENの1モルとは、繰り返し単位を示し、分子量242に相当する。
次に本発明における不飽和ポリエステル樹脂(A)は、一般式(I)
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体も必須成分であり、これは、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1の範囲で配合するのが好ましく、0.2/1〜7/1の範囲で配合することがさらに好ましい。(a+d)/(a+b+c)が1未満では、耐候性が低下し、0.9/1を超えると耐候性は向上するが、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレ−、ロ−ラ及びハケなどによる作業性を著しく低下させる傾向がある。
(b)成分の不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物はbモル用いられ、これらの例としては、マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などを用いることができる。これらは、2種類以上を併用することもできる。
【0013】
不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、b/(a+b+c)が0.1/1〜0.95/1の範囲で使用するのが好ましく、0.3/1〜0.9/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。これらの使用量が少なすぎると耐水性が低下して保護材料表面にひび割れが発生し、0.95/1を超えるとPEN及び水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体を使用する効果がなくなり、保護材料の耐候性及び靭性が低下しコンクリ−ト界面で剥離が発生する。
【0014】
また、(c)成分の飽和二塩基酸および/またはその酸無水物をcモル用いることもでき、これらの例としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、こはく酸、アゼライン酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ロジン−無水マレイン酸付加物、クロレンディック酸、無水クロレンディック酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸などを挙げることができる。これらは2種類以上を併用してもよい。飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、c/(a+b+c)が0/1〜0.85/1の範囲で使用するのが好ましく、0/1〜0.65/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。
【0015】
さらに、本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコ−ルも必須成分であり、これは(a+d)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1の範囲で配合するが好ましくは、1.03/1から1.2/1の範囲で配合することがさらに好ましい(a+d)/(a+b+c)が1.0/1未満では、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−トの解重合が起こり難くなる傾向であり、1.5/1を超えると硬化性が低下する。
【0016】
本発明に使用する多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、イソペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルプロパン等を使用することができる。
【0017】
また、重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ジアリルフタレ−ト、アクリルニトリル、酢酸ビニル等を使用できる。
不飽和ポリエステル(A)と重合性二重結合を有するエチレン性不飽和単量体(B)の配合割合は、重量比で(A):(B)=75:25〜35:65が好ましい。
【0018】
本発明に用いられるガラスフレ−ク(C)としては、種類、粒径、処理剤等の制限はなく、例えば市販品としては日本ガラス繊維社製商品名RCF−140などが挙げられる。
ガラスフレ−ク(C)の使用量は(A)及び(B)の総量に対して20〜40重量%とされる。この使用量が20重量%未満ではコンクリ−ト保護材料がタレて均一な造膜性が得られず、40重量%を超えると硬化物が脆く、強靭な保護層が得られない。
【0019】
コンクリ−ト保護材料の硬化剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、t−ブチルパ−オクトエ−ト、ベンゾイルパ−オキシド、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ハイドロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド等の有機過酸化物などが用いられる。さらにこれらの硬化剤は、必要に応じて例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の金属石鹸類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類などの硬化促進剤と組み合わせて用いることが出来る。
【0020】
本発明のコンクリ−ト保護材料には、必要に応じて、ハイドロキノン等の重合禁止剤などの添加剤を添加することができる。またライニング層を着色する場合には、市販の有機または無機の染料または顔料、パラフィンワックス等の空乾性付与剤、揺変性付与剤などを使用することもできる。
【0021】
