JP2531399B2 - 成形品の成形方法 - Google Patents

成形品の成形方法

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JP2531399B2 JP62139930A JP13993087A JP2531399B2 JP 2531399 B2 JP2531399 B2 JP 2531399B2 JP 62139930 A JP62139930 A JP 62139930A JP 13993087 A JP13993087 A JP 13993087A JP 2531399 B2 JP2531399 B2 JP 2531399B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、表面硬度が改良され、耐擦傷性、作業性、
造膜性、密着性に優れたゲルコート用樹脂組成物をもち
いた繊維強化プラスチック成形品の成形方法に関するも
のである。
(従来技術及び問題点) ゲルコート用樹脂は、成形用型の型表面に塗装されて
成形物の表面層となるもので、一般にはこのゲルコート
用樹脂層の空気接触面に、更に不飽和ポリエステル樹脂
とガラス繊維からなる組成物を塗布裏打ちしてFRP(繊
維強化プラスチック)成形物としたり、不飽和ポリエス
テル樹脂と充填剤とからなる組成物を塗布裏打ちして人
工大理石等のプラスチック成形物としたりして用いられ
ている。しかしながら、一般的にゲルコート用樹脂とし
て用いられている不飽和ポリエステル樹脂は、鉛筆硬度
が低く4H以下のものであり、傷つきやすいという欠点が
ある。
一般に表面硬度の高い樹脂としては、フッ素系、アク
リル系、シリコン系等のハードコート剤が市販されてい
るが、これらはいずれも紫外線あるいは電子線硬化する
もので、成形後、後塗装するものである。これらをゲル
コート用樹脂として用いた場合、紫外線、電子線の高価
な照射装置が必要となり、かつ不特定他数の形状を持つ
成形品表面に均一な照射エネルギーを与えることが困難
である。又、致命的な欠点として、型との接触面と空気
との接触面の硬化状態が均一でない、即ち、空気との接
触面つまり紫外線あるいは電子線の照射面の硬化が大き
くなり次に裏打ち成形する成形材料層の接着が不能とな
る。
不飽和ポリエステルとアクリル系化合物との組合わせ
は特開昭51−103994号公報、特開昭60−47039号公報、
特開昭61−3813号公報で開示されているが、例えば特開
昭51−103994号公報では、ゲルコート用樹脂を目的とし
ていない為使用する不飽和ポリエステルの不飽和度の低
いものが適当とされ、又、アクリル系化合物について
は、1分子中に2個の不飽和二重結合を有する化合物が
挙げられ、1分子中に不飽和二重結合を1個有する化合
物を併用したものが適すとされている。
更に組成物は、スチレンモノマーを用いないで全量ア
クリル化合物を使用することにより、スチレン臭気を無
くすることを目的としたものであり、又作業性のため低
粘度のアクリル系化合物を用いたものである。こうした
組成物をゲルコートとして用いた場合スチレンモノマー
を使用しない為硬化性が悪く、薄膜とならず硬度の劣る
ものでゲルコート表面層とならないと言う問題点があ
る。
又、特開昭60−47039号公報は、発泡ポリスチレン成
形品の被覆用組成物として用いられるため、使用される
重合性モノマーは、発泡ポリスチレン成形品を溶解、浸
蝕させるものは使用できない。即ち、本願発明のごとく
スチレンモノマーを15〜60重量部使用した場合は発泡ポ
リスチレン成形品表面を浸蝕するので好ましくないとし
て10重量部以下しか用いることができないものとされて
いる。この事から使用されるアクリル系化合物はトリメ
チルプロパントリアクリレート等の3官能以下の低粘度
のアクリル化合物が使用されている。従って、本願発明
のごとき高硬度のゲルコート層は得られないものであ
る。
又、特開昭61−8318号公報には、多官能アクリレート
系樹脂とポリエステル系樹脂とからなる混合物をゲルコ
ート層とした表面高硬度成形品の製造方法が開示されて
いる。しかしながら、ポリエステル系樹脂としては、イ
ソフタル酸ポリエステルアクリレート系樹脂又はビニル
