JP3413269B2 - 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびパテ塗料 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物およびパテ塗料

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JP3413269B2
JP3413269B2 JP00760494A JP760494A JP3413269B2 JP 3413269 B2 JP3413269 B2 JP 3413269B2 JP 00760494 A JP00760494 A JP 00760494A JP 760494 A JP760494 A JP 760494A JP 3413269 B2 JP3413269 B2 JP 3413269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不飽和ポリエステル樹脂
組成物、さらに詳しくは自動車、電車等の補修用パテ塗
料のバインダーとして好適な不飽和ポリエステル樹脂組
成物およびこれを用いたパテ塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に不飽和ポリエステル樹脂は、他の
樹脂に比べ比較的安価であり、また常温でも短時間で硬
化するため作業性にすぐれ、さらに主原料の選択によっ
て種々の優れた物理的および科学的特性を有するため、
例えば波板、浴槽、浄化槽等の建設資材、タンク、容
器、パイプ等の工業機材、船舶、自動車等の輸送機器、
電気絶縁素材、レジンコンクリート、化粧板、ゲルコー
ト、パテ塗料などの各種用途に広く使用されている。特
に自動車、電車等の車両補修用パテ塗料には、(1)ヘ
ラ付け作業性に優れていること、(2)常温ですみやか
に硬化すること、(3)研磨性に優れていること、
(4)素材との付着性に優れていること、(5)上塗り
塗料との付着性に優れていること、(6)耐湿性に優れ
ていること、(7)耐久性(クラック)に優れているこ
と等の性能が要求される。
【0003】しかし、近年、自動車および電車等の車両
の外壁に使用されている素材が、防錆を目的にリン酸亜
鉛、リン酸鉄等で処理した鉄板から、重防蝕を目的に亜
鉛を主成分とした金属を直接鉄板に電気処理した防錆鋼
板および軽量化を目的としたアルミ板に移行しているた
め、従来のパテで補修すると被膜の付着阻害をおこし、
ハクリ、ブリスター等が多発している。また、アルミ板
で作製し外壁においては走行中素材の伸縮が大きいため
振動によりパテ塗膜が脱落するという事故が生じてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、亜鉛処理鋼
板およびアルミ板に対する付着性に優れ、かつ耐久性
(クラック)、研磨性、耐湿性および乾燥性に優れた自
動車、電車等の補修パテ塗料のバインダーとして好適に
用いることのできる不飽和ポリエステル樹脂組成物およ
びこれを用いたパテ塗料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に鑑み、鋭意研究した結果、多塩基酸成分に常温での硬
化を速めるための一定量のα、β−不飽和多塩基酸、
α、β−不飽和多塩基酸以外の多塩基酸、電気亜鉛処理
板およびアルミ板への付着性および振動による塗膜の伸
縮に対して緩和作用を示すと推定されるダイマー酸、研
磨性を向上させるための一定量の空乾性成分としてのア
リルグリジルエーテル、空乾性成分と組合せた際にさら
に空乾力を付与するためグリコール成分に一定量以上の
エーテルグリコールを用いて得られる不飽和ポリエステ
ル(A)と液状の重合性不飽和化合物(B)を含んでな
る不飽和ポリエステル樹脂組成物をパテ塗料のバインダ
ーとして使用することにより前記目的が達成させること
を見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、(A)(a)α、β
−不飽和多塩基酸とα、β−不飽和多塩基酸以外の多塩
基酸の使用割合をモル比で0.30〜0.70:0.7
0〜0.30(α、β−不飽和多塩基酸:α、β−不飽
和多塩基酸以外の多塩基酸)とし、該α、β−不飽和多
塩基酸以外の多塩基酸中に、ダイマー酸を上記のα、β
−不飽和多塩基酸以外の多塩基酸のモル比(0.70〜
0.30)の中の0.01〜0.10の範囲として含む
多塩基酸成分、(b)エーテルグリコールとエーテルグ
リコール以外のグリコールの使用割合をモル比で1.0
0〜0.30:0〜0.70(エーテルグリコール:エ
ーテルグリコール以外のグリコール)としたグリコール
成分および(c)式
【化2】 で表されるアリルグリジルエーテルを(a):(b):
(c)のモル比を1.00:1.50〜0.70:0.