本発明になるコンクリ−ト保護材料は、コンクリ−ト、セメントモルタル等の表面にスプレ−、ロ−ラ−、ハケなどを用いて公知の方法によって塗布され、硬化されて保護層とされる。硬化の際には必要により加熱してもよい。コンクリ−ト保護材料の塗布または施工時の温度は、通常0〜40℃であり、夏、冬の気温差によって反応促進剤や重合禁止剤の添加量によりポットライフを調整することが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において、部とあるのは重量部を示す。
【0023】
実施例1
プロピレングリコ−ル857g(11.2モル)、水添化ビスフェノ−ルAプロピレンオキシド誘導体1054g(ビスオ−ルH−3PN 2.93モル,東邦千葉化学工業(株)商品名)、PEN355g(1.47モル、成分として含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸換算、以下同じ)、t−ブチルチタネ−ト0.355g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸487g(2.93モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィ−を用いてポリスチレン換算で求められるもの、以下同様)は、680であった。
【0024】
180℃の温度で、無水マレイン酸1,006g(10.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応を止め不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140、日本ガラス繊維社商品名)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(1)とした。
【0025】
実施例2
プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、ビスオ−ルH−3PN 1,620g(5.0モル)、PEN 914g(4.2モル)、t−ブチルチタネ−ト 0.914g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。
この解重合体の数平均分子量は、690であった。
【0026】
180の温度で、無水マレイン酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が22KOHmg/gになったところで反応を止め、不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(2)とした。
【0027】
比較例1
無水マレイン酸887g(7モル)、イソフタル酸644g(3モル)及びプロピレングリコ−ル1081g(11モル)を温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを通しながら210℃で25時間反応させて不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(3)とした。
【0028】
比較例2
フマ−ル酸740g(10モル)およびビスフェノ−ルAプロピレンオキシド誘導体2260g(11モル、ニュ−ポ−ルBP−2P、三洋化成工業社製商品名、m+nの平均値は2)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを通しながら210℃で15時間反応させて不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(4)とした。
【0029】
比較例3
エピコ−ト828 1124g(7モル、油化シェルエポキシ社製商品名、エポキシ樹脂)、エピコ−ト1001 1141g(3モル、油化シェルエポキシ社製商品名)、メタクリル酸735g(20モル)、ドデシルベンジルアンモニウムクロライド845ppmおよび85ppmを、攪拌機、コンデンサ、温度計を有する四つ口フラスコに仕込み、110℃で常法により10時間反応させてビニルエステル樹脂を得た。このビニルエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(5)とした。
【0030】
〈試験例〉
次に、得られたコンクリ−ト保護材料(1)〜(5)のそれぞれ100部にナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部、ジメチルアニリン0.1部および硬化剤(メチルエチルケトンパ−オキシド55重量%溶液)1.0部を添加混合した。これらをJIS A 6909(薄付け仕上げ塗料)の5.2に準じ、試験用基板に金ゴテを用いて厚さ2mmに塗り付け25℃で7日放置した後、これらの試験片をJIS A 6909の5.8(付着強さ試験)、5.9(温冷繰り返し試験)、5.13(耐アルカリ性試験)、5.14(耐候性試験)の試験方法に準じ、付着強さ、耐ひび割れ、耐はがれ性、耐アルカリ性および耐候性を測定した。その特性を第1表に示す。
【0031】
耐候性については、変色(色差ΔEで評価)、ひび割れ及びはがれについて評価した。変色は、JIS Z 8730(スガ試験機社製カラ−コンピュ−タ、型式SM−3使用)に準じ、耐候性試験前と試験後のコンクリ−ト保護材料表面の色差で評価し、ひび割れ及びはがれは肉眼によってその有無を観察した。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から、本発明のコンクリ−ト保護材料より得られるコンクリ−ト保護層は、付着性、耐ひび割れ性、耐熱衝撃性、耐アルカリ性および耐候性に優れることが示される。
【0034】
【発明の効果】