エステル不飽和ポリエステル樹脂が開示され、多官能ア
クリレート系樹脂としては、紫外線硬化型特殊アクリレ
ート樹脂が開示されるのみで、本発明のごとき特定の不
飽和ポリエステルと特定の多官能アクリル単量体と共重
合可能なエチレン性不飽和単量体からなるゲルコート層
を有する成形物は、開示されていない。又、一般にポリ
エステルアクリレート系又はビニルエステル系樹脂を用
いたものは、成形後、成形品の表面の色調が暗く外観の
劣るものであり、成形時には、チキソ付与性、硬化性が
劣るためスプレー特性、乾燥性に問題が生じ、成形作業
性が劣る欠点があった。
(問題を解決する為の手段) 本発明者らは、型内塗装可能な、ゲルコート用樹脂組
成物について鋭意研究した結果、前記せる欠点が改良せ
しめられたゲルコート用樹脂組成物を用いた成形品の成
形方法を見い出し本発明に至った。
即ち、本発明は、(A)不飽和基当量140〜300で、エ
ステル結合濃度10×10-3モル/gより大きい不飽和ポリエ
ステル 10〜45重量部、(B)スチレンモノマー 15〜
60重量部、(C)下記一般式(I)で示される不飽和基
当量89〜130の多官能(メタ)アクリルモノマー15〜75
重量部からなるゲルコート用樹脂組成物を、常温から80
℃で型に塗布硬化し、次いでガラス繊維強化プラスチッ
ク層あるいは人工大理石層を形成することを特徴とする
成形品の成形方法を提供するものである。
一般式(I) 本発明で用いられる不飽和ポリエステル(A)は、公
知の方法により製造されるものであり、具体的には無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の活性不飽和結合
を有していないジカルボン酸とフマル酸、マレイン酸、
イタコン酸等の活性不飽和結合を有しているジカルボン
酸を酸成分とし、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ビスフェノールAの
プロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物、グリセリン等の多価アルコール
をアルコール成分として得られるものである。
本発明の不飽和ポリエステル(A)は、エステル結合
濃度10×10-3モル/gより大きいもので、不飽和基当量14
0〜300のものであり、10〜45重量部使用される。不飽和
基当量140より小さいものは合成できず、300より大きい
ものは高硬度のものが得られない。又、使用量10重量部
より少ないと硬化性、揺変性付与の点で好ましくなく、
45重量部より多いと高硬度のものが得られない。
本発明で用いられるスチレンモノマー(B)は、ゲル
コート用樹脂組成物の塗装作業性、即ち低粘度化及び揺
変性付与の点、硬化性即ち高硬度化できる点で重要であ
り、15〜60重量部、好ましくは20〜60重量部使用され
る。使用量15重量部より少ないと硬化性が劣り、60重量
部より多いと高硬度のものが得られず又、粘度が低く、
ゲルコート用樹脂としての使用上好ましくない。スチレ
ンモノマーを他のモノマーに代えた場合前記の塗装作業
性、硬化性の点で問題がある。
本発明で用いる前記一般式(I)で表わされる不飽和
基当量89〜130の多官能(メタ)アクリルモノマー
(C)の具体例としては、トリメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等が挙げられるが、なかでも好ま
しいのはトリメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ペンタペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートである。又これらを組合
わせて使用しても良い。
又、本発明の不飽和基当量89〜130の多官能(メタ)
アクリルモノマーは、15〜75重量部、好ましくは18〜65
重量部使用される。使用量が15重量部より少ないと高硬
度のものが得られず、75重量部より多いと硬化性、塗装
作業性が劣り好ましくない。又、不飽和基当量が89より
小さいものは、合成できないし、130よりも大きいもの
では高硬度が得られない。