05〜0.30として、グリコール成分(b)とアリル
グリジルエーテル(c)との総量のモル数を多塩基酸成
分(a)のモル数に対して等モル以上として反応させて
得られる酸価が50以下、数平均分子量が500〜1
0,000である不飽和ポリエステル30〜80重量%
と (B)液状の重合性不飽和化合物20〜70重量%を含
有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物ならびにこの
不飽和ポリエステル樹脂組成物をバインダーとして含有
してなるパテ塗料に関する。
【0007】本発明に用いられる多塩基酸成分(a)は
α、β−不飽和多塩基酸とα、β−不飽和多塩基酸以外
の多塩基酸(以下多塩基酸Xとする)の使用割合がモル
比で0.30〜0.70:0.70〜0.30、好まし
くは0.40〜0.60:0.60〜0.40とされ
る。α、β−不飽和多塩基酸の使用割合が0.70モル
を超えるとパテ塗膜の架橋密度が高くなり、高膜厚にす
ると塗膜にクラックが発生し、塗膜が脱落するおそれが
あり、また、0.30モル未満では常温での硬化が遅く
なり、また、パテ塗膜の乾燥性および研磨性が低下す
る。
【0008】多塩基酸X中には一定量のダイマー酸が必
須成分として使用される。ダイマー酸は不飽和脂肪酸、
例えばリノール酸、リノレン酸等を加熱により触媒の存
在下で重合して得られ、主として2量体のジカルボン酸
からなる。ダイマー酸は金属面に強い吸着性を示し、ま
たその分子構造は長鎖状を示しているため、耐クラック
性の向上に効果がある。ダイマー酸は多塩基酸X中に、
多塩基酸Xのモル比(0.70〜0.30)の中の0.
01〜0.10の範囲、好ましくは0.02〜0.08
の範囲とされる。ダイマー酸の使用量がこのモル比にお
いて0.01未満では素材への付着性が低下すると同時
に高膜厚にするとクラックが発生しやすく、また0.1
0を超えると塗膜が柔かくなり、研磨時に塗膜にキズが
つきやすくなる。
【0009】ダイマー酸以外の多塩基酸Xとしては、例
えば無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、テトラハイドロ無水フタル酸、ヘット酸、アジピ
ン酸、セバシン酸等があげられる。
【0010】前記α、β−不飽和多塩基酸としては、例
えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸等が挙げられる。前記ダイマー酸以
外の多塩基酸Xおよびα、β−不飽和多塩基酸はそれぞ
れ2種以上を併用しても良い。
【0011】不飽和ポリエステル(A)に用いられるグ
リコール成分(b)中、エーテルグリコールは、上記の
モル比において1.00〜0.30、好ましくは1.0
0〜0.50の範囲とされる。エーテルグリコールのモ
ル比が0.30未満ではアリルグリシジルエーテル
(c)との組合せにおいてパテ塗膜の研磨作業性が低下
する。アリルグリシジルエーテル(c)と(b)のエー
テルグリコールを組合せることにより、より一層の酸素
の吸収作用が生じ、パテ塗膜の表面の乾燥性を促進させ
ると推定される。
【0012】グリコール成分(b)中のエーテルグリコ
ールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール等が用いられ
る。これらは2種以上を併用しても良い。またエーテル
グリコール以外のグリコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、水添ビス
フェノールA等が用いられる。これらのエーテルグリコ
ール以外のグリコールはグリコール成分中上記のモル比
において0.70モル以下の範囲で用いられる。これら
は2種以上併用してもよい。
【0013】本発明においては空乾性を付与するため、
一定量のアリルグリシジルエーテル(c)が使用され
る。アリルグリシジルエーテルは反応性に優れており、
未反応成分が残らず、より完全に樹脂骨格に導入するこ
とができ、これによって空乾性と同時に亜鉛処理板、ア
ルミ板への付着性が向上する。
【0014】本発明の不飽和ポリエステル(A)は多塩
基酸成分(a)、グリコール成分(b)およびアリルグ
リシジルエーテル(c)を反応させて得られ、酸価が5
0以下、好ましくは30以下および数平均分子量が50
0〜10,000、好ましくは800〜5,000にな
るように調整される。この範囲の酸価および数平均分子
量に調整するために、多塩基酸成分(a)、グリコール
成分(b)およびアリルグリシジルエーテル(c)をモ
ル比((a):(b):(c))で1.00:1.50
〜0.70:0.05〜0.30として、グリコール成
分(b)とアリルグリシジルエーテル(c)との総量の
モル数が多塩基酸成分(a)のモル数に対して等モル以
上とされる。
【0015】多塩基酸成分(a)の上記のモル比が1.