本発明のコンクリ−ト保護材料によれば、施工時の硬化収縮による内部応力および施工後の気温の変化などの熱衝撃による塗膜のひび割れ、はがれ等の発生を防止することができ、かつ耐候性、耐アルカリ性などの耐久性に優れたコンクリ−ト保護層が得られ、従って、耐劣化性に優れたコンクリ−ト構造物や各種コンクリ−トを得ることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリ−ト保護材料、さらに詳しくはコンクリ−ト表面に塗布される硬化可能なコンクリ−ト保護材料、これを用いたコンクリ−ト保護層の製造法および表面処理されたコンクリ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木、建築分野において、コンクリ−ト構造物の劣化防止の方法として、表面に塗料の吹付けや樹脂をライニングする方法が広く採用されている。しかし、塗料を用いた場合には、一般的に塗料樹脂の分子量が低く、また溶剤が塗膜内に残る場合があるため、耐アルカリ性や耐水性などの耐久性が低下するという欠点があった。この欠点に対処するため、ビスフェノ−ルAプロピレンオキシドなどの多価アルコ−ル成分を用いた不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。
【0003】
しかし、これらの樹脂の場合には上記欠点は解決されるが、施工時の硬化収縮による内部応力の発生および施工後の気温の変化などによる熱衝撃によってひび割れ、はがれ等が発生するという問題がある。このような内部応力の発生やひび割れ、はがれ等の発生を防止する方法として、樹脂の反応性を低下させ、また樹脂成分である酸とグリコ−ル成分の一部を変更して樹脂の軟質化を図り、硬化物の伸びを大きくするという方法がとられているが、この場合には、耐アルカリ性および耐水性が低下するという問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術の問題を解決し、施工時の硬化収縮による内部応力及び施工後の気温の変化など熱衝撃による塗膜のひび割れ、はがれ等の発生を防止し、かつ耐アルカリ性などの耐久性に優れたコンクリ−ト保護材料、コンクリ−ト保護層の製造法及び表面処理されたコンクリ−トを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のものに関する。
(1) (A)(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルと(d)
一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモルおよび(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポリエステル
(B)分子中に重合性二重結合を有するエチレン性不飽和単量体および
(C)ガラスフレ−クを含み、かつ(C)の配合量が(A),(B)および(C)の総量に対して20〜40重量%であるコンクリ−ト保護材料。
(2) 上記(1)記載のコンクリ−ト保護材料をコンクリ−トの表面に塗布し、硬化することを特徴とするコンクリ−ト保護層の製造法。
(3) 上記(1)記載のコンクリ−ト保護材料で表面処理されたコンクリ−ト。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、コンクリ−トとは、コンクリ−ト、セメントモルタル等を含む材料を意味し、その表面にコンクリ−ト保護材料をスプレ−、ロ−ラ−及びハケなどを用いて公知の方法によって塗布され、硬化させて保護層とされる。
本発明に用いられる不飽和ポリエステル(A)は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物cモルと
(d)一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモルおよび(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1及びまたは(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られる。
a/(a+b+c)が0.05/1未満では、耐アルカリ性が低下し、 a/(a+b+c)が0.7/1を超えた場合は、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレ−、ロ−ラ−及びハケなどによる作業性を著しく低下させる。
そのため、a/(a+b+c)は0.5/1以下であることが好ましい。
本発明に(a)成分として用いるポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト(以下、PENと略す。)は成形前のポリマ−素材でなくてもかまわない。例えば、PEN製造時に発生する
端物屑、フィルムボトル等のPEN成型品、その生産工程で発生する端物屑不良品等の廃棄対象物、回収された使用済みのフィルム、ボトルでも使用可能である。フィルム、ボトル等の回収品を使用する場合は、多価アルコ−ル分解がすみやかに進むように、30mm角以下、好ましくは10mm角以下に破砕し、洗浄、乾燥しておくことが好ましい。
PENの1モルとは、繰り返し単位を示し、分子量242に相当する。
次に本発明における不飽和ポリエステル樹脂(A)は、一般式(I)
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、mおよびnはmとnの平均値が2.5〜5.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体も必須成分であり、これは、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/1の範囲で配合するのが好ましく、0.2/1〜7/1の範囲で配合することがさらに好ましい。(a+d)/(a+b+c)が1未満では、耐候性が低下し、0.9/1を超えると耐候性は向上するが、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレ−、ロ−ラ及びハケなどによる作業性を著しく低下させる傾向がある。
(b)成分の不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物はbモル用いられ、これらの例としては、マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などを用いることができる。これらは、2種類以上を併用することもできる。
【0013】