本発明のゲルコート用樹脂組成物は、硬化促進剤とし
て金属化合物を必要に応じ含有せるものである。かかる
金属化合物としては、例えば、コバルトナフトネート、
コバルトオクトネート、2価のアセチルアセトンコバル
ト、3価のアセチルアセトンコバルト、カリウムヘキソ
エート、ジルコニウムナフトネート、ジルコニウムアセ
チルアセトナート、バナジウムナフトネート、バナジウ
ムオクトネート、バナジウムアセチルアセトナート、バ
ナジルアセチルアセトナート、リチュームアセチルアセ
トナート等不飽和ポリエステル樹脂に一般に用いられる
金属化合物促進剤が用いられ、これらを組合わせて使用
しても良く、又、他の促進剤、例えばアミン系、含リン
化合物、β−ジケトン類等公知の促進剤と組合わせても
良い。
かかる硬化促進剤の添加量は、ゲル化時間により適宜
調整されるが、好ましくは金属成分として0.0001〜0.12
重量部である。この硬化促進剤は、中温以上での成形
(40℃以上)の場合、使用しなくても又使用しても良
い。
本発明で用いられる有機、無機揺変剤としては、例え
ばシリカ粉末、アスベスト粉末、水素化ヒマシ油、脂肪
酸アマイド剤の公知の揺変性が使用されJIS−K−6901
−1977で規定されている揺変度の測定法で2〜7に見合
う量を添加すれば良い。又これら揺変剤を組合わせて使
用しても良い。
揺変性付与により、塗装作業性、造膜性、レベリング
性が改良され、ゲルコート塗膜の膜切れ等の欠陥が著し
く改良される。又、無溶剤タイプで、スペレー等の機械
塗装が可能となる。
本発明で使用される有機過酸化物は、例えばケトンパ
ーオキサイド系、ハイドロパーオキサイド系、ジアシル
パーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパ
ーエステル系、パーカーボネート系等公知のものが使用
され、成形温度により適宜、選択される。添加量は通常
使用されている量であり、好ましくは0.1〜4部であ
る。無論これらを組合わせて使用しても良い。
本発明のゲルコート用樹脂組成物には必要に応じ有機
及び無機顔料、安定剤、消泡剤、レベリング剤等の各種
添加剤を配合することができる。
本発明のゲルコート用樹脂組成物は、不特定の型形状
を持つ成形型に一般公知の離型剤を塗布した後、該成形
型にスプレーあるいはハケ等で塗布厚さ通常0.01〜0.7m
mで塗布硬化させるものである。
塗布は通常、常温で行なわれ、成形型の温度は、常温
あるいは中〜高温(40〜150℃)である。又塗布後のゲ
ルコート用樹脂組成物の硬化は常温でも良く、好ましく
は40〜80℃で硬化される。
こうして得られたゲルコート塗膜は、更にその上に公
知の繊維強化プラスチックあるいは人工大理石、マーブ
ル等あるいはこれらを組合わせたものを裏打ち成形、硬
化、脱型してえられる成形物の表面層として用いられ
る。
(効果) 本発明のゲルコート用樹脂組成物は一般公知(市販)
のゲルコート用樹脂組成物と同じ条件、設備・工程で塗
布、硬化させ使用することができかつ、しかも塗布作業
性、造膜性、密着性、表面硬度に優れているので、FR
P、人工大理石、マーブル等の成形物の表面層として優
れたものである。
本発明は、一般公知のゲルコート用樹脂(鉛筆ひっか
き試験での表面硬度3〜4H)と比べ表面硬度が7〜9Hと
高く、スチールウール#0000番による耐擦傷荷重も従来
の50gが630〜690gと約13.2倍の耐擦傷荷重とすることが
でき、日常用いられる器具類による耐擦傷性が大幅に向
上した成形品を提供するものである。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本実施例のみに限定されるものではない。尚、文中
「%」及び「部」は重量基準である。
実施例−1 通常の方法に従ってプロピレングリコール、エチレン
グリコール、無水マレイン酸をモル比で1.0:2.0:3.0の
割合で反応させて酸価27の不飽和ポリエステル(I)を
得た。
かかる不飽和ポリエステル(I)は、不飽和基当量が
約147であった。次いで不飽和ポリエステル(I)33部
にスチレンモノマー42部、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート25部、ハイドロキノン0.01部、6%ナフ