00を超え、グリコール成分(b)とアリルグリシジル
エーテル(c)の総量のモル数未満のモル数では不飽和
ポリエステル(A)の酸価が50を超えるためパテ塗膜
の耐水性が著しく低下する。また、グリコール成分
(b)の上記のモル比が1.50を超えると不飽和ポリ
エステル(A)の数平均分子量が500未満となり、パ
テ塗膜の硬化性、耐クラック性、耐薬品性等が低下す
る。0.70未満の場合は不飽和ポリエステル(A)の
数平均分子量が10,000を超え、パテ付け作業性が
低下すると同時に液状の重合性不飽和化合物(B)の使
用量が多くなり、パテ塗膜が低下する。アリルグリシジ
ルエーテルの使用割合が上記のモル比で0.05未満で
はパテ塗膜の空乾性が十分でなく、研磨性が著しく低下
し、またこのモル比が0.30を超える使用は、空乾性
は向上するが、パテ塗膜が柔かくなり、研磨時に塗膜に
キズつきやすくなる。
【0016】本発明に用いられる液状の重合性不飽和化
合物(B)としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルス
チレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、グリシジルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のア
クリル酸またはメタクリル酸系化合物などが挙げられ
る。これらは併用してもよい。
【0017】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、前記の不飽和ポリエステル(A)30〜80重量%
および前記の液状の重合性不飽和化合物(B)20〜7
0重量%を含有する。液状重合性不飽和化合物(B)の
配合割合が20重量%未満では不飽和ポリエステル
(A)との反応が充分でなく、高硬度の塗膜が得られ
ず、また、パテ塗膜の研磨の際に塗膜に傷がつきやすく
なり、また70重量%を超えるとパテ塗膜の肉持性が悪
くなり、硬化性および付着性が低下する。
【0018】本発明に用いられる不飽和ポリエステル
(A)は常法により得ることができる。例えば前記多塩
基酸成分(a)とグリコール成分(b)を150℃〜2
20℃で重縮合反応させ、その後アリルグリジルエーテ
ル(c)およびエポキシ基の開環反応触媒として、第4
級アンモニウム塩(例えば、テトラアンモニウムクロラ
イド、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライ
ド等)またはアルカリ金属塩(例えば安息香酸カリウ
ム、安息香酸ナトリウム等)をアリルグリシジルエーテ
ルに対して0.05〜5.0重量%を添加し、80℃〜
180℃で開環付加反応を行わせることにより得られ
る。
【0019】本発明の樹脂組成物をパテ塗料として使用
する際には、必要に応じて充填剤、着色顔料、硬化促進
剤等を3本ロール、デゾルバー等で混練して配合され
る。充填剤としては、例えばタルク、マイカ、カオリ
ン、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。充填剤
は、通常、パテ塗料中に30〜80重量%使用される。
着色顔料としては、例えばチタン白、ベンガラ、アニリ
ンブラック、カーボンブラック、シアニンブルー、マン
ガンブルー、鉄黒、クロムエロー、クロムグリーン、マ
ピコエロー等が挙げられる。着色顔料は、通常、パテ塗
料中に1〜10重量%使用される。硬化促進剤として
は、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、
オクテン酸マンガン等の金属石けん類、ジメチルアニリ
ン、ジエチルアニリン等のアミン類などが挙げられる。
硬化促進剤の使用量は、通常、パテ塗料中に0.2〜5
重量%使用される。また前記塗料の塗装時(パテ付け)
には、硬化剤が混合分散される。硬化剤は、通常、パテ
塗料中に1〜4重量%使用される。該硬化剤としてはメ
チルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が用いられ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例により説明する。な
お、下記例中の部および%はそれぞれ重量部および重量
%を意味する。 実施例1 撹拌機、ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた
2リットルの四つ口フラスコにジエチレングリコール8
16.2g(7.70モル)、バーサダイム216 2
03.7g(0.35モル)(General Mil
ls.Inc社製商品名、ダイマー酸、分子量582)