不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、b/(a+b+c)が0.1/1〜0.95/1の範囲で使用するのが好ましく、0.3/1〜0.9/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。これらの使用量が少なすぎると耐水性が低下して保護材料表面にひび割れが発生し、0.95/1を超えるとPEN及び水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体を使用する効果がなくなり、保護材料の耐候性及び靭性が低下しコンクリ−ト界面で剥離が発生する。
【0014】
また、(c)成分の飽和二塩基酸および/またはその酸無水物をcモル用いることもでき、これらの例としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、こはく酸、アゼライン酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ロジン−無水マレイン酸付加物、クロレンディック酸、無水クロレンディック酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸などを挙げることができる。これらは2種類以上を併用してもよい。飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、c/(a+b+c)が0/1〜0.85/1の範囲で使用するのが好ましく、0/1〜0.65/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。
【0015】
さらに、本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコ−ルも必須成分であり、これは(a+d)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1の範囲で配合するが好ましくは、1.03/1から1.2/1の範囲で配合することがさらに好ましい(a+d)/(a+b+c)が1.0/1未満では、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−トの解重合が起こり難くなる傾向であり、1.5/1を超えると硬化性が低下する。
【0016】
本発明に使用する多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、イソペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルプロパン等を使用することができる。
【0017】
また、重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ジアリルフタレ−ト、アクリルニトリル、酢酸ビニル等を使用できる。
不飽和ポリエステル(A)と重合性二重結合を有するエチレン性不飽和単量体(B)の配合割合は、重量比で(A):(B)=75:25〜35:65が好ましい。
【0018】
本発明に用いられるガラスフレ−ク(C)としては、種類、粒径、処理剤等の制限はなく、例えば市販品としては日本ガラス繊維社製商品名RCF−140などが挙げられる。
ガラスフレ−ク(C)の使用量は(A)及び(B)の総量に対して20〜40重量%とされる。この使用量が20重量%未満ではコンクリ−ト保護材料がタレて均一な造膜性が得られず、40重量%を超えると硬化物が脆く、強靭な保護層が得られない。
【0019】
コンクリ−ト保護材料の硬化剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、t−ブチルパ−オクトエ−ト、ベンゾイルパ−オキシド、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ハイドロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド等の有機過酸化物などが用いられる。さらにこれらの硬化剤は、必要に応じて例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の金属石鹸類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類などの硬化促進剤と組み合わせて用いることが出来る。
【0020】
本発明のコンクリ−ト保護材料には、必要に応じて、ハイドロキノン等の重合禁止剤などの添加剤を添加することができる。またライニング層を着色する場合には、市販の有機または無機の染料または顔料、パラフィンワックス等の空乾性付与剤、揺変性付与剤などを使用することもできる。
【0021】
本発明になるコンクリ−ト保護材料は、コンクリ−ト、セメントモルタル等の表面にスプレ−、ロ−ラ−、ハケなどを用いて公知の方法によって塗布され、硬化されて保護層とされる。硬化の際には必要により加熱してもよい。コンクリ−ト保護材料の塗布または施工時の温度は、通常0〜40℃であり、夏、冬の気温差によって反応促進剤や重合禁止剤の添加量によりポットライフを調整することが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において、部とあるのは重量部を示す。
【0023】
実施例1
プロピレングリコ−ル857g(11.2モル)、水添化ビスフェノ−ルAプロピレンオキシド誘導体1054g(ビスオ−ルH−3PN 2.93モル,東邦千葉化学工業(株)商品名)、PEN355g(1.47モル、成分として含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸換算、以下同じ)、t−ブチルチタネ−ト0.355g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸487g(2.93モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィ−を用いてポリスチレン換算で求められるもの、以下同様)は、680であった。
【0024】