テン酸コバルトの金属成分として0.012部、揺変剤Aeros
il#200(シリカ粉末、日本アエロジル社製)2.5部を添
加して組成物No.1を得た。該組成物No.1の粘度、揺変
度、ゲル化時間を測定し第1表に示した。
次に該組成物No.1,100部に対して有機過酸化物として
55%メチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメ
ックN、日本油脂社製)2.0部添加し、口径3.0mmのスプ
レーガンにて空気圧3.0kg/cm2,室温及び型温23℃の条件
下で塗装テストを実施した。この時の塗布厚みは約0.2m
mであった。テスト結果を第2表に示した。
更に、得られたゲルコート塗膜を室温で硬化させ、通
常の方法で不飽和ポリエステル樹脂(ポリライトFH−11
3、大日本インキ製)とガラス繊維を用いガラス繊維強
化プラスチック層を形成、硬化させ、脱型しゲルコート
樹脂表面層を有するガラス繊維強化プラスチック成形品
(A)を得た。該ガラス繊維強化プラスチック成形品
(A)表面の塗膜物性試験結果を第3表に示した。
実施例−2 通常の方法に従がって、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、プロピレングリコール、イソフタル酸をモ
ル比で1.0:1.0:1.0の割合いで反応させて酸価が2にな
った時点で、プロピレングリコール、フマル酸をモル比
で2.0:3.0の割合いで酸価6の不飽和ポリエステル(I
I)を得た。かかる不飽和ポリエステル(II)の不飽和
基当量は、約234であった。
次いで不飽和ポリエステル(II)25部、スチレンモノ
マー35部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
25部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート15
部、ハイドロキノン0.01部、6%ナフテン酸コバルトの
金属成分として0.012部、揺変剤Aerosil#300(シリカ
粉末、日本アエロジル社製)2.5部からなる、組成物No.
2を得た。
実施例−1と同様の方法で該組成物No.2の粘度,揺変
度,ゲル化時間を第1表に、塗装テスト結果を第2表
に、実施例−1と同様の方法で得られたガラス繊維強化
プラスチック成形品(B)表面の塗膜物性を第3表に示
した。
実施例−3 通常の方法に従って、2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール、イソフタル酸をモル比で2.0:1.0の割合いで
反応させて酸価が2になった時点でプロピレングリコー
ル、フマル酸をモル比で1.0:2.0の割合いで酸価6の不
飽和ポリエステル(III)を得た。かかる不飽和ポリエ
ステル(III)の不飽和基当量は約287であった。
次いで不飽和ポリエステル(III)25部、スチレンモ
ノマー35部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト25部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート15
部、ハイドロキノン0.01部、6%ナフテン酸コバルトの
金属成分として0.012部、揺変剤Aerosil#300(シリカ
粉末、日本アエロジル社製)2.5部からなる組成物No.3
を得た。
実施例−1と同様の方法で該組成物No.3の粘度,揺変
度,ゲル化時間を第1表に、塗装テスト結果を第2表
に、実施例−1と同様の方法で得られたガラス繊維強化
プラスチック成形品(C)表面の塗膜物性を第3表に示
した。
実施例−4 実施例−3で得られた組成物No.3を用い、実施例−1
と同様の方法で得られたゲルコート塗膜を用い、次いで
通常の方法で既存の不飽和ポリエステル樹脂ポリライト
TP−123(大日本インキ化学社製)100部と無機充填剤ハ
イジライトH−310(水酸化アルミニウム、昭和軽金属
社製)200部を用い人工大理石層を成形硬化させ脱型
し、ゲルコート樹脂表面層を有する淡ピンク色の人工大
理石成形品(D)を得た。該人工大理石成形品(D)表