および、イソフタル酸406.7g(2.45モル)を
仕込み、150℃から220℃まで4時間で昇温し、同
温度で釜内内容物の酸価が50〜45になるまで加熱し
た。220℃に昇温後1.5時間加熱で酸価46.9と
なった。次いで80℃に冷却し、無水マレイン酸41
1.6g(4.20モル)、アリルグリジルエーテル1
59.6g(1.40モル)アリルグリシジルエーテル
の開環触媒として安息香酸カリウム0.45g、ハイド
ロキノン0.2gおよび還流用キシロール40gを仕込
み、90℃で1時間保温後、4時間で180℃に昇温
し、同温度で加熱しながらスチレンで67%に希釈した
際の粘度及び釜内内容物の酸価を測定し、粘度4〜5秒
(25℃ガードナ)および酸価50以下になるまで加熱
し、180℃に昇温後4時間で粘度4.5秒および酸価
19.5を示した。160℃に冷却し、同温度で窒素ガ
スの吹込み量を多くして、還流用キシロールを除去しな
がら同様に粘度および酸価を測定し粘度が6〜9秒およ
び酸価が40以下を終点とした。160℃で加熱後、
1.5時間で粘度7.8秒、酸価18.6を示した。こ
の不飽和ポリエステルの数平均分子量はHLC(ハイス
ピードリキッドクロマトグラフ、日立製作所製、日立ク
ロマトグラフ635−0200で、標準物質にポリスチ
レンを使用、以下同じ)で測定したところ1,850で
あった。反応終了後にスチレン100部に対してハイド
ロキノン0.2部を添加したスチレンに溶解し、加熱残
分が65%になるように調整し、不飽和ポリエステル樹
脂組成物を得た。この組成物の粘度は8.2秒、酸価は
18.5であった。
【0021】実施例2 実施例1と同じ装置に、ジエチレングリコール457.
1g(4.31モル)、エチレングリコール267.3
g(4.31モル)、無水フタル酸406.1g(2.
74モル)、バーサダイム216 228.1g(0.
39モル)、無水マレイン酸267g(2.73モ
ル)、ハイドロキノン0.2gおよび還流用キシロール
40gを仕込み、150℃から180℃まで4時間で昇
温し、同温度で釜内内容物の酸価が50〜45になるま
で加熱し、180℃に昇温後6時間で酸価48.4とな
った。次いで80℃に冷却し、無水マレイン酸194g
(1.98モル)、アリルグリジルエーテル225.8
g(1.98モル)、安息香酸カリウム0.63gを仕
込み、90℃で1時間保温後、4時間で180℃に昇温
し、同温度で実施例1と同様に粘度および酸価を測定し
ながら加熱した。180℃に昇温後5時間で粘度が4.
8秒および酸価が12.5を示した。160℃に冷却し
実施例1と同様に還流キシロールを除去しながら同温度
で2時間加熱後、粘度7.6秒、酸価10.9を示した
時点で終点とした。不飽和ポリエステルの数平均分子量
は1,730であった。反応終了後、実施例1と同様に
ハイドロキノン0.2部を添加したスチレンで加熱残分
65%になるように溶解した不飽和ポリエステル樹脂組
成物を得た。この組成物の粘度は8.1秒、酸価は9.
9であった。
【0022】実施例3 実施例1と同じ装置にジエチレングリコール801.4
g(7.56モル)、テトラハイドロ無水フタル酸35
3.0g(2.32モル)、バーサダイム216 29
3.6g(0.51モル)、フマール酸292.3g
(2.52モル)、ハイドロキノン0.2gおよび還流
用キシロール40gを仕込み、150℃から190℃ま
で5時間で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が50〜
45になるまで加熱し、190℃昇温後4時間で酸価4
5.3となった。次いで80℃に冷却し、テトラハイド
ロ無水フタル酸144.7g(0.95モル)、アリル
グリシジルエーテル107.7g(0.95モル)およ
び安息香酸カリウム0.3gを仕込み90℃で1時間保
温後、4時間で180℃に昇温し、同温度で実施例1と
同様に粘度および酸価を測定しながら加熱した。180
℃昇温後7時間で粘度が4.2秒、酸価が12.5を示
した。160℃に冷却し、実施例1と同様に還流用キシ
レンを除去しながら同温度で加熱し、2時間加熱後粘度
7.9秒、酸価11.7を示した時点で終点とした。不
飽和ポリエステルの数平均分子量は1,930であっ
た。反応終了後、実施例1と同様にハイドロキノン0.
2部を添加したスチレンで加熱残分65%になるように
溶解した不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。この組
成物の粘度は8.1秒、酸価11.6であった。
【0023】比較例1 実施例1と同じ装置にジエチレングリコール881.5
g(8.32モル)、イソフタル酸502.0g(3.