180℃の温度で、無水マレイン酸1,006g(10.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応を止め不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140、日本ガラス繊維社商品名)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(1)とした。
【0025】
実施例2
プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、ビスオ−ルH−3PN 1,620g(5.0モル)、PEN 914g(4.2モル)、t−ブチルチタネ−ト 0.914g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。
この解重合体の数平均分子量は、690であった。
【0026】
180の温度で、無水マレイン酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が22KOHmg/gになったところで反応を止め、不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(2)とした。
【0027】
比較例1
無水マレイン酸887g(7モル)、イソフタル酸644g(3モル)及びプロピレングリコ−ル1081g(11モル)を温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを通しながら210℃で25時間反応させて不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(3)とした。
【0028】
比較例2
フマ−ル酸740g(10モル)およびビスフェノ−ルAプロピレンオキシド誘導体2260g(11モル、ニュ−ポ−ルBP−2P、三洋化成工業社製商品名、m+nの平均値は2)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを通しながら210℃で15時間反応させて不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(4)とした。
【0029】
比較例3
エピコ−ト828 1124g(7モル、油化シェルエポキシ社製商品名、エポキシ樹脂)、エピコ−ト1001 1141g(3モル、油化シェルエポキシ社製商品名)、メタクリル酸735g(20モル)、ドデシルベンジルアンモニウムクロライド845ppmおよび85ppmを、攪拌機、コンデンサ、温度計を有する四つ口フラスコに仕込み、110℃で常法により10時間反応させてビニルエステル樹脂を得た。このビニルエステル70部にスチレンモノマ30部を添加し、さらにこの総量に対してハイドロキノン50ppmを加えた。この組成物70部とガラスフレ−ク(RCF−140)30部を混練してコンクリ−ト保護材料(5)とした。
【0030】
〈試験例〉
次に、得られたコンクリ−ト保護材料(1)〜(5)のそれぞれ100部にナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部、ジメチルアニリン0.1部および硬化剤(メチルエチルケトンパ−オキシド55重量%溶液)1.0部を添加混合した。これらをJIS A 6909(薄付け仕上げ塗料)の5.2に準じ、試験用基板に金ゴテを用いて厚さ2mmに塗り付け25℃で7日放置した後、これらの試験片をJIS A 6909の5.8(付着強さ試験)、5.9(温冷繰り返し試験)、5.13(耐アルカリ性試験)、5.14(耐候性試験)の試験方法に準じ、付着強さ、耐ひび割れ、耐はがれ性、耐アルカリ性および耐候性を測定した。その特性を第1表に示す。
【0031】
耐候性については、変色(色差ΔEで評価)、ひび割れ及びはがれについて評価した。変色は、JIS Z 8730(スガ試験機社製カラ−コンピュ−タ、型式SM−3使用)に準じ、耐候性試験前と試験後のコンクリ−ト保護材料表面の色差で評価し、ひび割れ及びはがれは肉眼によってその有無を観察した。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から、本発明のコンクリ−ト保護材料より得られるコンクリ−ト保護層は、付着性、耐ひび割れ性、耐熱衝撃性、耐アルカリ性および耐候性に優れることが示される。
【0034】
【発明の効果】
本発明のコンクリ−ト保護材料によれば、施工時の硬化収縮による内部応力および施工後の気温の変化などの熱衝撃による塗膜のひび割れ、はがれ等の発生を防止することができ、かつ耐候性、耐アルカリ性などの耐久性に優れたコンクリ−ト保護層が得られ、従って、耐劣化性に優れたコンクリ−ト構造物や各種コンクリ−トを得ることが出来る。
Claims (3)
- (A)(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルと(d)
一般式(I)
(B)分子中に重合性二重結合を有するエチレン性不飽和単量体および
(C)ガラスフレ−クを含み、かつ(C)の配合量が(A),(B)および(C)の総量に対して20〜40重量%であるコンクリ−ト保護材料。 - 請求項1記載のコンクリ−ト保護材料をコンクリ−トの表面に塗布し、硬化することを特徴とするコンクリ−ト保護層の製造法。
- 請求項1記載のコンクリ−ト保護材料で表面処理されたコンクリ−ト。
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JP2002347957A JP2004182762A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | コンクリ−ト保護材料、コンクリ−ト保護層の製造方法および表面処理されたコンクリ−ト |
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CN102124063A (zh) * | 2008-08-21 | 2011-07-13 | 昭和电工株式会社 | 防腐蚀涂料组合物及使用其的防腐蚀涂膜结构体 |
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-
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