面の塗膜物性を第3表に示した。又この成形品の水煮沸
10時間の色差(JIS−Z−8722;8730による)は3.8であ
った。
実施例−5 実施例−1で得た不飽和ポリエステル(I)30部にス
チレンモノマー30部、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート25部、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート15部、ハイドロキノン0.01部、揺変剤Aerosil#2
00 2.5部からなる組成物No.4を得た。該組成物No.4の粘
度,揺変度,ゲル化時間を第1表に示した。
次に該組成物No.4,100重量部に対して有機過酸化物と
して95%ビス−4−ターシャリブチルシクロヘキシパー
オキシジカーボネート(商品名パーカドックス16、化薬
ヌーリ社製)1.0部添加し、口径3.0mmのスプレーガンに
て空気圧3.0kg/cm2室温23℃、型温70℃の条件下で塗装
テストを実施した。この時の塗布厚みは約0.1mmでその
結果を第2表に示した。
更に、得られたゲルコート樹脂表面層を70℃雰囲気中
で硬化させ硬化後室温まで冷却し実施例−1と同様の方
法でガラス繊維強化プラスチック層を成形しガラス繊維
強化プラスチック成形品(E)を得た。得られた該ガラ
ス繊維強化プラスチック成形品(E)表面の塗膜物性を
第3表に示した。
実施例−6 実施例−3で得られた不飽和ポリエステル(III)25
部にスチレンモノマー35部、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート25部、ジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート15部、ハイドロキノン0.01部、バナジウム
系促進剤(商品アクセラレーターVN−2,化薬ヌーリー社
製金属バナジウム)0.3部、揺変剤(商品Aerosil#300
日本アエロジル社製)2.5部を添加して組成物No.5を得
た。
以下実施例−1と同様の方法で該組成物No.5の粘度,
揺変度,ゲル化時間を第1表に、塗装テスト結果を第2
表に示し、実施例−1と同様の方法で得られたゲルコー
ト塗膜を用い、実施例−4と同様の方法で人工大理石を
成形し白色の人工大理石成形品(F)を得た。該人工大
理石成形品(F)表面の塗膜物性を第3表に示した。
又、この成形品の水煮沸10時間後の色差(JIS−Z−872
2,8730による)は、ΔE 0.3であった。
比較例−1 通常の方法に従ってプロピレングリコール、エチレン
グリコール、無水フタル酸、無水マレイン酸をモル比
で、1.0:1.0:1.0:1.0の割合で反応させて酸化27の不飽
和ポリエステル(IV)を得た。かかる不飽和ポリエステ
ル(IV)の不飽和基当量は、348であった。次いで不飽
和ポリエステル(IV)30部にスチレンモノマー40部、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部、ハイド
ロキノン0.01部、6%ナフテン酸コバルトの金属成分と
して0.012部、揺変剤(Aerosil#200シリカ粉末,日本
アエロジル社製)2.5部を添加して組成物No.6を得た。
該組成物No.6の粘度,揺変度,ゲル化時間を測定し第1
表に示した。
次に該組成物No.6,100部に対して有機過酸化物として
55%メチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメ
ックN,日本油脂社製)2.0部添加し、口径3.0mmのスプレ
ーガンにて空気圧3.0kg/cm2,室温及び型温23℃の条件下
で塗装テストを実施した。この時の塗布厚みは約0.2mm
であった。テスト結果を第2表に示した。実施例−1と
同様の方法で得られたガラス繊維強化プラスチック成形
品(G)表面の塗膜物性を第3表に示した。
比較例−2 実施例−3で得られた不飽和ポリエステル(I)25部
に、多官能アクリレート系樹脂DPCA−30(日本化薬株式
会社製品)50部、スチレンモノマー25部、ハイドロキノ
ン0.01部、6%ナフテン酸コバルトの金属成分として0.