02モル)を仕込み、150℃から220℃まで4時間
で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が50〜45にな
るまで加熱した。220℃昇温後2.5時間加熱で酸価
47.1となった。次いで、80℃に冷却し、無水マレ
イン酸444.5g(4.54モル)、アリルグリジル
エーテル172.4g(1.51モル)、安息香酸カリ
ウム0.48g、ハイドロキノン0.2g及び還流用キ
シロール40gを仕込み、90℃で1時間保持後、4時
間で180℃に昇温し、実施例1と同様に釜内内容物の
粘度および酸価を測定しながら加熱した。180℃に昇
温後、3時間で粘度4.2秒、酸価25.3を示した。
160℃に冷却し、実施例1と同様に還流キシロールを
除去しながら同温度で2時間加熱後、粘度8.6秒、酸
価23.4を示した時点で終点とした。不飽和ポリエス
テルの数平均分子量は1,430であった。反応終了
後、実施例1と同様にハイドロキノン0.2部を添加し
たスチレンで加熱残分65%になるように溶解した不飽
和ポリエステル樹脂組成物を得た。この組成物の粘度は
9.2秒、酸価24.7であった。
【0024】比較例2 実施例1と同じ装置にジエチレングリコール951.4
g(8.98モル)、イソフタル酸417.2g(2.
51モル)およびバーサダイム216 208.9g
(0.36モル)を仕込み、150℃から220℃まで
4時間で昇温し同温で釜内内容物の酸価が50〜45に
なるまで加熱した。同温度で2時間加熱後46.3とな
った。次いで、80℃に冷却し、無水マレイン酸42
2.2g(4.21モル)、ハイドロキノン0.2g及
び還流用キシロール40gを仕込み、150℃から18
0℃まで3時間で昇温した。実施例1と同様に釜内内容
物の粘度および酸価を測定しながら加熱した。180℃
に昇温後5時間で粘度4.8秒、酸価35.6を示し
た。160℃に冷却し実施例1と同様に還流キシロール
を除去しながら同温度で1.5時間加熱後、粘度9.6
秒、酸価32.7を示した時点で終点とした。不飽和ポ
リエステルの数平均分子量は2,750であった。反応
終了後、実施例1と同様にハイドロキノン0.2部を添
加したスチレンで加熱残分65%になるように溶解した
不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。この組成物の粘
度は10.6秒、酸価32.6であった。
【0025】比較例3 実施例1と同じ装置にエチレングリコール591.3g
(9.54モル)、無水フタル酸449.1g(3.0
3モル)およびバーサダイム216 252.3g
(0.43モル)、無水マレイン酸339.8g(3.
47モル)、ハイドロキノン0.2gおよび還流用キシ
ロール40gを仕込み、150℃から190℃まで4時
間で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が50〜45に
なるまで加熱した。190℃昇温後5時間で酸価48.
5となった。次いで、80℃に冷却し、無水マレイン酸
170.0g(1.74モル)、アリルグリシジルエー
テル197.7g(1.73モル)および安息香酸カリ
ウム0.56gを仕込み、90℃で1時間保温後4時間
で180℃に昇温し、同温度で実施例1と同様に粘度お
よび酸価を測定しながら加熱した。180℃に昇温後5
時間で粘度が4.2秒および酸価12.1を示した。1
60℃に冷却し、実施例1と同様に還流用キシロールを
除去しながら同温度で1.5時間加熱後、粘度7.8
秒、酸価11.5を示した時点で終点とした。不飽和ポ
リエステルの数平均分子量は1,980であった。反応
終了後、実施例1と同様にハイドロキノン0.2部を添
加したスチレンで加熱残分65%になるように溶解した
不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。この組成物の粘
度は8.3秒、酸価11.1であった。
【0026】試験例 実施例1〜3および比較例1〜3で得られた不飽和ポリ
エステル樹脂組成物の塗膜特性を次のようにして試験し
た。 (1)パテ塗料の配合 下記配合の材料をそれぞれ300mlの丸缶に採取し、高
速デゾルバーで15分間撹拌して均一に分散させた。
【表1】
【0027】(2)試験板の調整 試験板として鉄板(日本パネル社製、SPCC−S
B)、亜鉛処理板(日本パネル社製、SPG−C)およ
び電気亜鉛処理板(新日鉄社製、シルバーアロイ)を用
い、表面を耐水ペーパー#150で軽く研磨した。 (3)試験片の作製 (1)で作製したそれぞれの塗料に55%メチルエチル
ケトンパーオキサイドを2%添加し、これを(2)で調