012部、揺変剤Aerosil#200 2.5部からなる組成物No.7
を得た。
実施例−1と同様の方法で該組成物No.7の粘度,揺変
度,ゲル化時間を第1表に、塗装テスト結果を第2表
に、実施例−1と同様の方法で得られたガラス繊維強化
プラスチック成形品(H)表面の塗膜物性を第3表に示
した。
比較例−3 実施例−1で得られた不飽和ポリエステル(I)55部
に、スチレンモノマー45部、6%ナフテン酸コバルトの
金属成分として0.012部、揺変剤Aerosil#300 2.0部か
らなる組成物No.8を得た。
実施例−1と同様の方法で該組成物No.8の粘度,揺変
剤,ゲル化時間を第1表に、塗装テスト結果を第2表
に、実施例−1と同様の方法で得られたガラス繊維強化
プラスチック成形品(I)表面の塗膜物性を第3表に示
した。
比較例−4 実施例−1で得られた不飽和ポリエステル(I)50部
にジペンタエリスリトールペンタアクリレート40部、ス
チレンモノマー10部からなる組成物No.9を得た。実施例
−1と同様の方法で該組成物の粘度,揺変度,ゲル化時
間を第1表に、塗装テスト結果を第2表に、実施例−1
と同様の方法で得られたガラス繊維強化プラスチック成
形品(J)表面の塗膜物性を第3表に示した。
比較例−5 実施例−1で得られた不飽和ポリエステル(I)50部
にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50部から
なる組成物No.10を得た。
実施例−1と同様の方法で該組成物No.10の粘度,揺
変度,ゲル化時間を第1表に、塗装テスト結果を第2表
に、実施例−1と同様の方法で得られたガラス繊維強化
プラスチック成形品(K)表面の塗膜物性を第3表に示
した。
注) 1) 粘度,揺変度,ゲル化時間による塗布作業性
試験JIS−K−6901−1977液状不飽和ポリエステル樹脂
試験法に準じ測定した。測定温度25℃,ゲル化時間につ
いては組成物1〜3,5〜8については55%MEKP(商品パ
メック−N日本油脂社製)2.0部を添加し測定した。組
成物4,9,10については6%ナフテン酸コバルトの金属成
分として0.012部55%MEKPO 2.0部を添加して測定した。
尚、組成物1〜5は本発明のものであり、他は比較対
照のためのものである。組成物10については半固体のた
め測定できなかった。
注) 1) スプレー吐出量による塗布作業性試験実施例
−1の条件でスプレーガンに約1000g入れスプレーガン
を含めた重量を測定し、30秒間吐出した後、減量を測定
しこれの2倍量として1分間の吐出量とした。
2) ハジキによる造膜性試験 型面に塗膜厚み約0.2mmで塗布し目視でハジキの状態
を確認した。
尚、組成物1〜5は本発明のものであり、他は比較対
照のためのものである。組成物9,10については高粘度あ
るいは、半固体のため測定できなかった。
注) 1) 鉛筆ひっかき試験 JIS−K−5400−1979塗料一般試験方法6.14に準じ実
施した。
2) スチールウール性試験 スチールウール#0000を用い、試料接触させ試料を10
0回転させる。このとき試料が傷つく点のスチールウー
ル荷重で表わす。
3) 密着性試験 JIS−K−5400−1979塗料一般試験方法6.15に準じた
碁盤目試験で実施した。
尚、成形品A〜Fは本発明のものであり、他は比較の
ためのものである。Jはスプレー塗装不可のためフィル
ムアプリケーターにて塗布し成形品を得た。Kについて
は半固体のため成形できなかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和基当量140〜300で、エステル結合濃
    度10×10-3モル/gより大きい不飽和ポリエステル 10〜
    45重量部、 (B)スチレンモノマー 15〜60重量部、 (C)下記一般式(I)で示される不飽和基当量89〜13
    0の多官能(メタ)アクリルモノマー15〜75重量部 からなるゲルコート用樹脂組成物を、常温から80℃で型
    に塗布硬化し、次いでガラス繊維強化プラスチック層あ
    るいは人工大理石層を形成することを特徴とする成形品
    の成形方法。 (但し、式中のRは、少なくとも4個が(メタ)アクリ
    ルオキシ基で残りは、メタアクリルオキシ基を除く有機
    基、nは1〜5の整数を示す。)
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