整した各試験板上に2mm厚にパテ付けした。 (4)塗膜性能の測定 実施例1〜3および比較例1〜3の樹脂組成物を用いて
得たパテ塗料について下記に示す塗膜性能を試験し、そ
の結果を表2に示した。
【0028】(i)乾燥性:鉄板上へパテ付け後、常温
(20℃)で経時ごとに表面を耐水ペーパー#150を
用いて指で軽く研磨し、研磨可能となる時間(分)を測
定した。 (ii)研磨性:鉄板上へパテ付け後、常温(20℃)で
4時間放置後、耐水ペーパー#50を用いて指で研磨
し、研磨のし易さを比較し、次のようにして評価した。 ○:軽く研磨しても、よくパテ塗膜が削れる。 △:パテ塗膜が削れるが、研磨がやや重く感じる。 ×:研磨が重く、パテ塗膜がよく削れない。 (iii)付着性:各試験板上へパテ付け後、常温(20
℃)で16時間放置し、その後120℃の乾燥機内で6
0分焼付け後、常温まで冷却し、中央部より90°角に
折り曲げた際の折り曲げ部のパテ付着性を調べ、次のよ
うにして評価した。 ○:パテが付着している。 △:50%パテが付着している。 ×:パテの付着が見られない。
【0029】(iv)耐湿性:上記の各試験板上へパテ付
け後、常温(20℃)で16時間放置し、その後表面を
耐水ペーパー#240、#150および#400の順に
研磨し、表面を平滑にした。研磨したパテ塗膜の上に市
販アクリルウレタン塗料(イサム塗料製、ハイアート)
をスプレ塗布(膜厚40μ)し、常温(20℃)で30
分放置後、60℃の乾燥機で60分乾燥させた。冷却
後、ブリスタリングボックス(RH99%、温度50
℃)に48時間入れ、塗膜表面の状態(ブリスター、直
径が2mm程度の発泡)および90°角に折り曲げた際の
パテ付着性を調べた。ブリスターは下記のように評価
し、パテ付着性は(3)と同様の方法で行った。 ○:ブリスターの発生なし。 △:塗膜の20%にブリスターが発生している。 ×:全面にブリスターが発生している。 (v)ヒートサイクル性:各種試験板上へパテ付け後、
常温(20℃)で16時間放置し、その後80℃の乾燥
機に2時間加熱後、直ちに−20℃の冷凍室に2時間放
置し、これを4回繰返して塗膜の外状(クラック)を調
べ、次のように評価した。 ○:クラックの発生なし。 △:小さなクラックが1〜3本入っている。 ×:全面にクラックが発生している。 表2の結果から、本発明の樹脂組成物を用いたパテ塗膜
は、乾燥性、研磨性、付着性、耐湿性および耐ヒートサ
イクル性に優れていることが示される。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
によれば、電気亜鉛処理防錆鋼板に対しても付着性に優
れ、かつ耐湿性、乾燥性、研磨性および靭性に優れた自
動車補修用パテ塗料を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−78459(JP,A) 特開 平1−43590(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)α、β−不飽和多塩基酸と
    α、β−不飽和多塩基酸以外の多塩基酸の使用割合をモ
    ル比で0.30〜0.70:0.70〜0.30(α、
    β−不飽和多塩基酸:α、β−不飽和多塩基酸以外の多
    塩基酸)とし、該α、β−不飽和多塩基酸以外の多塩基
    酸中に、ダイマー酸を上記のα、β−不飽和多塩基酸以
    外の多塩基酸のモル比(0.70〜0.30)の中の
    0.01〜0.10の範囲として含む多塩基酸成分、
    (b)エーテルグリコールとエーテルグリコール以外の
    グリコールの使用割合をモル比で1.00〜0.30:
    0〜0.70(エーテルグリコール:エーテルグリコー
    ル以外のグリコール)としたグリコール成分および
    (c)式 【化1】 で表されるアリルグリジルエーテルを(a):(b):
    (c)のモル比を1.00:1.50〜0.70:0.
    05〜0.30として、グリコール成分(b)とアリル
    グリジルエーテル(c)との総量のモル数を多塩基酸成
    分(a)のモル数に対して等モル以上として反応させて
    得られる酸価が50以下、数平均分子量が500〜1
    0,000である不飽和ポリエステル30〜80重量%
    と (B)液状の重合性不飽和化合物20〜70重量%を含
    有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物をバインダーとして含有してなるパテ塗料。
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